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農業機械関連ニュース

令和3年11月10日発行

<業界短信-新製品11月>

  1. ヤンマーアグリが産業用マルチローター2機種発売
  2. ササキコーポレーションがブロードキャスターなどを公道走行対応にモデルチェンジ

<業界短信11月>

  1. クボタが稲WCSのポイントWEBセミナーを開催
  2. サタケが米品質診断サービスパッケージを24時間申し込めるサイト開設
  3. 山本製作所が障害者雇用で高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰受ける
  4. スズテックの豆苗が「とちぎGAP」の2度目の認証受賞
  5. クボタ米国販売子会社がカリフォルニア州に新物流拠点
  6. クボタ子会社がイタリアのインプルメーカーを買収
  7. 小橋工業が再生可能エネで本社の電力を賄う
  8. ヤンマーエネルギーシステムがカーボンニュートラルゴルフ場を実現
  9. クボタが北海道に新しい農業学習施設建設へ
  10. 井関農機が第26回さなえ全国子ども図画コンクールの入賞者を発表
  11. クボタが施設園芸におけるスマート農業推進で岸和田市と連携協定
  12. 井関農機が農業シミュレーションゲームプレゼントキャンペーン
  13. オーレックがグリーンラボ福岡開設2周年記念イベント
  14. 北海道地方発明表彰で発明協会会長賞にIHIアグリテック、
    中国地方発明表彰で鳥取県知事賞に河島農具製作所
  15. サタケ前代表の佐竹利子氏が逝去
  16. やまびこがイーセップと合成燃料で共同研究開発契約
  17. オーレックがバーチャル展示会をリニューアル
  18. 日本農業機械工業会が札幌で地方大会

<業界短信-新製品11月>

1.ヤンマーアグリが産業用マルチローター2機種発売

安全で快適な農薬散布作業を実現する産業用マルチローター「T10/T30」を発売した。中山間防除を中心にドローン初心者から担い手農家まで幅広く活用できる「T10」と、大規模水稲・畑作農家や野菜・果樹を経営するプロ農家に推奨の「T30」を発売した。
 主な特徴は、

  1. 球面型全方位レーダーが360度(水平方向と上下方向)の障害物を検知し、自動で障害物を回避
  2. 自動で散布作業を行う自動航行設定では、事前に飛行ルートを設定することで、障害物を検知した場合も自動で回避し、本来の航行ルートに復帰する
  3. 「T30」は新開発のプランジャーポンプを搭載し、最大吐出量8L/分を実現。水稲だけでなく、野菜や果樹においても十分な農薬散布(液剤)が行える
  4. アームを広げた状態でのロック忘れを防止するセンサーを新たに搭載。また、防水性能の向上により、作業後の機体の水洗いも可能

-など。

2.ササキコーポレーションがブロードキャスターなどを公道走行対応にモデルチェンジ

11月出荷分よりブロードキャスター全型式とトラクター装着型ニンニク作業機を「公道走行対応標準装備仕様」へとフルモデルチェンジし発売。同仕様機をはじめとする公道走行対応モデルには「U1.7」、「U2.5」のロゴマークを本体、カタログなどに付し、販売店や農家が全幅などを確認しなくても、ひと目でどの基準に適合しているかが分かるようにしている。
 同社は主力商品であるブロードキャスター/有機ブロードキャスターの全モデルを公道走行対応モデルに一本化することで、農業生産者に安全、安心して購入・活用してもらえる体制にしたとアピールしている。公道走行対応標準装備の内容は次の通り。

  1. ブロードキャスター/有機ブロードキャスター(U1.7、U2.5モデル)・灯火が見える=反射ラベル、制限表示ラベル、後退灯、ハーネス
  2. 同・灯火が隠れる=反射ラベル、制限表示ラベル、後退灯、コンビランプ、ハーネス
  3. 「T30」は新開発のプランジャーポンプを搭載し、最大吐出量8L/分を実現。水稲だけでなく、野菜や果樹においても十分な農薬散布(液剤)が行える
  4. ニンニクハーベスタ/コンベア付きニンニクハーベスタ(U1.7モデル)・灯火が隠れる=反射ラベル、制限表示ラベル、後退灯、コンビランプ、ハーネス

<業界短信11月>

1.クボタが稲WCSのポイントWEBセミナーを開催

「稲WCSのポイントWEBセミナー」を開催した。これはWCS(ホールクロップサイレージ)用稲を栽培している生産者や、今後の栽培を考えている人向けに稲WCS専用の収穫機をはじめ、栽培の概要やポイント、WCS関連補助事業など有益な情報を発信したもの。同社と共同で同収穫機を開発製造しているタカキタの担当者からも説明があった。
 セミナーではまず、クボタ技術顧問の金森伸彦氏がWCS用稲栽培の現状とポイントを紹介。次いで、タカキタ担当者から細断型ホールクロップ収穫機WB1040DXの紹介が行われた。同機は稲WCSを約3cmの長さに細断し、穂先と株元を均一混合して高密度圧縮のうえ速やかに梱包。草丈65cmの短稈から150cmの長稈まで対応し、2段搬送機能を標準装備のため、長稈品種の刈取りに威力を発揮する。
 ユーザーのインタビュー動画も披露され、同機を使用して、作業効率と品質が向上したと語った。カッターの飲み口が広くなり、刃の枚数も増えたことから取り込んだ作物を無理なくロールできることや、細断により圧縮密度が上がりムラなく乳酸発酵ができること、作業人数も最低2人で済むことなどメリットにあげた。

2.サタケが米品質診断サービスパッケージを24時間申し込めるサイト開設

米の品種や食味などを分析評価する品質診断サービスパッケージ「コメドック」および「コメドックごはん」について24時間申し込み可能な専用ウェブサイトを公開したことを明らかにした。これまでは、専用の依頼書に必要事項を記入のうえFAXもしくはメールで送付し、決済は口座振込みになっていた。
 同社は、、米生産者や集荷・精米卸業者などを対象に、米の品種や食味などを分析評価する米の品質診断サービスパッケージ「コメドック」と炊飯時の食味や外観品質を分析評価する「コメドックごはん」を展開している。今回、これらのサービスをより簡便で迅速に利用してもらうために24時間申し込み可能な専用ウェブサイトの公開に踏み切ったもの。同サイトはクレジットカード決済のみとなるが、口座振込希望の人は従来のFAXもしくはメールによる申し込みも可能。また、「コメドック」「コメドックごはん」を特別価格で提供するキャンペーンも実施している。

3.山本製作所が障害者雇用で高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰受ける

障害者雇用を促進している企業として「令和3年山形県障害者雇用優良事業所等表彰式典」において「高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰」(障害者雇用優良事業所)を受賞した。
 同式典は、高齢・障害・求職者雇用支援機構山形支部と山形県が毎年開催しており、障害者雇用促進・安定に寄与している事業所や、長年勤務している職場の模範となっている障害者に対して表彰を行っているもの。今年は、6団体8個人に表彰状、感謝状が贈られた。式典では同社・山本丈実代表取締役が「弊社は6名の障害者の方を雇用させて頂いている。近年、人材確保、人材不足は益々深刻さを増している。このような状況で6名の皆さんは、より良い職場環境づくりに欠かせない存在になっている。本日の栄えある受賞を契機に、障害者雇用の拡大に向け、さらなる努力を重ねていく」などと挨拶した。

4.スズテックの豆苗が「とちぎGAP」の2度目の認証受賞

かねてより本社・工場敷地内で完全無農薬の水耕栽培方式で生産している"豆苗"(エンドウ豆の若芽)が「とちぎGAP」に適合しているとして、昨年の交付に続き2度目の認証を得たことを明らかにした。認証期間は令和4年8月31日までの1年間。
 同社豆苗栽培施設において、生産管理等が適切に図られているか、栃木県職員による現場確認が行われ、8月16日付で2度目の認証を受けた。認定に併せて"豆苗"のパッケージデザインとパッケージフィルムの材質を変更。また、栃木県のマスコットキャラクターである"とちまるくん"とのコラボを実現するなど、栃木県産の豆苗であることを積極的にPR。「とちぎGAP」取得以降、販路拡大が進んでいる。
 また、昨年には「JGAP」の認証も取得している。同社では「今後も当社独自の技術とGAPの活動継続通じて、お客様に喜んで頂ける安心・安全・高品質な豆苗の提供を目指してまいります」とコメントしている。

5.クボタ米国販売子会社がカリフォルニア州に新物流拠点

米国販売子会社「クボタトラクターコーポレーション」(KTC)はこのほど、米国のカリフォルニア州に物流拠点を新たに建設し、現在のKTC西部支店を移転。新拠点移転による、製品と補修部品の供給体制強化に加え、ディーラーが対応しているオプション装着や仕様変更等の作業の取り込みや、ディーラー向け研修施設を充実させることにより、ディーラーが販売に注力できる体制の構築やアフターサービスの質を向上させ、米国における更なる事業拡大を推進する。
 現在のKTC西部支店近郊に新たな物流拠点を建設し、各種作業や在庫の保管に必要なスペースを確保することにより、在庫・出荷能力を強化する。また、ディーラーが対応しているオプション品の装着や仕様変更等の作業の取り込みに加え、ディーラー向けの研修施設を拡張する。新物流拠点の建設により、製品と補修部品の供給体制を強化することに加え、ディーラーへのサポート体制を強化することで、ディーラーから顧客へのサービスを更に向上させ、事業拡大を推進していく。

6.クボタ子会社がイタリアのインプルメーカーを買収

子会社であるクバンランド社が、イタリアの牧草作業機メーカー・ロック社の株式の80%を取得し、子会社化することを決定したと発表した。ロック社は、刈った牧草を集めるために使用する「マージャー」と呼ばれる大規模酪農家・請負農家に近年普及が進んでいるインプルメントの専業メーカー。同じ用途で使用されている従来型のインプルメントと比べて土や石などの異物の混入が少ないことから高品質な飼料生産が可能となり、乳牛の搾乳量増加や家畜の健康維持などの効果も期待できる。
 牧草市場においてクボタおよびクバンランド社が事業を拡大していくにあたり、「マージャー」を使用するような大規模酪農家と請負農家は重要なターゲットとなる。ロック社は小型から大型までラインナップが充実しており、クバンランド社は同社を子会社化し、同顧客層向けの牧草関連製品を拡充させることで、欧州におけるインプルメント事業の拡大に向け事業展開を加速させる、としている。

7.小橋工業が再生可能エネで本社の電力を賄う

工場の使用電力をすべて再生可能エネルギーに切り替え、また、オフィスエリアも同様に再生可能エネルギーへの転換を図った。これにより、岡山本社で使用する電力はすべて再生可能なエネルギー由来のものとなり、岡山県下の工場では初の取り組みになる。
 同社は、「地球を耕す」という理念のもと地球規模の課題解決に取り組み、世界的な異常気象で自然災害が深刻化する中、二酸化炭素の削減を最優先課題の1つと位置づけて再生エネルギーの活用を推進。工場の使用電力をバイオマス発電、太陽光発電や水力発電などを活かした再生可能エネルギーへ切り替えた。これにより工場の年間使用電力のすべてを再生可能エネルギーに転換、電力由来のCO2排出量をゼロとし、全体としては60%の削減を可能とした。
 コスト面では現状より割高になるものの、環境負荷の少ないサステナブルなものづくりを目指し、また脱炭素社会を目指して企業としての社会的責任を果たしていくと取り組みに意欲をみせている。

8.ヤンマーエネルギーシステムがカーボンニュートラルゴルフ場を実現

再生可能エネルギーやグリーン電力などを組み合わせたトータルエネルギーソリューションにより、「琵琶湖カントリー倶楽部」において、ゴルフ場として日本初となるCO2排出量実質ゼロのカーボンニュートラルを2021年度内に実現予定。同カントリーはカーボンニュートラルの自然共生型ゴルフ場として運営される。トータルエネルギーソリューションでは、再エネ・省エネ機器の導入、熱電エネルギーの最適制御でCO2を削減。エネルギーの地産地消を実現し、ゴルフ場内で発生するCO2排出量を約300t削減する。
 世界的に脱炭素の機運が高まる中、ヤンマーエネルギーシステムは廃棄物を有効利用するバイオマス発電やエネルギーを最適制御するエネルギーマネジメントサービス「Enerico(エネリコ)」などを提案することで、顧客のエネルギー問題の解決に取り組んできた。今回、自然豊かな滋賀県に位置する「琵琶湖カントリー倶楽部」において、自社のエネルギー機器を核としたトータルエネルギーソリューションで、年間CO2排出量802tを実質ゼロへと削減する。

9.クボタが北海道に新しい農業学習施設建設へ

2023年に開業する「北海道ボールパークFビレッジ」のエリア内に農業学習施設を設置する三者連携協定を、ファイターズスポーツ&エンターテインメント、北海道大学とともに締結した。北広島市庁舎内で行われた調印式には北尾社長が出席、同施設を通じ農業の最新技術の紹介や農業生産者、地域住民との触れ合いによって、明るい未来の農業の姿を表し、食や環境についても学べる場にしていきたいと、コミュニティー運営の成果に期待を寄せた。クボタが設置する学習施設は、建築面積約1700平方m、延べ床面積約2400平方m、建設費用は全額同社が負担する。
 施設は、農業の最新技術や社会課題などを紹介する展示エリア、ロボットやAIなどを活用した農作物栽培を行うガラスハウスエリア・植物工場エリア、自然と触れ合いながら農業体験ができる露地栽培エリア、生産者や地域との触れ合いの場となる屋外イベントスペースで構成(予定)。農業を中心としたコミュニティーの創出、生産者と消費者の交流、近隣農家との連携・協業などによる人材交流を目指しており、広大な北海道の大地から農業の未来ビジョンを発信していくと施設運営に意欲を示している。

10.井関農機が第26回さなえ全国子ども図画コンクールの入賞者を発表

茨城県つくばみらい市の同社つくばみらい事業所で、第26回「さなえ全国子ども図画コンクール」の審査結果を発表した。晴れの全国最優秀賞は、愛媛県の野本一朗さん(10歳)が受賞した(作品名は「家族の楽しいのうぎょう」)。また、特別賞の意を込めて「さなえ賞」が1歳の女児に贈られた。今回の応募作品にはドローン(小2、女)、直進アシスト田植機(小6、女)も初登場し、スマート農業の進展とともに、子どもの関心が高いことが伺えた。なお、入選作品は同社のホームページでも公開している。
 同コンクールは、小学生以下を対象として、農業、食文化にもっと関心を持ってもらうために開催。「農業で働く家族」をテーマに、農作業を通じた家族とのふれあいに焦点を当てて作品を募集している。今年は昨年同様、コロナ禍の開催となったにもかかわらず約1200作品の応募があり、累計応募数は3万1700を超えた。
 冒頭あいさつした同社の縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長は、「このコンクールを通して子どもに農業をより身近に感じてもらうとともに、家族との触れ合い、自然との共生、環境保全の大切さを目的に毎年開催している」としたあと、「コロナ禍にあっても人と人との触れ合い、心と心の結びつき、家族愛、エッセンシャルワーカーである農家の素晴らしさが作品には満ち溢れており、とても感動している」などと述べた。

11.クボタが施設園芸におけるスマート農業推進で岸和田市と連携協定

大阪府岸和田市における施設園芸農業の振興を図るため、「施設園芸における環境制御技術の活用に関する連携協定」を締結した。この連携協定の締結より、同市や農業生産者と連携して課題の解決に必要なデータの収集と蓄積を行うことで、栽培環境制御技術の精度向上を目指す。農業生産の現場に根ざした研究開発の取り組みを通じ、収穫量や品質の安定化に貢献できる、データを活用した次世代の施設園芸の実証および確立を目指す。同市は、府内で農業産出額が2位と農業が盛んな自治体であることに加え、ゆめみヶ丘岸和田は府が農業活性化の拠点と位置付けて整備したこともあり、今後同地区の施設園芸においても就農者の増加や栽培面積の拡大が期待されている。
 取り組みの方向性としては、クボタが同市のゆめみヶ丘岸和田の農整備エリアにビニールハウスを建設し、施設園芸製品の研究開発や試験を行う。ゆめみヶ丘岸和田の農業生産者のビニールハウス内に設置したクボタ製品から環境データを農業生産者にフィードバックすることで収穫量や品質の安定・向上の効果を実感してもらい、収益性の高い施設栽培の確立に貢献していく。

12.井関農機が農業シミュレーションゲームプレゼントキャンペーン

トラクター「TJV985」が、国内農機メーカーの製品として初めて農業シミュレーションゲーム「ファーミングシミュレーター22」に登場するのを記念して、「ファーミングシミュレーター22」のプレゼントキャンペーンを実施すると発表した。キャンペーン期間は、2021年12月31日までで、期間中にオールジャパンシリーズを購入した顧客から先着順で500名に「ファーミングシミュレーター22」をプレゼント。また、同じく期間中に同社が運営する営農ソリューションポータルサイト「Amoni」への新規登録者から抽選で100名にプレゼントする。
 「ファーミングシミュレーター22」は、広大な土地でリアルな大規模農業体験が可能な農業シミュレーションゲームとして世界中で人気のゲーム。実在する農機メーカーの車両や農機具を使用し、農業だけでなく、畜産、林業を中心とした幅広い農業経営ができる。機械の動きはもちろん、今回新たに導入されたシーズンサイクルにより、季節の移り変わりが美しく再現され、よりリアルな農業ライフが体験できる。

13.オーレックがグリーンラボ福岡開設2周年記念イベント

ブランド発信拠点「OREC green lab福岡」がオープン2周年を迎え、記念イベントを開催した。農高生が育てた野菜や加工品の販売、コーヒーの淹れ方ワークショップなどを実施。
 イベント期間中、福岡県内の農業高校で育てたダイコン、レタス、リンゴなどの野菜や、肉みそ、パウンドケーキ、イチジクジャムといった加工品を日替わりで各校の生徒たちが店頭に立ち販売。これについて同社の広報は「コロナ禍で対面販売の機会が減少したので、生徒たちが消費者の声に直接触れる機会を創出し、また、多くの人たちに愛情のこもった作物を届けたい」とコメントしている。コーヒーの淹れ方ワークショップでは、有機栽培でフェアトレードの豆を自社で焙煎しているPOPCOFFEES(福岡市東区)のスタッフが、とっておきのコーヒーの淹れ方を伝授した。
 その他、かごしま有機生産組合で栽培された安納芋を使用しライスミルクをブレンドした季節限定ドリンクの販売や、カフェ商品を購入した先着250人を対象に、無農薬米や煎茶などが当たる抽選会なども合わせて開催した。

14.北海道地方発明表彰で発明協会会長賞にIHIアグリテック、
中国地方発明表彰で鳥取県知事賞に河島農具製作所

公益社団法人発明協会はこのほど、令和3年度の北海道地方発明表彰、中国地方発明表彰受賞者を発表した。業界関係では、北海道地方では、発明協会会長賞を「自走型飼料稲ラッピングマシン」によりIHIアグリテック開発部商品企画G主査・横内博史氏、同社品質保証部品質保証千歳Gスタッフ・井ノ山和宏氏が受賞、実施功績賞に同社の満永敬哉社長が栄誉に輝いた。また、中国地方発明表彰では、鳥取県知事賞に「農業用高所作業機の自動速度制限装置」で河島農具製作所代表取締役社長・河島隆則氏が選出された。
 その他、発明奨励賞に「自脱型コンバインの手こぎ緊急停止装置」、「乗用型田植機の植付作業機高さ報知制御」、「エンジン負荷率連動昇降制御装置」で三菱マヒンドラ農機が、「着脱可能なエプロンカバー」で小橋工業などが選ばれた。

15.サタケ前代表の佐竹利子氏が逝去

佐竹利子(さたけ・としこ)取締役名誉会長が老衰のため逝去した。88歳だった。故人の遺志により通夜ならびに葬儀は近親者のみで執り行われた。サタケでは、11月26日に同社主催による「お別れの会」を執り行う。
 故人は昭和8年2月26日、佐竹製作所(現サタケ)・佐竹利彦元社長と冨美子夫人(いずれも故人)の長女として生まれ、昭和34年佐竹製作所入社。平成元年専務取締役、同5年取締役副社長。平成9年同社・代表に就任した。以来今年6月に取締役名誉会長に退くまで長きにわたり同社を牽引した。

16.やまびこがイーセップと合成燃料で共同研究開発契約

京都府のスタートアップであるイーセップとの間で、カーボンニュートラルの実現を目指し、合成燃料(e-fuel)に関する共同研究開発契約を締結したことを明らかにした。共同研究開発を通じて、同社の主力製品である小型屋外作業機械に搭載するエンジンにおいて合成燃料を利用することで、カーボンニュートラル化を目指す。イーセップは、ナノセラミック分離膜の技術を活用し「簡単・エコ・高効率な分離」を実現することで、合成燃料の製造・利用プロセスを低コスト化、省エネ化する。イーセップがe-fuelの合成を担当し、やまびこがエンジンを用いた実証試験を担当する。
 e-fuelの合成プロセスとしては、再生可能エネルギーを利用した水電解による水素と回収CO2を用いた合成する方法のみならず、現状未利用のまま放置されている林地残材を用いた木質バイオマス資源を有効に利用する。特に、木質バイオマス資源を利用した小型屋外作業機械のカーボンニュートラル化対応は、やまびこの企業エッセンスである〝人と自然と未来をつなぐ〟を実践できる可能性も高いとしている。同社では、高濃度エタノール燃料を用いた製品試験も行っており、エンジン性能、ベンチ耐久試験、実作業フィーリングなどの評価は完了。同社では、バイオ由来のエタノールを利用すれば、e-fuelの取り組みと同様に、カーボンニュートラル化へ寄与できる取り組みになるとしている。

17.オーレックがバーチャル展示会をリニューアル

2月に公開した農業機械のオンライン展示会「草刈ショー!-ORECバーチャル展示会-」に追加コンテンツを加えてリニューアルした。これまでは草刈機のみを展示していたが、非農業従事者の閲覧が半数を占めていることを受け、一般にも需要が高い除雪機や管理機、芝刈機などを追加展示。また、製品の初心者などを対象に取扱説明書のポイントを動画にまとめた「ORECの草刈り講座」も設けた。
 新規コンテンツは緑地管理ブース、畑ブース、管理機「エースローター」と耕うん機「ピコ」の展示、特設ブースの4つ。緑地管理ブースは芝や公園を管理する一般向け。芝刈り機「ジーテックモアー」や小型の雑草刈り機を展示。畑ブースは畑を所有する人や家庭菜園をする人向け。管理機「エースローター」と耕うん機「ピコ」を展示。特設ブースは季節により展示を変更。新発売の「クワガタモアー」と、除雪機「スノークリーン」を展示している。草刈り講座では、主要機種の操作や安全な使い方、草刈りのコツを動画でレクチャーしている。

18.日本農業機械工業会が札幌で地方大会

北海道札幌市のロイトン札幌で地方大会を開催し、令和3年及び令和4年の需要見通しや会長及び専務理事の職務執行状況報告が行われた。令和3年の需要見通しでは、トラクター105%、管理機103%、田植機102%など9機種と国際委員会から前年増の報告が行われた。これに対し令和4年の見通しは、精米機と国際委員会以外は減少の見込みとなっている。
 冒頭、あいさつに立った木股会長は、今年の農機実績について「経営継続補助金の活用による需要喚起もあり、コロナ前の2019年の数字に戻りつつある。これもひとえに会員各社の営業努力の賜物であり、たいへん頼もしく感じている」と述べるとともに、今後の方針として「農機業界においては、農作業安全やスマート農業の推進、カーボンニュートラルなど、対応すべき課題が山積している中、足下の状況には依然として厳しさがあるが、農業機械が『農業者を支える、より頼もしいパートナー』として、生産性向上の要を担い、しっかりと農業の担い手を支える役割を果たしていけるよう努めて参りたい」と、日本農業への貢献に意欲を示した。