令和4年2月10日発行
<業界短信-新製品2月>
- ヤンマーアグリが一部のトラクター・作業機を公道走行対応に仕様変更
- クボタが2022年新製品を発表
- IHIアグリテックが大型マニュアスプレッダをモデルチェンジ
- オーレックがリンゴ黒星病対策に牽引式スイーパー・落葉収集レーキ発売
<業界短信2月>
- クボタが下妻市との連携協定を締結
- 井関農機が北海道に最大級の整備工場をオープン
- 井関農機が新潟市と連携協定を締結
- やまびこが新ブランド「YAMABIKO LINK」を発表
- 本田技研工業が中国にEV専用工場を建設
- やまびこで人事発表、北林氏が新取締役に
- オーレックが農高川柳コンテスト学校賞の贈呈式
- 日本農業機械工業会が2年ぶりに賀詞交歓会
- 諸岡、諸岡協力会が令和4年賀詞交歓会
- クボタが2022クボタ新春のつどい・第75回クボタ機械グループディーラーミーティング
- クボタが新春イベント「GROUNDBREAKERS」開催
- 井関農機が2022年ISEKI全国ミーティング
- JA全中の中家会長が定例会見、今年の一字は「再」
- クボタが新研究組織「北米研究ユニット」を新設
- ヤンマーアグリが「第32回学生懸賞論文・作文」の入選者発表
- 三菱マヒンドラ農機が2022ディーラーミーティング
- ヤンマーホールディングスがインドにエンジンの新工場
- 日本農業機械工業会が2021年日農工統計を発表
- JA全農が肥料業界団体と被覆肥料のプラスチック削減へ取組方針策定
- ヤンマーホールディングス副会長・山岡靖幸氏が逝去
<業界短信-新製品2月>
1.ヤンマーアグリが一部のトラクター・作業機を公道走行対応に仕様変更
農作業安全への取り組みを強化するために、一部トラクターと作業機で、公道走行対応に伴う仕様変更を行い、トラクタ「YT1シリーズ」の左側ミラー標準装備と、一部の純正ロータリに制限標識を同梱した。
トラクターに作業機を装着した状態で全幅1.7mを超える場合は、左側ミラーの装着が必要となる。「YT1シリーズ」では従来オプションであった左側ミラーを標準装備化する。なお、YT120キビ仕様、YT122全面マルチは装備済みとなっている。
トラクター「GK/YT/YT2/YT3Aシリーズ」では、純正ロータリに制限標識を同梱する。トラクター本機とロータリの組み合わせについて、機体の最外側から灯火装置までの距離が40cmを超えるロータリについては、制限を受けた自動車標識の取り付けが必要となるため。
同社は、農林水産省と連携し、同社が推進する全国農作業安全確認運動に基づいて、「今後も公道走行対応の周知活動と安全啓蒙活動に取り組んでいく」としている。
2.クボタが2022年新製品を発表
日本農業の現状とこれからを考えるイベント「GROUNDBREAKERS」をオンラインで開催し、その中で今年発売の新製品を発表した。主要機は、トラクター「FT240メカスペシャル」、無段変速KVTミッション搭載の新型「レクシア」、アグリロボトラクター「MR1000AH」。田植機「ナビウェル」のラインアップ追加。自脱型コンバイン「カルウェイ」。また、KSASの新機能も合わせて披露した。
新KSASは昨年より段階的にリリースを行っており、今回はパソコン版の作業進捗、作付計画、圃場台帳など各種台帳の機能をリリースした。また2月より「KSAS営農コース」で無料プランを開始する。
新KSASの主な特徴は、
- 作業進捗マップ機能=進捗状況のステータス詳細を色別表示。「作業項目」「作付計画」「作業期間」を指定し、どの作業がどのくらい進んでいるのか、マップ上で一目で確認できる
- 作付計画に対しての進捗状況をグラフ化。作業の進捗や終了の目途が立てられるようになった
- 無料プラン=KSAS営農コースに無料プランを開始。圃場登録枚数が100枚までは機能制限なしで全機能を利用でき101枚以上は有料
-など。
トラクター新型レクシアは60~70馬力を発売。これにより、シリーズのフルラインアップが完成した。
主な特徴は、
- 無段変速KVTミッション=トランスミッションは無段変速KVTを採用し、変速操作なしで発進から最高速度までスムーズ。
- デザイン一新のワイドキャビン=ワイドキャビンを採用し、現行機に比べキャビン容積を約15%アップ。外観、内装共にデザインを一新
- LEDとフットライト=作業灯は全てLEDを標準装備すると共に、ドアの開閉と連動して左側昇降用ステップを照らすフットライトを新採用
-など。
トラクター「ニューグランフォース24馬力ホイル・マニュアルシフト仕様スペシャル機」は、「2駆4駆切替レバー」を標準装備した。アグリロボトラクターはラインアップの拡充として、無段変速KVTを搭載した「MR1000AH」を発売した。
https://ksas.kubota.co.jp/#/top/
https://agriculture.kubota.co.jp/product/combine/kalway/
https://agriculture.kubota.co.jp/product/tractor/rexia_mr600-700/
https://agriculture.kubota.co.jp/product/tractor/agrirobo_mr1000ah/
3.IHIアグリテックが大型マニュアスプレッダをモデルチェンジ
大型のマニュアスプレッダTMSシリーズをモデルチェンジし、7型式を夏3月から新発売すると発表した。新型機はTMS7020M/8020M/9020M/11020M/13020M/11020W/13020W。従来機で好評を得ている機能はそのままに、公道走行に対応するウインカー、バックランプなどの大型LED灯火器類やセーフティチェーンをはじめ、マッドガード・テンションゲージ、横軸/縦軸ビータタイプのリヤボードなどを装備、精度の高い散布力と耐久性向上を図った。
主な特徴は、
- 全幅を抑えた船底型荷箱形状、平歯車減速機によるコンベア連続送り機構で耐久性が高い、搬送力の高い強力な床送り4列コンベアチェーン、18段階の床送りで細やかな調整が可能なリモコン装備などの従来機構はそのまま
- 縦軸ワイドビータタイプは細かく、広く、均一散布ができ、13立方mクラスは2輪ブレーキ装備
- 横軸/縦軸ビータのリヤボード、横軸ビータタイプのビータフレーム・マニュアパンを溶融亜鉛メッキ化して防錆性を向上
- PICシャフトベアリング部およびワイドビータ部給脂が側面から可能
- オプションとしてパワーゲートアタッチAPG13000(横軸ビータ、縦軸ワイドビータ共通)を用意。流動性のある堆肥やこぼれやすい性状の堆肥などの積込み・散布に最適
-など。
4.オーレックがリンゴ黒星病対策に牽引式スイーパー・落葉収集レーキ発売
3月より、乗用草刈機「ラビットモアー」全機種に取り付けられる「牽引式スイーパーSW700」とアタッチメント「落葉収集レーキ」を発売する。リンゴ黒星病の抑制に向け、農研機構、地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所と共同開発した。
リンゴ黒星病の蔓延対策には伝染源となる葉を収集し処理することが有効だが、リンゴの主産地である青森県では葉が落ちきる前に降雪が始まるため、雪解け後の地面に張り付いた葉を収集するのは容易ではなかった。そこで落葉収集レーキは、積雪地帯特有の地面に張り付いた葉を掻き起こし、回転ブラシで巻き上げながら収集する。作業は1名で可能だ。牽引式スイーパーSW700はタイヤを動力として回転するブラシで刈り草や落ち葉を収集。コンパクト設計で狭い果樹園内も容易に操作できるようになっている。
主な特徴は、
- 乗用草刈機で牽引しながら、効率よく落葉の集草が可能。作業効率は、手作業の約30倍。落葉除去率も樹園地全体(樹冠下など走行作業ができない場所を含む)で5~8割と、高い除去率を確認。
- 集草から排出まで作業者1名で可能。集草バケット開閉用の紐を引くだけで、運転席に座ったまま落葉を排出できる。水を含んで重くなった落葉も想定し、約10kgまで持ち上げられる。
- 乗用草刈機との高さ、幅、タイヤ幅を合わせているため、果樹園でも高い操作性を発揮
-など。
<業界短信2月>
1.クボタが下妻市との連携協定を締結
茨城県下妻市と、同市における新規就農者への支援及び農業経営の発展に向けた取り組みに関する連携協定を締結した。協定によると、同社として全国で3例目となる農機シェアリングサービス拠点を設置するとともに、スマート農業や農地での再生可能エネルギーの創出など、脱炭素化に向けた取り組みについても検討していく。
取り組みの方向性としては、クボタが新規就農者及び事業拡大希望者の初期投資軽減につながる農機シェアリングサービスを提供し、同市が農機シェアリングサービス拠点周辺の農地確保及び契約支援に取り組む。今後は、農業の高収益化を目指し、スマート農業による省力化、精密化及び高品質な農作物生産の実現に関する検討を進めるとともに、環境面でも持続可能な農業を目指し、農地での再生可能エネルギーの創出など、脱炭素化についても共同で検討を進めていくとしている。
下妻市役所で行われた連携協定締結式には、クボタからイノベーションセンタービジネスインキュベーション部の辻村克志部長、市からは菊池博市長が出席した。辻村部長は「農機シェアリングサービスをはじめとした、新規就農者への支援及び農業経営で直面する様々な課題の解決策を共同で企画・実施することにより、農業就業人口を増やす力になりたい」と語った。
2.井関農機が北海道に最大級の整備工場をオープン
ISEKIグループとして最大級の大型拠点が北海道三笠市にオープンしたことを明らかにした。ヰセキ北海道の空知中央営業所・整備工場がそれで、敷地総面積は4万1412平方m(約4ha)、建物総面積は2073平方m(うち1階事務所383平方m、2階会議室330平方m、整備工場1360平方m)。整備工場はISEKIグループで最大級となる。整備工場には、屋内洗車場、塗装ブース、最大2.8t天井クレーン2基、開口部は幅5mのオーバースライドシャッター、温水セントラルヒーティングなどを装備している。また約2haの圃場を備え、各種研修・実演会の開催も可能、としている。
ヰセキ北海道では、これまでの美唄、月形、岩見沢、新篠津の4営業所を、新たに空知中央営業所(黒宮弘二所長)として統合、また岩見沢市栗沢町の南部整備工場を移転し、空知中央整備工場に改称した。空知中央営業所・整備工場がある空知地区は、全道一の作付を誇る稲作を中心にたまねぎや白菜、カボチャなどの生産地で、近年大規模化やスマート農業の導入が進んでいる。黒宮弘二所長は「大型農機に対応したモデル営業所として、地域ナンバー1の営業所をめざし日々精進してまいります」とコメントしている。
3.井関農機が新潟市と連携協定を締結
新潟県新潟市(中原八一市長)と「先端技術を活用した持続可能な農業の推進に関する連携協定」を締結。その締結式が新潟市役所で行われた。
同協定は、先端技術を活用した農業(スマート農業)を用いて、有機農業をはじめとする環境に配慮した持続可能な農業の実践と、その効果の検証を通じて、新潟市における取り組みの拡大を図ることを目的とする連携協定。連携事項は
- スマート農業を用いた持続可能な農業の企画・提案
- 農業生産者と協力した持続可能な農業実証・実践
- 実証・実践で得られた情報の収集・分析や効果の検証
- 情報の収集・分析や硬化の検証の結果に基づく助言、指導
- 新潟市における持続可能な農業の普及に向けた広報
- その他、前条の目的達成のために必要な事項
-など。
締結式には新潟市から中原市長、井関農機から冨安社長らが出席。中原市長は、これにより「新たな価値の創造、販路拡大、ひいては地域社会全体の持続可能性向上につながるよう取り組んでまいりたい」と述べた。富安社長は「今回の連携では井関のスマート農業技術と新潟の地に適した持続可能な農業の融合、その拡大にさらに尽力したい」とし、「今回の取り組みが新潟市における次世代農業のモデルケースとなることを確信するとともに、井関グループが取り組む夢ある農業実現に、ひいては日本農業の持続的な発展に重要な役割を果たすものとしたい」と述べた。
4.やまびこが新ブランド「YAMABIKO LINK」を発表
ユーザーとやまびこ、やまびこと製品、製品とユーザーなど“つながる”機能・サービスを提供する新ブランド「YAMABIKO LINK」を発表した。同ブランドを通じて、同社の企業理念である“人と自然と未来をつなぐ”を具現化し、ユーザーの課題解決と利便性に寄与する機能・サービスを提供し、ユーザーのビジネス発展につなげたいとしている。
新ブランド「YAMABIKO LINK」は、ユーザーの悩みを聞き、課題解決や利便性向上につながる機能・サービスを提供するもの。発電機に遠隔でモニタリングできる機能を搭載し、定期点検などの管理を効率化する。発電機は非常用の予備電源や建設工事現場の電源として導入されることが多く、無人環境下で異常や故障に気が付きにくいという課題があった。遠隔で稼働状況をモニタリングすることで、燃料切れなどの異常発生後の迅速な対応が可能となる。
海外市場で先行導入した同種のモニタリングシステムで得た知見やノウハウを基に、国内市場で実証実験を進め、今期からのスタートを予定している。また、今後はモニタリング機能に限らず、メンテナンスを請け負うサブスクリプション型の付帯サービスなども検討している。
なお、同社では、これまで同社製品を使用しているユーザーの利便性向上を図ると共に、同社製品を使用していないユーザーに対しても、同ブランドが提供する機能・サービスをきっかけに、新規顧客の拡大につなげたいとしている。
5.本田技研工業が中国にEV専用工場を建設
中国における四輪車生産販売合弁会社である東風本田汽車有限公司(東風Honda)は、今後投入を拡大する電気自動車(EV)の生産体制構築に向けEV専用新工場を湖北省武漢市建設する。新工場は2024年の稼働開始を目指し、敷地面積63万平方m、基本生産能力12万台/年を予定している。
完成車一貫生産が可能な高効率・スマート工場として、プレス、溶接、塗装、組み立て、完成車検査などの工程を有し、組み立て工程などを中心に業界トップ水準の自動化率を目指す。また、カーボンニュートラル実現に向けたソーラー発電など、サステナブルな取り組みも積極的に進めていく。
同社は今後も2050年カーボンニュートラルの実現に向けた電動化の取り組みを加速し、ユーザーの期待を超える魅力ある商品を提供していく、としている。
6.やまびこで人事発表、北林氏が新取締役に
取締役会において、代表取締役および役員の異動を内定。2022年3月30日開催予定の第14回定時株主総会の承認を経て正式に決定する。執行役員の異動については、株主総会後の開催予定の取締役会で正式に決定する。役員の異動では、永尾慶昭代表取締役が退任し、相談役に就任する。新取締役に北林孝明氏が就任。また、林智彦取締役は取締役を退任し顧問に就任、継続してやまびこジャパン取締役会長となる。社外取締役では亀山晴信氏が新任する予定となった。同社の取締役会は8名で構成され、うち4名が社外取締役となる。
執行役員の役職位および担当業務は、社長執行役員の久保浩氏がエコー・インコーポレイテッド会長兼デジタル戦略担当、常務執行役員の北林孝明氏が企画・経理本部長(2022年3月30日改組予定)兼やまびこヨーロッパ・エス・エイ会長、上席執行役員の北村良樹氏が生産本部長兼追浜工業株式会社取締役会長兼愛可機械有限公司董事長兼やまびこベトナム会長、執行役員の吉崎拓男氏が製品開発本部長を予定している。
7.オーレックが農高川柳コンテスト学校賞の贈呈式
九州の農業・水産系高校を対象とした「第4回九州農高川柳コンテスト」の学校賞を受賞した都城農業高校で贈呈式を行った。同社の今村晴彦専務取締役が賞状と副賞の「ラビットモアーRM983F」のレプリカキーを、同校を代表して個人賞を受賞した農業科3年の荒神葵咲妃さんと、食品化学科3年の小久保遥菜さんに贈呈した。今村専務は挨拶で「コンテストに参加した全41校の中から、学校全体の句への評価が高い都城農業高校を学校賞に選出した。副賞のラビットモアーは、草を刈り土を耕し安全安心な作物を作って欲しいという想いを込めた」と述べた。 校長の萩原浩二氏は「全校一丸となりコンテストに取り組んだ。受賞できて大変驚いている。ラビットモアーは校内の環境整備の他、野球やソフトボールのグラウンド整備などに活用したい」と述べた。
同コンテストは昨年は「わたしと農業」をテーマに開催し、九州各県の農業系高校の生徒から7787作品の応募があった。学校賞は、学校全体で川柳のレベルが高い高校を選出する。都城農業高校は審査委員の合議で「初参加であるが作品数も多く、学校として力を入れているのがよく伝わる」と評価され、参加した全41校の中から選ばれた。
8.日本農業機械工業会が2年ぶりに賀詞交歓会
都内の八芳園で、令和4年賀詞交歓会を開催した。昨年は新型コロナ禍で中止したため、2年ぶりの開催となった。農機業界首脳が一堂に会し思い思いに新年のあいさつを交わし、困難な状況下にあっても前向きな取り組みで業界を牽引し、農業発展を支えていく姿勢を確認し合った。
あいさつに立った木股会長は、農機業界については、スマート農業が着実に進みつつあり「工業会としてもスマート農業、オープンAPIの推進などを通じて日本農業の課題解決に貢献したい」と述べた。脱炭素化については「取り組みは待ったなしの状況」とした上で「関係業界と連携して、電動化や燃料のカーボンニュートラル化などへの取り組みを通じて、地球環境分野にも貢献したい」とした。また、農機の公道走行については「行動走行分科会の活動を始め積極的に対応してきており、保安基準の緩和措置への対応に関するガイドブックおよび規制緩和の対象となる機会のリストをホームページに掲載しており、活用していただきたい」と呼びかけた。
来賓として経済産業省製造産業局審議官の福永哲郎氏、農林水産省大臣官房生産振興審議官の安岡澄人氏がそれぞれ祝辞を述べ、会員メーカーの脱炭素化への取り組みなどに期待した。
9.諸岡、諸岡協力会が令和4年賀詞交歓会
千葉県柏市のザ・クレストホテル柏の2会場とライブ配信によるオンラインで「令和4年諸岡協力会・賀詞交歓会」を開催した。席上、諸岡CEOは、DX(デジタルトランスフォーメーション)、ESG(環境・社会・ガバナンス)、SDGs(持続可能な開発目標)、気候変動対策(脱炭素・カーボンニュートラル)の4つをキーワードした施策を打ち出すとともに、2022年度に向けた、最終年度となる中期3カ年計画の状況を報告。さらに、2030年に向け“大地と技術の開拓者・未来を支えるグローバル・ニッチカンパニー”としたモロオカビジョンを発表した。
各キーワードの施策については、DXでは、デジタル化により業務の効率、お客様へのサービス向上を図る。DX推進チームを設けて、スマートファクトリーなど新たな生産現場の構築。営業現場では、その場でタブレットで答えられる仕組みなどを作っていく。ESGに貢献する企業として積極的に取り組む。また、SDGsに参加し、17項目の目標から、これからの商品開発へ向けての課題を追求していく。気候変動対策は、太陽光発電、バイオマス発電など再生可能エネルギーの利用、EVを活用した製品開発、カーボンニュートラルを採用した原材料の調達など、自社のみに止まらず、関連企業を含め脱炭素社会に向けた取り組みを進める-などとした。
10.クボタが2022クボタ新春のつどい・
第75回クボタ機械グループディーラーミーティング
オンラインによる「2022クボタ新春のつどい・第75回機械グループディーラーミーティング」を開き、今年度の経営方針、機械事業本部方針を発表するとともに、優秀ディーラー、セールスマン、サービスマン表彰、また新製品を発表した。
新春のつどいで挨拶した北尾社長は、まず昨年はコロナ禍はじめ、様々な外的要因の影響があったものの、事業環境や需要は好調で、過去最高の売上げとなったと報告、果敢に業績拡大に挑戦したディーラーに謝意を表したあと長期ビジョン「GMB2030」に触れ、その実現に向けて中核になるのが「ESGを中核に据えた事業運営」であるとし、「命を支えるプラットフォーマー」として、
- 食料の生産性・安全を高める
- 水資源・廃棄物の循環を促進する
- 都市環境・生活環境を向上させる
-という3つのソリューションに加えて、「気候変動の緩和と対応」を新たなK-ESG経営の柱として取り組んでいくと述べた。農機国内市場については、「お客様満足度の最大化」という原点を軸に価値の最大化を目指すと述べ、マザー市場であり、生産から流通・消費までをデータで繋ぎ、フードバリューチェーン全体にソリューションを提供し、今後も成長し続ける日本農業を支えようと訴えた。
表彰では特別優秀ディーラーに北海道・関東甲信・新潟・中四国クボタの4社が輝いたほか、コロナ禍にもかかわらず過去最高売上げを達成した国内農機ディーラー全社に「社長特別賞」が授与された。
11.クボタが新春イベント「GROUNDBREAKERS」開催
クボタ2022新春オンラインイベント「GROUNDBREAKERS」を開催した。これは、昨年初めて開催し好評を得たもので、新商品の発表のほか、全国で活躍する先駆的農業者のGROUNDBREAKERS(先駆者たちの意)とともに、日本農業の現状とこれからを考えるイベント。今回は、KSASユーザーである農事組合法人と有限法人代表へのインタビュー、エンジン生産100周年を記念しての新しい常識をつくる「クボタの開発ストーリー」、モノづくりの改善に挑むクボタ堺製造所見学、クボタ社員の大型法人への1日体験入社による農作業安全への啓発など、プログラムをパワーアップして開催した。
冒頭に北尾社長が登場し、「このイベントはコロナ禍であっても、農家と繋がり課題解決に少しでも役立ちたいと昨年初めて開催した。予想を超える参加者があり、今後の営農へのモチベーションが上がった、新規就農を検討するなか勇気づけられたなど、熱いコメントをいただいた。逆境にあっても前に進み続け日本農業を支えるGROUNDBREAKERSの挑戦を支える存在として選ばれる企業であれるよう、これからも課題解決に真摯に向き合いソリューション、開発を提供していきたい」「長期ビジョンに掲げた豊かな社会と自然の循環にコミットする〝命を支えるプラットフォーマー〟を目指し、今日ここで語り合った未来の実現に向けて、新たなイノベーションを生み出し、100年先の地球のために、より多くの社会貢献を果たしていく」などと挨拶を述べた。
12.井関農機が2022年ISEKI全国ミーティング
オンラインで「2022年ISEKI全国ミーティング」を開催した。これには全国の営業拠点から総勢5000名が参加、昨年公表した2025年の創立100周年、そして次の100年に向けた中期経営計画への理解を深め、その達成に向けてグループ全員が心ひとつに取り組むことを誓い合った。
今回の開催形式は、従来の対面によるヰセキ全国表彰大会から、コロナ対策として初めて全国の販売会社・関連会社の拠点をWebで繋ぐオンライン形式に変更して開催。同社の夢ある農業総合研究所(茨城県つくばみらい市)の製品展示場に特設したスタジオから全国にライブ配信した。ステージには大型トラクター「TJW1233」、コンバイン「HJ6130」、田植機「さなえPRJ8」のオールジャパン3機種が勢揃いした。
また、今回はメーン行事である表彰・認定式に加えて、中期経営計画のグループ社員への周知徹底も目的とし、深見取締役が同計画を説明したほか、営業・開発製造・海外営業の3本部長がパネルディスカッションを行い、それぞれの本部の取り組みを紹介した。
冨安社長は、挨拶の中で中期経営計画に触れ、井関農機のパーパス(存在目的・使命)を「『食と農と大地』のソリューションカンパニー」とし、「農」と「農家」を支え、新たな価値の創造に貢献していくと決意を述べ、先端技術を駆使したスマート農業にハードとソフト両面から攻勢をかけると強調するとともに、本年は「『変革』を加速させる年」をキーワードに掲げ、「変革」を加速させようと呼びかけた。
販売会社表彰では、最優秀賞はヰセキ東北が受賞、優秀賞はヰセキ関東甲信越、敢闘賞はヰセキ北海道とヰセキ九州が輝いた。
13.JA全中の中家会長が定例会見、今年の一字は「再」
都内の都市センターホテル会議室で、今年最初の定例会見を開き、「今年の一字」として「再(さい/ふたたび)」を発表した。
中家会長は、「再」という字の意味は「再び」「再生」「再出発」の3点あると述べた。1つ目は、「再び」元の日常を取り戻したいという願い。「これまでJAで取り組んできたいろいろなイベントや集会は、この2年間ほとんど開かれずにいる。組合員や地域住民の声を十分ふまえた組織運営ができるよう、様々な対話活動やイベントを「再開」できるようになってほしいという思いがある」とした。
2つ目は、「再生」で、第29回JA全国大会で多様な関係者との連携のもと、農林漁業の健全な発展と調和がとれた再生可能エネルギーの利活用など、循環型社会への貢献を決議したと述べ、それぞれの現場実態に合ったかたちで再生可能エネルギーの取り組みの実践を進めるとした。3つ目の「再出発」は、大会で決議した10年後を見通してJAグループが重点的に取り組む方向についての実践元年であり、「国消国産」の意義や、JAグループの取り組みなどについて、より一層、情報発信を強化して、持続可能な農業・地域共生社会の未来づくりに向け、力強く再出発すると述べた。
14.クボタが新研究組織「北米研究ユニット」を新設
1月に設置した米国における同社の新研究組織「北米研究ユニット」(所在地・テキサス州グレイプバイン市)において、自律型の農業ロボットなど未来の農業のための研究開発に着手したことを明らかにした。
昨年同社グループとなった自動運転技術のアグジャンクション社に加え、著名エンジニアのイアン・ライト氏(米国電気自動車大手のテスラ社、ライトスピード社の共同創業者)が所属するシリコンバレーのスタートアップDimaag(ディマーグ)-AI社といった様々な分野のエキスパートを社内外から結集。すでに米国のブドウ農場での使用を想定した各種次世代農業機械のコンセプト開発に着手している。 北米研究ユニットでは、AIを活用したデータ農業のさらなる進化、自律型ロボットを実現するための知能化、カーボンニュートラル社会を見据えた次世代動力農業機械の先行研究など、幅広いテーマに取り組む。同社は今後もさらなる社外リソースの招へいも含めてオープンイノベーションを企図した開発体制を強化しつつ、環境に配慮した製品やソリューションの提供を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとしている。
15.ヤンマーアグリが「第32回学生懸賞論文・作文」の入選者発表
「第32回ヤンマー学生懸賞論文・作文」の入選者発表会をオンラインで開催した。ヤンマーグループでは、次世代を担う若者に農業の未来について広く自由な観点から議論してもらうため、1990年より「学生懸賞論文・作文募集事業」を毎年実施しており、今回は「農業を食農産業に発展させる」をテーマに論文・作文を募集し、論文の部40編、作文の部478編の応募があった。審査の結果、論文の部の頂点となる大賞には中村彩乃氏(愛知県立農業大学校)の「外国産豚肉に負けない国産豚肉生産を目指して」、作文の部トップの金賞には千田朋実氏(岩手県立農業大学校)の「農業に恩返し」が選ばれた。
冒頭挨拶したヤンマーアグリの増田長盛社長は、関係者に謝意を示し、同論文・作文事業の設立の背景を振り返り、応募された論文・作文は農林水産業や畜産業、農業経済をはじめ、医療、福祉、教育、環境などに関する作品も多く見られ、応募作品の裾野が広がっており、特に近年は環境に対する取り組みのテーマが多くあがり、多くの学生が課題認識と関心を持っていると述べた。そのうえで、ヤンマーグループもYanmar Green Challengeと称して、2050年までの目標を設定し、カーボンニュートラルや資源循環型の環境負荷フリーな企業活動を展開して社会に貢献していくとし、同論文・作文事業も社会貢献事業の一つとして、継続、発展していきたいなどと語った。
16.三菱マヒンドラ農機が2022ディーラーミーティング
オンライン方式で「三菱マヒンドラ農機2022ディーラーミーティング」を開催した。直前まで対面での開催の可能性を探ったが、新型コロナウイルスの感染が急拡大したため、その対策としてホテル会議場に特設したスタジオからのウェブ配信に変更し開催した。配信先は、ディーラーミーティングに通常参加している有力販売店、三菱農機販売、菱の実会会員とした。
スタジオには齋藤CEO取締役社長はじめ、マニッシュ・グプタCFO取締役副社長、浅谷祐治CTO取締役副社長、サブハッシュ・マゴCOO常務執行役員、吉田康二上級執行役員兼営業戦略統括部長兼三菱農機販売社長、高木章二全国販売店会会長が参集した。また、親会社の三菱重工業からは御子神隆常務執行役員ドメインCEO、マヒンドラ&マヒンドラ社からは農機部門プレジデントのヘマント・シッカ氏が、それぞれビデオメッセージを寄せた。
挨拶した齋藤CEO取締役社長は、「今年度で成長への足場固めは終わり、来年度から成長のフェーズに入る。3年後の2025年には売上高500億円、トラクタシェア8%を目指す」と決意を披歴し、そのためのキーワードに「グレートスモール」を掲げ、新たな中長期戦略の4つの柱として、
- マヒンドラ&マヒンドラ社とのシナジー
- 国内事業戦略
- 施設事業の拡大
- 海外事業戦略
-をあげ、とくにマヒンドラとのシナジーについては、「当社の技術力と、マヒンドラのスケールが大きい生産体制によるコスト競争力など、互いの強みを掛けあわせることで新たな戦略的な製品を生み出していく」と強調した。 その後、役員ら6氏によるトークセションが行われ、全国から寄せられた経営陣への質問・要望を高木会長が紹介する形で進行した。
17.ヤンマーホールディングスがインドにエンジンの新工場
インド共和国タミル・ナドゥ州に建設した産業用小型エンジンの新工場の量産稼働を開始したと発表した。
当初はITL(International Tractors Limited)にて生産しているヤンマーブランドのトラクター向けなどに産業用エンジンを生産・供給し、2022年度以降はグローバル市場に向けて展開していく。15kW(20PS)から37kW(50PS)クラスの産業用エンジンにおいて年間8万台の生産能力を有し、将来的には生産能力16万台も視野に入れ、経済成長が期待されるインドをはじめ、需要が旺盛な欧米やアジアなどの地域に供給していく計画。新工場には日本と同等の生産システム・品質管理システムを導入し、高品質なエンジン生産を実現していく。また、年間発電量138万kWhの太陽光パネル設置による再生可能エネルギーの活用や雨水利用、緑地帯の整備など、環境にやさしい工場として運営していくとしている。
18.日本農業機械工業会が2021年日農工統計を発表
令和3年1~12月の日農工統計(農業機械の生産・出荷実績)を取りまとめて発表した。それによると、昨年の農機出荷実績は国内、輸出合わせて4728億1700万円、前年比117.5%と2ケタの伸びを示し好調だった。このうち国内向けは2423億1700万円、同107.0%、輸出向けは2305億100万円、同130.0%と国内、輸出ともに好調な伸びを示した。
機種別では、トラクターの前年比128.7%を始め、耕うん機108.7%、田植機101.5%、コンバイン103.6%など主要機種で軒並み前年増を達成した。トラクターは小型クラスは経営継続補助金が導入された事により需要が喚起、中型クラスは低価格モデルトラクタの発売により市場が活性化され、大型クラスは台数は減少したものの、スマート農機の普及が進んでいる。コンバインは、小型クラスは漸減傾向が続き、中・大型クラスでは収量コンバインや自動運転コンバインなどICTを活用したスマート農機の需要増が期待されている。
19.JA全農が肥料業界団体と
被覆肥料のプラスチック削減へ取組方針策定
全国複合肥料工業会及び日本肥料アンモニア協会とともに取りまとめた「緩効性肥料におけるプラスチック被膜殻の海洋流出防止に向けた取り組み方針」を公表した。これは、被覆肥料のプラスチック殻の流出防止や削減にあたり、肥料業界団体とともに取り組み方針とロードマップを策定したもので、「2030年にはプラスチックを使用した被覆肥料に頼らない農業に。」を理想に掲げ、さらに努力していくとしている。
取り組み方向としては、
- 被覆肥料にプラスチックが含まれていることの周知
- プラスチック被膜殻の農地からの流出抑制対策の実施
- 新技術の開発と普及によるプラスチック被膜に頼らない農業の実現
-を掲げており、具体的には、農業者に向けて、被膜殻が流れ出ると海洋プラスチックごみになる旨、被覆肥料にプラスチックが含まれていることを周知するとともに、プラスチック被膜殻の農地からの流出抑制対策、農業者に代替施肥技術を提案、代替技術の開発と普及によるプラスチック被膜に頼らない農業の実現などを実施していく。
20.ヤンマーホールディングス副会長・山岡靖幸氏が逝去
ヤンマーホールディングス取締役副会長兼神崎高級工機製作所代表取締役社長の山岡靖幸氏が逝去した。享年74歳。通夜並びに葬儀は、故人並びに遺族の意向により、近親者のみで行った。後日「お別れの会」を予定しているが、新型コロナ感染拡大状況を考慮し、日時場所等については、未定としている。
山岡氏は平成26年5月~平成28年5月に一般社団法人日本農業機械工業会会長を務めた。高校時代はテニスの兵庫県代表に選ばれ、国体で団体優勝を果たした。