ホーム >> 農業機械化関連 >> 農業機械化ニュース メニュー >>  2023年9月20日発行 メルマガ8・9月合併号
農業機械関連ニュース

2023年9月20日発行

<業界短信-新製品8月>

  1. ヤンマーアグリがラジコン草刈機を新発売
  2. 松山がニプロあぜぬり機リターンシリーズを一新
  3. 松山がグランドロータリーをモデルチェンジ
  4. 三陽機器がリモコンモアーを新発売
  5. オーレックが自走式栗収穫機を発売
  6. キャニコムが乗用草刈機「フルーティまさお」発売

<業界短信8月>

  1. クボタの農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT」グランドオープン
  2. クボタが北海道北広島市と連携協定
  3. クボタがJ-クレジット制度初登録、中干し延長でメタン削減
  4. 井関農機が役員人事
  5. サタケがテレビ番組で醸造用新型精米機の開発紹介
  6. サタケの福森名誉相談役が逝去
  7. 静岡製機が新執行体制
  8. オーレックが種ごと食べられるスイカを福岡の百貨店で販売
  9. 諸岡が熊本市内に新九州営業所を開所
  10. クボタがルートレック・ネットワークスを子会社化
  11. ヤンマーホールディングスが役員人事
  12. ヤンマーエネルギーシステムが非常用発電機向け遠隔監視サービス開始
  13. 三菱マヒンドラ農機の新執行体制が始動
  14. サタケ八重山ヤシ記念館が来館者5万人を突破
  15. JA全中の新会長に山野徹氏を推薦
  16. 丸山製作所が農業女子プロジェクトでWeb安全研修
  17. ササキコーポレーションがHPリニューアル、動画チャンネルも新設
  18. 5年ぶりの帯広国際農機展が盛況
  19. 日本農業機械工業会が帯広展で農作業安全を啓発
  20. 井関農機、ISEKIアグリが農業女子セミナーで機械説明
  21. 井関農機の井関邦三郎記念館が20周年で記念特別展
  22. サタケが米品種鑑定の品種を拡充
  23. キャニコムが第53回機械工業デザイン賞受賞
  24. 全国農業機械士協議会が沖縄で全国大会

<業界短信-新製品8月>

1.ヤンマーアグリがラジコン草刈機を新発売

45度までの急な斜面や足場の悪い場所でも離れたところから作業ができるラジコン草刈機「YW500RC」を新発売した(2023年度は台数限定のモニター販売)。走行部にクローラを採用し、機体の重心を低くすることで、最大45度までの傾斜地で作業が可能だ。夏場の暑い中で行う草刈作業は、労力面、安全面において農家の大きな負担であり、特に急斜面での作業は危険が伴うことから、安全作業が課題となっている中、安全作業に配慮した機能を搭載し、送信機による遠隔操作で草刈作業ができる小型クラスのラジコン草刈機を発売した。
 主な特徴は、

  1. ハイブリッド式と高負荷の作業に対応する「快速制御」=2サイクル80㏄ガソリンエンジンを搭載し、刈取部はエンジン駆動、走行部はモータ駆動のハイブリッド式を採用。走行部にはクローラを装備し、最大45度までの急斜面で作業が可能
  2. 機体に近づくことなく操作が可能な「ラジコンタイプ」=送信機側で各種操作が可能なため、オペレータは本機から離れたところから草刈作業のコントロールできる
  3. 安全性に配慮した機能・装備=送信機画面に機体の前後左右方向の角度が表示されるため、手元の送信機で斜面角度を確認しながら作業可能

-など。

2.松山がニプロあぜぬり機リターンシリーズを一新

「ニプロあぜぬり機リターンシリーズ」をフルモデルチェンジし、04シリーズとして発売した。04シリーズは適応馬力が16~32馬力用のSZR304、25~45馬力用のDZR304C、34~60馬力用のLZR304C/354Cの各シリーズを用意。上面ローラーに新たに面取り形状の段付スパイラルローラーを採用し、今まで締まりにくかった肩部の硬度がアップした。SZR304とDZR304Cは手動リターン方式と電動リターン方式(型式末尾N)、及び上面削りなし、上面削りロータリー付き(型式末尾J)から選択できる。
 LZR304NJC/354NJCシリーズの主な特徴は、

  1. 大型トラクター向け・高耐久性、高性能タイプクラッチジョイント標準装備。
  2. 新型スパイラルローラーと新開発ネオウイングディスクにより今まで締まりにくかった肩部硬度が最大30%アップ
  3. 無線リモコン「Nコン」搭載で操作性が格段に向上
  4. 上面削り装置を標準装備。上面の草を削り取ることで、元あぜを削った土と上面の土との親和性が向上し締まったあぜを形成する

-など。

3.松山がグランドロータリーをモデルチェンジ

好評のニプログランドロータリーをこのほどモデルチェンジ。従来機からの特徴である優れたすき込み性、ロータリーへの土の付着の軽減、快適作業を継承し、新たに新型爪の採用により耐摩耗性が向上した。また高馬力トラクター対応のSKD00シリーズを新たに追加した。ニプログランドロータリーSKS01シリーズは、適応馬力が33馬力から60馬力(トラクター質量2300kgまでの国産トラクターに適応)で、作業幅は1.8m/2.0m/2.2m。50馬力を超えるトラクターには強化ジョイント付きのSD仕様を用意している。SKL01シリーズは50馬力から105馬力。作業幅は2.2m/2.4m/2.6m。SKD00シリーズは85馬力から120馬力で作業幅は2.6m/2.8m。
 SKD00シリーズの主な特徴は、

  1. 1本ラセン爪配列と最適化されたカバー・均平板形状によりすき込み性能が大幅に向上。有機物の圃場への還元を強力に促進する
  2. 新型爪BJ701Gを採用。ニプロ独自の加工方法で溶着量を増やし耐摩耗性がアップ。爪ボルトはM16採用で耐久性アップ
  3. 両端の爪にプロフェッショナル爪(BA110PG)標準装備

-など。

4.三陽機器がリモコンモアーを新発売

新製品のリモコンモアー「AJK700」を開発・製造し、販売予約の受付を始めた。既存モデルで、同社の代表的リモコン式自走草刈機「AJK600(2018年発売)」は、これまで草刈り作業者の軽労化と作業の安全を確保する草刈機として人気を博している。今回、ユーザーからの要望に応じるべく、600と平行した新製品を市場に投入。同社のリモコンモアーの〝シリーズ化〟を図り、草刈り製品を強化する。
 「AJK700」の主な特徴は、

  1. 6WDで安定軽快走行を実現。前輪にスイング機能を搭載し、後輪2つには前後を連結。上下に可動するボギーリンク機構を採用した。6輪がそれぞれ地面の凹凸に追従するので、傾斜地での安定走行が可能
  2. 刈り方向は縦、横の2WAY。刈り方向は斜面に対して縦(上下)、横(左右)のどちらも可能。最大傾斜角度は40度で往復刈りができる
  3. 最高速度は時速4.4km。走行速度が速くなり、移動スピード、刈りスピードがアップ
  4. スロースタート、スローストップ機能。走行は滑らかに発進・停止する。そのため急発進・急停止による転倒を防止

-など。

5.オーレックが自走式栗収穫機を発売

自走式栗収穫機「バーディーマロンピッカー(BX800/M8-MP750)」を8月上旬に発売。栗栽培において重労働とされる収穫作業の時間短縮、労力削減を目標に開発した。毬(いが)は、ほぼ100%、実だけでも70~80%を収穫し、収穫作業時間を約3分の1に短縮する。バーディーマロンピッカーは、用途に応じて作業機を付け替えられる自走式の機械(BX800/M8)に、収穫用アタッチメント(MP750)を装着している。地上に落ちている実をブラシで拾い上げ、短時間かつ楽な姿勢で収穫可能だ。茨城県農業総合センター園芸研究所、岐阜県中山間農業研究所と共同研究を行い製品化に至った。同社広報によれば、自走式栗収穫機は国内で初の発売だという。
 収穫の流れは、

  1. ブラシでロータリー内へ栗を掻き込む。毬や実と一緒に土が入るのを抑えるためブラシの回転数を低めに設定
  2. スクレーパーで栗をロータリー内に入りやすくする
  3. 投射フラッパーで、前方に設置したコンテナに収穫
  4. 毬や実と一緒に取り込んだ草などの小さな異物をロータリー後方のフラッパーから排出
  5. 更にゴミをのれんフラッパーで落とし、コンテナへ実や毬(いが)を投入する

-となっている。

6.キャニコムが乗用草刈機「フルーティまさお」発売

乗用草刈機「フルーティまさお」を発売。同社では、こうした中山間地で栽培される柿、梅、桃、梨、みかんを「フルーティ」と総称し、傾斜に対応した登坂能力や、地面の凹凸に対応した走破性などを備えた頑丈な草刈機「まさお」を開発した。
 「フルーティまさお」の主な特徴は、

  1. 動力をダイレクトに伝えるドライブシャフト「スクリュードライブAWD」を採用。2WDと4WDの切り替えで、小回り性と走破性を両立
  2. キャニコム独自の刈刃交換機構「工具なしヨ!イ・ア・イ」により、工具不要で簡単に刈刃の交換が可能
  3. 刈刃の駆動力と高刈りの両立が可能。また、刈刃カバーの上がすっきりしているので清掃性も良い
  4. 水道のホースを繋げ、刈刃を回転させ水を集中噴射できるので、落ちにくい刈刃カバー内の汚れを綺麗に洗浄する

-など。

<業界短信8月>

1.クボタの農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT」グランドオープン

農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT(クボタアグリフロント)」がグランドオープンした。コンセプトは「『食と農業』の未来を志向する仲間づくりの場」。同施設は北海道日本ハムファイターズの新本拠地である「ESCON FIELD(エスコンフィールド)」を置く北海道ボールパークFビレッジ内にある。
 先にオープンしていたカフェを含め、全館利用が可能となった。同施設は、クボタグループの農業学習施設として、小学校高学年~大学院生の学生層がメインターゲットだが、大人も楽しめる内容。「『食と農業』の未来を志向する仲間づくりの場」をコンセプトに、農業と接点のなかった多くの人達に対して、まずは農業に興味関心を持って貰うことを目指して誕生した。施設のメインコンテンツとなる「ツアープログラム」では、部屋全体4面で映像が繰り広げられる最先端の「シアター」や楽しみながら農業経営を学ぶシミュレーションゲーム「アグリクエスト」、最先端の作物栽培を体験できる「テックラボ」、食の美味しさ体験を通して、食の未来を考えるきっかけを提供する「テーブル」の他、グランドオープンに先駆けてオープンし、こだわりの食材を使ったメニューなどを提供する「クボタアグリフロントカフェ」や、見て、育てて、食べる屋外菜園「ポタジェガーデン」など、農業と食に関する様々な要素が体験できる。

2.クボタが北海道北広島市と連携協定

北海道北広島市と「農業と食の市民理解の促進を目的とした連携協定」を締結した。同社が北広島市内で運営する農業学習施設KUBOTA AGRI FRONTの積極的な活用と、北広島市内における食と農業に関する幅広い取り組みを共同で進める。同施設をグランドオープンしたのに先立ち、同施設が立地する北広島市と連携協定を締結。地元の小中学生への食育や、地域内の農産物の利活用など食と農業に関わる幅広い分野で、共同で取り組みを推進。施設は「〝食と農業〟の未来を志向する仲間づくりの場」をコンセプトとし、企業・自治体・教育機関など多様なパートナーとの連携を進めている。本連携協定を契機に、食と農業に関わるパートナーシップ構築を加速していく。
 主な取り組み内容は、北広島市内の小中学校の授業において当施設を利用してもらうことで、将来を担う若年層に食・農への理解を深めてもらうことに役立てるほか、同施設で栽培した農産物を地域内で有効に利用することで、市民への農業と食へのさらなる理解促進を図る。その他、地域の食・農の振興につながる取り組みについて連携し、幅広い取り組みを検討していく。

3.クボタがJ-クレジット制度初登録、中干し延長でメタン削減

J-クレジット制度事務局に申請したプログラム型プロジェクトが、「水稲栽培における中干し期間の延長」方法論を用いたプロジェクトとして初めて承認されたと発表した。参画する農業生産者が中干し期間を延長することで削減できる温室効果ガスの量をクレジット化できる。さらに、同社の営農支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」や圃場水管理システム「WATARAS(ワタラス)」を活用すれば、プロジェクトに参画するための農業生産者の負担を軽減でき、将来的に多くの農業生産者に参画してもらうことで、より多くの温室効果ガス削減に貢献する。
 これを踏まえ、同社は大潟村あきたこまち生産者協会、みらい共創ファーム秋田とともに、「J-クレジット制度」を活用した環境負荷の少ない農業の普及拡大に加え、生産した農作物の付加価値向上に向けた取り組みを開始すると発表した。今年度は両社が栽培管理を行う水田において、「水稲栽培における中干し期間の延長」を実践し、削減した温室効果ガスの量に応じたクレジットの認証取得に取り組む。クレジットについては同社のカーボンオフセットへの活用や収益化を図る。

4.井関農機が役員人事

7月1日付で役員人事を行い発表した。それによると、施設事業担当に縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長、これまで施設事業、部品事業、物流、国内営業関連会社担当、施設事業部長だった瀧澤雅彦執行役員営業本部副本部長が大規模営農担当、ヰセキ関東甲信越の代表取締役社長に就任し、ヰセキ関東甲信越の社長だった石本徳秋執行役員営業本部副本部長が部品事業、物流、国内営業関連会社担当に就任した。
 また、幹部人事では大越崇博氏が営業本部施設事業部長兼施設事業部施設管理部長に、本田恭平氏が営業本部施設事業部施設営業技術部長に就任した。

5.サタケがテレビ番組で醸造用新型精米機の開発紹介

TBS系列で放送されたテレビ番組「応援日本経済!がっちりマンデー!!」において、「儲かる!○年越しビジネス」としてサタケの酒米の醸造用新型精米機が紹介された。番組には経営本部広報フェローの宗貞毅顧問が登場し、25年越しで開発し2018年に発売した酒米の醸造用新型精米機EDBを紹介。同機の最大の特徴である扁平精米を解説した。
 デンプン部分を残して精米できる扁平精米を実現させる精米機の開発をスタートさせたのが1993年。お米が割れてしまうため、現実には難しかったが、若手社員の発案で「もっと硬くて尖った砥石に変えてみたらどうか」という意見が出された。金属の加工で使う鋭くてギザギザが多いcBN砥石で実験したところ、扁平精米ができることがわかった。扁平精米は若手社員の意見によって、偶然実現したのである。扁平精米のメリットを同機開発リーダーの新山伸昭氏は、従来の球形精米に比べて、米を削る量が少なくて済み、原料費削減に繋がると説明。cBN砥石で削ると早く削ることができるため、米が熱くなって割れることがない。こうしてできた醸造用新型精米機は大吟醸ほど米を削っていないのに、大吟醸並みに美味しい「真吟」として、大手や老舗の酒蔵で取り扱われている。

6.サタケの福森名誉相談役が逝去

名誉相談役の福森武氏が2023年6月24日夕刻に細菌性肺炎のため永眠した。享年は76歳。通夜ならびに葬儀・告別式は、遺族の意向により近親者のみで執り行われた。また、香典、供物、供花等は固く辞退するとしている。福森氏は、1946年9月22日に広島市で生を受けた。1969年3月近畿大学工学部卒業後、同年4月佐竹製作所(現サタケ)に入社した。1989年8月同商品企画本部生産設計部部長、1993年12月同取締役、1996年6月同技術本部副本部長、1997年8月同常務取締役、1998年3月同専務取締役、1999年3月同取締役副社長、2018年5月同代表取締役、2021年6月同代表取締役会長、2023年3月同名誉相談役をそれぞれ歴任した。

7.静岡製機が新執行体制

去る第84回定時株主総会ならびに取締役会において役員の選任を行い新たな執行体制をスタートさせた。宇野毅取締役が常務取締役に昇任、新任の取締役に早川泰史氏が就任-などの内容。
 同社・農機営業部では、4月に人事異動が行われており、新たな営業部長に清野浩史氏が就任、宇野毅前部長は、農機営業部・物流管理室担当の役員として業務に当たっていた。6月26日付けの主な役員人事は、取締役会長に鈴木修一郎氏、代表取締役社長に鈴木直二郎氏、常務取締役(製造部・技術部担当)に岩崎康宏氏、同(農機営業部・物流管理室担当)に宇野毅氏、取締役(産機・海外営業部長)に内山裕司氏、同(管理部長)に早川泰史氏など。

8.オーレックが種ごと食べられるスイカを福岡の百貨店で販売

同社が製造販売を手がける、スイカ生産用花粉「TANE FREE(タネフリー)」は、授粉すれば日本にある約100種のどんな品種でも種ごと食べられるスイカに変える花粉だ。同花粉を使用して作られた「タネフリースイカ」が、百貨店・岩田屋本店の地下1階「南国フルーツ本店」で販売を開始。日本一のスイカ産地である熊本県植木町産と、その希少性や甘さで人気の大分県日田市産、合わせて6品種が入荷した。5月に初めて販売した際は、20玉が即完売したという。同店の坪内店長は「種がほとんど無く食べやすい、味も良いとお客様に大変好評をいただいている。今後は品種や産地を変えながらシーズンを通してリレー販売が出来れば」とコメントした。。
 スイカの花粉寿命は約1日と言われる中、同社は製造し長期保管するノウハウを保有。雄花の花粉や蜂の働きが十分ではない時期に人工授粉できる利便性もある。熊本や高知だけでなく、沖縄でも同花粉を使った栽培が始まっているという。オーレックでは「タネフリー花粉は、どの品種にも使用できることや糖度や味のコクが増すことなどが各生産者から評価された」とコメントした。

9.諸岡が熊本市内に新九州営業所を開所

熊本県熊本市内に新九州営業所を開設し、開所式を挙行した。諸岡正美CEOは冒頭の挨拶で「九州は満遍なく製品を利用していただいている地域であり、私たちにとって重要な拠点だ」と述べ、新たな営業所の役割を確認するとともに、「スタッフが働きやすい、すばらしい事務所にリニューアルできた。多くの皆様が立ち寄り、様々な話ができる営業所を目指したい」とこれからの営業推進、活発な事業展開に決意を示した。。
 式の後半では、諸岡CEOが「熊本県では、世界的な半導体の工場建設が進む中、弊社の施工を引き受け、外観、内観、共に立派に仕上げてもらった」と南陽をはじめ施工関連会社や銀行などに感謝状を贈呈した。そして同CEOを含め、関係者でテープカットを行った。最後に諸岡昇副社長が九州営業所の主要スタッフを紹介し、参列者への感謝を述べ、3本締めで閉会した。

10.クボタがルートレック・ネットワークスを子会社化

ルートレック・ネットワークスを連結子会社化したことを発表した。背景とねらいをみると、ハウス栽培は気候の影響を受けづらく、また年間を通じて安定した収量、品質の農作物生産が可能なものの、きめ細やかな栽培管理が求められることから、その作業のほとんどを農家の人手や経験に依存しており、軽労化やスキルレス化が課題となっていた。そうした課題に対し、ルートレック社が提供するAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は、土壌の水分量や肥料濃度、日射量等のデータを基に、AIが最適な潅水・施肥量及びタイミングを自動で判断・制御することが可能であり、ハウス栽培の軽労化、スキルレス化、収量・品質の安定化に貢献している。。
 クボタは2021年から同社に出資を行うとともに、オープンイノベーション型共同実証圃場「Kubota Incubation Farm」での共同実証を通じて連携を深めてきた。そして今回の連結子会社化により、同社との連携をより強固なものとし、ハウス栽培のスマート化を一層推進していくとしている。

11.ヤンマーホールディングスが役員人事

役員人事および主要人事を発表した。人事の内容は次の通り。ヤンマーホールディングス(株)執行役員グレイターマリンプロジェクト推進室室長に川建治氏、ヤンマーパワーテクノロジー(株)特機事業部生産部部長及び尼崎工場工場長に網野謙二氏、同小形事業部購買部部長に堀内陽介氏、同特機事業部購買部部長に松原亮氏、ヤンマーアグリ(株)購買部部長に中田尚文氏、ヤンマー建機(株)購買部部長に豊田功氏、ヤンマーエネルギーシステム(株)購買部部長に黒川高嗣氏。

12.ヤンマーエネルギーシステムが
  非常用発電機向け遠隔監視サービス開始

ヤンマーホールディングスのグループ会社である同社は、非常用発電機向けに、災害時に備えて平時の管理体制を提供する遠隔監視サービスを開始。同社の主力商品である非常用発電機「AutoPack(AP)シリーズ」には、新遠隔通信ユニットを標準搭載し、出荷開始。今後、出荷される全てのAPシリーズはいつでも遠隔監視サービスの利用が可能となる。  災害時の電力確保はBCP対応の観点からも重要な対策の1つと考えられているが、従来の遠隔監視システム「RESS(レス)」の機能を拡充し、平時から機器の管理をサポートする新たなサービスを提供。非常用発電機の故障予知(参考通知)や劣化診断を行い、最適なメンテナンスを提案するとともに、万が一の災害時に備えて客の機器を見守る。さらに得られたデータを基に商品やサービスの品質改善にも取り組む。
 主な特徴は、

  1. 見える化サービス。新遠距離通信ユニット搭載の「APシリーズ」から取得した燃料残量や運転可能時間などを同社のコンタクトセンターにて一括管理。顧客もパソコンやスマートフォン、タブレットから発電機の状態などの情報を閲覧可能
  2. 遠隔監視サービス(有償)。これまでRESSで行っていた状態管理に加え、劣化診断、残油量通知などを行う。また定期的なレポートを発行し、災害時に備えた管理体制を提供する

-など。
 

13.三菱マヒンドラ農機の新執行体制が始動

同社定時株主総会およびその後の取締役会で役員を選任、それぞれ就任した。新執行体制は次の通り。CEO取締役社長(代表取締役)に齋藤徹氏(最高経営責任者)、CFO取締役副社長(同)にマニッシュクマールグプタ氏(最高財務責任者)、CTO取締役に行木稔氏(最高技術責任者、新任)、取締役(非常勤)に末松正之氏、小椋和朗氏、飯沼和宏氏(新任)、ラジュシュジェジュリカール氏、へマントシッカ氏、バラットゴエンカ氏(新任)。監査役に木村健治氏、同(非常勤)に片山彰氏、横田祐一氏-など。

14.サタケ八重山ヤシ記念館が来館者5万人を突破

公益財団法人サタケ技術振興財団が開設した「サタケ八重山ヤシ記念館」の来館者が累計5万人を突破した。5万人目の来館者となった神奈川県の茅原健次さんには、マジックライス「ななこめっつ」などの記念品が贈られた。
 同館は、石垣島に自生する「リュウキュウヤエヤマヤシ」が新種であることを初めて発見し、その学名である「サタケンチャ・リュウキュウエンシス」に名を残すサタケ2代目社長の佐竹利彦氏の志を偲ぶとともに、石垣市民をはじめ多くの方々にヤシを紹介し、地域振興や植物学の発展に貢献することを目的として2005年1月に開館。石垣島と西表島にのみ生息するリュウキュウヤエヤマヤシの生態に関する展示、クイズでヤシのことが学べる「ヤシトリビア」のほか、屋上から眺望できるリュウキュウヤエヤマヤシの群落と東シナ海・川平湾をのぞむ大パノラマなどが好評を博し、開館以来、多くの来館者を迎えてきた。サタケ技術振興財団では、今後も石垣観光の振興とヤシについての認知度向上に取り組んでいく。

15.JA全中の新会長に山野徹氏を推薦

役員推薦会議において、新会長推薦者に山野徹氏(JAそお鹿児島出身)を決定したことを発表した。山野氏は8月18日に開催されるJA全中通常総会を経て、新会長に就任する予定となっている。
 JA全中会長の選出にあたっては、会長候補者が1名になったことから、6月21日から7月4日までJA全中代議員による信任投票を実施し、開票の結果、候補者が信任されたことを受けて、役員推薦会議が山野氏を推薦した。山野氏は所信において、「食料・農業・農村基本法の見直しが進められている今、JAグループにとって、大きな転換期を迎えている。この転換期を好機として捉え、持続可能な農業のもと、地域を未来へ繋ぐことができるよう、農協人として47年、全厚連・全国農政連会長として3年の経験を活かし、組合員・役職員の皆さまとともに、3つの重点対策を中心に全力で取り組む」として、1.食料安全保障の確立、2.自己改革の促進、3.JA経営基盤の確立・強化-の3つの重点対策を示している。

16.丸山製作所が農業女子プロジェクトでWeb安全研修

農林水産省が推進する農業女子プロジェクトの学びの場として機能しているNEXTラボでは、丸山製作所による「刈払機・噴霧機の安全な取り扱い」の研修が行われた。
 同社担当者は、作業事故の割合が高い刈払機について、肩掛け式と背負式、エンジン排気量の大小、持ち手ハンドルの違い、金属刃とナイロンカッターの違いなど、種類を説明した後、適切な機種の選び方、正しい使い方を紹介。チップソーの場合は台座の素材が大事で、SKS-5と名記しているものは金属に粘りがありヒビが入りにくい、ナイロンカッターの場合はエンジン排気量26㏄以上の大きなクラスで使い、作業時はエンジン全開で使う、エンジンの場合は混合ガソリンを用いるなどと説き、混合ガソリンの使い方などを実演した。噴霧機については、作業後の目の洗浄、うがいを勧め、また、機械各部の清掃の徹底、凍結の恐れがある際は洗浄水をしっかり抜く、長期保管の場合は燃料を抜くなどの注意点を示した。
 その後の質疑応答では、バッテリー式の充電器の取り扱いなどの質問が出たほか、動噴の散布部の持ち手が女性にとっては遠く、その分重くて振りにくいなどの改良要望も聞かれた。

17.ササキコーポレーションがHPリニューアル、動画チャンネルも新設

HPをリニューアルし、企業情報や製品情報などの一般向けページのほか、「JA・販売店のお客様ログイン」のページを設定、流通関係者への利便性を高めた。
 また、YouTube公式チャンネル開設を通知。新たに「環境機械チャンネル」と「電動除雪機オ・スーノチャンネル」を設け、それぞれの製品情報あるいはイベント開催情報などを映像で分かりやすく発信するとともに、現在のSasaki公式チャンネルでは、今後、農業機械および電動リモコン作業機スマモ関連情報を出していく。環境チャンネルでは、段ボール潰し機、全自動横型プレス、廃プラ処理費を大幅に低減させる縦型プレス、横型プレス、全自動横型プレスを取り上げ、オ・スーノチャンネルでは、電動で手軽に除雪作業が進められる同機の利活用現場の映像が数多く納められている。
 このほか、HPでは農業機械カタログ、取扱説明書、小売価格などをまとめたサポート資料、工場直受の各種開発製品案内、企業情報、採用情報、NEWS一覧などがより見やすく整理され、同社の活動全般の理解を進めるのに大きな役割を果たしている。

18.5年ぶりの帯広国際農機展が盛況

4年に1度開かれる「国際農業機械展in帯広2023」が帯広市の北愛国交流広場で開催され、会期中は内外から足を運んだ15万5000人の参観者で賑わった。「農業への挑戦 北の大地から」をサブタイトルにした今回の展示会は、新型コロナの影響による1年延期を経て5年ぶりの実施。114の企業・団体が最新の農業機械関連技術を揃えた。
 初日の開会セレモニーの席上、主催者あいさつに立った有塚利宣開催委員会会長は、33回の時は1台の無人トラクターがデモ行進を行い、前回はロボットトラクターがパレードしたと経緯をふり返り、今回は人工知能を備える作業機など、様々な先端技術を組み込んだ機器類が登場し、世界レベルの技術に到達していると紹介した。
 初日早くから駆けつけた農家の表情には、待望の文字が浮かんでいるようでもあり、よりグレードアップしたスマート農業を構成する新技術、規模拡大する道農業に応えるハイテクノロジーなどに熱心な視線が送られた。次回は4年後、さらなる進化が期待される。

19.日本農業機械工業会が帯広展で農作業安全を啓発

帯広市の北愛国交流広場で開催された第35回国際農業機械展に出展している会員企業の小間をまわり、木股昌俊会長自ら農作業安全啓発のチラシを配布し、周知に務めながら、激励した。8日はIHIアグリテック、やまびこジャパン、有光工業、三陽機器、丸山製作所、タカキタ、三菱マヒンドラ農機、北海道クボタ、9日は静岡製機、ヤンマーアグリジャパン、サタケ、ハスクバーナ・ゼノア、ヰセキ北海道、ニコン・トリンブルの順番で各小間をまわった。同時に各社の担当者から一押し製品の説明を受けた。和気藹々とした雰囲気で各小間を巡り、炎天下の中で来場者をもてなす会員各社に対し、農作業安全啓発とともに元気を届けた。
 日農工の出展小間でも農作業安全に関する啓発をポスターや映像を交えて行いながら、来場者に対してのチラシの手渡しや会場配布の新聞への折込などを積極的に行い周知を促した。

20.井関農機、ISEKIアグリが農業女子セミナーで機械説明

銚子市、JAちばみどり、千葉県海匝農業事務所が主催する「令和5年度第2回農業女子スキルアップセミナーin銚子」に協力、トラクター、刈払機の安全な使い方について指導に当たった。実技では、トラクター「レスパシリーズRTS25」(25.0PS)、エンジン式刈払機、バッテリー式刈払機を使用、安全作業の基本事項を伝えるとともに、各機の操作方法を説明。参加者はとくにトラクターの直進機能にビックリ、これなら乗れると笑みがこぼれた。
 千葉県農林総合研究センター東総野菜研究室で行われたセミナーには、旭市、匝瑳市、小船木町、森戸町などから9人の農業女子が集まった。大方はダイコン、ニンジン、キャベツなどの野菜作を進める農家の主婦。ふだんは補助作業に従事することが多いという。屋内で行われた座学では、農業機械の安全作業や農機の公道走行の規定について説明。事故を減らす有効措置として機械の事前点検を掲げ、トラクターの基本メンテナンスに関する主要な項目をあげた。屋外で行われた刈払機、トラクターの操作実習。トラクターの実習では最後に直進アシスト装置をきかせた状態で走り、ハンドルから両手を離した状態でも直進する自動化機器の魅力の一端に触れ、皆笑顔で「すごい!」を連発していた。

21.井関農機の井関邦三郎記念館が20周年で記念特別展

創業者である井関邦三郎翁の記念館がこのほど開館20周年を迎え、記念特別展を実施している(期間は10月23日まで)。その開展式が愛媛県宇和島市三間町務田の「畦地梅太郎記念美術館・井関邦三郎記念館」で行われ、井関農機から小田切元代表取締役専務執行役員開発製造本部長、ヰセキ中四国の中谷清社長が出席、祝意を寄せた。展開式で主催者を代表してあいさつした宇和島市の岡原文彰市長は、畦地梅太郎、井関邦三郎両氏が「宇和島名誉市民」として顕彰されていると紹介したあと、邦三郎氏は「2人に共通するのは信念をもち人生を築かれ、強い使命を持ち時代を切り拓いた。我々は未来へ継承していく責務がある」と訴えた。来賓あいさつに立った小田切専務は、まず創業者の「農家を過酷な労働から解放したい」という強い思いを連綿と受け継ぎ、数多くの発明を通し日本農業の機械化・近代化を牽引するスタンダードを確立してきたと力説したあと、同社が2025年に創立100周年を迎えることを紹介。社会課題を解決することがヰセキグループの存在意義であり、積極的に取り組むと決意を述べた。
 また、道の駅「みま」の駐車場内で最新鋭トラクター「BF35」、田植機「PR6」、コンバイン「HFR475」、さらに抑草ロボット「アイガモロボ」の展示も行われた。

22.サタケが米品種鑑定の品種を拡充

2003年より米品種鑑定サービスを開始し、これまで数多くの鑑定を受託するとともに、鑑定可能品種の拡充に取り組んできた。このたび、秋田県が極良食味種をコンセプトに開発した新品種「サキホコレ」、寒さや病気に強い青森県の新品種「はれわたり」、多収性と良食味を併せ持ち、業務用米としての普及が期待される「つやきらり」を鑑定対象に追加した。米・炊飯米品種鑑定は、検体DNAとデータベースを照合することで品種の判定をおこなう。今後もサービス利用者の利便性を向上すべく、鋭意研究し、さらなる鑑定可能品種の拡充に努めていく。なお、分析方法や分析料金などは従来通り。
 分析日数は、検体到着日の受領が午後3時までの場合、翌日から3~7営業日以内(受領が午後3時以降の場合は翌日の受付となり、分析日数は翌々日から3~7営業日以内)。検体の種類は葉、籾、玄米、精米、無洗米、炊飯米(弁当、おにぎり、冷凍食品、無菌米飯等も可能。おかゆなど加工方法によっては分析できないものあり)

23.キャニコムが第53回機械工業デザイン賞受賞

第53回機械工業デザイン賞IDEAの贈賞式が都内経団連会館国際会議場で行われ、農林業界からはキャニコムの「法面45度対応除草作業機 アラフォー傾子CG271」が日本商工会議所会頭賞を受賞した。キャニコムからは包行均会長が出席し賞状を受け取った。
 日刊工業新聞社が主催する同賞は1970年よりスタートし、書類審査後、審査員が実際に応募企業や納入先を訪れる現物審査を行い、顕彰するのが最大の特徴。今回、31社31件の応募があり、昨年に比して若干減少したものの、中小企業の応募が倍増した。そうした中で、キャニコムの受賞は、昨年の審査員特別賞など含めて4年連続となった。包行会長は今回の受賞について、「全ては真摯に製品開発に取り組み販売している社員の功績。今後も期待に応える製品作りを社員一丸となって続けていく」と喜びの声を寄せた。

24.全国農業機械士協議会が沖縄で全国大会

沖縄県那覇市の男女共同参画センター「てぃるる」において、第46回農業機械士全国大会沖縄大会を開催した。同大会は全国各地の農業機械士や関係者が一堂に会し、農業機械の効率的利用並びに農作業事故防止に関する活動について情報交換を行い、今後の活動に資する目的で実施したもので、全国から150名が参集した。(詳細は、本号トピックスで紹介)