ホーム >> 農業機械化関連 >> 農業機械化ニュース メニュー >>  令和3年3月10日発行 メルマガ3月号
農業機械関連ニュース

令和3年3月10日発行

<業界短信-新製品3月>

  1. オーレックがクローラタイプウイングモアー発表
  2. サタケが小規模農家向けの乾燥機発売
  3. サタケが小麦製粉用簡易流量監視装置を発売
  4. ヤンマーアグリがロボットトラクター、オートトラクター等をモデルチェンジ
  5. ヤンマーアグリが可変施肥仕様の密苗直進アシスト田植機を発売

<業界短信3月>

  1. クボタがイスラエルのスタートアップ企業に出資
  2. ヤンマーアグリがオンラインでグローバル大会
  3. ヤンマーアグリが学生懸賞論文・作文の大賞・金賞を決定
  4. クボタがKSASとドローンでWEBセミナー
  5. タカキタが2021年3月期第3四半期決算を発表
  6. やまびこが背負動散購入者にDXモデル・ノズルプレゼントキャンペーン
  7. 日本農業法人協会が2019年版農業法人白書を公表
  8. 三菱マヒンドラ農機・田中社長らがメッセージ
  9. スズテックが豆苗でJGAP認証取得
  10. 日本農業機械工業会が2020年農機輸出入実績、2020年動態統計を発表
  11. 諸岡がスマホによる建設機械の遠隔操作を実証試験
  12. クボタがつくばみらい市と新規就農支援で連携協定締結
  13. クボタがタイのListenField社に出資
  14. ヤンマーホールディングスがDBJ環境格付で最高ランク取得
  15. やまびこが2020年12月期決算を発表
  16. IHIアグリテックが陰圧隔離室でモノづくり賞受賞
  17. クボタが2020年12月期連結業績を発表
  18. 本田技研工業の新社長に三部敏宏氏
  19. 井関農機が2020年12月期連結業績を発表
  20. 三菱マヒンドラ農機がヒサルラーディスクハローの無料モニターキャンペーン
  21. 井関農機が「新中期経営計画」を策定
  22. 田中産業がSDGsでフィリピン・バンタヤン島にウエア寄贈
  23. オーレックがバーチャル展示会をオープン

<業界短信-新製品3月>

1.オーレックがクローラタイプウイングモアー発表

自走二面あぜ草刈機の新製品「ウイングモアーWMC747P」を発売すると発表した。同製品は従来機のクローラタイプ「WMC736F」をベースに、車速をシリーズ内最高速度に上げ、ロータリーカバーの強度を向上。作業時の泥詰まりを解消し、ぬかるんだ畦でも抜群の駆動力を実現。また、クローラ特有の旋回しづらい問題を、容易に旋回が可能となる「ラクラク旋回セット」を搭載して解消。ユーザの声を反映し、約2年の開発期間を経て発売に至った。
 主な特徴は、

  1. クラス最速かつ最大出力で草刈りを実現。前進速度の3段階調整が可能で、最大時速3.2kmと同シリーズのクローラタイプでは最速
  2. ロータリーカバーの強度を向上。素材に高耐候性(高張力)鋼を使用し、従来比約1.6倍の耐久性を実現
  3. 泥詰まりを軽減し、作業性を向上。クローラとミッションの間に隙間を確保し、作業時に起こる草や泥の詰まりを軽減
  4. 「ラクラク旋回セット」を搭載。クローラ後方の誘導輪部を持ち上げた状態で固定する機能で容易に旋回可能、操作性も高い

-など。

2.サタケが小規模農家向けの乾燥機発売

小規模農家向けの熱風式穀物乾燥機「シャイニングドライヤー ライジング」(SHININGDRYER RISING=9石~27石、8機種13型式)を開発、新発売した。機種構成は、最大処理量(籾)が900kg、1100kg、1400kg、1500kg、1800kg、2100kg、2400kg、2700kgの8機種。このうち、送風機が斜軸流式ファンのSタイプ仕様機が1500kg以上のモデルに用意されており、全部で8機種13型式のシリーズとなっている。
 主な特徴は、従来機の基本性能を引き継ぎつつ、

  1. 蛍光表示パネルを従来比1.5倍に拡大
  2. 乾燥履歴をデータ管理するSDカードを操作盤に標準装備
  3. 天候に応じ最適な乾燥運転ができる外気湿度センサを標準装備
  4. 多様な乾燥パターンを設定可能
  5. 昇降機ベルトカバーにメッシュ仕様のセーフティカバーを採用
  6. 昇降機下部掃除口をパッチン錠へ変更

-などとなっており、利便性、メンテナンス性の向上を図っている。3月より出荷を開始し目標販売台数は年間700台を設定している。

3.サタケが小麦製粉用簡易流量監視装置を発売

小麦製粉工程の「見える化」を実現する、簡易流量監視装置インラインフローメーター(型式=HSIFM3A)を新発売した。小麦製粉工場の配管に取り付け、原料の流量をリアルタイムで計測する装置で、ライン流量など集積するデータをグラフ化するなどで見える化を実現。製品品質の安定化、製品歩留まりロスおよび運転コストの削減につなげることができる。装置は各工程の配管に簡単に取り付けることができ(最大250台まで設置可能)、計量槽、原料シャッター、ロードセルの組み合わせによるシンプルな構造のためメンテナンスも容易となっている。
 主な特徴は、

  1. ライン流量の見える化=各インラインフローメーターからリアルタイムで集積するデータは専用ソフトで用途に応じて全体・単体・グループ表示が可能
  2. 容易な設置=小型、軽量で製粉加工ラインの配管に簡単に接続できる
  3. シンプル構造=計量槽、シャッター、ロードセルとシンプルな構造でメンテも容易

-など。

4.ヤンマーアグリがロボットトラクター、オートトラクター等をモデルチェンジ

無人での自動作業を実現するロボットトラクターと、自動で直進作業・旋回が可能で、誰でも熟練者並みの作業ができるオートトラクターをモデルチェンジし、4月1日に発売する。また、乗用汎用たまねぎ移植機(1人乗り・同時4条植え)のモデルチェンジを行い、発売した。ロボット/オートトラクターは、より快適に広範囲で使用できるように多周波対応アンテナを搭載し通信の安定性と更なる効率化を実現することで、より快適な作業を可能にした。乗用汎用たまねぎ移植機は、さらなる使いやすさと安心機能を追加した。
 ロボット/オートトラクターの主な特徴は、

  1. 多周波アンテナ搭載により作業開始までの測位時間を短縮
  2. VRS方式対応、RTK受信範囲拡大による利便性の向上
  3. 対応車速変更による適応作業の拡大(最低車速:毎時0.5km)

-など。


 乗用汎用たまねぎ移植機の主な特徴は、

  1. 乗用タイプだから乗って・座って楽に作業ができる
  2. 「うね終い注意ランプ・ブザー」と「エンジン自動停止機構」、「緊急停止スイッチ」により安心作業
  3. 様々な苗や作付体系への適応性に優れた「横開き開孔器」と「条間調節機構」
  4. 踏むだけで機械を停止できる「停止ペダル」等により1人でスムーズに作業が行える

-など。

5.ヤンマーアグリが可変施肥仕様の密苗直進アシスト田植機を発売

施肥量を自動でコントロールし、効率的な肥料散布を行う密苗直進アシスト田植機可変施肥仕様「YR8D,XVTSD」を3月から発売。稲作は経営面積の大規模化や作業効率向上のためほ場の大区画化が進む一方で、ほ場の地力低下や地力のばらつきが起こり、収量や生育・品質の均一化が課題となっていることから、この課題に応えたもので、密苗・可変施肥・直進アシストで、超省力および低コストを実現している。
 主な特徴は、

  1. 可変施肥機能により施肥マップデータに基づいた施肥量を自動散布
  2. 顧客が作成した施肥マップデータを田植機に取り込むことで、移植作業時の施肥量を自動でコントロール
  3. 幼穂形成期に圃場を撮影した生育状況を見える化するリモートセンシングにより作成した施肥マップを活用することで、より高精度な施肥散布を実現
  4. スリップ時にも施肥量を自動調整

-など。

<業界短信3月>

1.クボタがイスラエルのスタートアップ企業に出資

ドローンによる果樹収穫サービスを手掛けるイスラエルのスタートアップ企業「Tevel Aerobotics Technogies」に出資したと発表した。クボタは、社外パートナーとの連携によるオープンイノベーションの推進部門として「イノベーションセンター」を立ち上げており、スタートアップ企業への出資などを通じ、先進のアグリテックやビジネスモデルへの知見を深め、農業分野でのソリューション事業の開発を加速させている。
 このたび出資したTevel社は、有線ドローンを用いた果樹収穫ロボットを開発している。ドローンは、収穫カゴやコントロール基盤を備えた地上ユニットに有線で接続されており、自動で熟した果実を見分けて収穫し、収穫カゴへと運び込む。
 地上からアーム等で収穫するロボットに比べ、ドローンによる収穫は高所や枝の裏など回り込んで収穫しなければならない場所へのアクセス性に優れており、取りこぼしなく効率的な収穫作業が可能。ドローンの低空での機体制御や飛行中に果実を保持し運搬するのは難度の高い作業だが、AI技術を活用した高度な機体制御や果樹検出技術などによりスムーズな収穫作業を実現する。

2.ヤンマーアグリがオンラインでグローバル大会

例年1月に兵庫県神戸市内のホテルで開催してきた「ヤンマーアグリグローバル大会」を今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止した。1月中旬、特販店向けに増田社長とヤンマーアグリジャパンの渡辺丈社長のメッセージ、ならびにヤンマー農機大阪・九州販売協同組合の西坂良一理事長(滋賀県・西坂農機社長)の挨拶をオンラインで配信した。また、2020年表彰店を公表した。
 増田社長は、メッセージでアグリ事業は「前年度を上回る売上高となる見込み」と謝意を表したうえで、今年がヤンマー農機設立60年を迎えるとし、「大きな転換期を迎える農業市場において勝ち抜き、業界を牽引する企業であり続けるために、これからもお客様のニーズに合った品質の高い商品の提供に努める」と述べるとともに、複雑に変化する市場において「更なる成長を成し遂げていくために、特販店の皆様と共に歩んでまいりたい」と決意を披歴した。
 また、渡辺社長はスマート農業を導入する基盤づくりに取り組み、社内の商品知識・販売とサービス体制を整え、顧客に対しても省力化の提案を繰り返し展開してきたことなどが奏し、スマート農機導入ムードの醸成が高まったと述べ、今後は社内の対応人材の拡充に力を入れ、基本行動に徹し、変化に対応して勝ちにこだわりたいと力強く語った。

3.ヤンマーアグリが学生懸賞論文・作文の大賞・金賞を決定

「第31回ヤンマー学生懸賞論文・作文」入選者がオンラインで発表された。同論文・作文の企画は、次世代を担う若者に、農業の未来について自由な観点から議論してもらうとの趣旨で1990年からスタート。今回は「農業を食農産業に発展させる」をテーマに募集し、44編の論文と406編の作文が集まった。審査の結果、論文の部の頂点となる大賞には遠藤菜夏、福原早友美、丸山華奈(新潟医療福祉大学)の各氏が制作した「食農産業に参入する“畑の共生教室”~食農福教育プログラムの開発~」、作文の部の最高位、金賞には菅谷雄太氏(岩手県立農業大学校)の「0から1へ」が輝いた。
 リモートオンライン発表会では、初めにヤンマーアグリの増田長盛社長が受賞者に祝意を表わし、受賞を契機に今後の生活の中でもさらに食と農に対する関心を高めていってほしい旨期待を寄せた。農林水産省、都市農山漁村交流活性化機構、大日本農会から来賓あいさつがあった後、受賞者を発表。入選作品の発表後、各審査員が講評を述べ、「完成度に問題もあるが、若者らしいチャレンジ精神に加点方法でのぞんだ。一層の磨き上げを期待している」、「視点のすごいもの、若い人のすごい発想力が感じられた」などの言葉とともに、さらなる研究心の向上、農業への関心の継続、就農への期待感を強調した。最後に同社の鈴木哲也取締役国内統括部長が閉会の辞を述べて会を閉じた。

4.クボタがKSASとドローンでWEBセミナー

オンラインで「KSAS活用WEBセミナー」、「農業用ドローン活用WEBセミナー」を開催し、それぞれの技術理解を促すとともに入会の呼びかけや、実際にドローンを導入している農家のナマの声を発信して今後の利用への道を開く一助とした。
 セミナーはともに午後1~2時の1時間にわたって実施。KSASセミナーでは、同システムの操作デモ、KSAS対応機の紹介、参加者からの質問に答えるQ&Aコーナー、また、ドローンセミナーではドローンを取り巻く現状説明を行った後、竹直生産組合(新潟県上越市)、渡邉明日香氏・英里香氏(福岡県みやま市)が導入に当たっての問題点、利用メリットなどを話した。
 KSASに関する質疑では、iPhoneでも使えるのかの問いに、使えるが、ダウンロード版の場合はAndroidのみになるなどと説明。試用希望者はWebサイトから入って初年度無料で利用できる、KSAS対応機の一覧が掲載されているので確認してほしいと紹介。また、3月から順次リリースしていく新KSASのポイントにも触れた。
 ドローンセミナーでは、冒頭のドローンを取り巻く現状説明にて昨今の農業用ドローン拡大や国による普及推進の動きを紹介し、クボタにおいても2019年発売のMG-1SA及び昨年発売のT20Kの2機種を展開しており、出荷が増加しているなどと説明した。

5.タカキタが2021年3月期第3四半期決算を発表

2021年3月期第3四半期決算を発表した。それによると、農業機械事業は、新型の牧草梱包作業機や肥料散布機等の市場投入効果に加え、農業従事者を対象とした政府による経営継続補助金の後押しもあり、土づくり関連作業機を中心とした小型製品の受注が伸張したことにより、10月以降の売上高は前年同期を上回った。しかしながら、累計期間においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響や国外における営業活動縮減の影響を受けて、エサづくり関連作業機等の受注減少もあり、農業機械事業全体の売上高は前年同期比1億7000万円減少し43億5900万円(前年同期比3.8%減)となった。
 利益面は、原価低減活動に努めたものの、売上高の減少に加え、減価償却費や人件費の増加等の影響もあり、営業利益は2億2200万円、経常利益は2億4700万円、四半期純利益は1億6000万円となった。2021年3月期の業績予想は、売上高58億円、営業利益1億5600万円、経常利益1億8600万円、当期純利益1億2000万円としている。

6.やまびこが背負動散購入者にDXモデル・ノズルプレゼントキャンペーン

4月30日まで“DXモデル・ノズルプレゼントキャンペーン”を実施している。期間中、背負動噴・KIORITZ「SHRE15DX/20DX」の購入者にラウンドノズル「ULV5(動力用)」を、3月より発売する2連ピストン式背負動噴「SHPE2025DX」の購入者にアルミズーム「S70型」をもれなくプレゼントする。
 ラウンドノズル「ULV5動力用」は、除草剤ラウンドアップマックスロード専門設計で新開発されたノズルで、これまでと同じ面積を散布する場合、除草作業の大幅な省力化が可能となる。アルミズーム「S70型」は、従来品からノズル寿命が約3倍となった。外部にアルミ部分を使用することで軽量化し、ノズルや調節部(樹脂内部)は摩耗しにくいステンレスを採用している。
 同社では、それぞれの機種に適したノズルが手に入れられるこのチャンスを見逃さないようにと呼びかけている。

7.日本農業法人協会が2019年版農業法人白書を公表

2019年版農業法人白書を公表した。同協会会員である農業法人約2050社を対象に経営動向や経営課題を把握する目的で行った「農業法人実態調査」の結果を取りまとめたもので、今回は特に労働力とコロナ禍に着目して分析している。
 白書概要をみると、会員の会社形態は特例有限会社が46.3%と約半数を占め、次いで株式会社(36.2%)となり、ここ5年ほどで株式会社の割合が増えている。2019年の経営規模を売上高でみると、年間1~3億円未満(29.9%)が最も多くを占めており、次いで5000万円未満(24.7%)、5000万~1億円未満(24.1%)の順となっている。経営上の課題としては、労働力(71.5%)がトップで、2位以下を大きく引き離した。労働力不足への対応方法は機械の大型化(44.7%)や雇用者の待遇を上げる(37.9%)などが主だが、今後は、スマート農業導入・ICT化(46.4%)を考える法人が最も多くなっている。

8.三菱マヒンドラ農機・田中社長らがメッセージ

「ディーラーミーティング」に代わるものとして1月下旬に販売店向けに田中社長はじめ、マニッシュ・クマール・グプタCFO副社長、浅谷祐治CTO副社長、新保徳明上級執行役員営業戦略統括部長兼三菱農機販売社長、マヒンドラ&マヒンドラ社の農機部門国際業務責任者などがタブレット端末にビデオメッセージを収録し届けた(収録時間は合計約37分)。
 田中社長は、メッセージの中で「本年は感染対策に万全を期しながら、可能な限りの展示会の実施、実演会のさらなる充実を図り、新型トラクタの拡販に備え、“反転攻勢の再挑戦の年”として、精一杯取り組む」と決意を披歴した。また、グプタ副社長はコロナ禍の収束が見えず、不透明な状況だが一体となってこの難局を乗りこえなければならないとし、「ワンチーム、ワンゴール」のスローガンを強調した。新保社長は基本方針はお客様第一主義とし、顧客の視点でスピード感を持って行動することを徹底していくと語った。あわせて、優秀販売店、ダイヤモンドセールス賞の受賞者も発表された。

9.スズテックが豆苗でJGAP認証取得

かねてより本社・工場敷地内で完全無農薬の水耕栽培方式で生産している“豆苗”(エンドウ豆の若芽)が「JGAP」に適合していることが認められ、2020年11月に認証を受けたことを明らかにした。栃木県では23番目の認証となる。同社では、2020年8月に「とちぎGAP」の認証を受けており、今回、より厳しい、収穫記録や工具などの適正管理、作業者の衛生・安全管理・環境面への配慮といった90以上のチェック項目をクリア。JGAP審査員による現場確認が行われ「帳票類は細かく良く管理され、現場における整理整頓も5Sを前提に整っている」と高い総評を得た。
 鈴木社長は「豆苗は、事業拡大に向け2020年1月に第3栽培室の稼働を開始し、既存ハウスを含め栽培面積2439平方m、年間約120tを生産している。首都圏への出荷のほか、一般消費者向けに宇都宮市内スーパー・百貨店への販売を強化している。今後も、GAPを通した持続的な改善活動により、お客様に喜んで頂ける安全・安心・高品質な豆苗の提供を続けていく」と話している。

10.日本農業機械工業会が2020年農機輸出入実績、2020年動態統計を発表

2020年1~12月の農業機械輸出入実績によると、輸出金額は2245億2185万円、前年比94.0%、輸入金額は652億9776万円、同86.6%と、輸出入ともに減少した。トラクターの輸出は全体で9万138台、1537億2165万円で、前年比は台数で91.0%、金額で92.0%。輸入は、1899台、164億9779万円、前年比は台数で76.2%、金額で75.0%となった。トラクター輸出の馬力別台数ベースでは18kW超22kW以下が202.1%、22kW超37kW以下が111.1%と増加した。また、コンバインが111.8%と2ケタの伸びを示した。
 また、2020年1~12月生産出荷実績(生産動態統計)によると、累計生産金額は3943億3600万円で前年同期に比べて87.0%に、累計出荷金額は3884億1500万円で同87.2%となった。機種別の累計出荷実績では、防除機を除き全般的に減少。装輪式トラクターは12万4750台(前年比86.3%)、2274億1700万円(同83.5%)となった。動力耕うん機は12万465台(91.3%)、134億1200万円(89.7%)。田植機は1万9974台(87.6%)、344億5500万円(92.8%)。コンバインは1万3369台(83.2%)、645億7100万円(88.4%)だった。

11.諸岡がスマホによる建設機械の遠隔操作を実証試験

本社ミーティングルームで記者会見を行い、かねてよりARAV社(白久レイエス樹社長・東京大学南研究棟)と開発を進めていた、世界初となるスマホによる「不整地運搬車における遠隔操縦技術」の実証実験が、1月に開催された諸岡協力会・賀詞交換会において成功したことを明らかにすると共に、今後の建設で現場におけるDXの推進“現場のテレワーク”の実現に向けて、技術開発を進めていくことを発表した。同システムはARAV社のソフトを不整地運搬車“ダンプキャリア”「MST2200VD」の電気制御装置と接続してのスマホによる遠隔操作技術で、数千km離れた場所からも、運転を可能にした革新的なもの。
 諸岡社長は「このシステムにより、現場へ行く手間・時間を省け、効率的で、楽に・楽しく、安心した作業が行える。建設、農林業現場の高齢化による安全性の確保、また、人手不足の解消につながるシステムと考えている。コロナ禍でテレワークが進んでいるが、作業現場でのテレワークは進んでない。法的な規制、オペレーターの養成などの課題はあるが、〝現場のテレワーク〟の実現、DXの推進に向け積極的な取り組みを図っていく」と説明した。

12.クボタがつくばみらい市と新規就農支援で連携協定締結

茨城県つくばみらい市と、「農業参入環境整備の推進に関する連携協定」を締結することで合意し、その連携協定締結式が同市伊奈庁舎と大阪市のクボタ本社をオンラインで結んで行われた。これには市側から小田川浩市長、渡邉千明副市長、クボタ側から北尾社長、イノベーションセンターグローバル統括部ビジネスインキュベーション室の辻村克志室長が出席した。クボタが地方自治体とこうした連携協定を結ぶのは初。
 取り組みの方向性として、「都心から近い同市の立地を活かし、専業での農業参入を希望する方に加え、別に生業を持ちながら複業的に農業に参入する方も支援対象にする」とし、当面は同社が初期投資の軽減に資する農機シェアリングサービスを提供し、同市が農機シェアリングサービス拠点近傍の農機確保及び新規就農者の契約支援に取り組む。また、今後は「営農ノウハウの提供に向けた研修制度や、複業的就農者特有のニーズへの支援については、同市と連携して検討を進める」としている。

13.クボタがタイのListenField社に出資

タイなどのアセアン農家向けに営農支援サービスを開発するListenField(リッスンフィールド社、以下LF社)に出資したと発表した。このたび出資したLF社はソフトウエア開発企業で、個人農家や農業法人向けに、スマートフォンなどで利用できる営農支援サービスを開発している。気象や土壌などのデータ閲覧、農家同士の情報交換のためのチャットツールなど、農業経営に関わる幅広いサービスを同社のプラットフォーム上で提供するもので、すでに同サービスは、タイ国内においてすでに多数のユーザーを獲得している。
 クボタにとっても東南アジアは重要な市場と位置付けており、クボタとリッスンフィールド社は、作物収量の大幅な向上と薬剤や肥料などの最適化を実現する画期的なスマート農業技術を共同開発し、タイをはじめとする東南アジア諸国の農家に提供することを目指す。

14.ヤンマーホールディングスがDBJ環境格付で最高ランク取得

日本政策投資銀行(以下、DBJ)の「DBJ環境格付」の評価において最高ランクの格付を取得したと発表した。「DBJ環境格付」融資は、企業の環境経営度を評点化、優れた企業を選定し、その評点に応じて融資条件を設定する融資メニュー。ヤンマーグループは、同格付けの最高ランクを16年連続で取得している。
 同社によると、今回の格付けにおいては、グループ横断的な環境マネジメント体制「ヤンマーグループ地球環境委員会」のもと、多様な事業会社が一体となって「グループ環境ビジョン2030」の実現に向けた施策に精励している点や、独自の基準により「環境指向性商品」を定義づけ、「第五次グループ環境中期計画」にて認定比率・売上比率の目標を設定・公表すること等により、自社製品の普及を通じた環境貢献を促進している点などが評価された。

15.やまびこが2020年12月期決算を発表

2020年12月期の決算短信(日本基準)を発表した。それによると、連結売上高は1319億7200万円で、前期比9.1%増。営業利益は96億4300万円、同55.5%増、経常利益は94億200万円、同58.9%増、親会社株主に帰属する当期純利益は66億3500万円、同59.3%増の増収増益となった。小型屋外作業機械の売上高は、国内が150億8700万円(同10.8%増)、海外が758億6600万円(同14.6%増)で、国内はホームセンター向けが好調。農業用管理機械は、国内164億7600万円(同5.6%増)、海外51億5300万円(同7.7%増)で、国内は需要が増大している畦草刈機、モア、高所作業機が好調に推移した。第4四半期は政府の経済対策に伴い乗用管理機、大型スプレーヤなどの防除機も持ち直した。
 2021年12月期の連結業績予想は、通期で売上高1280億円(前期比3.0%減)、営業利益67億円(同30.5%減)、経常利益67億円(同28.7%減)、親会社に帰属する当期純利益48億円(同27.7%減)としている。

16.IHIアグリテックが陰圧隔離室でモノづくり賞受賞

IHIと共同開発した「陰圧隔離室(簡易陰圧テント)が、「2020年(第63回)日刊工業新聞十大新製品賞/モノづくり賞」を受賞した。同賞は、毎年モノづくりの発展や国際競争力の強化に役立つ製品を選定し顕彰しているもの。陰圧隔離室は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、室内に簡単に隔離環境を作ることができる簡易な陰圧テント。オゾン使用のHEPAフィルター付き空気清浄機「eZ-100」などの空気清浄機との組み合わせで効果をもたらす。
 受賞理由としては、コロナ対策で急激に社会的供給要求が発生する中、室内に簡易に隔離環境をつくることが可能な製品を開発し、IHIグループとして調達体制強化や製造ライン増強などの短期的な実行により安定した製品供給を実現したことが高く評価されている。同社は受賞を踏まえ、今後もさらに感染制御機器を充実させ、一層の社会貢献を目指していくとコメントしている。

17.クボタが2020年12月期連結業績を発表

オンラインで記者会見し2020年12月期連結業績(IFRS=国際財務報告基準)を発表した。それによると、売上高は1兆8532億円(前期比3.5%減)、営業利益1753億円(同13.1%減)、税引前利益1859億円(同11.1%減)、当期利益1414億円(同11.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1285億円(同13.8%減)となった。また、2021年12月期連結業績予想は売上高2兆500億円、営業利益2200億円、税引前利益2250億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1580億円とし、売上高、営業利益、当期利益とも過去最高となる見通し。定時株主総会開催予定日は3月19日。
 会見によると、国内売上高は機械部門が新型コロナウイルスの感染拡大や前期の消費増税の影響などにより減少したほか、水・環境部門も環境関連製品や、合成管などの民需向けの製品が減少したため、前期比302億円(4.8%)減の5952億円となった。海外売上高は新型コロナウイルスの感染拡大を背景に巣ごもり需要が伸長する一方で、生産や出荷の遅れなどにより機械部門が大きく減少したほか、水・環境部門もわずかに減少したため、前期比366億円(2.8%)減の1兆2580億円となった。

18.本田技研工業の新社長に三部敏宏氏

取締役会において、専務取締役の三部敏宏氏を4月1日付で代表取締役社長とするとともに、現代表取締役社長である八郷隆弘氏を同日付で取締役とする人事を決定した。なお、6月に開催予定の定時株主総会にて、三部氏は取締役代表執行役社長に就任し、八郷氏は退任する予定。三部氏は会見で「将来の成長に向けた仕込み」をさらに加速させ、実行に移していくと述べ、また、お客さまからワクワクしていただける、喜ばれる商品・サービスの提供に向けチャレンジしていくと挨拶した。
 社長に就任予定の三部氏は、1987年に本田技研工業に入社、その後、エンジン開発を中心に四輪車の研究・開発に従事してきた。2019年には本田技術研究所代表取締役社長に、2020年には本田技研工業の専務取締役に就任し、現在に至る。

19.井関農機が2020年12月期連結業績を発表

2020年12月期の連結業績(日本基準)を発表した。それによると、売上高は1493億400万円(前期比0.4%減)、営業利益20億8400万円(同24.1%減)、経常利益17億200万円(同53.6%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は56億4100万円(前期は親会社に帰属する当期純利益7億2300万円)となった。2021年12月期の連結業績予想は売上高1535億円、営業利益36億円、経常利益35億円、親会社株主に帰属する当期純利益24億円とした。
 国内においては、補修用部品および修理整備等のメンテナンス収入が堅調に推移したほか、施設工事で大型物件の完工があり増収となった一方、消費増税前駆け込み需要の反動減に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う展示会中止など、営業活動の自粛により農機製品が減少した。
 また、役員人事では取締役(社外取締役)に中山和夫氏(前JA三井リース顧問)が内定、3月30日開催予定の同社定時株主総会並びにその後の取締役会で正式決定する。

20.三菱マヒンドラ農機がヒサルラーディスクハローの無料モニターキャンペーン

圧倒的な耕うん性能と作業性能を誇るヒサルラー社製の作業機「ラバータイプディスクハロー」の無料モニターが、抽選で3名に当たる ヒサルラー ディスクハロー「最後にもらえる」無料モニターキャンペーンを実施する、と発表した。
 応募期間は2021年3月1日~3月31日で、応募要件は80馬力以上のトラクターを所有する農業従事者(法人/個人問わず)、同社のウェブサイトキャンペーン特設ページより必要事項を記入してエントリーする。当選発表は4月上旬頃。モニター期間は4月下旬頃から12月31日までで、モニター期間終了後にモニター製品をそのままプレゼントする。
 ラバータイプディスクハローは2020年4月の発売以来、圧倒的な作業スピードと手頃な価格設定で大規模畑作農家に受け入れられ、「2020年度の販売台数は計画を大きく超える状況」となっている。

21.井関農機が「新中期経営計画」を策定

2021年12月期から2025年12月期までの5カ年を対象とした「新中期経営計画(2021年~2025年)」を策定のうえ公表した。
 基本理念は、「お客さまに喜ばれる製品・サービスの提供」を通じ、豊かな社会の実現へ貢献するとし、長期ビジョンとして「『食と農と大地』のソリューションカンパニー~夢ある農業と美しい景観を支え、持続可能な『食と農と大地』の未来を創造する~」をうたい、中期計画は2025年の100周年、次の100年に向けた礎づくりと位置づけている。キーワードには「変革-次の100年に向けて…」を掲げ、基本戦略としてベストソリューションの提供と収益とガバナンス強化による企業価値向上の2点をあげて、経営課題の解決に取り組むとしている。経営課題には、1.需要、ニーズ変化への対応、2.財務体質改善、3.ESG*への取り組み強化、4.技術革新の実現-をあげ、社内カンパニー制の導入、DXの推進によるビジネスモデルの転換、収益改善に取り組むとし、数値目標として「営業利益率5%(2025年)」を掲げた。
 *ESG:Environment(環境) Social(社会) Governance(ガバナンス)

22.田中産業がSDGsでフィリピン・バンタヤン島にウエア寄贈

SDGsの取り組みの一環として、フィリピン・バンタヤン島の2カ所の集落にゴアテックスウエア150着ずつ、合計300着を寄付したことを明らかにした。現地との連絡・調整などには、NPO法人・CODE海外災害援助市民センター(兵庫県神戸市)の支援を得た。
 バンタヤン島は、セブ島の最北部から船で1時間半の場所にあり、2013年に台風被害に見舞われて以降、現在も物資の不足や経済的な問題を抱えている。また、今回のコロナウイルスの影響によって観光客が途絶えてしまうなどの打撃を受け、大きな困難に見舞われている地域。今回の支援活動について同社は、寄贈したゴアテックスウエアが現地の方々の安全や健康を守るために活躍してくれることを願うと期待を寄せつつ、この活動を通じてSDGsの目標の1番目、貧困をなくすゴールへ第1歩を踏み出せたことを実感しているとコメントしている。

23.オーレックがバーチャル展示会をオープン

農業機械のオンライン展示会「草刈ショー!-ORECバーチャル展示会-」をオープンした。シンプルでわかりやすいイラストとともに「水田・果樹園・休耕田」の3つのフィールドが表示され、興味ある箇所をクリックすると、「ラビットモアー」「ウィードマン」といった同社の草刈機や除草機などの紹介が、実演動画、使用者の声、全国各地の営業担当者のおすすめポイントなどと一緒に表示される。6月30日まで、同サイト内のアンケートに回答すると、抽選でオリジナルエコバックやタオルなどのオーレックグッズをプレゼントする企画も開催している。
 同社は「今後は内容の改良を重ね、今まで遠方で参加できなかった人や、予定が合わずに参加できなかった人などにも、気軽に、いつでも、どこからでも参加していただける価値あるバーチャル展示会となるように充実した内容にしてまいります」とコメントしている。