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農業機械関連ニュース

令和4年3月10日発行

<業界短信-新製品3月>

  1. 本田技研工業が小型耕うん機2機種を発売
  2. 松山が大型スリップローラーシーダーを発売
  3. 田中産業がワークウエア「ブルーム」にブラック追加
  4. IHIアグリテックが法面の得意な草刈機を開発
  5. サタケがSAXES新型6インチ籾摺機を発表

<業界短信3月>

  1. クボタのM7トラクター累計生産台数が1万台に
  2. ヤンマーアグリが2022年グローバル大会をWeb開催
  3. 井関農機が島根県、浜田市と有機米産地づくりで連携協定
  4. JA全農が東海・近畿に8カ所目の広域部品センター
  5. やまびこが作業機電動化で環境プラットフォーマーと提携
  6. 井関農機がヤマガタデザインと連携協定
  7. タカキタが2022年3月期第3四半期業績を発表
  8. 日本農業機械工業会が2021年農機輸出入実績を発表
  9. JA全農がJAグループ国産農畜産物商談会をWeb開催
  10. クボタが米ファームエックス社へ追加出資
  11. ヤンマーがオンラインでドローン安全講習会
  12. クボタがKSASのWebセミナーを開催
  13. 本田技研工業が2021年度第3四半期決算発表
  14. クボタが2021年12月期連結業績を発表
  15. 井関農機が2021年12月期連結業績を発表
  16. やまびこが2021年12月期連結業績を発表
  17. オーレックがラボ福岡でヘルシーお菓子イベント
  18. 丸山製作所が2022年9月期第1四半期決算を発表
  19. 日本農業機械工業会が2021年動態統計を発表
  20. 本田技研工業の会長に倉石氏、二輪・ライフクリエーション事業を統合
  21. キャニコムの社歌「みんなの幸せ」が情熱賞を受賞

<業界短信-新製品3月>

1.本田技研工業が小型耕うん機2機種を発売

野菜づくりや家庭菜園などの作業に手軽かつパワフルに対応する新型リアロータリー式小型耕うん機「ラッキーマルチFU700」の販売を開始した。また、これまで力強い耕うん性能と簡単操作、ラクラク作業で支持を得てきたフロントロータリー式の小型耕うん機「サ・ラ・ダFF500」を一部改良し、受注を開始した。  ラッキーマルチFU700は、196ccのパワフルなエンジンと、牽引力の大きい直径400mmの大径タイヤを搭載し、確実かつ力強い作業を実現する新型のリアロータリー式小型耕うん機。比較的広い家庭菜園などでも優れた耕うん性能を発揮する。
 主な特徴は、

  1. 信頼の汎用エンジン「GP200」(排気量196cc)、大径(直径400mm)タイヤの採用によりパワフルな牽引力を実現
  2. アタッチメントを装着せず、本体のみで簡易畝立て作業が可能
  3. ハンドルの左側に設定したレバーの操作により、ワンタッチでハンドル高を4段階に調節可能

-など。

サ・ラ・ダFF500はセルスターターとオートチョークシステムを搭載した排気量145ccのエンジンを新たに採用し、機体の飛び出しを抑え優れた直進安定性を発揮するフロントロータリー式モデル。
 主な特徴は、

  1. ワンプッシュで簡単にエンジン始動
  2. 燃料を入れやすい大開口の給油口(従来比約2倍)の採用により、利便性を向上 3.エンジンを低重心に配置するとともに、ホンダ独自の同軸・同時正逆転ロータリー「ARS」を採用し、爪が土にしっかり食い込み、深く確実な耕うんを実現

-など。

2.松山が大型スリップローラーシーダーを発売

大型トラクター用スリップローラーシーダーSRシリーズ(適応馬力は60~135PS)を発売。水田を主体とした土地利用型農業は、さらなる効率化、経費削減を求められており、また食料自給率の向上の観点から戦略作物である麦・大豆の増産は必須のテーマとなっている。作業幅は2.4mで、仕様としては施肥・播種同時作業(SR240SH=8条・10条・12条・14条)と播種のみ(SR240H=8条・10条・12条・14条)から選択できる。
 主な特徴は、

  1. 鎮圧輪部を強制駆動で回転させることでローラー部への土の付着を低減させ、播種深度が安定
  2. 大規模経営に対応するため最大7km/時の高速作業が可能に
  3. ロータリー部とシーダー部が一体となった専用設計のため、同社UFシーダーに比較してトラクター側に近く装着できマッチングバランスに優れる
  4. 湿田での播種が可能なモーター駆動による強制落下方式を採用し、操作ボックスのボタン操作のみで播種および施肥量・播種量の設定が簡単にできる
  5. フィードバック制御により施肥、播種の繰出し軸にかかる負荷を自動で検知して、常に適切な繰出し軸の回転を維持するので、高精度な作業が行える
  6. AG-PORT付のトラクターにマッチングすることで車速に応じて自動的にシーダーの繰出し回転を車速連動させ、より精度の高い施肥・播種が行える

-など。

3.田中産業がワークウエア「ブルーム」にブラック追加

農林漁業の現場はもとより、アウトドアライフや日常生活でも好評を博しているワークウエア「ブルーム」に新たに「ブラックブルーム」(ジャケット)を追加し新発売した。ブルームは、透湿性・防水性・防風性を兼ね備えたゴアテックスファブリクスを本体生地に採用し、新たに搭載した伸縮素材により身体の動きに合わせて伸縮することで一層の動きやすさを実現した快適ウエア。雨の日でも蒸れにくく水を寄せつけないスタイリッシュなウエアで、仕事着としての価値はもちろん、ウインドブレーカー、防寒着として日常でもカッコよく着こなせる一着。
 「ブラックブルーム」の主な特徴は、

  1. 全て止水ファスナーとし、水の侵入を防ぐ
  2. フィット感を出すため従来のブルームよりサイズを一回り小さくし、立体感を出すためにツバをつけて新しいタイプとした
  3. ルームロゴを左袖の後ろ部分にさりげなくかつシンプルに入れている
  4. 袖口は腕にゴアテックスのロゴ入り。面ファスナーで、袖口を絞るとホコリや水の侵入を防ぐ
  5. 左右の腰部分に大きめのポケットを用意。ペットボトルや財布が入る
  6. 腕にサイズの小さいポケットを付け、名刺入れが入る、左胸部に大きめのサイズのポケットを付けた

-など。

4.IHIアグリテックが法面の得意な草刈機を開発

国産初の「リモコン式小型ハンマーナイフ草刈機」を開発したと公表した。同社、農研機構、福島県農業総合センターからなるコンソーシアムにおいて、2019年から実用化に向け共同研究に取り組んできたもので、現在販売されている草刈機の2倍以上の作業能率を実証した。同社は今年6月から台数限定で市販を開始する予定。
 今回の新型機は、リモコン操作で1mを超える雑草が繁茂した急勾配法面で作業できるハンマーナイフ式の草刈機。最大適応傾斜角は45度。主に草刈部、走行部、操作部で構成しており、100m以上離れた場所からエンジン始動・停止や草刈部の上下などの操作ができる。
 主な特徴は、

  1. 走行部はクローラ式、左右の独立した合計2個の油圧モーターで駆動し油圧式無段変速(HST)により車速を0~1.4m/秒で調整。左右の信地旋回、超信地旋回が行える
  2. ハンマーナイフ式の草刈部は1個の油圧モーターで駆動し電動シリンダで刈刃高さを20~200mmの範囲で調整
  3. 操作部にIP65防塵防水仕様のリモコンを用い、100m以上離れた場所からエンジン始動・停止や草刈部の上下などの操作ができる
  4. 搭載するガソリンエンジン(10kW)は、全方向最大45度までの勾配で運転が保証

-など。

5.サタケがSAXES新型6インチ籾摺機を発表

大規模農家や営農法人などの大規模生産者向け製品ブランド「SAXES(サクセス)」シリーズに、機能性や操作性などを向上させた新型6インチ籾摺機「SRZ6000X」を追加し、市場投入した。同製品は、SAXESのブランドイメージを保持し、従来機NPS6000CKと比べ、機能性や操作性、メンテナンス性を向上させており、大型化、多様化する大規模生産者の要望や期待に応えた。処理能力は毎時2100~2700kg。
 主な特徴は、

  1. Wi-Fi通信機能(名称・サクセススマートコネクト)を搭載し、玄米中の籾混入率が高いと判断した場合や、機械のエラーにより停止した場合に、自動的に循環運転に切り替わる
  2. 残留米清掃時の自動排出制御を採用、自動制御化により機内残留量の低減や排出時間を短縮
  3. 運転状況をLED表示。LED表示色の違いにより運転中、警告、エラー発生と、運転状況がひと目でわかり運転監視や問題発生時の迅速な対応が可能
  4. 高照度のLEDを選別板上に設置し、選別状態の視認性が向上
  5. 操作部にタッチパネル採用。アニメーション表示により操作手順・運転状況を視覚的に分かりやすく把握できる
  6. 選別板角度調整の電動化。「角度調整センサー」と「角度調整モーター」を搭載。タッチパネルで角度調整ができる

-など。

<業界短信3月>

1.クボタのM7トラクター累計生産台数が1万台に

大型トラクター「M7」(170馬力)の累計生産台数が1万台に到達したと発表した。フランスの生産拠点「クボタファームマシナリーヨーロッパS・A・S」で2015年から生産を開始した同機は、約7年間で1万台の大台に達した。同機は、欧米はもとより、延べ32カ国で販売されており、畑作・酪農などの用途で広く稼働している。日本においては、北海道市場を中心に近年急速な伸びをみせ、大規模化する農業現場でより効率的な作業をサポートし、道の内外でさらなる増販が期待されている。
 同社は、今回の1つの節目を機に「今後も世界的な人口増加を背景に食料需要の増加が見込まれる中、当社の長期ビジョン・GMB2030で掲げる『食料の生産性・安全性を高めるソリューション』の実現に向けて取り組むとともに、世界の人々の生活を支える食料の効率的な生産に貢献していく」と、事業推進に意欲を示している。

2.ヤンマーアグリが2022年グローバル大会をWeb開催

ヤンマー特販店を対象とした「2022年ヤンマーアグリグローバル大会」をオンライン上で開催した。席上、増田社長は、2021年度のヤンマーグループ全体の業績について、海外を中心とした売上高の伸長や国内における業務効率化と全社的なコスト構造改革を推進した結果、「前年度と比べ増収増益を見込んでいる」と報告し、参加者に謝意を表した。また、農林水産省が昨年策定した「みどりの食料システム戦略」に触れ、ヤンマーは“A SUSTAINABLE FUTURE”をブランドステートメントとして掲げ、2050年に向けてカーボンニュートラルに対応するため、新しい時代の要請にあった商品開発を加速し、今あるものをただ変えていく改革に留まらず、根本から変えていく変革に挑戦する」と決意を表明した。
 また、ヤンマーアグリジャパンの渡辺社長は、今年の方針を説明し、「ヤンマーの提供する商品・サービス・ソリューションは進化する。私たちは農業の未来を見据えて、お客様の課題や期待に応えるソリューションを提供することに全力を注いでいく。特販店の皆さまとともにお客様を増やしてまいりたい」と、力強く訴えた。さらにヤンマー農機大阪・九州販売店協同組合の西坂良一理事長が挨拶し、先進事例発表では伊籐農機、刑部農機の2社が発表した。

3.井関農機が島根県、浜田市と有機米産地づくりで連携協定

島根県と浜田市、井関農機は地域農業の活性化という共通理念の下、「持続可能な発展のための有機米の産地づくりに関する連携協定」を締結した。井関農機のスマート農業技術と島根県の有機農業の取り組みを融合して、有機米生産の省力化、低コスト化、生産技術の確立、普及を図り、次世代へ地域を引き継ぐために、日本における中山間地域モデルを目指すとする意欲的な取り組みだ。連携協定締結式は、島根県庁と井関農機・夢ある農業総合研究所、ヰセキ中四国をオンラインで結んで行われた。
 連携事項は、

  1. スマート農業技術を活用した有機米の生産確立
  2. 有機米生産の省力化・低コスト
  3. 有機米の生産技術普及
  4. 有機米の流通・販売体制確立
  5. 有機米産地を牽引する経営体の確保・育成
  6. 有機米の産地が持続し発展するために必要な後継者育成

-などに関すること。県農林水産部農業経営課の連携協定の説明によると、有機米生産の最大の課題である「除草」対策として県が進めている土づくり(トロトロ層形成)と井関農機の「抑草ロボット」は親和性が高いという仮説を令和4年産から2ha弱の規模で実証していく計画で、将来的には取り組みを拡大して、「地域での有機米生産、農作業受託、販売まで取り組めるような会社法人等を立ち上げる。県としても生産から販売までしっかり支援していく」とした。

4.JA全農が東海・近畿に8カ所目の広域部品センター

三重県津市内に全国で8カ所目となる「東海・近畿広域部品センター」を開設、受発注と出荷業務をスタートさせた。同センター内で開所式を開催した。これにより全農部品事業の全国体制を確立した。
 JA全農が掲げる「生産コストの低減」に加え、東海・近畿広域は物流・配送体系を見直した物流改革の実現により、農家組合員へのサービスの向上を図る。また、東海・近畿広域では農機の修理・整備に必要な約3万点の部品を保有し、バーコードシステムにより誤出荷防止をしつつ在庫管理をする。JAからの受注・在庫照会については、EOS(エレクトリック・オーダリング・システム)などを導入したシステム化により業務を効率化している。
 農機の修理・整備の現場は多忙を極め、修理・補修用部品の供給が遅れると農産物の生産に甚大な影響を及ぼすため東海・近畿広域は部品の即納率を数量ベースで80%以上に設定した。部品検索機能と連動したWeb発注の導入により、部品を夕方までにトラックに載せると、夜間配送で翌日午前8時30分頃までにJAに納品できる。農繁期は土日祝日を含め毎日配送する。

5.やまびこが作業機電動化で環境プラットフォーマーと提携

自律型MaaS(Mobility as a service)の開発を行う環境プラットフォーマーのMIRAI-LABOと「ハイブリッド自律型エネルギーシステム」および「屋外作業機の電動化ならびに移動型バッテリー充電システム」の開発・事業化を目的とした資本業務提携契約を締結した。両社が目指す低炭素・循環型社会の実現に向け協業体制を強化し、経済活動と自然環境の維持・改善を目指す。
 「ハイブリッド自律型エネルギーシステム」は、MIRAI-LABOが開発する太陽光路面発電パネル(道路面に設置し、その上を人や車が通行可能な太陽パネル)とリユースEVバッテリー(電気自動車で一度役目を終えたバッテリーを、リサイクルの一歩手前でリユース活用した蓄電池)で構築する〝自律型エネルギーインフラAIR〟(センシング・通信・照明などに自律型エネルギーを供給する新たなエネルギーインフラの総称)と、やまびこが製造する発電機を組み合わせることで、天候に左右されず、災害にも強いエネルギーシステムを開発し、事業化を目指す。
 「移動型バッテリー充電システム」は、リユースEVバッテリーを活用して、やまびこが製造するバッテリー農林造園用機器の屋外作業機の開発。また、それら機械に使用されるEVバッテリーを屋外で充電するための移動型バッテリー充電システムを開発し、事業化を目指す。

6.井関農機がヤマガタデザインと連携協定

ヤマガタデザインと山形県庄内地域の環境保全型農業モデルを構築するため「環境保全型農業モデルの構築による街づくりに関する連携協定」を締結した。この協定は、山形県庄内地域において両者の事業や技術を取り入れた環境保全型の栽培体系や農業人材の育成により、広く全国に展開可能な地域を活性化させる環境保全型農業モデルを構築することを目的としている。両者は昨年6月、ヤマガタデザインが進める革命的といわれる稲作用「自動抑草ロボット」の開発協力及び実用化後の販売、有機農業の普及発展に努めるために業務提携している。
 主な連携内容は、

  1. 地域の有機栽培を軸とした環境保全型農業のモデルの構築
  2. 地域の農業を担う人材の育成
  3. その他地域の街づくり事業(地域教育向上への取り組み等)

-に関すること。

締結式で冨安社長は、「今回の協定では相互の事業、技術を取り入れた環境保全型農業の実証、知見を活かした次世代の農業人材育成への支援、それに将来を担う子どもたちが環境保全型農業への理解を深めていけるよう教育活動を通した街づくりに取り組み、広く地域を活性化させる環境保全型農業県の構築に、我々としても尽力させていただきたい。このたびの提携が地域活性化のモデルとなるように、また井関グループが取り組む〝夢ある農業〟の実現に、ひいては日本農業の持続的な発展のために重要な役割を果たすようにしたい」と挨拶した。

7.タカキタが2022年3月期第3四半期業績を発表

2022年3月期第3四半期(2021年4月1日~12月31日)の業績を発表した。それによると、農業機械事業は主力製品のシリーズ化や国の畜産クラスター事業の採択が一定程度進んだことにより、エサづくり関連作業機の可変径ロールベーラおよび細断型ホールクロップ収穫機等の伸張や、有機肥料散布機ミックスソーワ等の新製品投入効果もあり、国内売上高は増収となった。農業機械事業全体の売上高は前年同期比6億9900万円増加し50億5900万円(前年同期比16.0%増)となった。第3四半期累計期間の売上高は前年同期比6億5300万円増加し、53億5500万円(前年同期比13.9%増)となった。
 農業機械事業は主力製品のシリーズ化や国の畜産クラスター事業の採択が一定程度進んだことにより、高品質な国産飼料増産と食料自給率の向上に寄与するエサづくり関連作業機の可変径ロールベーラおよび細断型ホールクロップ収穫機等の伸張や、有機肥料散布機ミックスソーワ等の新製品投入効果もあり、国内売上高は増収となった。また、海外売上高は、感染症の影響により営業活動の縮減が続いたものの、中国向けの部品受注が増加したことや、オンライン展示会の活用効果により増収となった。

8.日本農業機械工業会が2021年農機輸出入実績を発表

2021年1~12月の農業機械輸出入実績によると、輸出金額は3011億7435万円で前年比134.1%、輸入金額は758億1836万円で同116.1%と、輸出入ともに2桁増となった。機種別金額ベースでみると、トラクターは全体で輸出が2212億5392万円で同143.9%、輸入は194億3142万円で同99.0%となり、トラクターの輸出が大幅に伸びた。コンバインや播種機・植付機・移植機は輸出が減少したのに対し、芝生刈込機や刈払機、モーア等の草刈機はそれぞれ増加した。
 機種別台数ベースでは、トラクター輸出の合計は11万9293台で前年比132.3%と記録的な増加をみせた。昨年はトラクターの輸出が大幅に増えた一方で輸入はやや減となり、国産トラクターの好調が裏付けられた。歩行式トラクターの輸出も3万9971台で134.3%と好調。播種機・植付機・移植機の輸出は5119台で94.7%に減ったものの、金額面では104.7%に増えた。コンバインの輸出は3340台で98.4%、金額でも95.9%に減少した。肥散布機が121台で100.8%、芝生刈込機が2万6660台で122.6%、刈払機が44万6111台で111.7%、モーア等の草刈機が2915台で124.7%、ベーラーが2915台で128.7%、チェンソーが31万1474台で131.3%、除雪機が1万272台で100.6%など健闘した。

9.JA全農がJAグループ国産農畜産物商談会をWeb開催

JAバンクとともに、全国のJAグループが集結する「第16回JAグループ国産農畜産物商談会」をオンラインでスタートした。コロナ禍により昨年に続き会場開催ができなかったものの、「地域の魅力を未来につなごう!」をテーマに全国からJAや生産者など108団体が出展し、魅力あふれるJAグループ商品が一堂に集まり、バイヤー向けにこだわりの地域産品をPRしている。オンライン商談会のサイトでは、農産品・畜産品・加工食品・菓子類といった商品分類や、エリア・都道府県・用途区分・新商品・商品特徴などさまざまな条件で出展商品や出展者を検索することができる。
 さらに検索して出てくる出展者のページでは、所在地や公式サイトリンク、PR動画、出展者PR、出展商品などが並び、商品のページでは商品写真をはじめ、その特徴や希望小売価格、ロット、内容量、美味しい食べ方などが掲載され、詳細を知ることができる。バイヤーとして参加登録を行えば専用マイページから商品マッチングサポートや気になる商品のお気に入り登録、出展者への問い合わせ、商談申込み、サンプル提供依頼などが可能となっている。同商談会の開催は3月31日まで。

10.クボタが米ファームエックス社へ追加出資

米国のスタートアップ「FarmX,Inc.」(ファームエックス社)に、このたび追加出資した、と発表した。ファームエックス社は、2014年に設立されたスタートアップで、果樹・ナッツ等の生産者に対して、収量の最大化を支援する農場管理ソリューションを提供している。灌漑自動化並びに作物の生育環境最適化、収量最大化のための一体型プラットフォームサービスの提供を事業内容としており、自社開発の土壌センサーから得られる土壌データに加え、灌漑システム、天候、作物のストレス状態などに関する詳細かつ正確なデータを収集し、AIを活用して圃場内のあらゆる問題の詳細な分析、最適に計画された自動灌漑(作業)、収穫量の予測、適切な収穫時期予想などの一貫したソリューションを提供している。
 ファームエックス社のサービスを導入した生産者からは、収量の向上と人件費および水・電気使用量の削減により収益改善に効果があると評価されている。

11.ヤンマーがオンラインでドローン安全講習会

農薬散布用ドローンに関するオンラインセミナー「ドローン安全講習会」を実施した。スマート農業の代表株として普及が拡大しているドローンだが、防除作業の時期が限られているだけに、操作方法などに不安をおぼえるユーザーもあり、そうした悩みを解決するサポート策として安全講習会を行っている。今回はヤンマーアグリジャパン農機推進部の阿部洋佑、サービス事業部の有賀寛幸の両氏が説明に当たった。初めに阿部氏がドローンを取り巻く環境について紹介。有賀氏は、ドローン作業による事故の実態と原因、万が一事故が発生した場合の対処法などを語った。
 ドローンで安全に作業するために必要なことは、

  1. 障害物を記入した散布計画地図の作成(圃場を現地で確認し障害物を記入)
  2. 見えにくい障害物には目印を設置
  3. オペレータとナビゲータで互いに指差し呼称を励行
  4. こまめな暑さ対策と余裕を持った散布スケジュールで作業
  5. 養蜂業とのトラベルが報告されており、養蜂農家の情報を市町村に確認

-を掲げ、基本動作が無事故への一番の近道と強調。常に初心の心構えを忘れないように取り組み、事故ゼロを目指しましょうと呼びかけた。この後、動画でドローンの新製品T10/30を紹介した。

12.クボタがKSASのWebセミナーを開催

KSASをいかに役立てることができるかを伝えるWebセミナーを開催し、約200人が参加した。同社社員が紹介映像や操作用デモ画面を使いながらセミナーを進行し、KSASの有効性を参加者に説明し、入会を促した。KSASは、農業経営を見える化して農業経営課題の解決をサポートする営農支援システム。セミナーの中では、KSASを使って何ができるかを丁寧に解説。電子地図を使った圃場管理や、パソコン、スマホから項目を選択するだけの作業記録と作業日誌化、集団や法人内メンバー間での進捗状況確認、栽培計画の立案と資材費の計算、KSAS対応農機の作業軌跡の確認などができる等の説明があった。
 入会検討参加者に向け、一部機能のみの活用で、自分の営農スタイルにあった形での運用ができることやデータ活用による見える化の利点、初年度無料で利用可能であることに加えて、2月から始まった登録圃場枚数100枚までシステム利用料が無料となるプランが登場したことなどが伝えられた。

13.本田技研工業が2021年度第3四半期決算発表

2021年度第3四半期決算および通期見通しを発表した。第3四半期累計(9カ月間)の売上げ収益は全ての事業における増収などにより、10兆6770億円(前年同期比11.8%増)であった。第3四半期累計の営業利益は、2246億円増益の6716億円となった。汎用エンジンをはじめ、耕うん機、発電機、除雪機、芝刈機などを提供しているライフクリエーション事業及びその他の事業の営業利益は74億円で前年同期比11億円改善した。また、同事業の売り上げ台数は、450万台(前年比64万5000台増)だった。
 2022年3月期通期の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症の再拡大や、半導体を含む部品の供給不足、原材料価格の高騰など、厳しい外部環境は続くと見込む。営業利益は、販売費及び一般管理費やインセンティブの抑制など、収益改善の取り組みをさらに進めることで、前回見通しに対し、1400億円増益の8000億円へ上方修正した。また、通期での親会社の所有者に帰属する当期利益は、前回見通しに対して、1150億円増益の6700億円へ上方修正した。

14.クボタが2021年12月期連結業績を発表

オンラインで記者会見し2021年12月期連結業績(IFRS=国際財務報告基準)を発表した。それによると、売上高は2兆1967億6600万円(前期比18.5%増)、営業利益2462億円(同40.5%増)、税引前利益2525億5900万円(同35.9%増)、当期利益1907億3200万円(同34.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1756億3700万円(同36.7%増)となり、売上高、利益とも過去最高を更新した。
 機械部門の売上高は前期比23.6%増加して1兆8648億円となり、売上高全体の84.9%を占めた。うち国内売上高は前期比6.0%増の3105億円となった。消費増税前の駆け込み需要の反動減からの回復や、経営継続補助金による需要の増加により農機や農業関連商品が伸長した。海外売上高は前期比27.8%増の1兆5543億円となった。北米ではサプライチェーンの混乱による調達の遅れは続いているが、郊外移住などに伴う旺盛な需要を背景にトラクターや建機が大幅に増加した。欧州では、前年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う販売低迷からの回復により、建機、トラクター、エンジンが増加した。アジアでは、タイでの農機が良好な天候や作物価格の高値安定に支えられた畑作市場の好調により大幅に増加したほか、インドでも農機が好調に推移した。
 役員の異動では新任取締役に木村浩人氏(常務執行役員研究開発本部長)が内定した。定時株主総会開催予定日は3月18日。

15.井関農機が2021年12月期連結業績を発表

オンラインで会見し、2021年12月期連結業績(日本基準)を発表した。それによると、売上高は1581億9200万円(前期比6.0%増)、営業利益41億4700万円(同99.0%増)、経常利益46億8700万円(同175.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益31億9600万円(前期は純損失56億4100万円)と、昨年策定した新中期経営計画(2021~2025年)の初年度を増収・大幅増益で飾った。期末配当は30円の復配を予定。海外売上高は過去最高の408億円、海外比率は25.8%にアップした。また、販売会社の収支構造改革の一環として力を入れてきた作業機・部品・修理収入の売上げは堅調に推移した。
 冨安社長は、2021年12月期実績は「増収増益、ほぼ業績予想通り」としたうえで、国内は消費増税反動減からの回復と経営継続補助金などに伴う需要喚起と、下期は米価下落等もあり伸び悩みとし、経営継続補助金の需要喚起については「底上げよりもむしろ前倒し効果にとどまった」との見方を示した。2022年12月期の業績予想は、「増収・営業増益、期末配当は引き続き30円」とし、売上高は1665億円(前期比5.3%増)、うち国内1190億円(同1.4%増)、海外475億円(同16.7%増)とした。国内は「(市場の)回復は緩やか」としつつ、農業の構造変化に対応した大型機械、スマート農機に加え、サービス・サポート対応の推進強化と、堅調な部品・修理収入により増収を見込む。

16.やまびこが2021年12月期連結業績を発表

2021年12月期の連結業績(2021年1月1日~2021年12月31日)を発表した。それによると、売上高は1423億2800万円(対前期比7.8%増)、営業利益93億3000万円(同3.2%減)、経常利益99億1300万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は75億円(同13.0%増)となった。地域別では、国内売上げが一般産業機械の減少、小型屋外作業機(OPE)も微減となり464億3000万円(同5.6%減)、海外売上げは米州や欧州でOPEが大幅に伸長、また、北米の農業用管理機械と一般産業用機械も増加したことで958億9800万円(同15.8%増)と大幅な増収となった。
 セグメント別の概況は、OPE売上高は1004億8500万円(対前期比10.5%増)。。国内のOPEは、前年の定額給付金の反動に加え、当用期である夏場に長雨となつなど天候不順が影響し、主力の刈払機やチェンソーの販売が減少したことにより減収となった。海外のOPEは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う在宅時間の増加を背景にチェンソーやパワーブロワ、刈払機で高い需要が継続し大幅な増収となった。
 農業用管理機機械売上高は242億7600万円(同12.2%増)。国内の農業用管理機械は、経営継続補助金により高性能防除機械やモーアの販売が伸長したことにより増収となった。海外は北米の農産物市場価格の上昇を背景に農業機械の需要が高まり、大豆やポテト収穫機の販売が好調に推移し大幅な増収となった。

17.オーレックがラボ福岡でヘルシーお菓子イベント

ブランド発信拠点「OREC green lab福岡」で素材にこだわったスイーツを集めた「ギルトフリーなスイーツ展~オーガニックなヘルシーお菓子~」を開催した。チョコレートの国際大会で4年連続受賞している人気店や、ネット販売のみの新鋭ショップなど計11店舗が出店し、オーガニックスイーツ20種を販売した。同社の広報によれば、店舗のセレクトは、最低1つオーガニック素材を使用していることや、白砂糖不使用、動物性素材不使用などを判断基準にしたという。期間中641名が来場し、約1300個を販売。売上げは昨年開催時の2倍に達した。
 同イベントは「安全・安心なお菓子を作る人の思いを届けたい」がコンセプト。イベント名の「ギルトフリー」とは「罪悪感がない」という意味で、飲食を中心に広がりつつある考え方。これについて同社は「コロナ禍で健康や食の安全への関心が高まる中で、全国のこだわりショップや商品を知ってほしいという思いで開催した。期間中に何度も来店してくださり、手に入りづらい商品目当てに開店前から並ばれたお客様もおり、好評なイベントとなった」とコメントした。

18.丸山製作所が2022年9月期第1四半期決算を発表

2022年9月期第1四半期の決算は、売上高77億1800万円、前年同期比9.2%増、営業利益300万円(前期はマイナス6400万円)、経常利益5000万円(同4900万円)の増収増益となった。主力の農林業用機械については、国内はアグリ流通では大型機械やセット動噴が減少。海外は中南米向けの動噴や刈払機の増加などにより、国内外の売上高合計は53億8900万円(前年同期比1.5%増)、営業損失は1億1100万円となった。工業用機械は工業用ポンプが増加し、国内外の売上高合計は17億3900万円、同50.9%増と大きく伸びた。
 同社は、実績アップに向け、この期の新規取り組みとしてホームページ上でオンライン展示会を実施。また、新規分野開拓を目的にポンプ技術を活かしたウルトラファインバブル製品の拡販活動、海外でのオンライン商談会などを進めてきた。

19.日本農業機械工業会が2021年動態統計を発表

2021年1~12月の生産出荷実績(経済産業省生産動態統計)を取りまとめた。それによると、累計生産金額は4761億9200万円で前年に比べて120.7%に、累計出荷金額は4586億2100万円で同118.6%となり、どちらも約2割増と大幅な伸びをみせた。
 機種別の累計出荷実績をみると、トラクター、動力耕うん機、防除機、刈払機、コンバインの増加が著しかった。装輪式トラクターは数量15万9106台(前年比127.5%)、コンバインは1万3846台(103.6%)、田植機は1万9862台(99.4%)だった。動力耕うん機は13万4302台(111.5%)、146億9800万円(109.6%)に増加した。防除機は14万3075台(107.7%)、51億5000万円(105.7%)となった。刈払機は85万4730台(113.0%)で155億7400万円(110.9%)と2桁の伸びをみせた。

20.本田技研工業の会長に倉石氏、二輪・ライフクリエーション事業を統合

指名委員会において2022年6月開催予定の定時株主総会日付の取締役人事を内定。同日開催の取締役会において、取締役会長に現取締役代表執行役副社長の倉石誠司氏が就任する人事を発表した。加えて、2022年4月1日付の代表執行役、取締役、執行役および執行役員人事を決定。新たな経営体制のもと、更なる成長・価値創造を可能とする企業への変革を推進していく。定時株主総会日付の取締役人事は定時株主総会において、また、同日付の執行役人事は同日開催予定の取締役会において、それぞれ正式に決定する。
 また、二輪事業本部とライフクリエーション事業本部を4月に統合する。ものづくりセンター(二輪事業)と、各生産企画、購買企画、量産工場機能の統合によるものづくりの進化のために、各事業の体質強化と高効率化を目指す。

21.キャニコムの社歌「みんなの幸せ」が情熱賞を受賞

社歌「みんなの幸せ」が、立川ステージガーデンで行われた第3回NIKKEI全国社歌コンテストの決勝戦で情熱賞に選ばれた。同曲は、作曲した故・小林亜星氏が候補として提示した3案の中から、同社が「一番社歌っぽくない曲」として決定したという。作詞は故・伊藤アキラ氏が担当した。YouTubeの同社オフィシャルアカウントで聞くことができる。同コンテストには142社の応募があった。
 一般投票の上位と、シンガーソングライターの川嶋あい氏やジャーナリストの弓狩匡純氏などの審査員により12社が選出され、決勝戦の様子はYouTubeで配信された。1位の最優秀賞・2位・3位のほかに入選15社として発表されたのが、今回の情熱賞やチームワーク賞、ユーモア賞、想いが伝わる賞、心に残る音楽賞で、決勝戦当日にサプライズとして発表された。