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農業機械関連ニュース

2025年4月11日発行

<業界短信-新製品4月>

  1. 静岡製機が新型色彩選別機を発売
  2. 本田技研工業が次世代燃料電池モジュールと燃料電池定置電源を発表
  3. ヤンマーアグリが中型コンバイン「YH3/4Rシリーズ」発売
  4. ヤンマーアグリが全自動野菜移植機を発売
  5. サタケが光選別機「ペレットソーターⅡ」を発売
  6. ISEKIトータルライフサービスがロッカー型無人店舗を新発売
  7. 松山がストローチョッパーNSCシリーズ発売

<業界短信4月>

  1. ヤンマーアグリが京大と共同講座を開始
  2. 大島農機が首脳人事、社長に大島大輔氏
  3. みのる産業が創業80周年でインスタ投稿キャンペーン
  4. 井関農機が茨城の農業女子会で農機実習
  5. 井関農機が連結子会社の固定資産譲渡
  6. やまびこがアイケイエスとと資本提携
  7. 諸岡が広域通信の2台同時作業で検討会
  8. 健康経営優良法人2025に業界から認定多数
  9. キャニコムがネーミング大賞で1位に
  10. ヤンマーホールディングスが小型分野の電動化加速へ新たな組織設立
  11. 静岡製機が創業110周年記念式典・記念祝賀会開く
  12. 井関農機がファーマーズ&キッズフェスタに出展
  13. ISEKI M&Dが令和6年度省エネ月間で四国経産局長表彰
  14. クボタが未来の汎用プラットフォームロボ初公開
  15. ヤンマーがヤンマーブランドアセットデザインを設立
  16. クボタがリース契約サービス「RAKUtA」リニューアル
  17. 山本製作所が新動画の配信開始
  18. クボタに日本機械学会賞、ヤンマーに奨励賞
  19. ヤンマーエネルギーシステム製品が環境省LD-Tech認証製品に
  20. クボタが「Nextなでしこ」に選定
  21. クボタがKSASに衛星画像プラン追加
  22. ヤンマーホールディングスが廃棄ユニフォームをポーチにアップサイクル
  23. 井関農機が4月1日付で組織変更

<業界短信-新製品4月>

1.静岡製機が新型色彩選別機を発売

3月から新型の色彩選別機「SCS-40SⅢ」の発売・出荷を開始した。好評を得たSCS-40SⅡのモデルチェンジ機で、4インチ籾すり機に対応できる処理能力はもとより、選別性能と歩留まりをさらに向上させ、様々なレイアウトに対応できる設置性、操作性の向上、メンテナンス労力の低減をそれぞれ達成、新たなスタンダードモデルと位置づけられている。同機の選別対象はうるち米ともち米で、オプションで黒米にも対応。
 主な特徴は、

  1. 前・後・透過カメラの3つのカメラで同時に検出するトリプルカメラシステムを採用
  2. 不良箇所が米粒のどの位置にあっても米の中心位置を検出する「中心検出システム」を搭載
  3. 従来機と同様の40レーン溝シュートを採用。内部滞留のないオール1次選方式で、不良米混入率の高い玄米にも安定した処理能力を発揮
  4. 緑色と赤色の2色発光するLED光源を採用し、青米選別しない時は緑色光源、選別する時は赤色光源を使用と、状況に応じた選別を可能に
  5. 籾すりラインの流れ方向により、良品排出口に装着されているエルボの方向を変えることが可能に

-など。

2.本田技研工業が次世代燃料電池モジュールと燃料電池定置電源を発表


2027年度に量産開始予定の次世代燃料電池モジュールと、2026年に生産開始予定の燃料電池定置電源を発表。東京ビッグサイトで開催された「H2 & FC EXPO【春】~第23回水素・燃料電池展~」に出展し、それぞれ仕様及びスペックを世界初公開した。 次世代燃料電池モジュールは、ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発した現行モデルの次世代となるモデルで、Hondaが独自に開発した燃料電池モジュール。定格出力150kWを実現するほか、現行モデルに対して製造コストを半減し、耐久性を2倍以上に向上。また、容積出力密度を3倍以上に高めて小型化を実現したことで、搭載レイアウトの自由度が向上している。 燃料電池定置電源は、Hondaの燃料電池自動車「CR-Ve:FCEV」にも搭載されている燃料電池を活用し、工場や事業所などの大型施設向けに水素由来のクリーンな電力を供給する定置型蓄電システム。冷却システムや内部レイアウトの設計を最適化することでコンパクトなサイズを実現し、ユーザーの設置環境に柔軟に対応する。また、信頼性の高いバックアップ電力を迅速に提供するために、起動から10秒以内に電力の供給を開始する高い応答性を目指している。

3.ヤンマーアグリが中型コンバイン「YH3/4Rシリーズ」発売

能率・精度を高めた中型コンバイン「YH3/4R」シリーズを一新し、4月に発売。本機の4条刈モデルには、主に中山間地の中~大規模農家からの要望が多かった50馬力帯を追加した。刈取り速度をアップし、高耐久なロングこぎ胴+ワイド揺動板により、大量の籾を効率よく高精度に脱穀する。「自動刈高さ制御」による作業者の負担軽減に加え、セーフティ機能による安全性、点検・整備がしやすい車体機構によるメンテナンス性を向上させ、計画通りの収穫を実現する。
 主な特徴は、

  1. 余裕のパワーとスピード=「YH452R」の場合、作業速度は1.43m/秒となり、従来機に比べて刈取り速度がアップ。速度が上がっても高耐久なロングこぎ胴+ワイド揺動板により、大量の籾を効率よく高精度に脱穀する。さらにあざやか処理胴が枝梗をしっかり取り除き、籾が揺動板全体に拡散することで、よりきれいな選別が行える
  2. 設定した一定の高さで刈取る「自動刈高さ制御」=分草板に取り付けたソリセンサーが圃場の凹凸を感知して自動で刈高さを調整し、一定の高さで刈取りを行える
  3. セーフティ機能による安全性と、点検・整備がしやすいメンテナンス性を向上=稲の流し込みが終わり、手こぎガイドから手を離すと自動でガイドが上がる新方式を採用し、連続作業をスムーズに行うことが可能。手こぎレバーと手こぎスイッチを同時に押している間だけフィードチェーンが駆動するため作業時の巻き込み事故を未然に防止する

-など。

4.ヤンマーアグリが全自動野菜移植機を発売

ICT技術を活用し、高精度なRTK直進アシスト機能による直進自動化などで農作業の高効率化・高精度化を実現する乗用全自動野菜移植機「PW200Rシリーズ」を発売。同シリーズは、乗用型の野菜移植機において、同社として初めて直進アシスト機能を搭載した。オペレータの作業負担を軽減するとともに、操作に不慣れでも簡単に高精度な植付けを行うことができる。
 主な特徴は、

  1. 誤差数cm精度のRTK直進アシスト機能(RTK直進アシスト搭載G仕様)=RTK-GNSS方式の自動操舵システムを採用し、事前に基準線のA点・B点を登録することで、基準線と平行に誤差2~3cmの高精度な作業を行う。うねのない圃場でも、まっすぐ植え付けることができる。さらに、直進アシストトラクターを使用してうね立てをした場合、トラクターの方位角を「PW200R」に入力することで、トラクターと同一の経路作業ができる
  2. 植付速度・精度向上=最高植付速度が0・55m/秒と、従来機に比べ約10%向上。また、速度の向上に合わせて植付部の構造を見直し、広い面積をより高精度に、効率よく植え付けることができる
  3. 機体から降りずに操作できる9段階の「覆土圧調整レバー」=使用頻度の高い覆土圧調整レバーを、植付部後方に加え、運転席後方にも新たに設け、運転席から降りずにレバー操作が可能に。調整段数が9段階に増え、覆土量の細やかな調整が可能 4.様々な栽培体系に適応=左右合計12枚の追加予備苗台を新たにオプション設定。最大28枚の苗トレイが搭載でき、大規模圃場でもトレイの補給回数を低減できる。また、植付条間は45~66cmに設定が可能

-など。

5.サタケが光選別機「ペレットソーターⅡ」を発売

発売された光選別機「ペレットソーターⅡ」は、プラスチックペレットの原料中の黒点や着色粒などの不良品を除去するもので、1時間当たり最大3tの原料を処理できる。販売価格はオープン。樹脂製造メーカーやプラスチックリサイクル業者などを対象に初年度は5台の販売を見込んでいる。
 主な特徴は、

  1. LED光源の採用など設計を見直し、透明や光沢のあるペレットの選別性能を大幅に向上。さらにカメラの分解能を従来機比2倍の0.03mmに高めて微小の黒点や着色ペレットも高精度に選別
  2. 不良品の除去には同社独自のピエゾバルブを採用、良品の巻き添えを低減し、良品のロスを最小限に抑えながらプラスチック製品の純度を高めることができる
  3. 0.1mmの微小黒点を高精度で選別
  4. 1台で透明・不透明ペレットの選別が可能(光源部のセッティング変更により、透明・不透明の原料選別を1台で実現)
  5. 光源にLEDを採用し、光源の寿命を従来機の約10倍に延長
  6. ビエゾバルブは従来比約1・7倍のバルブ開閉速度により選別時に良品の巻き添えを10%低減。バルブ開閉部に特殊素材を採用、約3倍の長寿命化を実現

-など。

6.ISEKIトータルライフサービスがロッカー型無人店舗を新発売

冷蔵機能を搭載した「ロッカー型無人店舗」を発売。新製品はロッカータイプになったことで様々な形状の商品に対応でき、また、要望の多かった冷蔵機能の装備により、さらに幅広い品目を販売できるようになった。最大40種類の商品の販売が可能。販売可能商品は、各内寸から5~10mm小さい寸法のもの。商品を購入する人は、商品パネルで品物を確認し、外扉(ドア)を開けて実物を確認。テンキーで品物を選んで支払った後に内扉を開けて商品を取り出す-手順になる。決済が完了すると選択した商品の内扉だけロックが外れて取り出せる仕組み。
 主な特徴は、

  1. 各商品を置く部屋のサイズは工具不要で簡単に変更でき、部屋割りは8パターンの組み合わせが可能
  2. 外扉の商品パネル(A4サイズ)で各商品の魅力、特徴を分かりやすく詳しくアピールできる
  3. 外扉を開けると見えるディスプレイウインドウで実際の商品を目視で確認できる
  4. オプションとしてキャッシュレス端末を用意しており、現金を持たずに買い物をする各世代にも対応でき、高額商品の販売でもキャッシュレスなら安心
  5. 売切スイッチ搭載、商品の大きさに関係なく最小重量50gから売り切れを検知する
  6. 空売り防止=一度販売した部屋は売り切れを認識。このため販売済みの部屋を重ねて購入してしまう問題を防ぐ

-など。

7.松山がストローチョッパーNSCシリーズ発売

麦の残稈処理・緑肥の細断に最適なニプロストローチョッパー「NSC」シリーズを5月から北海道で先行販売、それ以外の地域では7月に新発売すると発表した。従来機の「MECシリーズ」を全面改良し、カッティング軸の安定した高速回転により作業性能が向上、安定した細断作業が可能となった。3型式をラインアップし、適応トラクター馬力は55~150馬力。
 主な特徴は、

  1. カッティング軸やフレームのパイプ径を大きくしバランス性能が向上。回転時の振動が軽減したことと、Vベルト4本(NSC2900RVは5本)による駆動で、カッティング軸はPTO540rpm時、1944rpm(NSC29000RVは1827rpm)の高速回転を実現
  2. 大規模圃場における安定した細断作業が可能に。爪は従来機(MECシリーズ)より硬度を上げたフレール爪を採用し、耐摩耗性が約20%向上
  3. シールドの開閉が可能、開度は6段階(デフレクターを付けた場合は5段階)に調節が可能で、固定はロックピン式で工具が不要
  4. 細断物を後方へ均一に飛散させるためのデフレーターは取り外し可能で、様々な条件に対応

-など。

<業界短信4月>

1.ヤンマーアグリが京大と共同講座を開始

持続可能な食料生産の実現に向け、京都大学大学院農学研究科との産学共同講座を本格的に開始する。農業機械やロボティクスといったヤンマーの技術と京都大学大学院のアカデミアの専門的知見により、これらの課題を解決し、農業の発展を加速させるべく、2025年2月1日付で京都大学大学院農学研究科に共同講座を開設した。2030年1月までの5年間、データ駆動型サステナブル農業の共同研究を行う。
 この共同研究では、自動運転・電動技術の更なる向上に加え、クラウド上で圃場や作物状況、土壌分析などのデータ収集を行い、遠隔農業マネジメントを行うデータ駆動型農業システムの確立を目指す。農業研究科における講義や課題研究の指導協力のほか、学生・研究生を巻き込んだ栽培・作業分析など、京都大学大学院農学研究科附属木津農場での実証も実施していく。共同講座名は「ヤンマーデータ駆動型サステナブル農業講座」、共同講座実施期間は2025年2月1日~2030年1月31日の5年間。

2.大島農機が首脳人事、社長に大島大輔氏

みのる産業が創業80周年でインスタ投稿キャンペーン  同社の定時株主総会及び取締役会で役員の選任と役職分担を行い、それぞれ就任した。それによると、新社長に大島大輔専務が昇任、前任の大島浩一氏は取締役会長に就任した。また、常務執行役員の丸山寛氏が常務取締役に昇任した。新執行体制は、取締役会長に大島浩一氏、常務取締役に丸山寛氏(経営管理室室長)、取締役(非常勤)に安東一英氏、監査役に大島誠氏、執行役員に松岡均氏(総務部長)、川久保浩一氏(農機事業部長)、佐藤友浩氏(製造部長)。なお、取締役会長の大島伸彦氏並びに非常勤取締役の武藤公氏は退任、大島氏は相談役、武藤氏は顧問(海外担当)にそれぞれ就任した。

3.みのる産業が創業80周年でインスタ投稿キャンペーン

本年創業80周年を迎えるに当たり、日頃の感謝の意を込めて「みのる公式Instagramフォロー&投稿キャンペーン」を実施。キャンペーンの期間は2025年1月1日~8月31日。期間中にInstagramの公式アカウントをフォローして、炊き立てごはんの写真を投稿すると、抽選で80名に2,000円分のAmazonギフトカードが当たる。
 応募の方法は、

  1. みのる産業公式Instagramをフォロー
  2. 炊き立てごはんの写真を撮影
  3. ハッシュタグに「みのる80周年ごはん」をつけて投稿

-となっている。

当選の発表は2025年9月頃。キャンペーン期間の終了後に厳正な抽選のうえ、同社InstagramアカウントからInstagramのDMにて、当選者のみに連絡が入る。なお、アカウント非公開限定の応募者は抽選の対象外。
 同社の広報は「投稿いただいた写真および文章は、当該Instagramほか、弊社が運営するウェブサイト、その他の各種宣伝媒体に使用させていただく場合がありますので、予めご了承ください。また、偽アカウントにご注意ください」とし、多数の応募を呼びかけている。

4.井関農機が茨城の農業女子会で農機実習

同社夢ある農業総合研究所において、関東農政局茨城県拠点が初主催する女性農業者交流会「第1回いばらキラキラ農業女子会」に協力。同社の「夢ある農業女子応援Project」の一環として、女性推進チーム「ISEKI Agrinno Ladies『さなえ倶楽部』」メンバーが中心となり、農業機械体験会の実施や、同社の農業女子応援PJ紹介、グループディスカッションへの参加などを行った。井関農機は今回会場の提供をはじめ、農業機械の体験など全面協力を行った。体験会には県内女性農業者21名をはじめ、井関農機さなえ倶楽部、茨城県、つくばみらい市など幅広い関係者が参集した。自己紹介の後、井関農機さなえ倶楽部メンバーの商品企画部・田代奈々氏が同社の農業女子PJにおける取り組みを紹介。今後も同PJを通じて持続可能な農業の発展に貢献していくとした。
 続いて、屋外にて農業機械体験会が行われた。直進アシストトラクター、野菜移植機、ロボット田植機、トラクター・ミニ耕うん機、電動乗用モア・他EGO製品(ISEKIアグリが今年より販売)-の5種類について、試乗や実演、解説などが行われ、参加した女性農業者たちは興味があるものからそれぞれ体験。最新のスマート農機から使いやすい農業女子コラボ農機、日本初上陸の電動機械まで、目を輝かせて吟味し、お互いに和気あいあいと語り合いながら、体験を楽しんでいた。

5.井関農機が連結子会社の固定資産譲渡

連結子会社であるISEKI M&Dが、同社取締役会で同社が所有する固定資産の譲渡を決議したことを明らかにするとともに、井関農機はこれに伴い2025年12月期第1四半期連結決算において、特別利益を計上することになったと発表した。譲渡の理由は「経営資源の有効活用及び財務体質の強化を図るため」。
 譲渡資産の内容は、所在地は熊本県菊池郡大津町大字室1579の1、土地面積は11,113.07平方m、建物延床面積は5,998.48平方m、譲渡益は863百万円(譲渡益は、譲渡価額から帳簿価額および譲渡に係る諸経費を控除した概算額)。譲渡先はNX商事。井関農機及びISEKIM&Dと譲渡先との間には資本関係、人的関係、取引関係及び関連当事者として記載すべき事項はない。本件については、2025年2月14日に公表した2025年12月期通期連結業績予想に織り込んでいるとしている。

6.やまびこがアイケイエスと資本提携

充放電器の設計、製造、販売を行うアイケイエスと株式の一部取得による資本提携を行った。アイケイエスとが実施する第三者割当による新株発行を引き受けることで同社の普通株式を取得した。
 やまびこグループは現在、2025年12月期を最終年度とする「中期経営計画」に取り組み、社会全体のグリーントランスフォーメーション(GX)を成長機会と捉え、新規事業の創出に対応。特に、サステナブルでカーボンニュートラルな街づくりへの貢献を目指し、再生可能エネルギーを活用した環境配慮型発電システムを基盤に電力ビジネスの事業を推し進めている。今回、蓄電池関連技術や充放電を基軸とする電力変換技術において高い専門性を有する企業であるアイケイエスとは、やまびこが進めている事業領域とも親和性が強いとして資本提携。既に同社とアイケイエスとは、太陽光パネル、蓄電池、発電機を組み合わせた電源供給システムでの実証実験や新たな電源システムの共同研究開発を進めている。今回の資本提携を通じて、やまびこグループの事業基盤とアイケイエスとの技術力を融合、カーボンニュートラルに貢献する先進的なエネルギーシステムの開発や普及を加速させる考え。

7.諸岡が広域通信の2台同時作業で検討会

茨城県常陸太田市町屋町の国有林内で、国の開発事業で取り組んでいる「フォワーダ集材作業の労働課題を解決する自律走行マルチオペレーション技術の開発」の第3回検討委員会を実施した。自動運転システムと車両制御システムを装備した自律走行フォワーダは新たな段階に進み、より大量に迅速に材を運び出すため、2台編成で作業に当たり、林内の通信手段もより広域に対応できるものへ進化している。当日は検討委員をはじめ、林野庁関係者、茨城県森林管理署、茨城県の関係者らが参加した。
 昨年度までは、安定した自動走行、安定かつ低遅延のWi-Fi、障害物・路面形状の認識アルゴリズム-を開発し、今年度はさらに複数台のフォワーダを自動走行させるマルチオペレーションシステム構築の段階に進んでいる。会場では2台のフォワーダを同時に走行させ、大量・迅速搬送のニーズに応えるもようを披露。また、前後進ともに安全に走行し、循環経路ではない一般的な作業形態にも対応できる(後進で作業道を上り、材積載後に前進で走行)能力を示した。林業機械の自律走行に関してはまだ公的な規定がないため、その面の整備が前提になるが、システムの実装は2027年頃を見込んでいる。。

8.健康経営優良法人2025に業界から認定多数

経済産業省および日本健康会議は「健康経営優良法人2025」認定法人を公表した。これは、健康長寿社会の実現に向けて、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取り組みを戦略的に実践する健康経営を行う法人を認定するもの。今年は大規模法人部門に3,400法人を認定し、うち上位500法人には「ホワイト500」の冠を付加。中小規模法人部門に19,796法人を認定し、うち上位500法人には「ブライト500」、501~1500位法人には「ネクストブライト1000」の冠を付加した。。
 同表彰では、農業機械業界からも多数選出された。認定された企業の一部をみると、大規模法人部門で、井関農機、クボタ、丸山製作所、みのる産業、三菱マヒンドラ農機、やまびこ、ヤンマーホールディングスなど、中小規模法人部門で有光工業、サタケ、静岡製機、諸岡など。

9.キャニコムがネーミング大賞で1位に

第35回読者が選ぶネーミング大賞(主催=日刊工業新聞社)の表彰式が都内の経団連会館で行われ、業界からはキャニコムの乗用草刈機「フルーティまさお」がビジネス部門の1位を獲得した。包行均会長が記念の盾を受け取った。
 19回連続受賞を成し遂げた包行会長は、式後の祝賀パーティーであいさつ。「フルーティーまさおは、まさおシリーズにしゃれっ気を込めて、爽やかな色男の香りを付け加えた」と命名のいきさつを紹介しながら、ネーミングほど楽しい作業はないと、これまでの19年の名づけの足跡を踏まえ、「私にとって来年は20回連続となるので、それに相応しいドカンッとしたネーミングを用意し、何が何でもここにやってきます」と次回に向けた意欲を示した。

10.ヤンマーホールディングスが
  小型分野の電動化加速へ新たな組織設立

小型の建設機械・農業機械分野での電動化を推進するため、2025年4月に新たな組織を設立。新組織はオランダのEleoTechnologies B.Vなどグループ会社や電動化に関連する既存の一部組織を含んで構成され、責任者はこれまで自動車業界などで電動化をリードしてきたMarko Dekena氏。ヤンマーブランド製品、OEM製品、コンポーネントおよびe-パワートレインの3つのカテゴリーに注力し、ミニショベル、ホイールローダーをはじめとした産業機械の電動化に取り組む。
 ヤンマーホールディングス代表取締役COO山本哲也氏は、「今回の組織新設は、ブランドステートメントに掲げる”A SUSTAINABLE FUTURE-テクノロジーで新しい豊かさへ。-”の実現に向けた取り組みの1つ。小型の電動パワートレインの開発は、当社がディーゼルエンジンで積み上げてきたノウハウを建設機械・農業機械分野にとどまらない、より広い分野に適応させ、カーボンニュートラルを実現するために重要なマイルストーン」などとコメントした。

11.静岡製機が創業110周年記念式典・記念祝賀会開く

浜松市のアクトシティ浜松とオークラアクトシティホテル浜松に国内外からの関係者120名余りを招き「創業110周年記念式典・記念祝賀会」を開催。席上、鈴木社長は110年間の長きにわたる感謝の意を伝えるとともに「これからの100年を見据え、その礎となる技術獲得を目指し、創意の発揚に磨きをかける」と挨拶した。記念式典に先立ち、イベントホールにおいて、乾燥機・保冷庫・各種測定器などの農機部門、冷風機・電気ヒーターなど産機部門、また、農産物直売のとれたて食楽部の展示、さらに、同社110年にわたる会社沿革が紹介された。
 記念式典は「光・風・熱」の技術で新たな未来へをテーマに、宇野毅常務取締役の開会挨拶で始まり、110年を振り返ったビデオメッセージが上映された。続いて、鈴木社長が創業110周年式辞の挨拶、続いて来賓祝辞に移り、袋井市・大場規之市長、日本農業機械化協会・菱沼義久会長がそれぞれお祝いの言葉を述べた。式典に次いで、元ラグビー日本代表の五郎丸歩氏による「日々の努力、夢への近道」と題した記念講演が行われた。

12.井関農機がファーマーズ&キッズフェスタに出展

東京の代々木公園イベント広場で開催された「ファーマーズ&キッズフェスタ」に有人監視型大型ロボットトラクター「TJW1233」、コンバイン「HJ6130」、ロボット田植機「PRJ8DR」など大型農機を出展、日本の農業、食卓を下支えする農機のパフォーマンスを大都市の消費者にアピールした。また、5月から発売予定のEGO社(中国)の電動乗用芝刈機、電動高圧洗浄機、電動ブロアの電動商材を出展し、環境問題など社会課題への関心が高いとされるZ世代に対して環境への取り組みをPRした。  同フェスタは、公益社団法人日本農業法人協会が主催する体験型イベント。初日は好天に恵まれ、主役の子どもたちは半袖姿で元気に飛び回っていた。初日には、冨安司郎社長、石本徳秋執行役員営業本部長(ISEKI Japan社長)が会場を訪れ、スタッフを激励した。恒例行事としてすっかり定着したトラクター記念撮影コーナー(今回はブルーメタリック塗装のロボットトラクター「TJW1233-R」)には親子連れが並び、中には大泣きする幼児もいて、子どもの視線を取るスタッフはぬいぐるみの人形で「はいチーズ」の連呼。農機展示コーナーは、当然ながらトラクター、コンバイン、田植機の実機を見るのは初めての人ばかりで、子どもも大人も大満足の表情で写真を確認していた。

13.ISEKI M&Dが令和6年度省エネ月間で四国経産局長表彰

令和6年度省エネ月間四国地区表彰式において、エネルギー管理優良工場等として「四国経済産業局長表彰」を受賞した。同表彰は、エネルギーの有効利用に顕著な功績のあった工場・事業場および個人を対象に、四国地方電力活用協議会会長および四国経済産業局長が、省エネルギー月間に表彰するもの。今回の受賞では、ISEKI M&DにおけるA重油・LPGからLNGへの燃料転換、コージェネレーションシステム導入、操業負荷に応じた設備の計画停止等の功績が称えられた。

14.クボタが未来の汎用プラットフォームロボ初公開

4月13日から大阪・夢洲で開催される2025年日本国際博覧会に、プラチナパートナーとして協賛するパビリオン「未来の都市」で、未来の「汎用プラットフォームロボット(Versatile Platform Robot)」のコンセプトモデル「Type:V」と「Type:S」を公開した。Type:Vは農業の完全無人を実現するプラットフォームロボットで世界初公開。クボタの展示ブースはHall Cに設けられており、そこで未来の食と農業の姿を表現する。未来に続いていく地球と人に優しい「食と農業」の実現において、完全無人化、そしてデータを活用した精密農業をはじめとする環境負荷の低い新しい農法の確立をテーマに、そのキーテクノロジーとして汎用プラットフォームロボットであるType:Vを展示する
 公開に先立ち、同パビリオン前でテープカットが行われ、出席した北尾社長が協賛社を代表し挨拶した。北尾裕一社長は「Type:Vは作業に応じて車体の高さや幅を変えることができ、1台で多くの用途に使用することが可能だ。また数台のロボットが互いに協調して作業することにより、効率良く作業を行う」と説明。現在も研究開発が進んでいるとし、大阪府堺市に開設したグローバル技術研究所で実演デモの開催も計画中などと述べた。

15.ヤンマーがヤンマーブランドアセットデザインを設立

さらなるブランド認知、価値の向上を目指し、ヤンマーのブランド・デザインノウハウを活用したコンサルティング、およびブランドコンテンツ・アセットの創出、知的財産活用(IP)を行う新会社「ヤンマーブランドアセットデザイン」を設立した。マスコットキャラクター「ヤン坊マー坊」やヤンマーオリジナルアニメ『未ルわたしのみらい』、世界中で活躍するヤンマー製品などのブランドコンテンツをグッズや玩具などに展開し、IPとしての価値を高めるとともに、創出したアセットを活用し、ヤンマーが目指す「わくわくできる心豊かな体験に満ちた社会」の実現に向けたさまざまな取り組みを進めていく。  新会社の事業内容は、グループ内外へのブランドコンサルティングおよびデザインコンサルティング、ヤンマープロダクトやキャラクターなどのブランドコンテンツ・アセットの活用、開発、ヤン坊マー坊、未ルなどのキャラクターグッズ、トラクター・建機などのプロダクトグッズの企画などとしている。

16.クボタがリース契約サービス「RAKUtA」リニューアル

クボタクレジットは、WEBサイトからトラクターなどの農業機械のリース契約を申し込むことができるサービス「RAKUtA(ラクタ」について、対象商品のラインアップを大幅に拡充し、リース期間を選択可能にするなど、より便利に利用できるようリニューアルした。対象商品のラインアップ拡充への要望をうけ、ラインアップ拡充に加え、リース期間の選択も可能にすることで、さらなる利便性の向上を図り、利用者のニーズに寄り添った多様な農業機械導入方法の提案を一層強化していく。
 リニューアルの内容をみると、対象商品のトラクターは、従来の1シリーズから13・5~106馬力までの11シリーズへとラインアップを大幅に拡充した。新たに田植機とコンバイン(各1シリーズ)を追加した。また、利用者のニーズに合わせ、リース期間の選択がトラクターは4~7年、田植機・コンバインは4年または5年から選べるようになった。

17.山本製作所が新動画の配信開始

同社のYouTubeチャンネルで、面白くてタメになるライスセンター情報を随時発信している。このたび、日本各地のライスセンターを紹介する「ライスセンターツアー」第29弾目となる、山形県東根市のティスコファームを取材した動画の配信を開始した。
 今回は。もともと産地直売所だった既設の木造建屋に、乾燥・調製・精米の3ラインをコンパクトに詰め込んだライスセンターを紹介。水稲作付面積30haで、乾燥機は50石×4台、籾すり機は6インチを所有している。既存施設にライスセンターを建てる様子、施設の内部、そしてシリーズ初となる稼働中のライスセンターの様子を紹介するなど、内容盛りだくさんの動画となっている。

18.クボタに日本機械学会賞、ヤンマーに奨励賞

一般社団法人日本機械学会は2024年度日本機械学会賞などの受賞者を決定した。農機業界からは、日本機械学会賞(技術)に「無人自動運転コンバインの開発」でクボタの林壮太郎、藤田敏章、吉田脩、湯浅純一、江戸俊介の各氏が選出された。日本機械学会奨励賞(技術)に「内燃機関におけるアンモニア燃焼技術の開発」でヤンマーホールディングスの松永大知氏が選ばれた。学会賞などの表彰式は、4月24日午後3時半より都内港区・明治記念館にて開催される同学会の2024年度(第102期)定時社員総会にて行われる予定。

19.ヤンマーエネルギーシステム製品が環境省LD-Tech認証製品に

環境省は2024年度における環境省LD-Tech認証製品一覧を取りまとめて発表した。これは、2050年カーボンニュートラルに向け、エネルギー起源CO2の排出削減に最大の効果をもたらす先導的な技術を「環境省LD-Tech」として整理し、普及促進を進めているもので、農業機械関連業界からはヤンマーエネルギーシステムのガスヒートポンプエアコン23型式、マイクロコージェネレーション12型式、ガスコージェネレーションシステム2型式、バイオガスマイクロコージェネレーション4型式、常用ディーゼルエンジン2型式などが認証された。

20.クボタが「Nextなでしこ」に選定

経済産業省は東京証券取引所と共同で、令和6年度における「なでしこ銘柄」23社、「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」16社を選定のうえ公表した。前者は女性活躍推進に優れた上場企業、後者は「共働き・共育てを可能にする性別を問わない両立支援」が特に優れた上場企業を選定したもので、農業機械業界からは「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」としてクボタが選出された。
 クボタの取り組みの一部をみると、同社は「多様な価値観に基づく事業運営(DEI)と社員の成長・働きがいの向上を目指して」と題して、「DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)」を人的資本戦略の中心に据え、性別に関係なく育児と仕事の両立支援や女性社員間の交流と相互支援を目的としたWERG(Women's Employee Resource Group)の発足、新入社員から管理職まで階層別教育の充実化-に取り組んでいる。

21.クボタがKSASに衛星画像プラン追加

同社がサービスを提供する営農支援システム「KSAS」の「リモートセンシング」機能に、人工衛星プランのお試し版(ベータ版)を追加した。本プランでは、人工衛星で撮影した農作物の生育状態をマップ上に表示するサービスを利用できる。人工衛星によるリモートセンシングサービスを提供していたスペースアグリと技術導入契約を締結し、同社の技術を活用して、KSASのシステム上で人工衛星の画像を用いた農作物の生育マップを提供する。このサービスにより、人工衛星を用いて広範囲に、より多くの圃場の生育状態を確認したいという農業生産者のニーズに対応する。今後はお試し版(ベータ版)の利活用状況を踏まえてさらなる機能拡充を図るなど、正式版の開発を進めていく。
 機能の概要をみると、利用できるのはKSAS営農コース会員(利用にはKSAS Marketplaceの「リモートセンシング」から申し込みが必要)。サービス内容は、米国Planet Dove衛星から取得したリモートセンシング画像を用いた生育マップ作成・提供、利用料金はお試し版(ベータ版)特別価格1ha当たり500円(年単位、税別)。別途、KSAS営農コースの月額利用料金がかかる。

22.ヤンマーホールディングスが
  廃棄ユニフォームをポーチにアップサイクル

アパレルブランド「CLOUDY(クラウディ)」とコラボレーションし、廃棄予定の旧ユニフォームの一部をポーチに生まれ変わらせるアップサイクルプロジェクト「HANASAKA UPCYCLE PROJECT」をクラウドファンディング「Makuake」にて開始した。本プロジェクトでは、リニューアルに伴い廃棄予定だったヤンマーの旧ユニフォームをグループ内から回収し、ポーチにアップサイクルする。今回のクラウドファンディングでは、工場などの現場で使われる丈夫なユニフォームの袖部分の生地を使用し、ステッチなどが少しずつ違う1点物のオリジナルポーチを用意した。また、ポーチの内側にはCLOUDYのアフリカ人デザイナーが手掛けたカラフルなテキスタイルを採用。アップサイクルによるサステナブルな取り組みに加え、売上げの10%をアフリカの子どもたちの給食費として寄付する。旧ユニフォームアップサイクルプロジェクトの期間は3月24日~6月20日、商品名は「HANASAKAポーチ」。

23.井関農機が4月1日付で組織変更

4月1日付の組織変更、役員の委嘱業務変更および人事異動を発表した。組織変更では、グループ全体での品質・顧客満足(CS)水準の向上を目的に、その統括部門として、「グローバルQM(クオリティマネジメント)統括部」を新設する。また、聖域なき事業構造改革「プロジェクトZ」施策の開発最適化において、開発リソースを成長テーマへシフトするため開発部門の組織を再編し、「トラクタ技術部」「アグリ技術部(新設)」「ランドスケープ技術部(新設)」とする。