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農業機械関連ニュース

令和2年12月10日発行

<業界短信-新製品12月>

1.ヤンマーアグリが乗用汎用レタス移植機を発売

乗用汎用レタス移植機のモデルチェンジを行い乗用汎用レタス移植機「PH40R,LT」(1畦4条千鳥植え)を12月から発売。近年、主産地を中心にレタスの栽培面積は増加傾向にあり、新鮮で安全・安心な国産野菜の需要が高まっている。人手不足の解消、移植作業の軽労化、規模拡大の実現に向け、乗用レタス移植機のモデルチェンジを図り、さらなる使いやすさと安心感を追求した。
 主な特徴は、

  1. 機械に乗った状態でロータリーポットに苗を入れるだけ
  2. 「うね終い注意ランプ・ブザー」と「エンジン自動停止機構」、「緊急停止スイッチ」の追加により後ろを向いての植付け作業も安心
  3. 「機体水平制御装置(自動追従・手動調節切替式)」により一定の植付け深さできれいな植え付けができる
  4. 株間を従来の28~34cm(3段)から21~42cm(9段)に変更し・早生やサニーレタス等の様々な品種に適応
  5. 防錆対応かん水装置で植付けと同時にかん水を行うことで省力化を図り、移植後の苗の活着を促進する

-など。

2.やまびこが2021年向け新製品を発表

2021年に向けた新製品として、ナイロンカッター専用刈払機、ウッドチッパー、乗用溝切機、刈払機などを発表した。

 ナイロンカッター専用刈払機・KIORITZ「SRE2730-N」、Shindaiwa「RA3026-N」の主な特徴は、

  1. さらに軽くなったハイトルクギアケースを採用。作業性に重要な操作桿先端の重量を軽くすることで、作業中の疲労感を軽減。パワフルな作業が行える
  2. 新型エンジンはワイヤーなどの突起物を本体内側に配置するデザインを採用。作業中の引っかかりを低減
  3. オプション部品の「金属KIT」でチップソーなどの金属刃も使用できる

-など。


 ウッドチッパー・KIORITZ「KCM151BL」の主な特徴は、

  1. コンパクトな設計ながら、最大処理径150mmを実現
  2. ローターカバーやブロワーに設置されたスイッチにより、カバー閉め忘れを感知すると、エンジンが停止する「閉め忘れ防止機能」を装備
  3. 送り方式は油圧駆動とマイコン制御方式を採用。ハイパワーで作業ロスを最小限に抑える

-など。


 乗用溝切機・KIORITZ「MKS4310FR」の主な特徴は、

  1. ハンドル操舵が可能なフロントエンジン方式を採用。キャスター角を設けることで、操舵性を犠牲にすることなく、優れた直進安定性を発揮
  2. 新型ミッションを採用。ギア比を変えることで、走行速度がアップし、走破性に優れている
  3. 新設計のフレームの採用で軽量化と高バランスを実現
  4. 新開発の溝切板は、後端を曲げて抵抗を逃がすことで走行性が向上し、溝形状は法面を緩やかにすることで、崩れにくく、綺麗な溝に仕上げる

-など。


 刈払機・shindaiwa「RM3025」の主な特徴は、

  1. 新型エンジンは、性能はそのままに従来モデル比およそ100gの軽量化を実現
  2. 防塵性が向上したフラットパネルタイプの新型エアフィルターを採用
  3. 整備性に優れた独自の分割式ファンカバーは、内部に硬度の異なる3層の防振ゴムを配置
  4. 軽さとパワーを兼ね備えたジュラルミン操作桿を採用

-など。

3.ササキコーポレーションが超耕速シリーズ3機を実演

茨城県筑西市のスズキファームプロジェクトの圃場で、「超耕速シリーズ3機種(高速代かきハロー、公道走行対応仕様アクティブロータリー、リバースあぜぬり機)」の実演会を実施した。高い作業精度でスピーディーに作業を進め、コスト低減に結びつける同シリーズの動きを目の当たりにし、参加者は納得の表情をみせた。
 高速代かき機「マックスハローエース MAX414DXA」は、40~60PSトラクター対応、電動仕様、作業幅4.1m。タイヤ跡消しトリプルワイパーブレード、フロントウェーブガードなどの働きにより、高速ながらきれいな仕上がり、強靭なボディーなどを特徴としている。実演では、最高速の時速5.5kmで1回目作業、2回目は同3.5kmから徐々に速度を5.5kmへ上げていく方法で行った。

アクティブロータリーは、ACE192R(45~60PSトラクター対応)を最高速度の時速5.5kmで稼働。新オーバーラップ配列の爪により、馬力ロスを低減し、過酷な条件下でも安定した高速作業を実現。爪には砕土・反転・すき込み性能の高いCK爪を採用。また、ウェーブラバー(ACE243Rのみ装備)やバイブロステンレスカバーなどで土の付着を大幅に低減し、爪の磨耗、馬力ロスの低減に役立たせている。

あぜぬり機カドヌールエースは、50~70PSトラクター用のKA530DX。高速作業に対応するため、砕土性に優れるCK爪と土あげ性能を高めた大型爪を採用して畦の締りを向上。また、畦の土台となる元畦を階段状にカットして元畦が新畦をしっかりと支え、崩れにくい丈夫な畦に仕上げる点などをアピールした。

当日は近隣の農家も参観に訪れ、同社の関係者を含め25人ほどがハロー、ロータリー、あぜぬり機の動きを見守った。同社からは関東営業所の細越竜一所長らが出席、松下マネージャーが各機種の説明に当たった。

<業界短信12月>

1.井関農機が四国地方発明表彰受賞式で弁理士会長賞など受賞

令和2年度四国地方発明表彰の受賞および表彰式が高知市の三翠園で行われ、日本弁理士会会長賞、発明奨励賞等を受けた井関農機の代表に表彰状が贈られた。同社からは開発製造本部移植技術部の高橋学氏、先端技術部の阪田賢一郎氏、トラクター技術部の戸田大尊氏の3氏が出席した。
 今回受賞したのは、日本弁理士会会長賞(受賞内容は「田植機の圃場端植え制御」)、発明奨励賞(同「田植機の旋回時サイドクラッチ入切制御」と「乗用モアのコレクタのクイックドッキング」)、及び実施功績賞(日本弁理士会会長賞・田植機の圃場端植え制御)。受賞にあたり高橋学氏は「誠にありがたく名誉に思っている。田植機の植え始め位置がずれる課題に対し、移動開始位置で1株植えたあとに前進を始める〝ピタ植え〟機能の発明により効率の良い作業が実現した。この発明が農業従事者の一助になれば」とコメントした。

2.サタケがSAXES製品の新規購入者にキャンペーン

日頃のユーザーの愛顧に感謝し、来年2月28日までに同社のSAXES製品を新規購入した(納品が完了)ユーザーに対して米の「分析サービスお試しキャンペーン」を開始した。米の分析サービスパッケージ「コメドック」を1人当たり最大2検体まで無料で利用することができる。
 サタケの「コメドック」とは米の品質・価値に関するデータを数値化し高品質・高付加価値化に向けた提案を行う同社独自の分析サービス。診断結果には品質に関する評価や説明のほか、統計データとの比較や栽培、乾燥調製、保管、精米など各工程の具体的な改善提案が記載され、ユーザーは生産した米品質の確認や工程の改善などに役立てることができる。

3.タカキタが2021年3月期第2四半期決算を発表

2021年3月期第2四半期決算を発表した。それによると、売上高は31億6200万円(前年同期比16.4%減)、営業利益1億5400万円(同59.5%減)、経常利益1億7000万円(同57.2%減)、四半期純利益は1億1000万円(同56.4%減)となった。通期の業績予想は売上高58億円(同9.8%減)、営業利益1億5600万円(同58.8%減)、経常利益1億8600万円(同55.8%減)、当期純利益は1億2000万円(同54.3%減)としている。
 農機事業においては、補助事業に依存しない小型肥料散布機や新製品の投入効果等で一部の製品が売上げに寄与したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国産農産物の消費低迷等に伴う農業従事者における機械投資意欲の減退や、国内外ともに営業活動縮減の影響を受け、エサづくり関連作業機等の受注が大幅に減少した。軸受事業においても、産業界全体の設備投資が低調に推移。損益面においては、原価低減活動に努めたものの、売上高の減少に加え、減価償却費や人件費の増加等の影響もあった。

4.ササキコーポレーションのSMAMO(スマモ)が青森県のレッツBuyあおもり新商品に

「電動リモコン作業機SMAMO(スマモ)」が「レッツBuyあおもり新商品事業」に認定されたことを公表した。「レッツBuyあおもり新商品事業」は、青森県内企業などの新商品開発や販路拡大を支援し、産業の活性化などにつなげるため県が実施しているもので、認定を受けた場合、認定商品として商品PRに努めていくとともに、その新商品を県が随意契約によって購入することも可能。認定期間は10月19日から令和6年3月31日まで。
 スマモは、電動リモコン走行ユニットに様々なアタッチメントを装着することにより、多角的に作業の省力化を図る次世代型マシーン。本体の全高がわずか400mmという低さを活かせる太陽光発電パネル下や人が入りにくい作業現場で自在に活躍できるのが大きな特徴。すでに草刈り、際刈り、先だっては畦草刈り用のアタッチメントを発表しており、物品を運ぶためのトレーラーアタッチの市場投入も予定されている。

5.サタケがコメドック分析米の食味値表彰制度を新設

米の品種や食味などを分析し品質を評価する米品質診断サービス「コメドック」で分析したサンプル米に対し「食味値表彰制度(コメドックアワード)」を新設し実施に踏み切ったことを明らかにした。食味値とは、米の成分を分析し、おいしさを総合的に評価した数値で数値が高いほどおいしいことを示すもの。同社のコメドックサービス利用者は、コメドックアワードを自らが生産する米のさらなるPRに活用できることになる。併せて同社では、同サービスの診断結果報告書をリニューアルする。
 新しい診断結果報告書には、これまで実施したコメドックの全体平均値を記載しており、利用者は、自分の米の分析結果が平均値に対しどの程度かを知ることができる。

6.日本農業機械工業会が2年・3年の需要見通し発表

令和2年および3年の機種別部会の需要見通しを発表した。それによると、今年の見通しは動力噴霧機・動力散布機、刈払機、脱穀機の3機種が前年を上回り、来年は、トラクター、田植機、動力噴霧機・動力散布機、走行式防除機、精米機、コイン精米機の6機種と輸出(国際委員会)が増加に転じると予測し、来年には多くの機種で需要の回復傾向が見られるとの見通しが示された。
 機種別に2年の需要見通しをみると、トラクターは87%、管理機は96%、田植機は87%、コンバインは92%など前年を下回る見通し。トラクター、管理機、田植機、収穫機の各部会では、需要低迷の要因として、消費増税前の駆け込み需要の反動に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う展示会・実演会の中止、そして、対面での営業活動にも制約を受けたことをそれぞれ上げた。3年の見通しは、トラクターが102%、田植機が101%、動噴・動散が103%、走行式防除機が101%、精米機が102%、コイン精米機が119%と増加の見込み。

7.日本農業機械工業会が4部会長を改選

各機種別部会はこのほど部会長の改選を行い、4部会で新たな部会長が就任した。トラクター部会長は鈴木哲也(ヤンマーアグリ)、管理機部会は縄田幸夫(井関農機)、田植機部会長は浅谷祐治(三菱マヒンドラ農機)、管理機部会長は飯塚智浩(クボタ)の4氏がそれぞれ就任した。その他の部会長は再任された。

8.サタケのBeltuza-XeNOに関西農業食料工学会が技術開発賞

関西農業食料工学会は令和2年度関西農業食料工学会学術賞の選考結果を発表した。今年度は技術開発賞1件が選出され、「Beltuza-XeNO(多用途ベルト式光選別機)の開発」でサタケ・立石芳和氏が選ばれた。
 農産物や食品、工業製品など幅広い原料に対応する多用途ベルト式光選別機Beltuza XeNOは、フルカラー色彩選別、割れた原料や原料同士が固着したものなどを形状で認識して選別できる形状選別機能のほか、新しく搭載された近赤外線カメラで原料と同色の異物(石、プラスチック、ガラスなどの無機物)も同時に認識して選別することができる。また、検量線を簡単操作で作成できる自動検量線作成システム「サタケ・スマート・センシティビティ」を搭載している。

9.クボタが2020年12月期第3四半期連結業績を発表

2020年12月期第3四半期連結業績(国際財務報告基準)並びに機構改革、役員人事、人事異動を発表した。それによると、第3四半期(2020年1月1日~9月30日)の売上高は前年同期比1040億円(7.1%)減少して1兆3568億円となった。国内売上高は機械、水・環境、その他の全部門で減収となり、前年同期比450億円(9.4%)減の4357億円。海外売上高は水・環境部門がわずかに増加したが、建機、トラクター、エンジンが減少したため全体では前年同期比589億円(6.0%)減の9211億円となった。
 営業利益は国内外での減収に加え、台風の影響などによる2019年第4四半期の減産や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う当第2四半期の減産により、当期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益が大幅に悪化したため前年同期比363億円(21.8%)減の1299億円。税引前利益は営業利益の減少などにより前年同期比325億円(19.0%)減少して1387億円。法人所得税は347億円の負担、持分法による投資損益は21億円の利益となり、四半期利益は前年同期比242億円(18.6%)減の1061億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を260億円(21.2%)下回る965億円となった。

10.サタケがヤマタネから精米設備一式を受注

ヤマタネが現在、千葉県印西市に建設中の国内最大級(月産6000t)となる精米工場の精米設備について設備一式を受注、今年3月に契約を締結、再来年1月の稼働開始を目指していることを明らかにした。原料玄米自動張込システムや精米機自動制御システム、新型光選別機「SLASH(スラッシュ)」、工場生産支援システムなど、サタケの誇る先進技術の粋が盛り込まれた最新鋭の施設となる。環境負荷も考慮し、自由落下を利用した米の搬送距離の低減や工程の簡素化に伴う生産時間の短縮により電力等の削減も図られている。
 ヤマタネは現在、東京精米工場(都内・江東区)と岩槻精米工場(さいたま市岩槻区)の2工場を運用。さらなる生産の効率化と顧客ニーズへのきめ細かい対応を進めることを目的とし、これら2工場を1か所に集約すべく千葉県印西市に国内最大級の生産能力を持つ新精米工場の建設を計画、この中で基幹部分となる精米設備一式についてサタケが受注した。サタケでは今後、ヤマタネの建設コンセプトである「安全・品質・効率を重視した管理体制の強化」「新たな運用体制構築による信頼される『ヤマタネブランド』の確立」を具現化すべく、鋭意建設に取り組んでいく考えを示している。

11.井関農機が2020年12月期第3四半期連結業績発表

2020年12月期第3四半期の連結業績を発表した。それによると、売上高は1116億100万円(前年同期比7.7%減)、営業利益は31億6200万円(同30.0%減)経常利益は28億3900万円(同12.9%減)、親会社に帰属する四半期純利益は24億1800万円(同13.4%増)となった。通期の連結業績予想は売上高1445億円(前期比3.6%減)、営業利益11億円(同59.9%減)、経常利益2億円(同82.0%減)、親会社に帰属する当期純利益2億円(同72.0%減)、配当予想は「未定」としている。
 国内においては、補修用部品および修理整備等のメンテナンス収入が堅調に推移したほか大型物件の完成のあった施設工事が増加となった一方、消費増税後の不透明な需要環境に加え新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う展示会の中止など営業活動の自粛等により農機製品などが減少した。
 海外においては、中国向けの田植機半製品や韓国向けのトラクター・コンバインが伸びた一方、北米向けはトラクターの巣篭もり特需はあったものの一部商品に搭載の仕入れエンジン入荷遅れが響き減少、欧州では為替影響に加え新型コロナウイルス感染症拡大対策として現地代理店店舗が一時閉鎖されたことから出荷調整を行ったことが響き減少、アセアンはインドネシア向けトラクターの出荷減少などとなった。

12.やまびこが1月1日付役員人事、2020年12月期第3四半期連結決算発表

取締役会において代表取締役の異動について決議し、代表取締役会長執行役員に永尾慶昭氏(現・代表取締役社長執行役員)、代表取締役社長執行役員に久保浩氏(現・取締役専務執行役員)の就任を決めた。2021年1月1日を就任予定日としている。同社の代表取締役は、代表取締役副社長執行役員・田崎隆信氏との3名体制となる。
 また、2020年12月期第3四半期決算短信(連結)、業績予想および期末配当予想の修正、代表取締役の異動に関する発表を行った。それによると、2020年12月期第3四半期の売上高は、1040億3300万円(対前年同四半期増減率5.9%増)、営業利益97億7600万円(同36.1%増)、経常利益97億3900万円(同46.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益72億3700万円(同43.3%増)となった。1株当たり四半期純利益は、174円42銭。国内は農業用管理機械や一般産業用機械が減少したものの、海外小型屋外作業機械が大幅に増加して増収となった。

13.三陽機器がラジコンやアーム式などモア需要掘起こし

車両装着タイプのトラクター用ツインモア(ロータリ式)、トラクター用ハンマーナイフモア、油圧ショベル用ハンマーナイフモア、また、ラジコンタイプのリモコン式自走草刈機と、多彩なラインアップで草刈機需要の掘り起こしに力を入れている。
 先に東京ビッグサイトで開かれた草刈り・除草ワールドには、リモコン式自走草刈機AJK600、トラクター装着型のアーム式ハンマーナイフモアZH341DX、油圧ショベル装着式ハンマーナイフモアHKM-1000を出品、それぞれの特徴、用途をPRした。同イベントには初参加だったがラジコン式のAJK600に対する関心が一番高かったとし、普段の営業活動でも農業以外からの問い合わせ、引き合いが多い。同社は、アームモアは開発以来30年近い歴史があり、草に関わる機械はこれまで培ってきたノウハウを活かして開発・改良を進めていると、同社の製品レベルの高さを強調しつつ、裾野の広いマーケット対応に意欲をみせた。