令和4年9月12日発行
<業界短信-新製品9月>
- 静岡製機がCO2施用機を発売
- 松山があぜぬり機をフルモデルチェンジして発売
- キャニコムが修理キットの新作を発売
- 小橋工業が高速畝立てディスクを新発売
- 三陽機器が油圧ショベル装着型ハンマーナイフモアーを新発売
- スガノ農機が農道を均し轍も解消するロードメーカーを発表
- 山本製作所が業務用精米機NXシリーズを発表
- 大竹製作所が操作性と選別力が向上した籾すり機を発売
<業界短信9月>
- IHIアグリテックがブロードキャスタ対象点検アプリのモニター募集
- クボタがエンジン事業100周年記念特設サイトを開設
- ヤンマーが長居公園に新施設オープン
- 井関農機が兵庫で夢ある農業女子応援プロジェクトを開催
- タイガーカワシマの種籾選別機がタイ・米科学研で落札
- キャニコム、クボタが機械工業デザイン賞審査委員会特別賞を受賞
- JA全農が第46回通常総代会
- 日本農業機械工業会が4年上期の農機輸出入実績と動態統計を発表
- クボタがオンラインイベントGROUNDBREAKERS SUMMER NIGHTを開催
- クボタが2022年12月期第2四半期連結決算を発表
- ヤンマーアグリジャパンがオンライン実演会を開催
- タカキタが2023年3月期第1四半期業績を発表
- JA全中がJAグループの5年度農業関係予算要請
- 井関農機が2022年12月期第2四半期連結業績を発表
- 三菱マヒンドラ農機が更別農業高校創立70周年を支援、齋藤社長が表敬
- サタケが米分析サービスサイトを全面刷新
- 井関農機の特許査定率が全産業中3年連続日本一
- スズテックがセルトレイ全自動播種機で栃木県フロンティア企業認証
- JA全中が食料安全保障強化を決議
- やまびこが2022年12月期第2四半期連結決算を発表
- 本田技研工業が2022年度第1四半期決算を発表
<業界短信-新製品9月>
1.静岡製機がCO2施用機を発売
ハウス内にCO2を効率的に供給する〝CO2施用機〟「CG-1000」を発売した。同機は24時間タイマーを標準装備。タイマー運転(運転を開始する時刻と停止する時刻を設定)とインターバル運転(1時間内のバーナーのON時間とOFF時間を設定)により、効率良くCO2を供給する。CO2が不足しがちな時間帯にCO2を供給して光合成を促進することで、作物の生長を促し、高品質・収量アップが見込める。5分間の運転で1000平方m(ハウス内平均高さ2.5m)ハウスのCO2濃度を約200ppm上昇させることが可能。設置工事不要で様々なハウスに対応できる。
主な特徴は、
- 導入しやすい低コスト
- 折りたたみ式のハンドルと車輪で楽に移動できる可搬タイプでコンパクト
- CO警報機や感震機などの各種安全装置を標準装備
- 低ランニングコスト
-など。
https://www.shizuoka-seiki.co.jp/products/agriculture/greenhouse/horticulture/cg-1000/
2.松山があぜぬり機をフルモデルチェンジして発売
オフセットタイプ「ニプロあぜぬり機AUZシリーズ」をフルモデルチェンジし、「AUZ05シリーズ」として新発売。シリーズには電動オフセットと手動オフセットのシリーズを用意。適応トラクター馬力は25~60馬力。同シリーズは、手頃な価格の手動、電動ともに元畦高さが19~24cm(最大29cm)向けのAUZ305と、元畦高さが24~29cm(最大34cm)用のAUZ355が型式設定されている。
主な特徴は、
- 進化したスパイラルローラーとネオウィングディスクでビシッと硬い畦を形成し、スタート直後から綺麗な畦ができる
- 各型式には元畦上面の雑草を処理してより固い畦を成形する上面削りロータリ付き(型式末尾J)を用意
- 8枚のディスクがフック2カ所とボルト2本でベースディスクに止めてあり、簡単に1枚1枚が交換できる
- 畦塗りの始まり距離が半減し、スタート直後から綺麗な畦が形成される
- クラッチジョイントを標準装備し、石などの衝撃から機体を守る
-など。
3.キャニコムが修理キットの新作を発売
修理キット「Dr.EGG-心配しないから-」に新たなラインアップとして「りんごブラッサムまさおVer.」の販売を開始した。同社の広報は「『まさお』を家族のように大事にしているお客様の言葉などを参考に、絶対に必要な部品をまとめた。急な故障などにも安心」とコメント。例えば、同梱されている「刈刃セット」は、2種類の刈刃と刈刃カバーの固定位置を変えることで、刈幅を変更できる同機の機能「刈幅二刀流オータニさん」に対応したものだという。
同社のアフターサービス体制の考え方は3点あり、
- メンテナンス部品即納率99.6%の「アフターパーツ」
- 新技術でものづくりを支える「ビフォアサービス」
- 品質保証を行う「カスタマーコンサル」
-で、頭文字をとって「ABCサービス」と名付けられている。丈夫で安心感のある部品を素早く提供することを目標にしており、同社のアフターパーツ部・泉部長は「数年に1個しか発注のない部品も在庫している。お客様の作業を止めないことを第一に即納率100%を目指したい」と述べた。こうしたサービス体制を基盤に、同修理キットは発売に至った。
http://www.canycom.jp/pressrelease/files/2022/07/a214b4d117679cafd5bf8be7b9b63848.pdf
4.小橋工業が高速畝立てディスクを新発売
播種機装着用ツールバーを標準装備した「高速畝立てディスクHDR200」を発売。新製品は、アグリテクノサーチが製造する播種機を装着することで、「大豆用高速畝立て播種機」としても活用でき、これにより大豆農家の課題を解決し、国産大豆の生産拡大に寄与する。大豆用高速畝立て播種機は作業速度が速く、湿潤圃場でも作業が可能。そのため大豆農家の抱える湿害課題を解決し、安定した単収と品質の確保に一役買う。
主な特徴は、
- 作業速度は時速4~6kmを実現、高速作業が可能になり適期播種により、作付面積拡大および単収増加を狙える
- 水分の多い圃場でも培土が可能。土を反転する作用が強いディスク式なので、水分の多い圃場でも土を練らずに素早く畝立て播種が可能
- 消耗部品が少なく、低コスト。ディスク式の場合、摩耗する部品が少なく、摩耗しても畝立て性能が低下しにくい
- 播種機を外せば中耕培土作業も可能。前進する際に丸形ディスクが回転し、土を削りながら培土し、チゼルがディスクの耕深を確保しながら隙間をほぐし、さらに花形ディスクで細かく土塊を砕きながら砕土する
-など。
5.三陽機器が油圧ショベル装着型ハンマーナイフモアーを新発売
油圧ショベル装着型草刈機ハンマーナイフモアー「HKM-903PS-ST(同-DX)」と、「HKM-904PS(同)」を開発し、発売を始めると発表した。新製品は、3~5tのミニショベル用で、手持ちのショベルのバケットを外して簡単に装着できるインプルメント式のハンマーナイフモアー。刈幅は900mm。刈刃の配列は2条らせん方式により、草刈り効率を上げた。また、ナイフブラケットを従来の鋳造品から鍛造品に変えて、さらに強度を高めた。フローティング機能を備えた小型マルチアングルリンクにより、モアーが地面の凹凸に上下左右と追従し、より作業性が向上した。
主な特徴は、
- 新型マルチアングルリンクの採用
- 新設計のローラ
- メンテナンス性の向上
- 新型ヒールの採用
- シングルソレノイドバルブの採用
-など。
6.スガノ農機が農道を均し轍も解消するロードメーカーを発表
新製品の「ロードメーカーRM220F」の受注を開始するとともに、その機能を公表した。同機は先に開催された北海道土を考える会の実演会会場で初披露となったもので、30馬力のトラクターから使用できる作業機。
主な特徴は、
- 未舗装の農道などのデコボコや轍を簡単に均して整地する農道整地機。斜め2列に配置した刃で土や砂利を受け流してデコボコを均していく
- 刃は両端下部のヒールから3cm出ているだけなので必要以上に農道を削ることがなく、操作はトラクターのポジションレバーを上下させるだけと簡単。土、砂利を抱えすぎた場合は後進で均すこともできる
- 30~100馬力のトラクターに適応し、多くの農家が所有するトラクターで使える
- 砂利敷きをスピーディーにこなし、轍の解消もスムーズ。また、農道のほかトラクターが入れるハウスの中、その周辺、倉庫周りなど、さまざまな場面で活躍する
-など。
7.山本製作所が業務用精米機NXシリーズを発表
業務用精米機の新製品“NXシリーズ”「NX-5000」(研削摩擦一体型)、「NXF-5000」(摩擦ワンパス型)を発表した。同シリーズは、カバーレス化・自動清掃機能の採用によりメンテナンス性を大幅に向上。また、大型タッチパネルの搭載、ロータリーバルブの採用より操作性・生産効率を向上。さらに、研削部をフルリニューアル、高品質な精米が行える。「NX-5000」は、中米から上米まで幅広い精米が可能で毎時最大能力は5t。「NXF-5000」は、イニシャルコストを抑え、購入しやすい低価格を実現し毎時最大能力は5t。
主な特徴は、
- 外側カバーを最低限に抑えた新デザインのカバーレス化を採用。これにより、糠がカバー内部に溜まることを防ぎ、3方向からアクセスできメンテナンス性を大幅に向上
- 虫の発生も抑制でき、食品の安全性も向上する
- 新機能の自動清掃機能(自動エアブロー)の搭載により、糠溜まりを除去。この新機能により、糠掃除を行っていた作業が毎日6分ですみ、年計算メンテナンス時間は、5分の1程度に短縮
- 大型タッチパネルを搭載し、従来機より大きく見やすくなっている
- 過去の精米データやメンテナンス要領など数多く収納でき、消耗部品の交換時期の管理も容易に行える
- 原料に左右されない流量管理と均一な原料投入ができるロータリーバルブの採用により、精米終了時間を正確に把握でき、ムダな待ち時間を削減できる
-など。
8.大竹製作所が操作性と選別力が向上した籾すり機を発売
インペラ揺動籾すり機「ハイダップSY12R」の販売を開始した。2.5インチクラスのSY10Rに自動循環排出機構「マジックアイPlus+」を搭載し、モデルチェンジし、発表した。際立つ操作性と確かな選別の2つを極めたフラッグシップモデルとして、作業の省力化、効率化に貢献する。「マジックアイPlus+」は調整の煩わしさから解放する。
主な特徴は、
- 高脱ぷなインペラ方式と、独自の広く選別板を使用する揺動選別に自動循環排出・自動切替制御を搭載
- イナコウジの選別が抜群で、インペラのため潰さず、揺動選別で確実に分けることができ、機外に素早く排出も可能。除塵装置を標準装備している
- 多種多様な籾や籾殻を排出する方法に合わせて選別の調整が可能
- ダップファンの交換や掃除がホッパーを外さずに簡単にメンテナンス作業ができる
- 除塵装置を標準装備し、ヌカやほこりが少なくきれいに仕上げる
- 広い開口部で選別部を明るく見やすい
- 異物取りスポークで従来機よりも細かい異物も除くことができる
-など。
<業界短信9月>
1.IHIアグリテックがブロードキャスタ対象点検アプリのモニター募集
点検アプリのトライアルを実施し、そのモニターを募集、参加者にはAmazonギフト券を贈呈する。機械の点検・整備に関してアフターサービスの一環として「より分かりやすく、扱いやすい製品」を目指し、点検アプリを開発。これによりスマートフォンを使ってより簡単に点検・整備を理解し、シーズン前、あるいは日々の点検・整備作業に役立たせることができる。
対象機種はブロードキャスタで、使用する農家は
- QRコードからアプリをダウンロード
- 実際にアプリを使い
- アンケートにも回答して、アプリに登録された機体番号をもとに同社の製品であることが確認されればAmazonギフト券が贈られる。
同社は、日々の農作業の中で、トラブルで仕事がはかどらない、エラーが出たが対処法が分からない-などの悩みを同アプリで解決してほしいとしており、モニターへの積極的参加を呼びかけている。
2.クボタがエンジン事業100周年記念特設サイトを開設
今年エンジン事業が100周年を迎えたことを記念して、特設サイト「Kubota Engine Discovery」をオープンした。
同社は1922年に農耕用石油発動機A形の生産を開始して以来、様々な産業機械の動力源として高品質なエンジンの供給を続け、これまでに累計3000万台超の産業用エンジンを世界中に送り出してきた。現在製造するエンジンのバリエーションは3000種類にものぼる。「今後もお客様や社会の様々なニーズに寄り添うエンジンメーカーとして製品ラインアップを揃え、快適な生活環境の創造に貢献し、地球と人の未来を支え続けます」としている。
サイトのコンテンツは、クボタエンジン100年の足跡を紹介し、魅力を伝える6つのコンテンツを用意。
- Concept=ウェブサイトのコンセプトを表現した映像
- Story=クボタエンジン100年の歴史とこれからを追う物語
- Gallary=100年間で製造してきたエンジンモデルを、360度から眺めることができる3D画像で紹介
- Factory=クボタエンジンの設計・開発から出荷に至るまでの製造工程を動画で紹介
- Dictionary=クボタエンジンにまつわるキーワードやエンジンの専門用語を紹介
- Magazine=さまざまなトピックスからクボタエンジンを紐解く読み物
-となっている。
3.ヤンマーが長居公園に新施設オープン
ヤンマーホールディングスのグループ会社、わくわくパーククリエイトが管理する長居公園において、ヤンマー直営レストラン「YANMAR MARCHE NAGAI」をはじめ、セレッソフットサルコートや本格アスレチック「ボウケンノモリNAGAI」、「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」など、食やスポーツ、アートを体験できる新たな施設がオープンした。
メディア内覧会にて、わくわくパーククリエイトの神原清孝社長は「『みんなわくわく、明日もわくわく』をコンセプトとし、長居公園を訪れる皆様に、食、スポーツ、アート、学びの4つのテーマを軸とした、わくわくできる体験を提供すると共に、園内の温室効果ガスフリーやバイオコンポスターによる資源循環や池の浄化など、環境改善にも取り組んでいる。今回オープンした新施設は、どこにでもあるものや店舗ではなく、ここでしか出会えないこだわりを伝えてくれることをテーマに厳選した。多くのお客様に遊びに来てほしい」と挨拶した。
また、ヤンマーマルシェ・山岡照幸社長は「この度、国内第一号となるヤンマーマルシェナガイをオープンする。このレストランで提供する料理やドリンクは、一次産業向けに事業展開してきたヤンマーらしく、野菜や果物をふんだんに使用している。フードロス削減に向けた取り組みや、食に関するキッズイベントも展開し、食の持続可能性の向上を図りたい」と挨拶した。
4.井関農機が兵庫で夢ある農業女子応援プロジェクトを開催
「夢ある農業女子応援Project in兵庫」を兵庫県丹波市で開催した。午前中は丹波地域活性委員会の取り組みや環境保全型農業の紹介、午後は圃場で、農業女子プロジェクトのコラボで誕生したミニ耕うん機、刈払機の安全な操作方法や使い方のコツなどを実習形式で行った。
午前中は座学の部で、会場となった「ロカッセ・タンバ」の清水代表が、丹波地域活性委員会による就農支援や、丹波産農作物の販売などの活動を紹介した。その後、井関農機・夢ある農業ソリューション推進部の三輪田克志部長により、今年末に発売予定の「アイガモロボ」や「ファーモ」など、最新の省力化機械を活用した環境保全型農業についてのプレゼンが行われた。同部長は、農林水産省の農業の環境負荷低減を目指す「みどりの食料システム戦略」の対応として、これら機械やシステムの有効活用を訴えた。
午後からは圃場に移動し、同プロジェクトのコラボで誕生したというミニ耕うん機「ちょこプチ」シリーズと、刈払機や「スパイダーモア」などの草刈機の実習。参加者たちは講習スタッフの話に熱心に耳を傾け、積極的に試用機を操作した。バッテリータイプの刈払い機を初めて使用した参加者からは「軽いし、ガソリンの臭いがしないのが良い」と好評だった。
https://www.iseki.co.jp/cms/upload/pdf/agrinews/noujyo_20220805.pdf
5.タイガーカワシマの種籾選別機がタイ・米科学研で落札
タイのスパンブリー県にあるタイ王国・米科学研究所が公募した米関連機器の入札において、6月にタイガーカワシマ・タイランドが製造した61台の種籾選別機「STS-600」が落札したことを明らかにした。落札した種籾選別機は、8月から9月にかけ、タイのスパンブリー県・カンチャナブリー県にあるコミュニティ・ライスセンター(地域の農家グループ)に順次納品。「STS-600」は、同社・タイランドとタイ王国米作局との共同開発で、粗選別・風力選別・粒径選別が一体となったコンパクトな製品。粒径選別網を入れ替えることにより、米の品種ごとの最適な選別が行え、小さな種籾や玄米、ゴミなどを取り除き、発芽や生育が良い健全な種籾を作る。
同機はすでに簡便で高品質の種籾を作る選別機としてASEAN各国で使用されており、高い評価を得ている。タイでは、かねてより地域の核となる農家グループの育成に力を入れている。核となる農家グループは高品質な種籾を生産することで、タイ国内の種籾不足解消、また、収入の増加、サステナビリティーに貢献している。
6.キャニコム、クボタが機械工業デザイン賞審査委員会特別賞を受賞
第52回機械工業デザイン賞IDEAの贈賞式が都内の経団連会館国際会議室で行われ、農機業界からはキャニコムが「四季折々草刈機りんごブラッサムまさおCM2205」、クボタが「色彩選別機KG-S110X」でそれぞれ審査委員会特別賞を受賞、キャニコムからは包行均会長、クボタからは道信和彦インプルメント事業部農業ソリューション事業ユニット長が出席し、表彰を受けた。日刊工業新聞社が主催する同賞は1970年からスタートし、第2次現物審査を経て実際的に産業界に寄与できる製品を顕彰するところに特徴がある。今回は36社から38件の応募があり、特に中小企業からの応募は昨年から倍増し、内容は多岐にわたった。
キャニコムの包行会長は「美空ひばりのりんご追分が発想の原点」と語り、今後さらにぶどうなどへ対象品目を広げて研究開発を進めるとした。クボタは「今回の受賞を励みに日本農業の競争力強化に向けた製品、サービス、ソリューションの提供を通じて、お客様の経営課題を力強くサポートし、日本農業を支えてまいります」としている。
7.JA全農が第46回通常総代会
都内のパレスホテル東京で、第46回通常総代会を開き、令和3年度事業報告などを承認した。3年度の取扱高は4兆4724億円で、計画比99%、前年比103%となった。農機実績は1238億円で、計画比99%、前年比94%。共同購入トラクター(中型)の供給実績は1713台で、計画の1400台を上回る結果となった。取扱高については、全体では前年実績を上回った。米穀農産事業は6691億円、前年比102%、園芸事業は1兆1022億円、同98%、営農・採算資材事業は7784億円、同99%、畜産事業は1兆856億円、同106%、生活関連事業は8371億円、同114%となった。
生産基盤の確立対策としては営農管理システム「Z-GIS」の普及推進は、ID発行数が累計1625で、目標の2000を下回った。生分解性マルチの取り扱いは7万本で、目標の4.5万本を上回った。米の統一フレキシブルコンテナの普及は12万3000枚で目標の6万枚を大きく上回った。
8.日本農業機械工業会が4年上期の農機輸出入実績と動態統計を発表
2022年上半期(1~6月)の農業機械輸出入実績(財務省通関統計)によると、1~6月の輸出金額は累計1627億9892万円で、前年比115.0%に増えた。輸入金額は483億8113万円、同118.2%と2桁増。累計輸出実績を機種別にみると、トラ・コン・田の主要機種が好調。乗用トラクターは台数が5万7647台で前年比100.2%、金額は1153億1145万円で同114.1%と金額が増加した。コンバインは台数が1679台で101.5%、金額は69億6263万円で119.4%と金額が約2割伸びた。
また、経済産業省生産動態統計に基づく農業機械生産出荷実績の2022年1~6月分をみると、累計生産金額は2261億9600万円で前年同期比93.3%、累計出荷金額は2303億9700万円で同99.4%に減少した。機種別でみると、トラクターは数量が7万8028台で前年同期比97.4%、金額は1433億2200万円で同95.7%に減少した。20PS未満は5496台(前年同機比136.1%)に大幅増。20~30PSは3万604台(同101.5%)。30PS以上は4万1928台(同91.3%)となった。田植機は1万2651台(同92.0%)。コンバインは5511台(同102.4%)だった。
9.クボタがオンラインイベント
GROUNDBREAKERS SUMMER NIGHTを開催
クボタがオンラインイベントGROUNDBREAKERS SUMMER NIGHTを開催
農業経営者や農業関係者とともに日本農業の現状とこれからを考える機会のひとつとして、オンラインイベント「GROUNDBREAKERS SUMMER NIGHT LIVE2022」を開催した。同社では、「GROUNDBREAKERS-日本農業の未来へ」を過去2回開催、多くの参加者を得た。今回は「SUMMER NIGHIT LIVE」として、夜の時間帯に開催した。
主なコンテンツは「農業経営の可能性がひろがる」をテーマに、
- この夏に届けたい商品紹介、生放送で視聴者からの質問にも回答、
- 過去たくさん好評の声をいただいている農家事例インタビュー
- 前回話題になったKSAS先輩の続編
- 興味関心に合わせてコンテンツを選んで視聴できる選択セッション(KSAS、スマート農業をみんなで楽しく学ぶライブトーク、親世代、子世代それぞれの視点で語る事業継承、多彩なゲストが語る農産物の価値を効果的に届けるためのSNS&メディア活用)
-など。
10.クボタが2022年12月期第2四半期連結決算を発表
オンラインで会見し、2022年12月期第2四半期連結業績(IFRS=国際財務報告基準、連結対象子会社は国内57社、海外140社)を発表した。それによると、売上高は1兆2604億8000万円(前年同期比14.4%増)と第2四半期としては昨年に続き過去最高を更新。損益面では営業利益は1210億300万円(同18.0%減)、税引前利益1315億8700万円(同11.9%減)、四半期利益1019億7000万円(同9.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は912億4600万円(同11.4%減)と減益となった。農機・エンジン部門の売上高は8752億4500万円(同16.5%増)、うち国内は1385億2400万円(同3.8%減)、海外は7367億2100万円(同21.7%増)となった。
2022年12月期連結業績予想は、前回予想時(2022年2月14日)から上方修正し、売上高2兆6400億円(同20.2%増)、営業利益2600億円(同5.6%増)、税引前利益2730億円(同8.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1850億円(同5.3%増)と史上最高を予想した。
https://www.kubota.co.jp/ir/financial/briefnote/data/133q2.pdf
11.ヤンマーアグリジャパンがオンライン実演会を開催
3回にわたりオンラインイベント「ヤンマーアグリジャパンオンラインEXPO 2022 SUMMER」を開催した。「家庭菜園を楽しもう!」がテーマでミニ耕うん機のオンライン実演会、「ほ場の約9割を自動操舵で刈取り」として今年6月から発売したオートコンバイン「YH6115」、「誰でも簡単、まっすぐ作業!」として同じく6月から発売した直進アシストトラクター「YT3R」の新商品発表会を開催し、それぞれ深掘りして紹介した。
ミニ耕うん機オンライン実演会では、野菜がよく育つために必要な土づくりのポイントを説明しつつ、各生産者にピッタリなミニ耕うん機が見つかる実演会として、ヤンマーのミニ耕うん機4機種の特徴を実演の様子を交えて紹介した。7月に発売された新商品のYK301QTシリーズをはじめ、YK300FP、YK400CR、YK-MRシリーズをアピールした。
直進アシストトラクター「YT3R」の新商品発表会では「YT3R」について、実際の動画をもとに「直進アシスト」の活用法から開発者の声、実演会で試乗した農家の声まで幅広く紹介し、誰でも簡単にまっすぐ作業できるYT3Rの特徴をわかりやすく説明した。
https://www.yanmar.com/jp/agri/campaign/2022/08/online_seminar.html
12.タカキタが2023年3月期第1四半期業績を発表
2023年3月期第1四半期決算(日本基準)を発表した。それによると、売上高は17億8100万円(前年同期比1.1%減)、営業利益は1億7600万円(同2.5%減)、経常利益1億8900万円(同0.2%減)、四半期純利益1億2900万円(同1.3%減)、1株当たり四半期純利益は11円31銭(前年同期は11円39銭)、潜在株式調整後1株当たり四半期純利益は11円20銭(前年同期は11円30銭)となった。なお、自己資本比率は77.6%(2022年3月期は79.2%)。
2023年3月期の業績予想は売上高72億円(前期比2.5%増)、営業利益4億円(同24.5%減)、経常利益4億5000万円(同24.2%減)当期純利益3億円(同25.0%減)とし、5月11日に発表した予想を据え置いた。
http://www.takakita-net.co.jp/takakita2020/wp-content/uploads/2022/07/2022072801.pdf
13.JA全中がJAグループの5年度農業関係予算要請
都内の砂防会館別館で「生産資材高騰対策等基本農政確立緊急全国大会」を開き、政府に対する令和5年度農業関係予算に関する要請を確認した。食料安全保障の強化や国産国消の国民理解醸成の取り組みなどを重視している。要請では、将来にわたる食料の安定供給の確保等に向け、以下の事項の実現を強く要請するとしている。
- 食料安全保障の強化に向けた大胆な対策の拡充・強化
- みどりの食料システム戦略もふまえた環境調和型農業の推進
- 地域の話し合いによる将来を見据えた活力ある産地づくりの推進
- 国産農畜産物の輸出需要拡大の促進等
- 品目別対策
- 災害・感染症等に強い農業づくり対策
-など。
14.井関農機が2022年12月期第2四半期連結業績を発表
オンラインで記者会見し、2022年12月期第2四半期の連結業績(日本基準)を発表した。それによると、売上高は867億2100万円(前年同期比0.1%増)、営業利益25億6700万円(同45.6%減)、経常利益33億2800万円(同39.6%減)、親会社に帰属する四半期純利益25億7800万円(同37.5%減)となった。また、通期の連結業績予想は据え置いた。
国内においては、経営継続補助金などに伴う需要喚起の反動や米価下落による購買意欲減退などにより減少。国内売上高は前年同期比50億8700万円減少の575億4200万円(同8.1%減)となった。
海外においては全地域で増収となり、北米ではコンパクトトラクターは調整局面も現地在庫レベル回復に向けた堅調な受注により増加、欧州ではライフスタイルの変化に伴い、コンシューマー向けを中心に販売が伸長、加えて景観整備向け需要の回復に伴うプロ向け販売も増加した。アジアでは韓国での排出ガス規制前の出荷増により、海外売上高は前年同期比51億3600万円増加の291億7800万円(同21.4%増)となった。
15.三菱マヒンドラ農機が更別農業高校創立70周年を支援、
齋藤社長が表敬
齋藤社長らが北海道更別農業高等学校を表敬訪問し、同校の伊與部明校長らと懇談した。同校は今年創立70周年を迎える。その記念行事の一環として、先進技術を用いてヒマワリ緑肥の畑アート制作を進めている。制作に当たっては、GPSを用いたトラクターと作業機の同調制御技術が評価され、同社がこれに協力・支援している。
懇談の中で伊與部校長からは「十勝は本州に比べると広い圃場を持っており、GPSによるスマート農業の良さを発揮しやすい地域だと思う。地域の企業と強く連携を持ち、子どもたちにも最先端の技術や機械を学んで欲しい」と要望した。これに対し、齋藤社長は「農業に対する従来のイメージを変える意味でも、生徒さんにスマート農業への関心を持ってもらうことは非常にいいことだと考えている。農業に対するイメージが向上して、〝農業で旗揚げしよう〟という気持ちになって頂ければ、北海道の農業、ひいては日本の農業も活気づいていくのではないか。日本中で農家の担い手や人手不足が深刻化している中、若い世代の方が農業に魅力を感じてもらうことはとても大事だ」と今回の活動の意義を強調した。
http://www.sarabetsunougyou.hokkaido-c.ed.jp/?action=
common_download_main&upload_id=465
16.サタケが米分析サービスサイトを全面刷新
「コメドック」専用サイトを全面リニューアルし、ほぼ全ての米分析サービスが24時間申し込み可能なウェブサイトとして公開した。
2021年10月に、分析サービスの一部である米品質診断サービスパッケージ「コメドック」と「コメドックごはん」の専用サイトを開設し、オンラインで申込みから支払いまで手軽に処理できるようになったが、他の分析サービスは専用の依頼書をファックスもしくは電子メール添付で申込み手続きを行い、決済は口座振込のみとなっていた。今回、全面刷新した同サイトは、異物分析を除く全ての分析サービスが従来通りの手続きに加え、オンラインでも申込み・決済ができるようになった。サイトの刷新にともない、紙の使用量を削減しSDGsに貢献するため、分析結果報告書の電子化も開始した。今後は、紙の報告書の発行および送付は有料となる。手数料は550円(税込み・以下同)、異物分析の報告書は1100円。
17.井関農機の特許査定率が全産業中3年連続日本一
特許庁が発表した「特許行政年次報告書2022年版」によると、特許における分野別登録数で2021年「その他の特殊機械分野」において井関農機が日本で第2位、また特許査定率(特許査定件数を、特許査定件数+拒絶査定件数+取下・放棄件数で除したもの)は97.2%で、3年連続「全産業中」第1位に輝いたことを明らかにした。
同社では、「当社の日本における特許出願の分野別登録数の多さや高い特許査定率は、新しい技術の開発、投入、実用化に積極的に取り組んできた技術開発の証し」とし、今後も、知的財産を重視した事業活動に取り組んでいくとしている。
https://www.iseki.co.jp/cms/upload/pdf/news/co_20220810_2.pdf
18.スズテックがセルトレイ全自動播種機で
栃木県フロンティア企業認証
栃木県が行っている「栃木県フロンティア企業」(県内で独自の優れた技術や市場占有率の高い製品を保有する企業を認証)の令和4年度の認証を、セルトレイ全自動播種機“STH2009”(6月1日付)で受けたことを明らかにした。
令和4年度「栃木県フロンティア企業」のセルトレイ全自動播種機の認証は、昨年度の水稲育苗用播種機“TRK4000”に続き7回目。今回認証を受けた“STH2009”は、キャベツ・レタス・ブロッコリー・白菜などを生産する大規模農家において、苗づくりのために行うセルトレイへの土入れ・灌水・鎮圧・播種・覆土といった作業を機械化し一貫して行うことで、省力化、軽労化を図る製品。
認証企業は県から各種支援を受けることができる。認証期間は、令和7年5月までの3年間。同社では「今後も栃木県からのご支援を頂きながら、当社独自技術により、お客様のお役に立てる、低コスト・省力化を第一に考えた商品開発を進めてまいります」とコメントしている。
19.JA全中が食料安全保障強化を決議
都内のホテルニューオータニで定例会見を行い、同日開催した通常総会で、食料安全保障の強化に取り組むことを特別決議したことを明らかにした。
中家会長は「今総会では、現在、農業を取り巻く環境が、過去に例がないほどに危機的な状況にあることを踏まえ、安全で安心な国産農畜産物を安定的に供給するという使命を果たすべく、JAグループが一致団結し、食料安全保障の強化に取り組むことを特別決議として確認した」と報告した。
また、10月16日の「国消国産の日」を中心として、今年10月の1カ月を「国消国産月間」とする。「国民が必要として消費する食料は、できるだけその国で生産する」という「国消国産」をキーワードに、10月16日の「国消国産の日」を中心として、今年10月の1か月を「国消国産月間」と位置づけ、国民の皆さまに、「食」を生み出す「農」の実態や課題への理解を深めるとともに、日々の行動変化、つまり、国産の農畜産物を手に取るきっかけづくりとなる取り組みを展開して展開していく。
20.やまびこが2022年12月期第2四半期連結決算を発表
2022年12月第2四半期の連結業績(2022年1月1日~2022年6月30日)の決算短信を発表した。それによると、売上高は796億4000万円(対前年同期比4.2%増)、営業利益63億6700万円(同7.2%減)、経常利益75億6800万円(同4.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益58億5000万円(同8.5%増)となった。
同期における概要は、小型屋外作業機械事業が、北米でプロユーザー向けの需要が堅調に推移した一方、ホームオーナーを中心とした需要が減少。農業用管理機械事業は海外が好調な一方、国内は経営継続補助金需要の反動に加え、一部仕入商品の調達が滞ったことから販売が減少した。海外では、北米の穀物価格が高値安定する市場環境に支えられ好調に推移した。一般産業用機械事業は、国内向け一部製品に回復の兆しが見え始めたものの減少した。
同社グループは主力の小型屋外作業機械において、海外では引き続きプロ向け「Xシリーズ」製品の拡販を進めるとともに、国内外で期初に投入したバッテリー製品シリーズの販売を推進した。また、急激に進むコスト上昇に対しては製品・地域毎に適切なタイミングで価格転嫁を行うなど、収益改善にも注力した。
21.本田技研工業が2022年度第1四半期決算を発表
2022年度第1四半期決算および通期業績見通しを発表した。それによると、第1四半期の営業利益は、半導体の供給不足や上海ロックダウンの影響による四輪販売台数の減少、原材料価格高騰の影響などはあったものの、売価・コスト影響やインセンティブの削減、為替影響などにより、前年並みの営業利益率を確保し、2222億円(前年同期比209億円増益)となった。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、中国での持分法による投資利益の減少などにより、1492億円(前年同期比732億円増益)であった。通期業績見通しは、前回見通しに対して、営業利益は200億円増益の8300億円。通期での親会社の所有者に帰属する当期利益は、前回同様7100億円となった。
パワープロダクツ事業及びその他の事業は、73億円(前年同期比77億円の増益)。同事業の第1四半期の連結売上げ台数は154万6000台で、前年に比べ16万2000台減となった。