令和4年8月10日発行
<業界短信-新製品8月>
- 松山が中小型トラクター用ロータリをフルモデルチェンジ
- IHIアグリテックがハンマーナイフ式のリモコン型小型草刈機発表
- ヤンマーアグリが野菜移植機の新製品発売
- 三菱マヒンドラ農機が2022年度下期新製品を発表
- 静岡製機が業務用大型多目的電気乾燥機を発売
- サタケがマジックライス新製品「ななこめっつ」シリーズ発売
<業界短信8月>
- クボタが「KSAS API」提供、社外との連携開始
- ヤンマーホールディングスが2022年3月期連結業績、グループ中期戦略を発表
- 井関農機がドイツの販売代理店を子会社化
- 井関農機がコイン精米機40周年でキャンペーン
- サタケが米品質診断を特別価格で提供するキャンペーン
- クボタがドローンのWEBセミナー
- JA全農が米で作る鶏用飼料の特許を取得
- クボタの横形ディーゼルエンジンRK150が中国の排ガス規制認証取得
- クボタが米国で故障診断アプリの対象拡大
- ヤンマーアグリジャパンがトップ人事
- クボタがグループ統合報告書2022を発行
- 三菱マヒンドラ農機がコンバイン購入で燃料代200L相当プレゼントキャンペーン
- スガノ農機が土の館で2022フェア開催
- クボタがイタリアの芝刈機メーカーをグループ会社化
- 日本農業機械工業会が2022年上期日農工統計を発表
- JA全中が資材高騰対策等基本農政確立緊急全国大会
<業界短信-新製品8月>
1.松山が中小型トラクター用ロータリをフルモデルチェンジ
基本性能と耐久性で好評のニプロロータリの中小型トラクター用モデルをフルモデルチェンジ、新発売した。
新発売したのは、
- ニプロロータリ「CBX20シリーズ」
- 「CX20シリーズ」
- 「SX20シリーズ」
- 「AXS20シリーズ」
-の4シリーズ。
CX20シリーズは、従来機に比べて機体バランスの軽量化を図り、トラクターへのマッチングバランスが向上した。SX20シリーズは、2.2m幅を追加、適応馬力も60馬力にアップした。AXS20シリーズは、後尾輪仕様で適応馬力は60馬力にアップした。
SX20とAXS20シリーズのフランジ仕様とホルダー仕様には新型ブラウン爪(溶着G爪)を採用した。耐摩耗性は従来機に比べてフランジタイプでは約1.3倍、ホルダータイプでは約1.7倍にアップした。また「均平板らくらくアシスト」を採用し、洗車時、爪交換時に重い均平板を持ち上げる際の負担を50%軽減した。耕うん部カバー、側板、均平板下部にステンレスカバーを採用し、土の付着を抑えた。均平板下部のステンレスカバーも交換が可能になり、厚さも従来機より1.5倍で耐久性が向上した。
2.IHIアグリテックがハンマーナイフ式のリモコン型小型草刈機発表
リモコンで操作できる小型ハンマーナイフ式草刈機の販売を開始すると発表した。「リモコン小型ハンマーナイフモアSH950RC」は、農研機構、福島県農業総合センターと共同で開発した技術成果を用いたプロユース仕様の製品。初年度は限定台数の販売とし、2025年には300台を目指すとの販売目標を掲げている。
主な特徴は、
- 油圧駆動とハンマーナイフモアの採用で1mを超える草丈の草が生い茂った場所でも力に草刈り作業を進めることができる
- 危険性の高い急斜面ではリモコン操作による安全性が生きてくる。性能的には、最大45度の急勾配斜面でも作業でき、市販の草刈機(リモコン式、自走式、刈払機)の2倍以上の作業能率
- 同等クラスでは最高の走行速度(時速4.9km)と同等クラス最大の作業幅(950mm)により、省力・軽労化に貢献
- クローラの足回りで最大45度の急勾配に対応し、軽トラックに積載可能なため、移動がラク
- 正回転・逆回転の切り替えで草の飛散を防ぎ、傾斜角度やエラーの発生などは液晶画面に表示されるため、安全に作業が進められる
-など。
3.ヤンマーアグリが野菜移植機の新製品発売
乗用汎用たまねぎ移植機「PH40RAシリーズ」を7月から、乗用汎用野菜移植機「PH20RAシリーズ」と、全自動クローラ野菜移植機「PW10C」を8月から発売した。3機種とも国内排ガス自主規制に対応したエンジンを搭載するとともに、野菜移植作業の省人化・省力化を実現する機能、より使いやすい機能を追加してモデルチェンジした。
乗用汎用たまねぎ移植機及び乗用汎用野菜移植機の主な特徴は、
- 快適に作業ができる乗用タイプ。機械に乗った状態でロータリーポットに苗を入れるだけなので、苗の供給に集中でき、作業性が向上
- シートを後ろ向きに配置しているため、植付けた苗を確認しながら作業ができて効率的
- 日本陸用内燃機関協会の3次排ガス自主規制に対応したクリーンなエンジンを搭載
- 従来製品よりも振動や騒音が少なく、長時間の作業でもオペレータの負担が少なくなった
- 軽い力でエンジンが始動でき、操作性・環境性の両立を実現
- 乗車席のシートは前後4段階に調節可能になり、自分の体形にあった座席位置で作業できるので、作業時の疲労軽減に貢献
-など。
一方、全自動クローラ野菜移植機の主な特徴は、
- 安定した作業性。クローラタイプなので傾斜の多い圃場でも機体が安定。株間がずれにくく、植付け精度が向上
- 転輪内側をシールカバーで覆うことで、泥や砂などの侵入を防止。覆土ローラのスクレーパを針金状に変更し、石噛みによる回転ロックを防止
- 機体の中心位置を手動で設定できる「自動水平制御装置」で、傾斜地などでも高精度な植付け作業が可能となった
- 開孔器は横開きで、草丈の長い苗などに適応性が良く、植付け後は覆土輪でしっかり土寄せするので、安定した植付けができる
-など。
4.三菱マヒンドラ農機が2022年度下期新製品を発表
2022年度下期新製品として三菱トラクター「GSE242M」(マイコン制御搭載特別仕様車)、三菱ハーフクローラトラクター「GFK17」、同「GSK21・23」、三菱田植機「LD5」(5条植え、9.5馬力ガソリンエンジン)、三菱バインダ「MB115・215・225」を発表した。
三菱ハーフクローラトラクター「GSK21・23」は、兼業農家・小規模農家など後継者不足・高齢化が進む中山間地域の水田農家が、安心して楽に作業できるハーフクローラトラクター。
主な特徴は、
- 粘り強い大排気量エンジンE-TVCSを搭載。低速から高速まで、パワフルで力強い
- 全長2370、全幅1260mmとコンパクトなボディで小回りが利くので、狭い道幅でも安全に通行が可能
- 1秒間に数cm(約6cm/秒)のスピードの超低速クリープ走行を備えており、あぜ越えも落ち着いてできる
-など。
三菱バインダMB115、215、225は山間地・小区画農家に好評のバインダMBシリーズに始動性の良い三菱エンジンを搭載。マイナーチェンジ機として市場投入する。
主な特徴は、
- 始動性の良いパワーアップ&低騒音エンジンを採用。3.6Lの大容量燃料タンクを備え、燃料補給回数を抑え、より長時間の連続作業が可能に
- 機体も軽量化し、機体の中心に近い重心位置でバランスを取りやすく湿田でも安定した作業性能を発揮
- 機体にメンテナンス情報を観覧できるQRコードを添付。作業前後やメンテナンスの際、すぐに情報が確認できる
-など。
5.静岡製機が業務用大型多目的電気乾燥機を発売
かねてより開発を進めていた、トレイ受け一体型ステンレス台車の業務用大型多目的電気乾燥機「DSS-18」を完成、台数限定(その後は予約受注生産)で発売を開始した。これにより、多目的電気乾燥機ドラッピーは、家庭用小型から業務用中型、業務用大型タイプとよりシリーズが拡充した。
同機の主な特徴は、
- これまでの多目的電気乾燥機と異なり、熱風吹き出し口と、18段トレイ受けが台車と一体構造となっているため本体から完全に分離でき、トレイ入れ替え作業がスムーズに行える
- 汎用的な電気乾燥モードに加え、新たに干芋乾燥モード(設定温度までゆっくり昇温)を搭載。干芋に最適な乾燥制御を、ワンタッチで操作可能
- 18段のトレイ受けに温風吹き出し口を装備し、マルチ気流方式によりムラなく乾燥
- 本体内面・台車がステンレス製のため、水拭きが可能で、常に衛生的に保てる
- 台車へのトレイ(市販品のプラスチック製トレイ・木製トレイ)は、前・左右のどこからでも出し入れ可能
-など。
6.サタケがマジックライス新製品「ななこめっつ」シリーズ発売
非常食やアウトドアなどで美味しく食べられる乾燥米飯「マジックライス」から、保存期間を従来商品の5年間から7年間へ延長し、調理時間を15分から7分に短縮した新商品「ななこめっつ」シリーズを8月より発売。
マジックライスは、お湯または水を入れるだけで簡単に調理できる乾燥米飯で、長期保存可能な非常食として、多く愛用されている。
「ななこめっつ」シリーズのラインアップは個食タイプが白飯、五目ご飯、わかめご飯、青菜ご飯の4種類、炊き出し用が白飯、五目ご飯、わかめご飯の3種類。従来のマジックライスシリーズと同様、アレルギー物質(特定原材料等)28品目不使用。
マジックライスの主な特徴は、
- 長く持つ
- 早くできる
- アレルギー対応
- 環境への配慮
- 粒感のしっかりとした食感
-など。
<業界短信8月>
1.クボタが「KSAS API」提供、社外との連携開始
営農支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」に蓄積する営農データを、他社がサービス提供する各種システムで利用できるようにするため、システム開発者向けに「KSAS API」の提供を開始。KSASと他社システムを併用するユーザーの利便性向上に加え、KSASが蓄積する豊富なデータを利用可能にすることで、社外パートナーによる新たなシステムやサービスの開発を促し、スマート農業の推進を通じた日本農業への貢献を目指す。
このねらいや背景について、サービス開始から約8年が経過し、他社からも農業に係るシステムが数多くリリースされ、システム間でのデータ相互利用などのニーズが顕在化してきていることや、政府からもデータ利活用がしやすい環境の整備が求められていることを示した。これまで既にWAGRIを通して農機の稼働情報等のデータを提供しているが、さらに農地情報や作業履歴といったKSASに蓄積されているデータもオープン化し、他社システムと容易に連携できるよう「KSAS API」の提供も開始した。
2.ヤンマーホールディングスが2022年3月期連結業績、
グループ中期戦略を発表
本社で記者会見し、2022年3月期の連結業績を発表するとともに、このほど策定した2022年度から2025年度までのヤンマーグループ中期戦略「チェンジ&チャレンジMTP2025」の内容を明らかにした。
それによると、2022年3月期は2020年度から進めてきた構造改革により、すべての事業において増収増益となり、グループにおける売上高は8714億5300万円(前年比11.4%増)、経常利益489億9100万円(同54.2%増)と過去最高となった。アグリ事業は、国内売上高は横ばいながら、海外は891億円(同22.6%)増加し、海外売上比率は55.5%まで上昇した。2023年3月期の連結業績見通しは、売上高9300億円(同6.7%増)経常利益400億円(同18.4%減)とし、経常利益は減益ながら「前期実績から為替影響を除いた実績値を維持する」としている。
中期戦略では2025年度目標として売上高1兆800億円、経常利益580億円、経常利益率5.4%、海外売上高比率60%を掲げる一方、同社製品の使用時に排出されるGHG(温室効果ガス)削減に向け、最終商品を含むすべての製品を2050年までにフルグリーン化することに取り組むとし、「2025年までに電動パワートレイン・電動農業機械などの商品化を目指す」とした。
3.井関農機がドイツの販売代理店を子会社化
取締役会で、欧州の同社販売代理店Iseki Maschinen GmbH(ヰセキドイツ)の株式を増資引き受けにより追加取得し、連結子会社化することについて、決議した。これにより、井関農機の同社への出資比率は19%から40%に高まる。出資比率の変更日は2022年7月26日。
井関農機は、欧州・北米・アジアをグローバル戦略における重点地域として海外事業展開している。欧州市場における事業の中でドイツ市場はフランスに次ぐ売上を占める重要な地域である。今回の追加株式取得により、販売・サービスのみならず、市場ニーズを早期に取り込んだ商品開発や現地での設計までの一貫した事業が、欧州市場において可能となり、更なるブランド強化を図っていく。ベルギーのヨーロッパヰセキ社、フランスのヰセキフランス社との連携を強化することで、欧州市場におけるプレゼンスを更に高めていく。代表者については、現代表のマーチン・ホフマン氏に加え、福田隆臣氏が2022年7月1日付で代表取締役に就任し、2名体制となった。
https://www.iseki.co.jp/cms/upload/pdf/news/up_img/1656480359-190741.pdf
4.井関農機がコイン精米機40周年でキャンペーン
同社のコイン精米機が40周年を迎えたことから、感謝の意を込めて抽選で400名にISEKIオリジナル「QUOカード」(2000円分)が当たるキャンペーンを実施している。応募期間は2022年7月1日~12月31日(当日消印有効)、応募資格は期間内にISEKIコイン精米機を利用した人。
応募方法は、
- コイン精米機内のポスターに記載の2次元バーコードから応募
- ISEKIコイン精米機公式Twitterアカウントをフォロー&リツイートし、必要事項をダイレクトメッセージで送付
- ハガキに必要事項を記入のうえポストへ投函(ハガキ、切手は応募者負担。またはキャンペーン特設サイトで専用ハガキのダウンロードも可能)
-の3種類が選べる。いずれも簡単なアンケートとキーワードが必要で、キーワードはコイン精米機内のポスターをチェックする。
5.サタケが米品質診断を特別価格で提供するキャンペーン
米の品種や食味などを分析し品質を評価する米品質診断サービスパッケージの、主に玄米を対象とした「コメドック」、主に白米を対象とした「コメドックごはん」について、特別価格で提供するキャンペーンを、11月30日まで実施。これまでコメドックまたはコメドックごはんを利用したことがあるか、3検体以上を一括で申込んだ場合には、さらにお得な特別価格も設定した。
また、2020年11月1日から食味値表彰(コメドックアワード)を実施している。コメドックアワードを受賞した生産者は、受賞者に贈られるオリジナルステッカーや表彰状を、生産する米のPRに活用するなど好評を得ている。これらのサービスをより多くのユーザーに利用してもらい、栽培や加工工程の改善につなげてもらうべく、今年も昨年に引き続きキャンペーンを実施している。
6.クボタがドローンのWEBセミナー
前回好評だったWEBセミナー「はじめての農業用ドローン教室」に続く、「もっと学ぼう!農業用ドローン教室〈2時間目〉」を開催した。実際にクボタドローンを使用しているさぬきの農代表取締役の梶原大介氏を迎え、導入のきっかけや活用事例などを聞きながら、ドローンの教習の様子や、新製品の紹介を行った。
梶原氏はドローンを6年前に導入。活用事例の紹介で梶原氏は、米と麦の防除や一部の野菜での防除、近隣農家から請負で農薬散布を行っており、自前の圃場だけでなく、地域の圃場への散布や、その有効さから新たに導入する近隣農家の呼び水ともなったことなどを述べた。また、鹿児島県の沖永良部島で行われたドローン教習の動画紹介では、パイロンを並べ、教官に見守られながら受講者が実際の散布を行う実技訓練や、座学で法律や規制、農薬の使い方、ドローンの特性、KSASなどについて学ぶ様子が映し出された。
https://lp-ag.kubota.co.jp/dronewebinar-20220624-archive.html
7.JA全農が米で作る鶏用飼料の特許を取得
「お米で作る鶏用飼料」の製法特許を取得したと発表した。飼料用米の生産振興につながり、畜産物の自給率向上や水田のフル活用促進に貢献するものと期待される。鶏卵の生産に用いる配合飼料のうち半分を占める穀類を、全て米にする技術で製法特許を取得したもの(特許第7076112号)。
これは、JA全農とJA全農北日本くみあい飼料が鶏卵の生産に用いる配合飼料の穀類を全て米にしても、卵黄の色や卵殻の硬さがばらつく、飼料が給餌機械の中で詰まりやすくなるなどの実用上の問題が起きにくくなる技術を開発したもの。この技術は養鶏飼料の穀類として主に用いられる輸入トウモロコシを国産米に置き換えることを可能にし、畜産物の自給率向上や水田の活用促進につなげることができる。JA全農北日本くみあい飼料は、同技術を活用して製造した飼料を東北地域の生産者に供給しており、生産された鶏卵はJA全農たまごが関東地域で販売している。JA全農は国産農畜産物を応援する取り組みとして、同技術の普及拡大に取り組むこととしている。
8.クボタの横形ディーゼルエンジンRK150が
中国の排ガス規制認証取得
単気筒の横形ディーゼルエンジン「RK150」が、中国ノンロードCI(圧縮点火)排ガス4次規制の認証を取得したと発表した。同社が培ってきた燃焼技術により、電子制御部品を使用せず規制に適合した機械式エンジンを中国横形ディーゼルエンジン市場に投入する。横形ディーゼルエンジンは、シンプルな構造のためメンテナンス作業を含めて扱いやすいことが特徴。耐久性が高く、東南アジアや南アジア、アフリカなど多くの国の農村部における過酷な使用環境で耕うん機や、かんがい用ポンプ、ボートの動力源など様々な用途に使用されている。
中国市場においては、電子制御エンジンのメンテナンスには、従来の機械式エンジンに比べて専門的な知識が必要となるため、メンテナンスがしやすい機械式エンジンのニーズがある。今年12月に施行される中国ノンロードCI排ガス4次規制において、同エンジンが該当する出力カテゴリーで、3次規制の要求レベルに加えインユース試験が追加されており、環境保全への取り組みが強化されている。中国排ガス規制の強化と市場のニーズを踏まえ、同社はこれまで培ってきた燃焼技術の知見を活かし、電子制御部品を使用することなく同規制値をクリアした。メンテナンスの容易性を確保した中国CI排ガス4次規制対応エンジンとして、同エンジンを中国市場に投入する。
9.クボタが米国で故障診断アプリの対象拡大
農業機械・建設機械の故障診断アプリ「Kubota Diagnostics(クボタダイアグノスティクス)」をアップデートし、対象製品を拡大した。
クボタダイアグノスティクスは機械のサービスエンジニア向けのスマホ用アプリで、米国でサービスを展開している。運転席に表示されるエラーコードや発生症状から故障箇所をスムーズに特定する診断フローを提供し、また3DモデルやARによる点検箇所の提示で診断作業をサポートすることで、機械の停止時間削減に寄与する。2020年のサービス開始時は小型建機の一部製品が対象だったが、7月にトラクターM5シリーズを対象製品に追加した。M5シリーズは米国で販売されている中型トラクターの代表的な機種であり、このアップデートによって、より多くのユーザーのダウンタイム削減を実現することが可能になる。同社は「今後もKubota Diagnosticsの対象製品・地域の拡大を進め、アフターサービスの品質向上に努めていく」としている。
10.ヤンマーアグリジャパンがトップ人事
6月27日開催の定時株主総会並びに取締役会において役員人事を決定した。新執行体制は次の通り。
代表取締役の渡辺丈氏、取締役の川尻彰氏は6月27日付で退任した。また、監査役の中川淳氏は6月30日付で退任し顧問に就任した。
新社長の小野寺誠氏は昭和43年10月17日生まれ。昭和62年4月ホクトヤンマー入社。平成25年4月ヤンマー農機事業本部国内推進部関連商品推進部作業機推進グループ課長、26年4月同事業本部企画部戦略グループ課長、27年4月ヤンマーアグリジャパン農機推進部副部長、令和元年8月ヤンマーアグリICT戦略推進室部長、4年7月同社代表取締役社長。
https://www.yanmar.com/jp/about/company/yaj/news/2022/07/01/110903.html
11.クボタがグループ統合報告書2022を発行
「クボタグループ統合報告書2022」を発行した。従来の「KUBOTA REPORT ダイジェスト版」から名称を一新し、機関投資家や株主などを中心としたステークホルダーの皆様に向けて内容を充実させた。同報告書では、中長期視点の経営戦略に沿って、持続的に企業価値を向上させるためのクボタグループの考え方と今後の展望を伝えている。今年は3つの特集を組み、2030年を見据えた長期ビジョン「GMB2030」の実現に向けた取り組み事例や、2050年に向けて環境面からのありたい姿を描く「環境ビジョン」、クボタ独自ESGである「K-ESG経営」の実現に向けた社外取締役からの提言を紹介している。
同社は「今後もクボタグループは、ESG経営を推進し、「食料・水・環境」の領域において、事業を通じた環境・社会課題の解決に貢献し続けることで、持続可能な企業として社会の皆様に信頼され必要とされ続ける企業グループをめざします」としている。
12.三菱マヒンドラ農機がコンバイン購入で
燃料代200L相当プレゼントキャンペーン
新車コンバインを納品する顧客を対象に「期間限定!燃料代200L相当プレゼントキャンペーン」を実施。期間は2022年7月から9月30日までで、この間にキャンペーン対象の新車コンバインを納品、かつ応募した全員に「三菱オリジナルブルゾン」をプレゼント。さらに抽選で10名に「軽油代200L(3万円相当)のQUOカードペイ」をプレゼントする。
キャンペーン対象製品は、V211A/213A、V216/218/318、V221/322/324、V325A、V335A/435A、450A、V465/475A/565/575A、V598A/698A/6120A、VCH750A、MCH400A/1150A。応募手順は、対象製品の新車を上記期間中に納品したうえで、10月28日までにキャンペーン応募フォームに必要事項を記入の上、製品付属品に同梱されている「保証書・納品説明確認カード」の必要項目が記入されているのを確認の上、PDFもしくはJpeg形式で特設サイトよりアップロードする。
13.スガノ農機が土の館で2022フェア開催
7月9~11の3日間、北海道上富良野町の土の館をメーン会場に「2022スガノフェア・イン・上富良野」を開催した。製品実演会、講演会、パネルディスカッション、現地視察などで機械技術、土壌、肥料に関する情報を発信した。北海道土を考える会との合同開催となり、コロナ禍で顔を合わせ難かった全国各地の土を考える農家同士も久しぶりに交流、農業に傾ける情熱を確かめ合った。同社は今年、創業105年の佳節を迎えた。本来なら帯広国際農機展の場を活用するところだが、コロナ禍で延期されたこともあり、新製品その他の発表機会として今回のフェアを企画した。
初日、2日目の午前中は、折りたたみ式スタブルカルチ、浅耕リバーシブルプラウ、リボーンローラー、ミックスロータリー、カットロータリー、バーチカルハロー、直装式および牽引式レーザーレベラー、そして今後発売にかかるロードメーカー、畦成型機、次世代レベラー、深層施肥機などの新製品、推奨製品を実演を交えながら説明。また、農場それぞれのニーズに応えた特注プラウを展示。当該農場から参加した農家のニーズ説明を含め、各機のポイントを示した。初日午後は北海道土を考える会の総会後、農研機構・石塚直樹上級研究員による「ドローンで土を見る」、同機構・前島勇治グループ長による「北海道達人の土を見る」の2講演、2日目午後は、農業コンサルタント・関祐二氏による「食物残渣肥料の有効性」などの3講演が行われ、充実した内容となった。
14.クボタがイタリアの芝刈機メーカーをグループ会社化
欧州機械事業統括子会社クボタホールディングスヨーロッパB.V(KHE、鎌田保一社長・オランダ・ニーウフェネップ)が、イタリアの芝刈機メーカーの株式を100%取得しグループ会社化することを決定したと発表した。グループ会社化するのはOffcine BIEFBI S.p.a(BFB社、イタリアロンバルディア州)の芝刈機事業と、BFB社の子会社であるGianni Ferrari s.r.l.(GF社、イタリアエミリア=ロマーニャ州)が統合して誕生する芝刈機事業会社。
欧州の芝刈機市場では特に、プロ向け最上位機種にあたる中・大型の「センター集草式フロントモア」と呼ばれる芝刈機の需要が拡大しているが、BFB社およびGF社は、センター集草式フロントモアのパイオニアとして、イタリア、フランス、ドイツ、イギリスなど西ヨーロッパで高い知名度を誇る。両社とクボタは強みを持つ市場や製品が異なり、補完関係にあるため、事業上の最適なパートナーといえるとしている。
15.日本農業機械工業会が2022年上期日農工統計を発表
2022年1~6月の日農工統計をまとめた。それによると、今年上半期の農機出荷実績は国内、輸出合わせて2311億9000万円、前年同期比95.0%となった。トラクターは、国内向けが50PS以上で16%増と好調だったほか、コンバインも伸びを示した。今年1~6月の出荷実績は、国内向けが1233億8600万円、前年同期比96.5%、輸出向けが1078億400万円、93.4%と、ともに前年同期を割り込んだ。
機種別台数ベースの出荷実績をみると、トラクターは全体で7万4983台、96.0%で推移。国内向けは20~30PSが5522台、102.9%、50PS以上が3350台、116.0%と伸びた。管理機は5万4283台、95.8%、乗用田植機は1万671台、89.7%とマイナスで推移。コンバインは4690台、101.0%と増加した。普通型が425台、143.1%と大幅増となった。このほか、国内、輸出合わせての実績で、バインダが230台、112.2%、動力脱穀機が137台、161.2%、コイン精米機が255台、112.3%と伸びている。
16.JA全中が資材高騰対策等基本農政確立緊急全国大会
全国農業者農政運動組織連盟との共催で、都内の砂防会館別館において生産資材高騰対策等基本農政確立緊急全国大会を開き、政府に対する緊急要請を決議した。
肥料高騰対策としては、
- 肥料価格高騰の影響を十分に緩和し、農業者の営農継続・経営安定が図られるよう、万全な肥料価格高騰影響緩和対策の仕組みを創設
- 環境調和型農業の実践・拡大を支援するため、耕畜連携の強化による資源循環や土づくり、化学肥料の削減など農業のグリーン化や環境調和型農業の推進による肥料コスト低減に向け、耕種農家の堆肥利用の促進や堆肥等の広域的な流通、堆肥センターやペレット工場等の施設整備に対する支援を抜本的に拡充
-を求めた。
飼料高騰対策としては、直面する配合飼料価格の高騰・高止まりを踏まえ、配合飼料価格安定制度の安定運営に向け、異常補てん基金への積み増しを措置するとともに、運用改善を講じることを求めた。また、地方創生臨時交付金の拡充も求めた。