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農業機械関連ニュース

令和3年10月10日発行

<業界短信-新製品10月>

  1. 小橋工業がスピードハローソニックを発売
  2. ヤンマー建機が後方超小旋回ミニショベルを発売
  3. IHIアグリテックが農研機構と共同開発したGPSナビキャスタを発表
  4. やまびこが2021秋の新製品を発表
  5. 太陽が野菜袋詰め機の後継機を発売

<業界短信10月>

  1. クボタがアクセンチュアと戦略的パートナーシップを締結
  2. ヤンマーアグリジャパンが加工用トマトで、カゴメ、JAいわみざわと連携協定
  3. 三菱マヒンドラ農機が役員人事
  4. ヤンマーホールディングスが「うんこ 食とエネルギードリル」を公開
  5. 農業食料工学会の開発特別賞を井関農機、開発賞を
    IHIアグリテック、クボタ、サタケ、やまびこが受賞
  6. 諸岡が茨城県働き方改革優良企業に認定
  7. KOBASHIホールディングスがリアルテック社と共同でものづくりを支援
  8. 農業機械技術クラスター2課題の委託先に三菱マヒンドラ農機や丸山製作所
  9. オーレックが草の日フォトコンテスト・川柳コンテストの結果発表
  10. クボタが北海道にロジスティクスターミナルとビジターセンター開設
  11. 井関農機がAmoniで有機栽培のWebセミナー
  12. キャニコムが新工場で製造の「Hey MASAO」1号機を出荷
  13. ロボットトラクターでクボタのアグリロボが安全性検査に初合格
  14. クボタとヤマハ発動機が米国スタートアップに追加出資
  15. 井関農機のトラクターがファーミングシミュレーターに登場
  16. サタケが日の本穀粉と特許実施権などの許諾契約締結
  17. JA全中がお米消費拡大アンバサダーを任命

<業界短信-新製品10月>

1.小橋工業がスピードハローソニックを発売

同社最速のスピードとロータリの砕土性を同時に実現した「SPEED HARROW SONIC(スピードハローソニック)」を開発、新発売した。機体前面に配置したディスクによって最初に耕すことで、ロータリ爪による耕うん負荷を軽減、ロータリ並みの砕土性能で、最速作業速度毎時10kmを実現している。同社最速の耕うんスピードで、ロータリと同等レベルの砕土性能を持ち、かつトラクターのタイヤ跡のない均平な仕上がりを可能にした「スピードハローソニック」を開発し、大規模畑作農家の負担軽減及び作業効率改善を実現する。
 主な特徴は、

  1. 最高作業速度毎時10kmを実現=機械前面に配置されたディスクで、最初に土壌を耕すことで、耕うんに必要な爪本数を削減。耕うん負荷を軽減させることで、作業の高速化を実現
  2. タイヤ跡のない均平な仕上がり=ディスクをタイヤ両サイドに配置することで、浅耕作業並びに高速作業時に発生していたタイヤ跡などの問題を解消し、均平な仕上がり
  3. ロータリと同等の再度性能=ディスクと爪で耕うんすることで、高速作業でもロータリと同等の砕土性能を実現

-など。

2.ヤンマー建機が後方超小旋回ミニショベルを発売

後方超小旋回ミニショベルのロングセラーモデルである「ViO17」の後継機として、燃費性、整備性を向上した「ViO17-1」を発売した。同機は、新たにエコモードやカットオフデセル機能を搭載し、燃費低減を実現。また、オイルクーラーの標準搭載によりヒートバランスを向上させ、マシンダウンを低減する。さらにグリスだまりやシリンダーホースの形状を見直すことで整備性を向上させ、作業工数の削減を実現した。
 主な特徴は、

  1. 経済性の向上=エンジンの最大回転数を抑えることで標準モードと比べて作業時間当たりの燃料消費量を約23%削減する「エコモード」を搭載
  2. マシンダウン低減と整備性の向上=オイルクーラーの標準搭載によりヒートバランスが向上
  3. 安全性の向上=従来はハロゲンだった作業灯にLEDを採用し、広範囲の照射を可能に

-など。

3.IHIアグリテックが農研機構と共同開発したGPSナビキャスタを発表

農研機構と共同で開発した「GPSナビキャスタ(重量計付きブロードキャスタ)MGL604P・1204P」を来年2月に市販すると発表した。同機はスパウトタイプのブロードキャスタで、安心作業、精密作業をもたらす次代型マシーン。加えて公道走行に対応する灯火器等を装備している。
 主な特徴は、

  1. リアルタイムに資材量を計測するための重量センサーを搭載していることで資材積載量を可視化、残量が一定量以下になるとアラームで告知
  2. 重量計により散布量を計測していることで作業中に散布量(シャッタ開度)を自動補正して正確に散布
  3. 重量計により使用資材の最適な肥料流動測定値を計算し、次の作業に自動で適用が可能

-など。

4.やまびこが2021秋の新製品を発表

2021年秋の新製品としてクラス最軽量の共立・リアハンドルソー「CS252W」(排気量=25.0cc)、新ダイワ・リアハンドルソー「E2125S」(同=同)、50Vリチウムイオンバッテリーを搭載したエコー・バッテリーチェンソー「BCS530」(バッテリー=2Pタイプ)「BCS510W」(同=1Pタイプ)、保護服(チェンソーウエア)「KIORITZ/shindaiwa Active Gear」、最大風量毎分30.3 m3の共立・パワーブロワ「PB830」(排気量=79.9㏄)、新ダイワ・パワーブロワ「EB3083」(同=同)を発表、本格的な発売を開始した。
 共立・リアハンドルソー「CS252W」、新ダイワリアハンドルソー「E2125S」の主な特徴は、

  1. トップハンドルの良さを取り入れ、ガイドバーを標準装備することでリーチの長い両手ハンドルソーを実現
  2. 軽量かつバランスが良く、使いやすい
  3. 降雨時に配慮したナイロンメッシュのエアクリーナを採用

-など。


 エコー・バッテリーチェンソー「BCS530」の主な特徴は、

  1. オリジナルのリチウムイオンバッテリーを搭載。エンジンチェンソー並みの粘り強さを発揮。広葉樹などの堅木でも確実に鋸断
  2. 2Pタイプの共通バッテリーを採用。刈払機・ブロワにも使用でき、イニシャルコストを低減
  3. ハードノーズバーを採用。摩耗に強く、また、チェーンが外れにくく、突っ込み切りやハード作業に最適

-など。

5.太陽が野菜袋詰め機の後継機を発売

ベストセラーの野菜袋詰め機「VF800」に改良を加え、さらに機能をアップさせた後継機「VF810」を発売した。ホウレンソウ・小松菜・水菜・春菊など軟弱野菜の袋詰め作業の効率アップに貢献してきた同機は、現場の声を受け、さらに安全、便利に、使いやすさを実現した。
 主な特徴は、

  1. 理論値で1時間800袋(実作業600袋/時)を実現
  2. 3段階の本体高さ調整が可能になり、作業者の疲労を軽減
  3. 真空ポンプ内蔵により本体のみで使用可能
  4. 水濡れ(洗浄)野菜に標準対応、投入深さをワンタッチで変更可能などの便利仕様が追加
  5. 寒冷地での真空ポンプ性能向上のため、アイドリングスイッチを装備。気温の低い現場でも快適に作業
  6. 作業状況に合わせて3段階の本体高さ調節が可能。作業者の疲労を軽減し、作業効率のアップ

-など。

<業界短信10月>

1.クボタがアクセンチュアと戦略的パートナーシップを締結

アクセンチュアと、持続可能な社会の実現に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速およびデジタル専門分野での人財強化を目的に戦略的パートナーシップを締結したと発表した。この提携により、世界120カ国以上でビジネスを展開するクボタの持続可能な社会の実現に貢献する事業に対して、アクセンチュアが持つ先端のデジタル技術を組み合わせたサービスを組み込むことで、国内外にかつてない価値を創出するプラットフォームを構築。変化するニーズと市場環境にさらに迅速に対応し、食料・水・環境に関わる地球課題の解決に貢献するべく、事業モデルを革新していく、としている。
 両社で推進する主な活動は次の通り。

  1. DXとサステナビリティを掛け合わせた新たなソリューションの協創
  2. クボタ全社で取り組むDX施策の企画、およびその実行基盤の整備と人財育成
  3. クボタのグローバルビジネスを支えるセキュアかつ柔軟な運用体制の構築

-など。

2.ヤンマーアグリジャパンが加工用トマトで、カゴメ、JAいわみざわと連携協定

カゴメ、いわみざわ農業協同組合と、JAいわみざわ管内における加工用トマト産地拡大推進を目的とした連携協定を締結した。これを受け、3者は協定に関するオンライン説明会を開催した。
 協定の合意事項は、

  1. 加工用トマトの拡大に向けた推進
  2. 産地に合わせた加工用トマトの栽培技術の改善
  3. 加工用トマトの品種開発・導入
  4. 加工用トマト収穫機の運用及びメンテナンス

-など。ヤンマーアグリジャパンは北海道支社が中心となり、収穫機のメンテナンスなど、稼働安定化をサポートする。
 連携協定締結式の後、岩見沢市北村幌達布の圃場に移動し、加工用トマト収穫機HT1250Tの実演に見入った。JAいわみざわの管内には8軒の栽培農家があり、会場にはそのほか関心をもった近隣の農家も参集、同機の稼働状況を確認した。HT1250Tは、加工用トマトの収穫作業における一連の工程(拾い上げ、搬送、揺動分離、選別)を1台でできる省力機で、10aの作業を約3~5時間でこなし、作業時間の短縮、効率化を実現した。

3.三菱マヒンドラ農機が役員人事

9月1日付で上級執行役員兼営業戦略統括部長に吉田康二氏が就任すると発表するとともに、これまで齋藤社長が兼務していた三菱農機販売の代表取締役社長に、吉田氏が兼務で就任することを明らかにした。吉田氏は、奈良県出身の54歳。ヤナセ、ヤナセアウディ販売、アウディジャパン、アウディジャパン販売でダイレクターなどを務め、この9月1日付で三菱マヒンドラ農機に入社した。

4.ヤンマーホールディングスが「うんこ 食とエネルギードリル」を公開

文響社とコラボレーションにより、小学生が「食」と「エネルギー」のサステナビリティについて楽しみながら学べる「うんこ 食とエネルギードリル」の冊子およびオンラインゲームを制作、公開した。
 「うんこ 食とエネルギードリル」は、スマート農業や食料生産、エネルギーの持続可能性をテーマにした、子どもたちが楽しく学べるコンテンツ。今回のコラボレーションで制作した全コンテンツは、特設サイトにて楽しむことができる。また冊子については、農業や漁業、エネルギーに関するクイズ形式の問題(全5問)を通じて、うんこ先生が食やエネルギーに関する世の中の課題や、大切な未来の資源を守るためのポイントをわかりやすく教えてくれるものになっている。冊子は、ヤンマーミュージアムへ来館した小学校団体や地域貢献の一環として滋賀県長浜市の小学校などに配布予定。

5.農業食料工学会の開発特別賞を井関農機、開発賞をIHIアグリテック、クボタ、サタケ、やまびこが受賞

2021年度開発賞を発表した。開発特別賞は、井関農機の「ヰセキ乗用田植機さなえPRJ、PRの開発」が選ばれた。そのほか開発賞には、IHIアグリテックの「簡易式可変施肥マップ」と「ビジュアル化作業ログ」に対応した「可変施肥対応GPSガイダンス(製品名GPSナビライナー)」、クボタの「自動運転農機による大規模水稲作一貫体系の完成」、サタケの「新型光選別機SAXES Knight」、やまびこの「散布幅自動調整機能スライドコントロールを有したブームスプレーヤ」の4件が選ばれた。  今回受賞した乗用田植機さなえPRJ、PRは、田植え作業が不慣れなオペレータでも、簡単・安心・使いやすく、また熟練者でも疲れにくく高能率な田植え作業ができるよう、植え付け作業中の直進はもとより旋回時のステアリング操作や条合わせを自動化した、田植え操作をアシストする田植機。
 表彰式は2021年農業食料工学会大会初日に行われた会員集会内でオンライン開催され、代表者に井上会長から表彰状を授与された。また、12月10日の開催される第26回テクノフェスタでは、技術発表が予定されている。

6.諸岡が茨城県働き方改革優良企業に認定

茨城県、大井川和彦知事より「茨城県働き方改革優良企業認定書」を授与された。有効期間は令和3年8月30日から2年間。
 同社では、活力ある企業を目指し、社員のワークライフバランスの充実と人材育成を目標に“諸岡・働き方改革推進宣言”を掲げている。これまで働き方の改善として、仕事の効率化や最適配分を行い、時間外労働を抑制。また、休み方の改善として、全社員が年次有給休暇を積極的取得できる環境を整備。具体的には、働き方の改善としてICTを活用した業務効率化の向上、フレックスタイムの効果的な運用の促進、長時間労働抑制のための業務プロセスの見直しーなどを行い、また、休み方の改善として、職場単位で年次有給休暇の計画的な取得を促し、定期的に確認する、記念日など年次有給休暇制度を整備し、運用する、有給休暇を取得しやすい福利厚生の充実を図るーなどを推進しており、こうした取り組みが高く評価された。同社では、今年3月に日本健康会議より「健康経営優良法人」にも認定されている。

7.KOBASHIホールディングスがリアルテック社と共同でものづくりを支援

小橋工業系列の同社はリアルテックホールディングスと共同で、革新的テクノロジーを有するスタートアップ(リアルテックベンチャー)の製造支援を行う取り組みとして、「マニュファクチャリング ブースター」を開始すると発表した。
 ベンチャーが製品化に係る際の様々な課題を解決していくもので、支援内容は、ベンチャー側が記載する「問診票」や複数回にわたるヒアリングをもとに、「カルテ」という形でものづくりの段階に応じた現状の課題と解決方針を言語化し、ベンチャーとの対話を通じて解像度を上げていくことになる。
 小橋社長は、「リアルテックファンドは、我々のビジョンと完全に一致し、この先ずっと共に歩んでいきたいパートナー。本ブースターを含め、さまざまなブースターが集まる全体のエコシステムは、資金だけでは解決できない多くの課題を網羅的に支援し、ものづくりの構造的な問題を根本的に見直す、今までにない画期的な取り組み。両社は新しい日本の製造業のかたちを目指し、新しい未来を切り拓くものづくりの進化に寄与していく」とコメントしている。

8.農業機械技術クラスター2課題の委託先に三菱マヒンドラ農機や丸山製作所

令和3年度下半期の農業機械技術クラスター事業新規課題を実施する委託先について、応募があったコンソーシアムを第4回農業機械技術クラスター事業等審査委員会において審査し、決定した。雑穀類対応コンバインの開発=参画コンソーシアム名:雑穀コンバイン開発コンソーシアム(研究代表・岩手県農業研究センター、三菱マヒンドラ農機、農研機構農業機械研究部門)、果樹園のスマート化に資する自動運転スピードスプレーヤの開発=果樹園農薬散布スマート化技術開発コンソーシアム(研究代表・国立大学法人筑波大学、丸山製作所、アイ・モビリティプラットフォーム、農研機構)。
 同クラスターは、農業課題に対応するため、先端・基盤研究の拠点機能、安全検査や安全研究の拠点機能、担い手ニーズに応じた開発改良の結節点機能を果たすべく、農研機構農業機械研究部門が設立した新たな農業機械化を推進するための幅広い産学官連携のプラットフォーム。

9.オーレックが草の日フォトコンテスト・川柳コンテストの結果発表

「草の日フォトコンテスト」及び九州の農業高校生を対象とした「川柳コンテスト」の受賞作品を発表した。両コンテストは、同社が草の役割の重要性を伝える啓蒙活動を目的に、9月3日を9(く)3(さ)の語呂合わせで「草の日」と制定し、2018年より毎年開催している。
 第4回草の日フォトコンテストは、「農っていいね!」をテーマにインスタグラムとウェブの2部門で募集し、最優秀賞に、森田いずみ氏(福岡県)『夏の風物詩』が選ばれた。前回の約6倍、2,924作品が全国各地から集まった。第4回九州農高川柳コンテストは「わたしと農業」をテーマに行われ、九州各県の農業系高校の生徒から7,787作品の応募があり、グランプリに輝いたのは、工藤亘輝氏(宮崎県門川高校3年)の「山を知り 山を育てる 道へ行く」だった。
 両コンテストの受賞作品は同社ウェブサイトで公表している。

10.クボタが北海道にロジスティクスターミナルとビジターセンター開設

北海道クボタとともに、北海道苫小牧市に新設した「クボタロジスティクスターミナル苫小牧」と「北海道クボタビジターセンター」の竣工式を行った。それぞれ新物流拠点、農業生産者への情報発信拠点として、道内のクボタ製品拡販・シェアアップ、在庫一元管理、配送経路の簡素化・物流効率化に役割を発揮する新規施設となる。ロジスティクスターミナル苫小牧は、敷地面積1万6524m2、延べ床面積8610 m2、鉄骨造り平屋建て。隣接する北海道クボタビジターセンターは、延べ床面積999 m2、2階建てで、1階にはスマート農業を牽引する先端技術を常設展示、2階には研修室などをおいた。
 北海道クボタの渡邉社長は、ロジスティクスターミナル苫小牧に隣接してビジターセンターを設置でき、両施設を見て頂ける体制になった。農作業の終える時期から春まで、1人でも多くの方に来場して頂いて、クボタの最新の高性能農機,そしてICTを中心とするスマート農業を確認頂ける場として活用していく。北海道は、クボタグループが掲げるビジョンの試金石ともなる市場なので、このセンターの機能を十二分に発揮して成果につなげていきたいと抱負を語った。

11.井関農機がAmoniで有機栽培のWebセミナー

営農ソリューション・ポータルサイト「Amoni」の一環で、Webセミナーを開催した。同社と業務提携をした有機米デザインの中村哲也取締役が「有機栽培とアイガモロボ(仮称)」と題して講演を行った。アイガモロボ(仮称・正式名称未定)は水田を自律航行して雑草の生長を抑制するロボット。有機栽培の普及拡大を目指し、業務提携して実証実験を進めている。中村氏は、「有機米栽培の最大の課題は慣行栽培の5倍かかる除草作業にある。低コストで省力化できる雑草防除法として、無人水田抑草ロボットを開発してきた」と語った。
 アイガモロボはソーラー自家発電で自動航行し、代かき後の水田にて水中を攪拌。土壌をかき回して水を濁らせ、光を遮ることで、土の物理性に影響を及ぼして雑草の生長を抑制する。これにより、除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態が作れる。ロボットが動いて倒れた稲も数日で回復する。これまで試験圃場で水田雑草の抑制効果を確認してきたが、今年は井関農機との業務連携により実証実験の取り組みを加速。全国18都府県にて実証実験を進めており、実験ではアイガモロボを稼働したうえで、それ以外の機械除草回数の削減回数及び幼穂形成期の雑草量の調査を行った。

12.キャニコムが新工場で製造の「Hey MASAO」1号機を出荷

新工場・演歌の森うきは(うきは市)で製造した乗用草刈機「Hey MASAO」の第1号機を、上瀧組に出荷したと発表した。上瀧組は河川管理などの公共事業を数多く手がける企業で、Hey MASAOは2台目の購入だという。同社の上瀧直樹専務は「購入の決め手は草刈り作業のスピード。そしてメンテナンス用の注文部品がすぐに届くので、作業が止まることがない。また工具を使わないで刈刃交換ができる機構『イ・ア・イ』が他にはない」と絶賛。「真面目にふざけているネーミングも最高。ものづくりに対する企業信念を貫き通して欲しい」と述べた。
 キャニコムの新工場はラジコン大型草刈り機や、自動走行技術によるロボット草刈り機、5~12tクラスの大型産業用運搬車などの生産拠点で、昨年7月から建設を進め、今年6月に建屋が完成し、8月に第1号機ラインオフ式典を開催した。式典で同社の包行均会長は「今まで作った中で最高の工場。この場所から未来へ挑戦したい」と述べ期待を寄せた。

13.ロボットトラクターでクボタのアグリロボが安全性検査に初合格

農研機構は令和3年度第3次分の農業機械安全性検査合格機1機種4型式を発表した。このうち「クボタMR1000A-A」及び「クボタMR1000A-PC-A」2型式は、ロボットトラクターとして国内で初めて安全性検査に合格した。両機はGPSを搭載したファームパイロットシリーズで、100馬力の無人仕様アグリロボトラクター。どちらも使用者の監視下において、トラクターの無人自動運転が可能になっている。「クボタMR1000A-A」がホイール仕様、「クボタMR1000A-PC-A」がパワクロ仕様。

14.クボタとヤマハ発動機が米国スタートアップに追加出資

米国のスタートアップ「Advanced Farm Technologies社」(AFT社)に追加出資したと発表した。AFT社は、自社開発したロボットによるイチゴの収穫サービスの提供により、農業生産の効率化に貢献する米国のスタートアップ。同社の開発したイチゴ収穫ロボット「TX robotic strawberry harvester」は、自動で走行し、搭載されている画像センサーとAIを用い収穫適期にあるイチゴを瞬時に判別し、ロボットアームで果実を摘み取る。これらの自動化技術により、従来の有人での収穫作業を大幅に省力化し、オペレーション効率を最大化することができる。
 この連携の取り組みは、両社がそれぞれ進めるオープンイノベーション活動を通し実現したもの。今回の追加出資により、クボタ、ヤマハ発動機両社が有する技術も活用し、AFT社が進める露地作物・果樹分野における農業自動化ソリューションの実装を目指した技術開発、事業拡大を加速する。両社は広く農業分野において、それぞれ社外パートナーとの連携を通じて先進技術を積極的に取り込むオープンイノベーションを推進し、グローバルでの社会課題解決に資する新たな事業、製品、サービスの創出を目指すとしている。

15.井関農機のトラクターがファーミングシミュレーターに登場

ヰセキトラクター「TJV985」がバンダイナムコエンターテイメントから販売されるファーミングシミュレーションゲーム「ファーミングシミュレーター22」に国内農機メーカーの製品として初めて登場。「ファーミングシミュレーター」はGIANTS Software(本社・スイス)が開発したファーミングシミュレーションゲームで、プレーヤーが農業主となり、実在する農業機械を使いながら、大規模農場経営が体験できる。2008年の発売以降、シリーズ累計販売数2500万本以上と、欧州を始め世界中で根強い人気がある。
 ヰセキトラクター「TJV985」が登場する「ファーミングシミュレーター22」のXbox Series X S/Xbox One/STEM版が11月22日、PlayStation5/PlayStation4版が25日に発売予定。

16.サタケが日の本穀粉と特許実施権などの許諾契約締結

開発して特許出願した米粉パン製造法(登録商標「ふっくら米食(ベイク)」)の仮通常実施権および製造ノウハウの使用権などの許諾契約を日の本穀粉と締結したことを明らかにした。日の本穀粉は、2021年度内に「ふっくら米食」のミックス米粉を米粉パン製造販売店や給食受託製造業者などに販売する計画だ。両社では、米粉は米の有効活用策として伸びる余地があると考えており、「ふっくら米食」がその推進役となることを期待している、としている。
 サタケは米粉および米粉パン製造法の総称として「ふっくら米食」(ふっくらベイク)を商標登録し認知普及を図ってきた。日の本穀粉より製パン試験の依頼を受け、サタケがサンプル食パンを作製。日の本穀粉は「これまでの米粉パンにないふっくらとしたボリュームとソフトでしっとりとした食感」と評価し「ふっくら米食」の使用に向け両社で協議を重ねてきた。こうした経緯を通じて、仮通常実施権や製造ノウハウ使用権などを許諾する契約を締結し、米粉パン全国普及を両社が協力して進めることになったもの。
 両社は「ふっくら米食」を新たな市場を開拓するツールとして本格的に活用していく考えで米粉の美味しさを多くの消費者に認識してもらえる機会と捉えている。

17.JA全中がお米消費拡大アンバサダーを任命

芸能界屈指のお米好きである女優でモデルの元乃木坂46メンバーである松村沙友理さんを「JAグループお米消費拡大アンバサダー」に任命し、その就任式が22日、都内の神田明神ホールで行われた。松村さんは「お米は食べても太らず、栄養がいっぱいで、おかずとバランスよく食べれば健康にも良いということを発信していきたい」とお米の消費拡大に意欲を示した。就任イベントでは、中家会長からお米一生分の3.6t(1年1俵を60年分)が贈呈された。
 中家会長は「このコロナ禍で米の需要減少が懸念されている。松村さんとタッグを組んでお米の魅力や素晴らしさを発信していきたい」と述べた。松村さんは「1食に3合は食べる」という白米好きで、「小学3年生の頃、父が作ってくれた大きなおにぎりがめっちゃおいしかった」とごはん好きになったきっかけを話した。また、「しあわせおすそ分け!お米4600名プレゼントキャンペーン」も展開する。