2025年11月13日発行
<業界短信-新製品11月>
- 静岡製機が新型の農産物低温貯蔵庫を発表
- 丸山製作所が高耐久動噴を発売
- キャニコムが新型不整地運搬車を発売
- 山本製作所が汎用荷受ホッパ6型式を発表
- 松山が大型アッパーローター発売
- ヤンマーエネルギーシステムが大容量非常用発電機を商品化
- 本田技研工業が電動芝刈機を米国で公開
- クボタが2026年の新製品発表
- スズテックが種籾用播種機など新商品9機種発表
<業界短信11月>
- クボタが農業WEEKでスマート農業の未来展望を講演
- 井関農機が千葉県長生農業事務所の「畑女子セミナー」に協力
- 井関農機が100周年キャンペーン第4弾を実施
- 井関農機が営農情報サイト「Amoni」を刷新
- 三菱マヒンドラ農機が9月27日付取締役人事
- 農林水産省の基盤確立事業実施計画で井関農機・タイショーなど認定
- 丸山製作所がコロンビアに現地法人設立、製品販売を開始
- 全国農業協同組合中央会が国産国消フェスを開催
- クボタの「KATR」がドイツのデザイン賞受賞
- クボタが機構改革と役員異動発表、花田氏が社長昇格
- ササキコーポレーションの「スマモ」に購入補助
- ヤンマーホールディングスがパソナグループらと連携協定
- ヤンマーホールディングスのコンセプト農機「YPV-L」がドイツのデザイン賞受賞
<業界短信-新製品11月>
1.静岡製機が新型の農産物低温貯蔵庫を発表
農産物低温貯蔵庫「さいこGBRシリーズ」8型式および現地組み立て式の「大型さいこGBR3000/6000シリーズ」各2型式を発表した。GBRシリーズは、既販好評のGBXシリーズの後継機種で、5/7/10/14/20/21/28/32の8型式を揃え、数値はそれぞれ収容する玄米の袋数(2.5俵から16俵まで)を表している。8年ぶりとなるフルモデルチェンジで、型式5~14は1ドアタイプ、20~32は2ドアタイプになる。 両シリーズともに玄米/野菜切り替えで、庫内温度調節は2~20度C。出荷開始は来年5月の予定。
GBRシリーズの主な特徴は、
- 環境負荷が極めて少ない新冷媒のR1234yfを採用。地球温暖化係数(GWP値)評価で最良ランクGWP1のノンフロンR1234yfを採用して環境負荷を大幅に低減。これはフロン排出抑制法の対象外で、定期点検は不要
- 冷蔵ユニットの腐食やサビ付きを防ぐために、二重プロテクトのダブルディッピングコーティング(2回浸漬処理)を施すなど、安定した保冷性能を発揮
- コンプレッサーや各種ファンの運転時間を減らして節電する玄米ecoモードと米の品質保持を最優先して食味の劣化を抑える食味モードを従来モデル同様に搭載
- 使用周囲温度を見直し、40度の厳しい環境下でも安定した運転ができ、異常高温に見舞われる昨今の国内でも安心の保冷性能を発揮し、かつ節電性能でランニングコストを抑える
- 標準装備の回転鍵に加え、市販の南京錠も取り付け可能な鍵受けを装備したダブルロック対応とし、さらに扉を開けると同時にブザーが鳴動する設定もできるようにし、盗難などのトラブル回避にも効果的
- 扉の開閉時は連動して足元灯が自動で点灯(大型さいこは庫内灯を搭載)、暗い場所での作業をサポート
-など。
現地組み立て式の「大型さいこGBRシリーズ」については、型式3001(収容量54袋)/3003(同)/6001(同108袋)/6003(同)の4型式で、30001と6001は単相100V電源、3003と6003は三相200V電源。特徴はGBRシリーズと同様で、環境に優しくかつ安心の保冷機能を発揮する。
2.丸山製作所が高耐久動噴を発売
創業130年および動力噴霧機90周年を迎えたことから、新型動力噴霧機「ADVANCE FLOW」シリーズを新たに発売すると発表した。同社史上最も高い耐久力を誇るシリーズで、独自のMFC処理(マルヤマファインセラミックスコーティング)を施した新型シリンダパイプを搭載している。今回の新発売記念キャンペーンとして、10月から来年3月までの間、ADVANCE FLOW搭載の自走セット動噴、ラジコン動噴の購入者には、最大2万円分のカタログギフトをプレゼントする。応募方法は、製品同梱の応募フォームから必要事項を登録の上申し込む。プレゼントは応募フォームから申し込んだ全員に贈呈する。
同シリーズの主な特徴は、
- 同社史上最も高い耐久力を誇るシリーズで、社内耐久試験では1100時間をクリアし、これまでにない長寿命を実現
- 新型シリンダパイプには独自のMFC処理を施しており、MFC処理はダイヤモンドと同様の三次元的網目構造を持つ炭化ケイ素を使用している。従来のセラミック溶射コーティング処理に比べ、低温での処理が可能のため、ステンレス素材の金属組織変形を抑制、錆にくさを維持
- 環境負荷の高いクロムを使わず公害リスクを低減、持続可能な農業を支える製品づくりを進める同社の姿勢を端的に表す製品にもなっている
-など。
3.キャニコムが新型不整地運搬車を発売
新型の5t不整地運搬車「ムーンサルトダンパー」を新発売した。操作性・居住性・信頼性・メンテナンス性をさらに進化させた同製品は、一方向への排出に対応したダンプ機構を備えている。同社では、今後はダンプ機構に加えて、リフトや回転などの追加機能が加わるとしており、未来の姿として「ムーンサルト」とネーミングしたという。
主な特徴は、
- 最大作業能力5tを誇る高耐久荷台を搭載。従来機に比べて一度により多くの荷物を効率よく運搬できる
- 操作は直感的な1本のジョイスティック方式を採用。操作に不慣れな人でも扱いやすく、スムーズな作業をサポート
- LEDライト・ダンプ角コントロール・緊急停止スイッチなど安心・安全な作業のための各種機能も充実。さらにエアコンやオーディオも標準装備で、快適で楽しい運搬作業を実現
-など。
同機について包行均会長は、「これは完成形ではありません。むしろ、ここから物語が動き出す、助走の第一歩です。わたしたちが目指すのは、リフトし、回転し、そしてダンプする。まるでムーンサルトのような、しなやかで変幻自由な動き。スッと舞台に立ち上がり、滑らかに回転し、着地後にしっかりと衝撃を吸収するダンパー、これこそがまさに『ムーンサルトダンパー』であり、お客様のボヤキを解決する機能です。その理想を胸に、未来の姿をあえて今、ネーミングしました」とコメントしている。
4.山本製作所が汎用荷受ホッパ6型式を発表
荷受ホッパ・汎用荷受ホッパの新シリーズ「BHL‐8(D)シリーズ(全6型式)」を発表した。新型荷受ホッパ・汎用荷受ホッパは、搬送バランス調整シャッタを標準装備し、多様な穀物を安定して搬送できるように改良している。ラインアップは BHL-8(標準タイプ、籾・麦用)、8C(コンパクトタイプ、籾・麦用)、8W(ワイドタイプ、モミ・麦用)、8D(標準タイプ、籾・麦・大豆・そば用)、8DC(コンパクトタイプ、籾・麦・大豆・そば用)8DW(ワイドタイプ、籾・麦・大豆・そば用)。
主な特徴は、
- 搬送容量に合わせて標準タイプ・コンパクトタイプ・ワイドタイプとホッパーサイズを3タイプから選べる。増枠(オプション)取り付けで容量アップも簡単
- 設置場所や使用状況に合わせて張込み・排出方向が選択できる。キャスター付きのため作業用途に合わせて簡単に移動できる
- 簡単張込み。標準タイプはダンプ・フレコンの両方から張込みができる。省スペースのコンパクトタイプはフレコンからの張込みに最適。ワイドタイプは4tダンプからもラクラク張り込める全長3,180mm。張込み容量を増やしたい時には、オプションで増枠取り付けができる
- 作業環境に合わせた4パターンの張込み・排出方向が選べる
- 搬送バランス調整シャッタを標準装備。多様な穀物を安定して搬送できる
-など。
5.松山が大型アッパーローター発売
アッパー回転とスクリーンの効果で二層構造の土づくりが可能な大型アッパーローター、BURシリーズとDURシリーズをモデルチェンジ、20シリーズとして、BUR20シリーズは12月、DUR20シリーズは11月から新発売。50~100馬力対応のBUR20シリーズと、北海道専用で100~170馬力対応のDUR20シリーズの2機種をラインアップ。従来機と比較して耐久性と使いやすさが向上している。
BUR20シリーズはフランジ爪タイプのBUR2020U(作業幅2.0m)、2220U(作業幅2.2m)、2420U(作業幅2.4m)の3型式に加え、ホルダー爪タイプで畝立て仕様のBUR2220H(出荷時3畝立て仕様)の4型式をラインアップ。対応馬力は50~100馬力。
BUR20シリーズの主な特徴は、
- 今シリーズより、フランジ爪は従来モデルより板厚と幅を広くした新型爪A301Gを採用、耐摩耗性が向上
- 土の付着を抑える均平板下部のアンダーステンはボルト留めを採用し簡単に交換できることに加え、板厚も1.5倍となり耐久性が向上
- 均平板らくらくアシスト採用で均平板持ち上げ時の負担を50~70%軽減した他、耕うん軸のチェーンケース側につなぎ軸を採用したことで、メンテナンス性能が向上
- 装着方法はJIS標準オートヒッチの4L/3L/0Lを採用。また、フランジ爪タイプではマストがハイトップ仕様の2Lを用意し、車高の高い大型トラクターにも対応
-など。
北海道専用となるDUR20シリーズの主な特徴は、
- 耐摩耗性が向上した新型爪(BA121G)を採用
- 100馬力に対応するためミッションギアを強化、PT0は1000回転仕様となっていることに加え、チェーンケースの重みに対して左右のバランスをとるためのカウンターウエートを標準装備するなど、安定した作業を行う機能を装備
- 装着方法は2点クイックヒッチの2L仕様を採用。ハイトップ仕様のマストはCAT2/3兼用仕様となり、大型トラクターに対応
-など。
6.ヤンマーエネルギーシステムが大容量非常用発電機を商品化
データセンターや大型設備に対応する大容量の非常用発電機「GY175」を商品化し、シリーズ第1弾として今年度中に2000kVAクラス対応機種の販売を開始する。今後、26年度以降に3000kVAクラス、28年度以降に4000kVAクラスへの展開を計画している。昨今の電力需給逼迫や災害時における停電への事業継続計画(BCP)対策として、データセンターをはじめ工場やビル、病院など幅広い業界からのニーズに対応すべく、2000kVAクラス以上の大容量非常用発電機を開発した。今後の需要拡大に対応するため、同シリーズの新たな生産工場を増設し、供給体制を強化していく計画。
主な特徴は、
- 短時間起動実現、発電装置に対応する動作性能のISO規格で最高水準にあたるClass G3(ISO8528-5)に適合
- A重油対応による安定稼働
- 黒煙、白煙の発生を大幅に低減した環境配慮設計
- 遠隔監視サービス。バッテリー劣化診断、警報の緊急連絡などのほか、定期的なレポートを発行し、災害時に備えた管理体制作りをサポート
- メンテナンスの容易性。フィルター類などのメンテナンス部品は片側に配置し、GY175シリーズで部品の共通化することによる部品供給の安定
-など。
https://www.yanmar.com/jp/energy/news/2025/10/08/157276.html
7.本田技研工業が電動芝刈機を米国で公開
初となる電動乗用芝刈機「ProZision(プロジション)」シリーズとして、芝刈り作業を自動運転で行う「ProZision Autonomous(プロジション オートノマス)」、手動運転で行う「ProZision」の2機種を、米国ケンタッキー州ルイビルで開催された「Equip Exposition 2025」で世界初公開した。この2機種は、2026年中に米国での発売を予定。ProZisionシリーズは、これまで同社が芝刈機の研究開発で培ってきた高度な芝刈り技術に加え、最新の自動化・知能化技術を搭載した乗用芝刈機。造園作業の過酷な条件にも対応する高い走破性と、MicroCutツインブレードを活かした高い刈り取り性能を実現した。
ProZisionシリーズの主な特徴は、
- 優れた刈り取り性能。3基のMicroCutツインブレードにより芝が細かく裁断され、放出された芝が分散しやすくなるためきれいな仕上がりになる。また、作業者の熟練度や好みおよび芝の状態に合わせて高速・ノーマル・丁寧の3つの走行モードを選択でき、芝刈り作業の生産性向上と高品質な芝の仕上がりに寄与
- 操作性・快適性。バッテリー残量など、作業者が必要な情報を表示するディスプレーを装備。走行レバーとシートを一体とした構造により、シート位置を調整しても操作性を損なうことなく、快適な姿勢で芝刈り作業を行える。フルサスペンションの採用で、丘陵地や起伏のある地形でも低振動でスムーズな走行を実現し、作業者の疲労軽減につなげている
-など。
ProZision Autonomousの主な特徴は、
- 自動運転。作業者が手動走行によりあらかじめ設定した芝刈り経路・パターンを記憶させた(ティーチングモード)後、スマートデバイス上のアプリから自動作業を指示すると、機体はGNSSで自己位置を正確に認識しながら設定された作業経路・パターンに沿って芝刈り作業を行う(プレイバックモード)
- 安全機能。レーダー、LiDARを搭載することで障害物を360度全方向でセンシングし、障害物の接近を感知すると減速または停止する。また、四輪車開発で培った同社独自のトラクションコントロール機能により、傾斜地での自動運転も安定して行える
-など。
8.クボタが2026年の新製品発表
来年発売する一輪管理機「ウネマスターPro」3型式、普通型コンバイン「KRH450」、えだまめコンバイン「EDC1101」を発表した。
クボタ普通型コンバインKRH450は小型クラスの普通型コンバインにおいて、営農支援システムKSASとの連携を強化できる直接通信ユニットを標準搭載したほか、圃場ごとの収量を見える化できる収量センサーを搭載したモデル。
主な特徴は、
- KSASとの連携を強化できる直接通信ユニットを標準搭載しており、スマートフォンなどを介さずにKSASとの連携が可能。収穫作業をするだけで作業日誌が作成できる自動日誌作成や、機械の状態やその日の作業時間、燃料消費量などをスマホやパソコンなどで手軽に確認できるMY農機など、KSASの便利機能が使いやすくなる
- 圃場ごとの収量を見える化できる収量測定仕様(J仕様)を採用=グレンタンク下部に収量センサーを搭載(J仕様)。グレンタンク内の穀粒重量を測定し、キャビン内のマルチナビに表示できるほか、収量データは直接通信ユニットを介してKSASに送信される
- 作物適合性、メンテナンス性の向上=高水分作物や倒伏など厳しい条件下で作業する場合も高精度な選別が可能
-など。
クボタえだまめコンバインEDC1101は、従来機よりも作物適合性を向上させ、より多くの品種、地域に対応できるようモデルチェンジした。
主な特徴は、
- 引抜ベルトによる莢の損傷の低減=引抜部のローラを従来機の対向固定配置から千鳥テンション方式に変更。引抜ベルトによる着莢位置の低い(地面に近い)莢への損傷を大幅に低減させた
- 草丈の適合範囲の拡大=フィードチェーンの作物挟持区間を200mm延長した。草丈が長い場合でも脱莢部に詰まることなく、スムーズな排出が行える
- 土付着作物への適合性拡大=従来機ではオプションだった「土落としブレードキット」を標準装備。さらに供給丸棒ガイドに関節を追加し、土詰まりを回避。これにより根に多くの土が付着する際の適合性が向上
-など。
9.スズテックが種籾用播種機など新商品9機種発表
本社で2025年新商品発表会を行い、稲作用の播種機TRK4000K/同3000/RK300、播種機RK150、もみ感知ブザーMKB1、トウモロコシ播種機STH7SC、セルトレイ土入れ機STS209、ニラそぐり機NS500、新玉ねぎ調製機RTC2000PROの9機種を発表。来年11月に80周年を迎える第70期の社内方針を明らかにした鈴木直人社長は、「謙虚さ・丁寧さを大切に!」をテーマに掲げ、農家、取引先に選ばれる商品・サービスの提供に注力していく姿勢を強調した。
稲作向けの播種機(TRK4000K/同3000/RK300)の主な特徴は、
- 育苗箱の両脇からの土漏れ、土入れ量の偏りを防ぎ、また、種籾漏れや播種が薄くなることを防ぐそれぞれのガイドを採用、資材のロス、無駄を抑制する
- 補助レール本体は折りたたみ収納式でロック機構を備え、安全性、収納性に優れる
- また、折りたたみ式補助脚により、育苗箱の荷重によるたわみ・変形を効果的に抑制するなど、農家要望を極力製品に反映させ、使いやすい播種機として需要把握の期待は大きい
-など。
播種機RK150の主な特徴は、
- 人工マット環境に適した灌水量・構造で、薬剤灌水にも標準対応
- オプション仕様では粒状培土や厚播きに適した灌水量・構造に変更可能
-など。
トウモロコシ播種機の主な特徴は、
- 北海道の要望に応え開発。スイートコーンコーティング種子に適用
- 1人作業で約100トレイ/時の播種が可能な高効率機。播種穴の鎮圧成型と播種を同時に行う一体型作業機
-など。
ニラそぐり機の主な特徴は、
- 収穫したニラの泥汚れや余分な外葉を取り除くそぐり作業の機械化を他機種と比較し低価格で実現
- 処理能力(1束当たり110g想定)は500束/時
- 水とエアーの複合噴射により効率的に除去する。処理スピードは3段階に設定可能。最大600mmの長尺ニラのそぐり処理に対応
-など。
<業界短信11月>
1.クボタが農業WEEKでスマート農業の未来展望を講演
千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「第15回農業WEEK(通称J-AGRI TOKYO)」で、クボタエグゼクティブオフィサー研究開発本部副本部長次世代技術研究ユニット長・荒木浩之氏は「クボタの見据えるスマート農業の未来」と題して講演した。荒木氏はクボタについて会社概要を紹介したのち、人類における農業の歴史と社会構造の変化などを振り返り、社会課題解決のためにクボタが進めている農業機械化における取り組みと、将来展望として「プラネタリーコンシャスな農業の実現」を紹介した。
荒木氏は2070年には100億人を突破する見込みである人類を養うには農業がさらに進化する必要があると指摘し、クボタが開発・普及を進めてきた第2・第3世代の農業(1980年代~)ならびに第4世代の農業(2010年代~)の技術を紹介した。第2・第3世代農業の技術として、トラクター・コンバイン・田植機などの高性能農機を開発。モンローマチック(自動水平制御)や倍速ターン、パワクロ、自動耕深などの様々な新しい技術を打ち出した。続く第4世代では、スマート農業ソリューションとしてKSASや自動農機などを示した。そのうえで、将来について「プラネタリーコンシャスな農業(地球にも人にも優しい農業)」を目標に掲げた。
https://biz.q-pass.jp/f/11936/jagri_gardex_25/seminar_register...
2.井関農機が千葉県長生農業事務所の「畑女子セミナー」に協力
千葉県長生農業事務所は千葉県茂原市法目の農産物直売所ねぎぼうず旧店舗会議室で「畑女子セミナー」を開催した。これには茂原市や白子町、長南町から9人の若手女性農業者が参加。また、農業女子プロジェクトでの個別企業活動「夢ある農業女子応援Project」の一環として井関農機が協力。女性推進チーム「ISEKI Agrinno Ladies さなえ倶楽部」のメンバーが、参加者に農作業安全について講義し、トラクターと管理機の基本的な点検・整備・操作方法を解説した。
セミナーでは、さなえ倶楽部メンバーが農作業安全についてスライドを用いて説明。農作業における死亡事故の発生件数は2021年に242人。特に高齢者に多く、農業機械作業に係る事故の割合が変わらず高いことを紹介した。実習では新型トラクター「BF25」を使用し、ドイツ製サスペンションシートの乗り心地の良さを実際に座って体感。エアクリーナの掃除方法やエンジンオイルの点検方法、ロータリ爪の交換時期の目安などについて紹介した。管理機の実習では、メンテナンス方法を教えたほか、草が絡まったときは必ずエンジンを停止させること、バック時は後方確認を怠らないようにすることが大事だと話した。
参加者からは安全作業の必要性が分かったなどの声が聞かれた。
3.井関農機が100周年キャンペーン第4弾を実施
創立100周年を記念したプレゼントキャンペーン第4弾(最終弾)を実施すると発表した。キャンペーンは「買って当たるコース」と「応募して当たるコース」があり、キャンペーン期間はいずれも10月1日~12月31日。
キャンペーン概要をみると、「買って当たるコース」は対象期間内にセールスが配布しているチラシ下部の応募券に必須事項を記載の上、2025年12月31日までに担当セールスへ渡す。応募資格は対象期間内に新品の井関トラクター、コンバイン、田植機を1台以上契約、かつ納品を完了した人で、抽選で100名にモンベルベルニナショルダーSをプレゼントする。「応募して当たるコース」は対象期間内にAmoniキャンページより申し込む。抽選で100名にさなえちゃんぬいぐるみをプレゼント。いずれも応募者の中から厳正なる抽選を行い当選者を決定する。当選者に対しては2026年1月以降に連絡する。
4.井関農機が営農情報サイト「Amoni」を刷新
営農情報サイト「Amoni」が現場知見と最前線の情報を発信する実践アグリメディアとしてリニューアルした。「Amoni」は、生産者+参画企業+ISEKIグループの「共創・共争・共奏」をテーマに、情報収集・学び・問題解決の場を提供してきた営農情報サイト。
今回のリニューアルではサイトの構成とデザインを大幅に刷新し、農業の現場に日々向き合う人が必要とする情報や最新のトピックスへよりスムーズにアクセスできるようになった。スマート農業の取り組みや環境に配慮した営農技術、大規模畑作の運用実態など、日々の試行錯誤から得られた実感に基づく「リアル」を、より分かりやすく届ける。「水稲生育予測機能」「積算温度予測機能」はこれまで会員限定だったが、アカウント登録不要で誰でも利用できるようになった。さらに、アカウント登録(無料)を行うことで、予測の条件を最大5個まで保存でき、これにより、手軽かつ営農現場で実用的に活用できるツールとなった。
5.三菱マヒンドラ農機が9月27日付取締役人事
9月26日開催の同社臨時株主総会で取締役人事を決定するとともに、新役員体制を発表した。内容をみると、2025年9月26日付で末松正之氏ならびにラジェシュジェジュリカール氏が、非常勤取締役を退任。9月27日付で佐々倉正彦氏、アミゴーダ氏が非常勤取締役に就任した。
これにより、同社の2025年9月27日付役員体制は次の通りとなった。
CEO取締役社長に齋藤徹氏、CFO取締役副社長にマニッシュクマールグプタ氏、CTO取締役に福田禎彦氏、非常勤取締役に佐々倉正彦氏、相山知道氏、飯沼和宏氏、ヴィジェーナクラ氏、アミゴーダ氏、イシャダラル氏、監査役に木村健治氏、非常勤監査役に片山彰氏、横田祐一氏。
6.農林水産省の基盤確立事業実施計画で井関農機・タイショーなど認定
農林水産省はみどりの食料システム法に基づく基盤確立事業実施計画を認定し公表した。今回計画が認定された3件のうち、農機関係では井関農機及びタイショーの計画が認定され、両社の可変施肥が可能な直進アシストトラクター及び高精度ソワー、OATアグリオの養液土耕栽培システムは、みどり投資促進税制の対象機械に追加された。
今回認定された計画の概要を見ると、営農支援システム「ザルビオ」を活用し、生育データに基づく可変施肥が可能な直進アシストトラクター及び高精度ソワーの普及拡大を図る。これらは化学肥料の使用低減に寄与。両社で連携し、パンフレットの作成や現地説明会の開催、展示会への出展を実施する他、井関農機が運営するポータルサイト「Amoni」による農業者への情報発信を行う。計画実施期間は7年9月~11年12月、みどり投資促進税制の対象機械に追加。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/attach/pdf/midorihou_kibann-221.pdf
7.丸山製作所がコロンビアに現地法人設立、製品販売を開始
コロンビアに現地法人「MARUYAMA COLOMBIA S.A.S.」を設立、10月から製品販売を開始した。同国はコーヒー豆、生花、バナナ、パーム油などで世界的な競争力を持つ農産物生産国ながら、生産現場は中小規模の家族経営農家が大部分を担っており、それぞれにおける生産性向上、機械化が喫緊の課題となっていることから、こうした現状に同社製品や技術力が貢献できる余地は大きいと判断、今回の事業を進めるに至った。現地法人は今年1月9日に設立。
同社は、「長年にわたり培ってきた防除技術と現場の声を反映した製品開発力で、成長ポテンシャルの高いコロンビア市場のニーズに応えることを目指す。現地法人が主体となり、製品販売後のきめ細かなカスタマーサポート体制を構築、お客様が製品を安心して長く使えるようにサポートする」とし、同国農業の発展に貢献する意欲を示している。
8.全国農業協同組合中央会が国産国消フェスを開催
都内千代田区のKITTE丸の内1階アトリウム・テラスにおいて、JAグループ「食と農でつながる国消国産フェス」を開催した。国消国産は私たちの国で消費する食べ物は、できるだけこの国で生産するという考え方のことで、日本の食と農について知って、国産農畜産物をさらに味わってもらうきっかけを提供したいという想いから、国産農畜産物について楽しく学び、美味しく味わうイベントを提供した。
会場の特設ステージではJAグループサポーターの林修氏が登壇し、全国農協青年組織協議会(JA全青協)会長や、東京農業大学の学生とのトークショーを実施したほか、タレントのギャル曽根さん、QuizKnockの鶴崎修功さん、東問さんをゲストに迎えた国消国産クイズ大会、JAグループキャラクターの笑味ちゃんとハローキティがコラボしたグリーティングなども行われ、若者から親子連れ、お年寄りまで大勢の観覧者で賑わった。
また、会場ではJA全青協及び東京農業大学による自慢の農産物・加工食品を集めたマルシェが行われたほか、JA全農による和牛試食会、秋の食材を使ってちょうど1kgを量るゲーム「触って感じる重量感覚チャレンジ」、国産和牛や各地の味覚が当たる「スタンプラリーガチャ」なども開催され、参加者が楽しみながら各小間をまわっていた。
9.クボタの「KATR」がドイツのデザイン賞受賞
開発を進める全地形型プラットフォーム車両「KATR」が、世界三大デザイン賞の1つである「レッドドット・デザイン賞」のデザインコンセプト部門において、「レッドドット賞」を受賞したと発表した。
「KATR」は、傾斜地や凹凸のある路面でも4本の脚を油圧で曲げ伸ばしして適切な重心を維持することで、荷台を平らに保ちながら走行することができるため、不整地でも最大240kgの積載物の運搬が可能。製品設計・デザインともにモジュール設計を採用しており、車幅やホイールの大きさなどの仕様を柔軟に変更することができ、様々な作業条件にスムーズに対応可能。将来的には、AIや自動運転技術を活用し、人と協働する自律型の車両化を構想している。デザインの特徴は、人と協働する車両にふさわしい生き物のような親しみやすさと力強さを備えた、合理的で洗練されたデザインを目指した。前後対称の外観は自動運転車両としての柔軟な作業性を象徴していることに加え、モジュール設計のため様々な仕様に対応できるのも特徴。
「KATR」が受賞した「デザインコンセプト賞」は、コンセプトや試作機から市場投入前の製品まで、開発段階にあるものが対象になる。
10.クボタが機構改革と役員異動発表、花田氏が社長昇格
10月22日開催の取締役会において、2026年1月1日付で代表取締役の異動を決議した。それによると、北尾社長が代表取締役会長に就任し、新たに花田晋吾代表取締役副社長執行役員が代表取締役社長CEOに就任する。異動の理由は、「2026年は次の中期経営計画が始まるタイミングであり、経営トップとして現・副社長花田晋吾氏を社長およびCEOとして選任し、新たな経営体制で事業を推進していくため」としている。また、2026年3月下旬開催予定の同社定時株主総会に提案する取締役候補として市川信繁常務執行役員(2026年1月1日付で専務執行役員に昇任予定)、東隆尚常務執行役員(同)、近藤渉常務執行役員(同)の3氏を選定した。
機構改革では、「機械事業本部」を廃止し、社長直下に「企画統括本部」を配置。「企画統括本部」各事業に社長が直接かかわることで意思決定の円滑化を図るほか、全社を横断する機能別組織(企画統括、研究開発、製造、安全、コンプライアンス・品質保証、ICT、人事)を設置し、各機能別組織には社長(CEO)から権限を委譲されたチーフオフィサーを配置する。また、トラクター事業・作業機事業・インプルメント事業の製品企画や開発機能などを統合し、農業分野における事業戦略を管轄する「農業機械事業部」を新設する。併せて、農業機械事業について、海外拠点を含む製造・販売のオペレーションを管轄する「機械グローバルオペレーション本部」、サービス・品質保証を管轄する「機械グローバルカスタマーファースト本部」をそれぞれ新設し、農業ソリューションの更なる強化を目指す。なお、両本部は建機、エンジン事業などとも連携して、同機能の強化を目指す。
https://www.kubota.co.jp/news/2025/data/jinji25-13.pdf
11.ササキコーポレーションの「スマモ」に購入補助
生産・供給する電動リモコン作業機「スマモ」が、環境省の「令和7年度農業機械の電動化促進事業」の対象機になり、同機の購入ユーザーには補助金が出ることを明らかにした。同事業は農林水産・食品産業技術振興協会が実施主体となり進めているもので、農機の電動化を図るために、普及拡大に向けて補助金を交付する。
対象機は、電動リモコン作業機「スマモ」。対象型式はRS400-M4F(草刈フルセット)、同-AZ4F(畦草刈フルセット)、同-SC4F(際刈フルセット)の3型式。今年度の事業枠がいっぱいになり次第締め切りとなることから、同社は「スマモの導入を検討されている方はお早めに」と事業申し込みを促している。
「スマモ」は、リモコン操作で、刈払機などでは作業しにくい場所、太陽光発電パネル下、果樹園などの狭く低い場所でも安全に草刈り作業を進めることができる、電動・リモコンタイプの草刈機としては先駆けとなる製品。すでに太陽光発電の現場や果樹園から好評を得、出荷実績を伸ばしている。今回の事業対象機となったことで、同社は「同機の普及を加速させるとともに、日本農業が直面する脱炭素化、軽労化・省力化という課題解決に貢献していく」と、一層の実績アップに期待を寄せている。
12.ヤンマーホールディングスがパソナグループらと連携協定
パソナ・大阪で、パソナグループと一般社団法人Well-being in Natureの3社において、食とエネルギーの自給率向上と循環型社会の実現に向けた連携協定を締結し、調印式を行った。また「1億人のアグリライフプロジェクト」と題した今回の連携の概要についても発表した。式に出席したヤンマーホールディングス・山本哲也COOは冒頭で、「パソナとは農援隊が設立された2011年から、農業の機械化や土づくりに関して付き合いが始まった。この度、広範囲での連携に合意ができたことは将来に向けた大きな一歩だ。今回のテーマである、食とエネルギーの自給率向上と循環型社会の実現は、私たちのミッションそのものを実行することだと考えている」と挨拶した。ヤンマーグループが6月に発表した未来の農地を守るプロジェクト「SAVE THE FARMS」を、パソナ「Awaji Nature Lab」において、モデル圃場として共同開発することなども挨拶の中で言及した。
同連携では、「農」を通じたウェルビーイングな社会の実現をテーマに、3社がそれぞれの強みを結集する。また、農業を通じて地域社会や人々の心身の豊かさに貢献する農業者を称える「ウェルファーマー・アワード」の創設や、新規就農者の教育・支援を目的とした人材育成プログラムを共同で展開し、技術力と経営力を兼ね備えた次世代農業人材の育成に取り組む。
13.ヤンマーホールディングスのコンセプト農機「YPV L」が
ドイツのデザイン賞受賞
コンセプト農機「YPV-L」およびコンセプトフォイリングセイルボート「YPV-S」が、ドイツのデザイン賞「Red Dot Design Award 2025」のデザインコンセプト部門で受賞した。「Red Dot Design Award」はプロダクトデザイン、コミュニケーションデザイン、デザインコンセプトの3部門で構成され、プロダクトデザイン部門では、ヤンマーパワーソリューションの舶用水素燃料電池システム「GH240FC」が入賞している。
ヤンマーは、2024年11月に「YANMAR PRODUCT VISION(YPV)」を発表した。YPVとは、様式にとらわれず本来の機能的な価値・意味を重視する「本質デザイン」の思想に基づき、2035年を想定して各事業製品のありたき姿を視覚化したビジョン。未来を想像したYPVから生み出したデザイン要素と、これまでヤンマーが培ってきたデザイン要素を掛け合わせてデザインプラットフォームとし、様々なデザインプロジェクトに応用する。デザインの効率化と高次元化を両立化することで顧客価値を最大化する。「YPV-L」は効率化と持続可能性を追求した未来の農業を支えるトラクター。正確で力強い作業を行う「剛健さ」と、流線形の造形による「柔らかさ」を融合させた頼もしい相棒としてデザインした。農業機械と建設機械「YPV-C:都市(City)」のキャビン部分を共通にするプラットフォームデザインを行っており、それぞれの製品で、高い居住性と操作性、コストダウンを実現する。






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