2024年2月10日発行
<業界短信-新製品2月>
- JA全農がヤンマー製の共同購入コンバインを発表
- タカキタがイアコーン専用刈取りアタッチを新発売
- 井関農機が2024年度上期新商品を発表
- クボタが2024年新商品を発表
- ヤンマーアグリが新型ミニ耕うん機を発売
- ヤンマーアグリが小型電動農機「e-X1」を初公開
- クボタがコンセプトマシン発表、米CESに初出展
- サタケが乾燥機・光選別機に新製品、4機種発表
- 三菱マヒンドラ農機が業界最速田植機を発売
<業界短信2月>
- クボタが1月1日付人事と組織改革
- 井関農機が南種子町、かごしま有機生産組合と連携協定
- 山本製作所がオンラインで「ライスセンターの日」開催
- JA全農が東京都と下水再生リンの活用で連携協定締結
- クボタがオンラインイベント「GROUNDBREAKERS」開催
- 4月1日付でヤンマーアグリの新社長に所司ケマル氏
- ヤンマーが滋賀に観光農園SYMBIOSIS FARM開園
- 井関農機が2024年ヰセキ全国表彰大会
- サタケが加圧式IH炊飯機ブランドを「シルク」に
- サタケがグループ4社統合し「グレインマシナリー」が始動
- 日本農業機械工業会が賀詞交歓会
- やまびこのハイブリッド溶接機が省エネ大賞会長賞
- クボタが第77回クボタ機械グループディーラーミーティング開催
- 令和6年能登半島地震の被災地へ業界から支援の輪広がる
- 山本製作所の応募案件がアフリカのニーズ調査に採択
- JA全中の山野会長が今年の一字は「変」と発表
- 諸岡協力会が新年会
- ヤンマーアグリが2024ヤンマーアグリグローバル大会
- スガノ農機の感謝フェアが盛況
- 井関農機が日立製作所、岩見沢市とともにエネルギーの地産地消に向け実証実験
- 井関農機が農研機構などと「アイガモロボ」の効果実証
- 日本農業機械工業会が2023年部会統計を発表
<業界短信-新製品2月>
1.JA全農がヤンマー製の共同購入コンバインを発表
本所会議室で、共同購入コンバインのメーカーがヤンマーアグリに決まったことなどを発表した。共同購入農機は、JAグループで生産者のニーズと購入意向を把握し、それを元に国内メーカー4社に開発要求を伝え、最安値を付けた企業の製品を採用するシステムで、今回は第3弾となる。4条刈・51.5馬力で、型式はYH448AEJU、メーカー希望小売価格は670万円(税別)。1月から受注を開始し、4月から出荷する。
自動こぎ深さ制御、車体水平制御、オーガ自動制御(旋回・収納)、刈り取りオートクラッチ、フルタイムドライブシステム、手こぎ安全装置、エンジン回転自動制御などの機能を備えながら、同クラスの既存機種と比較し15~18%程度の価格引き下げを実現している。全国の生産者アンケート(回答数7299件)、2583件の購入意向を元に、具備すべき機能および1000台の目標台数を示してメーカーに開発要求を行い、さらに耐久性、取扱性、安全性、加えて転作に対応できる装備拡充の推進を付帯要求しつつメーカーとの協議を重ね、同会仕入れ価格が最も有利なヤンマーアグリの同機を選定するに至った。同会は、メーカーとの協議により、各県域で行われる展示会や実演会に備え、デモ機などもできるだけ早く準備したい意向を示し、今年の拡販に期待を込めている。
2.タカキタがイアコーン専用刈取りアタッチを新発売
イアコーンを収穫・細断したのち、これをロールベールにする専用刈取りアタッチ「スナッパヘッダアタッチ」を3月に発売する予定。酪農畜産業では穀物などの濃厚飼料が大量消費されるが、価格が高騰している。そこで輸入に依存する濃厚飼料の国内自給率向上のため、汎用型飼料収穫機に装着し、トウモロコシの雌穂(しすい)のみを収穫する新製品が開発された。
主な特徴は、
- イアコーンと茎葉部を分離し、イアコーン部のみを収穫および細断後、ロールベールにする
- 株元カッターを標準装備。切断後の茎葉は10㌢程度に切断して緑肥として有機物を圃場に還元できる
- カバーオープン機構や搬送チェン部は、圧縮バネによるオートテンション機構を採用。そのため日常のメンテナンスが楽である
- ワンタッチでデバイダの折り畳みができる。そのため圃場間移動や機材回送時などの取り扱いが容易である
- ヘッドの交換、ハーベスタ部へのカバー設置・切断長の変更のみで、イアコーン用のセッティングが短時間で行える
- コンパクト設計により、都府県の小区画の圃場でも簡単かつ高能率で作業ができる
-など。
3.井関農機が2024年度上期新商品を発表
茨城県つくばみらい市の同社つくばみらい事業所で2024年上期新商品発表会を開催し、9品目34型式を発表した。
そのうちヰセキトラクタBIG-T5S、6S、7S、8Sシリーズは、6気筒エンジン及び4気筒エンジンを搭載した大型トラクタBIG-Tシリーズをモデルチェンジし、305馬力のクラスをラインアップした。
主な特徴は、
- 新しい高出力エンジン搭載。低回転域での最大出力を実現し、粘り強い作業と燃費向上、低騒音、低振動を実現
- 排出ガス規制欧州ステージV対応エンジン搭載でクリーンな排気を実現
-など。
ヰセキ欧州・オセアニア向け乗用モーアSXG324/327およびモーアデッキは、従来機の基本性能を踏襲しながら、デザイン変更、さらなる操作性の向上、エンジン馬力アップを加えた。
主な特徴は、
- 上位クラスの欧州向けフロントモーアと同じファミリーイメージをもつデザインに統一
- 操作性・利便性の向上。ジョイスティックレバーの採用と右側集中レバーレイアウトやチルトステアリングの採用
-など。
国内初となるマルチにも対応したヰセキ乗用型じゃがいも植付機PVH103-90JLLXQの主な特徴は、
- マルチうねでも座ってラクに植え付け。「イージーライダー」を搭載し乗り降り簡単
- 種イモシューターで種イモのカップ投入をアシスト
-など。
4.クボタが2024年新商品を発表
GROUNDBREAKERS2024にて2024年新商品として、無人仕様アグリロボコンバインDRH1200A、トラクタM7(エムセブン)4シリーズ、トラクタスラッガー(Uシフト・Uシャトル仕様スペシャル)、ミニ耕うん機Haruna Smart(はるなスマート)、自脱型コンバインカルスター〈3条刈・4条刈〉、自脱型コンバインR462〈4条刈〉、自脱型コンバインディオニスGS仕様〈4条刈〉、普通型コンバインディオニス、クボタ色彩選別機選別王、クボタ乗用たまねぎピッカー、クボタ農業用ドローン
-を発表した。
そのうちトラクタM7(エムセブン)4シリーズは基本性能とカスタマイズ性の向上、進化したICT機能を搭載など、モデルチェンジ機を発売。
主な特徴は、
- 2種類のトランスミッションと3つのグレードを採用
- タッチパネル式のターミナルモニタ上にて、ユーザーの好みに応じて、作業が行いやすいようカスタマイズ可能などカスタマイズ性向上
- オートステアリング仕様が進化したなどICT機能が進化
-など。
ミニ耕うん機Haruna Smartは、先進性、あんしん機能を強化し、幅広いユーザー層に向けた新型ミニ耕うん機。
主な特徴は、
- 始動時のチョーク操作が不要な「スマートエンジン」搭載
- 旋回時の操作を減らす「スマートターン」搭載
- 簡単に高さ調節ができる「スマートハンドル」、「スマート抵抗棒」搭載
-など。
5.ヤンマーアグリが新型ミニ耕うん機を発売
作業性・安全性の向上したミニ耕うん機「YK651MR/YK751MR」を2月から発売。プロ農家から家庭菜園を楽しむ非農家まで幅広く使える豊富なラインアップが魅力の「YK-MRシリーズ」の新作。旋回時にハンドルを下げるだけで旋回レバーが直進から旋回に切り替わる新機能「さげて旋回」を追加した。また、新装備「駐車ブレーキ」も搭載。耕深を従来機より10mm増の最大180mmにすることで、安全性と作業性を高めた。
主な特徴は、
- 作業や条件に合わせて選べる充実した商品展開。標準仕様、一軸正逆転仕様、本格うね立て仕様があり、馬力は6.3馬力と7.0馬力の2種類、キースイッチを回して簡単にエンジンが始動できるセルスタータ式(E仕様)や牽引力の大きい大径タイヤ(L仕様)など、作業や圃場の条件に合わせて選べる全23仕様を展開
- シンプル操作で使いやすい機能。新機能「さげて旋回」は、手元のハンドル上下レバーを握ってハンドルを最下段まで下げると、同時に旋回レバーが直進から旋回に切り替わる
- 作業がはかどる耕うん性能と整地性。片手で手を汚さず簡単に作業の切り替えができる「ALL-IN-ONE」は、アタッチメントなしで「耕うん・うね立て・移動」の3つのモードに対応
-など。
6.ヤンマーアグリが小型電動農機「e-X1」を初公開
電動モーターによる駆動で農業のCO2ゼロエミッション化を目指した小型電動農機のコンセプトモデル「e-X1」を初公開した。
ヤンマーグループでは、持続可能な社会の実現に向けて「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を推進しており、電動農機は、環境性能だけでなく、電動モーターの優れた静粛性と環境性で、夜間や近郊農業、ハウス内での作業環境の改善が期待されている。このたび同社が2025年の商品化を目指す小型電動農機について、コンセプトモデルを開発し、神戸市で行われたヤンマーアグリグローバル大会で初公開した。
同機は、機体の前後にロータリーや草刈り機などの作業機を取り付けることで、除草・除雪・耕うんなどのさまざまな作業に対応することができる。また、車輪ではなくクローラを採用することにより、斜面や不整地での安定的な走行を実現する。運転席をなくし、遠隔操作で農作業時のオペレータの安全を確保する。自動運転機能の搭載も視野に開発を進める。同社は、「今後は、2025年に市場モニター開始を目指し、量産機の開発に向けて設計・試験を重ね、農業分野での脱炭素化に貢献する商品開発を積極的に進めていく」としている。
7.クボタがコンセプトマシン発表、米CESに初出展
米国ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES」(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)に初出展、コンセプトマシン「New Agri Concept」を発表した。同社はCSE2024を未来志向の企業姿勢を訴求する場ととらえ、同社の長期ビジョン「GMB2030」で描く未来の農業の一端としてコンセプトマシンNew Agri Conceptを展示した。同時に公開したコンセプトムービーでは、営農データの自動収集やAIによる高度な分析、遠隔での作業状況監視などの先端技術と本機を組み合わせた、未来の農業の姿を描いている。
同機は自動運転が可能な電動車両。ワイン用のブドウ畑をはじめとする農業分野での幅広い用途での利用を想定している。車輪や作業機器の駆動用に6つの独立したモーターを搭載し、耕うんや運搬など、多様な作業を行うことが可能。現行の自動運転トラクタとは異なり人間の目視による監視を必要とせず、カメラやセンサーによる情報をもとに自律的かつ安全に作業を行うことができる。バッテリは、10%から80%まで6分以内に充電することが可能な急速充電機能を有している。第77回クボタ機械グループディーラーミーティングの席上、北尾社長は、「運転席のキャビンがなく、カメラやセンサーで周囲の状況を自動で判断する自動運転と電動化を組み合わせたクボタ初のトラクタ」と紹介した。
8.サタケが乾燥機・光選別機に新製品、4機種発表
新製品として、特定米穀向けの研削式精米機「ミルソフト」および摩擦式精米機「ミルクリア」の2機種を発売。遠赤外線乾燥機「SAXES XX」および光選別機「TIARA」を3月に発売する。「ミルソフト」および「ミルクリア」は特定米穀用として開発。両機を組み合わせ、用途に合わせた最適かつ高歩留まりの精米が可能となる。SAXES XXは、2018年に新発売した遠赤外線乾燥機SAXESの後継機種。TIARAは、一般農家用調製機械の新ブランドで、第一弾として2022年に遠赤外線乾燥機(SDR-TS/TM/TLシリーズ)を発売。今回、光選別機(TGS-1500)を新たにラインアップし、シリーズの拡充を図る。
研削式精米機「ミルソフト」の主な特徴は、
- 内部抵抗式を採用し、砕米を抑えた効率の良い精米が可能。搗精室全体で精米するため、穀層が均一に広がり、穀温を抑えた糠切れが良い精米が可能
- コントロールパネルは分かりやすいタッチパネル方式を採用
-など。
摩擦式精米機「ミルクリア」の主な特徴は、
- 研削式精米機では取り切れない胚芽や背筋を除去し、白度の高い米に仕上げることが可能
- 上段に摩擦精米、下段に仕上精米で構成し、省スペース化を実現
-など。
遠赤外線乾燥機「SAXES XX」の主な特徴は、
- 穀物の水分を計測すると操作盤左右のLEDライトが水分域を表示
- 昇降機下部掃除口にパッチン錠を採用
-など。
光選別機「TIARA」の主な特徴は、
- ピエゾバルブの採用。従来比約1.7倍のバルブ開閉速度により選別時の精品ロスを低減
- 光学部に4色LEDを採用し選別環境、原料などに応じて最適な点灯パターンで原料を照射
-など。
https://www.satake-japan.co.jp/news/new-release/post-20230233.html
9.三菱マヒンドラ農機が業界最速田植機を発売
プロカテゴリーの新シリーズとして業界最速(同社調べ)1.95m/秒の植付けスピードを実現した6条・8条の新型乗用田植機「XPS6」と「XPS8」を2月より発売。正確できれいな植付けに定評のある独自の植付け方式「ニューダブルアクション」に加えて、高速植付けに対応した密植と疎植に1台で対応できる「トランスフォーム植付けシステム」を新たに開発。これにより、業界最速の1.95m/秒の植付けスピードを実現したほか、ペースト肥料タンクや燃料タンクを従来比で約1.8倍に増大したことで、無補給で約60aの連続植付けが可能となるなど、大規模農家の高効率な田植えのニーズに対応している。2周波対応のマルチGNSSシステムを採用した直進自動操舵システム「SE-Navi」搭載仕様をラインアップしたことで、熟練者でなくとも正確で効率の高い作業を可能にした。
主な特徴は、
- 「ニューダブルアクション」カム方式による均一で美しい植付けで生産性も向上
- 業界最速(同社調べ)1.95m/秒のスピードで植付け面積を拡大
- ペースト施肥タンクを1.8倍に増量するなどで作業効率をアップ
- RTK-GNSS直進自動操舵システムにより熟練者級の作業が簡単に
-など。
<業界短信2月>
1.クボタが1月1日付人事と組織改革
2024年1月1日付の役員異動、機構改革、人事異動を発表した。機械事業本部農機関係をみると、常務執行役員トラクタ事業部長、トラクタ技術統括ユニット長、研究開発本部副本部長に市川信繁氏、機械統括本部に堂元慎介氏、兼トラクタ事業統括部長・トラクタ第一事業推進部長に加藤顕氏など。農機国内営業本部内の人事は農機国内企画部長に横溝敏久氏、農機国内営業推進部長に富田健一氏、アグリ生販推進部長に宇部善男氏、農業ソリューション営業部長に山下太郎氏など。
機構改革では、「トラクタ事業部」を新設、「トラクタ総合事業部」および「トラクタ第一事業部」、「同第二事業部」、「同第三事業部」を廃止し、その機能を「トラクタ事業部」に移管。また、「トラクタ事業部」管轄下に、「トラクタ第一事業ユニット」、「同第二事業ユニット」、「同第三事業ユニット」、「同第四事業ユニット」、「同第五事業ユニット」を新設。「トラクタ事業部」管轄下に「トラクタ技術統括ユニット」を新設。「トラクタ管理部」を「トラクタ事業統括部」に改称し、「トラクタ海外営業第一部」「トラクタ海外営業第二部」「トラクタ品質保証部」「堺製造所」「筑波工場」とともに「トラクタ事業部」に移管。「トラクタ総合技術企画部」を「トラクタ技術企画部」に改称し、「機能開発部」とともに、「トラクタ技術統括ユニット」に移管-など。
2.井関農機が南種子町、かごしま有機生産組合と連携協定
鹿児島県南種子町及びかごしま有機生産組合と「スマート技術を活用した環境にやさしい農業に関する連携協定」を締結した。南種子町は温暖な気候、豊かな自然など農業や観光等の大きなポテンシャルを有する一方、足下は人口減少、高齢化が大きな課題となっている。今回の協定のねらいは、同社とかごしま有機生産組合のソリューションによってこうした課題を解決し、「美しい景観を支え持続的で魅力ある街づくり」に貢献しようというもの。連携により、スマート技術を活用し、有機農業をはじめとする環境にやさしい農業に取り組むことにより、生産力の強化と持続性の両立を確立し、美しい景観を支え持続的で魅力のあるまちづくりを目指す。
協定調印式は南種子町の研修センター大会議室で行われ、小園裕康町長、かごしま有機生産組合の有馬亮代表が調印式に臨み、井関農機からは縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長、三輪田克志夢ある農業ソリューション推進部長、ヰセキ九州の村瀬武志社長社長らが出席した。町長のあと挨拶した縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長は、同社のパーパスである「お客様に喜ばれる製品・サービスの提供を通じて豊かな社会の実現に貢献する」を紹介し、食と農と大地のソリューションカンパニーとして「夢ある農業」に向けて様々な課題に取り組んでいくとしたうえで、昨年7月のみどりの食料システム法の施行により、今まで以上に環境や食の安全性などに配慮した営農体系への転換が急務と指摘。同社として、長年培ってきたスマート技術を駆使し環境に優しい農業の発展に尽力していくとし、今回の取り組みが「夢ある農業の実現、さらには新しい未来を提示するものになる」と期待を寄せた。
3.山本製作所がオンラインで「ライスセンターの日」開催
オンラインイベント「ライスセンターの日2023」を開催した。同社はこれまで担い手農家を対象に面白くてタメになるライスセンター情報を届けるため、YouTubeでの情報発信に取り組んできた。今回その集大成としてライスセンター経営に役立つ情報を発信した。
イベントは繁忙期のライスセンターに密着した「ライスセンター24」、ライスセンターを新設した顧客の経験談「初めてのライスセンター」、乾式集塵機「ゴミトルネード」の製品開発の裏側に迫る「プロジェクトY」、荷受の工程にスポットをあてた世界一受けたいライスセンターの授業「荷受編」-の4つのコンテンツからなり、ライブ配信には400を超える人が視聴し、大好評だった。
イベントの冒頭、取締役農機事業部の鈴木淳事業部長は「今年からは動画配信に力を入れてきた。視聴回数も伸びており、手ごたえを感じている。また、お客様からの要望もありイベントを企画しました。ぜひ皆様に〝ライスセンターは山本製作所〟と弊社を一番に選んでいただけるようにしたい」と挨拶した。
4.JA全農が東京都と下水再生リンの活用で連携協定締結
昨年12月、下水再生リンの広域での肥料利用に向けた連携協定を締結した。
連携して取り組む事項は、
- 下水汚泥に含まれる肥料資源の調査・技術開発に関すること
- 肥料の製品開発、試験栽培に関すること
- 肥料の市場・流通調査に関すること
- 下水汚泥に含まれる肥料資源に係る関係者の理解醸成及び利用促進に関すること
-の4点。
全農は、国内肥料資源の積極的な活用を目的に、以前から地方自治体と連携し、下水汚泥や処理水から取り出したリン(再生リン)を、国内肥料資源の1つとして活用する取り組みを行ってきた。東京都は下水処理における環境負荷低減のため、現在、リン回収実証施設の導入を進めており、令和6年1月から再生リンプラントを稼働させる予定だ。このプラントからは、年間70tのリン回収物が見込まれ、将来的には、再生リンの安定調達が可能になることが期待されている。そこで、再生リン活用の検討を目的に、同協定を締結する運びとなった。これにより、全農と東京都は連携して、プラント稼働で得られる再生リン等の肥料利用に向けた技術開発、製品開発、栽培試験、市場調査等を行うこととなる。今後は、都の下水処理施設から得られる再生リンを原料とした肥料製品を広域に流通させることを目指して、取り組みを進めていく。
5.クボタがオンラインイベント「GROUNDBREAKERS」開催
オンラインイベント「GROUNDBREAKERS」を開催した。同社は、農業経営者や農業関係者とともに日本農業の現状とこれからを考える機会のひとつとして、2021年1月以降、オンラインのコンテンツ配信イベント「GROUNDBREAKERS」を開催し、過去4回の参加者は延べ3万人を超え、大きな反響を呼んだ。今回は、2024新商品発表をはじめ、インタビュー3件(イカリファーム・井狩篤士氏、よしよし畑・久世継義氏、ミウラファーム津軽・三浦宏行氏)、無人運転仕様「アグリコンバインDRH1200A」に込めた想い、「AI×ロボット」は農業をどう変えるのか、カーボンニュートラル実現へ!今日から始める地球温暖化対策など、14のプログラムを用意し、課題解決のヒントを提起した。
冒頭にあいさつした北尾社長は、今日の延長として明日を描くだけでなく、10年後、20年後、そして100年後の未来のビジョンを描き、心豊かな暮らしと持続可能な社会の実現に向けてイノベーションを生み出していきたいと語り、今回の「GROUNDBREAKERS」では、食と農の未来に向けて、将来を見通し、今取り組むべき課題を取り上げ、最前線で活躍する人々に出演してもらっていると紹介。そのうえで、今回取り上げたテーマは様々な社会課題と複雑に絡み合い、すぐに解決するものではなく、議論を深めて解決に向けて歩み出すものだと述べ、責任を持って未来を描き、挑戦する人々が集い、語り合うことでこそイノベーションが生まれる、「GROUNDBREAKERS」はそういった場だと語った。
6.4月1日付でヤンマーアグリの新社長に所司ケマル氏
4月1日付の役員人事、ヤンマーグループ各社の主要人事を発表した。それによると、ヤンマーアグリ代表取締役社長に所司ケマル氏が就任する。所司氏は、現在YANMAR TURKEY MAKINE AS(ヤンマートルコ機械)のChairman。現任の増田社長は取締役相談役に就任する。同社執行役員人事は、ヤンマーアグリ取締役相談役に増田長盛氏、執行役員ヤンマーアグリ代表取締役社長に所司ケマル氏。ヤンマーグループ各社主要人事は、ヤンマーアグリ取締役副社長に上田啓介氏。所司ケマル氏は1982年7月27日生まれ。2006年中東工科大学卒、2016年4月ヤンマーホールディングス入社、2019年9月からYANMAR TURKEY MAKINE A.S. Chairman(現在)。
https://www.yanmar.com/media/news/2023/12/28040149/pdf_news_20240105_03.pdf
7.ヤンマーが滋賀に観光農園SYMBIOSIS FARM開園
グループ会社であるヤンマーシンビオシスは、これまで自社農場として運営していた滋賀県の栗東センター内に、地域資源を活用して子どもたちにワクワクする体験と学びを提供する新しいスタイルの観光農園「SYMBIOSIS FARM by YANMAR」をオープンした。同施設は、「美味しく遊ぶ!」をコンセプトに、滋賀県の竹材・琵琶湖の葦などを使った自然と調和するカフェエリア、いちごの通年栽培にチャレンジする栽培ハウス、子どもたちが楽しく学べるキッズエリア「HANASAKA」で構成。同社の農業の知見を生かして栽培したいちごの収穫や、いちごを使ったスイーツ作りなどの体験を完全予約制で提供する。カフェエリアでは地元で採れた農作物の販売も実施。
また、今後はレンタル農園事業による観光・農業の活性化や、〝馬のまち・栗東〟ならではの馬糞堆肥を生かした農作物の栽培など、地域資源との共生を目指すとともに、ヤンマーグループの特例子会社として農業分野で障がいのある人が働く領域の拡大に取り組んでいく。
8.井関農機が2024年ヰセキ全国表彰大会
東京・港区台場のホテルで「2024年ヰセキ全国表彰大会」を開催した。厳しい2023年商戦を勝ち抜き、輝かしい成績を上げたトップセールスマン・サービスマン、優秀特約店代表、さらに欧州で目覚ましい業績を上げているヰセキフランスの社長・幹部など、本会場に約800名が出席したほか、全国の販売会社・関連会社の拠点を結び「YouTube Live」で配信、総勢4000名が参加した。
冨安社長は基本戦略「ベストソリューションの提供」に触れながら、生産者の「夢ある農業」「儲かる農業」を実現する「食と農と大地のソリューションカンパニー」として一緒に戦っていこうと呼びかけ、昨年11月に立ち上げた「プロジェクトZ」に言及し「変革」を進めると強調した。続いて石本営業本部長、渡部開発製造本部長、谷海外営業本部長の三本部長が立ち、それぞれ本部方針を明らかにした。
9.サタケが加圧式IH炊飯機ブランドを「シルク」に
加圧式IH炊飯機の製品ブランドを「SILK(シルク)」と命名し、併せてタグライン(ブランドキャッチコピー)として「ひと粒も 一杯も おいしく」を制作した。今後、営業および広報・広告宣伝活動において積極的に活用・推進していく。
「SILK」および「ひと粒も 一杯も おいしく」は、加圧式IH炊飯機の知名度およびブランド力のさらなる向上を目指し命名(制作)した。「SILK」は、Satake(サタケ)、Induction heating(IH)、Low emission(低排出(環境保全))、Kitchen system(キッチン(炊飯システム))の4つの頭文字をつなげて表現した。また、「高級・上質・エレガント・やさしい・なめらか・光沢」など、絹(SILK)のイメージと重ねている。「ひと粒も 一杯も おいしく」のタグラインは、加圧式IH炊飯機の特徴である「しっかりした粒感」「ムラが少ない」「おいしさ維持」のため、一粒ひと粒を丁寧にしっかりと炊くことで、ひいては釜一杯、茶碗一杯のご飯もおいしくするという思いを表現している。
https://www.satake-japan.co.jp/news/new-release/post-20230230.html
10.サタケがグループ4社統合し「グレインマシナリー」が始動
グループ会社であるグレインマシナリー中日本など4社は、1月1日付で統合し、新会社「サタケグレインマシナリー」としてスタートした。
統合したのはグレインマシナリー中日本、グレインマシナリー関東、グレインマシナリー東日本、グレインマシナリー西日本の4社で、サタケ製の精米・炊飯プラントの機械据付やメンテナンス、電気工事を請け負うと共に、自社オリジナルブランドの精米機や他社製品、中古整備品なども販売するサタケグループ会社として設立以来、地域に密着した販売・サービスを提供してきた。統合により各社で有していた経理・人事などの事務部門や営業業務を統合して経営の効率化を図り、より高品質なサービスを迅速に提供する。また、サタケの各グループ会社間でさらなるシナジーを生み出すことで事業拡大を図る。新会社は本社をサタケ広島本社内に置き、従来の4本社はそれぞれ支社として存続する。
https://www.satake-japan.co.jp/news/new-release/post-20230231.html
11.日本農業機械工業会が賀詞交歓会
都内の八芳園で、新年賀詞交歓会を開き、農機業界首脳らが一堂に会し、新年を祝った。開会に先立ち、令和6年能登半島地震で亡くなられた方を悼み、出席者一同で黙祷を捧げた。続いて、冒頭、あいさつに立った木股会長は、ロボット農機の現場導入や電動化、排ガス規制、農作業安全などに対応し、農業の諸課題の解決に貢献したいと意欲を示した。加えて、農業機械が、農業者を支える、より頼もしいパートナーとして、生産性向上の要を担い、農業の担い手を支える役割を果たしていきたいと、力強く述べた。来賓として、経済産業省製造産業局審議官の橋本真吾氏、農林水産省農産局長の平形雄策氏が祝辞を述べ、農機業界の協力に期待した。また、能登半島地震を踏まえ、乾杯を〝献杯〟とし、斎藤徹副会長が音頭をとった。その後、復活した立食形式での和やかな歓談が続いた後、増田長盛副会長が中締めを行った。
12.やまびこのハイブリッド溶接機が省エネ大賞会長賞
ハイブリッド溶接機「HDW310M-I」が2023年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)の「省エネルギーセンター会長賞」に輝いた。同機はCO2削減と燃費低減を実現したハイブリッド型溶接機。特に発電体と「キャパシタ」の蓄電電力をエンジン出力補助として活用することでエンジン回転数を抑制し、従来のディーゼルエンジン溶接機と比較しCO2排出量と燃料消費量を約60%削減するとともに、エンジン回転数を最適化することにより、溶接作業中の騒音低減効果も提供し、環境性と経済性により優れた製品となっている点が評価された。「省エネ大賞」は、企業等における優れた省エネ・脱炭素の取り組みや先進的で高効率な製品やビジネスモデルなどを表彰する制度。
表彰式は1月31日、都内有明のTOC有明EASTホールで開かれ、同社から製品開発本部の長尾敏広・開発第三部長が出席し、表彰状とトロフィーが授与された。
13.クボタが第77回クボタ機械グループディーラーミーティング開催
京都市の国立京都国際会館で、第77回機械グループディーラーミーティングを開催した。北尾社長は、2023年度の業績は「過去最高の売上げ、利益を更新する見込み」と報告し謝意を表したあと、「パーパス」について論究し、パーパスとは「想い」であり、英訳したのが「On Your Side」であるとし、建材会社が中山間地に生産法人を設立しスマート農業にも挑戦し、地域で中核的な役割を果たしている例を紹介しながら、「私が皆さんに期待するのは一人ひとりがビジネスの原点に立ち返り、お客様に寄り添い課題を発見し、ビジネスの成功と喜びを届けるという強い想いのこと」と訴え、一人ひとりの多様な思いが集まることで、イノベーションが生まれ、それがクボタの強みになると挨拶した。特別優秀ディーラーは関東甲信クボタ、新潟クボタ、北陸近畿クボタの3社、社長特別賞には北海道クボタが輝いた。
今回は、京都国際会館のリアル参加とオンライン参加を組み合わせたハイブリット形式での開催とし、「従来の全社行事ではなく農機国内事業に対象をフォーカスし、リアルのコミュニケーションをより重視した運営を目指した」(事務局)とし、農機国内グループの結束を一段と深めるものとなった。また、今回はペーパーレス化を徹底しこれまでの案内冊子などは廃止、会議の案内情報などはすべてスマホ、パソコンで行った。これには総勢1700名が参加した。
14.令和6年能登半島地震の被災地へ業界から支援の輪広がる
元日に発生した令和6年能登半島地震の被災者に対し、業界からも続々と支援の輪が広がっている。クボタなどクボタグループはこのほど、令和6年能登半島地震の被災された人への救援と被災地の復旧・復興のために、被災した地域の自治体などへ計1000万円を寄付することを決定した。井関農機はこのほど、令和6年能登半島地震に対して井関グループとして被災地域の自治体などに義援金1000万円の支援を決定した。ヤンマーグループは日本赤十字社を通して義援金1000万円を寄付した。また、現地の被災者への生活必需品支援、自社の発電機・ミニショベル・投光器などの復興支援を予定している。今後、支援が必要な地域へ順次提供していく。サタケは、サタケグループ(サタケ、サタケグレインマシナリー、サタケ東北、サタケ豊栄)として、700万円の義援金を寄付すると決定。やまびこグループも、被災した地域の自治体などへ200万円の義援金を寄付することを決定した。三菱マヒンドラ農機グループは松江市義援金受付を通じて、300万円の義援金を拠出した。諸岡は諸岡協力会より能登半島地震災害義援金を龍ケ崎市福祉課に届けた。
https://www.kubota.co.jp/news/2024/others-20240109.html
https://www.iseki.co.jp/news_corp/13795/
https://www.yanmar.com/jp/news/2024/01/15/132529.html
https://www.satake-japan.co.jp/news/new-release/6.html
https://www.yamabiko-corp.co.jp/news/detail/id=14565
15.山本製作所の応募案件がアフリカのニーズ調査に採択
独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する2023年度の「中小企業・SDGsビジネス支援事業~ニーズ確認調査」で、海外事業部の応募案件「アフリカ地域循環型乾燥機・石抜機をコアとしたポスト・ハーベスト機械のニーズ確認調査」(案)が採択されたことを公表した。米の長期保存に必要な収穫後の乾燥調製に関する機械化が遅れているアジアやアフリカの途上国では、米を収穫した後の貯蔵段階で多くの廃棄が起こっており、そうした実態の改善を図るために、乾燥調製機器の普及を促す目的がある。途上国の食品生産工程における廃棄を減らすことでより多くの食料を確保することが可能になり、さらに、廃棄される食品が減ることで生産者の収益も増え、生活基盤の安定につながり、飢餓から抜け出すための一歩となるとしている。
同社は東南アジアを中心に乾燥調製機器の販売を通して、米生産における生産性向上および食品廃棄の削減に努めてきたが、今後は最も人口増加が見込まれるアフリカ地域においても同様の取り組みを展開していきたいと考えているとしている。
16.JA全中の山野会長が今年の一字は「変」と発表
山野会長が定例会見で、「今年の一字」を「変」と発表した。会見の要旨は次の通り。「この文字には、3つの決意や願いを込めている。まず1つ目は、世界的な課題となっている、気候『変』動にも対応していくという決意。2つ目は、農業の節目となる本年に、農業の未来を明るい姿に『変』えていきたいという決意。最後に、日本や世界が平和に向かって『変』化してほしいという願いだ。今年は、甲辰の年で「今まで準備してきたことが形になる」・「新しいことを始めて成功する」といった年とされている。本年が、日本農業にとって、今までの取り組みが実を結ぶ「飛躍の一年」となるよう、また、「変(かわる・へん)」に込めた決意を果たし、願いを実現するため、本年も前向きに、がんばっていく」と語った。
17.諸岡協力会が新年会
諸岡のサプライヤーで組織する諸岡協力会は千葉県柏市のザ・クレストホテル柏で、令和6年賀詞交歓会を開催し、約180人の参加者が今年の業務発展に意志を結集した。
席上、諸岡CEOは、まず能登半島地震の被災者に向けた追悼・見舞いの言葉とともに、「わが社の存在意義は、〝人の暮らしと地球の未来を技術で守る〟であり、少しでもお役に立てるように頑張って参りたい」とあいさつ。次いで生成AIで作成したイラストをスクリーンに掲げ、今年は龍のごとく駆け上る年にしたいと話し、昨年10月にまとめた統合報告書「諸岡リポート2023」の内容を紹介しつつ、昨年の推移や最新の実績動向、今後の同社運営方針などを示した。全方位・全社員の総力戦(弱者の戦略)と称し、
- 保証体制を充実しアフター力を強化
- 中古・再生事業の取り組み
- 過去に好評を博したリバイバル商品を復活
- 変革の推進(生産性向上、DX推進、人的資本経営)
-を掲げ、また、市場を絞る局地戦、リソースを注力する一点集中、直接対決の相手を少なくする一騎打ち戦、顧客に直接アプローチする接近戦、大手にはできない攪乱戦-を実践。「われわれの得意とするところで集中的に手を打ち、諸岡だからできる方策を進めていく」ことを強調した。
18.ヤンマーアグリが2024ヤンマーアグリグローバル大会
兵庫県神戸市内のホテルで「2024年ヤンマーアグリグローバル大会」を開催した。今回のスローガンは「持続可能な農業と社会の実現に不可欠なパートナーへ」を掲げた。これには厳しい市場環境にもかかわらず、商品・サービスを通して市場を勝ち抜き優れた成績を上げたトップディーラー、優秀特販店をはじめ韓国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、アメリカ、ブラジル、トルコなど海外14カ国から現地法人・ディストリビュータの代表など600名が参集。また、オンラインで国内特約店約1400名が参加した。席上、農業のゼロエミッション化を目指した小型電動農機コンセプトモデル「e-X1」を初公開し、「2025年の商品化を目指す」ことを明らかにした。
ヤンマーグループを代表して挨拶に立った山岡社長は、このたびの能登半島地震で被災された方々、家族の方々に重ねてお見舞いを述べたあと、グローバル大会が48回目を迎えたことに謝意を表し、ヤンマーが真の顧客価値創造企業になるためには「パートナーの皆さまのお力添えが不可欠」とし、「A SUSTAINABLE FUTURE」の実現に向けて共に歩んで頂きたい、などと述べた。
19.スガノ農機の感謝フェアが盛況
本社敷地内で「感謝フェア2024」を開催し、約650人の来場者で賑わいをみせた。会場で会見した渡邊社長は、今年の市場は楽観できないと展望しながら、土壌・土層を改良した健全な土で健全な農作物を作り、それが国民の健康にも貢献するという好循環を生み出すべく、土の力そのものを引き出し、耕地は資源なり-の理念を具体的に提示する「モノ売りからコト売り」への転換と推進を改めて強調した。フェアは、同社の業務を地元・美浦村の住民に知ってもらおうとの目的で実施してきた「ふいご祭」と同様の内容で、地元ヒーロー・イバライガーショーなどのお楽しみ企画のほか、同社製品のチャリティオークション、中古機販売も盛り込み、予定を上回る来場者を得た。
受付を済ませた参加者は、まず同社の新製品、丘溝兼用浅耕プラウ、リバーシブルプラウ、折りたたみスタブルカルチ、レベラー、ロードメーカー、バーチカルハローを目の当たりにし、土を考える会の会員が生産したバレイショなどを同社工場で焼き上げたジャガバター、サツマイモ、豚汁などの食べ物を手に、イバライガーショーの舞台前に移動。右手には農家が入札するチャリティオークション用のプラソイラ、スタブルカルチなど6点の製品を置き、その奥には中古機を並べた。オークションは出展機全てが成約となり、例年通り売上げは全額美浦村に寄付した。
https://www.sugano-net.co.jp/information/pdf/info_20240126.pdf
20.井関農機が日立製作所、岩見沢市とともに
エネルギーの地産地消に向け実証実験
日立製作所と岩見沢市とともに、環境性と経済性を両立する持続可能な地域産業への貢献をめざし、バッテリ循環による再生可能エネルギーの地産地消に向けた実証実験を開始した。
実験では、井関農機が提供する電動農機に、日立が開発した可搬のAC/DC併用バッテリを搭載して、自立型ナノグリッドから得られる再生可能エネルギーを農繁期には農業に活用することに加え、農閑期にはバッテリを着脱してナノグリッドや電気機器に活用できるため、岩見沢市内に分散する電力系統未接続の地域産業への支援や、臨時のEV急速充電スタンドなどのインフラに供給することによる市域生活を支援する。また、日立の充放電計画最適化技術により運用の効率化を図るとともに、エネルギーの地産地消に取り組む。
21.井関農機が農研機構などと「アイガモロボ」の効果実証
農研機構、有機米デザイン、東京農工大学、井関農機の4者は2か年計全国36か所で行った水田用自動抑草ロボット「アイガモロボ」の抑草効果を確認する実証試験結果を発表した。それによると、アイガモロボの使用により、雑草の発生量が水稲の収量に影響を及ぼさない程度に抑えられることを確認した。また、アイガモロボの導入により、導入しない場合と比べて、収量は平均10%増加し、機械除草の回数が58%減少したことから、「水稲有機栽培における省力的な雑草防除技術としての活用が期待される」とした。
アイガモロボは、アイガモを用いたアイガモ農法(除草)に着想を得て開発され、効果が不安定なアイガモの代替として活用が期待されている。アイガモロボを導入した圃場の幼穂形成期における平均の推定雑草乾物重は16.6g/平方mで、水稲の収量には影響しない程度。また、アイガモロボの使用により、生産者が従来から取り組む有機栽培(主に複数回の機械除草)と比較して、機械除草回数は平均で58%減少し、水稲平均収量(424kg/10a)は10%増加した。一方で、実証試験全体の3割程度でアイガモロボが正常に稼働しない事例も確認された。
22.日本農業機械工業会が2023年部会統計を発表
このほど取りまとめた2023年12月の生産出荷実績(日農工部会統計)によると、2023年累計における生産実績は4081億6000万円となり、前年同期比94.3%に減少した。そのうち国内向けは2423億1200万円で同106.6%に回復し、輸出向けは1658億4900万円で同80.7%だった。一方、累計出荷実績は4193億4800万円となり、同93.5%に減少した。国内向けは2437億4000万円で同103.5%、輸出向けは1756億800万円で同82.5%となり、生産・出荷とも国内向けが伸び、輸出向けが減った。
通年出荷実績を機種別にみると、前年同期に比べて中大型トラクタを中心に、国内向けが増加した。トラクタは全体の出荷は11万2410台(前年同期比74.1%)で2411億円(同89.5%)に減少した。30~50PSのトラクタは数量・金額とも増加したものの、それ以外は落ち込んだ。全体の売り先は国内向けが3万2576台(同101.7%)、輸出向けが7万9834台(同66.7%)となり、国内向けが微増したものの、輸出向けが大幅に減った。特に中大型トラクタの国内向け出荷数量が伸びており、国内向けトラクタの出荷データからも、機械の大型化が進んでいる様子が見て取れる。