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●塩水に浸かった農業機械について

東日本大震災における津波被害農業機械の取り扱いについて(お願い)

東日本大震災の被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。 一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
 農作業でも大変なご苦労をされているかと存じますが、津波で塩水に浸かった農業機械を利用する際には、以下の点に十分に留意して下さい。

1.塩水に浸かった農業機械は絶対にスイッチを入れない

塩水に浸かった農業機械(トラクター、田植機ではステップ以上、コンバインではシャーシフレーム以上、乾燥機では下部スクリュー以上浸かった機械「以下同じ」)は、JA農機センター、農機販売整備業者等が点検する前には絶対にスイッチを入れないで下さい。
 特に、バッテリーや電気配線の一部、電子制御装置や配線の一部、モーター部が塩水に浸かったことが懸念される場合は、塩水により電装品、電気配線がショートし易くなっており、漏電の危険があります。また、最悪の場合、火災につながることがあります。

2.修理・整備による回復の可能性

塩水に浸かった農業機械は、今後、修理・整備を行っても以前の状態に戻ることは難しいことも想定されます。
 先ずは最寄りのJA農機センター、農機販売整備業者等に相談して下さい。

3.機体の損害が著しい場合の対応策

修理・整備が著しく困難な場合や作業を目前に控えている場合は、修理に時間がかかることも予想されますので、早めに代替機やレンタル機、農作業受託事業者の手配をお勧めします。

4.修理・整備の費用は少なくない場合もあります

修理・整備の費用ですが、交換する部品は外観上の問題箇所だけでなく、塩水が入り込んだ部品装置のほぼ全てに及んでいる可能性があるため、分解・洗浄・部品交換などの費用が嵩むと見込まれます。状態によっては買った時の費用を超えてしまうケースも想定されています。

5.繰り返しの修理・整備が必要となる可能性があります

塩水に浸かった農業機械を修理した場合でも、既に浸水から長時間経過していますので、見えない部分にも広範囲に腐食が進んでいることも推測されます。多くの場合しばらくは順調に稼働しても、再び不具合が発生する確率が高いと見込まれますので、異常を感じたら早めの点検・整備を受けることをお勧めします。

6.不具合が発生しやすい個所と修理可能判断の目安

エンジン各部やギアミッション、油圧制御装置や電子制御装置、ブレーキ、各種のベアリングやハーネス類、バーナーなどが損傷していると考えられます。
 外観上、問題がないと思われる場合でも塩水に浸かった機械は、塩水などがブレザーパイプやマフラーなどから流入し、サビの発生や精密部品の損傷を招いていると考えられます。

 本会は、塩水に浸かったトラクター、田植機、コンバイン、乾燥機に想定される不具合個所と修理可能性について、判断の目安を作成しました。ユーザーの皆様がJA農機センターや農機販売整備業者等へ修理・整備を依頼される際の参考として下さい。

 (なお、当会は塩水被害を受けた農業機械の損傷状況を収集しましたので、下記機種をクリックしてご覧下さい。)

<塩水に浸かった農機の不具合個所について、判断の目安>
  1. 乗用型トラクター
  2. 乗用型田植機
  3. コンバイン
  4. 乾燥機

平成23年7月31日(改訂)

社団法人 日本農業機械化協会