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農業機械関連ニュース

2025年10月10日発行

<業界短信-新製品10月>

  1. 小橋工業がサイバーハローを発売
  2. 山本製作所が山形農機展100回記念に100石新型乾燥機を発表
  3. サタケがマジックライス「まぜこめっつ」発売
  4. 田中産業がヌカロンホルダー2袋用の販売開始
  5. アテックスがハイブリッドラジコン草刈機発売
  6. 三菱マヒンドラ農機が大型トラクター5型式発売を発表

<業界短信10月>

  1. ヤンマーがTICADイベントで取り組み発信
  2. ヤンマーホールディングスが2025年3月期連結業績を発表
  3. 丸山製作所が機構改革及び人事異動を発表
  4. 井関農機のアイガモロボがForbes JAPANアワードでグランプリ
  5. 井関農機が農業女子オンライン座談会の実施報告
  6. クボタがアフリカ農機融資で三井住友銀行と覚書締結
  7. サタケのライスセンター向け生産支援システムがアグリノートと圃場データ連携
  8. 本田技研工業が2029年に八重洲へ本社移転
  9. サタケの食育プログラムが20周年
  10. オーレックが写真と川柳のコンテスト受賞作品を発表
  11. 日本農業食料工学会の第12回開発賞にクボタ、井関農機、小橋工業、ヤンマーアグリ
  12. JA全農が全農リポート2025発行
  13. 諸岡が本社工場に空調システム採用
  14. 日本農業法人協会が収入保険制度改善で緊急要望
  15. クボタが世界初の水素燃料電池トラクターを大阪・関西万博で披露

<業界短信-新製品10月>

1.小橋工業がサイバーハローを発売

新型サイバーハロー「TXF/TX」シリーズの販売を開始。新たなサイバーハロー「TXF/TX」シリーズの登場により、機能性や価格の異なるモデルが揃い、ラインアップが拡充した。加えて作業負担やコストといった現場の課題に応じて、最適な1台を選べるようになった。
 TXFシリーズの主な特徴は、

  1. 中型クラス最長の作業幅で、飛躍的に効率化。従来製品と比べて一度に作業できる面積が大幅に拡大し、限られた時間や人手でも効率的な代かき作業が可能
  2. クラス初の高耐久「ゼット合金爪」を装備。高耐久の合金を代かき爪に溶着することで、従来よりも摩耗に強く、長期間にわたり安定した代かき性能を発揮する。爪の交換頻度が減ることで、メンテナンスの手間やランニングコストを削減できる
  3. 新開発のスマホアプリと連携し、作業の見える化を実現。スマホアプリ「KOBASHI Navi」は、代かきの深さや仕上がりを数値と色で可視化し、作業記録やメンテナンス機能も搭載。スマートな見える化で、経験や勘に頼らず、高品質な米づくりに欠かせない均一で丁寧な代かき作業を誰でも簡単に実現できる

-など。


 TXシリーズの主な特徴は、

  1. 格納幅に応じて最大の作業幅を確保する設計で、代かき回数を削減し、作業効率を向上
  2. エプロン加圧機構の採用により、すき込み性能と砕土性が向上し、生産性がアップ
  3. 従来からの高い仕上がり性能(スランティングカット爪、大型スプリングレーキ、タイヤ跡消しなど)を継承

2.山本製作所が山形農機展100回記念に100石新型乾燥機を発表

山形県山形市の山形ビッグウイングで開催された「第100回山形農業まつり農機ショー」において記者会見を行い、「ウインディビルド」シリーズの最大クラスとなる新機種100石遠赤乾燥機と、汎用フレコン計量ユニットを発表した。第100回山形農業まつり農機ショーの記念すべき節目に100石の新型乾燥機を発表。ビルドシリーズの集大成として、現行の80石乾燥機に収まるサイズでありながら、100石対応を実現した。汎用フレコン計量ユニットは、米の増産が進む中で、作業の省力化や省人化が求められており、そのニーズに対応できる業界初の新型汎用フレコン計量ユニット。
 遠赤乾燥機ウインディビルドの主な特徴は、

  1. 新設計乾燥機でデッドスペースの有効活用。現行の100石乾燥機より高さを1m以上低くし乾燥機中箱から上部を160mmずつ広げることで設置スペース(全長・全幅)を低く抑えた
  2. 最大使用電力は約3.6kWで、現行80石クラス乾燥機と同等となり、乾燥機更新時に契約電力の見直しが不要
  3. ビルド乾燥機の集大成。「おまかせ乾燥」「Aiオート」「撹拌運転」「ビルドスコープ」といった、これまでユーザーに好評だった機能を継承し、使いやすさ、高品質な乾燥を実現

-など。


 フレコン計量ユニットの主な特徴は、

  1. 業界初の米麦以外に「大豆」も計量可能な汎用フレコン計量機
  2. 大豆の「大粒・中粒」や米の「整粒・屑米」など、2種類の穀物を分けて貯留可能なダブルタンク構造
  3. 作業環境にあわせた、フレコン取り出し位置以外の3方から昇降機位置を選択可能。個袋計量装置、サンプル装置、操作盤も作業しやすい位置に設置可能

3.サタケがマジックライス「まぜこめっつ」発売

グループ会社であるサタケフードビジネスは、オタフクソースと共同開発した、水を使わないマジックライスの新シリーズ「まぜこめっつ」を発売した。「まぜこめっつ」シリーズは、乾燥米飯と混ぜご飯の素がセットになっており、双方を混ぜるだけで調理水を使わずに調理できる。非常時、水やお湯が使えなくても食べることができ、防災食としてもより使いやすくなっている。混ぜご飯の素はオタフクソースと共同開発し、カレーライス、炊き込みご飯、チキンライスの3種類をラインアップした。いずれも常温(20度C)の場合、混ぜてから40分で簡単に食べられる。未開封時の保存期間は4年と長いため、保存食にも向いている。
 主な特徴は、

  1. 調理水が不要。調理水は不要で、乾燥米飯に混ぜご飯の素を混ぜるだけの、簡単調理
  2. 4年間の長期保存。保存期間が長いので備蓄にも最適
  3. オタフクソースと共同開発。混ぜご飯の素は、3種ともオタフクソースと共同開発、カレーライスには「オタフクお好みソース」、チキンライスには「オタフクトマトケチャップ」を使用

-など。

4.田中産業がヌカロンホルダー2袋用の販売開始

籾殻を籾すり機から連続で受け取り、持ち運びに便利なメッシュタイプの収納袋「ヌカロン」のホルダー「ヌカロン(登録商標)ホルダー2袋用(NH-2HJ)」をリニューアルし、販売を再開した。これまで「使いやすい」と好評を博していた「ヌカロンホルダー2袋用」を、時代に合わせた使いやすさを更に追求するため、リニューアルに至った。
 主な特徴は、

  1. 留め具を統一し、工具不要で組立てを簡単にした
  2. 投入口・排出口を大きくして、支柱を太く重心を安定させ、作業効率を高めた。ヌカロンホルダーを使うことで籾殻の袋取りがスムーズに行える
  3. 従来通り、2つ取り付けた片方の袋がいっぱいになった際は、ダンパーを切り替えるだけで、籾すり機の電源を落とすことなく、袋の交換が簡単に行える

同社のヌカロンは、籾殻を籾すり機から連続で受け取る、持ち運びに便利なメッシュタイプの収納袋。通気性のある網袋で、長期間の使用に耐えると好評。そのホルダー「ヌカロンホルダー2袋用」は長らく欠品していた。

5.アテックスがハイブリッドラジコン草刈機発売

ハイブリッドラジコン草刈機「神刈」シリーズの最新機種、有人監視型(LV2)自動運転草刈機「神刈:RJ705ROB」を発売した。
 草刈りはエンジン、走行は電動のハイブリッド仕様で、騒音を抑えたい場所での移動が静かに行える。2個のGNSSアンテナを使用し、機体の位置情報と向きを認識。GNSS測位モジュール、LTE通信モジュール、フライトコントローラ、通信コントローラなどの自動運転ユニットを装備している。神刈アプリに対応しており、緊急時はスマホで走行操作が可能。アプリ内で取扱説明書やサービスマニュアルも閲覧できる。
 主な特徴は、

  1. 刈幅700mm・使用最大傾斜角度=自動運転時30度、手動運転時45度・エンジン最大出力18.2PSの性能を持ち、設定用タブレットと防水プロポ(IP65規格)を標準装備
  2. 自動運転操作は分かりやすく直感的に操作でき、走行ルートの保存が可能。2種類のアンテナを使用し、高精度な草刈り性能を有し、自動運転時の誤差5cm前後で作業を行うことができる
  3. 障害物回避のための経路修正機能、バンパセンサー接触時の自動停止機能など、安全機能

-など。

6.三菱マヒンドラ農機が大型トラクター5型式発売を発表

2026年2月から、大型トラクター「GR100R」(100馬力)、「GR110R」(110馬力)、「GR115R」(115馬力)、「GR125R」(125馬力)、「GR135R」(135馬力)の5型式を新発売する。同社では、余裕のパワーと快適な作業空間、優れた操作性のベストパートナーかつ畑作、稲作、酪農、畜産まで高い汎用性で高効率を実現する大型トラクター-として拡販にあたる。
 主な特徴は、

  1. エンジンは、フル電子制御により燃料噴射を厳密にコントロールするフル電子制御コモンレールシステム。高い燃焼効率でパワフルながらも低振動・低騒音を実現、疲労軽減にも貢献
  2. 排気量は6.1L(GR115R/125R/135R)と大排気量エンジンを搭載、油圧揚力は6100kgf(同)を誇る
  3. 作業に合わせて柔軟に対応するGR専用のオートローダーを搭載、優れた揚力と操作性に加え、着脱の簡単さはもちろん、運搬時の衝撃も低減させることで、ゆとり作業を可能にした
  4. マイコン式操作レバー(EC仕様)はゆっくり、そして素早くと、手の動きに合わせた自然な操作がレバー1本でできる
  5. カラー液晶パネルは先端アタッチやアーム位置をモニター確認できる。市販のカメラ(別売り:2カ所まで可能)の使用も可能

-など。

<業界短信10月>

1.ヤンマーがTICADイベントで取り組み発信

神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された「TICAD Business Expo & Conference」(JETRO主催)会場内にて、「西アフリカにおける農業機械化貢献活動に関する事例紹介」のイベントを開催した。ヤンマーアグリの所司ケマル社長、取締役開発統括部部長・川尻伸也氏、営業統括部営業企画部部長・須山雅俊氏をはじめ、ヤンマーが協業しているコートジボワールの販売代理店ATC Comafriqueからもルーシー・バリー・タヌース社長が登壇。ヤンマーが推進している西アフリカにおける農業機械化の取り組みについて紹介した。
 また、別日のステージプログラム「トルコと日本企業のアフリカ・第三国ビジネス連携の今」の中で、ヤンマーアグリの所司ケマル社長が登壇した。所司社長はトルコで生産されているトラクター作業機、耕うん機などの製品を、実力のあるトルコの営業マンとともに、アフリカ大陸全土に供給していくために、これからもトルコ拠点を最大限に活用していくと述べた。

2.ヤンマーホールディングスが2025年3月期連結業績を発表

2025年3月期の連結業績を発表した。それによると、売上高は1兆796億円(前年同期比0.2%減)となった。営業利益は430億1900万円(同29.9%減)だった。経常利益は410億円(前年同期比49.0%減)、売上高経常利益率は3.8%だった。また、連結売上高に占める海外売上高は6416億円(前年同期比3.0%減)で、海外売上高構成比は59.4%となった。同社では「前年に引き続きスマート農業技術の開発を加速」させ、「A SUSTAINABLE FUTURE -テクノロジーで、新しい豊かさへ。-」の実現を目指すとしている。
 2026年3月期における連結業績の見通しについて、売上高は1兆490億円(前年比2.8%減)、営業利益325億円(同24.5%減)、経常利益355億円(同13.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益171億円(同57.7%増)とした。
国内市場では農業機械の底堅さに加え、海外市場ではチェコ共和国のコージェネレーションメーカーであるTEDOM a.s.の買収効果や発電機を含めたエネルギーシステム、舶用エンジンの堅調な需要を取り込み、増収を見込む。

3.丸山製作所が機構改革及び人事異動を発表

10月1日付の機構改革および人事異動と、12月18日付の取締役異動を公表した。  人事では、上席執行役員生産企画部長兼千葉工場副工場長に松嶋宙太(日本クライス代表取締役社長)、同技術本部長に鈴木健一(上席執行役員経営企画室長)、執行役員ポンプ事業部長に内山将治(MAUYAMAU.S.,INC.取締役社長)、同国内営業本部長に穴井拡和(執行役員国内営業副本部長兼営業企画部長)、同経営企画室長に山下俊(西日本支店長)の各氏が就任。
 また、取締役異動については、松嶋氏を取締役候補とし、12月18日開催予定の定時株主総会での承認をもって正式就任する。
 機構改革については、北海道支店と東北支店を統合して北海道・東北支店とするほか、生産本部に技術本部を設置。また、技術本部には技術部を設けるとした。

4.井関農機のアイガモロボがForbes JAPANアワードでグランプリ

Forbes JAPANが主催する「Xtrepreneur AWARD 2025」において、NEWGREENとの共同プロジェクトである「アイガモロボ」がグランプリを受賞したと発表した。「Xtrepreneur AWARD 2025」とは、複数の企業が接続し、企業のレガシー(資産)を使うことで、新たな価値を生み出し、あらゆる社会課題を解決するプロジェクトに光をあてる、Forbes JAPAN主催・経済産業省後援のアワード。授賞式は8月27日、都内のザ・リッツカールトングランドボールルームで行われ、井関農機から冨安社長、NEWGREENからは山中CEOと中村哲也副社長が出席した。
 自動抑草ロボット「アイガモロボ」の特徴は次の通り。

  1. 田んぼの中を自律走行し土を巻き上げ、にごりを発生させると同時に、巻き上げられた土が雑草の種子や芽の上に堆積することで雑草の発生を抑制
  2. ソーラーパネルを搭載し、太陽光発電によるクリーンエネルギーで稼働
  3. 農研機構、東京農工大学、NEWGREEN(旧社名:有機米デザイン)、井関農機で行った実証試験では、アイガモロボ導入により、導入しない場合と比べ、収量は平均10%増加し、機械除草回数が58%減少したことから、有機水稲栽培における省力的な雑草防除技術としての活用が期待されている

-など。

5.井関農機が農業女子オンライン座談会の実施報告

「第10回農業女子オンライン座談会身近な機械のメンテナンス方法をおさらいしてみよう!」の実施報告を行った。それによると、座談会には水稲・野菜・果樹など幅広い作物を栽培する農業女子メンバーなど8名が参加した。同社がグループ全体で進めている「夢ある農業女子応援Project」活動の一環で、組織横断の女性推進チーム「ISEKI Agrinno Ladies『さなえ倶楽部』」を中心に企画・進行した。2025年2~3月に実施した農業女子へのアンケートでは、農業機械のメンテナンスや野菜作に関するセミナーへのニーズが多く寄せられたため、今回は刈払機・耕うん機のメンテナンス方法について、野菜移植機・育苗の紹介をテーマにセミナーを行った。
 参加者からは「外して掃除して大丈夫なところがわかり、写真も多く理解しやすかった」「いつも使いっぱなしで気になっていたメンテの方法がわかってよかった」など好評だった。

6.クボタがアフリカ農機融資で三井住友銀行と覚書締結

三井住友銀行と、アフリカにおける農業機械販売に資するファイナンスの提供に関する業務提携に合意し、覚書を締結した。アフリカにおいて、効率的な農業生産に不可欠な機械化を促進することで、同地域の喫緊の課題である食料問題の解決に貢献していく。
 クボタは自社の強みである稲作市場向け農業機械の輸出販売に加え、2017年にはKubota Kenya Limitedを設立し、マーケティング機能の強化を図ってきた。さらに、2022年にはインドのEscorts Limitedを子会社化(Escorts Kubota Limited)し、同社が保有する製品群と販売ネットワークを活用することで、アフリカにおける事業規模の拡大に取り組んでいる。SMBCはアフリカを含む国内外における広範なネットワーク・金融ノウハウに強みがある。今回の提携によりクボタとSMBCは、現地ディストリビューターや政府機関がクボタ製の農業機械を調達する際の金融サービス等の提供を通じて、食料問題の解決に資する農業の機械化を促進していく。
 業務提携の内容は、アフリカ諸国におけるクボタ製のトラクター、コンバイン、耕うん機、エンジンなど農業機械の販売に関するファイナンスプログラムの提供で、期間は2025年8月から3年間。

7.サタケのライスセンター向け生産支援システムが
 アグリノートと圃場データ連携

ライスセンター向け生産支援システム「KOMECT(コメクト)」は、ウォーターセルの営農支援アプリ「アグリノート」との機能連携を開始した。「KOMECT」は、ライスセンターや精米工場などでDXを活用し、生産情報の収集・活用や生産性の向上、顧客の利益改善などを図る生産支援システム。第1弾として収穫から乾燥、調製、計量までの工程を見える化することができるKOMECTを販売開始しており、今後精米工場向けシステムの展開も計画している。今回の連携により、KOMECTを導入する際にすでにアグリノートに登録済みの圃場データを自動かつ無償で取り込むことができる。そのため、一から情報を入力する手間が不要となり、利用開始までの時間を短縮できるだけでなく、入力ミスの防止や作業負担の軽減にもつながる。
 今後も機能連携の範囲を拡大し、KOMECTの導入を簡便化することにより、利用者の利益改善や生産性の向上などに貢献していく。

8.本田技研工業が2029年に八重洲へ本社移転

2029年中に本社機能を八重洲2丁目中地区第1種市街地開発事業の高層オフィスフロアへ移転するとともに、Honda青山ビルの所有権の一部を三井不動産レジデンシャルへ譲渡することを決定した。
 青山ビル誕生から40年が経ち、急速に変革に向かう状況の中でHondaは、将来にわたり人々や社会から「存在を期待される企業」であり続けるために、「イノベーションを生み出す変革と発信の拠点」となるグローバル本社機能の構築を目指す。八重洲は同社にとって東京進出を果たした地であり、世界に向けて果敢にチャレンジし続けて現在のHondaの礎を築いたゆかりのある場所。これまでの青山ビルは、ビル設計の考え方や事業環境などを総合的に踏まえ、自社で有する建物および土地の所有権の一部を三井不動産レジデンシャルへ譲渡する。譲渡後については、Hondaと三井不動産レジデンシャルが共同で新築建物への建て替えを行った後、同建物内の一部フロアをHondaが使用する予定で、ブランド価値向上のための新たな活用の場として、幅広く検討を進めていく。

9.サタケの食育プログラムが20周年

主に小中学生を対象に実施している食育プログラム「お米の学校」が今年8月、開校より20周年を迎え、受講者は1万500名を突破した。「お米の学校」は、主にお米の栽培・調製加工から炊飯までの各工程の学習や籾すり・精米の体験、最新の精米モデルプラント「MILSTA」、サタケの歴史をまとめた歴史館などの施設見学を行っている。米が本来持つ栄養成分など「お米の力」についても伝えており、食に関する正しい理解が深まり、健やかな成長につながることを目指している。
 初代校長として開設に携わった宗貞毅広報フェローは「この20年間に多くの児童にお米の良さを伝えることができ嬉しく思います。児童のなかには、サタケの従業員として活躍する人財も現れました。多くの方々に心より感謝申し上げます」とコメントしている。
 同社は今後も「食を通じて元気な人を創る」という信念のもと、継続して食育に取り組み、持続可能な農業の実現に貢献していくとしている。

10.オーレックが写真と川柳のコンテスト受賞作品を発表

「農っていいね」をテーマに「第八回草の日フォトコンテスト」を実施し、同社ウェブサイトにて受賞作品を発表、作品を公開した。また、九州の農業高校生を対象とした「第八回九州農高川柳コンテスト」の受賞作品を同じく発表した。
 フォトコンテストは2985点の作品が集まり、その中から最優秀賞など受賞作品15点を選出した。最優秀賞は白鳥亨氏の「芽吹きと耕しの間で」に決定した。選者は作品について「静かで美しい。画角以上に広がりのある写真だと思います。時間、フレーム、トーン、全て考えられているのが読み取れます。その努力がこの瞬間を引き寄せたのではないでしょうか」と講評した。川柳コンテストは、8611句が集まった。グランプリに輝いたのは、仲宗根悠斗さん(中部農林高校3年生)の「農業を学べば増えるありがとう」だった。「学校賞」には、糸島農業高校が選出された。同校にはオーレック製品を贈呈。この他、準グランプリ3句、優秀賞13句、佳作8句が選ばれた。

11.日本農業食料工学会の第12回開発賞に
 クボタ、井関農機、小橋工業、ヤンマーアグリ

一般社団法人日本農業食料工学会(飯田訓久会長)は三重県津市の三重大学共通教育校舎1号館で第6回(2025年度)会員集会及び2025年度学会賞表彰式を開催した。第83回農業食料工学会年次大会の一環として行ったもの。
 学会賞表彰式のうち、開発賞(第12回)では、開発特別賞にクボタの「アグリロボコンバインDRH1200A-A」、開発賞に井関農機の「コイン精米機CP420、CPH420の開発」、小橋工業の「スピードハローソニックSHV280」、ヤンマーアグリの「ラジコン草刈機」がそれぞれ栄誉を称えられ、表彰された。開発賞受賞講演は11月7日、埼玉県の農研機構農業機械研究部門で開催される同学会シンポジウム「第30回テクノフェスタ」で行われる予定。

12.JA全農が全農リポート2025発行

最新の事業活動や取り組みについて紹介する「全農リポート2025」を発行した。これは全農の事業内容や取り組みについてステークホルダーに伝え、理解の一助としてもらうべく毎年発行・配布しているもの。今回のリポートは、今年度からスタートした「JA全農事業ビジョン2030」に基づき大幅なリニューアルを行い、「トップインタビュー」や「巻頭特集」などの新たなコンテンツを加え、デザインも一新した。また、冊子の随所に全農ホームページへと誘導する二次元コードを掲載し、興味を持った読者がより詳しい情報にアクセスできるように工夫している。
 「ゆめファーム全農」の特集では、「生産現場から農業の未来を』拓く『ゆめファーム全農』は次のステージへ」と題して「ゆめファーム全農構想」において全農と協業し、ともに農業における技術活用を加速してきたNTT東日本、安川電機との対談を行い、3者それぞれの想いや得られた手応え、今後の展望を示している。同リポートは全農ホームページで公開中。

13.諸岡が本社工場に空調システム採用

本社で会見し、本社工場に新たにガスエンジンを使ったヒートポンプサイクルによる冷・暖房システムを導入、本格稼働することをメディア公開するとともに、企業の責務として、職場環境の改善、環境への対応などにより注力していく姿勢を示した。真夏日となった同日、西日が当たる屋外はまさに猛暑の辛さを余儀なくされたが、空調が効いた工場内は体感でマイナス10度ほどの心地よさで、自然汗も引いた。現場で働く従業員からは「最高です」の声が聞かれた。
 初めにあいさつした諸岡会長は、夏場の暑さが過去最高となった今年の状況を踏まえ、人的資本経営=エンゲージメント向上を図る上でも職場環境の改善は不可欠であることを強調。「快適な環境の下、品質の高い製品を効率的に生産するためにも必要な措置」と話し、8月末からの半稼働状況でも期待通りの効果が上がっていると指摘した。同システムを供給したヤンマーエネルギーシステムによるガスヒートポンプ(GHP)と電気モーターヒートポンプ(EHP)との比較では、GHPのほうが1次エネルギー消費量5.1%削減、CO2排出量14.5%削減、ランニングコスト10.7%削減などの利点を掲げている。

14.日本農業法人協会が収入保険制度改善で緊急要望

「収入保険制度の改善に係る緊急要望」を取りまとめて、同協会専務・紺野和成氏より農林水産省・小林大樹経営局長に手交した。
 今回手交した緊急要望の概要をみると、同協会会員は収入保険に加入していない者が多い一方で、予測が困難な経営環境の変化によるリスクが年々増加。農業経営を継続し、発展させていくためには更なる経営の安定化に向けた対策が不可欠であり、その柱の1つである収入保険制度について改善事項を次の通り伝えた。

  1. 災害発生時や価格暴落時における基準収入特例
  2. 経営規模の拡大時における発動条件特例
  3. 経営安定対策を行う法人への負担軽減措置

-など。

15.クボタが世界初の水素燃料電池トラクターを大阪・関西万博で披露

大阪・関西万博のEXPOメッセ「WASSE」において経済産業省資源エネルギー庁などが主催する「水素パーク!!」が開催され、水素で動く自動運転トラクターとして「オートノマス(自動運転)水素燃料電池トラクター」のコンセプトモデルを初披露した。
 初披露された水素で動く自動運転トラクターの出力は100馬力のディーゼルエンジン搭載トラクターと同等水準とし、寸法は全長4380×全幅2200×全高2290mm。燃料タンクに入れた水素を空気中の酸素と混ぜ合わせることで電気を生み出し、その電気でトラクターを稼働させるので二酸化炭素排出はゼロ。また運転席がなく、前後左右についたスキャナーやカメラなどで自動運転と遠隔操作が可能だ。展示ではロータリを装着していたが、作業機を換えることで様々な作業ができる。同社広報によれば、このトラクターは環境対応と作業効率化、省人化を同時に実現することをコンセプトとしている。走行中に排出されるのは水だけで、環境性に優れるだけでなく、自動運転及び遠隔操縦による乗員のいない運用を前提としており、次世代農業機械に求められる機能と価値を具体的な形で表現した。今後、高度な無人自動運転の検証や農業向け水素供給方式の検討、農作業への適合性確認など、このコンセプトモデルによる国内の圃場における実証試験を計画しており、さらなる研究開発を進めていく。