2023年12月12日発行
<業界短信-新製品12月>
- やまびこジャパンが新型チェンソーを投入
- クボタが非対応機と連携できるKSASシンプルコネクト提供
- 本田技研工業が初の大型船外機を公開
- IHIアグリテックがラフ向け無人芝刈機を開発
- ササキコーポ―レーションが新型オフセットモアを発表
- 丸山製作所が小型機用水素エンジンを開発
<業界短信12月>
- クボタが農作業アウトソーシングサービスの実証開始
- ヤンマーアグリジャパンがオンラインEXPOを来年3月まで実施
- 井関農機が農業女子プロジェクトで安全セミナー開催
- 三菱マヒンドラ農機がKUSANAGIの出荷式
- サタケのマジックライスシリーズがハラール認証取得
- タカキタが2024年3月期第2四半期決算を発表
- 松山が記念館主催で4年ぶりに文化講演会
- クボタが2023年12月期第3四半期決算などを発表
- クボタが仏スタートアップとブドウ農園農薬削減で事業化
- 丸山製作所がウルトラファインバブルの共同研究を報告
- 日本農業機械工業会が高知県で地方大会
- 地方発明表彰で農機業界から多数受賞
- 井関農機が構造改革進める「プロジェクトZ」を新設
- ヤンマーホールディングスが「ヤン坊マー坊」新デザインの一般投票開始
- やまびこが2023年12月期第3四半期連結業績を発表
- ヤンマーアグリの「密苗」技術が農業技術開発功労者名誉賞状を受賞
- ヤンマーホールディングスが2024年3月期中間連結決算を発表
- 秋田県の農機取扱いセミナーで井関農機が講義と実習
- キャニコムが福岡市に本社設置し3本社体制へ
- オーレックホールディングスが宮城農高の栽培比較実験に除草機利用で協力
<業界短信-新製品12月>
1.やまびこジャパンが新型チェンソーを投入
今シーズン向けの新型チェンソーとして燃料電子補正システム「Electronic Control」搭載の新型・共立チェンソーCS410-EC/40S95(排気量41.6立方cm)を投入し、発売を開始した。より優れた鋸断性能を発揮し、中型クラスのチェンソーとして、林業の現場はもちろん、街場での街路樹管理、しいたけ原木の丸太切りなど様々な用途、場面で活躍する。大径木処理をはじめ様々な用途、場面で使えるプロ向けチェンソーとして広く拡販していく。
主な特徴は、
- 加速アシスト、アイドル維持アシスト、始動アシストといった燃料とエンジン回転の電子補正を可能とする「燃料電子補正システム」を搭載しているのが最大の特徴。スムーズな加速、安定した始動直後のアイドル時、そして始動性の良さを実現している。
- 加速アシストでは、電子コントロールで燃料を増量することで加速性能を向上させて、硬い木や大径木処理の際に威力を発揮、現場が求める優れた鋸断性能を提供。
- 不安定なアイドルを制御するアイドル維持アシストやチョーク操作を不要する始動アシストによって、誰でも簡単にエンジン始動が行える。
- ナット脱落防止機構をはじめ、燃料キャップとチェンオイルキャップが工具レスで開閉可能な「可倒式タンクキャップ」、燃料の残量が外から一目で確認できる「スケルトン燃料・オイルタンク」などの機能を標準装備。
-など。
2.クボタが非対応機と連携できるKSASシンプルコネクト提供
営農支援システム「KSAS」を強化する新サービスとして、「KSASシンプルコネクト」の提供を2024年3月(予定)から開始する。「KSASシンプルコネクト」は、後付けの通信ユニット(GPS端末)を装着することで、KSASのサービス開始以前に販売された機械など、これまでKSASに対応していない機械とKSASを連携するサービス。多数の機械を所有する生産者の作業負担軽減に貢献する。利用にはKSAS Marketplaceから専用アプリの入手が必要。
主な特徴は、
- 専用アプリを入手することで、KSAS上でGPS端末を取り付けた機械の現在の作業圃場など、位置情報や履歴がわかる「移動軌跡表示機能」と、作業日誌を作成する際に必要な作業場所・時間の情報を移動軌跡から自動で取得する「日誌作成アシスト機能」が使用可能。
- GPS端末を取り付けた機械全てをKSAS上で一元管理することが可能となり、作業進捗状況の管理や日誌記録の作成を効率化できる。
-など。
また、今後の展開として、機械が故障なく安定して使用できるよう、取得した情報を同社グループのアフターサービス業務に活用していくことも検討している。
3.本田技研工業が初の大型船外機を公開
イタリア北部リグーリア州ジェノバで開催された「ジェノバ国際ボートショー2023」において、Honda船外機初となるV型8気筒350馬力エンジンを搭載した大型船外機「BF350」を世界初公開した。同製品は欧州、北米や日本など、全世界で順次販売する予定。BF350は、高級感と高い走破性を両立し、操縦する人はもちろん、乗船する人全てにクルージングの喜びを提供することを目指している。
主な特徴は、
- 新たに専用設計で開発したV8気筒エンジンを搭載。最大出力はHonda船外機最大の350馬力、排気量は4,952立方cmの力強い推進力を発揮する同社船外機のフラッグシップモデル。
- スタイリングは、同社船外機共通のコンセプトである人や自然との一体感や、どんな舟艇のデザインにもマッチするシンプルかつクリーンなイメージを継承しながら、フラッグシップモデルにふさわしい上質感のあるフォルムに仕上げている。
- 走行時だけでなく、係留係留・保管時の利便性も向上するさまざまな操船サポート機能を充実させ、さらにスムーズで快適な航行を実現する。
-など。
4.IHIアグリテックがラフ向け無人芝刈機を開発
ゴルフ場のラフ向けに完全無人での芝草管理と高い刈り込み精度を両立させた3連ロータリーモアを、マミヤ・オーピーと共同で開発した。2024年度に市場投入、2025年度には量産を目指す。その試作機を11月21~22日に幕張メッセで開催される「2023年度ジャパンターフショー」で初公開した。フェアウェイ芝刈機の自動化で実績があるマミヤの「I-GINS(アイジンス)」を搭載し、ラフ向けに無人での芝刈管理を実現した。
主な特徴は、
- スマホで作業指示と遠隔操作が簡単でき素人でも作業可能=作業者はスマホのアプリからあらかじめ用意された経路のセット(お好みのターンや運転角度、速さ)を選択し、簡単に操作し作業指示ができる。
- 夜間刈りが可能となり集客率を向上=コース管理作業を行う夕方にお客を入れられず集客機会を逃していた。無人芝刈機を使うことで、高精度できれいなライン作りができ、かつ、夜間に作業を行えることで日暮れギリギリまでプレーできるため、集客率向上に貢献する。
- マッピング方式から、芝刈りにおいて走行経路の変更も自由自在=GPSの測位データを取り込んでコースマップを作成し芝を刈る範囲を特定する。その後、芝草の状況に合わせ、どのように刈るか、角度や速度、ターンの方法など、キーパーの考えを反映した走行経路を専用の経路ソフトで作成し、これを基に自動走行させる。
-など。
5.ササキコーポ―レーションが新型オフセットモアを発表
50~90PSトラクターに適合する「オフセットモアKZL7」を発表、来年1月から出荷を開始する。既存製品をモデルチェンジし、大規模作業に対応すべくカバー部に強化鉄板ガードを装備、作業部には2重構造の高耐久R形状カバーを採用するなど、耐久性を高めた。オフセットモアは、平面や法面の草をフレキシブルに素早く細断するもので、同社は25~60PSトラクター適合の電動仕様「KZX6」と今回の新製品となる50~90PSトラクター適合の油圧仕様「KZL7」を揃えた。公道走行に必要な装備も整えている。
主な特徴は、
- 作業部は上方に70度、下方に55度傾けて法面刈りをスピーディーに進める。ワンタッチ着脱の油圧オフセットモアで、新たにキャスタースタンド(3点)を標準装備、安定した着脱ができ、さらに使いやすくなった。
- スキッドの厚みは従来機の2倍とし、耐久性を強化。スキッド部は磨耗した際に簡単に交換できるため、メンテナンスコストも抑えられる。
- コントローラーは、セレクタバルブの採用により、コントローラーで左右へのオフセットと刈り取り部の上下傾斜の油圧の切り替えを行う。
- 進行方向と傾斜は10度まで刈取部が刈り取り面の凹凸に追従、刈残しを防ぐWフローティング機構を持ち、駆動部にはPTO切断時の慣性力によるプッシングを防ぐワンウェイクラッチを内蔵、安全に作業できる。
-など。
http://www.sasaki-corp.co.jp/cn4/corner804734/pg4915972.html
6.丸山製作所が小型機用水素エンジンを開発
世界初となる小型作業機用2ストローク水素エンジンの安定運転に成功したことを発表した。安定運転に成功したのは、刈払機をはじめとする園芸、農業、林業用の小型屋外作業機の動力源となる100%水素燃料のエンジン。今後は、カセットボンベ式の採用と部品の小型化を図り、屋外作業が可能な試作機を作成する予定だ。同社は、今回開発した2ストローク水素エンジンをはじめ、排出ガスのクリーン化を実現し、環境保全とプロユースの作業性の両立、カーボンニュートラルに向けた水素利用研究に取り組んでいくと今後の取り組みに意欲を示している。
主な特徴は、
- 量産タイプの排気量80立方cm・単気筒2ストロークガソリンエンジンをベースに試作機をつくり、水素燃料による安定運転を実現。
- エンジンを真横にする、逆さの状態で使用するといった手持ち機械ならではの動きにも問題なく応えられ、水素を燃料としているため排出するガスはほぼ水というクリーンな作業を実現する原動力を生み出した。
-など。
<業界短信12月>
1.クボタが農作業アウトソーシングサービスの実証開始
クボタが農作業アウトソーシングサービスの実証開始
初期投資を削減するための新たな農業機械の調達手段として、同社が管理する農業機械を1時間単位で利用できる「農機シェアリングサービス」を提供しているが、農機シェアリングサービスの次なるステップとして、営農規模を拡大する際に必要な労働力を補うため、農作業の委託・受託をサポートする「農作業アウトソーシングサービス」を提供することを目指し、埼玉県深谷市にて実証を開始した。実証を通じて農作業受委託に対するニーズや運用上の課題等を抽出・検証し、今後の事業化を検討していく。
今回の実証は、農作業の委託を希望する農業生産者が専用システムに作業内容や農地情報を登録すれば、予め登録された受託希望者と引き合わせるサービス。なお、必要な農業機械等を保有していない受託者に対して、「農機シェアリングサービス」により農機確保をサポートする。同サービスの提供地域であり、多様な農作物の生産地として知られる埼玉県深谷市で行っている。対象作業は耕うん、定植、防除、すき込みなど。実証を通じて、農作業の委託・受託に対するニーズや運営上の課題の抽出・検証を進め、「農作業アウトソーシングサービス」の事業化、提供地域拡大に取り組んでいく。
2.ヤンマーアグリジャパンがオンラインEXPOを来年3月まで実施
11月から2024年3月31日の期間限定で、農業関連のオンライン展示会「ヤンマーアグリジャパンオンラインEXPO 2023 WINTER」をヤンマーホームページ内で開催している。
リモート会議やオンラインイベントが定着しつつある中、ヤンマーアグリジャパンがオンライン展示会を2020年に初めて実施して以来、多くの人が来場しており、今年もデジタル活用による顧客接点の強化を目的に期間限定で開催した。展示会は、オンラインによる農業機械展示会で、今秋発売の新商品をはじめスマート農機やおすすめ製品などを多数取り揃えている。主なコンテンツは新商品をはじめ、トラクター、乗用田植機、コンバイン、スマート農機、野菜関連機器、小型機械などの商品紹介、密苗、人気動画、家庭菜園、オンラインならではのコンテンツ配信など、開催期間中に順次公開していく。
期間中はアンケートに答えると応募できるプレゼント抽選や、イベント限定コンテンツの配信など、オンラインならではのコンテンツを順次配信していくとしている。
3.井関農機が農業女子プロジェクトで安全セミナー開催
農林水産省「農業女子プロジェクト」に参画している同社は女性農業者を対象とした農業機械の取り扱いセミナー「夢ある農業女子応援プロジェクト」を実施しているが、同プロジェクト活動の一環として、農林水産研修所つくば館主催「令和5年度農作業安全研修」において、トラクターや耕うん機の農業機械セミナーを実施した。これには、女性農業者等4名が参加した。
当日は同社の直進アシスト仕様のトラクター「RTS25-Z」や、家庭菜園等一般の方から農業者まで、使いやすい耕うん機の特徴、安全な使用方法について紹介した後、2班に分かれて圃場での実習を行った。また、ハンドル操作をしなくてもまっすぐに進むことのできるトラクターの直進アシスト機能についても実際に体験した。参加者からは、「機械に不慣れだったが正しい使用方法を知ることができ勉強になった」「アシスト機能が便利で驚いた」などの感想が寄せられた。
4.三菱マヒンドラ農機がKUSANAGIの出荷式
初の国産ショートディスクハロー「KUSANAGI(くさなぎ)」の発売を祝し、本社工場の敷地内で出荷式を開催した。式には松江市の上定昭仁市長をはじめ、報道陣や多数の来賓が訪れた。出荷式は三菱マヒンドラ農機の主催で執り行われ、式はKUSANAGIの紹介動画がモニターに映し出され始まった。続いて齋藤社長が挨拶し、「KUSANAGIは従来のロータリーと比較して速度が3倍、燃費は4分の1程度になり、格段に効率の高い機械かつ環境に優しい商品となった。特に秋起こしで同機を使えば、水田から発生するメタンガスを5割削減できる。さらに地力向上にも繋がるため、化学肥料の低減もできる」と力を込めた。
式のあと、参加者は近隣の圃場へ移動。そこではトラクター「GA552(54.4馬力)」に取り付けたKUSANAGIと、一般ロータリーによる耕起作業の比較実演が行われ、参加者はKUSANAGIの力強い耕起作業と作業スピードを確認した。
5.サタケのマジックライスシリーズがハラール認証取得
非常食「マジックライスシリーズ」が、イスラム教の教義に適した食品であることを示すハラール認証(認証番号:CIV-0186)を宗教法人日本イスラーム文化センターより取得した。マジックライスシリーズは、お湯または水を注ぐだけで簡単に調理できる乾燥米飯で、このたびハラール認証された商品は「マジックライス保存食シリーズ(全9商品)」「マジックライスななこめっつシリーズ(全4商品)」「マジックライスミニシリーズ(全3商品)」「マジックライスおかゆシリーズ(全3商品)」の計19アイテム(価格は現行品と変更なし)。
ムスリムの生活は戒律で細かく定められ、豚肉やアルコールなどは禁忌とされている一方で、近年、国内におけるイスラム文化圏からの訪日観光客や留学生、在日者が急増しており、食の多様化が進んでいる情勢を踏まえたもの。今後は、ムスリムの人々も利用するホテルや施設への導入推進にも力を入れていく。ハラール認証マークについては、順次商品や外装ダンボールに表記予定。
https://www.satake-japan.co.jp/news/new-release/news231101.html
6.タカキタが2024年3月期第2四半期決算を発表
2024年3月期第2四半期決算(非連結)を発表した。売上高は前年同期比4億5900万円増加し42億9000万円(前年同期比12.0%増)、営業利益は1億3200万円増加し5億1800万円(同34.3%増)、経常利益は1億3100万円増加し5億4500万円(同31.7%増)、当期純利益は9300万円増加し3億7200万円(同33.4%増)と、大幅な増収増益を記録した。通期業績予想は、売上高80億円、営業利益6億円、経常利益6億5000万円、当期純利益4億3000万円と、4月28日に発表した通期の業績予想を据え置いた。
農業機械事業では、肥料や飼料価格の高騰に加え、農業用資材の価格高騰、エネルギーコストの上昇が農家経営に対して深刻な影響を及ぼす厳しい市場環境にあるものの、国の畜産クラスター事業の採択が進み、農業経営改善のための国産飼料増産と食料自給率向上、そして耕畜連携による強い農業づくりに寄与する汎用型微細断飼料収穫機や細断型ホールクロップ収穫機を主とした細断型シリーズの売上げが伸張したことにより、国内売上高は増収。海外売上高は、韓国市場における細断型シリーズの伸張や新規市場への売上げにより、増収となった。
https://www.takakita-net.co.jp/takakita2020/wp-content/uploads/2023/10/2023103101.pdf
7.松山が記念館主催で4年ぶりに文化講演会
創業者である松山原造氏と2代目松山篤氏の業績を記念・顕彰する公益財団法人松山記念館は松山の本社で第29回文化講演会を開催した。文化講演会は同記念館の重要行事の1つで、これまで28回開催され、大学教授、試験場関係者など学識経験者、農機メーカーのOBなどが講演している。新型コロナの5類移行に合わせ4年ぶりの開催となり、160席用意した椅子が足らず追加して対応する盛況ぶりで、近在の農家も初めて参加した。
今回は公益財団法人自然農法国際研究開発センターの三木孝昭専門技術員が「自然農法による米栽培技術-抑草のための土づくりのポイント」と題し講演した。講演では、農薬不使用の雑草対策として育土(土づくり、苗づくり、代かき、田植えなどを紹介したあと、抑草の3つのポイントとして、イネが喜ぶ土づくりや良い苗の育成、良い苗を良い時期に良い密度で植えることをあげ、田植えまでに理想的な田んぼに近づけることが、有機稲作を成功させる土台になるとした。
8.クボタが2023年12月期第3四半期決算などを発表
2023年12月期第3四半期連結業績(IFRS=国際財務報告基準)並びに2024年1月1日付役員異動・人事異動、3月下旬付予定の取締役候補者を発表した。第3四半期(2023年1月1日~2023年9月30日)の売上高は2兆2582億3100万円(前年同期比15.7%増)、営業利益は2588億5700万円(同43.8%増)、四半期利益は1994億9600万円(同35.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1823億6600万円(同36.4%増)の大幅増収増益となった。第3四半期の国内売上高は機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前年同期比309億円(7.0%)増の4725億円。海外売上高も同2748億円(18.2%)増の1兆7857億円となった。
また、1月1日付の役員異動・人事異動をみると、人事・総務本部長、KESG推進担当、本社事務所長、代表取締役副社長執行役員企画本部長に吉川正人氏、取締役専務執行役員機械統括本部長、企画本部副本部長、イノベーションセンター副所長に花田晋吾氏、専務執行役員、機械事業本部副本部長、アセアン統括本部長に石橋善光氏、常務執行役員、トラクター事業部長、研究開発本部副本部長に市川信繁氏、常務執行役員、生産技術本部副本部長、機械統括本部副本部長に東隆尚氏、農機国内営業本部長、クボタアグリサービス社長に鶴田慎哉氏-などとなった。
https://www.kubota.co.jp/ir/financial/release/data/134q3.pdf
9.クボタが仏スタートアップとブドウ農園農薬削減で事業化
昨年11月に出資したフランスのスタートアップ企業・Chouette(シュエット)社とブドウ農園における農薬使用量の削減や軽労化などのソリューション提供に向けた共同実証を進めており、事業化に向けた販売や顧客サポートなどの具体的な検討を来年から開始する。
両社はブドウ農園の画像データからAIを用いて病害や生育不良を検知し、適切な農薬散布の箇所・量を示したマップを作成するChouette社の技術と、クボタのトラクターやスプレイヤー(農薬噴霧機)を連動させることにより、農薬使用量の削減に加え、生育状況確認の軽労化などを実現するソリューションの共同開発を進めてきた。複数のブドウ農園での実証実験で一定の効果が認められたことから、11月12日~18日にドイツで開催される世界最大規模の農業機械展示イベント「AGRITECHNICA」などに出展した。今後は欧州のクボタの農機ディーラーとも連携し、販売面や顧客サポート面の課題抽出などを行い、数年後の事業化を目指していく。
10.丸山製作所がウルトラファインバブルの共同研究を報告
高知工業高等専門学校と共同研究を進めてきた「丸山ウルトラファインバブル」(MUFB)の農業利用に関する現地報告会を開催した。小松菜の実験について、通常栽培区と80%液肥にMUFB水を使用した実験区との比較では、実験区で生育した小松葉は葉部分(可食部)がより大きく成長し、成長に関係するホルモン量も多い傾向がみられたと、肥料を削減しながら成長の促進効果が得られたことを発表した。
ウルトラファインバブルは、目に見えない直径1マイクロm未満の超微細な泡を称し、洗浄効果、植物の成長促進、酸化抑制など様々な効果をもつ水と空気で構成されている。今回の実験では、同社のMUFBウルトラポンプUP0290M-1で給排水槽へMUFBを生成した。ウレタンスポンジで発芽した小松菜の苗を24時間液肥が循環、1日12時間LEDが照射される水耕栽培環境で生育させ、MUFBが作物の生育に与える影響を調査した。同社は、今後もこの技術を軸に産学連携の取り組みを一層強化し、農業を始めとした産業の発展へさらなる貢献を目指すとしている。
11.日本農業機械工業会が高知県で地方大会
高知県高知市のザクラウンプラザ新阪急で、地方大会(含む第168回理事会)を開き、令和5年及び令和6年の需要見通しについて機種別部会長からの報告を受け、了承した。第165回理事会では、会長及び専務理事の職務執行状況報告が行われた。5年の見通しはトラクターが前年比99%、管理機88%、田植機88%、コンバイン96%と報告された。6年の見通しはトラクターが96%、管理機100%、田植機97%、コンバイン100%で、管理機とコンバインが若干、持ち直す予測。主要機種は農業資材費高騰や価格改定などの影響により投資意欲の低下がみられた一方で、スマート農機の導入が進み大型クラスは堅調に推移していることなどが報告された。
トラクターは、生産資材の高騰の高止まりに加え、燃料費の高騰、昨年から本年にかけて価格改定を行ったこともあり、特に小型クラスではユーザーの投資マインドの低下が見受けられ、実販が低迷している。一方、中型・大型クラスのトラクターでは、スマート農機関連の補助金により、直進アシスト機能や自動操舵といったスマート農機の導入が着実に進んでいるなどとされた。
12.地方発明表彰で農機業界から多数受賞
公益社団法人発明協会はこのほど、令和5年度の九州・近畿・中部・四国・関東における地方発明表彰受賞者を発表した。
農機業界関連の受賞をみると、九州地方では特許庁長官賞に「水田除草用回転レーキ」でオーレック代表取締役社長・今村健二氏などが選ばれた。近畿地方では、大阪発明協会会長賞に「水田作業機」でクボタ研究開発本部研究開発統括部部長・福永究氏など、同じく大阪発明協会会長賞に「乗員下肢保護サイドメンバー構造」でクボタICT推進第三部エンジニアリングソリューション室技術第一課一般・角将人氏などが選ばれた。その他、発明奨励賞でヤンマーアグリやクボタ、アテックス、静岡製機、井関農機などの技術が数多く選出された。
https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R5/chihatsu_jusho.html
13.井関農機が構造改革進める「プロジェクトZ」を新設
抜本的構造改革を推し進めるため「プロジェクトZ」を新設した。プロジェクトのリーダーには、代表取締役専務執行役員の小田切元氏が就き、副リーダーには高橋一真執行役員が就いた。同社は、2025年に創立100周年を迎えるにあたり、次の100年に向けて、同プロジェクトが中核組織となり、開発・生産・販売における抜本的改革を推進する、としている。
それに伴う役員人事として、代表取締役専務執行役員 「プロジェクトZ」リーダーに小田切元氏が、執行役員 開発製造本部長 開発担当に渡部勉氏が、執行役員 開発製造本部副本部長 開発製造本部統括、総合企画副担当 「プロジェクトZ」副リーダーに高橋一真氏がそれぞれ就任した。
14.ヤンマーホールディングスが
「ヤン坊マー坊」新デザインの一般投票開始
ヤンマーグループの企業マスコットキャラクター「ヤン坊マー坊」について、新デザインの一般投票をグローバルで開始した。新デザインは3案から一般投票で決定し、投票結果は2024年1月に発表する予定。
同社は、食とエネルギーの領域で顧客の課題を解決し、新しい豊かさの実現を通じて"A SUSTAINABLE FUTURE"を創り出すことをパーパスとしている。このパーパス実現に向けた取り組みの1つとして、今年6月にオリジナルの商業アニメ「未ル」の制作を発表し、国内外で大きな期待が寄せられるとともに、SNSを中心にヤン坊マー坊に改めて注目が集まった。さらに海外を中心とした社内においても、ヤン坊マー坊のさらなる活用についての期待と要望が高まってきたことから、これら社内外での反響を受け、国や地域を問わず幅広い世代の声や想いを反映し、未来の可能性に一緒にチャレンジするキャラクターを目指し、一般投票という形でヤン坊マー坊のデザインをリニューアルすることにした。今後、新デザインのヤン坊マー坊はアニメ「未ル」にも登場する予定。
15.やまびこが2023年12月期第3四半期連結業績を発表
2023年12月期第3四半期の連結業績(2023年1月1日~9月30日)を発表した。それによると、売上高は1178億2100万円(対前年同四半期増減率3.1%減)、営業利益132億5300万円(同39.9%増)、経常利益137億9600万円(同25.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益90億5100万円(同10.4%増)となった。1株当たり四半期純利益は217円54銭。2023年12月期の連結業績予想(2023年1月1日~2023年12月31日)は、売上高1500億円(同3.9%減)、営業利益135億円(同55.4%増)、経常利益132億円(同43.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益86億円(同36.5%増)、1株当たり当期純利益206円68銭としている。
主力の海外は、北米市場の一般産業用機械が旺盛な建設、エンターテインメント需要を背景に発電機の好調な販売が継続。一方で、小型屋外作業機械は、販売が減少。国内は、農業従事者の購買意欲減退や長引く猛暑が刈払機等の買い替え需要に影響し、販売が減少した。
16.ヤンマーアグリの「密苗」技術が
農業技術開発功労者名誉賞状を受賞
ぶった農産、農事組合法人アグリスターオナガと共同で取り組んだ「『密苗』栽培技術による田植作業の革新的省力・低コスト化の実現」が、令和5年度農事功績者表彰事業において「農業技術開発功労者名誉賞状」を受賞した。
「密苗」は農機メーカー、農業経営者、地域の研究機関が三位一体となって技術確立を行い、育苗トレイ数と運搬・苗継ぎ時間を約3分の1に、育苗資材費を約2分の1に削減できる栽培技術。平成30年には民間部門農林水産研究開発功績者表彰の農林水産大臣賞を受賞している。このたびの受賞では、水稲移植栽培において育苗トレイに稲種子を高密度で播種し、その苗マットを細かく掻き取ることで育苗マット数を削減する「密苗」栽培技術の開発により、田植作業の大幅な省力化・低コスト化を実現した点が高く評価された。
17.ヤンマーホールディングスが2024年3月期中間連結決算を発表
2024年3月期中間連結決算と通期見通しを発表した。それによると、中間連結業績の売上高は5288億8200万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は319億5500万円(同34.5%増)、経常利益は443億200万円(同17.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は294億3100万円(同11.2%増)となった。とくに北米・欧州での建設機械・発電機を中心とした海外売上高が好調に推移し、売上高・経常利益とも過去最高を更新した。また、海外市場での需要増加により、海外売上高比率は61.9%となった。
通期の連結業績見通しは、「第3四半期以降については、グローバル経済の減速の影響により、当社を取り巻く事業環境が徐々に厳しさを増すことが懸念される」とし、6月22日に公表した当連結会計年度の業績見通しを、通期の連結業績見通しは、売上高は1兆600億円、営業利益は500億円、経常利益は600億円、親会社株主に帰属する当期純利益は370億円に修正した。
18.秋田県の農機取扱いセミナーで井関農機が講義と実習
秋田県仙北市角館町で行われた県農業経済課主催のあきたアグリヴィーナスネットワーク「農業機械取扱セミナー」にヰセキ東北とともに参加し、トラクターや耕うん機の操作実習を実施した。これには、女性農業者や農業機械の操作経験がない人など24名が参加した。今回は、秋田県内に在住の女性や農業経験3年未満でトラクターなどの操作について学びたい人を募集し、トラクターや管理・耕うん機の操作と基礎知識についての座学や圃場でトラクター、耕うん機の実習を実施した。同社はトラクター・耕うん機の安全な使用方法等の講義と操作実習を実施した。
初めに開催の挨拶があり、午前中はコミュニティハウスにてトラクターや管理・耕うん機の操作と基礎知識についての座学を行った後、2班に分かれ北浦郷の圃場にてトラクターと耕うん機の実習を行った。参加者からは、「難しそうに感じていたが思ったより操作が簡単で楽しかった」「最新のトラクターに乗ることができてよかった」-などの声が寄せられた。
19.キャニコムが福岡市に本社設置し3本社体制へ
優秀な人材の獲得、また研究開発や海外営業の強化を目的として12月に福岡市博多区内に福岡本社(ジャスパーラボ博多・デザインの森博多)を設置し、本社機能の一部を移転すると発表した。同時に、東京のグローカルヘッドワークオフィスを東京本社とし、東京、博多、うきはの3本社体制に移行する。また、北海道空知郡に「デザインの森札幌」を移設し、札幌という名前はそのまま、より立地が良い場所で事業拡大も目指すとした。
これらについて包行良光社長は「ものづくりには『開発』『デザイナー』が重要である。世界の地域産業に特化したものづくりを行い、福岡発の世界で戦える企業を目指していきたい」とコメント。包行均会長は「福岡の都心部で本格的に活動し、研究開発に向けて優秀な若い人材の確保を行う。今後、南米やアフリカなどの市場の開拓を進め、海外の売上げを伸ばしていくことが目標だ」とコメントした。
https://www.canycom.jp/pressrelease/files/2023/11/a0396b66354c98fe4dc60a3a3162c9c1.pdf
20.オーレックホールディングスが
宮城農高の栽培比較実験に除草機利用で協力
宮城農業高校で除草剤不使用と慣行栽培で育てた2つの米の味を、測定と試食で確認する食味調査の授業が行われた。オーレックホールディングスは、水田除草機「WEEDMAN」の貸与や開発担当者が協力し、今回の授業にも同社スタッフが参加した。
水田除草機を使用して雑草を除去する栽培と、除草剤を使用する慣行栽培を、隣り合った水田(どちらも25a)で同時栽培する水稲栽培比較実験で、栽培した米は既に稲刈りが済んでおり、収量は両栽培とも10a当たり600kg(くず米28.4kg)となった。生育などでも大きな差異は見られなかったという。また食味調査では、米を試食し五感で判断する官能検査と、食味計を用いて測定する理化学的測定による評価で確認した。官能検査では、慣行の味が良いという声がやや多かったものの、食味計の数値は同じとなり、どちらもほぼ同等の食味になることが確認された。