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農業機械関連ニュース

令和4年7月11日発行

<業界短信-新製品7月>

  1. 本田技研工業が大型除雪機をモデルチェンジし受注開始
  2. オーレックが新型ラビットモアー発売
  3. クボタがトラクター4型式、アグリロボ田植機2型式など新製品発表
  4. ヤンマーアグリが4条乗用田植機とミニ耕うん機を発表
  5. 井関農機が2022年下期新商品発表会
  6. 三菱マヒンドラ農機が汎用コンバインなど2022年度新製品発表
  7. キャニコムが斜面に特化したラジコン式草刈機を新発売
  8. オーレックがラジコン草刈機を新発売

<業界短信7月>

  1. クボタが米国インプルメント製造子会社の生産能力を増強
  2. ヤンマーホールディングスが沢の鶴と日本酒の新商品「沢の鶴 NADA88」開発
  3. 井関農機が新たな環境ビジョンを策定
  4. クボタがオンライン農業機械展示会開催
  5. ヤンマーアグリが今年度の学生論文・作文を募集
  6. コバシホールディングスが耕作放棄地の有効利用へコケ活かすビジネス
  7. 日本農業機械工業会が定時総会
  8. ヤンマーアグリジャパンが農業関連のオンライン展示会を開始
  9. 井関農機が島根県で10台のアイガモロボット放鳥式
  10. 三菱マヒンドラ農機が2021年度連結決算
  11. 山本製作所がバーチャル展示場にて汎用遠赤乾燥機の動画公開
  12. 井関農機が有機米デザインに出資し、アイガモロボの社会実装加速
  13. サタケのテレビCMが広島広告企画制作賞の金賞受賞
  14. 三菱マヒンドラ農機が岡山でペースト2段施肥の実証実験

<業界短信-新製品7月>

1.本田技研工業が大型除雪機をモデルチェンジし受注開始

大型除雪機「HSL2511」を一部改良し、全国のHondaパワープロダクツ・除雪機取扱店にて受注を開始した。同製品の発売は今夏を予定。
 主な特徴は、

  1. 今回のモデルチェンジにて、作業者が除雪機と雪壁や建物などとの間に挟まれた際に脱出を支援する非常停止装置「後進ストップ装置」の「後進ストップレバー」を、従来のハンドル上部に加えて新たに下部にも追加。立位作業時だけでなく、万が一の転倒時も想定したつくりに
  2. 1.の仕様を含めて「歩行型除雪機安全規格」に適合
  3. 電子制御燃料噴射装置(Fuel Injection)を採用したエンジンの搭載により、優れた始動・メンテナンス性に加え、高い燃費性能を実現
  4. 独自のオーガ操作支援機能「スマートオーガシステム」の採用で使いやすさとパワフルな除雪能力を両立させたモデル

-など。

2.オーレックが新型ラビットモアー発売

雑草草刈機「ラビットモアーRMT110」を発売。タイミングベルトを用いたツインブレードを搭載し、ブレードが内向きに回転することで刈り草の飛散を軽減。また、従来のシングルナイフより作業能率が15%向上。従来機と同等の車体幅にも関わらず、ラビットモアーシリーズ最大の刈幅1100mmを実現。コンパクトな車体で小回りが利く設計となっている。
 主な特徴は、

  1. 2枚のブレードが内回転するので、草や小石を車体後方に排出し飛散を軽減
  2. タイミングベルトを用いることで、2枚のブレードを干渉させずに重ね合わせられ、ブレード間の刈り残しを防止
  3. 刈り草を車体後方にまばらに排出。集積した草に住み着きやすい害虫対策や景観維持にも貢献
  4. タイヤ幅よりもナイフカバーを幅広く設計し、幹の際までスムーズに草刈りが可能
  5. ツインブレード仕様で、草刈り時の負荷が軽減され、同馬力のシングルナイフ仕様以上の刈り取り性能を発揮
  6. 刈幅は従来機より125mm広い1100mm。列間2mの草刈りなら、1往復で刈り残しなし

-など。

3.クボタがトラクター4型式、アグリロボ田植機2型式など新製品発表

新製品としてトラクター「スラッガーSL38H(38馬力、ホイル仕様)・SL45H(45馬力、同)・SL54H(54馬力、同)・SL54H-PC(54馬力、パワクロ仕様)」のマニュアルシフト仕様スペシャル4型式、アグリロボ田植機「NW10SA(ディーゼル10条植え、無人仕様)」1型式、田植機「ワールドシリーズWD6(ディーゼル6条植え)・8(ディーゼル8条植え)」の2型式、汎用管理機「ニューベジマスターTA701N(6.3馬力)・TA801N(7.0馬力)」の2型式、ミニ耕うん機「菜ビSmile TRS300(3.0馬力)」1型式を発表した。
 トラクタースラッガーマニュアルシフト仕様スペシャルの主な特徴は、

  1. シンプル装備により、無段変速仕様(C仕様)の同馬力機種と比較して求めやすい価格設定を実現。
  2. シンプルで扱いやすいHパターンのマニュアルシフト。副変速とクリープの組み合わせで前・後進20段のきめ細かい変速が可能
  3. ワンタッチ耕うんモードスイッチ、ニューSTモンロー、AD倍速ターンなど充実の基本装備と快適装備

-など。


 アグリロボ田植機無人仕様の主な特徴は、

  1. 生成された圃場マップに基づき自動で田植え作業を行う自動運転機能
  2. 無人運転中の機体状態を知らせる積層灯・各種操作ができる無線リモコン
  3. 各種設定を行えるターミナルモニタ搭載
  4. 自動調整機能(条間調整、自動各条クラッチ機能、ロータ自動機能)

-など。


 汎用管理機ニューベジマスターの主な特徴は、

  1. 国内排ガス自主3次規制に適合した高性能エンジンを搭載し、作業性、操作性を進化させた新型の汎用管理機。
  2. 国内排ガス自主3次規制に適合し、作業者や環境に優しいエンジンを搭載
  3. より軽い力でエンジンを始動できる「らくらくスタート」も標準装備
  4. アタッチメントを装着したパワフルな作業が可能

-など。

4.ヤンマーアグリが4条乗用田植機とミニ耕うん機を発表

「安心・簡単操作・省力作業」を実現する4条植え乗用田植機「YR4SA」とコンパクトで取り回しやすいミニ耕うん機「YK301QTシリーズ」、作業性と操作性の向上したフロントロータリータイプのミニ耕うん機「YK300FP」を7月に新発売。
 乗用田植機「YR4SA」の主な特徴は、

  1. 安心機能として機体から降りた状態で発進・停止ができる「CSレバー」、握れば微速で前進、離せばストップする「微速前進レバー」など装備
  2. 省力化機能として枕地の旋回跡を「すこやかロータ」で均平にできる、田植えと同時に施肥ができる「ミッドマウント施肥機」を搭載
  3. 簡単操作として主変速や植付けなどの操作レバーをハンドル周りに配置。そのため簡単に操作ができる

-など。


 ミニ耕うん機「YK301QTシリーズ」の主な特徴は、

  1. 3馬力エンジンを搭載したコンパクトな機体で、ハンドルを折りたたむと車載も可能
  2. 軽い力で握れるクラッチレバーを採用し、握ったときに力が入りやすく、長時間作業しても疲れにくい形状のユニバーサルグリップを装備
  3. 抵抗棒が左右に動くので隣接耕うんの際の方向調整が容易

-など。


 ミニ耕うん機「YK300FP」の主な特徴は、

  1. フロントロータリーならではのメリットとして、耕うんの反力による荷重によりタイヤが地面をしっかりグリップするので、固い土を耕うんする際に機体の飛び出しを軽減
  2. 硬い圃場でも深く耕せるナタ爪「ミニ正宗」を標準装備などスムーズな耕うんを実現する作業性
  3. 握りやすい形状の変速レバー1本で、作業も移動も簡単に操作ができる快適に作業ができるシンプルな操作性

-など。

5.井関農機が2022年下期新商品発表会

茨城県つくばみらい市の同社つくばみらい事業所に報道関係者など約30名を招き、「環境保全」と「食料生産」をキーワードに2022年下期新商品発表会を開催した。席上、乗用田植機、バインダ、管理機、にんじん収穫機など8品目15型式を発表するとともに、今年欧州で限定販売する乗用電動モア「SXGE2」、また有機米栽培を支援する自動抑草ロボット「アイガモロボ」、有人監視下のロボット田植機「PRJ8D-R」を実演したほか、「プレ発表」ながら直進アシスト仕様コンバイン「HJ6130」を披露した。
 新商品の一部の特徴をみると、ヰセキ韓国向け乗用田植機PR6・PRJ8シリーズの主な特徴は、

  1. 一目でヰセキの田植機と印象付ける個性と、先進的で高能率なイメージのニューデザインに一新
  2. フロア部は従来よりも広く、座席下のカバーの段差を少なくしたフラットなステップで居住性向上
  3. オぺレスタ・ターン(Z型)デファレンシャルGPS、GPSの測位情報を活用し、植付け「直進作業」・「旋回作業」のハンドル操作を田植機がアシスト。旋回アシスト方式はUターン旋回、畔際で苗補給する際のバックターン旋回の2パターン対応など新機能

-など。


 ヰセキ田植機PRシリーズの主な特徴は、

  1. ハンドル操作だけの自動旋回で楽に簡単に旋回可能なさなえZターン
  2. レバー一本で主変速と植付部の操作が可能なさなえDXシフト
  3. 電動で苗枠がフラットなレール形状になり、苗補給をアシストするさなえ電動苗レール&リターンレール

-など。


 ヰセキ車軸管理機KM49の主な特徴は、

  1. 野菜の管理作業に適したコンパクトな機体
  2. ワンタッチキャブドレン&オイルバス式エアクリーナにて、エンジンにはワンタッチキャブドレンを装備し格納の際等キャブレタ内の燃料を簡単に抜くことが可能に
  3. ハンドルが左右各1段、また上下は多段階に位置の調節が可能なハンドル位置調節機構

-など。

6.三菱マヒンドラ農機が汎用コンバインなど2022年度新製品発表

汎用コンバイン「VCH750A」、トラクター「GSE242M」「GFK17」、乗用田植機「LD5」など2022年度新製品を発表した。
 汎用コンバイン「VCH750A」の主な特徴は、

  1. キットで、子実用トウモロコシに対応
  2. 機動性に優れ1台で多様な収穫作業ができる
  3. 高収量稲刈取が可能に

-など。


 トラクター「GSE242M」の主な特徴は、

  1. 均平性に優れた高精度な耕うん性能を実現するMAC仕様
  2. VRC制御は圃場条件に合わせて、耕深制御内容が変化。畑など凹凸の少ない耕盤ではロータリの上下動を抑え、あぜ際や枕地など凸凹が多い場所では積極的にロータリを上げ下げする

-など。


 乗用田植機「LD5」の主な特徴は、

  1. 手頃でカンタン・安心作業。コンパクトで使いやすい
  2. ハンドル操作に合わせて植付部が自動昇降
  3. 植付クラッチの入切・マーカーの出し入れが自動
  4. 旋回時はハンドルを回すだけで隣接条合わせOK。ラクでカンタンにターンできる

-など。

7.キャニコムが斜面に特化したラジコン式草刈機を新発売

斜面に特化したラジコン式草刈機「NEWアラフォー傾子」を新発売した。同機は2020年に発売した「アラフォー傾子」の第2弾。40度以上の斜面の草刈りを、安全に楽しく行うことをコンセプトに開発した。
 主な“ファン”(楽しくなる)機能は、

  1. エンジンが水平を保つので焼き付きの心配がない「かもめエンジン」
  2. 谷側に200mmクローラが伸びる「伸び坂200」
  3. 刈り取り部が左に200mmスライドし、際刈りを可能とする「フックスライディング200」
  4. 路面の起伏に合わせて刈り取り部が追従するので、均一で美しい刈り跡を実現する「美残刈サーフィン」
  5. スパイククローラで悪路でも滑りにくく、安定した走行する「イバラ進む」

-など。

8.オーレックがラジコン草刈機を新発売

プロポ(送信機)により遠隔操作し、動作の微調整ができるラジコン草刈機「スパイダーモアーRC(型式RCSP530)」を新発売した。作業者は日陰や安定した場所から作業を行えるので、高温・多湿な炎天下や、足元の不安定な場所での作業負担を大幅に軽減する。
 主な特徴は、

  1. プロポ(送信機)から遠隔操作が可能。エンジン始動、刈刃のオン・オフ、速度、草を刈る高さなど、動作の微調整を全てプロポから操作できる
  2. 車高は580mmと低く設計され、幹が垂れ下がった果樹園やソーラーパネルの下など、草刈りがしにくい環境下での作業を可能に
  3. 走破性と安定性に優れるクローラを採用。独自開発の「Y字型ラグ」で地面を掴み、「傾斜アシスト機能」で横滑りを軽減。最大法面角度45度まで対応
  4. 左右のクローラが逆方向に回転することで、回転半径がゼロになり、スムーズな方向変換が可能。幅が狭く旋回しにくい場所で活躍する
  5. 燃料が切れた後もバッテリで駆動する。草むらや傾斜地で燃料が切れた場合にも、平地などの安定した場所まで車体を移動させ給油できる

-など。

<業界短信7月>

1.クボタが米国インプルメント製造子会社の生産能力を増強

米国製造子会社「Kubota Industrial Equipment Corporation」(KIE)は、北米の旺盛な需要に応えるため、トラクターに装着する作業機器(インプルメント)を製造する工場を新たに建設する。
 北米では、トラクターに土や牧草などの運搬に使用されるフロントローダや掘削に使用されるバックホー、その他のインプルメントを装着して販売されることが多く、特にフロントローダの装着率は9割を超えている。米国では、コロナ禍における郊外移住の加速などを背景としてトラクターの需要が旺盛で、それに伴い、フロントローダやバックホーなどの需要も拡大している。KIEでは、今後もこれらインプルメントの底堅い需要が見込まれることから、新たな工場を建設する。既存工場と新工場でインプルメントの年間生産能力を10万台から21万台に引き上げ、旺盛な需要に応えていく。
 新工場の概要をみると、稼働時期は2024年8月、所在地は米国ジョージア州ホール郡ゲートウェイ工業団地。投資額は約180億円、延床面は約6万200平方mとなっている。

2.ヤンマーホールディングスが沢の鶴と
  日本酒の新商品「沢の鶴 NADA88」開発

両社が共同で取り組む酒米プロジェクトにより完成した日本酒の新商品『沢の鶴 NADA88(なだはちじゅうはち)』の発表会を沢の鶴史料館で行った。
 ヤンマー独自の酒米ソリューションで生産した酒米を使った純米大吟醸酒「沢の鶴 X01」、「同X02」、「同X03」に続く第4弾の新商品は、新酒米「OR2271」を使い完成した。その味わい、デザインともにプロジェクトの集大成といえる日本酒に仕上がった。沢の鶴・西村社長は「香りは華やかで高く、フルーティーで、梨やバナナのような上品な香りが特徴」と太鼓判を押す。ヤンマーマルシェの山岡照幸社長は「全く新しい酒米でお酒の違いを楽しむという提案を喧々諤々の議論のなか両社で進めてまいりました。以降、年々、品種の開発を進めることで栽培時には倒伏しにくく、安定した収穫・供給が可能になりました。特徴的な米粒の形状により、少ない削りで美味しい日本酒を造るのに最適な新しい品種の開発に今回成功しました」と酒米作りの難しさを語り、新酒米の成功を喜んだ。

3.井関農機が新たな環境ビジョンを策定

環境ビジョンを策定し、環境基本方針・環境中長期目標について見直した。また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同し、TCFD提言に沿った情報開示に取り組むことを決定した。井関グループは、持続可能な社会形成を可能とする環境保全を重要課題のひとつと位置づけ、今後も取り組みを一層活発化させ、持続可能な社会の実現を目指していく。
 環境ビジョンでは、井関グループは、「お客さまに喜ばれる製品・サービスの提供」を通じ、2050年までにカーボンニュートラルで持続可能な社会の実現を目指す、としている。環境基本方針では、井関グループは、持続可能な社会の実現を目指すべく、自然・社会・企業の調和に貢献する環境活動を推進するとし、

  1. 環境マネジメントシステムの整備と機能的運用
  2. カーボンニュートラルを実現する事業活動及び製品・サービスの普及推進
  3. 環境関連法規制の順守
  4. 環境教育と環境情報公開

-を掲げている。

4.クボタがオンライン農業機械展示会開催

オンラインでの農業機械展示会として、「クボタバーチャル展示会農フェス!2022夏秋」のサイトを8月31日までオープン。同社は、一昨年よりオンラインで参加できるバーチャル展示会として農フェスを企画している。日本の農業に関わる人々と交流できる場をめざし、今回の農フェスでは、2022夏秋発表新商品、この夏秋シーズンにおすすめの商品を紹介するとともに、昨年開催の農フェスアンケートで人気№1の試乗体験動画コーナー、好評のWEBセミナー、クボタ農機オリジナルグッズが買えるオンラインショップなど様々なコンテンツを用意している。
 同社では、「今回は、昼と夜とで少し違った雰囲気が味わえるかもしれません。プレゼントがあたるアンケート企画も実施しますので、是非、ご家族・ご友人ともお楽しみください。なお本サイトは、農業従事者の方に限らず、どなたでもご覧いただけます。当社は日本農業への貢献を使命としており、今後も農業従事者のお客様に寄り添って、事業活動を展開していきます」とコメントしている。

5.ヤンマーアグリが今年度の学生論文・作文を募集

10月20日まで、大学生などの学生を対象に「ヤンマー学生懸賞論文・作文」の作品を募集している。これは、次世代を担う若者に農業の未来について広く自由な観点から議論してもらうことを趣旨として1990年より実施しているもので、今回で33回目。同社では、「日本や世界の農業において直面する課題を捉え、食料生産の先にある加工・流通などを含めた“食のバリューチェーン”に入り込み、広く農業に対する課題解決策を提供したいとの思いから、本年度も『農業を食農産業に発展させる』をビジョンとし、次世代を担う若い皆様とともに将来に向け『持続可能な農業のかたち』について考える機会を設けたい」としている。
 それぞれの募集概要は、論文の部は趣旨に沿い、スマート農業、農産技術、農芸化学などといったテーマ例も参考に、21世紀農業の確立を目指した〝先駆的挑戦〟を内容とする。作文の部は、趣旨に沿った作文として、感じていること、夢や想いを、これまでの体験やその時の情景を描写しながら作文にまとめるとしている。

6.コバシホールディングスが耕作放棄地の有効利用へ
  コケ活かすビジネス

小橋工業の親会社であるコバシホールディングスは、耕作放棄地の有効利用などを目的に、ジャパンモスファクトリーと共同でコケ原糸体の培養実証実験に成功、培養されたコケを製品化・販売するチーム岡山で新産業を創るプロジェクトを開始した。コケの培養には同社の水田造形の畦塗り技術を応用した畦型培養プールを用い、コンクリート製のプールに比べて短工期、低コストでの培養を可能にした。また、この方法は原状回復が容易なため、休閑期の農地利用にも使えるメリットがある。
 コケは、ヒートアイランド現象の緩和・軽減効果や環境改善素材、その他、日本庭園や室内インテリア分野などでも人の心を癒す園芸植物として注目されており、新規ビジネスのこれからに期待が寄せられている。

7.日本農業機械工業会が定時総会

都内の八芳園で、第59回定時総会を開き、令和3年度貸借対照表および正味財産増減計算書を承認するとともに、令和4年度事業計画書、同収支予算書が報告された。また、併せて理事会を開き、任期満了に伴う役員改選を審議、木股昌俊会長(クボタ)を再任した。新任の副会長には尾頭正伸(丸山製作所)、久松朋水(太陽)の両氏が選任された。
 開会に当たりあいさつした木股会長は「私どもの農機業界では、ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする『スマート農業』の実用化と現場への導入が着実に進みつつあり、ロボット農機をはじめとする農業機械の高度化に期待が集まっている」とし、「当工業会としても、スマート農業、オープンAPIの推進を通じて日本農業や担い手の支援に努めたい」と取り組み方針を語った。また、脱炭素化の取り組みについて「関係業界と連携して電動化や燃料のカーボンニュートラル化などへの取り組みを通じて、地球環境分野にも貢献したい」と意欲を示した。

8.ヤンマーアグリジャパンが農業関連のオンライン展示会を開始

ホームページ内にて9月15日までの期間限定で農業関連のオンライン展示会「ヤンマーアグリジャパン オンラインEXPO2022SUMMER」開催している。リモートによる会議やオンラインイベントが定着しつつある中、ヤンマーアグリジャパンのオンライン展示会には多くのユーザーが来場。今年も、デジタル活用による顧客接点の強化を目的に期間限定で開催している。同展示会では、バーチャル空間を活かした従来の製品展示や紹介動画に加えて、この春発表の新商品紹介やオンラインセミナーなど、オンラインならではのコンテンツを充実させる。
 主なコンテンツは新商品やトラクター、コンバイン、スマート農機、野菜関連機器、小型機械などの商品紹介、密苗、人気動画、家庭菜園、オンラインセミナーなど、開催期間中に順次公開。

9.井関農機が島根県で10台のアイガモロボット放鳥式

2月に「持続可能な発展のための有機米の産地づくりに関する連携協定」を井関農機と締結した島根県と浜田市は、魅力ある産業づくりの一環として、民間企業と一体となって取り組む有機米産地づくり支援の姿勢を広く県内外に周知するとともに、地元生産者の意識高揚につなげる田植えイベントとして、浜田市弥栄町の農事組合法人いなしろ実証栽培圃場で自動抑草アイガモロボットの設置(放鳥式)を開催した。これには、井関農機の冨安社長、ヰセキ中四国の中谷淸社長、浜田市の久保田章市市長、島根県西部農林水産振興センターの錦織薫所長らが出席した。アイガモロボットの導入台数は10台で田植え後3週間まで稼働し、雑草の繁茂を抑制。
 放鳥式では、初めに令和4年度実証米田植えを行い、冨安社長、錦織所長、久保田市長、地元小学校の児童代表が手植えを行った。次いで冨安社長が放鳥に当って挨拶。初めに弥栄町を訪問できた喜びを述べたあと、同社として長年にわたり磨いてきた先端技術や商品を通じ有機米産地づくりをサポートするとし、同社と提携している有機米デザインが開発中の自動抑草ロボットは、「有機米栽培の普及のためには不可欠技術になる。いよいよ水田に放たれるが、連携協定の中で試していただき、評価を頂戴しながら一層性能を向上させていく」と述べた。

10.三菱マヒンドラ農機が2021年度連結決算

東京・芝公園の機械振興会館で2021年度事業報告会を行い、2021年度決算、事業運営状況、2022年度事業方針を明らかにした。それによると、2021年度の売上高は473億400万円(前年度比15.7%増)、損益は公表しなかったが、最終損益は黒字を確保した。国内事業は335億4600万円(同1.7%減)と微減だったものの、トラクター、コンバイン、田植機はシェアアップを果たした。海外は北米向けトラクターが過去最高の9500台超と大幅に伸び、売上高は前年度2.1倍の124億600万円、売上高に占める海外事業の比率は26.2%となった。2022年度事業目標は総売上高490億円とした。
 報告会には、齋藤CEO取締役社長、浅谷祐治CTO取締役副社長、平﨑了経営戦略室長が出席した。昨年度の事業報告並びに今年度の事業方針に立った齋藤社長は、昨年のトピックスとして、国内は米価下落による購買意欲の減退、新型コロナ感染拡大で展示会・実演会が制限されるなど逆風の中、ラインナップの拡充やウエブマーケティング強化により現場をバックアップ、売り上げ確保につなげた。作業機・提携商品については、経営継続補助金による需要を取込み受注を増やした。とくに一昨年より国内の販売を開始したディスクハロー、ディープチゼルは高機能・高性能で絶大なる高評価を得ている-などと報告した。

11.山本製作所がバーチャル展示場にて汎用遠赤乾燥機の動画公開

子実コーン乾燥を業界初で標準装備し、籾・麦・大豆・ソバの乾燥をもこなすAI搭載の汎用遠赤乾燥機「HD-30VAM」(30石)~「同-55VAM」(55石)と、セルフチェック機能(業界初)を搭載し機能アップした大型汎用機「HD-60VDM」(60石)~「同-80VDM」(80石)を“ビルドシリーズ”の汎用機としてラインアップ。このプロモーションビデオをホームページで公開している。同社のバーチャル展示場のほか「HD-VAM」「HD-VDM」の各製品ページからも見ることができる。汎用遠赤乾燥機の特徴が動画でリアルに確認できる。
 このプロモーションビデオによって、「汎用」と言っても、籾・麦乾燥については籾・麦専用乾燥機と同じ品質に仕上げられることや、大豆・ソバ・子実コーンも乾燥可能のため1台当たりの稼働率が高いなど、導入のメリットを知ることができる。同社では「プロモーションビデオは、導入を計画している生産者をはじめ、JA・販売店の営業活動に活用して頂きたい」と話している。

12.井関農機が有機米デザインに出資し、アイガモロボの社会実装加速

有機農業の普及発展に向け水稲用自動抑草ロボット「アイガモロボ」の開発および販売に関する業務提携を締結している有機米デザインに出資したことを明らかにした。有機農業普及拡大へは、除草作業の労働時間が慣行栽培と比べおよそ5倍かかることから、大きな課題となっている。有機米デザインが開発中の田んぼの雑草を抑制するアイガモロボは、田植え後の水田を自律航行して水中を撹拌し泥を巻き上げることで、光を遮り雑草が生えにくい状態を維持するので、除草作業にかかる労力が従来よりも大幅に低減される。
 同社は、この度の出資によって開発元である有機米デザインとのより強固な関係を構築し、社会実装に向け開発を加速化させるとともに、アイガモロボを核とし、同社のスマート農業機械・スマート農業技術を融合させた環境保全型スマート農業を構築し、持続可能な農業の普及拡大とその実現を目指すとしている。

13.サタケのテレビCMが広島広告企画制作賞の金賞受賞

ホテルグランヴィア広島において行われた、広島広告協会主催の第43回(2022年)広島広告企画制作賞の贈賞式において、「テレビCM30秒~180秒の部」で金賞を受賞したことを発表した。同社は2018年にテレビCMで、2020年にはインターネット広告でそれぞれ金賞を受賞しており、今回で3度目の受賞となった。選評で「企業の持つ優れた選別の技術力を、ユーモラスなストーリーの中で表現した、物語性あふれるエンタテイメント性の高いテレビ広告。何回見ても印象に残る優れたテレビCMである」と紹介された。
 この作品は、米の光選別機「SAXES Knight(サクセスナイト)」の良さをどのような形で表現し、伝えたらよいか、制作会社と連携しながら進められた。同社は「単に製品をアピールするのではなく、まずは広告を面白いと感じていただける内容にした」という。実際に視聴者の評価も良く、製品の販売にも大きく寄与した。「これからもより良い製品づくりに励むと共に、心に残るCMを制作したい」としている。

14.三菱マヒンドラ農機が岡山でペースト2段施肥の実証実験

岡山県岡山市東区矢井の圃場で、ペースト2段施肥技術を用いて、マイクロプラスチック(被覆肥料)の被覆殻流出を抑制する田植えの実証実験を実施した。ペースト2段施肥は、施肥位置を上下に分けることにより肥効の時間差を利用して生育をコントロールする技術。上段ノズル(側条施肥)は活着、初期生育を促進し、下段ノズル(2段施肥)は根の発達促進、穂肥生育を促す。被膜肥料同様の施肥効率が高い液状肥料を2段施肥することでマイクロプラスチックを利用せずにすみ、流出が抑えられる。
 三菱農機販売西日本支社長の長島史治氏は、「マイクロプラスチック肥料の使用は環境面で問題となっており、『LE60AD』を使ったペースト肥料による2段施肥の実際をぜひご確認頂きたい」と挨拶した。三菱マヒンドラ農機㈱国内営業部・営業戦略部・営業戦略室・室長の内田欽也氏が「同機の肥料タンクは片方が36L、両方で72Lのペースト肥料が入ります。タンク内の肥料は左右から合流するので、肥料はどちらからでも投入できます。肥料は9カ所あるCCポンプへ練り出すように送り込まれ、ポンプから押し出された肥料は最終的に各条に送られます」などと、LE60ADの構造を詳細にわたり参加者へ説明した。一連の説明のあと、圃場に移動し、兼業農家の寺見真人さんによる操縦で田植えが行われた。寺見さんは、「ペースト肥料による1段施肥も雨天のなか田植えができ、メンテナンスも楽。追肥も行いませんでした。上段下段の2段施肥は肥料がより長く効く利点があると思う」と語った。