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農業機械関連ニュース

2023年9月20日発行

<業界短信-新製品9月>

  1. 金子農機が穀物乾燥機の選別ツールを発売
  2. 小橋工業が高い刈り取り性能持つ新型フレールモア発売

<業界短信9月>

  1. クボタが大阪・関西万博に協賛、「食と農」テーマ担う
  2. クボタが2023年12月期中間決算を発表
  3. クボタが新型トラクターのデジタルコンテンツ公開
  4. ヤンマーがNTTコミュニケーションズとJ-クレジット創出の新たな米作り
  5. サタケが米品質診断サービスで特別キャンペーン
  6. タカキタが2024年3月期第1四半期決算
  7. オーレックの創業地・久留米市城島町で寄付金を活用した遊具の落成式
  8. オーレックグループが新潟県弥彦村と事業連携協定
  9. やまびこが自律型エネインフラの実証実験スタート
  10. JA全農が第47回通常総代会を開催
  11. 日本農業機械工業会が2023年上期輸出入実績を発表
  12. 諸岡協力会が総会を開催、会長に中畑氏
  13. KOBASHI ROBOTICSがリバネスと植林用播種ドローン開発
  14. みどりの食料システム法に基づく基盤確立事業実施計画で松山など認定
  15. クボタが機構改革並びに人事異動
  16. 井関農機が2023年12月期第2四半期連結業績を発表
  17. 井関農機の2022年特許査定率は全産業中3位に
  18. やまびこが2023年12月期第2四半期連結業績を発表
  19. 本田技研工業が2023年度第1四半期決算を発表
  20. 三陽機器及び三陽サービスが新執行体制
  21. 日本農業機械工業会が2023年生産出荷動態上期実績を発表
  22. 農業食料工学会の2023年度開発特別賞に井関農機
  23. 井関農機が中古農機の寄贈によりカンボジアから感謝状
  24. JA全中が通常総会、新会長に山野徹氏

<業界短信-新製品9月>

1.金子農機が穀物乾燥機の選別ツールを発売

穀物乾燥機の選別ツール「草の実トレンダー」SGNシリーズを開発し、販売を開始した。同機は、収穫した穀物に混入した異物を乾燥機の循環中に取り除く。圃場で除草しきれなかった雑草の種子を取り除くことで、選別工数を減少し、効率化、省力化を実現する。少しでも作業を省力化したいという乾燥機ユーザーの声を受け、それに応える形で開発に至った。穀物調製作業の省力化に役立つ機械として、大いに期待される。
 主な特徴は、

  1. 循環運転中に昇降機側面に取り付けた同機の多孔板(スリット)から、穀物に混入した異物が自然に機外へ排出される。1つのスリットは穀物1粒よりも細長い形状で、スリットを通り抜けた草の実などを排出し、落下方向に置いた受け箱に集めることができる。
  2. 運転中は乾燥機の送風機が機内の空気を吸引しているので、同機のスリットからは草の実などが排出されるのみ。風で周辺にゴミやホコリが散らばるなどの手間が掛かる後片付けがなくなる。
  3. 電源を必要とせず、草の実などが除去された分、無駄な乾燥が減ることで燃費が抑えられ、籾すり、色選等の後行程や、籾殻を圃場へ戻す場合は、その後の雑草の発芽が減るなど、作業の負荷が様々な面で楽になる。

-など。

2.小橋工業が高い刈り取り性能持つ新型フレールモア発売

高い刈り取り性能に加えて、優れたメンテナンス性と耐久性を誇る草刈り用作業機の新製品として「FLAIL MOWER(フレールモア)」の発売を開始した。作業効率を改善するとともに手持ちのトラクターの汎用利用を拡げて、有効活用を可能としている。同社は「需要が高まる草刈り用作業機において、高い刈り取り性能に加えて、優れたメンテナンス性と耐久性を誇る草刈り機を開発し、農家の負担軽減および作業効率改善を実現する」としている。
 主な特徴は、

  1. 高い刈り取り性能。ベルト駆動方式で、草刈り作業に適した高速爪軸回転を実現し、ゲージローラ方式で、ローラの接地面積が広がり、機体の振れや沈み込みがなく安定した作業が可能。
  2. 優れたメンテナンス性。カバー内部の温度上昇を抑制する冷却ファンとベルトのたるみを調整する自動テンション構造によりベルト張り調整の頻度を削減。
  3. 優れた耐久性。フレームが作業幅全体を支える両持ちフレーム構造で、下からの衝撃に強い。

-など。

<業界短信9月>

1.クボタが大阪・関西万博に協賛、「食と農」テーマ担う

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)における「未来社会ショーケース事業出展」のうち、「フューチャーライフ万博・未来の都市」にプラチナパートナーとして協賛する。11者の協賛企業・団体が共創して描く未来社会像において、クボタは「食と農」のテーマを担い、来場者の共感を得ることにより大阪・関西万博の成功に貢献する。
 2日に都内の都市センターホテルで行われた協賛者記者発表会には岡田直樹国際博覧会担当大臣はじめ、日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長、11者の協賛企業・団体の代表とともに同社の北尾裕一社長が出席。北尾社長は、「大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」は、当社のブランドステートメントである「For Earth For Life」とめざす方向性が同じであり、その高い親和性に共感し協賛することにした。無人自動運転の農業機械をはじめとした生産イノベーションや、生産者だけでなく、生活者視点に立ったデジタルソリューションで、豊かで安定的な『食と農』の実現を提案する」と述べるとともに、「『食と農』の未来を『自分ごと』としてとらえ、共に歩みを進めるきっかけを提供することで、『命輝く未来社会のデザイン』をテーマとする大阪・関西万博の成功に貢献する」などと述べた。

2.クボタが2023年12月期中間決算を発表

2023年12月期における第2四半期連結業績(IFRS=国際財務報告基準)を発表した。それによると、売上高は1兆5200億円、前年同期比2607億円増(20.7%増)、営業利益は1846億円、同658億円増(55.4%増)、税引前利益1918億円、同614億円増(47.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1288億円、同373億円増(40.7%増)となり、大幅な増収増益を記録した。連結業績予想は売上高2兆9500億円、営業利益2850億円、税引前利益2980億円、親会社の所有者に帰属する当期利益2000億円と上方修正した。
 国内売上高は機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前年同期比160億円(5.3%)増の3151億円となった。また、海外売上高も機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前年同期比2447億円(25.5%)増の1兆2050億円となった。部門別にみると、農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成される機械部門は、前年同期比22.8%増加して1兆3442億円となり、売上高全体の88.4%を占めた。国内売上高は主に農業機械及びエンジンの増加により増収し、前年同期比4.7%増の1629億円。海外売上高は北米・欧州・インドなどで増収となり、前年同期比25.7%増の1兆1813億円になった。

3.クボタが新型トラクターのデジタルコンテンツ公開

7月に発売したGS(直進アシスト)機能を搭載した最新型トラクター「REXIA GS」を3DCGで再現し、外観や内装をさまざまな角度から見ることができるとともに、オプション品の装着イメージの確認などが自由にできるデジタルコンテンツ「プレミアムシミュレーター -My REXIA GS-」」を公開した。
 同コンテンツでは、外観・内装を細かく再現しているほか、製品仕様やオプションを自由に選んでカスタマイズ、オプション品の価格情報を確認することなどが可能。また、シミュレータ上でカメラアングルを水平方向に360度、垂直方向に180度自由に動かすことができ、さまざまなアングルから製品を確認することができる。多忙な農業従事者が時間や場所にとらわれず同社製品の詳細(機能・仕様・オプション等)を自由に見ることができるよう、デジタルマーケティングの一環としてコンテンツを制作。同社は、この取り組みを通じて商談の効率化と新規顧客の獲得を目指すとしている。

4.ヤンマーがNTTコミュニケーションズと
  J-クレジット創出の新たな米作り

ヤンマーマルシェとNTTコミュニケーションズは環境負荷低減と米生産者の収益向上を目的とした新しい農業モデルの構築として、水稲栽培における中干し期間の延長=メタンガスの排出量削減と、J-クレジットを組み合わせた取り組みを開始すると発表した。水田にセンサーを設置して取得したデータは、アプリに自動的に連携され、J-クレジット申請まで一気通貫で完結する仕組み。
 ヤンマーマルシェは、契約する一部の生産者が栽培する多収・良食味米「にじのきらめき」を対象に中干し期間の延長を行い、J-クレジットの認証取得に取り組む。また、営農支援やお米の販売・流通支援を行い脱炭素と生産者の収益向上を両立する新たな農業モデルを構築することで、持続可能な農業に向けた支援を強化する。今回、中干し期間延長のエビデンスをとるため、水位などのデータをNTTコミュニケーションズのIoTセンサーで取得し、管理する。同社が提供するIoTセンサーやアプリを使用してJ-クレジット申請における生産者の管理負担を軽減するとともに、営農支援と収穫したお米のブランディング支援をヤンマーマルシェが行うことで、生産者のビジネス拡大に貢献する。両者は取り組みを全国へ展開し、2030年度までに約1万tのCO2排出量削減を目指すとしている。

5.サタケが米品質診断サービスで特別キャンペーン

米の品種や食味などを分析し品質を評価する米品質診断サービスパッケージについて、特別価格で提供するキャンペーンを実施。
 同社は産地精米に取り組む米生産者や取引先開拓を目指す集荷・精米卸業者などに向けて、主に玄米を対象とした米品質診断サービスパッケージ「コメドック」を2018年から、主に白米を対象とした米品質診断サービスパッケージ「コメドックごはん」を2019年から提供している。これらのサービスについて昨年、特別価格で利用できるキャンペーンを実施し、好評を得た。また、2020年11月1日から、農家や農業法人など米の生産者を対象に、同サービスにて分析したサンプル米の食味値を3段階で評価する食味値表彰(コメドックアワード)を実施している。
 これらのサービスをより多くの顧客に利用を広げ、栽培や加工工程の改善につなげたいとしており、今年も昨年に引き続きキャンペーンを実施する。キャンペーン期間は11月30日(穀物分析センター必着)まで。

6.タカキタが2024年3月期第1四半期決算

2024年3月期第1四半期決算(2023年4月1日~6月30日)を発表した。それによると、売上高19億5900万円(前年同期比9.9%増)、営業利益1億9900万円(同13.0%増)、経常利益2億1200万円(同12.0%増)、四半期純利益1億4600万円(同13.0%増)と増収増益になった。
 農業機械事業の売上高は、前年同期比1億8800万円増加し18億5500万円(同11.3%増)となった。国の畜産クラスター事業の採択が進み、汎用型微細断飼料収穫機を主とした細断型シリーズの売上げが伸張したことにより、国内売上高は増収。海外売上高についても韓国市場における細断型シリーズの伸張や新規市場への売上げにより増収した。
 当事業年度は、10年後(2033年3月期)に迎える120周年を見据えて新たに策定した長期経営計画「Offensive120」のスタート年度となる。同社は、長期経営計画における〝あるべき姿〟として、「貢献・信頼・CS」をビジョンに掲げる。国内の農機ビジネスをコア事業としながら、海外市場への拡大・展開を図り、企業としての社会的存在価値をより創出するなどとしている。

7.オーレックの創業地・久留米市城島町で
  寄付金を活用した遊具の落成式

環境や防災活動の支援を目的に、創業地である福岡県久留米市城島町へ500万円の寄付を行い、その寄付金の一部が「久留米市城島町民の森公園」の遊具設置費用として使用され、落成式が行われた。設置された遊具は、ネットクライムや、バネを前後に曲げて揺らすスイングなど。落成式には久留米市長・原口新五氏、城島総合支所長・中尾正利氏などが臨席し、オーレックの今村健二社長も加え、新設した遊具の前でテープカットを行い、参加した城島保育園の園児24人が歌を披露した。今村社長は挨拶で「弊社は城島で創業した。今回の寄付は地域の皆様に育てていただいた感謝の気持ち。子どもたちが健康に育つよう、今後も更なる地域貢献を行ってまいります」と述べた。
 式後には保育園の園児たちが新設された遊具で楽しく遊ぶ姿が見られた。同社は今後も社是である「明るい未来に貢献する」という信念に基づき、地域社会への取り組みを行っていくとしている。

8.オーレックグループが新潟県弥彦村と事業連携協定

新潟県弥彦村と農薬・化学肥料不使用米「伊彌彦米零(いやひこまいぜろ)」の生産拡大を通じ、持続可能な環境保全型農業の実現を目指すため、事業間連携協定を締結した。弥彦村役場大ホールにて協定締結式が行われ、同社の今村健二社長と弥彦村長・本間芳之氏が出席した。
 弥彦村では農薬と化学肥料を使用しない「伊彌彦米零」の栽培に取り組み、2022年にオーレックの水田除草機「WEED MAN(ウィードマン)」を導入した。オーレックの開発担当者は、今年5月の除草時期に同村を訪問し、除草作業のサポートなど、技術面の協力を開始。今後も中長期的に協働することで双方が合意し、米の販売においても協働することで協定の締結に至った。本間村長は締結式の挨拶で「有機栽培において、オーレックの製品と除草に関する知見の数々は、作業の負担軽減に大きく貢献していただいている。共に有機農業の拡大に取り組んでいきたい」と述べ、販路拡大も含め、今後の連携に期待を寄せた。これに対し、今村社長は「弊社は有機農法のひとつである『草生栽培』の実現を原点としてきた。弥彦村と有機農業推進に向けた想いを事業間連携で共有できたことは大変嬉しい。伊彌彦米という名高いブランド米の価値向上に貢献できるよう尽力したい」と抱負を述べた。

9.やまびこが自律型エネインフラの実証実験スタート

資本業務提携先のMIRAI-LABOが太陽光路面発電パネルと蓄電池を組み合わせた「自律型エネルギーインフラAI」の実証実験を開始したことを公表した。NEDO、オリエンタルランドと共同で発表した。
 同社はMIRAI-LABOと2021年に資本業務提携を締結し、実証実験を開始した「自律型エネルギーインフラAIR」と同社が製造する発電機を組み合わせることにより、天候に左右されず、災害にも強い「ハイブリッド自律型エネルギーシステム」の開発・事業化を進めている。今般、実証試験が始まった「自律型エネルギーインフラAIR」とやまびこが製造する発電機を組み合わせることにより、天候に左右されず、災害にも強い「ハイブリッド自律型エネルギーシステム」の開発、事業化を進めている。
 現在は、同システムの妥当性検証に向け、同社本社屋上に小規模実験設備を設置し、実証実験に取り組んでいる。同社では、「低炭素・循環型社会の実現」に向けて今後もMIRAI-LABOと連携、カーボンニュートラルへの貢献を進めていくとしている。

10.JA全農が第47回通常総代会を開催

都内で第47回通常総代会を開き、令和4年度事業報告、役員改選など全議案を了承した。新任の経営管理委員会会長には折原敬一氏(山形県)が就任した。会終了後、都内のJAビルで記者説明会が行われ、折原会長が挨拶。生産現場に寄り添い、組合員の目線に立った施策を展開するとし「〝なくてはならない全農〟であり続けるため、邁進したい」と抱負を述べた。4年度の農機取扱高は1226億円で、前年比99%となった。
 4年度の全農全体の取扱高は計画4兆6000億円に対し、実績4兆9606億円で、計画比108%、前年比111%。園芸事業では計画を下回ったものの、畜産事業及び営農・生産資材事業における原料価格上昇の影響により、全体取扱高は計画及び前年実績を上回った。4年度業務報告書によると、4年度は、事業環境の変化に対応し、生産者 JAグループ・消費者・実需者や地域のくらしにとってなくてはならない存在であり続けるため、これまでの自己改革の取り組みを強化するとともに、今次中期 (令和4~6年) 事業計画で設定した、1.生産振興、2.食農バリューチェーンの構築、3.海外事業展開、4.地域共生・地域活性化、5.環境問題など社会的課題への対応、6.JAグループ全農グループの最適な事業体制の構築-の6つの全体戦略の達成に向けて取り組みを進めた。

11.日本農業機械工業会が2023年上期輸出入実績を発表

2023年1~6月の農業機械輸出入実績をまとめた。それによると、今年上半期の輸出実績は1295億6598円、前年同期比79.6%となった。輸出実績を機種別台数ベースでみると、トラクターは全体で3万5682台、前年同期比61・9%と大幅減。ボリュームゾーンの37kW超75kW以下は1万8265台、同92.5%と比較的減少幅が少なかった。コンバインは1532台、同91.2%となっている。
 輸出が増加しているのは、草刈機の2058台、同146.9%、ベーラーの1673、同113.6%、精米麦機の113台、136.1%、その他の穀物加工用機械の130台、166.7%、プラウの42台、433.3%など。一方、輸入は563億8730万円、同116.5%と大幅に伸びた。輸入が増加しているのは、トラクターの75kW超130kW以下が775台、同116.5%。トラクター全体では1114台、同104.2%と輸入が伸びている。

12.諸岡協力会が総会を開催、会長に中畑氏

諸岡の生産活動に関わる企業組織・諸岡協力会は千葉県柏市のザ・クレストホテル柏で第37回総会を開催し、令和5年度の事業計画などを審議、事務局原案通り可決した。役員改選では、新会長にクボタエンジンジャパンの中畑聴史社長が就任、〝諸岡号″の飛躍に精一杯努めていくと述べた。また、挨拶した諸岡正美CEOは、「大地と技術の開拓者=未来を支えるグローバル・ニッチカンパニー=」を掲げて取り組みを進めている諸岡ビジョン2030のポイントを示した。2023年3月期決算については、米国は需要が持ち直し、売上げは大幅増加、アジア、豪州も継続して順調に売上げを伸ばしている半面、国内はやや停滞と説明。同ビジョン実現へ向けロケットスタートの時期となる現在は、米州事業、アフターマーケット拡大、グローバル推進、DX、在庫削減のプロジェクトを進めていると話し、また、今年も「CATレディースゴルフトーナメント」に協賛していることを紹介した。
 総会には、会員企業など100人余りが出席、令和4年度事業事業報告・収支決算、5年度事業計画・収支予算、役員改選を審議し、5年度事業では、賀詞交歓会などで会員相互の情報交換や親睦を深めていくことを決めた。

13.KOBASHI ROBOTICSがリバネスと植林用播種ドローン開発

「リバネス・フォレスト・プロジェクト」において、小橋工業グループのKOBASHI ROBOTICSが植林用播種ドローンのプロトタイプをリバネスと共同開発し、その発表会を都内の同社にて行った。同プロジェクトでは、1.テクノロジーを活用した新たな植林体系の構築、2.持続的に森と共存していく意識の醸成、3.森林から有価物を生み出す多様な手段の構築-の3つのミッションを掲げる。今回のドローンはその中の1.を目的として開発された。植物の種子を土壌等の資材で球状に被覆した「シードボール」を、ドローンを使って落下させ、広く植林する体系の実証を進めている。
 同社は同プロジェクトの実証実験の早期実現のため、ゼロから「植林用播種ドローン」の開発・製造を担い、同社が長年培ってきたノウハウにより、手戻りのない効率的なモノづくりによって2カ月という短期間で試作品を完成。5月には試験飛行を行った。
 また、共同開発では、シーダー(シードボールを落下させる装置)機構の開発とシードボールによる播種手法の仮説検証も行っており、今後は、植林用ドローンの改良を進めながら、フィリピンでの実証に活用する予定。早ければ2023年度内の実証開始を目指す。

14.みどりの食料システム法に基づく
  基盤確立事業実施計画で松山など認定

農林水産省はみどりの食料システム法に基づく基盤確立事業実施計画の認定を行った。今回、松山など7社から申請のあった基盤確立事業実施計画について、認定を行った。これにより、累計52事業者の事業計画を認定している。また、令和5年1月19日付で認定を行ったクボタの基盤確立事業実施計画及び令和4年12月21日付で認定を行ったササキコーポレーションの基盤確立事業実施計画について、計画変更認定の申請があり、認定を行った。
 松山の基盤確立事業実施計画は、水田畦畔における除草作業を効率化し、化学農薬の使用低減に寄与する「スライドモア」の普及拡大。スライドモアの普及拡大により、環境負荷低減に寄与するため、展示会・実演会への積極的な出展や実演デモ等のPR活動を行い、販路を開拓・拡大するほか、全国の販売代理店に対して研修会等を実施し、販売やアフターサービス体制の充実を図る。
 クボタは「色彩選別機」・「ラジコン草刈機」・「ペースト施肥田植機」が、環境負荷低減に貢献すると認められ、新たに「みどり投資促進税制」の対象機械となった。ササキコーポレーションはみどり投資促進税制の対象機種に「e-styleオフセットモア KZXシリーズ」「オフセットモア KZLシリーズ」が新たに追加認定された。

15.クボタが機構改革並びに人事異動

9月1日付で機構改革並びに人事異動を行い発表した。  機構改革では、機械事業本部農機国内営業本部において、「アグリソリューション推進部」を「アグリ生販推進部」に改称。また、「部品営業推進部」を廃止し、その一部機能を「農機国内業務部」に移管。「農機国内企画部」を新設し、廃止する「農機国内営業部」の一部機能と「農機国内業務部」の一部機能を移管。「農機国内営業推進部」を新設し、廃止する「農機国内営業部」の一部機能と廃止する「農機国内サービス事業推進部」の一部機能を移管。「農機国内サービス・部品推進部」を新設し、廃止する「農機国内サービス事業推進部」の一部機能と廃止する「部品営業推進部」の一部機能を移管する。人事異動では、農機国内営業推進部長に富田健一氏、アグリ生販推進部長に小林稔和氏など。

16.井関農機が2023年12月期第2四半期連結業績を発表

オンラインで会見し2023年12月期第2四半期連結業績(日本基準)を発表した。それによると、売上高は923億9200万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は27億4100万円(同6.8%増)、経常利益30億300万円(同9.8%減)、親会社に帰属する4半期純利益19億3900万円(同24.8%減)となった。通期の連結業績予想は今年2月14日に公表した売上高1765億円(同5.9%増)、営業利益45億円(同27.3%増)、経常利益40億円(同6.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益26億円(同36.9%減)を据え置いた。
 会見に出席した冨安司郎社長は、第2四半期のポイントとして、1.「国内外増収、営業増益」とし、国内は価格改定(4月)の駆け込み需要反動減はあるものの、施設工事の増加もあり全体では増収、2.海外は「北米・アジアで足踏み状態だが、欧州の増加により全体では増収、3.収益面は増収や価格改定効果などにより売上総利益は増益、利益率も改善。ただし販管費の増加もあり営業利益の増益幅は縮小した-などとした。

17.井関農機の2022年特許査定率は全産業中3位に

特許庁ホームページにて「特許行政年次報告書2023年版」が掲載され、日本における分野別登録数統計表によると、井関農機は2022年「その他の特殊機械分野」の登録数において第2位、特許査定率は「全産業中」第3位となった。同社では、「当社の日本における特許出願の分野別登録数の多さや高い特許査定率は、新しい技術の開発、投入、実用化に積極的に取り組んできた技術開発の証し。今後も知的財産を重視した事業活動に取り組む」としている。特許査定率は、特許査定件数を、特許査定件数+拒絶査定件数+取下げ・放棄件数で除したもの。
 また、同社は「2022年当社特許登録の具体発明例」として、1.田植機:直進アシストレバー、2.コンバイン:IQ脱穀制御、3.フロントモア(SF):可倒式ネット、4.籾すり機(MZ):エアコン供給装置-の4つの具体発明例をあげている。

18.やまびこが2023年12月期第2四半期連結業績を発表

2023年12月期第2四半期連結業績(2023年1月1日~2023年6月30日)の決算短信(連結)を発表した。それによると、売上高は801億5300万円(対前年同期比0.6%増)、営業利益102億2400万円(同60.6%増)、経常利益106億3000万円(同40.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益67億1800万円(同14.8%増)となった。1株当たり四半期純利益は161円36銭。2023年12月期の連結決算予想(2023年1月1日~2023年12月31日)は、売上高1470億円(対前年比5.9%減)、営業利益125億円(同43.9%増)、経常利益122億円(同32.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益76億円(同20.7%増)。1株当たり当期純利益182円54銭。
 国内は、肥料・燃料価格の高騰による農業従事者の購買意欲減退の影響を受けて、刈払機やチェンソー、大型防除機など、主に農家向けの販売が減少。一般産業用機械は好調な建設工事需要を背景に発電機の堅調な需要が続いたものの、部品調達遅延による製品の供給不足や期初から続く溶接機販売の低迷により減収となった。
 海外は、北米や欧州各国で発生した天候不順の影響を受けて主力の小型屋外作業機械の販売が減少したものの、北米市場における一般産業用機械の伸長や円安による押し上げ効果もあり増収した。

19.本田技研工業が2023年度第1四半期決算を発表

2023年度第1四半期決算および通期業績見通しを発表した。2023年度第1四半期の連結実績は、売上収益は4兆6249億円で前年同期に対し20.8%増、営業利益は3944億円で同77.5%増となった。商品価値に見合う値付けの実施などにより、四輪事業の営業利益は前年同期比で大きく改善した。全社収益についても営業利益は四半期として過去最高、営業利益率は8.5%となった。2023年度の見通しは、これまで構築してきた事業体質を更に改善させるとともに、半導体の安定調達など、サプライチェーンの強化にも取り組み、工場の稼働率を改善させ、営業利益は過去最高の1兆円を計画している。
 パワープロダクツ事業及びその他の売上収益は1091億円(前年同期比98億円減)で、営業利益は44億円(同29億円減)となった。販売台数については、主に北米での減少により98万3000台(同56万3000台、36.4%減)となった。内訳は、日本6万台、北米35万7000台、欧州21万8000台、アジア28万8000台、その他6万台だった。

20.三陽機器及び三陽サービスが新執行体制

両社定時株主総会並びに取締役会において役員を選任、それぞれ就任した。両社の新執行体制をみると、三陽機器の代表取締役社長は守安利文氏、取締役は牛島泰人氏(営業担当)及び大河原悟氏(開発担当)、監査役は佐々木正有氏、執行役員は熊澤直樹氏(新任)。三陽サービスの代表取締役社長は牛島泰人氏、取締役は守安利文氏、大河原悟氏、監査役は佐々木正有氏。

21.日本農業機械工業会が2023年生産出荷動態上期実績を発表

経済産業省生産動態統計に基づく農業機械生産出荷実績の2023年1~6月分を取りまとめて発表した。それによると、2023年上半期の累計生産金額は2245億1000万円で前年同期比99.3%、累計出荷金額は2058億7700万円で同89.4%となり、生産額は前年並みだったものの、全体的に落ち込んだ。6月単体の実績では、生産額は430億1800万円で同98.8%、出荷額は408億9100万円で同88.2%に減少した。
 機種別で2023年上半期の累計出荷実績をみると、トラクターは数量が5万7948台(前年同期比74.3%)で金額1227億6700万円(同85.7%)になった。内訳をみると、20PS未満は2915台(同53.0%)で29億5600万円(同61.8%)に大幅減。20~30PSは1万4873台(同48.6%)で186億3400万円(同56.0%)。30PS以上は4万160台(同95.8%)で1011億7700万円(同96.1%)となっており、大型機は微減に留まったものの、小型機が大きく減ったことが全体の減少につながった。田植機は1万1226台(同88.7%)で215億4600万円(同93.6%)に減少した。コンバインは5401台(同98.0%)で316億1100万円(同107.9%)となり、金額のみ増加した。動力耕うん機は、6万6383台(同95.0%)で75億7700万円(同96.6%)に落ち込んだ。

22.農業食料工学会の2023年度開発特別賞に井関農機

農業食料工学会2023年度「学会賞」の各賞の選考結果が発表された。そのうち、今年度の「開発特別賞」は、井関農機の「にんじん収穫機 クレーン仕様の開発」が選ばれた。「開発賞」受賞者は、クボタの「たまねぎ調製機KOC-10」、シブヤ精機の「AI選果システム」、ヤンマーアグリの「小型フルクローラトラクタの開発」の3件だった。
 また、学術賞は小川雄一氏(京都大学)の「テラヘルツ波帯電磁波利用に関する農業食料工学分野への先導的研究」及び海津裕氏(東京大学)の「低コストRTK-GNSSによる小型農業ロボットの自律走行制御」、森技術賞は水上智道(農研機構)、吉田隆延(同)、宮原佳彦(元農研機構)、やまびこによる「乗用管理機型ブームスプレーヤのブーム振動抑制装置の開発」、功績賞は酒井憲司氏(正会員、東京農工大学名誉教授)及びヤンマーアグリ(特別会員)がそれぞれ選ばれた。学会賞表彰式は筑波大学筑波キャンパス(春日エリア)情報メディアユニオン講義室で行われた。

23.井関農機が中古農機の寄贈によりカンボジアから感謝状

愛媛県は県庁本館知事会議室で「カンボジア・バッタンバン州寄贈車両に関する報告会及び感謝状伝達式」を行い、中村時広県知事、NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会の高山良二理事長はじめ上島町長、伊方町長、愛南町長、井関農機小田切元代表取締役専務執行役員らが出席した。井関農機では、2021年11月頃に県から声掛けがあり、2022年春にインドネシア工場(PT・ISEKIインドネシア)で生産された東南アジア向けのトラクター「NT540」を寄贈した。
 式ではカンボジア・バッタンバン州のソック・ルー知事よりの感謝状と記念品が中村県知事に授与され、上島町長、伊方町長、愛南町長、井関農機の小田切代表取締役専務執行役員に感謝状が授与された。謝意に立った小田切専務執行役員は、「高山氏は井関農機創業者である井関邦三郎と同じ愛媛県宇和島市三間の出身であり、昨年は当社へも足を運んでいただくなどご縁がある。井関は〝食と農と大地のソリューションカンパニー〟を長期ビジョンに掲げ、2025年に100周年を迎える。当社の青いトラクターが、カンボジアの大地で活躍し、カンボジア・バッタンバン州の豊かな社会の実現に貢献できることは誇らしい。大地を守り、人を守ることに役立っているということを社内に持ち帰り、寄贈した機械の整備に携わった社員らのはげみにしたい」と述べた。

24.JA全中が通常総会、新会長に山野徹氏

都内で通常総会を開き、新たな代表理事会長に山野徹氏(鹿児島県)を選任した。総会終了後の就任会見で山野会長は重点施策として「食料安全保障の確立」と「国民の皆様への情報発信」をあげ、「国消国産」をキーメッセージに情報発信を強化していくと抱負を述べた。
 山野会長は「農業・農村、私たちJAグループは大きな転換期を迎えている。全中会長としてこの転換期をチャンスとして捉え、持続可能な農業のもと、地域を未来へつなげていく」と述べ、その重点対策に次の3点を示した。1点目は「食料安全保障の確立」と「国民の皆様への情報発信」、2点目は「自己改革の促進」と「組合員との対話」、3点目は「JA経営基盤の確立・強化」と「人材の確保・育成」。1点目については、我が国の食料自給率が、先進国の中でも最低水準にあるなか、近年では、気候変動や世界的な人口増加などにともない、食料をいつまでも安価に輸入できる状況は続かない、との認識から「これまで全中としては、食料安全保障の確立に向け、政策提案の策定や推進大会の開催など、食料・農業・農村基本法の見直しに関して、JAグループの意思反映を進めてきたが、その実践、実現に向け、引き続き、取り組む。また、食料安全保障の確立には、生産から消費まで、各段階における関係者の理解醸成が不可欠で、国民が必要として消費する食料は、できるだけ、その国で生産するという『国消国産』をキーメッセージに、情報発信を強化していくと述べた。