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農業機械関連ニュース

2025年8月14日発行

<業界短信-新製品8月>

  1. クボタがKSASにAIチャット機能追加

<業界短信8月>

  1. ヤンマーホールディングス、京都大学がトラクター遠隔操作など初公開
  2. 三菱マヒンドラ農機が2025年3月期連結決算発表
  3. 井関農機が「ISEKIレポート2025」発刊
  4. 井関農機が100周年キャンペーン第3弾
  5. 本田技研工業が新たな統合報告書を公開
  6. スズテックが栃木県知事から感謝状
  7. JA全農が米流通に関するファクトブック公開
  8. JA全農が全日本空輸と航空輸送実証
  9. やまびこが「やまびこ京都ラボ」を開設
  10. エム・エス・ケー農業機械が新役員体制
  11. キャニコムがうきは工房場竣工式、役員人事
  12. 農業機械公正取引協議会が安全性検査合格証票表示を義務付け
  13. 農業法人協会が農業法人実態調査の分析・解説レポート公表
  14. クボタがごみ焼却灰から有価金属を回収する実証実験完了
  15. ビコンジャパンが根釧地区で50周年イベント
  16. やまびこが3年連続でESG指数の構成銘柄に選定
  17. ヤンマーホールディングスが農産物無人販売所の調査を開始
  18. ヤンマーが舶用水素燃料電池システムでドイツのデザイン賞入賞
  19. 井関農機が2024年の特許分野別登録数2位
  20. 日本農業機械工業会防除機部会がSSの注意喚起チラシ作成
  21. 丸山製作所が箱根登山バスにMUFB温水洗浄機導入
  22. 農研機構、井関農機などがアイガモロボ改良し早期普及へ
  23. 日本農業機械工業会が2025年上期部会統計を発表
  24. 諸岡の協力会が第39回総会、一致団結し飛躍へ

<業界短信-新製品8月>

1.クボタがKSASにAIチャット機能追加

サービスを提供する営農支援システム「KSAS(Kubota Smart Agri System)」に、生成AIを活用した「KSASAIチャット」機能を正式に追加したことを発表し、同機能のサービスを開始した。KSASの使用方法や新規就農に役立つ情報はもちろん、営農に関する簡単な質問を回答できるよう機能を強化した。同社は今後もKSASにおけるAIの活用を順次強化し、農業生産者にとってより利便性の高いサービスを提供していくとしている。
 「KSAS AIチャット」機能の主な特徴は、

  1. 答えられる内容は、KSASの使用方法。新規就農の際に有用な情報(情報収集の仕方やおすすめのサイト情報、相談先・支援制度・研修プログラムの紹介など)、農作物の栽培に関する質問
  2. 利便性の更なる向上のために、過去の質問履歴を確認したり、過去の対話の続きから再開できる「対話履歴機能」
  3. 回答に関連するマニュアルの該当ページをPDFで表示する機能などを追加
  4. 試用版にて、営農に関する相談が多く寄せられたことから、同社が発行している栽培ガイドや営農提案情報などに基づき栽培に関する質問にも対応するなど、農業生産者の多様な要望に応えられるようにした

-など。

同機能はKSAS会員であれば無料で利用可能。利用にあたってはKSAS Marketplaceから申し込みが必要。同社は今後、農業生産者がKSAS内に登録した営農データを基に、生成AIを用いたデータ分析ができる機能の開発などを進める。農業生産者を支えるパートナーとして、利便性の高いサービスの提供を通じて、日本農業の更なる活性化に貢献することを目指していく。

<業界短信8月>

1.ヤンマーホールディングス、京都大学がトラクター遠隔操作など初公開

京都大学農学部・農学研究科附属木津農場で、京都大学農学研究科との連携講座である「データ駆動型サステナブル農業講座」におけるスマート農機実演会を共同開催し、ロボットトラクターの遠隔操作、電動農機等の自動運転を初公開した。京都大学農学研究科とヤンマーグループは、農業機械やロボティクスといったヤンマーの技術と京都大学大学院のアカデミアの専門的知見で、持続可能な食料生産の実現に向けた産学共同講座を2025年2月より開講している。今回、京都大学とヤンマーが考えるサステナブル農業について、報道関係者に説明するとともに、京都大学の学生を招いてのロボットトラクターの遠隔操作や電動農機・自動運転農機の実演、サステナブル関連のパネル展示を初公開した。
 当日は「データ駆動型サステナブル農業講座」やヤンマーの取り組みについて、京都大学農学研究科教授の飯田訓久氏と、ヤンマーアグリ先行開発部技監・部長の日高茂實氏が説明した。飯田教授は、「農業労働力が減少する中、それを補完する機械化とデータ化が重要」とした上で「今のところ、何が必要なデータなのか決め手がないのが現状で、この取り組みにより、現場に近いところでデータ収集し、それを見極めたい」と連携講座の狙いを話した。日高部長は、今回実演するスマート農機などを紹介した。ロボットトラクターの遠隔操作では、事務所内でモニターを確認しながらの遠隔操作技術を初公開。小型電動農機「EX01e」による自動畝立て作業を報道向けに初公開。フランスで導入されているブドウ向けの自動農薬散布機は本邦初公開。圃場では、小型電動農機、自動農薬散布機の実演が行われた。

2.三菱マヒンドラ農機が2025年3月期連結決算発表

2025年3月期事業実績並びに2026年3月期連結業績見通しを発表した。それによると、2025年3月期の総売上高は376億円(前年同期比13.3%減)となった。国内事業では草刈機を中心とした関連商品が好調であったことで、売上高としては前年並み(3.0%減)を維持。一方、海外事業は米国出荷台数が減少したことで、海外売上高は大幅な減少(43.0%減)となった。国内事業では、生産資材高騰と農家数減少を背景とする農機本機市場の縮小が加速しており、市場低迷の影響を受けたものの、草刈機を中心とした関連商品が好調であったことで、売上高としては前年並み(3.0%減)を維持した。
 海外事業は、韓国への田植機の出荷が好調だったほか、トルコへの販路開拓を行ったことで米国以外の地域への出荷量は増加したが、米国での金利の高止まりによる需要低迷により米国出荷台数が減少したことで、海外売上高は大幅な減少(43.0%減)となった。施設事業は年度当初は資材高騰による発注控えが見られたものの、民間ハウス工事案件や北海道の野菜関連施設整備の受注が売上げを支えたほか、年度末に向けて水稲関連施設の改修が進んだことなどにより売上げを確保した。
 2026年3月期の売上高は「微増」を見込んでいる。好調のショートディスクハロー「KUSANAGI」については、より高馬力のトラクターに適用する追加モデルの市場投入を予定しており、一層の市場開拓を進めるとともに、周辺製品を含めて販売増を図る。

3.井関農機が「ISEKIレポート2025」発刊

統合報告書「ISEKIレポート2025」を発刊した。これは株主・投資家をはじめ幅広いステークホルダーに、井関グループの中長期的な企業価値の向上について、財務・非財務の両面から伝えることを目的に発行しているもので、井関グループの価値創造について、「井関グループの価値創造」「企業価値向上のための経営戦略」「経営基盤の強化」の3つの構成で伝えている。
 今回のISEKIレポートのポイントとして、(1)抜本的構造改革・成長戦略を推し進める「プロジェクトZ」施策=長期ビジョン「食と農と大地のソリューションカンパニー」の実現に向け、2024年7月18日に具体的な施策を公表した「プロジェクトZ」の目的や成長ストーリー、抜本的構造改革と成長戦略の施策について紹介している(2)100年記念座談会=100周年を記念して「プロジェクトZ」の成長戦略」と「女性活躍」の2つのテーマについて、それぞれ取締役×現場のキーパーソンによる座談会を通じて取り組みを紹介している(3)経営基盤の強化に向けた取り組み=企業価値向上に向けた「人材戦略」や「コーポレートガバナンス」に関する取り組みについて、従業員の声やアンケート結果などを通じて紹介している-の3点をあげている。

4.井関農機が100周年キャンペーン第3弾

創立100周年を記念したプレゼントキャンペーンを展開しているが、7月から第3弾を実施している。キャンペーン概要をみると、対象期間は2025年月7月1日~9月30日で、1.買って当たるコース、2. 登録して当たるコース-の2コースから選ぶ形。1. 買って当たるコースの応募方法は、対象期間内に、セールスが配布しているチラシ下部の応募券に必須事項((1)住所(2)名前(3)電話番号)を記載の上、9月30日までに担当セールスへ渡す。 応募資格は、対象期間内に新品の井関トラクター、コンバイン、田植機を1台以上契約かつ納品を完了した人。応募者の中から抽選で、オムロン体重体組成計カラダスキャンを抽選で100名にプレゼントする。
 一方、2.登録して当たるコースの応募方法は、対象期間内にAmoniキャンペーンページより申し込みを行う。応募資格は対象期間内にAmoniへ新規会員登録した人で、抽選でさなえちゃんぬいぐるみを100名にプレゼントする。
 ▽抽選結果=応募者の中から厳正なる抽選を行い、当選者を決定する。
 なお、当選者に対しては、2025年10月以降に各販売店より連絡する。詳しくは、ホームページの100周年記念キャンペーンサイトを確認する。

5.本田技研工業が新たな統合報告書を公開

「Honda ESG Report 2025」を発刊し、ホームページ上で公開した。Hondaは、多様なステークホルダーとのコミュニケーションツールとして、毎年、Hondaのサステナビリティ(持続可能性)に関する考え方や取り組みをE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の観点で網羅的にまとめたESG各領域の実績報告を主体とするレポートを発行している。
 従来ESG各領域の取り組みや関連データなどの実績をまとめ、「Honda ESG Data Book」(以下、ESGデータブック)として発行していたが、今回から新たに「Honda ESG Report」と名称を改め、ESG各領域の目標と方向性を追加し、それを達成するための取り組みや実績・関連データまでを項目ごとにまとめる報告書とした。これにより、将来に向けた企業価値創造ストーリーに焦点をあてた統合報告書「Honda Report」との棲み分けをより明確にし、ステークホルダーにとって、目的に沿った分かりやすい情報の開示に努めていく、としている。
 「Honda ESG Report 2025」の主な構成は、(1)Hondaサステナビリティの概要(基本的な考え方・サステナビリティマネジメント体制など)(2)環境(気候変動・汚染・水・生物多様性および生態系・資源利用および循環経済)の取り組み(3)社会(人権・人材・サプライチェーン・社会貢献活動・安全・品質)の取り組み-としている。

6.スズテックが栃木県知事から感謝状

栃木県公館で、福田富一知事から感謝状を贈呈された。これは、同社が行っている社会貢献活動、寄附活動に対し、県の謝意を表したもの。同社は、栃木県立特別支援学校宇都宮青葉高等学園の卒業生を受け入れ、また、私募債を通して同学園にタブレットなどを寄贈している。
 これらの活動には鈴木社長の意向が強く働いており、同日午後、鈴木社長は同社本社で喜びの表情を見せつつ、「いまは青葉学園の卒業生2名を雇用しており、1人は在社5年が経過し、正社員として大事な戦力になっている。外部に向けた活動は、我が社がどのような企業かを知っていただく上でも大切な機会になる」と話し、今後も地域振興や経済活性化に向けた取り組みで地元の発展に貢献していく意向を示した。

7.JA全農が米流通に関するファクトブック公開

米生産・流通に関する基礎情報をまとめた「米流通に関するファクトブック」をホームページで公開した。同ファクトブックでは、米の生産から流通と価格の仕組み、JAや卸売業者の役割や備蓄米制度などに関する基礎情報を1冊にまとめている。全農では「米生産の現状や全農の取り組みについて理解を深めてもらうための資料として、ぜひ活用してほしい」としている。
 ファクトブックはPDFファイルで公開され、全26ページ。まずお米が農家から食卓に届くまでのプロセスについて分かりやすく図解したうえで、目次を提示。目次を見ると、▽米の流通について▽主食用米等の作付面積と生産量▽生産者(経営体)数の推移▽生産者(経営体)の集約と高齢化▽米生産に係る費用▽生産コストと販売価格▽消費の動向▽民間在庫の動向▽米の需要の動向と今後の見通し▽相対価格・市中価格とは▽JA(農業協同組合)の米穀事業▽産地別価格の決まり方▽米の概算金とは▽委託販売とは▽共同計算とは▽精米工場での取り組み▽物流問題への取り組み▽米卸売(精米)業者の役割▽営農支援システムの普及推進▽トータル生産コスト低減の取り組み▽政府備蓄米制度の目的と運用について▽政府備蓄米の競争入札と随意契約の違い▽全農の政府備蓄米受渡フロー-について詳しく紹介。稲作農業をめぐる現在の情勢から、米の生産・流通と価格の仕組み、JAや卸売業者の役割や備蓄米制度、JA全農の取り組みまで、イラストやグラフ、表などを交えながら分かりやすく解説している。

8.JA全農が全日本空輸と航空輸送実証

全日本空輸(ANA)の協力のもとで米穀の航空輸送の実証試験を実施した。航空輸送はスピードと長距離輸送の両面で優位性があることから、遠隔地からの急な出荷依頼に対応できるよう実証試験を行ったもの。新モーダルシフトを推進しているANAがJA全農に対して、全国各地への米の迅速な流通に向け、新たな物流手段の1つとして航空輸送を提案した。
 当日はJA全農が落札した政府備蓄米を埼玉県内の保管倉庫からトラックで輸送し、羽田空港で航空コンテナに積み替え旅客機の貨物スペースに搭載し、同日夕方に那覇空港まで空輸した。空輸した備蓄米はフレコンバッグ12本分(約12t)。空輸された玄米は、沖縄県内の精米工場で精米されたのち、沖縄県内の小売店などに出荷される予定となっている。
 JA全農米穀部部長・藤井暁氏は、「これまで、物流の2024年問題や米穀の安定供給の観点から、米専用列車「全農号」の運行や、フェリー・船舶を活用した海上輸送に取り組んできたが、航空貨物輸送の取り組みは実施してこなかった。遠距離向けに迅速な輸送をする場面があった場合に、輸送手段の1つに「航空貨物輸送」の選択肢が加わることで、遠方のお客様へ迅速にお届けすることができるのではと考えている。今回の試験結果を検証したうえで、今後の活用方法を検討していきたい」とコメントしている。
 JA全農は今後もモーダルミックスを採用することで、全国各地への安定的かつ迅速な米の供給に努めていくとしている。

9.やまびこが「やまびこ京都ラボ」を開設

今年2月に資本提携を締結したアイケイエスと共同で「やまびこ京都ラボ」を開設した。同ラボは京都市のアイケイエス社内にあり、マルチハイブリッドシステムおよび先進的なエネルギーシステムの共同研究開発を目的に今年4月に設立した。両社の技術力を融合し、カーボンニュートラル社会の実現を目指す。
 やまびこは、アイケイエスとの連携で、太陽光パネル・蓄電池・発電機を組み合わせた電力供給システム「マルチハイブリッドシステム」の実証実験および新たな電源システムの研究開発に取り組んでいる。アイケイエスは蓄電池関連技術や充放電を基軸とする電力変換技術において高い専門性を有している。同社の技術力は、持続可能なエネルギー社会の実現に不可欠な要素であり、やまびこグループの事業領域とも強く親和性がある。
 やまびこの新製品「マルチハイブリッドシステム10kVA」には、アイケイエスが開発した蓄電池とパワーコンディショナーを使用している。「やまびこ京都ラボ」には、やまびこから技術者を派遣・常駐させることで、共同開発体制を強化。両社の技術力を融合し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する先進的なエネルギーシステムの開発と普及を加速させる。同ラボの設立を通じて、マルチハイブリッドシステムの継続的な開発と製品ラインアップの拡充を図っていく。

10.エム・エス・ケー農業機械が新役員体制

定時株主総会で役員を改選し、新任の役員には中村洋氏が就任した。同社は、新体制で期待に添えるよう最善の努力を尽くすと、業績アップに意欲をみせている。新役員体制をみると、代表取締役社長に高畑年伸氏、取締役に佐藤喬氏、高木清史氏(重任)、小西典夫氏、中村洋氏(新任)、小濱雅典氏(三菱商事)、進藤博人氏(同)、監査役に水野陽介氏(重任)、片山二郎氏(三菱商事)。
 執行役員は、社長執行役員(代表取締役兼務)に高畑年伸氏、常務執行役員(取締役兼務)に佐藤喬氏、執行役員(同)に高木清史氏、小西典夫氏、中村洋氏、執行役員に早坂隆次氏、立崎博己氏、大塚英幸氏、武田竜治氏、伊地知博氏。なお、取締役の潤田久嗣氏は同株主総会をもって退任した。

11.キャニコムがうきは工房場竣工式、役員人事

生産拠点「演歌の森うきは工房場」において2期工事の竣工式を行った。工場増設の目的は、グローバル市場への対応や大型産業用運搬車の製造拠点としての生産面と、物流棟の面積を約2倍に拡張し、アフターパーツ即納体制など物流面の強化だとしている。建築面積は、物流棟4994.68平方m、出荷棟は2339.38平方m。投資金額は15.5億円と発表した。
 竣工式に出席した包行社長は新工場について「作業の効率化に留まらず、全員が同じ方向でものづくりに取り組める施設」だと説明し「今後はこぶしの利いたものづくりを発信したい」と、おなじみの「キャニコム節」スピーチを述べた。続いて、うきは市の権藤英樹市長は「生産の一貫体制を整え、ますます飛躍する誇らしい企業が地元にあることを大変嬉しく思う。うきはから世界へ、さらなる飛躍を期待している」とエールを送った。
 また、取締役会を開催し、役員人事で常務執行役員に梅田幸司氏(新任)を決定した。

12.農業機械公正取引協議会が安全性検査合格証票表示を義務付け

カタログなどへの安全性検査合格証票の表示が義務付けとなったと発表した。今年4月から開始された新たな安全性検査制度とその証票の認知度を高めるため、検査対象となる乗用型トラクター、歩行型トラクター、乗用型田植機、自脱型コンバイン、穀物用循環型乾燥機の5機種の合格機について、表示規約第4条(カタログの必要な表示事項)の施行規則に安全性検査合格証票の表示を義務付ける規定を追加したもの。
 具体的な安全性検査合格証票の表示方法は、1.カタログ(単品・シリーズ)=表あるいは裏表紙及び主要諸元の掲載ページ、2.カタログ(総合・製品一覧等)=総合カタログ・製品一覧・取扱商品一覧等の場合には対象機械の型式名の右肩に「*」等を付ける。主要諸元掲載ページを含め、対象機械に掲載可能なものは掲載する、3.チラシ(製品総合チラシ・その他)=掲載に努める。製品総合チラシ(1枚物)の場合は、対象機械の型式名の右肩に「*」等を付ける、4.Web=商品一覧ページ、商品詳細ページ、主要諸元の掲載ページに掲載-とし、カタログ、パンフレット、Web広告等についての具体的な例示を示しており、これを参考にして安全性検査合格証票の表示を推進する。また、農機公取協では「製造業者作成チラシを活用する販売業者におかれては、表示責任が共有されますのでご確認が必要となると考えます」と、農機販売店などへの注意を促している。

13.農業法人協会が農業法人実態調査の分析・解説レポート公表

農業法人実態調査のデータを分析・解説したレポートを公表した。これは同協会が実施した2023年度「農業法人実態調査」データについて、分析・解説を東京大学・木南章教授に依頼し、木南教授、新潟大学・木南莉莉教授及び同・古澤慎一助教が取りまとめたもの。レポートのテーマは「農業法人の共有価値の創造(経済価値と社会価値の両立)を実現するための市場創造型戦略について」。持続可能性が社会の重要課題として位置付けられている中で、農業法人が経済価値・社会価値を両立するため、解決のカギは「起業家精神の醸成と市場創造型戦略」にあるなどと言及している。
 概要をみると、経営情報の分析の結果、現状において共有価値の創造(経済価値と社会価値の両立)を実現している農業法人の割合は少ないと指摘。同調査データをみると、経済価値に関して、売上高対前年比3%増以上、経常利益率対前年比3%増以上、経常利益率6%以上を実現している農業法人の割合はそれぞれ33.9%、25.1%、26.1%であった。また、社会価値に関して、1.社会的課題の解決への貢献、2.資源の効果的かつ効率的な活用、3.農業の多面的機能の発揮、4.従業員の働きやすさ、5.地域の関係者との良好な関係-の5つの社会価値を実現している農業法人の割合は35.4~54.5%だった。しかしながら、それぞれの経済価値と社会価値を同時に実現している農業法人の割合は10~20%程度に留まっている。特に経常利益率の向上と社会的課題の解決の両立が最も困難となっていた。
 一方で、共有価値の創造の経営理念、起業家精神及び市場創造型戦略は、経済価値と社会価値の両立に寄与することが分かった。結論として、経営者には利害関係者と良好な関係を構築し、組織学習により得た知識をイノベーションにつなげることが求められると説明している。

14.クボタがごみ焼却灰から有価金属を回収する実証実験完了

廃棄物の焼却灰を溶融処理することで製造された溶融スラグに混在するメタルを高効率に回収する「メタル分離機」を新たに開発した。実証実験では、金や銅などの有価金属を含んだメタルの回収率が同社従来機比で2倍以上に向上し、また、回収したメタルは製錬メーカーの購入基準を満たす高濃度であることが確認でき、高回収率と高品質の両立に成功した。今後、溶融スラグからのメタル分離システムを全国の自治体や民間の廃棄物リサイクル事業者に提供することを通じて、有価金属の濃度が低いためにこれまで利用されていなかった領域の都市鉱山を有効活用し、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していく。
 同社は、長野県長野市で2025年1~4月の約3カ月半の間、新たに開発したメタル分離機を用いて、溶融スラグからメタルを分離・回収する実証実験を実施した。メタル分離機は、最新のシミュレーション技術を駆使して分離機内のスラグとメタルの挙動を再現した結果をもとに内部構造を見直すことで、スラグとメタルの分離効率を格段に向上させた。実験の結果、溶融スラグ約200tから約1tのメタルを回収し、同社従来機と比較してメタル回収率を2倍以上に大幅向上させた。同時に、メタルに含まれるスラグの混入率が10%以下となる高濃度での回収を達成し、製錬メーカーにリサイクル原料として供給可能な品質であることが確認できた。回収したメタルの中には金、銀、銅、白金、パラジウムを含むことが確認された。
 同社は、この度新たに開発したメタル分離機を2025年中に商用化することを目指し、全国の自治体や民間の廃棄物リサイクル事業者に提供していく。溶融分離技術とメタル分離回収技術を組み合わせることにより都市鉱山を有効活用し、資源循環ソリューションの提供を通じた社会課題の解決に取り組んでいく。

15.ビコンジャパンが根釧地区で50周年イベント

設立50周年を迎えた今年、50周年の感謝をこめた実演展示会「VICONJAPAN ThanksFieldDay2025~ありがとう50年そしてみらいへ~」を根釧地区中標津町付近の酪農地域で開催。日本初紹介のクーン社TIMロールベーラーや高品質のベールサイレージ作りに欠かせないベールパックのフィルムバインディング仕様の実演・展示を実施。このほか、欧州トップメーカー最新鋭の各種牧草作業機の展示も併せて行った。事前受付の参加者全員に贈呈するオリジナルトートバックや好評のガチャポンなども用意し、来場者を迎えた。
 実演内容は、コンビネーションベーラーVBP3260によるベーリング&ラッピング作業、ワイドスプレッダーによる肥料セクションコントロール散布。また、ICT関係製品として、ワイドスプレッダーのGEOSPREADを使って、変形圃場で実際に肥料を撒きながらセクションコントロールの優位性を体感してもらう実演も。
 千歳市で開催した前回の実演展示会では、予定を大幅に超える来場者で大いに賑わった。
 展示会情報は、同社インスタグラムより確認することができる。

16.やまびこが3年連続でESG指数の構成銘柄に選定

グローバルインデックスプロバイダーであるFTSERussell(ロンドン証券取引所グループ)が構築したESG指数「FTSEBlossomJapanSectorRelativeIndex」の構成銘柄に3年連続で選定された。FTSEBlossomJapanSectorRelativeIndexは、各セクターにおいて相対的に、環境、社会、ガバナンス(ESG)の対応に優れた日本企業のパフォーマンスを反映するインデックスで、セクター・ニュートラル(=特定の業界の株価変動に対し、偏りなく中立)となるよう設計されている。また、低炭素経済への移行を促進するため、特に温室効果ガス排出量の多い企業については、TPI(TransitionPathwayInitiative=移行経路イニシアティブ)経営品質スコアにより改善の取り組みが評価される企業のみを組み入れている。
 同指数は、日本の公的年金を管理・運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)において、ESG投資の運用における投資判断基準として採用されている。そのため、ESGの観点から信頼される企業として評価され、投資対象として注目されることになるとされる。
 同社グループは2023年2月に公表した「中期経営計画2025」に基づき、社会課題の解決に資する製品の開発、積極的な人材投資、ガバナンス体制の強化など、ESG経営の実践を推進している。同社は今後も「人と自然と未来をつなぐ」という企業理念の下、事業活動を通じて、自然環境や社会環境への課題解決に取り組むことで持続可能な社会の実現に向けて貢献していくとしている。

17.ヤンマーホールディングスが農産物無人販売所の調査を開始

ジオテクノロジーズのユーザー参加型情報収集サービス「GeoQuestConnect(通称:ジオクエConnect)」を活用し、農産物の無人販売所の全国調査を開始した。期間は10月31日まで。生産者と消費者をつなぐ無人販売所の情報プラットフォームの構築を目指して、ジオテクノロジーズと連携し、全国規模の無人販売所の調査を実施。 ジオクエConnectは、同社が運営するポイ活アプリ「GeoQuest(通称:ジオクエ)」を通して、ユーザーに日本全国のインフラ設備や施設などの情報を写真付きで投稿してもらうことで情報を収集し、企業・自治体に情報提供するサービス。ユーザーに向けて農産物の無人販売所の写真投稿を依頼する「クエスト」を出題することで、効率的に情報を収集し、これまで十分に整備されていなかった全国の無人販売所情報の見える化を実現する。なお、クエストの参加者には、調査協力のお礼としてマイルを付与し、貯まったマイルは、現金や各種ポイントに交換することが可能。
 ヤンマーグループは、生産者と消費者をつなぐ新たな販売チャネルの検証にも取り組んでおり、デジタル技術を活用したスマート無人販売所の実証実験を2025年6月から開始している。ヤンマーHDは、全国の農産物の無人販売所の実態を明らかにするとともに、無人販売所の情報プラットフォームを構築することで、地域の農産物の流通促進を目指す。

18.ヤンマーが舶用水素燃料電池システムでドイツのデザイン賞入賞

ヤンマーパワーテクノロジーの舶用水素燃料電池システム「GH240FC」が、ドイツのデザイン賞「RedDotDesignAward2025」のProductDesign部門で入賞した。RedDotDesignAwardは、1955年にドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが創設した世界有数のデザイン賞。2023年に商品化した「GH240FC」は、本体の突起部を極力減らすことで、デザイン性だけでなくメンテナンス性も向上している。本体色は白を使用することが多いクリーンエネルギー市場での差別化を図るため、ヤンマーのブランドカラーである「ヤンマープレミアムレッド」を使用している。また、前面にはH2の文字を大きく配置し、次世代の発電システムであることが一目でわかるデザインとしている。
 今回「GH240FC」が入賞したプロダクトデザイン部門は、世界最大規模の製品デザイン賞として高く評価されており、国際的に活躍するデザインの専門家が、革新性・機能性・持続性など多角的な観点をもとに厳正な審査を行い、受賞作品を決定する。「GH240FC」は、脱炭素化への貢献に加え、安全性、振動や騒音の大幅削減など、船舶の付加価値を向上する点が入賞につながった。2024年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、機能性だけでなくデザイン面でも高く評価されている「GH240FC」。ヤンマーグループは、「今後も技術とデザインを追求し、製品の機能性だけではなく、社会と人々に新たな価値を生み出すデザインを追求していきます」としている。

19.井関農機が2024年の特許分野別登録数2位

特許庁ホームページで「特許行政年次報告書2025年版」が掲載され、同社の分野別登録数及び特許査定率が公表された。それによると、同社は2024年の「その他の特殊機械」分野の登録数において第2位。特許査定率において、「全産業中」第3位となった。
 同社は、従来の事業基盤の領域に加え、成長市場である先端技術分野やグローバル展開等において質の高い知的財産・無形資産の創出・活用に注力し、経営戦略と一体となった知的財産戦略の実行に努めている。なお、出願する特許については、将来性や実現性の観点等から評価・選別し、出願・権利化することで知的財産に関する投資の選択と集中を図っている。

20.日本農業機械工業会防除機部会がSSの注意喚起チラシ作成

スピードスプレーヤ(SS)で作業する際の枝下空間の確保のための注意喚起チラシを作成のうえ、ホームページで公開した。この注意喚起チラシは日農工防除機部会スピードスプレーヤWGが企画・制作したもの。SSの事故では約70%の人が命を落とすほど死亡率が高く、慣れた場所でも思わぬことで事故が起きてしまうことを示し、それを踏まえて、チラシ中央部にて「SSで作業する際は枝下空間の確保を!!」の注意喚起を大きく掲載。「事故を起こさないために、枝下空間を確保し、安全な空間で作業をしましょう」と呼び掛けている。そして、安全な枝下空間について、高さと幅の捉え方を図入りで提示している。
 同チラシでは安全作業説明動画も確認するよう促しており、動画のQRコードも掲載。同チラシは日農工ホームページから誰でも無料でダウンロード可能。

21.丸山製作所が箱根登山バスにMUFB温水洗浄機導入

神奈川県の箱根登山バスに、車両洗浄用として丸山製作所製の「MUFB温水洗浄機」を導入したことを明らかにした。バス車両用としては北海道の網走バスに続き2例目になる。
 箱根登山バスが走る箱根地域は、冬場に積雪や路面凍結が発生しやすい。このため、道路管理では融雪剤として塩化カルシウムが使われ、塩化カルシウムは泥汚れや枯れ葉などとともに車両に付着し、車両の腐食の原因ともなる。バス会社は、その効率的な除去方法を求めていたが、MUFB温水洗浄機の導入によって、車両洗浄時間の短縮・作業効率の向上、またそれによる水や燃料の使用量削減が図れ、さらに課題であった塩化カルシウムの効果的除去も実現。車両の腐食や劣化を抑制し、車両の長寿命化をもたらす。
 同バスの整備担当者は、「とにかく油汚れがよく落ちるので驚いた。MUFB温水洗浄機は短時間で汚れを落としてくれるので洗浄の作業時間が大幅に減らせた。冬季は融雪剤が大量に散布される箱根エリアを運用の主体とする都合上、下回りの洗浄は車体の保守に欠かせないが、洗浄作業の短時間化は洗浄頻度の上昇にもつながるので、車両の保守に威力を発揮してくれるものと期待している」と話した。

22.農研機構、井関農機などがアイガモロボ改良し早期普及へ

「スマ農アイガモロボコンソーシアム」を形成し、「スマート農業技術の開発・供給に関する事業」を開始すると発表した。同事業では、水田用自動抑草ロボット「アイガモロボ」IGAM2を核とした水稲有機栽培の省力安定多収栽培技術の開発と実証に取り組み、IGAM2を改良するとともに自動水管理装置や栽培管理支援システムと連携させ、全国11県30経営体の生産者と協力してその効果を検証する。IGAM2の早期普及を実現し、従来の水稲有機栽培で重荷となっていた除草作業時間を8割削減することで、水稲有機栽培面積の早期拡大を目指す。
 日本全国の多様な圃場条件や有機農法へIGAM2を広く導入するには、土質や使途に合わせたブラシの改良や、様々な条件に応じた栽培技術を構築し、体系化した技術として生産現場へ示す必要があることから、今回の「スマート農業技術の開発・供給に関する事業」にて2025~2027年の3年間、「IGAM2」のさらなる改良、実証、栽培技術の体系化、生産現場への速やかな普及の目的に向けて、「スマ農アイガモロボコンソーシアム」を形成し、協働して事業を推進していく。同事業における課題として、自動抑草ロボットIGAM2の改良および検証と、自動抑草ロボットIGAM2改良版を核とした省力安定多収栽培技術の開発及び実証を進める。

23.日本農業機械工業会が2025年上期部会統計を発表

2025年6月の生産出荷実績(日農工部会統計)によると、2025年上期(1~6月累計)における生産実績は1892億2000万円となり、前年同月比95.7%に減少した。そのうち国内向けは1228億8000万円で同110・7%と2桁増、輸出向けは663億3900万円で同76・5%だった。一方、上期の出荷実績は1997億9100万円となり、同95・8%に減少した。国内向けは1298億9900万円で同111・9%、輸出向けは698億9200万円で同75・6%となり、生産・出荷とも国内向けが大きく伸び、輸出向けが落ち込んだ。
 上期出荷実績を機種別にみると、収穫以降の加工・調製機器の出荷が増加。トラクターの出荷は4万2703台(前年同月比81.9%)で1039億6500万円(同87.4%)となった。20PS未満のみ数量・金額とも増加したものの、中大型は減少した。トラクター全体の売り先をみると、国内向けが1万3810台(同103.8%)、輸出向けが2万8893台(同74.4%)で、国内向けが好調だった。田植機は1万20台(同98.5%)、216億6800万円(同104.9%)と金額が増えた。国内向け8105台(同102.7%)のうち、乗用型は7962台(同102.4%)だった。また、コンバインは5209台(同107,4%)で361億800万円(同115.2%)に大きく伸びた。国内向け4519台(同107.2%)のうち、自脱型4146台(同109.2%)が好調。乾燥機は4397台(同121.5%)で59億7600万円(同125.0%)と2割増。籾すり機は2942台(同106.1%)で22億3300万円(同119.8%)に増えた。

24.諸岡の協力会が第39回総会、一致団結し飛躍へ

サプライヤー組織・諸岡協力会は千葉県柏市のザ・クレストホテル柏で、第39回総会を開催し令和7年度の事業計画などを審議、原案通り可決した。来賓として同社事業の説明に当たった諸岡社長は、内外の動静を伝えた上で、事業計画MV2030のフェーズ2における目標値(売上高250億円など)クリアに意欲をみせた。また、記念講演では、東京オリンピックで銅メダルを獲得した野口啓代氏が、競技生活の中で鍛えられた人生観を話した。
 総会には会員総数の3分の2以上となる62社が参加した。初めにあいさつした中畑聰史会長(クボタエンジンジャパン社長)は、クボタエンジンの相手先各国(北米、欧州、中国)および国内の動向を説明しつつ、いまは見通しの悪い状況と指摘。資材価格の上昇で儲けがたい構造になっているが、諸岡も海外で儲ける志向を強めていることから、そうしたところをよく理解し、世界に羽ばたくべく協力会の会員も一致団結して進んでいきたいと会員の奮起を促した。続いて来賓として諸岡社長が同社の近況、今後の事業計画と取り組み重点事項を詳述。昨年は減収・増益の決算で、今年からスタートしたフェーズ2でも引き続き堅実に収益を改善し、最終年度となる2028年3月期には売上高250億円、営業利益25億円、海外事業売上比率60%、アフター比率20%を確保する目標を明示した。