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農業機械関連ニュース

令和3年5月10日発行

<業界短信-新製品5月>

  1. 三菱マヒンドラ農機がGAトラクターをモデルチェンジし発売
  2. 本田技研工業が家庭用除雪機をモデルチェンジ
  3. タカキタがツインレーキと飼料用トレーラを発売
  4. 三陽機器が新型スライドシュレッダーを発売
  5. サタケが新型精米モデルプラントを開発
  6. 静岡製機が担い手向けの色彩選別機を発表

<業界短信5月>

  1. クボタと三菱マヒンドラ農機が業務提携に合意
  2. クボタが欧州に研究開発拠点を新設
  3. 井関農機が木更津市とスマートオーガニック農業で連携協定
  4. やまびこが役員人事
  5. クボタと農研機構が露地野菜のスマート農業共同研究
  6. 本田技研工業が技術ライセンスのサイトを公開
  7. 日本農業機械工業会がロボット技術安全確保事業の報告書
  8. JA全農が臨時総代会で令和3年度事業計画を承認
  9. ササキコーポレーション元社長の佐々木貞夫氏が逝去
  10. ヤンマーアグリがスマートアシスト等の利用規約をガイドラインに準拠
  11. 井関農機が農業女子オンライン座談会
  12. 丸山製作所が第7次中期経営計画を発表
  13. クボタが令和3年度知財功労賞を受賞
  14. 農林水産省がJA全中、農福連携協会と包括連携協定を締結
  15. ヤンマーグループ会社が長浜市、カゴメと連携し加工用トマトの産地化実証
  16. 大島農機がジェット式籾すり機発売20周年でキャンペーン
  17. ヤンマーアグリジャパンがアグリソリューションセンター関東設立
  18. 太陽が「マルチオイルボイラシステム」を出展

<業界短信-新製品5月>

1.三菱マヒンドラ農機がGAトラクターをモデルチェンジし発売

2020年度グッドデザイン賞を受賞した「GAトラクターシリーズ」に、新たに大排気量コモンレールターボエンジンを搭載して5月から順次発売。「GAトラクターシリーズ」は、高効率作業と快適作業を実現することを目的に2016年に販売を開始。
 今回はイーグルデザインのスタイリングときめ細かな自動制御による高精度耕うん、オペレータアシスト機能はそのままに、全型式で新たに余裕の作業を実現する、排ガス後処理装置にDOC(ディーゼル酸化触媒)とDPF(黒煙除去フィルター)を組み合わせた大排気量コモンレールターボエンジンを搭載するモデルチェンジを行った。また、キャビン内には新たに小物やスマートフォンなどを置ける「コンソールポケット」を設置、メンテナンスを容易にする「燃料フィルターの配置を右側ステップ下部への変更」を行った。
 販売型式は、ホイールが「GA302」(30馬力)、「GA332」(34馬力)、「GA362」(36.7馬力)、「GA452」(46馬力)、「GA502」(49.5馬力)、「GA552」(54.4馬力)の6型式、クローラタイプが「GAK332」、「GAK362」、「GAK452」、「GAK502」、「GAK552」の5型式。

2.本田技研工業が家庭用除雪機をモデルチェンジ

ロータリー式の小型除雪機「HSS760n」を一部改良し、今年9月に全国のHondaパワープロダクツ・除雪機取扱店(農機販売店、ホームセンター、二輪販売店など)にて発売する。HSS760nはHST(油圧無段変速機構)搭載のエントリーモデルで、幅広い地域の家庭用除雪機として、降雪地域のユーザーからこれまで好評を得てきた。今回のモデルチェンジでは、エンジンの熱を利用することでキャブレターと吸気を温める「アイシングガード」を標準装備しており、寒冷地での安定した作業への貢献が期待される。
 主な特徴は、

  1. 走行操作が簡単・スムーズ
  2. 簡単にオーガ高さを手動調整
  3. 角型ブロワ投雪口の採用により、湿った雪もしっかりまとめて遠くへ投雪
  4. 握ると動き、放すと止まる安心設計
  5. スイッチひとつで細かく投雪を調整

-など。

同社では4月1日より「Honda除雪機・大雪に備えようキャンペーン」を開始した。9月30日までの予約期間内に除雪機を予約して、11月末日までに購入すると先着1万台限定で最大3万円分のギフトカードをプレゼントする。同社ホームページでは、キャンペーンの内容に加え、製品に関する詳しい情報を紹介している。

3.タカキタがツインレーキと飼料用トレーラを発売

ツインレーキ「TR3880」(適応トラクターは35~80PS)と、プッシュオフトレーラ「PT5000T」(150PS以上)を新発売した。
 ツインレーキは、ロールベーラの作業幅や草量に応じて作業幅を5段階に設定可能。新設計の3Dカムを採用し素早く正確なタインコントロールを実現し、スムーズな動きで集草性能を向上させた。
 主な特徴は、

  1. トラクター油圧により2つのロータ間隔を拡大、縮小でき、幅80~120cmのウインドロウが作れる
  2. タインアームは5本、各アームに3列のタインを装備し、ストレート形状のタインで切りワラの集草ロスを低減
  3. 小回りが効くトラクター直装式を採用。フリースイング機構により、圃場の凹凸や旋回時での追従性が良く、コーナーでのウインドロウがきれいに仕上がり、四隅のロスも軽減される

-など。

プッシュオフトレーラは「国産初の飼料用トレーラ」。油圧2段プッシュ、2段スライドフロア式の荷箱を採用し、確実かつハイスピードな飼料排出が可能。全面に溶融亜鉛メッキを施し、腐植に強く、耐久性が大幅に向上した。
 主な特徴は、

  1. 機体の重心が低く、安定した走行や排出が行える
  2. サスペンション部にリーフスプリングを採用し、走行時の安定性を確保
  3. 連動油圧ブレーキを搭載しているため、重い荷を積んでも安定した走行が可能

-など。

4.三陽機器が新型スライドシュレッダーを発売

イタリア・ORSI社製のスライドシュレッダー2型式「SH165VH」「同200VH」を発売することを明らかにした。2018年4月から輸入販売し好評を得ているSH130E/135Y/165Yの上位機種になる。トラクタセンターからの最大オフセット幅は165VHで265cm、200VHで295cmとなり、作業幅アップで迅速・効率的な草刈り作業をもたらす。とくにギヤボックスはモア外側装着のロングオフセット方式で、作業幅は約50cmアップした。
 主な特徴は、

  1. モアが障害物に接した場合は、油圧ショックアブソーバーが作動し、モアが後方に36度回避してトラクターモアへの負荷を軽減する「アンチショックシステム」を標準装備
  2. 草刈部には強力で耐久性に優れる「ハンマーブレード刃」を使用
  3. ロータは2条らせん配列により抵抗が少なく効率的な草刈りを可能に
  4. ワンウエイクラッチ付ギヤボックスの採用で、トラクターへのモア回転軸回転慣性による押し出しを防ぎ、ダブル広角ジョイントを標準装備したことでモア角度は上方向90度、下方向50度までの角度調整が可能となり、使いやすさを高めた

-など。

5.サタケが新型精米モデルプラントを開発

新型精米プラント「MILSTA(ミルスタ)」を開発、5月10日よりより新技術・新発想を導入したモデルプラントとしてサタケ広島本社にて公開することを明らかにした。同プラントは現在、精米現場で求められている喫緊の課題に応え、1.省力化と自動化、2.品質担保とリスク分散、3.顧客の利益貢献-を開発コンセプトに「ジャストインタイム生産」「24時間365日フル稼働」「IoTの活用」「精米品質の向上と安定」「お米にやさしい工場」などの機能を備えた次世代型のモデルプラント。
 主な特徴は、

  1. ジャストインタイム生産=精米ユニットのロット切替時間の短縮②原料玄米、仕掛在庫、製品在庫を限りなく持たない工程
  2. 24時間365日フル稼働=精米ラインを複数配置(停止リスク排除、メンテナンス分散)、自動運転による精米精選工程の無人化
  3. IoTを活用した精米工場=各種センサー、ネットワーク化(無線化)により工場運営を支援。情報確認や指示は全て情報端末操作
  4. 精米品質の向上と安定=生産支援システムによる効率的運用、精米機白度自動制御による精米品質の安定
  5. お米にやさしい工場=「リアルタイム品質情報管理」「並行分散搬送システム」「短い搬送距離」などによるお米にやさしい工場を実現

-など。

6.静岡製機が担い手向けの色彩選別機を発表

かねてよりライスセンター・大規模農家・担い手農家向けの、8インチ、6インチ籾すり機に対応した最大処理能力、毎時3.3tの色彩選別機“イージー”「SCS-110S」を、6月より本格的な発売を開始することを明らかにした。同機は、55レーン溝シュートユニットを2連装し、110レーンで最大処理能力毎時3.3t(不良混入率8%時)を実現。内部滞留のないオール1次選別方式を採用し、不良混入率の高い玄米にも安定した処理能力を発揮する。これにより、同社の色彩選別機は、毎時処理能力2.1tの「SCS-50SⅡ」、同1.5tの「同-40SⅡ」、同1tの「同-32S」、小型タイプの「同-7SⅡ」とシリーズがより拡充した。
 主な特徴は、

  1. 緑色と赤色を発光するLED光源を採用。青米選別をしないときは緑色光源を使用、青米を選別する時は赤色光源を使用することで、状況に応じた選別ができる
  2. ライスセンターなどの籾すりライン機器の並び方向によって、良品排出口を右側か、もしくは左側にするか選択が可能(注文時に仕様を選択)。既存の設備に導入しやすい色彩選別機
  3. 視認性と操作性に優れた7インチ液晶タッチパネルを採用

-など。

<業界短信5月>

1.クボタと三菱マヒンドラ農機が業務提携に合意

両社は国内事業での業務提携に合意したと発表した。今後、具体的な協業内容について協議を進めるとしているが、提携概要は、1.相互OEM供給の拡大に加えて、2.スマート農業の基盤となるクボタのIoTプラットフォーム「KSAS」に対応した製品の供給に併せて、三菱マヒンドラ農機におけるKSAS利用などについて検討を進める、さらに、3.開発分野における効率的な協業などをあげている。
 背景と狙いについて両社は、クボタは小型から大型までの幅広い品揃えに加え、自動運転農機や営農支援システム「KSAS」などを活用したスマート農業の提案などにより、また三菱マヒンドラ農機は独自技術を搭載した製品に加え、ロングライフをメッセージとするこだわりのものづくりなどにより、それぞれ顧客の課題解決に取り組んでいる。しかしながら国内農機市場の拡大が見込めないなかで、今後も持続的に顧客の幅広いニーズに応えていくための経営資源の確保が課題になっていたと指摘。このたび、業務提携に合意し、両社の経営資源を相互に活用した製品・サービスや各種ソリューションの効率的な供給を通じて、より多くのお客様の課題解決に貢献するとともに、継続的かつ安定的に日本の食料生産に寄与すべく協議していく、としている。

2.クボタが欧州に研究開発拠点を新設

研究開発体制のグローバル化の一環として、フランス・クレピアンバロア市に研究開発拠点を新設した。市場に近い欧州に研究開発拠点を開設したことで、現地のニーズに合った製品を素早く投入する体制が整ったことから、現地での畑作用トラクターの開発を加速し、欧州をはじめ全世界での畑作市場の攻略を目指す。
 同社は、事業のグローバル化に伴い、基幹技術に関わる日本国内での研究開発の強化とともに、海外現地での地域ニーズに適合した製品開発や技術力の強化を進めている。近年、同社は畑作市場の開拓を重点的に進めている。なかでも欧州は、120~180馬力の畑作用トラクターにおいて世界最大の市場であり、同社の畑作トラクター事業における最重要地域でもある。同社は同クラスのトラクター「M7シリーズ」をフランスで生産し、市場攻略を進めてきた。このたび、市場に近い欧州に研究開発拠点を開設したことで、現地のニーズに合った製品を素早く投入する体制が整った。今後、日本の開発拠点と連携し、欧州をはじめ全世界での畑作市場での事業拡大を図っていく。

3.井関農機が木更津市とスマートオーガニック農業で連携協定

千葉県木更津市と先端技術を活用した農業(スマート農業)及び有機農業の推進に関する包括的な連携協定を締結することに合意、木更津市役所で協定締結式を行った。これには同社から冨安司郎社長、縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長、地元販社・ヰセキ関東甲信越の石本徳秋社長、市からは渡辺芳邦市長、佐伯浩一経済部長らが出席した。同社が地方自治体とこうした協定を結ぶのは新潟市、茨城県つくばみらい市に続いて3件目。
 今回の協定について同社と木更津市では、「スマート農業及び有機農業の実践、検証を実施することで、生産技術の向上及びコストの低減のほか、高品質な農産物の栽培方法の確立を図ることを目的に、スマート農業及び有機農業の企画・提案、実践した情報の収集、分析及び検証結果に基づく助言・指導(GAP)等に関することを定めた包括的な連携協定です。本協定の締結を契機として、木更津市が掲げる『オーガニックなまちづくり』の深化とともに、農業の成長分野として期待される、スマート農業及び有機農業を推進し、木更津市農業の持続的な発展を目指します」としている。それぞれの役割は木更津市が実証農家の選定、スマート農機導入補助、全体の事業調整、井関農機が先端技術、有機技術の提供とGAP指導としている。具体的には、安定収入を図るためには深水管理での雑草抑制が有効とされるが、頻繁な水位調整が必要であり、これを水位センサーによって、簡単に遠隔深水管理を可能にし、水管理にかかる時間を削減する。また、水稲除草には乗用除草機で機械除草を行い労力の低減を図る。そのほか、健苗づくりとして中赤外線を発するシートを苗箱の下に設置し、根を活性化し健苗を育てる。

4.やまびこが役員人事

定時株主総会並びに取締役会で新しい経営陣容を決定した。新任取締役には北村良樹、吉崎拓男、同社外取締役に野上義之、同社外監査役に亀山晴信の各氏を選任。また、新任の執行役員開発統合本部長兼OPE開発本部長には吉崎拓男、同執行役員エコー・インコーポレイテッド社長にはティモシードロシーの各氏を選任した。代表取締役会長執行役員の永尾慶昭氏は同日付で代表取締役会長、代表取締役副社長執行役員の田崎隆信氏は相談役、取締役上席執行役員の澤田俊治、上席執行役員の小林富士雄、植松清美の各氏は顧問にそれぞれ就任した。
 また、同社は人事異動を行い、やまびこベトナム会長には北村良樹氏(継続職=取締役執行役員生産本部長兼追浜工業代表取締役会長兼愛可機械(深せん)有限公司董事長)が就任。また、開発本部副本部長のロバートスティーガル氏は開発統合本部OPE本部副本部長に、開発統合本部OPE開発本部OPE開発第一部専門部長には中金名宏史氏がそれぞれ就任した。

5.クボタと農研機構が露地野菜のスマート農業共同研究

露地野菜栽培における、生育情報を活用したスマート生産システムの共同研究契約を締結した。データに基づく栽培管理技術や生育モデルの構築を通じて、露地野菜栽培のスマート農業化に貢献する。クボタと農研機構は、土壌データ等の環境データや生育データの収集手法を確立し、環境・生育情報等のビッグデータに基づく露地野菜の収穫時期・収穫量の予測や、栽培改善等のスマート生産管理システムを共同開発する。データを活用した生産管理技術を確立し、収量・品質の向上に繋げていく。共同研究のテーマは、「露地野菜の生育情報を活用したスマート生産システムの開発」。
 主な内容は、

  1. センサー付きトラクター等を使用した環境・生育情報等のビッグデータの収集
  2. ビッグデータ等を活用した生育診断と収量推定手法の構築
  3. 生育モデルシミュレーションに基づく高度生産管理システムの開発

-としている。

6.本田技研工業が技術ライセンスのサイトを公開

「技術は人のために」という創業以来変わらない想いの下、同社の持つ技術が様々な業種・領域で活用されることで、「生活の可能性が広がる」新たな商品・サービス開発を後押しするために、技術ライセンスの窓口となるWebサイトを公開した。
 同社は二輪・四輪・ライフクリエーション・航空機と幅広く事業を展開し、商品やサービスの開発だけでなく、将来に向けてさまざまな分野で研究を行っている。こうした中で生まれた技術・ノウハウは、特許として同社が保有しており、その件数はグローバルで5万件を超えている。自動車などの製品に用いられる技術は、強度や耐久性などが求められる過酷な条件をクリアしており、同社製品以外にも、様々な製品への適用が可能だと考えられている。今回、さらに幅広く様々な業種・領域でHondaの技術が活用できるようサイトを公開。同サイトには、ライセンス可能な技術が掲載されており、問い合わせフォームから、ライセンス契約の相談が可能となっている。

7.日本農業機械工業会がロボット技術安全確保事業の報告書

令和2年度「スマート農業総合推進対策事業のうち農林水産業におけるロボット技術安全性確保策検討事業」事業実施報告書を取りまとめて公表した。これは、ISO(国際標準化機構)において2018年より農薬散布用小型無人航空機の散布装置に関する国際規格化の議論が進められていることを受け、日本における小型無人航空機(産業用無人ヘリ、マルチローター)の効率性、正確性、安全性等についての客観的実証データをISOに示すため、実地試験及び評価検討を行ったもの。無人マルチローター2機種・無人ヘリ1機種の散布飛行を行い、散布分布を測定する試験などを行い、結果をまとめた。
 その結果概要をみると、屋内のほぼ無風条件で実施したが、無人ヘリでわずかにはみ出す例はあったものの、多くは調査地点内に散布液が留まり、屋外散布のようなバラつきは見られなかった。各飛行の3ラインの分散パターンに変動が認められるが、ほぼ無風条件であり理由は明確ではない。全般にノズルの取り付け位置によるものと思われる落下分散の二峰性分布を示す傾向が認められたほか、前進飛行と後進飛行の分散パターンが異なる機種が認められた。

8.JA全農が臨時総代会で令和3年度事業計画を承認

第53回臨時総代会を開き、令和3年度(第51年度)事業計画書などを承認した。3年度の取扱高は4兆5000億円を計画し、このうち農業機械は1253億9500万円とした。中型共同購入トラクターの供給計画は、2年度750台、3年度1400台の累計2150台。
 行動計画のうち、基盤整備の確立については、農業就業者の減少など生産基盤の縮小が進むなか、農業現場の労働力支援や地域の雇用創出に向けて、農作業受委託や農福連携、担い手の育成に取り組むとともに、生産性向上に向けたスマート農業の普及などを進める。加えて、輸出・加工業務用産地づくりや家族経営支援を強化する。さらに、農産物の輸送力確保に向けた産地のインフラ整備や物流合理化、生産資材の広域物流の拡大などを進めるとともに、農家手取り最大化に資する購買品目の競争力強化と供給拡大を図るほか、食料の安定供給に向けた持続可能な農業の確立、および地域社会づくりに努め、SDGsに通じる事業施策にも取り組む。
 革新的な技術・資材の導入・普及等による生産性向上に向けて、地図情報にもとづく営農管理システム「Z-GIS」や、栽培管理支援システム「ザルビオフィールドマネージャー」、人工衛星によるリモートセンシング技術等を活用したスマート農業の普及促進、研究機関との共同研究等による農産物の品種開発、栽培・加工・輸送技術の開発などによる生産拡大-などに取り組む。

9.ササキコーポレーション元社長の佐々木貞夫氏が逝去

ササキコーポレーションの元社長で顧問の佐々木貞夫氏が3月27日午前5時45分に亡くなった。84歳だった。通夜および葬儀は近親者のみで執り行われた。お別れの会などの予定はない。
 同氏は、昭和41年4月に佐々木農機(現・同社)に入社。63年6月に社長に就任し、平成2年に現社名に変更した際には初代社長となった。その後、14年10月代表取締役会長、18年10月取締役会長を経て、19年10月からは顧問の立場で社業の発展をサポートした。氏が社長職にあった13年の創業100周年の記念誌「開拓」では、「人に、環境にやさしい物づくりを目指す」と同社の指針を掲げており、農業機械と併せて環境事業関連、木質エネルギー活用、電動製品などの領域でも活発に事業が進められてきている。また、故人は青森県農業機械協会会長、日農工理事、農機公取協理事、農機製造業厚生年金基金理事など、農機業界主要団体の役員として業界の近代化に貢献。一方、技術開発の振興やさまざまな面からの社会貢献が認められ、東北発明賞実施功績賞、東北地方発明賞発明実施功績賞、交通栄誉章緑十字金賞、安全功労者内閣総理大臣表彰、労働基準行政関係功労者青森労働局長賞を受けている。

10.ヤンマーアグリがスマートアシスト等の利用規約をガイドラインに準拠

農林水産省により2020年3月に策定された「農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドライン」の内容を踏まえ、ユーザーに機械の見守りと営農支援サービスを提供する「スマートアシストリモート」の利用規約とドローンによる撮影データを解析し、圃場の状態を見える化する「リモートセンシング関連サービス」の利用規約を2021年4月1日付で一部改定したことを明らかにした。これにより、スマートアシストリモートおよびリモートセンシング関連サービスは、「AI・データ契約ガイドライン」に準拠した。
 ヤンマーによると、同ガイドラインと改定後のスマートアシストリモート利用約款およびリモートセンシング関連サービス利用規約には、ガイドラインではユーザーは、当初データ等(所有機データ・稼働データ・ユーザー入力データ)の自己利用が可能としているが、スマートアシストリモート利用約款では、所有機データおよび稼働データについてはデータ特性上利用できないものとしている。また、ガイドラインでは派生データの作成又は利用に基づき生じる知的財産権について原則共有としている、リモートセンシング関連サービス利用規約では、当事者間で別途合意した場合を除き、同社等に帰属するものとしているなど、相違点があるが、スマートアシストリモートとリモートセンシング関連サービスは同ガイドラインに準拠している。

11.井関農機が農業女子オンライン座談会

第4回農業女子オンライン座談会を開催した。今回のテーマは「トラクターの基礎点検」と「野菜育苗のポイント&資材の選び方」。これには全国の農業女子等18名が参加し、同社からは縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長、高野重幸営業推進部長、夢ある農業総合研究所の三輪田克志所長らが出席した。第1部では、高野部長が、エンジンオイルやエアクリーナーの点検や清掃などトラクターのメンテナンスのポイントについて紹介。第2部では、夢総研の徳安美沙都氏が、セルトレイを用いた野菜育苗について、工程ごとの野菜育苗のポイントや資材の選び方などを紹介した。
 縄田営業本部長は、「本日の座談会はトラクターの基礎点検と野菜育苗のポイントと資材の選び方」をテーマとしている。皆さまが日頃農作業で実践されている内容かとは思いますが、今一度春作業前に原点に返っていただき、基本を再確認いただけば幸い。ぜひ皆さまの取り組みやご意見などを交換しながら有意義な座談会にしたい。特に、農業機械の点検整備は、農業機械を安全、安心、安定的にご使用いただくためにも必要不可欠。本日の座談会が少しでも皆さまの一助になることを期待している」とあいさつした。

12.丸山製作所が第7次中期経営計画を発表

2020年9月期の決算説明資料を公表。その中で2020年9月期~2022年9月期の第7次中期計画については、最終年度の目標値を売上高365億円、営業利益12億円、経常利益11億3000万円、当期純利益8億2000万円とした。
 同計画におけるブランドステートメントは「次の100年を創る-All for the Future-」と定め、コア技術のポンプとエンジンをさらに進化させ、SDGsにつながる事業領域を継続的に拡大、計画達成を目指す。基本コンセプトに持続的成長を成し遂げるとし、基本戦略には、1.収益の改善、2.イノベーションを巻き起こす-を掲げ、1では品質対策と財務体質の強化、2では産機・海外事業の成長とスマート農業進出を方針にあげている。
 具体的な内容をみると、収益の改善では生産部門では品質の安定や製品開発のスピードアップ、調達リードタイムの短縮など、販売部門では成熟市場の中で持続的成長、アフターマーケット戦略などを実施。イノベーションを巻き起こすでは、産機事業・海外事業・サービス事業を伸ばす、スマート農業への進出を示している。

13.クボタが令和3年度知財功労賞を受賞

経済産業省特許庁は令和3年度「知財功労賞」受賞者を発表した。農機業界からは、特許庁長官表彰にクボタ(知財活用企業(意匠))が選ばれた。表彰式は都内港区の赤坂インターシティコンファレンスにて開催された。
 受賞のポイントをみると、クボタはブランドデザイン戦略(デザイン=ブランド)として農業機械、建設機械等には必ずコーポレートシンボル及び機体エンブレムの「オーバルK」を付けることで、クボタブランドを表現し、統一デザインでブランド価値を向上。機械製品については、製品ごとに異なるデザインを見直し、クボタらしさを追求し、一貫性と機能性を持たせ進化するデザインとして、メーカーの独自性を表現する製品群で一貫性のある外観デザインの「ファミリールック戦略」を推進するとともに、クボタらしさを表した製品群のデザインについて積極的に意匠権を取得。また、農業機械全体をグローバルな視点で捉え、一目で「クボタ製品」と判るようクボタオレンジを使用した「ブランドカラー戦略」を推進している。

14.農林水産省がJA全中、農福連携協会と包括連携協定を締結

農福連携の更なる推進を図るため、全国農業協同組合中央会及び日本農福連携協会との間で、「農福連携に関する包括連携協定」を締結した。農福連携の推進に当たっては、そのメリットの発信や戦略的なプロモーションの展開による認知度の向上、農業者と障害者等のニーズをつなぐマッチングの仕組みなどの構築や障害者等が働きやすい環境の整備・専門人材の育成等による取り組みの促進、関係団体等における優良な取り組み事例の横展開等の推進による取り組みの輪の拡大が必要なため、農林水産省は包括的な連携のもと相互に協力して農福連携を推進し、農業分野での障害者等の雇用や就労を通じて、より一層の地域の活性化及び共生社会の実現に寄与することを目指すとしている。
 連携事項は、1.農福連携の全国的な展開と定着に関すること2.障害者等の雇用就労の促進に関すること3.農福連携の質の向上と対象領域の拡大に関すること4.その他必要と認められる事項に関すること-としている。

15.ヤンマーグループ会社が長浜市、カゴメと連携し加工用トマトの産地化実証

ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーマルシェは、滋賀県長浜市とカゴメと連携し、長浜市にある小谷城スマートIC栽培実験農場において、加工用トマトの産地化に向けた官民連携による実証栽培に取り組んでいる。
 この実証は、健康ブームを背景に、需要の高い国産加工用トマトの効率的栽培方法を確立することで、長浜市の農業者の経営安定化及び地域農業の持続的発展を目指すもので、高齢化や担い手不足に対応する「機械化一貫体系の構築(省力化)」や、コロナ禍において遠隔地からでも栽培方法や肥培管理等の生産指導ができるスマート農業の実証を行う。ヤンマーマルシェは、同実証において、植え付けなどに使用する農業機械の提供、栽培サポートを行う。収穫後は農産物を買い取り、カゴメとの売買契約に基づき6次産業化に活用する予定。3者は、小谷城スマートIC栽培実験農場での実証栽培を機に連携・協力し、長浜市における加工用トマトの産地化を目指す。4月に農場への植え付けを行い、「今夏頃の収穫を目指す」としている。

16.大島農機がジェット式籾すり機発売20周年でキャンペーン

「ぶんぶん丸」の愛称で親しまれている「ジェット式籾すり機MRシリーズ」が発売20周年を迎えたことから、「JETシリーズ20周年記念ありがとうキャンペーン」を開始した。期間は7月31日まで。対象商品の購入者先着300名に、1.新潟上越の銘酒「スキー正宗」1本、「ジェット20th OSHIMAオリジナルタオル1本」をセットでプレゼントする。対象商品はMR205J、MR305J、MR405J、MR505J。ジェット式籾すり機は、ゴムロールを使用しないため「作業音が非常に静か」、煩わしいロール間隔の調整が不要の「簡単操作」、「きれいな仕上がり」等で市場から高い評価が寄せられている。現在では、その進化系「MR-Jリーズ」として返り籾粗選装置付き、メンテナンス性・操作性・耐久性向上を図り、全国各地の生産者に評価を得ている。
 同社では、「きれいな仕上がり、音の静かさ、簡単操作をコンセプトにぶんぶん丸の愛称で親しまれた20年。これからもお客様の作業性向上と品質向上にお役立ちできますようお客様第一をモットーにより一層精進してまいります」としている。

17.ヤンマーアグリジャパンがアグリソリューションセンター関東設立

茨城県稲敷郡阿見町に「アグリソリューションセンター関東」を設立し、関東甲信越地域における支社機能を移転すると発表した。アグリソリューションセンター関東は、大型整備センター並びに研修センターを完備し、お客の手を止めないサービス体制のさらなる強化を図るとともに、ヤンマーの情報発信基地として、先進農業にとどまらずグループの様々な情報や取り組みを発信していく。業務開始予定は、令和3年7月1日。

18.太陽が「マルチオイルボイラシステム」を出展

東京ビッグサイト青海展示場にて行われた中食・外食業界用専門展「FABEX東京2021」に出展し、植物系・動物系廃油をボイラー燃料として再利用でき、廃油の資源循環を実現する、「マルチオイルボイラシステムTAIYO ECOシステム」を展示しアピールした。同システムは未来の地球環境への配慮から生まれた新システムで、食品製造・加工から排出される廃食油や排水浮上油をボイラー燃料として再資源化することにより、燃料費やCO2排出を大幅に削減する。また、工業製品・部品製造業向けのECO消煙装置は、工場から発生する油煙・臭気を消滅させ、快適な作業環境を実現できる。省エネ法「エネルギー管理指定工場」やエコアクション21に取り組む企業に、化石エネルギーの使用低減と資源循環による再生可能エネルギー利用を提案できるシステムとして注目されている。
 ブースではマルチ燃料対応バーナーと、高機能マイコン制御を搭載している高性能貫流ボイラー「マルチオイルボイラシステムKT型」が展示され、廃油の再利用で環境を改善し、廃食油をボイラ燃料として再資源化でき、コスト削減・CO2削減を実現するシステムとして来場者の関心を集めた。