2024年3月11日発行
<業界短信-新製品3月>
- クボタが4条刈・48馬力コンバインを投入
- ヤンマーアグリがミニ耕うん機「YK-MRシリーズ」新作を発売
- タイショーが新型ブレンドソワー2機種を発売
- 丸山製作所が新型のバッテリー動噴発売
- 諸岡が自動走行フォワーダを披露
- 井関農機が安価版アイガモロボ本格実証開始
- ビコンジャパンが2024年新商品を動画で発信
- 静岡製機が新型の色彩選別機を発表
- スズテックが人工マット充填機など新製品
- IHIアグリテックが軽量ラッピングマシン新発売
- ヤンマーアグリがロボットトラクターなどモデルチェンジ
- ヤンマーアグリがミニ耕うん機「YK450CR」新発売
- サタケが残留農薬簡易分析を刷新
- IHIアグリテックがプロ向けコンビネーションベーラを今夏発売へ
<業界短信3月>
- クボタがKSAS Marketplaceを刷新
- ヤンマーマルシェとNTTコミュニケーションズが中干し延長でJ-クレジット販売
- ヤンマーホールディングスがヤン坊マー坊の新デザイン決定
- 井関農機が日立製作所、岩見沢市とともにバッテリー循環で実証実験
- サタケの社内保育室が開設20周年
- 本田技研工業がGMとの合弁会社で燃料電池の生産開始
- 日本農業機械工業会が2023年輸出入実績発表
- ヤンマーホールディングスが国際女性デー月間実施
- タカキタが2024年3月期第3四半期決算を発表
- キャニコムの新執行役員に酒井氏
- 日本農業法人協会が基本法改正に対して提言
- やまびこがバイオ燃料発電機で国内初実証工事に参画
- クボタが2023年12月期連結業績を発表
- ヤンマーアグリが第34回ヤンマー学生懸賞論文・作文入選発表会
- タカキタが4月1日付で新社長に藤澤龍也氏
- 井関農機が2023年12月期連結業績を発表
- やまびこが2023年12月期連結決算を発表
- 本田技研工業が2023年度第3四半期決算を発表
- 日本農業機械工業会が2023年動態統計実績発表
- ウォーターセルが井関農機、ヤンマーアグリと資本業務提携
- クボタのグループ会社がFIMA展で技術奨励賞
- 有光工業の新社長に有光大幸氏が就任
<業界短信-新製品3月>
1.クボタが4条刈・48馬力コンバインを投入
4月から自脱型コンバイン「ER448NLimited〈4条刈・48馬力〉」を市場投入する。機能や装備を厳選し、採用型式を絞ることで、メーカー希望小売価格は654万円(税別)と、安価な価格設定を実現したモデル。同社は、「Select(セレクト)」、「Support(サポート)」、「Sustainable(サステナブル)」の3つのSをコンセプトとした「Sコン」と銘打ち、農業生産コストの低減と日本農業の活性化に貢献していく、としている。
主な特徴は、
- 機能を厳選した作業性能。レバー操作ひとつで「脱穀クラッチ『入』」、エンジン回転数を定格回転セット」「刈取クラッチ『入』」、「自動こぎ深さ『入』」の4つの操作を自動で作動させることができる楽刈レバーを搭載
- 充実のメンテナンス性能。排わらチェーンオープン機構が付いたフルアップこぎ胴を装備。脱こく内部や排わら部のメンテナンスが容易になり、詰まりが発生した場合にも簡単に除去できる
- 進化した安心機能。運転席右側の後方ミラーを従来機と比べて約1.8倍に大型化した。右側後方の視認性が向上し、後方確認がしやすくなった
-など。
2.ヤンマーアグリがミニ耕うん機「YK-MRシリーズ」新作を発売
ミニ耕うん機「YK651MR/YK751MR」を発売した。プロ農家から家庭菜園を楽しむ非農家まで幅広く使える豊富なラインアップが魅力の「YK-MRシリーズ」の新作。旋回時にハンドルを下げるだけで旋回レバーが直進から旋回に切り替わる「さげて旋回」機構を追加した。また、新装備「駐車ブレーキ」も搭載。耕深を従来機より10mm増の最大180mmにすることで、安全性と作業性を高めた。
主な特徴は、
- 作業や条件に合わせて選べる充実した商品展開。「標準仕様」は正転ロータリーとナタ爪を装備し、耕うん、うね立ての基本を備える。「一軸正逆転仕様」は中央の爪が逆回転する一軸正逆転ロータリーで作業開始からしっかり耕うんする
- シンプル操作で使いやすい機能。「さげて旋回」機構は、手元のハンドル上下レバーを握ってハンドルを最下段まで下げると、同時に旋回レバーが直進から旋回に切り替わる。旋回時の手順が減り、スムーズに旋回できる
- 作業がはかどる耕うん性能と整地性。片手で手を汚さず作業切り替えができる「ALL-IN-ONE」は、アタッチメントなしで耕うん、うね立て、移動の3つのモードに対応。耕深は従来比10mm増の最大180mmで、より深く。リヤシートはゴム先端部の厚みが従来比3mm増になり、整地性が向上した
-など。
3.タイショーが新型ブレンドソワー2機種を発売
ブレンドソワーBLDシリーズに新たにBLD-270および同-340を加え発売を開始。新機種は、無線リモコンを採用し操作性をアップしたほか、ワイドオープン機構で残量を簡単に排出できメンテナンス作業を簡素化。加えて混合層と繰出層の2層構造で、肥料の混合・均一散布の能力を高め、安定した作物生育に寄与できる製品とした。新製品「ブレンドソワーBLD-270」のホッパー容量は270L、散布幅は1.6mで、適応トラクターは30~75PS。「同-340」は、ホッパー容量340L、散布幅2.0m、適応トラクター40~75PSで、既販好評機種の同BLD-500よりも小型の機種を求めるユーザー層に拡販を図る。
主な特徴は、
- 独自開発の混合羽根により、肥料をきれいにムラなく混合する。肥料の比重に関係なく混合するため、鶏糞や米ぬかなどの有機肥料でもきれいにブレンドし、安定的な施肥設計ができる
- ホッパー底部が開閉できるため、肥料の残量を素早く排出、使用後の水洗いやメンテナンスを容易化
- ワイヤレスで配線を気にせず設置できる。無線リモコン装備
- 直感的な操作ができる機能表示で、施肥量に応じたシャッター調整が細かくできる。公道走行にも対応。キャスター付きで移動、収納が便利
-など。
4.丸山製作所が新型のバッテリー動噴発売
M-LINEシリーズの新製品として、10L薬液タンクを搭載したバッテリー動噴「MLSB100Li」を発売した。希望小売価格は税込み3万7400円。
主な特徴は、
- 過放電、過充電、過電流高温などの各種保護機能の付いたオリジナルバッテリー(1個)を標準装備しており、グリップにスイッチを内蔵して握った時のみポンプが作動するため、バッテリー電力のムダな消費を防ぐ省エネ型の製品
- 機体には背負心地を重視した肉厚のクッション背負バンドを採用し、快適に作業が進められるほか、装備しているグリップホルダーはノズルパイプを固定する工具として使用でき、収納もきれいに行える
-など。
5.諸岡が自動走行フォワーダを披露
茨城県常陸太田市春友町で、研究開発中の「自動運転フォワーダ」のデモ・説明会を開催し、現システムで作業道を自動走行できる機能の一端を示した。今後はさらに走行精度や安全性の向上を図るとともに、林内の通信状況の高度化を含め完全無人化に向け開発・実装化の作業を進めていく。
自動走行の仕組みは、初めに有人で現場を走行し、その間に機体フロントに取り付けたレーザーレーダーによって得られたデータで3Dの点群地図を作り、同時に走行速度や経路も記録。それらを基に走行制御のプログラムを作成し、次回以降の走行は自動で進められる。また、走行路に設置した装置でWiFiの通信網を築き、走行中のフォワーダを監視する。衛星通信などに対応しにくい林内では有効な手段となる。自動走行フォワーダは林野庁の平成5年度戦略的技術開発・実証事業で研究開発が進められているもので、同社の他、パナソニックアドバンストテクノロジー、森林総研、東京農工大学、国際電気通信基礎技術研究所が参画している。
開発・実証の内容は、
- 遠隔監視・操作技術
- フォワーダ走行の安定化
- 予防安全機能の搭載
-で、4年度までにはセンシング技術と車両制御技術の高度化により急勾配やS字カーブなどを含む約450mの森林作業道の自動走行、GNSS+LiDARでの高度な3Dマップの作成などに成功している。
6.井関農機が安価版アイガモロボ本格実証開始
有機米デザイン、ナチュラルスタイルと連携し、安価版アイガモロボの実証を開始。2024年度には、様々な条件下での課題抽出を目的に、全国で安価版アイガモロボの実証実験を計画している。発売時期・販売価格については現時点では決まっていないものの、早期の市場投入を目指し、有機米デザインが製品化・量産化・製造、ナチュラルスタイル社が要素技術開発を担い、発売に向けた準備を推進していく。
安価版アイガモロボの主な特徴は、
- ナチュラルスタイル社が開発したスマホ通信機能を省いた「自動航行システム」
- 新たに開発した「ブラシ型パドル」の搭載
- 抑草機能・生育への影響はそのままに、適応条件を拡大し、スマートフォンとの通信機能を省きながら操作の簡易化と機能向上及び低価格化を図る
- 水のにごりやトロトロ層での抑草効果に加え、ブラシが水底を掻くことで発生初期の雑草を浮かせる効果
- 抑草機能はそのままに「圃場の均平」「水管理」「強風」に関して技術向上を図っている
-など。
7.ビコンジャパンが2024年新商品を動画で発信
2024年新商品をまとめて動画に編集し、YouTubeで発信している。
収録しているのは、
- ビコンのワイドスプレッダ「ジオスプレッド」
- マスキオのスタブルカルチベータ
- ビコンの新型バタフライモアコン
- ビコンの牽引式ジャンボロータリテッダ
- クーンの新型ロールベーラ。
このうち1.ジオスプレッドの動画では、油圧駆動モデル「アイディーシー」が加わり、左右ディスクの回転数を変えることで畑外への肥料の飛散を防ぎ、境界線での散布精度を向上させている。2.は国産中型トラクターで使えるよう設計された日本限定モデル。オーバーラップする幅の広いウイングシェアはかけ残しがなく、荒起こしとミキシング効果に優れている。量の多い残渣や緑肥なども詰まりがなく混和・鋤き込みができる。
3.は北海道向けで、作業幅は約9m。上位機種と同じくクアトロリンクサスペンションを装備、油圧リンク機構で高速でも圃場の細かな凹凸に滑らかに追従する。4.は、12ローター/13.4m、14ローター/15.6mの2型式があり、広い作業幅で飛躍的にテッディング作業の効率アップを実現。移動幅は3m以下に納まる。5.はピックアップ前方のクロップローラとガードの改良でより大きなウインドローをスムーズに拾い上げ、リアゲートの閉まるスピードが速く作業能率の向上が期待できる。
https://www.youtube.com/watch?v=6qez4EVY0qQ&feature=youtu.be
8.静岡製機が新型の色彩選別機を発表
新型の色彩選別機SCS-55Sを発表した。色彩選別機SCSシリーズのラインアップを拡充するもので、55レーン溝シュートで最大処理能力2.3t(38俵)/時を誇る5インチ籾すり機対応のプレミアムモデル。様々なレイアウトに対応できる設置性、より扱いやすい操作性、メンテナンス労力のさらなる低減を達成、より効率的な調製作業を行うためのプレミアムモデルとして開発した。
主な特徴は、
- 業務用5インチ籾すり機にも余裕をもって対応できる処理能力を持ち、選別性能と歩留まりをさらに向上
- 流れてくる米粒の中心位置を検出し、的確にエアを噴射、排除する新システム「中心検出システム」によって、選別時の良品の巻き添えを減らし、歩留まりを向上させることができる上、活き青米をしっかり残したい時は緑色光源で選別し、活き青米をしっかり除きたい時は赤色光源で選別する「青米選別機能」を搭載
- 内部滞留のないオール一次選方式を採用し、不良混入率10%まで最大処理能力で稼働が可能。不良混入率の高い玄米にも安定した処理能力を発揮する
- 信頼性の高い「トリプルカメラシステム」により、着色粒を検出する前後カメラと白未熟を検出する透過カメラの3台で不良米を判定。白未熟粒を専用のカメラで検出しているため、着色・白未熟同時検出時も判別能力を落とすことがない
- 右流れ・左流れ対応可能。良品排出口を左右後ろの3方向に変更でき、籾すりラインのレイアウトにかかわらず設置でき、既存の設備に導入しやすい
-など。
9.スズテックが人工マット充填機など新製品
今春需向け新製品として、人工マット充填機MJ500、播種機TRK4000、すき間スイッチSMS1を拡販。人工マット充填機は、個人農家向けには業界初(同社)とする新商品で、人工マットを育苗箱に自動供給し、従来の手作業から大きく省力化を図るもの。 作業工程は、
- マットをセット(マット準備台は最大30枚ストック可能)、
- 育苗箱を投入、
- 充填、
- 完成
-の流れで、能力は400・500箱/時。
主な特徴は、
- 作業状況に応じ、処理能力は2段階に切り替えできる
- 最大30枚のストックで作業に余裕があり、マットがなくなった場合は機械が全停止するため、マットの補充作業が簡単
- 独自機構(桟付き押し出しベルト採用)によりスムーズにマットを排出し、排出後のマットは案内パイプで90度回転させ育苗箱に投入
- 振動装置、邪魔板、転圧ローラで確実に育苗箱に充填する
-など。
10.IHIアグリテックが軽量ラッピングマシン新発売
軽量機体で移動もらくらく、圃場や庭先でスピードラッピングが可能なラッピングマシン「MWM1072W」「MWR1072W(ラジコンオート仕様)」を発売した。また、灯器類や反射ラベル、制限標識等を標準装備した公道走行対応製品。高品質なサイレージづくりを約束するものとなっている。
ラジコンオート仕様の「MWR1072W」は、ラジコン送信機で定置タイプとして操作可能。フィルム巻付け・フィルムカット・ベール降ろしまでの動作を自動で行うことができる。
主な特徴は、
- 低馬力トラクターでらくらくラッピング。ロールを起こす「縦置きモード」機能を省いた軽量タイプで、機体総重量470kgとコンパクト。30~45PSのより低馬力のトラクターに対応している。スピーディーなラッピング作業
- シンプルな操作性能。コントロールBOXは、シンプルで扱いやすく、直感的な操作が可能。「自動スタート」ボタンを押してベール拾い上げ・フィルム巻付け。「ベール降ろす」ボタンを押してベールを降ろす。MWR1072Wはラジコン発信機の2度押しのみでワンサイクル作業が可能
-など。
https://www.ihi.co.jp/iat/star/pdf/MWM-MWR1072W_20231116.pdf
11.ヤンマーアグリがロボットトラクターなどモデルチェンジ
近距離監視にて無人での自動作業を実現するロボットトラクターと、最小限の操作を有人で行い、直進作業・旋回を自動で誰でも熟練者並みの作業ができるオートトラクターをモデルチェンジした「YT488R/498R/410R/5114R」を発売した。近年農地の集約による経営の大規模化や就農者減少・高齢化による人手不足といった課題を抱える農業分野において、ICT技術を活用した省人・省力化、効率化が求められており、自動操舵農機の市場規模は拡大傾向にある。今回のモデルチェンジでは、稲作農業に欠かせないコンバインと圃場のデータ共有が可能となり、ICTを活用したより効率的な稲作作業を実現する。
主な特徴は、
- 1枚の圃場の9割を自動で作業=あぜ際の1~3周を除き、圃場の9割を自動で作業。事前に設定した経路においてステアリング(旋回)、作業機昇降、前進・後進・停止、PTOの入・切を自動で行うことができる
- 作業情報の確認や作業の微調整が簡単にできる10.1インチタブレット(ロボットトラクターのみ)=防塵・防滴設計のタブレットを搭載し、スマートフォン感覚で操作が可能。作業中の場所や進捗をタブレット上で確認することができ、遠隔操作で車速・エンジン回転などを調整することができる
- 最先端技術RKT-GNSSによって数cm単位の精度の位置情報を取得=衛星から受信する位置情報と、固定基地局や電子基準点から受信する補正情報の2つの電波で高精度に位置を求め、移動局(トラクター)の位置情報を数cm単位に高精度化
-など。
12.ヤンマーアグリがミニ耕うん機「YK450CR」新発売
ミニ耕うん機「YK450CR」を発売。同機は、家庭菜園を営む農家から非農家を含む顧客層まで取り回しの良さで好評を得ているYK400CRの上位モデル。キースイッチを回してエンジン始動ができるセルスタータ式エンジンを標準搭載し、従来機と同じく、主クラッチレバーを握ると動き、離せば止まるデッドマン方式を採用しているため、安心して作業が行える。
主な特徴は、
- 4.2馬力エンジン搭載のコンパクト設計。キースイッチを回して簡単にエンジンが始動できるセルスタータ式を採用、始動時はもちろん再始動時にも楽にエンジンがかかる。また大径タイヤを装備しているので様々な圃場条件に適応
- スムーズな作業を実現する新装備。今回新たにレバーを握るだけでハンドル高さが調整できる「ハンドル上下レバー」を、YK-CRシリーズに初めて搭載。手元の「ハンドル上下レバー」を握るだけでハンドルの高さを4段階に調整できる
- 硬い圃場でもしっかり耕うんできるロータリー。中央の爪が逆回転する「一軸正逆転ロータリー」を装備。シリーズ最多の左右各6本の爪でパワフルに耕うんができる
- 畝立て機能と整地性の向上。アタッチメントなしで「耕うん・うね立て・移動」の3つのモードに対応し、片手で手を汚さず簡単に作業の切り替えができる「ALL-IN-ONE」を標準装備
-など。
13.サタケが残留農薬簡易分析を刷新
残留農薬簡易分析サービスをリニューアルした。料金は据え置き、対象成分を68成分から100成分へ拡張する。「サタケの穀物分析センターは「食の安全・安心・美味・健康に貢献すること」をコンセプトに、米の品種、食味、残留農薬や栄養成分などの分析サービスを提供している。留農薬分析については237成分が対象の一斉分析サービスに加え、2016年からは短納期かつ低価格で68成分が対象の簡易分析サービスを開始し、多く利用されてきた。近年、新たな成分が使用されるなど農薬市場が変化しており、対象成分を68成分から100成分へと増やし、より多くの登録農薬に対応していく。
分析に要する日数は検体受領日の翌日から5営業日以内、分析料金は従来と同じ1検体当たり2万2000円(消費税込み)。対象原料は米(玄米・精米・無洗米など)。分析依頼方法はサタケウェブサイト内で確認できる。また、簡易分析とは別に、食品中に農薬が残留していないかをガスクロマトグラフタンデム質量分析計を用いて複数成分を高精度に分析する「237成分分析」や液体クロマトグラフタンデム質量分析計を用いて高精度にカビ毒分析できるサービスも行っている。
https://www.satake-japan.co.jp/news/new-release/news240219.html
14.IHIアグリテックがプロ向けコンビネーションベーラを今夏発売へ
コントラクターや大規模生産者向けに、高品質サイレージづくりをサポートし、高効率ノンストップ作業を実現するコンビネーションベーラ「JCB1810」の今夏発売を準備している。同機は幅1850㎜の6条刈。デントコーン、ソルゴー、飼料用稲、飼料用麦などに対応している。
主な特徴は、
- 多様な作物に対応したマルチヘッダであるツインドラムロータリーヘッダを搭載。刈高さを一定に保つオートセットを装備しており、低い位置から刈取りを行えるため、収穫ロスを低減する
- 刈高さを一定に保つオートセットを装備しており、低い位置から刈取りを行えるため、収穫ロスを低減する。駆動を上に配置することで刈取部の下がすっきり。刈後が平らで綺麗に仕上がる
- 油圧駆動の搬送ベルトで飼料がスムーズに送られ、成形スピードも向上。逆転機能による飼料詰まりを低減している
- 国産初のシュレッダ付きフラホイールを搭載。従来までオプション扱いだった乳酸菌散布装置を標準装備し、発酵品質を高め、良質なサイレージに調製する
- 操作性能も向上。乗用車感覚の丸ハンドルで楽々操作を実現。4カ所に設置されたカメラモニターで死角をなくして安心して作業できる
-など。
<業界短信3月>
1.クボタがKSAS Marketplaceを刷新
サービス提供する営農支援システム「KSAS」(クボタスマートアグリシステム)の利用者がKSASの追加機能の取得や他社製営農関連サービス等を利用できるウェブサイト「KSAS Marketplace」をリニューアルすると発表した。使い勝手を向上させるとともに、KSASの新機能として「GAP管理システム」と「クボタJ-クレジット支援サービス大地のいぶき」を追加する。
「GAP管理システム」では、農業生産活動に伴うさまざまな情報を、GAPの認証取得に必要な点検項目に関連付けて管理・記録することにより、生産者の負担軽減を図りながら、農業生産とGAP認証・改善活動との両立を支援する。「J-クレジット支援サービス」を使用することで、クレジットの認証に必要な情報の一部をKSASと連携しながら管理・記録し、J-クレジット制度に参画する生産者の負担を軽減する農業従事者が一気通貫で多様なサービスを利用できる環境を整え、日本のスマート農業の普及・拡大に貢献していく。また、より多くの人にスマート農業に係るサービスを知ってもらえるよう、KSAS会員以外もウェブサイトの閲覧が可能になった(サービスの使用には会員登録が必要)。
2.ヤンマーマルシェとNTTコミュニケーションズが
中干し延長でJ-クレジット販売
NTTコミュニケーションズが、「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を用いたプロジェクトとして初めてJ-クレジット認証を取得したことを受け、生産者の新しい収益源の獲得に向けた取り組みを本格化させた。
両社は2023年からヤンマーマルシェが契約する一部のパートナー生産者の圃場で水稲栽培の中干し期間を延長し、J-クレジット創出を進めてきた。「第58回J-クレジット制度認証委員会」でNTTコミュニケーションズがJ-クレジットの認証を取得、販売を開始した。両社は、この方法論に準拠した米栽培に取り組み、温室効果ガス排出量の削減やJ-クレジット流通による新たな農業モデルの構築を目指す。NTTコミュニケーションズが提供するIoTセンサーやアプリを使用してJ-クレジット申請における生産者の管理負担を軽減するとともに、ヤンマーマルシェが営農支援と収穫したお米のブランディング支援を行うことで、生産者のビジネス拡大に貢献する。
今後は「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を用いて栽培・収穫したお米はNTTドコモが運営するdショッピングにて2024年4月を目途に販売開始予定。また2024年3月に、都内を中心にオフィス向けフードサービスを提供する株式会社StoryCrewと共同で、このお米を使用したお弁当を期間限定で販売予定。販売するお弁当にはアンケートを付帯し、エシカル消費に関する実態調査を実施する。
3.ヤンマーホールディングスがヤン坊マー坊の新デザイン決定
ヤンマーグループの企業マスコットキャラクターであるヤン坊マー坊の新デザインを決定、発表した。新デザインについては、初めて一般投票をグローバルで行い、7万6588票を得た。その結果、9代目となる新ヤン坊マー坊のデザインを3案の中で得票を最も多く集めたデザインに決定した。ヤン坊マー坊は、未来の可能性に一緒にチャレンジするキャラクターを目指し、一般投票という形でデザインをリニューアルした。長年にわたり、テレビを通じてワクワクする姿を届けてきたヤン坊マー坊の原動力は、好奇心・探究心だとし、同社では、「このヤン坊マー坊とともに、幅広い層や国・地域において『心を動かし、未来を動かす』ことで、より良い未来に向けた可能性のバトンをつなげていきます」としている。
また、新デザイン決定イベントを開業1周年を迎えた東京・八重洲の複合施設「YANMARTOKYO」で開催した。地下1階のHANASAKA SQUARE会場の「願い事カードで想いをカタチに!」では、新ヤン坊マー坊がデザインされた大型パネルがお目見え。大型パネルに貼られた「願い事カード」を1枚取って、そこに願い事を書き入れ、記念撮影するフォトスポットも。カードは4種類を用意し、3日間で約1500枚を配布した。1階のヤンマー米ギャラリー会場では、ガチャイベントを開催。特賞の米1俵を始め、YANMARTOKYO各店舗の商品や商品券、ヤン坊マー坊グッズ、ヤンマーオリジナルグッズが当たる無料キャンペーンを実施した。3日間で約2100人分の景品を配布した。
4.井関農機が日立製作所、岩見沢市とともにバッテリー循環で実証実験
バッテリー循環による再生可能エネルギーの地産地消に向けた実証実験を開始した。実験では、井関農機が提供する電動農機に、日立が開発した可搬のAC/DC併用バッテリーを搭載して、自立型ナノグリッドから得られる再生可能エネルギーを農繁期には農業に活用することに加え、農閑期にはバッテリーを着脱してナノグリッドや電気機器に活用できるため、岩見沢市内に分散する電力系統未接続の地域産業への支援や、臨時のEV急速充電スタンドなどのインフラに供給することによる市域生活を支援する。また、日立の充放電計画最適化技術により運用の効率化を図るとともに、エネルギーの地産地消に取り組む。
開発技術の特徴は、
- 電動農機に搭載する着脱可能な可搬のAC/DC併用バッテリー。予め電動農機に搭載されているインバータをフル活用する可搬AC/DC併用バッテリーを試作した。太陽光パネルから得られるDC電流をそのままバッテリーに急速充電し、電動農機の走行・作業用ACモータを駆動することが可能
- 分散された農地の電力需要に対しバッテリーの充放電計画を最適化する技術。バッテリーを地域で運用するための最適化技術を開発し、シミュレーション環境を構築した。同環境では、バッテリー容量や運搬のための車両台数、自立型ナノグリッドの発電能力などの設備情報、分散された農地の電力需要データ、さらに日射量に基づく発電量の不確実性などの情報を収集する。これらのデータを用いて、農地での電力ピークカットなどに合わせた電力供給達成率や費用削減効果などが最大となる複数バッテリーの充放電計画を提示する
-など。
5.サタケの社内保育室が開設20周年
社内保育室「Bam・Boo(ばん・ぶー)」は、1月に開設20周年を迎えた。「Bam・Boo」は2004年1月に、従業員が仕事と育児を両立させ、十分に能力を発揮して働ける環境づくりを目的として社内に開設した。運営は保育事業者のアイグランホールディングスに外部委託。雇用形態や期間を問わず、会社と雇用契約を結んでいる者(正社員、パートタイムなど)が利用可能で、6歳以下の未就学児が託児対象者となっている。
開設後は、段階的に保育室の機能や保育体制の充実を図り、社内保育と社外保育の併用が可能な二重保育制度を採用。近年は、子どもたちの潜在的基礎能力の発達を促す音楽教育の「リトミック教育」やグローバル学習の「オンライン英語」なども導入している。また、昼休憩を活用して、親子で参加できるミニイベント(豆まき・七夕・クリスマス会など)を開催するなど、社内保育ならではの取組みも行う。20年で約200名の子どもが入室し、現在も12名が利用中。20周年を迎えたことについて小林照幸執行役員人事部長は、「これからも子どもたちにとって、居心地の良い場所であると思ってもらえるよう努力していきたい」と語った。
https://www.satake-japan.co.jp/news/new-release/bamboo20.html
6.本田技研工業がGMとの合弁会社で燃料電池の生産開始
ゼネラルモーターズ(GM)との合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing,LLC(FCSM)が、同社とGMが共同開発した燃料電池システムの生産を開始したことを発表した。
FCSMで生産される燃料電池システムは、2024年内に同社が発売を予定している新型燃料電池自動車(FCEV)へ搭載される。さらに、商用車、定置電源、建設機械を加えた4つの適用領域を中心に、B to Bの顧客に向けた製品・事業への適用拡大により、水素需要の喚起を図っていく。今回生産を開始した燃料電池システムは、腐食耐性の高い材料の適用などで耐久性を2倍に向上させたほか、耐低温性も大幅に向上している。また、セルシール構造の進化や、貴金属使用量の大幅な削減、大規模生産によるスケールメリットの最大化、部品調達先の共通化など、さまざまなアプローチにより開発・製造コストを削減。「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」<2019年モデル>に搭載していた燃料電池システムに対して、コストを3分の1に抑えている。
7.日本農業機械工業会が2023年輸出入実績発表
2023年1~12月の農業機械輸出入実績(財務省通関統計)によると、輸出金額は2907億3195万円で前年比83.0%、輸入金額は944億2361万円で同102.5%となった。機種別金額ベースでみると、トラクター全体の輸出は1997億2646万円で同76.6%、輸入は243億7535万円で同100.5%となった。輸出が大幅に伸びた2022年と比較すると、多くの機種で輸出台数が減少する結果となった。
輸出実績を台数ベースでみると、トラクターは18kW以下が9777台で前年比31.1%、18~22kWが9038台で同41.3%、22~37kWが1万6297台で同83.4%、37~75kWが3万7441台で同89.2%、75~130kWが5846台で同82.1%となり、22kW以下のトラクターの輸出が大幅に減少した。トラクター輸出の合計は7万839台で同64.3%。
その他の機種をみると、歩行式トラクターの輸出は3万3884台で前年比76.1%、播種機・植付機・移植機は5145台で同89.6%と減少した。一方で、草刈機は3429台で同117.9%、コンバインは3391台で同104.1%に増加、金額も草刈機は同168.9%、コンバインは同104.9%に増えた。このほか輸出で増加が目立った機種は、ベーラーが14万1155台で同4667.8%などがあった。
8.ヤンマーホールディングスが国際女性デー月間実施
3月8日の国際女性デーに向け、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)について考えるきっかけをつくるため、国内外のヤンマーグループ500拠点以上で「国際女性デー月間」を実施した。ヤンマーグループでは、「Diversity for YANMAR」をポリシーに掲げ、グローバル化戦略を進める上で「国籍・性別・年齢を問わず、世界で通用するプロフェッショナルな人材の活躍」を目的とするD&Iの推進に取り組んでいる。期間中はヤンマー社員だけでなく、来社した人にもD&Iについて考えるきっかけになるように、ヤンマー本社ビルのエントランス、総合受付にキービジュアルのポスターや国際女性デーのシンボルでもあるミモザの装飾を設置。また、自社媒体のY mediaや公式SNSアカウントでも情報発信した。
社内向けには、国際女性デー特設WEBサイトでエグゼクティブや世界で働くヤンマーグループの女性マネジャーからのメッセージや、各拠点の国際女性デーへのユニークな取り組みを紹介した。
9.タカキタが2024年3月期第3四半期決算を発表
2024年3月期第3四半期決算を発表した。それによると、売上高は63億3800万円(前年同期比14.4%増)、営業利益7億1400万円(同53.4%増)、経常利益7億5500万円(同48.7%増)、四半期純利益5億1500万円(同51.1%増)の大幅増収増益となった。自己資本比率は74%。
決算概況をみると、同事業年度は、2033年3月期に迎える同社創業120周年を見据えて新たに策定した長期経営計画「Offensive120」のスタート年度として、『やり切る執念次代へ挑戦Offensive120』をスローガンに、売上げ・利益の拡大、業務改善と生産性の向上、人的資本への投資、部門経営の高度化、社会貢献に取り組んだ。農業機械事業は、国の畜産クラスター事業の採択が進み、農業経営改善のための国産飼料増産と食料自給率向上、そして耕畜連携・循環型農業による強い農業づくりに寄与する汎用型微細断飼料収穫機や細断型ホールクロップ収穫機等の売上が伸張したことに加え、除雪作業機スノーブロワの早期受注活動が売上に寄与し、国内売上高は増収となった。
https://www.takakita-net.co.jp/takakita2020/wp-content/uploads/2024/02/corporateinfo2403.pdf
10.キャニコムの新執行役員に酒井氏
2023年12月の取締役会において役員人事を決議した。新執行役員に酒井志有斗氏を選出した。今回の人事について同社は「ものづくりの柱である開発部門を強化することを目的とし、変化の早い時代に合わせ、36歳という若い力を人選した。大学や企業との新技術の研究開発などを行う」とコメントを発表した。
新執行役員の酒井志有斗氏は、年齢36歳で出身は埼玉県。主な経歴をみると、2010年群馬工業高等専門学校専攻科卒業。2012年九州大学大学院芸術工学府・芸術工学専攻コンテンツクリエーティブデザイン卒業後、キャニコム入社。先端技術開発室室長、DNBマーケティングline本部長兼世界初商品開発部line副本部長を歴任後、現職。
https://www.canycom.jp/pressrelease/files/2024/02/74d42b3ecc36566c2ac2ea88aa130e37.pdf
11.日本農業法人協会が基本法改正に対して提言
「『食料・農業・農村基本法』改正に対する意見~食料自給率の向上に向けた国産農畜産物の利用拡大について~」を農林水産省大臣官房政策課長・高山成年氏に手交した。同協会専務理事・紺野和成氏が高山氏に手渡した。この中では「食料・農業・農村基本法」の改正にあたり、食品産業事業者による国産農畜産物の利用拡大を一層進めるべく、農地集積や適地適作の推進、加工施設整備の支援、優遇措置の拡充などを提言している。
概要をみると、効率的かつ安定的な農業経営を営む農業法人をはじめとする大規模経営は、農業生産の相当部分を担い、今まで以上に国民への食料安定供給機能の中心的な役割を果たしていく決意であるが、食品産業事業者による国産農畜産物の利用拡大が不可欠であると指摘。そのうえで、農畜産物の生産性向上及び品質の均一化に向け、農地の集積・集約化を強力に進め、「適地適作」を推進することや、国産農畜産物の利用拡大に資する施設整備の積極的な支援、特定農産加工法に基づく特例措置等、資金面及び税制面での優遇措置の一層の拡充を提言した。
12.やまびこがバイオ燃料発電機で国内初実証工事に参画
自社開発の燃料発電機が国内初の実証工事に参画したと公表した。これは、技研製作所が開発し、昨年12月に実証施工を行ったバッテリー式の電動パワーユニット(油圧式の杭圧入引抜機の動力源となる)への充電・給電を実施したもの。やまびこは昨夏、バイオ燃料発電機のコンセプトモデルを初公表しており、今回投入されたバイオ燃料は、リニューアブルディーゼルを燃料とすることで、ライフサイクルアセスメントベースでCO2e(GHG)を最大90%削減可能としながら60kVAの安定した発電を行い、工事現場でのグリーン化に貢献する。さらに、クラウドを活用した通信機能により遠隔地からの発電量・燃料消費量などのモニタリングも可能としている。
同社は、今回の実証工事参画を踏まえ、さらに発電機活用の現場におけるグリーン化を実現するため、9機種の様々な出力のディーゼル発電機でのバイオ燃料対応を予定としている。
13.クボタが2023年12月期連結業績を発表
オンラインで会見し、2023年12月期連結業績(IFRS=国際財務報告基準)を発表した。会見には渡邉大取締役副社長執行役員機械事業本部長、鶴田慎哉EO農機国内営業本部長が出席した。
それによると、売上高は3兆207億円(前期比112.8%)と、初めて3兆円の大台を突破した。営業利益は、金利上昇によるインセンティブコストの増加や原材料価格の上昇、インフレによる諸経費の増加などの減益要因はあったが、値上げ効果や為替の改善効果などにより、前期比1144億円(53.4%)増加し、3288億円となった。次期見通しは、売上高3兆500億円、営業利益は、値上げ効果を中心とした増益要因があるが、インフレによる固定費増加や原材料費の悪化といった減益要因により微減し3200億円になる見込み。税引前利益は3330億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は2260億円を予想している。
機械部門の売上高は、前期比13.3%増加して2兆6367億円となり、売上高全体の87.3%を占めた。うち国内は前期比4.4%増の3158億円、海外は前期比14.7%増の2兆3210億円となった。また、「農機・エンジン」部門は1兆9956億円、国内2712億円(同2.8%増)、海外1兆7243億円(同10.8%増)となった。
https://www.kubota.co.jp/ir/financial/release/data/134q4.pdf
14.ヤンマーアグリが第34回ヤンマー学生懸賞論文・作文入選発表会
ANAクラウンプラザホテル岡山にて「第34回ヤンマー学生懸賞論文・作文入選発表会」を開催した。集合形式での発表会は4年ぶりとなる。今回は「農業を食農産業に発展させる」をテーマに、2023年6月1日から募集を行い、論文39編、作文412編の応募があった。論文の部では早川蛍氏(東京農業大学国際食料情報学部アグリビジネス学科)と山津田詩絵氏(同)、作文の部では中村太耀氏(岩手県立農業大学校農産園芸学科果樹経営科)がそれぞれ頂点に立った。
ヤンマーアグリの増田社長は挨拶に立ち、後援団体や学校関係者、関係者各位に謝辞を述べたあと、「次世代を担う若者たちに食料・農業・農村の未来について、自由な発想で論じてもらい、今後も継続および発展させていくことで、人の可能性を信じ、挑戦を後押しするHANASAKAの和を広げていけると確信している」などと語った。また、後援団体の代表者として農林水産省中国四国農政局長らが登壇。入賞作品のすべてが充実した内容で甲乙つけがたいと絶賛し、入賞者全員に今回の経験を今後の社会生活で存分に活かすよう激励した。審査に当たった審査委員からは、「優秀な作品からさらに抜きんでた作品を選ぶのは困難を極める」との声もあった。
15.タカキタが4月1日付で新社長に藤澤龍也氏
2月15日開催の取締役会で、4月1日付で代表取締役を異動することを決議した。4月より代表取締役社長に藤澤龍也取締役常務執行役員が昇任する。現社長の松本充生氏は取締役会長に就任する。
異動の理由について同社では、「経営環境の激しい変化に対応すべく、経営陣の若返りを図り、2033年3月期に迎える創業120周年を見据えて策定した長期経営計画「Offensive120」の実現に向けて、新事業年度の事業計画の達成をはじめとする各種経営課題に新体制で取組み、更なる競争力の強化と企業価値の向上、会社の持続的成長・発展を目指すため」としている。
藤澤氏の略歴を見ると、三重県出身の52歳。1994年に大阪学院大学国際学部卒業後、タカキタに入社。営業本部本州営業部長、執行役員営業本部長兼本州営業部長、取締役執行役員海外営業本部担当兼営業本部長、取締役常務執行役員製造開発本部・海外営業本部担当兼営業本部長などを歴任。
https://www.takakita-net.co.jp/takakita2020/wp-content/uploads/2024/02/2024021507.pdf
16.井関農機が2023年12月期連結業績を発表
オンラインで会見し、2023年12月期連結業績(日本基準)を発表するとともに、昨年11月14日付で発足した「プロジェクトZ」の施策、また「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表した。それによると、2023年12月期の売上高は1699億1600万円(前期比2.0%増)、営業利益22億5300万円(同36.2%減)、経常利益20億9200万円(同44.4%減)、親会社に帰属する当期純利益2900万円(同99.3%減)の増収減益となった。また海外売上高は568億5500万円(同5.3%増)で3期連続で過去最高を更新、海外比率は33.5%となった。期末配当は30円。2024年12月期の業績予想は売上高1700億円、営業利益20億円、経常利益10億円とした。
冨安社長は、前期決算については国内、海外とも増収、利益面では苦戦としつつ、「期末配当は業績予想通り30円で進める」と説明。今期(2024年12月期)の業績予想は売上高横ばい、利益面は「販管費増により減益」とした。国内売上高予想は、大型機械の増販及び新製品投入効果、価格改定効果などにより19億円の増収。海外はトータルでは18億円の減収予想とした。利益面では、価格改定効果が原材料価格高騰を前期以上に大きく上回るとし、「今期中には(価格高騰の底を)取り戻してくる」との見方を示した。一方、人件費の増加、販管費の増加は抑えきれず「営業利益はトータル20億円を見込む」などとした。
https://www.iseki.co.jp/cms/upload/pdf/ir/briefing/setumei_2023_all.pdf
17.やまびこが2023年12月期連結決算を発表
2023年12月期連結決算(日本基準)を発表した。それによると、売上高は1514億円(前期比3.0%減)、営業利益142億3000万円(同63.8%増)、経常利益140億6600万円(同52.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益90億9700万円(同44.4%増)となった。なお自己資本比率は65.2%(前期は54.8%)。2024年12月期の連結業績予想は売上高1580億円(同4.4%増)、営業利益143億円(同0.5%増)、経常利益1380億円(同1.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益100億円(同9.9%増)としている。
概況をみると、グループの主力である海外小型屋外作業機械は、新型コロナによる巣ごもり需要の反動減や春から夏の需要期における北米や欧州の一部地域での天候不順の影響に加え、金利上昇により代理店・販売店が在庫圧縮を進めた影響を受けたが、足元では徐々にその解消が進んだ。加えて、一般産業用機械は北米での旺盛な建設、エンターテイメント需要を背景に発電機の販売が好調に推移。国内は、農林事業において肥料・燃料価格の高騰が続き農業従事者の購買意欲が奮わず、当社の販売にも影響を及ぼした。一方、草刈作業の負担を軽減する遠隔操作可能な新型草刈機は好調な販売となった。
18.本田技研工業が2023年度第3四半期決算を発表
2023年度第3四半期決算及び通期業績見通しを発表した。第3四半期累計(9カ月間)の売上収益は14兆9994億円となり、前年度より2兆4760億円増(19.8%増)であった。第3四半期累計の営業利益は、品質関連費用の影響などはあったものの、四輪販売台数の増加に加え、商品価値向上に見合う値付けなどにより、前年同期に対して3424億円増益の1兆763億円となった。汎用エンジンをはじめ、耕うん機、発電機、除雪機、芝刈機などを提供しているパワープロダクツ事業及びその他の事業の営業利益はマイナス4億円で前年同期比245億円の減益。通期の売り上げ台数は、254万8000台(前年比15万7300台減)であった。
2023年度(2024年3月期)通期営業利益の見通しは、アジアにおける厳しい市場環境や、品質関連費用の増加はあるものの、収益改善施策の更なる強化、為替影響を反映し、前回見通しから500億円増益の1兆2500億円に情報修正した。パワープロダクツ事業における販売台数の見通しは、385万台(前年比179万5000台減)とした。
https://global.honda/content/dam/site/global-jp/.../FY202403_3Q_financial_result_j.pdf
19.日本農業機械工業会が2023年動態統計実績発表
2023年1~12月の生産出荷実績(経済産業省生産動態統計)を取りまとめた。それによると、2023年の累計生産金額は4224億5900万円で前年同期に比べて93.0%、累計出荷金額は3978億5100万円で同88.4%となった。機種別の累計出荷実績をみると、装輪式トラクターは数量11万5612台(前年比73.5%)、金額2439億3500万円(同85.9%)とともに減少した。20PS未満は6114台(同49.2%)で62億5900万円(同58.8%)、20~30PSは3万810台(同50.6%)で385億9800万円(同58.6%)、30PS以上は7万8688台(同93.6%)で1990億7800万円(同96.0%)となり、台数、金額ともクラスにより差が出た。
動力耕うん機は11万1164台(同86.1%)、127億7000万円(同88.3%)、田植機は1万6045台(同84.1%)、311億5700万円(同87.8%)、防除機は10万202台(同73.7%)、46億800万円(同92.8%)、刈払機は62万9296台(同81.7%)、132億8800万円(同88.4%)といずれも減少した。コンバインは1万1802台(同91.4%)、682億3700万円(同102.4%)、乾燥機は1万2192台(同97.5%)、140億3800万円(同103.6%)となり、台数は減少したものの、金額は微増した。
20.ウォーターセルが井関農機、ヤンマーアグリと資本業務提携
ウォーターセルは井関農機、ヤンマーアグリ、伊藤園と資本業務提携したと発表した。同社は、生産者の役に立つ情報プラットフォームを構築し、営農情報のデータ化、共有、連携で農業界の課題を解決する企業。2012年に農作業や圃場の管理、従業員間の情報共有をサポートするクラウド型の営農支援ツール「アグリノート」の提供を開始。2024年2月現在、利用組織数は2万2000組織を超え、日本全国で多くの生産者に利用されている。
業務提携内容は、井関農機とは「農機関連システムの共同開発及び営業連携」、ヤンマーアグリとは「農機関連システムの共同開発及び営業連携」、伊藤園とは「持続可能な茶生産に関する各種システムの共同開発及び営業連携」としている。
同資本業務提携により、井関農機は「営農支援プラットフォームのオープン化を推進し、ハード、ソフト両面から価値を提供していく」、ヤンマーアグリは「デジタル化が進む国内農業へ向けて営農支援プラットフォームのオープン化を進め、高度な営農データを利活用して農業に関わる全ての人により良い価値を提供する」などとしている。
21.クボタのグループ会社がFIMA展で技術奨励賞
グループ会社であるFede社が、スペインで開催された国際農業機械見本市「FIMA」において、「Technical Novelty Award 2024」を受賞した。クボタと共同開発を進める自走式自律スプレイヤーのコンセプトモデル「KFAST」が、果樹園において自走しながら高精度に農薬散布を行うことができることから、農園での作業生産性を大幅に向上させるとともに、作業者の農薬暴露を大幅に削減することで作業環境の改善も期待できるとされ、環境負荷の低減と持続的な成長をめざす欧州での取り組みに合致した点などが高く評価された。
同機はセンシングカメラとAIで構成されるAIs(アイス)というシステムが搭載されており、AIsが樹木の位置と形を検知し、収集したデータをもとにスプレイヤーからの農薬散布量をリアルタイムで最適化することで農薬使用量を削減し、環境負荷を低減する。
クボタは、この受賞を励みに製品化に向けて開発を加速させていくとともに、果樹分野において今後も先進的な技術の導入を推進し、生産性の向上や環境負荷低減に貢献していくとしている。
22.有光工業の新社長に有光大幸氏が就任
2023年12月の取締役会において役員の選任を行い、専務の有光大幸(ひろゆき)氏が代表取締役社長に就任したと発表した。前社長の有光幸紀氏は取締役会長に、また副社長の有光幸郎氏は、取締役副会長にそれぞれ就任した。
有光大幸社長の略歴をみると、1977年11月生まれの46歳。2006年に有光工業に入社。14年に取締役・東日本営業本部長、16年に常務取締役・経営企画室室長を経て、21年に専務取締役・生産本部長に就任、23年12月より現職。