令和4年5月11日発行
<業界短信-新製品5月>
<業界短信5月>
- クボタ、北海道クボタが北海道新十津川町とスマート農業連携協定締結
- ヤンマーアグリジャパンが宮城県と農業分野に関する包括連携協定
- 井関農機が「LIVE実演会」をWeb配信
- JA全農が総代会を開催、中期計画を決議
- 本田技研工業の着脱式バッテリーがコマツの電動パワーショベルに採用
- クボタ、新潟クボタが新潟県と連携協定を締結
- ヤンマーホールディングスがオランダのバッテリーシステム製造会社の株取得
- 井関農機が有機栽培をテーマに、農業女子オンライン座談会を開催
- クボタが稲わら利用のバイオ燃料開発で京大、早大と連携
- クボタのオランダ現地法人が出島オランダ賞を受賞
- 本田技研工業がレッド・ドット・デザイン賞を受賞
- オーレックが「草ストロー」の贈呈式
- 各社が新入社員を迎えて入社式
- キャニコムで役員人事
- JA全農が3年度農機サービス士に37人認定
- クボタの北米の開発拠点が本格始動
- クボタがインドのエスコーツ社を子会社化
- 本田技研工業元社長の吉野浩行氏が死去
- 井関農機が愛媛県に協力しカンボジア・バッタンバン州へ中古トラクター寄贈
- キャニコムが新工場「演歌の森うきは」の竣工式
- オーレックが中小企業優秀新技術・新製品賞の奨励賞受賞
- 日本農業法人協会が農林水産省に政策提言
<業界短信-新製品5月>
1.タカキタが剪定枝粉砕処理機を発売
トラクター装着タイプの、果樹園等で発生した剪定枝の粉砕処理機「ブランチシュレッダOBS1250」を新発売した。作業幅は122cmで、ノコギリ形状のカウンターナイフと、かぎ形ナイフにより剪定枝を逃がさず粉砕することができる(特許申請中)。適応トラクター馬力は15~20PS。剪定枝の粉砕処理機は同社として初めて取り組む分野の製品。
主な特徴は、
- 理論切断長は62mm、直径3cm程度までの枝を処理でき、剪定直後の枝についても乾燥を待つことなく処理可能
- ピックアップ機能を持ったかぎ形ナイフは毎分約2700回転し、剪定枝を粉砕(PTO速度540回転時)
- デフレクタを採用し、一度切断した枝を前方へ送り出し、ケース内で循環・再切断することでさらに細かく粉砕が可能。また後方への飛散も防止
- 取り込み部の間口を30cmと高くしているため、かさばりやすい剪定枝もスムーズに取り込みが可能
-など。
2.キャニコムが新型草刈機発売
草刈機「りんごブラッサムまさお」を発売した。顧客の声を反映するだけではなく「想像を超えたまさおを提案したい」という想いから開発を開始し「四季折々」に使用できる草刈機が完成。乗用で枝や果実のかわしやすさを重視。併せて車体の低さを追求し、85cmの低車高を実現した。刈った草を後ろに散らすことで「だま」になりにくく、美しい刈跡に仕上げる。エンジンベースは45度開口し下回りのメンテナンスが行いやすい。
主な特徴は、
- 「刈幅二刀流オータニさん」=2種類の刈刃と、刈刃カバー固定位置を変えることで刈幅が変更可能
- 「見っかっちゃった」=シート下に刈刃ステーの向きを確認する窓を設置し、トラック積み込み時の引っ掛かりを防止
- 「通りゃんせ85」=車高が85cmで収穫時に枝や果実下の通り抜けがしやすく、また軽トラに積載可能なサイズ
- 「ガードマン」=機械の損傷や果樹へのダメージなどを軽減。フロント、サイドともに搭載
-など。
3.サタケが米鑑定ユニットを発売
玄米の容積重及び水分の農産物検査に使用する機器として、農林水産省による仕様確認を受けた「米鑑定ユニットRTQI1000A」を5月より発売。農林水産省で認定した機械鑑定を活用する7項目のうち、2項目を自動で測定する米鑑定ユニットで、別売の穀粒判別器と連動することで、容積重、水分、白未熟粒、死米、胴割粒、砕粒、着色粒の7項目全ての検査を自動で行うことができる。操作が容易で、サンプルの前処理も不要なため、熟練度を問わない。検査にかかる手間と時間を大幅に減らし、検査現場の負担を軽減する。
主な特徴は、
- 別売の穀粒判別器と連動で機械鑑定を活用する7項目全ての検査項目を自動で検査
- 前処理も不要でスピーディーに測定。1回の測定で約1分、検査規格で規定されている3回の測定は約3分
- サンプルは前処理が不要で、付属のカップを使い、投入口に入れるだけで検査ができ使いやすい
- 測定データはUSBメモリに出力できるので、簡単に一元管理することができる
-など。
4.サタケが新型無洗米製造装置を開発
ウルトラマイクロバブル水やマルチパス方式など最新の加工技術を導入した新型無洗米製造装置「MPRP36A」を開発して発売。超微小気泡「ウルトラマイクロバブル水」と、白米への圧力を分散・低減し、食味の向上などに寄与する洗米・脱水工程を2カ所に設けた「マルチパス方式」を採用し、食味向上やCO2排出量の削減などを実現している。栄養豊富なとぎ汁は液体飼料として有効活用できる。MPRP36Aの加工能力は毎時3.6t(うるち米)。
主な特徴は、
- 美味しさの向上=ウルトラマイクロバブル水が白米表面の細胞壁を傷つけず糠を除去。マルチパス方式で白米への圧力分散・低減、仕上げ水洗浄により食味向上を実現
- 環境貢献=化石燃料を用いないためCO2排出量を70%以上削減(同社比較)、ウルトラマイクロバブル水の循環利用により50%の節水効果なども実現し、SDGs目標17項目のうち10項目に該当
- 食品リサイクル=栄養豊富なとぎ汁を液体飼料として有効活用
-など。
5.サタケが多用途ベルト光選別機を発売
2014年に発表した多用途ベルト式光選別機「BELTUZA(ベルトゥーザ)」シリーズを刷新して発売した。高い選別性能と簡単な運転・設定操作で好評を得ている同シリーズに最新技術を搭載し、機種ラインアップも拡張してグレードアップ。検量線を簡単に作成できる自動検量線作成システム「サタケ・スマート・センシティビティ」や、食品製造工場での設置を考慮した清掃が容易な分割構造のステンレス製ボディ採用などは、前モデルから継承。
主な特徴は、
- 割れた原料などを形状で選別する機能に新アルゴリズムを採用し、選別が難しい原料の「欠け」なども高い精度で検出可能(全機種にオプション)
- 近赤外線カメラを搭載する「ベルトゥーザXeN(ゼノ)」に、近赤外線2波長を用いて異物選別性能を高めた機種CSV600BWを追加
- 近赤外線と可視光線の情報を組み合わせた、より歩留りの高い選別ができる「MIX感度」機能を搭載
-など。
<業界短信5月>
1.クボタ、北海道クボタが北海道新十津川町と
スマート農業連携協定締結
両社は北海道新十津川町とスマート農業連携協定を締結した。連携協定締結式には熊田義信町長、クボタから執行役員農機国内営業本部長の飯塚智浩氏、北海道クボタの渡邉社長が出席した。
協定の主な内容は、クボタのスマート農業機械・技術のフィールドテスト、最新スマート農業機械の実演会の開催、また新十津川中学校・高校の生徒に対するスマート農業機械の見学会、試乗体験の提供、若手・女性向けスマート農業研修会の開催など、スマート農業の普及拡大、次代の農業を担う人材育成に取り組む。
町ではスマート農業の普及に力を入れており、これまでの農林水産省の「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」や、町内の農家や学生に対する実演会などの機会を通じ、クボタおよび北海道クボタととの連携を深めてきた。クボタでは、「3者で連携協定を締結することにより、新十津川町を北海道農業の発展に資するスマート農業の情報発信のフィールドと位置づけ、当社のスマート農業に関する製品・技術のフィールドテストで連携するとともに、最新のスマート農業機械に関する実演会や町内の高校・中学校での特別授業などを通じて、次代を担う人材の育成などで協力してまいります」としている。
2.ヤンマーアグリジャパンが宮城県と農業分野に関する包括連携協定
宮城県と「農業分野に関する包括連携協定」を結んだ。締結式は同県行政庁舎の庁議室で行われ、同県からは村井嘉浩知事が出席、協定書に署名し、ヤンマーのスマート農業に関する技術力やサービス力に期待を寄せるとともに、県内の農業生産力の拡大や次代の農業を担う人材の確保・育成などに力を入れていく姿勢を強調。渡辺社長は連携事項に関わる具体的な取り組み内容を掲げつつ、“食材王国みやぎ”の発展に貢献し持続的な農業・農村の発展に寄与できるよう力を尽くすと今後の活動に意欲をみせた。
今回の連携協定は、土地利用型園芸をはじめとした水田フル活用による農業生産の拡大を企図する宮城県が、優れた製品・技術・サービス力を持つヤンマーとの連携した取り組みによって、持続可能で活力のある農業・農村の発展を目指すことを目的に行ったもの。協定の有効期間は締結日から1年間で、解約の申し出がなければ同一内容で更新。
連携事項は、
- ICT・新技術活用による生産性向上=省力・低コストで環境に配慮した持続的な食料生産体制の構築(水田フル活用に向けた技術実証、施設園芸栽培の省力技術の実証)
- 次代の農業を担う人材の確保・育成=スマート農業普及活動における共同活動、教育機関との連携
- 県産農産物の新たな需要創出=商品関連産業との連携によるサプライチェーン構築
- その他地域社会の活性化および県民サービスの向上
-など。
3.井関農機が「LIVE実演会」をWeb配信
茨城県つくばみらい市の同社ISEKIグローバルトレーニングセンター圃場で、同社として初の試みとなるWEB「LIVE実演会」を開催し、YouTubeでライブ配信した。今回登場したのは3月発売の直進アシストシステム「オペレスタ」搭載のトラクター「NTA5シリーズ」6台と大型トラクターTJW1233(最大出力130.5PS)、それにササキコーポレーション、小橋工業、松山のインプルメントメーカー3社が「イチ押し」とする耕うん・代かき、畦塗りなどの作業機、そしてヰセキが直輸入するドイツ・アマゾーネ社の高速ディスクハロー「カトロス」。実演の途中でチャットから「価格はいくらか」と、購入を検討する質問が寄せられるなど、リアルな実況映像が商談へ結びつく例もあった。
実演会では、まず井関農機・営業推進部の長谷川晶俊氏が「オペレスタ」について説明。直進アシストシステムオペレスタはGPSとハンドル自動操作を組み合わせて直進操作をアシストする。つづいて、ササキコーポレーション、小橋工業、松山の順に、それぞれの春作業向けの「イチ押し」作業機を披露した。実演会会場に訪れた縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長は、「それぞれの機種について多数のコメントを頂いている。今後の推進につながるように進めたい。当社としては今後ともこういうやり方でお客様に生の配信をして、情報をお届けしたいと考えている。春作業本番、しっかり取組んでまいりたい」などとあいさつした。
4.JA全農が総代会を開催、中期計画を決議
都内のパレスホテルで、第54回臨時総代会を開き、中期計画(令和4~6年度)並びに令和4年度事業計画を決議した。中期計画では、2030年の目指す姿として「持続可能な農業と食の提供のためになくてはならない全農であり続ける」をスローガンに掲げ、1.生産振興、2.食農バリューチェーンの構築、3.海外事業展開、4.地域共生・地域活性化、5.環境問題など社会的課題への対応、6.JAグループ・全農グループの最適な事業体制の構築の6項目の全体戦略を策定した。また令和4年度の農業機械取扱計画は1221億1700万円とした。
総代会終了後、菅野会長、野口栄理事長、桑田義文専務、安田忠孝専務が記者会見し発表した。2030年に向けた全体戦略は生産振興、食農バリューチェーンの構築、海外事業展開、地域共生・地域活性化、環境問題など社会的課題への対応、JAグループ・全農グループの最適な事業体制の構築の6項目。
そのうち生産振興についての具体策は、多様な労働力の確保や実践型研修農場を活用した担い手育成、畜舎賃貸事業の拡充を通じた家族経営への支援、およびJA出資型法人等への出資などによる地域の農畜産物の生産支援、消費者ニーズや地域性・収益性をふまえた生産者への最適な生産提案の強化と、TAC活動などを通じた担い手経営体への対応力強化、生産拡大・品質向上に資する革新的な技術・商品の開発、および子実用トウモロコシや果樹の高密植栽培などの栽培実証・普及などをあげた。
5.本田技研工業の着脱式バッテリーが
コマツの電動パワーショベルに採用
着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック
イー)」が、コマツが国内でレンタルを開始する電動マイクロショベル「PC01E-1」に採用されたと発表した。PC01E-1は、Hondaとコマツで共同開発したもので、これまで市場導入に向け実証実験を行ってきた。Hondaは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けてモバイルパワーパックe:の活用拡大を目指しており、さまざまな企業と搭載機器の検討を行っている。モバイルパワーパックe:を二輪車以外で活用した製品が市場導入されるのは、今回が初めてとなる。
モバイルパワーパックe:は交換式のため、電池残量が少なくなった際もバッテリーを交換することで、充電を待たずに作業を継続できる。また、低回転でも力を発揮できる電動パワーユニットの採用により、換気が困難な場所や、住宅地などの騒音を回避したい使用環境での作業ニーズ応えるとともに、操作性やメンテナンス性の向上による作業者の負担の軽減や、ゼロエミッションにも貢献する。
6.クボタ、新潟クボタが新潟県と連携協定を締結
両社と新潟県はこのほど、「みどりの食料システム戦略」の推進に向けたスマート農業の普及や、新潟米の輸出促進に取り組むことで、環境と調和のとれた県農業の持続的な発展を図ることを目的に連携協定を結ぶことで合意、県庁で締結式を行った。これには県側から花角英世県知事、クボタ側から渡邉大取締役専務執行役員機械事業本部長、新潟クボタの吉田社長が出席した。
連携事項は主にみどりの食料システム戦略推進に向けたスマート農業の普及、新潟米の輸出促進で、そのうちスマート農業の普及では新潟県内のクボタファームにおける最先端のスマート農機や営農サービス支援システム(KSAS)を活用した化学肥料や燃費削減等の効果について、新潟県農業総合研究所との共同研究や、令和4年中にRTK基地局を4基程度設置し、より高い精度でのスマート農機の研究・実証について協力するなどしていく。
締結式終了後にあいさつした花角県知事は、「これまでも新潟クボタとは、スマート農業推進や新潟米輸出などで連携してきた。昨年策定されたみどりの食料システム戦略に沿って、これまで以上に連携を深め、新潟県農業を成長させていかなければならない」と述べた。
7.ヤンマーホールディングスが
オランダのバッテリーシステム製造会社の株取得
グループ会社であるYanmar Europe B.Vを通じて、高いバッテリー技術を持つELEO
Technologies B.V(エレオ社、本社オランダ王国ヘルモンド州)の株式の過半数を取得した。エレオ社の先進的で拡張性が高いモジュール型バッテリーシステム技術を導入することで、オフロード車向けにカスタマイズされた汎用性の高いソリューションを提供し、パワートレインの電動化を推進する。なお、今後エレオ社は、パワートレインの開発・製造・販売を行うヤンマーパワーテクノロジーの傘下となり、現在の所在地であるオランダ・ヘルモンドで独立した事業体として自社ブランドでの事業を継続する。
ヤンマーパワーテクノロジーの田尾知久社長は「エレオ社とシナジー効果を発揮することで、お客様に先進的なゼロエミッション技術を活用した電動パワートレインのソリューションを提供することが可能になる。これまで培ってきた当社の経験とエレオ社の保有する先進技術を融合させることで、未来につながる社会とより豊かな暮らしの実現を目指していく」とコメントしている。
8.井関農機が有機栽培をテーマに、農業女子オンライン座談会を開催
6回目となる農業女子オンライン座談会を開催し、全国の農業女子等20名超が参加した。今回のテーマは第一部が「土壌学から見た有機栽培における土づくり」(講師は沖縄土壌医の会・会長で土壌医の宮丸直子氏)、第二部は「持続可能な農業の取組について」(同社夢ある農業総合研究所の大森信吾氏)と「着るだけで虫除け、インセクトシールド」(Kirakuの藤森、越智両氏)。第二部では、有機水稲栽培確立のため現在各地にて実証試験中の自動抑草ロボットを、鹿児島県の種子島と中継でつないで実際の稼働の様子を紹介した。
その他にも複数資材、Amoniや、(株)Kiraku(キラク)のデザイナーである藤森氏と越智氏より着るだけで虫よけ効果を発揮するインセクトシールドを使用した衣服を紹介。参加者からは多くの質問があり、大変活発なオンライン座談会となった。参加者の感想では「農研機構の肥効計算ソフトなど、具体的に役立つ情報を頂け参考になった」「とてもわかりやすく丁寧な話で土壌診断、分析の重要性を理解できた」「社員から農業界のおかれている情勢なども話があり、広い視野で農業について話していただけたことも頭の中の整理になってありがたかった」などの感想が寄せられた。
9.クボタが稲わら利用のバイオ燃料開発で京大、早大と連携
京都大学を代表事業者とする環境省「地域資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証事業」において、京都大学や早稲田大学と連携し、稲わらからバイオ燃料を製造して農業や家庭で使用する地域資源循環システムの構築に取り組む。今回の実証実験において、同社のメタン発酵技術や京都大学と早稲田大学が保有する革新的な触媒に関する製造および反応プロセス技術を用いて、地域で収集する稲わらからバイオガス、グリーンLPG、グリーン水素等のバイオ燃料を製造し、地域の農業や家庭で利用する仕組みの構築に取り組む。また、稲わらからはバイオ燃料と同時に肥料(バイオ液肥)も製造、地域資源循環システムの構築を目指す。
実証実験は、バイオマス地域資源循環システムの開発を行い、クボタの役割としては稲わら回収からバイオガス、バイオ液肥の地域利用までの仕組み作り・稲わら由来のバイオガス、バイオ液肥の製造および利用方法に関する技術開発としている。期間は2022~2029年の8年間。
10.クボタのオランダ現地法人が出島オランダ賞を受賞
オランダ現地法人クボタホールディングスヨーロッパB・Vがオランダ経済・気候政策省企業誘致局および蘭日貿易連盟より「Deshima Netherlands Awards 2021」を授与されたと発表した。この賞は、オランダの経済・社会に貢献する在オランダの日本企業に授与されるもので、今回がクボタグループとして初の受賞。
クボタグループは近年、オランダでの事業展開を加速させている。ワーゲニンゲン大学でのサテライトオフィスの設立、同大学との共同研究プロジェクトの推進、アルブラッセルダムにおけるトラクターの新物流拠点の立ち上げ、地元スタートアップ企業とのコラボレーション推進など、オランダにおける多面的な事業活動が評価され、今回の受賞に至った。同社では、「クボタグループはオランダをはじめとする地域社会との関わりを深め、あらゆるステークホルダーに当社事業への共感と参画をいただくことで社会課題解決に貢献してまいります」としている。
11.本田技研工業がレッド・ドット・デザイン賞を受賞
世界的に権威のあるデザイン賞の1つ「レッド・ドット・デザイン賞」のプロダクトデザイン部門において、新型スポーツツアラー「NT1100」、中型スクーター「ADV350」(海外専用モデル)、コンパクトSUV「HR-V」(日本名:ヴェゼル)、ハンディタイプ発電機「EU32i」(日本名:EU26iJ)の4製品がレッド・ドット賞を受賞した。同社として二輪車・四輪車・パワープロダクツの3領域での同時受賞は初となる。
本田技術研究所デザインセンター執行役員センター長の南俊叙氏は「世界的なデザインアワードであるレッド・ドットプロダクトデザイン部門賞を3年連続して受賞することができた。これはHondaが創業より掲げている『技術・アイディア・デザインで人の役に立つ』という想いが、モーターサイクル、オートモービル、パワープロダクツ各商品に溢れていることを理解していただけた結果と考えている。今後もこの想いを忘れず、お客様に驚きと感動をお届けできるよう、チャレンジを続けていく」とコメントした。
12.オーレックが「草ストロー」の贈呈式
福岡市動物園のペンギン獣舎にて、「草ストロー」の贈呈式を行った。草ストローとは、同社ブランド発信拠点「OREC green lab福岡」において、カフェのアイスドリンクを提供する際に導入した自然由来のストロー。使用済ストローは洗浄消毒後、同動物園でペンギンの巣穴として2次活用される。
この日、草ストロー約390本を園に進呈。実際にペンギンの巣穴に設置された。式に登壇した同社の執行役員経営総合部・関雅文部長は「カフェのお客様にも、ドリンクを飲むことで社会や環境に貢献していると感じていただけるとうれしい」と挨拶した。同じく登壇した福岡市動物園・佐藤広明園長は「3Rにおいてオーレックが廃棄物を減らすリデュースを、園は巣材としてリユースを担う。使ったストローは堆肥化して再度活用する予定だ。ペンギンにも手伝ってもらい、リサイクルのループを完成させたい」と述べた。同ストローは今冬からペンギン獣舎にて巣材として本格的に活用される予定で、同社は年間3000本の提供を目指している。
13.各社が新入社員を迎えて入社式
4月を迎え、農機業界の主要メーカーは入社式を行った。コロナ禍が続く中、対面式やオンライン形式など各社は感染症対策を徹底し、フレッシュな新入社員を迎えて訓示を行った。
クボタは本社および国内グループ会社の新入社員を対象に本社ビル及び各事業所をオンラインでつないで入社式を実施。北尾裕一社長が訓示を行い、「長期ビジョン「GMB2030」の実現に向けて力を合わせよう、オン・ユア・サイドの精神で仕事に取り組もう」などとエールを贈った。
井関農機はテレビ会議方式で入社式を行い、冨安司郎社長より新入社員へのメッセージとして、「チャレンジ精神、研鑽・スキルアップを図ること、ルールの順守を心掛けてほしい」などと激励をした。
スズテックの入社式では渡邊晋総務部長の進行により、鈴木社長が「挨拶は社会人としての基本。明るく挨拶を振りまくことを最初の仕事として欲しい」と新社会人の心構えを話した後、幹部社員より「毎日の仕事を通して“自分の夢”が形づくられていく。将来の夢を叶えるためにも、明るく楽しく前向きに頑張って欲しい」と激励のメッセージを送った。
https://www.kubota.co.jp/news/2022/others-20220401.html
14.キャニコムで役員人事
株主総会において、株主へ21年度事業の報告を行い、売上高は70.87億円、前年比110.6%だったことを発表した。そして、新年度の取締役を選任。また、同月の取締役会において新役員人事を決議し、新執行役員として山崎久興(ひさおき)氏を選任した。
15.JA全農が3年度農機サービス士に37人認定
JA全農は4日、令和3年度に認定した農機サービス士37人を公表した。平成23年度からスタートしたJAグループ農業機械検定の合格者は、これまでに1級77人、2級325人となり(令和3年度合格者含む)、全国の農機センターなどで日々農家の農機整備や機械化提案に活躍している。令和3年度は、1級48人、2級92人が同検定に挑み、学科試験、実技試験の両方で合格基準に達した1級11人、2級26人が新たに農機サービス士に加わった。
JA全農は、同検定を通じて農機担当者のスキルアップを促すなど、農機事業の各面で人づくりに注力しており、とくに農機整備の分野は業界全体で人手不足に苦慮している折から、農機サービス士のさらなる健闘が期待されている。
16.クボタの北米の開発拠点が本格始動
研究開発体制のグローバル化の一環として、米国に研究開発拠点を新設した。現地のニーズに合った製品の研究開発を強化し、北米における事業拡大を推進していく。同社は、事業のグローバル化に伴い現地特有の多様なニーズに応えるべく、グローバル研究開発体制の拡充を進めている。北米は、同社の機械事業にとって最大の市場であり、このたび、北米を中心に事業を展開している芝刈機とユーティリティビークル、トラクター用インプルメント等の新たな研究開発拠点を設立し、現地人が主体となり現地のニーズに適合した製品をスピーディーに開発する体制を整えた。
今後、日本の研究開発拠点や現地の製造・販売拠点との連携を深め、北米での更なる事業の拡大とグローバル化を図っていく。
17.クボタがインドのエスコーツ社を子会社化
インドのEscorts Limited(EL社)に対する第三者割当増資引受及び株式公開買付けが完了したと発表した。これに伴い、EL社はクボタの連結子会社となった。クボタによると、株式の買い付けに要した資金は約750億ルピー(日本円約1200億円。1ルピー=1.60円で換算)。今後の見通しについて同社は、インド証券取引委員会規制その他の適応法令等に従い、EL社の上場子会社であるEscorts Finance Limitedの株式についても発行済株式数の26.0%を上限として同社の株式に対する公開買付け(取得予定価額=最大5320万ルピー〈約8510万円〉)を進めていく。
また、適応法令上必要な手続きの完了その他の必要条件の充足を前提とした第2回減資の手続き、及びEL社を存続会社、クボタとEL社の間の合弁子会社である久保田農業機械インド(株)及び合弁の製造子会社であるEscorts Kubota India Private Limitedをそれぞれ消滅会社とする吸収合併を行う予定。
18.本田技研工業元社長の吉野浩行氏が死去
吉野浩行氏(よしの・ひろゆき=本田技研工業元社長、日本陸用内燃機関協会元会長)は82歳で死去。葬儀はすでに近親者で執り行った。後日、本田技研工業として「お別れの会」を行う予定。吉野氏は1939年11月2日生まれ。63年本田技研工業入社。77年本田技術研究所取締役、83年本田技研工業取締役、88年常務取締役、90年代表取締役専務、92年代表取締役副社長、94年本田技術研究所社長、98年本田技研工業社長、03年社長退任、取締役相談役、09年特別顧問、11年特別顧問退任。2005~06年日本陸用内燃機関協会の会長を務め業界の発展に貢献した。
19.井関農機が愛媛県に協力しカンボジア・バッタンバン州へ
中古トラクター寄贈
愛媛県に中古トラクター1台を寄贈した。トラクターは、同県が交流を推進するカンボジア・バッタンバン州へ寄贈される。寄贈式は県庁本館玄関前で行われ、同県から中村時広知事、井関農機からは冨安社長が出席した。その後知事会議室において、同州と同県をオンラインでつないだ「寄贈式」及び「トップセールス」が行われ、冨安社長は「両者の友好交流の一助になれば幸いです」と期待を寄せた。愛媛県松山市に本社を構える同社に県庁から、SDGsやCRS等の取り組みとして中古トラクターの寄贈等に関する声掛けがあったことから、今回の寄贈に至った。
カンボジアでは約20年にわたり同県出身の高山良二氏(NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会理事長)が地雷撤去の活動をしており、今回寄贈するトラクターは地雷が撤去された土地を「価値を生み出す農地に変える」ために利用される。今回寄贈したトラクターは、インドネシアの同社の工場で生産された東南アジア向けのトラクター「NT504」。40馬力ながら幅広い用途と高い耐久性を誇る製品で、タイなどアセアン各国に出荷している。中古機は整備、塗装を行い、キャノピーとタイヤを新品に交換して提供。新品のロータリー作業機も付属する。
https://www.pref.ehime.jp/h30100/battambang/22battambang.html
20.キャニコムが新工場「演歌の森うきは」の竣工式
新工場「演歌の森うきは」の竣工式を行い、服部誠太郎福岡県知事や高木典雄うきは市長をはじめ、来賓や多数の関係者などが参加した。式の冒頭、同社の包行均会長は新工場のコンセプト「5(ファイブ)づくり」について説明。「ものづくり、ひとづくり、ファンづくり、森づくり、未来づくり」に邁進し、スタッフ全員の「夢づくり」にも挑戦したいと述べた。その後、参列者全員による除幕式が行われた。同工場はラジコン大型草刈機や、自動走行技術によるロボット草刈機、5tクラスの大型産業用運搬車などの生産拠点となる。
包行社長は閉式の挨拶で「一人ひとりの思いを繋いでこの日を迎えられた」とスタッフや支援者などに対し感謝を述べ、地名の「鷹取」にひっかけて「スタッフ全員、この地から皆様の思いを背負って羽ばたいてほしい。鷹になるぞ」と熱く語った。包行社長は式典後の記者会見で「地域の人々に支持されないと我々の『ものづくり』は成功しない。現在の取引先は世界50か国だが、この新工場から100か国を目指し、100億円の売り上げを達成し、100年以上続く企業となる」と未来への決意を述べた。
https://www.facebook.com/chikusuicanycom/posts/3279420555447307/
21.オーレックが中小企業優秀新技術・新製品賞の奨励賞受賞
幹周用草刈機「クワガタモアーKU350」が、優秀な新技術や新製品を表彰する、第34回中小企業優秀新技術・新製品賞(主催=りそな中小企業振興財団、日刊工業新聞社)において、奨励賞を受賞した。
同製品は2つの刈取部が開閉する業界初の機構を搭載し、幹周や支柱周りの草を1度で刈り取ることができる。果樹農園の幹の根元や乗用モアーが入りづらい園周、パイプ支柱周りなどの使用を想定しており「楽に安全に」をコンセプトに、電柱やコンクリート支柱周り、道路沿いのガードレール下などにも使用可能だ。業界初の開閉する刈取部を搭載し、幹や支柱周りの草刈り作業の省力化、時間短縮に貢献している。
同社は「この度の受賞を励みに、さらなる農業の発展に貢献する新製品、サービスの開発により一層力を入れていく」としている。
22.日本農業法人協会が農林水産省に政策提言
「日本農業の将来に向けたプロ農業経営者からの提言」と題した政策提言を農林水産省に提出した。副題を“~我々の目指す未来~「農業が若者の将来就きたい職業の第1位になること」”として、全国約2080会員のプロ農業経営者による現場の声に基づき、日本農業の一層の発展や目指す経営の姿の実現に向けた提言を行った。
提言は、「経営環境が厳しくなる中、農地の集積・集約化、経営環境整備など農政改革の方向を堅持し、より一層、定着発展させる。成長産業化に向けた取り組みを行う担い手を対象とした経営安定対策を推進する」「人と農地の問題解決。農地バンクを活性化させ所有者不明農地なども含め、地域の担い手に農地を集約させるようにする」「担い手の育成・発展。生産技術だけではなくITの活用や高度化する経営に対応できる人材を育成するための環境を整備」-などとしている。