令和3年12月10日発行
<業界短信-新製品12月>
- サタケがマジックライス・ミニシリーズ3種を発売
- 山本製作所が大型籾すり機と遠隔確認システムを発表
- 静岡製機が大型遠赤乾燥機を発表
- タイショーが肥料と薬剤の複合散布機を発売
- やまびこが次世代2ストロークエンジン開発、米国で新バッテリー製品展示
<業界短信12月>
- クボタの欧州子会社がスペインの防除機メーカーを買収
- 井関農機が創立100周年を見据えて健康経営を宣言
- タカキタが2022年3月期第2四半期決算を発表
- 日本農業機械工業会が第60回従業員功労表彰の表彰式
- JA全中が10月16日を「国消国産の日」に宣言
- クボタが2021年12月期第3四半期決算、1月1日付人事を発表
- ヤンマーアグリジャパンがオンラインEXPO2021WINTERを開催
- 井関農機、奈良ヰセキ販売が奈良みらいデザインのアグリ事業をサポート
- JA全中が第29回全国大会
- 井関農機が2021年12月期第3四半期連結業績を発表
- 本田技研工業が2021年度第2四半期決算を発表
- やまびこが営業業務をやまびこジャパンに移管
- 井関農機が3年度農作業安全研修で農業女子対象に農機セミナー
- コバシホールディングスが中国銀行と連携し20億円の私募債発行
- クボタがインド・エスコーツ社を子会社化
- クボタがカナダの自動走行制御専業会社の全株取得
- ヤンマーHDが2022年3月期中間連結決算を発表
- ヤンマーアグリジャパンが鹿児島空港にロボットトラクター2台を納入
- 三菱マヒンドラ農機が新車購入資金を抽選でキャッシュバックするキャンペーン
- サタケが「コメドック」お試し無料のSAXES購入キャンペーン
- やまびこが八ヶ岳中央農業実践大学校に製品を寄贈
- ササキコーポレーションが民間部門農林水産研究開発功績者表彰で技術会議会長賞
- スズテックが来年入社予定の4名迎え内定式
<業界短信-新製品12月>
1.サタケがマジックライス・ミニシリーズ3種を発売
非常食やアウトドアなどで美味しく食べられる乾燥米飯「マジックライス」シリーズに内容量が2分の1になった新商品「ミニシリーズ」を開発し、発売した。。
「五目ご飯」、「ドライカレー」、「わかめご飯」の3種類で内容量は50gと、お茶碗小盛り1杯の食べきりサイズ。保存期間は5年。マジックライスは、お湯または水を入れるだけで誰でもどこでも簡単に調理できる乾燥米飯で長期保存可能な非常食として、また持ち運びも簡単でアウトドアでも美味しく食べられる携行食として発売以来ロングヒットを続けている。
主な特徴は、
- 少量お手軽容量で幅広い年齢層に対応
- 持ち運びに便利なコンパクトサイズ
- アレルギー特定原材料品目不使用
- 熱湯または水を入れるだけで簡単に調理できる
- 保存期間5年で長期保存が可能
- 五目ご飯、ドライカレー、わかめご飯の選べる3種類をラインアップ
-など。
2.山本製作所が大型籾すり機と遠隔確認システムを発表
オンラインで記者会見を行い、来年7月より発売を開始する8インチで業界ナンバーワンの処理能力毎時3.6tを実現した籾すり機「RX-8000」と、来年1月より発売を開始する山本遠隔確認システム「YCAS++」(ワイキャスプラスプラス)の新製品発表を行った。
「RX-8000」は、
- タッチパネルで簡単操作
- ロール自動隙間調整機能
- 循環/排出自動切替機能
- 残留エアブロー排出機能
- 選別板クリーニング機能
- パトライトで運転状況を見える化
- YCAS++対応
-などを備えた大型籾すり機。ワンランク上の能力で作業時間を短縮し、生産コストの低減に貢献する。
「YCAS++」は、ヤマモト・コミュニケーション・アシスト・システムの頭文字をとった同社独自の遠隔確認システム。手持ちのパソコンやタブレットなどのデバイスで作業場や乾燥機の様子を一目で確認することができる。これまでの機能をそのままに、乾燥機の他、籾すり機との接続が可能となった。カメラの画像調整機能を追加し、より見やすく・より使いやすく進化した。
3.静岡製機が大型遠赤乾燥機を発表
オンラインで記者会見を行い、昨年発売した穀物乾燥機“ドライゴン・TCZシリーズ”に70~100石をカバーする大型遠赤乾燥機「TCZ-EXシリーズ」(70・80・90・100石)計16タイプを発表、来年3月より本格的な発売を開始することを明らかにした。同シリーズは、生産者の大規模化に対応し、プロの使用に耐えうる高い耐久性を実現。また、新型コントロールBOX採用によるICT技術との連携、QRコードによる情報提供、さらに、メンテナンスの簡素化、安全性への配慮など、同社“フラッグシップモデル”として穀物乾燥機の頂点(Z=ゼニス)を目指して開発。大規模生産者へ向け積極的な拡販を進める方針。
主な特徴は、
- 大規模生産者向けとして、主要部分で摩耗のしやすい昇降機天板や吐出管、流穀筒、分散板を強化。主要部耐久性を従来比約2倍に向上し、プロ仕様の高耐久性を実現。
- 高所作業台や梯子・手摺、垂直梯子用ガード板、安全帯取付け金具を採用することで、販売店の高所サービス作業時の安全性に配慮
- 中段排風路および上段側板脱着機能を採用。乾燥機内部の清掃が容易で、コンタミに対応しやすい機構となっている。
- 大型タッチパネルの採用により、直感的に分かりやすい操作を実現した新世代のコントロールBOX
- 同社独自の遠隔モニタリングシステム「SSDM」を搭載。乾燥機の運転状態をスマホなどの端末で確認が可能
-など。
4.タイショーが肥料と薬剤の複合散布機を発売
肥料と薬剤を同時に散布することができるトラクター用・複合散布機“グランドソワー”「UXK-55F10」に引き続き、今回、1ホッパーの肥料散布機「UX-55ホッパーキット」とフレームキットを使えば薬剤散布機(KX-15/KX-10)が装着可能で、薬剤も同時に散布できる「1ホッパーMTフレームキット」を開発、本格的な発売を開始した。いずれも1ホッパーのため、20馬力クラスのトラクターから装着が可能で、作物に合わせた肥料、薬剤を正確に散布できる。トラクターのロータリ幅に合わせて的確に散布できるため、減肥料・減農薬につながり、経費削減が図れる。
UX-55ホッパーキットは、畑作の頼れるパートナーであり、畝立整形や中耕と同時に肥料を散布して、作物生育に適した畑作環境をつくる。
主な特徴は、
- 繰り出し部オープン機構
- スイッチBOXのコード分割
- ホッパー残量シール
- スタンドやフレームがなくシンプルで付け方も自由自在
- 散布ロールの種類も豊富で、肥料や薬剤に適したロールが選べる
-など。
1ホッパーMTフレームキットは、グランドソワーと薬剤散布機が取付でき、料と薬剤が同時にまける。
5.やまびこが次世代2ストロークエンジン開発、
米国で新バッテリー製品展示
次世代の小型エンジンとして環境規制に適合しつつ、従来と比べて燃費を20%改善(熱効率5ポイント向上)させた2ストロークエンジン技術「やまびこ・New2ストロークエンジンシステム」の開発に成功したことを明らかにした。
主な特徴は、
- 新吸気方式(特許出願中)を採用した2ストロークエンジンと、電子制御式燃料噴射、浄化性能を高めた触媒を組合わせることで、排出ガス悪化の原因となる混合気吹き抜け現象を従来比80%削減し、ClassⅠ規制の基準を満たす
- 燃費においてもロングストローク化、圧縮比12の採用による燃焼効率改善、各種表面処理による摩擦損失低減により20%向上(熱効率5ポイント向上)
- 空気導入を掃気ポートだけに限定してエンジン内を空気で満たした後、クランクケース部の空気のみに燃料を噴射するという新しい機構と燃料噴射タイミングの緻密な制御により掃気通路部分の空気層とクランクケース部分の混合気層の分離率を大幅に改善
-など。
また、米国ケンタッキー州で開催された全米最大規模の庭園管理機械見本市“GIE+EXPO”において新バッテリー製品シリーズ「eFORCE56Vバッテリーシステム」を発表した。新バッテリー製品は、北米市場に対応した高出力のバッテリーシリーズの56Vプラットフォーム。
https://www.yamabiko-corp.co.jp/news/detail/id=11733
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6250/ir_material8/170827/00.pdf
<業界短信12月>
1.クボタの欧州子会社がスペインの防除機メーカーを買収
欧州機械事業統括子会社のクボタホールディングスヨーロッパB.V.(KHE社、本社オランダ)は、トラクター用インプルメントを製造・販売するPulverizadores Fede,S.L.(フェデ社、スペイン・バレンシア市)の株式を100%取得し、完全子会社とすることを決定した。スペインとポルトガルを中心に事業展開するフェデ社は、果樹栽培の防除作業に使用する「スプレイヤー」の専業メーカー。散布対象の樹木の高さをセンサーで測定しながら噴霧する薬剤の量や風量をリアルタイムに制御する「スプレイヤー」や、散布場所や薬剤量などの情報を地図上で管理できるシステムなど独自の技術に強みがある。
同社では、「フェデ社を子会社化することで、果樹向けインプルメントのラインアップを増やすとともに、トラクターとインプルメントの連携強化を進め、薬剤の使用量を抑えた効率的な散布による環境負荷低減や燃費低減に貢献していく。今後、クボタグループが関わるスタートアップとの連携も視野に、果樹市場での事業拡大を加速していく」としている。
2.井関農機が創立100周年を見据えて健康経営を宣言
2025年に迎える創立100周年を見据えた「井関グループ健康経営宣言」を発表した。宣言では、同社が企業の発展・事業活動の原動力は従業員一人ひとりの健康で安定した生活にあると捉え、創業以来、従業員の健康管理に取り組んできたとし、このたび、2025年に迎える創立100周年を見据え、「当社で活躍する全ての人が健康で充実した日々を過ごせるよう、健康保険組合・労働組合と三位一体となって健康経営をさらに促進させていくことをここに宣言する」としている。
そのうえで、健康基本方針として、①からだの健康②こころの健康③くらしの健康の「三つの健康」を柱とした施策の実施により、従業員一人ひとりの健康の維持増進を図り、エンゲージメント(愛社精神)の向上並びに同社グループの持続的な成長を実現していくとしている。
このうち、からだの健康では、「健康診断の完全実施と産業医等による健康診断結果に基づく個別指導の実施」などをあげている。
3.タカキタが2022年3月期第2四半期決算を発表
2022年3月期第2四半期業績(日本基準)を発表した。それによると、売上高は37億8500万円(前年同期比19.7%増)、営業利益3億7300万円(同141.9%増)、経常利益3億9100万円(同129.9%増)、四半期純利益2億6300万円(同137.6%増)と増収、大幅増益となった。
農機事業においては新製品の投入効果や国の畜産クラスター事業の採択が一定程度進んだことにより、可変径ロールベーラや細断型ホールクロップ収穫機等の売上げが伸長したことに加え、新製品実演会の促進効果や経営継続補助金の後押しにより、有機肥料散布機自走コンポキャスタ等の土づくり関連作業機の売上げが寄与した。海外売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大による営業活動の縮減や市況低迷の影響が響いたものの、欧州向けの細断型ロールベーラの受注が堅調に推移したことや、オンライン展示会の活用効果により増収となった。農機事業全体の売上高は前年同期比6億7000万円増加し36億300万円(同22.9%増)となった。利益面においては、人件費の増加や資材高騰の影響を受けたものの、売上高の増加に加え、原価低減活動・経費削減等の効果により、増益となった。
http://www.takakita-net.co.jp/takakita2020/wp-content/uploads/2021/10/2021102701.pdf
4.日本農業機械工業会が第60回従業員功労表彰の表彰式
地方大会の後、第60回従業員功労表彰の表彰式を行った。表彰式の始めに式辞を述べた木股会長は、合理化促進、技術開発・改良、販売促進などに多大な功労のあった方を表彰する制度は今年60回を迎えたとし、受賞者の功績を称えるとともに、長きにわたりそれぞれの生活、業務を支えてきた家族に敬意と謝意を示した。また、農業の持続的発展、地球環境の両立が求められる中、農業生産者のより頼もしいパートナーとして役割を果たしていくことが使命であり、受賞者も各事業において従来に増して存分に力を発揮してほしいと激励した。
同会長が受賞者一人一人に賞状を手渡し、記念撮影を行った後、受賞者を代表して謝辞に立った樋口浩氏は、今日の栄誉は経営者、同僚の力添えの賜物と感謝の意を表し、これを機に気持ちを新たにし熱意と創意・工夫をもって所属企業、農機業界の繁栄と新しい農業の発展のために懸命の努力を続けていくと誓った。
受賞者と同会役員全員の記念撮影の後、コロナ感染防止の観点から、同会会員と受賞者は隣接するそれぞれの会場で懇親会の席にのぞんだ。途中、同会の計らいで受賞者、同伴家族と所属企業の社長がカメラに収まり、和やかなムードの中で記念の日を過ごした。
5.JA全中が10月16日を「国消国産の日」に宣言
「世界食料デー」に合わせ、10月16日を新たに「国消国産の日」として制定することを宣言した。これに関連しJA全中は、東京農業大学、共同通信社と共催で、シンポジウム「SDGs『国消(こくしょう)国産(こくさん)の日』を契機に、持続可能な食料生産・暮らしやすい地域社会について考え、行動する」を開催(オンライン配信併用)した。シンポジウムの第1部「国消国産の日」の宣言で、JA全中の中家会長は、コロナ禍により、約20の国が食料輸出を制限したことの経験などを教訓とし、JA全中は、「国民が必要とし消費する食料は、できるだけその国で生産する」とい「国消国産」の考え方に基づく消費者への理解醸成をすすめる契機として、「世界食料デー」に合わせ、10月16日をあらたに「国消国産の日」として制定することを宣言した。
全中と包括連携協定を結ぶ東京農業大学の江口文陽学長は、「国消国産の意義をより多くの若者達が認識し、わが国の一次産業を活発なものにしていくことが重要だ」とし、国消国産の大応援団として、研究や生産振興をすすめていくことを表明した。特別ゲストとして登場したJAグループお米消費拡大アンバサダーの松村沙友理さんは、「国消国産の主役は、日本人の主食であるお米と言っても過言ではない」とし、「日本のお米や農作物の魅力を発信していきたい」と語った。
第2部のリレートーク「動け!SDGsは行動だ!」では、大学生の「食」に関するSDGsの実践として、近畿大学「食品ロス削減推進プロジェクト」、九州産業大学「食品開発研究会」、東京農業大学「うつせみテクノ」の代表者らが実践事例を報告し、身近な食生活に関わる問題とその解決について考えた。
6.クボタが2021年12月期第3四半期決算、1月1日付人事を発表
2021年12月期第3四半期の連結業績(IFRS)並びに役員異動、人事異動を発表した。それによると、第1~3四半期の売上高は前年同期比2848億円(21.0%)増加して1兆6416億円となった。国内売上高は、機械部門が農業機械などを中心に増加したため、前年同期比103億円(2.4%)増の4461億円となった。海外売上高は、農業機械や建設機械が大きく伸長したことにより、前年同期比2745億円(29.8%)増の1兆1956億円となった。
一方、2022年1月1日付の人事・役員異動では、吉川正人取締役副社長執行役員が代表取締役に就任。石橋善光氏がトラクター総合事業部長に就任する。
農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成される機械部門の売上高は前年同期比26.5%増加して1兆4080億円となり、売上高全体の85.8%を占めた。国内売上高は前年同期比7.7%増の2388億円となった。消費増税前の駆け込み需要の反動減からの回復や、経営継続補助金による需要の増加により農業機械や農業関連商品が伸長した。
海外売上高は前年同期比31.1%増の1兆1692億円となった。北米では、港湾の混雑や人手不足に伴う生産や出荷の遅れは続いているが、郊外移住などに伴う旺盛な需要を背景にトラクターや建設機械が大幅に増加した。欧州では、前年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う販売低迷からの回復傾向が続いており、建設機械、トラクター、エンジンが増加した。
https://www.kubota.co.jp/ir/financial/briefnote/data/132q3.pdf
7.ヤンマーアグリジャパンがオンラインEXPO2021WINTERを開催
ヤンマーホームページ内にて2022年3月31日までの期間限定で農業関連のオンライン展示会「ヤンマーアグリジャパンオンラインEXPO2021WINTER」を開催。
同社では、「本年6~9月に実施したオンライン展示会も多くのお客様にご来場いただいた。このたび第2弾として、デジタル活用による顧客接点の強化を目的に期間限定で開催する」としている。展示会では、従来の製品展示や紹介動画に加えて、新たに動画視聴コーナーの開設や密苗セミナーを予定するなど、オンラインならではのコンテンツを充実させる。主なコンテンツは新商品、トラクター、コンバイン、野菜関連機器などの商品紹介、密苗、農作業安全など、開催期間中に順次公開するとしている。
8.井関農機、奈良ヰセキ販売が
奈良みらいデザインのアグリ事業をサポート
南都銀行のグループ会社である奈良みらいデザインは、新たにアグリ事業を立ち上げ、2022年より農作物の生産を開始する。アグリ事業の開始に当たり、奈良ヰセキ販売および井関農機「夢ある農業総合研究所」より、営農計画の策定や農産物の生産にかかるサポートを受けており、今後、ロボット技術やICTを活用したスマート農業にも取り組み、大規模化、効率化を目指す。奈良ヰセキ販売と井関農機が提供する農機は、米や野菜栽培に関する機器と、スマート農機に関しては、直進アシスト機能「オペレスタ」搭載のトラクターや、ハウスの温度、湿度、肥料濃度などをデータ収集するシステム、水田の水管理システムなど。
奈良みらいデザインの大田社長は「今年、銀行という枠を超え、地域農業の様々な課題解決のため、奈良みらいデザイン㈱を設立した。このアグリ事業は10年の長期計画を策定し、持続可能で儲かる農業に挑戦する」と決意表明をした。
奈良ヰセキ販売・竹島成和取締役常務執行役員は「農家の高齢化や廃業による耕作放棄地など、土地の問題を解決し、地域活性化が目標」だと業務提携の意図を説明。今後は、井関農機と共に営農計画の策定や営農開始後の農産物の生産をサポートすると話した。
9.JA全中が第29回全国大会
都内のグランドプリンスホテル新高輪国際館で、第29回JA全国大会を開き、今後10年を見通した令和4~6年度の3カ年の実践方針を決定した。大会議案のタイトルは「持続可能な農業・地域共生の未来づくり~不断の自己改革によるさらなる進化」で、持続可能な経営基盤の確立・強化に向けたスマート農業の導入による省力化支援や、政府のみどりの食料システム戦略を踏まえ「環境調和型農業」(幅広く環境負荷を軽減した農業)の考え方を新たに打ち出し、その実践・拡大を推進することとした。
大会の冒頭、あいさつした中家会長は、この間のコロナ禍で、農産物の国消国産の重要性の認識がさらに高まり、今後もこれを強く推進していくとした。また、JAの存在価値を高め「地域になくてはならない、と言われる組織にしていかなければならない」と強調した。
全国大会議案によると、▽多様な農業者による地域農業の振興▽マーケットインに基づく販売強化▽組合員拡大と「アクティブ・メンバーシップ」の確立▽連携強化による地域活性化▽持続可能な経営基盤の確立・強化▽早期警戒制度の改正も踏まえた経営の健全性確保とガバナンス・内部統制の確立-などが取り組み実践方策としてあげられている。
10.井関農機が2021年12月期第3四半期連結業績を発表
2021年12月期第3四半期の連結業績(2021年1月1日~9月30日)を発表した。それによると、売上高は1234億3200万円(前年同期比10.6%増)、営業利益58億2500万円(同84.2%増)、経常利益65億1600万円(同129.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益47億8000万円(同97.6%増)と、大幅な増収増益となった。通期連結業績予想は売上高1590億円(同6.5%増)、営業利益40億円(同91.9%増)とした。
国内においては農機製品および作業機が増加したほか、修理整備等のメンテナンス収入が堅調に推移し、国内売上高は前年同期比35億6100万円増加の909億6400万円(同4.1%増)となった。海外においては、ライフスタイルの変化に伴い、北米では好調なコンパクトトラクタ市場を背景に増加。欧州ではコンシューマー向けを中心とした好調な販売に加え、為替円安影響により増加した。アジアでは前期末にタイの販売代理店を連結子会社したことや中国向け生産用部品の出荷増などにより増加した。
営業利益は増収による売上総利益の増加に加え、前期に計上があった部品在庫評価損の剥落などの特殊要因もあり、同26億6300万円増加の58億2500万円(同84.2%増)となった。
11.本田技研工業が2021年度第2四半期決算を発表
2021年度第2四半期決算および通期見通しを発表した。売上げ収益は全ての事業における増収により6兆9882億円(前年同期比21.0%増)となった。営業利益は、半導体を含む部品供給不足、原材料価格高騰の影響などはあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年同期に対し、販売台数の増加やコストダウン効果、為替の影響などで2729億円増の4421億円となった。汎用エンジンをはじめ、耕うん機、発電機、除雪機、芝刈機などを提供しているライフクリエーション事業の第2四半期の販売台数は323万台(前年比77万7000台増)だった。
2021年度の見通しについては、新型コロナウイルス感染症の再拡大や、半導体を含む部品の供給不足、原材料価格の高騰など、厳しい外部環境は続くと見込む。営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制やコストダウンなどの収益改善に継続して取り組み、前年度と同等の6600億円を計画している。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、5550億円に変更した。ライフクリエーション事業の第2四半期の販売台数は323万台(前年比77万7000台増)。2021年度通期の販売台数見通しは、610万台(前年比47万7000台増)としている。
12.やまびこが営業業務をやまびこジャパンに移管
2022年1月1日付で営業本部の業務(国内営業統括および国内マーケティング統括業務)について、連結販売子会社のやまびこジャパンに移管することを決定した。移管の理由は、変化する事業環境に俊敏に対応し、ユーザーのニーズにより迅速に対応できるよう国内営業組織を統合し、営業体制の強化を図るため。
また、やまびこの米国子会社であるエコー・インコーポレイテッド(米国・イリノイ州)は、物流機能の向上を目的として、新たに同社に隣接した土地と倉庫を取得したことを明らかにした。昨年の新型コロナウイルス感染症の拡大以降、北米市場ではテレワークの浸透による在宅時間の増加を背景に、同社の主力製品である小型屋外作業機械(OPE)において、一層の高い需要が継続している。加えて、同社では来年からバッテリーを動力源とするOPE製品の本格販売を予定しているなど、今後の事業拡大に備えるため、かねてから計画していた物流機能強化への投資として、新たに土地および倉庫を取得した。取得した敷地面積は、約8万3000平方m、倉庫面積は約1万平方m。
13.井関農機が3年度農作業安全研修で農業女子対象に農機セミナー
10月26日に開催された農林水産研修所つくば館主催「令和3年度農作業安全研修」の一部で、トラクターや耕うん機の農業機械セミナーを実施した。当日は女性農業者等4人が参加した。同社のトラクター「RTS25-Z」や、家庭菜園等の一般のユーザーや農業者までみんなに使いやすいミニ耕うん機「ちょこプチ」の特徴、安全な使用方法について紹介したあと、2班に分かれて圃場で実習を行った。
同社によると、参加者からは「トラクターのハンドルを切るだけで自動的に作業機が上がるのがとても便利に感じた」「取り回しが簡単で良かった!」などの感想が寄せられた。
https://www.iseki.co.jp/agrinews/up_img/1635843349-864118.pdf
14.コバシホールディングスが中国銀行と連携し20億円の私募債発行
中国銀行引き受けのもと、20億円の私募債を発行したことを明らかにした。同行の引受額としては過去最大の規模で、同社は、様々な地域の課題を解決し、サステナブルな地域経済の発展に向けて連携を強化するとしている。
同社と中国銀行はこれまで、研究開発型ベンチャー企業を発掘・育成するエコシステム「テックプランター」を通じ、地球規模の課題を解決する技術を持つベンチャーを支援するなど、社会的課題解決につながる新しい価値の共創に取り組んできた。今回の資金調達について同社は、「SDGsに結びつき、地域の課題解決につながる事業資金として活用する」とし、同行とのパートナーシップでSDGsに積極的に取り組むとともに、課題解決を通じて地域に産業を興して新しい未来を共創し、地域特性を活かした持続可能な地方創生に寄与していくと、今後の事業推進に意欲をみせている。
15.クボタがインド・エスコーツ社を子会社化
資本関係にあるインドのトラクターメーカー・Escorts Limited(EL社、インドハリヤナ州ファリダバード市、Nikhil Nanda会長兼社長)に対する出資比率の引き上げを企図し、第三者割当増資引受および株式公開買付け等を行うことについて、両社が合意したと発表した。これによりクボタのEL社の持株は現在の1225万7688株(持ち株比率9.09%)から、最大5911万2970株(所有割合は最大53.50%)となり、同社を子会社化する。取得予定価額は最大937億ルピー(日本円約1406億円)としている。
クボタはこれまでインド国内のニーズに対応するために、2019年の合弁での製造会社設立や2020年の出資を通じ、ベーシックトラクターの開発・生産ノウハウをもつEL社との連携を深めてきた。成長が見込まれるインド市場はもとより、今後新興国を中心にベーシックトラクターの市場が拡大していくことも見据え、両社の強みを活かした連携をさらに強化して双方のリソースを有効活用することが最善であると判断し、EL社に対する出資比率を引き上げることとした。将来的にはEL社をベーシックトラクターの重要拠点と位置づけ、コンバインや建設機械についてもインドや新興国を中心とするベーシックな機能の製品が求められる市場向けの開発・製造を行うことを検討していく。
16.クボタがカナダの自動走行制御専業会社の全株取得
KUBOTA CANADA LTD(本社・カナダモントリオール州マーカム市、Robert Hickey社長)を通じて、Agjunction Inc(アグジャンクション社、本社カナダアルバータ州カルガリー市、M.Brett McMickell社長)の全株式を取得しグループ会社化する。
クボタは長期ビジョン「GMB2030」を策定し、食料の生産性・安全性を高めるソリューションの提供をめざし、スマート農業の実現に向けた取り組みを推進している。その中で、自動運転の農業機械は大きな柱の一つである。アグジャンクション社は、主に北米で農業機械や建設機械向けに、自動走行制御に必要な機器やソフトウェアなどの開発・販売を専業としている企業。自動走行制御に関する特許を多く保有し、特にオートステアリングや走行ルートの自動生成の技術に強みを持っている。クボタはアグジャンクション社をグループ会社化することで、北米市場に向けたトラクターなどの自動運転技術の開発を進める。また、データを活用した精密農業などの研究・開発体制の強化を図り、スマート農業の実現に向けた取り組みを加速していく。
17.ヤンマーHDが2022年3月期中間連結決算を発表
2022年3月期中間連結決算と通期見通しを発表した。それによると、当中間連結会計期間の売上高は4187億円(前年同期比16.3%増)、経常利益は245億円(同103.3%増)となった。海外を中心にした売上高の伸長と全社的なコスト構造改革の推進により上期は増収増益となった。
国内市場においては、中小型舶用エンジンの需要増やアグリ事業におけるデジタルツールを活用した顧客への積極的な提案活動が業績の向上に寄与した。海外市場においては、北米・欧州・中国向け小型エンジン事業及び欧州向けの建機、マリン事業の受注増が業績の伸長に貢献した。また、2022年3月期の連結業績見通しについては、下期においては、部材の供給不足や物流費・原材料価格上昇などの影響は受けるものの、コスト構造改革のさらなる推進、デジタルツールを活用した業務効率化、さらには海外市場における事業拡大などにより業績向上を見込むことから、売上高、利益とも上方修正した。
18.ヤンマーアグリジャパンが鹿児島空港にロボットトラクター2台を納入
国土交通省が推進する空港内緑地部の草刈り自動化施工の導入において、興和ビルメンテナンスを通して鹿児島空港へYTトラクター「YT488Aロボット仕様」を2台納入したと発表した。今回のロボットトラクターの採用により、これまで有人の操縦による草刈機(トラクター)で行っていた空港における草刈り・集草作業を自動化することで作業者不足の解消が期待されている。今後2022年3月までに鹿児島空港を含む全国の空港5カ所(丘珠空港、北九州空港、八尾空港、那覇空港)に合計10台の納入を予定している。
空港着陸帯などの地表面には、航空機の安全な運用を目的に植生が施されている。着陸帯の維持管理費における草刈関係の割合が41%を占めている。また、航空機の運航時間外での作業が中心となり、時間的制約や対応者の確保などの課題があった。これらの課題に対して、アグリ事業の開発と興和ビルメンテナンスが共同で空港草刈作業におけるロボットトラクターの活用効果を検証し、ヤンマーアグリジャパンによる納入が実現した。
19.三菱マヒンドラ農機が新車購入資金を
抽選でキャッシュバックするキャンペーン
12月1日から来年1月5日まで、三菱農業機械のトラクター、田植機の新車購入資金として30万円が抽選で5名に当たるトラクター・田植機新車購入資金「総額150万円」キャッシュバック!キャンペーンを実施する。
対象製品は、トラクター・GF/GS/GJ/GOE/GA/GM/GSK/GJE/GV/GR/GCR/M-Star/CASE、田植機・LE4A/LE50・60/LE50AD2・60AD2・70AD2・80AD2/LKE60AD2。
2022年1月7日~3月18日の期間に対象製品を成約できる人が対象で、同社ウェブサイトのキャンペーン特設ページより必要事項を記入してエントリーする。当選発表は1月7日に同社ウェブサイトでの発表および当選者へ個別に連絡予定。
20.サタケが「コメドック」お試し無料のSAXES購入キャンペーン
明年2月28日までの期間、同社のSAXES製品を新規契約したユーザーを対象に「分析サービスお試しキャンペーン」を実施している。期間中、乾燥機や光選別機などのSAXES製品新規契約者に分析サービスパッケージ「コメドック」の基本セットを1人当たり最大2検体まで無料(通常1検体=税込み1万8700円)で利用できるキャンペーンで、ユーザーは生産した自分の米の品質確認や栽培・乾燥・調製等の工程の改善などに役立てることができる。同社では日頃の愛顧に感謝し「SAXES」シリーズの新規契約者向けに「分析サービスお試しキャンペーン」を実施しているもの。
分析サービスパッケージ「コメドック」は、米の品質・価値に関するデータを数値化し、高品質・高付加価値化に向けた提案を行うサタケ独自の分析サービスで、診断結果には品質に関する評価や説明のほか、統計データとの比較や栽培・乾燥・調製・保管・精米など各工程の具体的な改善提案が記載され、生産した米の品質確認や工程の改善などに役立てることができる。
https://satake-japan.co.jp/news/new-release/SAXES-komedoc-campaign.html
21.やまびこが八ヶ岳中央農業実践大学校に製品を寄贈
長野県の八ヶ岳中央農業実践大学校において「製品寄贈式」を行い、同社製刈払機・チェンソー・パワーブロワ・動力噴霧機の計21台を同校に寄贈した。今回の寄贈は、同校における農業機械の教育・研修に役立ててもらうと共に、その活動を通じて、今後の製品開発につなげる目的で、三井住友銀行・多摩法人の橋渡しで実現した。同校は、農産園芸分野では有機農業技術への挑戦、畜産分野ではアニマルウェルフェアを目指した技術の取り組み、また、スマート農業技術などに関する先端的教育を行っており、寄贈品を実践教育に役立てていきたいとしている。
同社の進行により、動画で同社概要を紹介。その後、吉崎本部長が「三井住友銀行さんからの紹介により、八ヶ岳中央農業実践大学校の存在を知り、同校の活動内容に当社の製品が貢献できると考え、今回の寄贈となった。小型屋外作業機械を使い、農業機械の作業訓練に役立てて頂き、若い学生の皆様の育成につながればと考えている。一方、同校は広い敷地に立木、草地が多く存在する。草刈り、伐倒作業などに、実際に機械を使って頂き、その活動の中から、学生さんに機械の操作性を感じてもらい、今後は当社の製品開発にも活かしていきたい。これから同校と継続的な協力を進め、相互の発展を図りたい」と挨拶した。その後、製品と目録が吉崎本部長から大杉校長に贈られた。
22.ササキコーポレーションが
民間部門農林水産研究開発功績者表彰で技術会議会長賞
同社の甲地重春技術開発部長は、令和3年度の民間部門農林水産研究開発功績者として、農林水産技術会議会長賞を受け、アグリビジネス創出フェアの会場内で表彰状と楯を小林芳雄会長から手渡された。同社が市販している電動リモコン草刈機「スマモ」の開発技術と電動による作業提案の独自性が認められた。
同表彰は、農林水産業その他関連産業に関する研究開発のうち民間が主体となって行っているものについて、その一層の発展及びそれに従事する者の一層の意欲向上に資するため、優れた功績をあげた者に対して表彰状を授与するものとされている。
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/press/211116.html
http://www.sasaki-corp.co.jp/topix/2021/211126info/211125info.html
23.スズテックが来年入社予定の4名迎え内定式
来年3月卒業予定の学生(大学卒・高校卒)を対象とした内定式を行った。今回の内定者は4名。式は、渡邊晋総務部長の進行により、まず、鈴木社長が会社概要と各部門の業務を紹介。また、内定交付書を鈴木社長より4名に交付した。内定者からは「コミュニケーションを大事に、立派な技術者・社会人となるよう学んでいきたい」と抱負が語られた。
その後、幹部社員と社内の福利厚生行事や、入社後の新人研修などの情報交換が行われた。式は、倉持久夫専務の「残る学校生活を大いに楽しみ、しっかり勉強して有意義に過ごして欲しい。毎日少しずつ社会人となる準備をしてもらいたい」という内定者への激励の閉会の言葉で終了した。