令和2年9月10日発行
<業界短信-新製品9月>
- ヤンマーアグリがジョンディアトラクター販売へ
- 松山が畑作向けフィールドロータリーを発表
- サタケが米粉パンの新製法を開発
- 本田技研工業が乗用芝刈機をリニューアル
- サタケが米・炊飯品種鑑定サービスに4品種加え350品種に拡充
<業界短信9月>
- 井関農機がバーチャル展示会を公開
- タカキタが2021年3月期第1四半期決算発表
- JA全農が総代会、新会長に菅野氏
- クボタが2020年12月期第2四半期連結業績発表
- ヤンマーアグリジャパンがオンラインEXPOにコーナーを追加
- 井関農機が第2四半期連結決算発表
- クボタが食と水を支える人へ感謝込めた新CM
- 丸山製作所でトップ人事、新社長に内山剛治氏
- 本田技研工業が2020年度第1四半期決算発表
- 井関農機が農業女子向けオンライン座談会開く
- サタケ関連の農業法人・賀茂プロジェクトがウェブサイトを公開
- 日本農業機械工業会が2020年上期農機輸出入実績発表
- サタケのウェブCMが広島広告企画制作賞金賞受賞
- クボタが米国に小型建機の工場を新設
- やまびこが2020年12月期第2四半期連結決算発表
- 田中産業がゴアテックス100万着突破、記念の特別ブルームも発売
- 日本農業機械工業会が2020年上期農機生産動態統計発表
- 農業食料工学会が開発特別賞、開発賞発表
- JA全中が通常総会、会長に中家氏を再任
- クボタがタイに、最新機械の研究・実証を行う「クボタファーム」開設
<業界短信-新製品9月>
1.ヤンマーアグリがジョンディアトラクター販売へ
米国ジョンディア社が本年モデルチェンジしたトラクターJD-6Mシリーズ10型式(90~195馬力)を2021年1月1日より販売を開始すると発表した。同社は、「ヤンマーグループがジョンディア社の商品を取り扱い始めて50年を迎えた」としたうえで、「自社商品だけでなくお客様の幅広いニーズに対応する商品を提供することにより、ヤンマーグループはこれからもお客様の農業経営をサポートしていく」としている。
同シリーズの主な特徴は、
- 欧州排ガス規制StageⅣ/Ⅴ(日本国内特殊自動車排気ガス第4次規制相当)をクリアしたクリーンでパワフルなエンジンを搭載
- ユーザーの作業用途に合わせ、3種類のトランスミッションから選べる。中でもコマンドクワッドプラストランスミッションは変速・停車時のクラッチペダル操作が不要なのでオートマチック車感覚で作業できる
- オートトラックレディ仕様(X仕様)では自動操舵作業が可能、作業に不慣れでも熟練者のような作業が行える。また、熟練者でも、作業時の細かな方向修正操作が不要になり、長時間作業の軽労化を実現する
-など。
https://www.yanmar.com/jp/agri/campaign/2020/07/expo/johndeere/#anc01
2.松山が畑作向けフィールドロータリーを発表
畑作農家向けの「ニプロフィールドロータリーFXL/FXEシリーズ」を発表した。砕土性、整地性、耐久性を追求したもので、爪軸の1つのフランジに爪を6枚装着する6枚爪仕様。爪は耐摩耗性、雑物の細断に優れるBM601G爪を採用、硬い土質、野菜残渣のある圃場でも効率よく作業を進められる。FXLシリーズは10月から、FXEシリーズは9月から発売となる。100馬力以上の大型トラクターにも対応。FXLシリーズのトラクター適応馬力は55~105馬力、FXEシリーズは同85~140馬力。
主な特徴は、
- 大規模圃場の長時間作業を想定し、耕うん軸の厚みを増しパイプ径を太くすることで耐久性を向上
- 耕うん爪両端は外側に向いた「外爪」仕様とし、傾斜のある圃場でも隣接部をきれいに仕上げる。オプションのサイドディスクを使用すれば、さらに隣接部は平らに仕上げることができる
- 耕うん部カバーと均平板は、6枚爪の働きを発揮させるために独自の形状とし、高い砕土性、整地性を追求
- 均平板を持ち上げる力を50%軽減する「均平板らくらくアシスト」、耕うん部カバーに付着する土を振るい落とすフロートラバーを採用
- FXEシリーズでは爪軸の取り外しを簡素化する「つなぎ軸」を採り入れ、メンテナンス性をアップ
-など。
https://www.niplo.co.jp/products/cat-1/product-01.php?c=b030&id=245
3.サタケが米粉パンの新製法を開発
小麦由来のグルテンなどアレルギー特定原材料等28品目を使用しない、独自の米粉パン製造方法を開発。この新たな方法で製造されたパンを使ったメニューをグループのレストランである「豊栄くらす」で提供開始したことを明らかにした。同社は、さらなる米消費拡大に寄与しようと新たな米粉パン製造方法の開発に取り組む中、グルテンに代わって粘性を得られる材料としてでんぷんや果実、海藻などから抽出される天然由来の増粘剤(増粘多糖類)に着目。配合する増粘剤の種類や配合量などの研究を重ねた結果、小麦粉パンと同程度の膨らみが得られる製造方法を確立した。
主な特徴は、
- 新たな方法で製造された米粉パンはアレルギー特定原材料等28品目を使用しないため、小麦などの食物アレルギーを持つ人も安心して食べることができる
- 焼き上がりは小麦粉パンと同程度まで膨らみ、ふんわりと軽いおいしい食感のパンとなる
- 小麦粉パンに比べ生地が柔らかく短時間の発酵で膨らむため、製パン時間は120分と小麦粉パンの約半分で済む
-など。
https://satake-japan.co.jp/news/new-release/no20-000-202000-28-2-3028.html
4.本田技研工業が乗用芝刈機をリニューアル
造園や緑地管理などに適した乗用芝刈機「HF2417」を一部改良し、全国のHondaパワープロダクツ取扱店にて販売を開始した。今回のモデルチェンジでは「前進ペダル保持システム」を搭載するなど、広い場所での芝地整備における快適性を磨き上げ、作業の効率化、省力化への貢献を目指す。大容量のグラスバッグを標準装備し、排気量530立方cmのVツインエンジンとワイドな刈り幅による力強く効率的な作業性、芝を刈る2つのブレードを同期しながら回転させる「ツインブレード同期システム」による刈り残しを軽減した仕上がりなどが特徴。
主な変更点は、
- 前進ペダル保持システム=平地での速度域に合わせて4段階で設定可能
- 刷新されたコントロールパネル=「稼働時間」や「バッテリー電圧」などを確認できる液晶のデジタルメーターを採用
- アームレスト付きシート=従来モデルに対して背もたれの高さを伸長し、座面のホールド感を高めたシートにアームレストを追加
- 大径ハンドル=ハンドルのグリップ径を拡大
- LEDヘッドライト=従来のオートライト機能に加え、ヘッドライトにLEDを採用
- 使い勝手の向上=計画表やメモなど、作業時の小物収納スペースや、USBソケットを新たに搭載
-など。
5.サタケが米・炊飯品種鑑定サービスに4品種加え350品種に拡充
同社が展開する「米・炊飯品種鑑定サービス」の鑑定可能品種に新たに多収性と良食味を併せ持った「恋初めし」「にじのきらめき」「ゆみあずさ」の3品種と、炊き上がりにツヤがあり粘りが強い「くまさんの輝き」のうるち米4品種を鑑定対象に追加。今回の追加で同サービスの鑑定可能品種は350品種となった。
同社は2003年より米品種鑑定サービスを開始し、これまで数多くの鑑定を受託するとともに鑑定可能品種の拡充に鋭意取り組んできた。今後もサービス利用者の利便性を向上すべく、鋭意研究し、さらなる鑑定可能品種の拡充に努めていく考えだ。なお、分析方法や分析料金などについては従来通り。
<業界短信9月>
1.井関農機がバーチャル展示会を公開
ホームページ上にバーチャル展示会を公開した。スマート農業・コンバイン・田植機・トラクター・野菜関連機器の5つのコーナーがあり、各コーナーを選択すると詳細が開く。
田植機コーナーでは、6月に発表したばかりのさなえJapan「PRJ8」が登場し、「田植えを操る・魅せる・喜ぶ」の観点から、さなえスーパーZターン、オペレスタターン、カラー液晶マルチモニター、さなえ電動苗レール&リターンレール、業界最速とする「1.86m/秒」の植付速度などを紹介している。スマート農業では、有人監視型ロボットトラクター「TJV655R」の有人監視単独作業と有人監視協調作業の作業映像が流れる。また、可変施肥田植機によるリアルタイムで行う可変施肥作業の様子を紹介している。コンバインコーナーではジャパン「HJ6130」「HJ7130」が圧倒的なパフォーマンスを披露する。トラクターコーナーでは、T・JapanのTJW1153/1233/1303が畑作・水田・酪農に関わらずあらゆるニーズに対応するパワーを披露する。
2.タカキタが2021年3月期第1四半期決算発表
2021年3月期第1四半期決算を発表した。それによると、売上高は14億1400万円(前年同期比15.1%減)、営業利益は6100万円(同55.6%減)、経常利益7000万円(同52.2%減)、純利益4900万円(同50.9%減)となった。
農機事業は、12億9800万円(同15.2%減)で、細断型シリーズや有機肥料散布機コンポキャスタ、マニュアスプレッダ等の土づくり関連作業機の新製品投入が売上げに寄与したものの、新型コロナウイルス感染拡大防止による営業活動自粛の影響もあり、エサづくり関連作業機等の受注が減少し、国内売上高は減収した。
海外も新型コロナウイルス感染症の影響により減収となり、農機事業全体の売上高は前年同期比2億3200万円減少し12億9800万円(同15.2%減)となった。
http://www.takakita-net.co.jp/takakita2020/wp-content/uploads/2020/07/20200730.pdf
3.JA全農が総代会、新会長に菅野氏
大阪府大阪市のリーガロイヤルホテル(大阪)で、書面による議決権行使を基本とした第44回通常総代会を開き、すべての議案を事務局原案通り承認した。経営管理委員の改選では新たな会長に菅野幸雄氏(愛媛県本部会長)、副会長には高橋正(宮城県本部会長)、乗富幸雄(福岡県本部会長)の両氏がそれぞれ選任された。令和元年度事業報告では、大型共同購入トラクターの元年度実績は新規に717台、累計で1570台となったことが報告された。また、ファミリーマートの株式取得と業務提携について決議した。
令和元年度事業報告によると、元年度の農機取扱実績は、計画1284億円に対し実績は1226億円で、計画比95%、実績比96%となった。営農コストの削減に資する購買品目の競争力強化の取り組みでは、大型共同購入トラクターの供給拡大、および新たな中型機のメーカーへの開発要求、大型コンバインのシェアリースの実施(24経営体)などが報告された。総代会終了後、記者会見した菅野会長は、「組合員・地域JAにとってなくてはならない全農」「夢が持てる農業、次代にバトンが渡せる農業への転換」「社会貢献活動や地域ニーズに応える」「経営基盤の確立」「未来を担う人材の育成と職場の環境づくり」の5点を重点項目にあげ、運営に意欲を示した。
4.クボタが2020年12月期第2四半期連結業績発表
オンラインで会見し、2020年12月期第2四半期連結業績(国際財務報告基準)を発表した。それによると、売上高は8841億7000万円(前年同期比8.9%減)、営業利益816億7000万円(同26.4%減)、税引前利益844億2100万円(同26.4%減)、四半期利益651億6100万円(同24.9%減)親会社に帰属する四半期利益595億7000万円(同26.6%減)となった。農機・エンジン部門は5838億500万円(同8.5%減)、うち国内は1290億9900万円(同9.5%減)、海外は4547億600万円(同8.2%減)だった。
部門別の概況では、機械部門の売上高は前年同期比10.2%減少して7190億円となり、売上高全体の81.3%を占めた。国内売上高は前年同期比9.1%減の1446億円となった。消費増税前の駆け込み需要の反動減や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う販売活動自粛の影響により農業機械や農業関連商品が減少した。
海外売上高は前年同期比10.5%減の5744億円となった。北米では、4月以降の堅調な需要や新機種効果などにより小売りは好調に推移しているものの、2018年に発生した台風の影響を受けて一部製品の出荷時期が前々期から前期にずれ込んでいたことの反動や、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた工場の稼働停止の伴う生産や出荷の遅れにより、建機やトラクターが減少した。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたOEM先の減産やオイル・ガス市況の悪化を受けて、エンジンも大幅に減少した。欧州では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うディーラーの営業停止や、エンジンのOEM先の減産などの影響により、建機、トラクター、エンジンともに前年を大きく下回った。アジアでは、タイのトラクターが昨年から続く水不足の影響や在庫調整により減少した。一方中国ではエンジンが経済再開後の需要回復を受けて伸長したほか、農業機械も新機種効果などにより増加した。当部門のセグメント利益は値上げ効果や原材料価格の低下などの増益要因はあったが、国内外での大幅な減収や、当期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益悪化などにより、前年同期比25.0%減少して871億円となった。
https://www.kubota.co.jp/ir/financial/briefnote/pdf/131q2.pdf
5.ヤンマーアグリジャパンがオンラインEXPOにコーナーを追加
7月からヤンマーホームページ内で公開している期間限定のオンライン農業機械展示会「ヤンマーオンラインEXPO」に、8月3日から「ジョンディアコーナー」と「輸入作業機コーナー」のコンテンツを追加した。
ジョンディアコーナーでは、2020年がヤンマーグループがジョンディア社の商品を取り扱い始めて50年を迎えたことから、新商品となる「JD-6Mシリーズ」や、ジョンディア販売50周年を記念した特別仕様のトラクター、完全ノークラッチでオートマチック車感覚で操作できる「JD6115RC,J」など、ユーザーのニーズにあったラインアップを見ることができる。輸入作業機コーナーでは、2020年度から取扱いを開始したトルコの総合作業機メーカー「トルカイ社」のブランド「minosagri」商品は、世界中の農家に使用され、そのトルカイ社とヤンマーが共同で、日本の土質や作業形態に合わせた仕様に改良した輸入作業機の商品ラインナップを紹介している。
6.井関農機が第2四半期連結決算発表
2020年12月期第2四半期の連結業績(2020年1月1日~6月30日)を発表した。それによると、売上高は722億4500万円(前年同期比6.8%減)、営業利益12億7000万円(同22.4%減)、経常利益10億6800万円(同25.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益9億7900万円(同47.3%増)となった。通期連結業績予想は売上高1445億円(前期比3.6%減)、営業利益11億円(同59.9%減)、経常利益2億円(同82.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億円(同72.3%減)、期末配当予想は未定としている。
国内においては、補修用部品及び修理整備等のメンテ収入が堅調に推移したほか大型物件の完成のあった施設工事が増加となった一方、消費増税後の不透明な需要環境に加え新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う展示会の中止など営業活動の自粛等により農機製品などが減少し、国内売上高は前年同期比27億1800万円減少の572億4900万円(同4.5%減)となった。海外においては、中国向けの田植機半製品や韓国向けのトラクター・コンバインの出荷が伸びた一方、北米向けは一部商品に搭載の仕入れエンジン入荷遅れが発生したことなどからトラクター出荷が減少、欧州では為替影響に加え新型コロナウイルス感染症対策として現地代理店店舗が一時閉鎖されたことから出荷調整を行い減少、アセアンはインドネシア向けトラクターの出荷減少などにより、海外売上高は前年同期比25億8800万円減少の149億9500万円(同14.7%減)となった。
7.クボタが食と水を支える人へ感謝込めた新CM
長澤まさみさんを起用したTV-CMの最新作『壁がある。だから、行く。支えられている 食』篇、『壁がある。だから、行く。支えられている水』篇(各30秒)のオンエアを全国で開始した。
同社では、新型コロナウイルスや豪雨災害など、これまで当たり前に過ごしていた生活をありがたく思い、そして私たちの生活が「多くの誰かに支えられている」ことに気づく機会が増えつつあるとし、今回は、1人の生活者を演じる長澤さんが、生きていくうえで欠かせない「食」と「水」を支える方々への感謝への気づきをテーマにした2タイプのCMを作成した、としている。今回のTVCMでは私たちの毎日の暮らしに欠かせない「食」と「水」を支え続ける人々への感謝の思いを抱きながら、これからも「クボタにやれる、やり方で」人々の営みに貢献していきたいというメッセージを伝えている。
https://www.kubota.co.jp/kubotainfo/pdf/campaign20200805.pdf
8.丸山製作所でトップ人事、新社長に内山剛治氏
取締役会で、新社長に内山剛治氏(常務取締役管理本部長)の就任を決めた。前社長の尾頭正伸氏は代表取締役会長に、前会長の内山治男氏は取締役にそれぞれ就任する。発令は10月1日、12月22日に開かれる予定の定時株主総会の承認を経て正式に決定する。内山治男氏は同総会後に相談役となる。
そのほかの役員の役職異動などは、常務取締役営業本部長兼国内営業本部長に石村孝裕氏、常務取締役生産本部長兼千葉工場長に大平康介氏、取締役に遠藤茂巳氏、執行役員管理本部長兼経理部長に高取亮氏、上席執行役員ポンプ事業部長に宮本順一氏、執行役員貿易部長に竹中多一郎氏など。
http://www.maruyama.co.jp/assets/pdf/news/20200807-2.pdf#view=FitV
9.本田技研工業が2020年度第1四半期決算発表
2020年度第1四半期決算および通期見通しを発表した。売上げ収益は全ての事業における減少などにより、2兆1237億円(前年同期比46.9%減収)。営業損失は1136億円で、販売費及び一般管理費の減収などはあったものの、売上げ変動及び構成差に伴う利益減などにより、前年同期比3661億円の減益となった。税引前損失は734億円で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響は約4400億円と試算している。ライフクリエーション事業及びその他の事業の営業損失は、研究開発費や販売費及び一般管理費の減少などにより5億円となり、29億円改善した。ライフクリエーション事業の第1四半期の販売台数は108万3000台(前年比19万7000台減)だった。なお、その他事業に含まれる航空機及び航空機エンジンの営業損失は71億円だった。
2020年度の見通しについては、新型コロナウイルス感染症の拡大影響により先行き不透明であるものの、収益改善に向けた全社横断的な取り組みを一層強化し、営業利益2000億円、税引前利益3650億円を計画している。なお、見通しに含まれる新型コロナウイルス感染症の影響は、期末にかけて回復すると見込まれるものの、税引前利益で約6650億円と試算している。同社は今後も、体質改善に向けた取り組みを着実に進め、さらなる体質の向上を目指すとしている。
10.井関農機が農業女子向けオンライン座談会開く
農業女子メンバー向けに「生産物の価値を高める」ことをテーマとしたオンライン座談会を実施した。これには同社から縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長、夢ある農業総合研究所の三輪田克志所長らが出席、農業女子は北海道から九州・熊本まで20名が参加し、スマート農業や6次産業化、土づくりなどの各テーマについて紹介し、農業女子メンバーと質疑応答、意見交換を交えながら行い、活発なオンライン座談会となった。
はじめに三輪田所長があいさつし、「ISEKIグループは、農業に密接に関わる企業として、女性農業者(農業女子)の農業や農業機械について抱える疑問や課題について向き合い、解決、サポートしていくため、農林水産省〝農業女子プロジェクト〟に参画している。その一環として、農業機械取扱セミナーを実施しているが、新型コロナウイルスの影響により現在実施が制限されていることもあり、コロナ禍においても農業女子の皆様を応援していく取組みとして、全国の農業女子が参加できるISEKIオンライン座談会を実施したもの。また、農業女子の皆さん同士でのつながりの機会にもなれば幸いです」と述べた。縄田本部長は「今回、農業女子プロジェクトにおける当社個別プロジェクトとしては、初めての試み。ISEKIは、〝愛(i)〟ではじまり〝愛(i)〟で終わる企業です。農業機械メーカーとして、農業女子の皆様の農業をこれからも応援してまいります」と述べた。
参加者からは「どんな農産物が加工に適しているか?農産物の糖度はどれぐらいが良いのか?」「生物性土壌改良剤を使用する際に、具体的にどのように使用すると効果的なのか?」など具体的な質問も多数あった。また、「全国で頑張っている農業女子仲間を感じることができ、元気と勇気が湧いた!」という感想が寄せられた。
11.サタケ関連の農業法人・賀茂プロジェクトがウェブサイトを公開
サタケの関連会社である農業生産法人賀茂プロジェクトは、自社ウェブサイトを開設・公開した。サタケは「食を通してもっと元気な人を創る」「持続可能な農業を実現する」という中長期ビジョンに基づき、6次産業化を柱とする地域参画型循環事業モデルの構築に取り組んできたが、その一環として2015年に過疎化が進む東広島市豊栄町清武地区の農家と共同で賀茂プロジェクトを設立。今回、賀茂プロジェクトの活動や生産品が購入できるオンラインショップなどを紹介したウェブサイトを立ち上げた。
サタケで同法人の運営などに深く関わってきたG・I(グローバル・イノベーション)企画管理室の笹山英治室長は「法人設立5年目の節目にウェブサイトを開設することになりました。事業や取組み、生産者のことを広く知って欲しいと考えています。また豊栄町の生産品を全国の消費者へ届けたいという思いから、ネット上で手軽に注文できるオンラインショップも作りました。今後は生産者の声を届けるブログやオンラインショップの商品を増やしウェブサイトを充実させていきます」と語っている。
12.日本農業機械工業会が2020年上期農機輸出入実績発表
2020年上半期(1~6月)の農業機械輸出入実績(財務省通関統計)によると、輸出金額は1021億9771万円で、前年同期比84.5%と2桁減になった。輸入金額は392億8779万円となり、同85.7%だった。
輸出を機種別にみると、乗用トラクターは台数が3万7346台で前年比76.9%、金額が654億9609万円で同79.3%。歩行式トラクターは、台数が1万4114台で同93.3%、金額が7億6909万円で同109.1%。コンバインは台数が1461台で113.2%、金額は63億3163万円で131.6%と大幅に伸びた。播種機・植付機・移植機の累計輸出実績は、台数が4052台で81.2%、金額は48億8250万円で100.9%と金額が増えた。動力噴霧機は台数が1万7482台で88.0%、金額は6億1793万円で94.1%に減少。その他の防除用農機は台数が1万2754台で186.3%、金額は3136万円で124.4%に回復。
機種別の輸入実績では、乗用トラクターが1044台で77.6%、90億4394万円で75.6%だった。
13.サタケのウェブCMが広島広告企画制作賞金賞受賞
同社のWebCMが、広島広告協会主催の第41回広島広告企画制作賞の「インターネット広告全般の部」の金賞に輝き、その贈賞式が広島市内のANAクラウンプラザホテル広島において行われた。金賞を受賞した同社のWebCMは「サタケにチャレンジ!!」と題し、人力による精米・籾すり・選別作業を撮影し悪戦苦闘しながら作業する過程の面白さを表現したもので最終的に機械の性能の高さを伝える内容となっている。同社は一昨年にもテレビCMで金賞を獲得しており今回の受賞はそれに続くもの。
インターネット広告全般の部門で金賞を獲得した「サタケにチャレンジ!!」は、選評で「You Tubeとの連動を重視し、学生をはじめとする一般人の若者が登場するスタイルのWebサイトである。様々なテーマをYou Tube動画で見ることができるため、サイト来訪者が楽しめる構造となっている。一般視聴者へ向けてのアピールに加えてリクルートの狙いも考えられており、就活中の学生へ向けての社名認知の向上や業務内容理解推進にも効果を発揮している。実験動画的な映像はYou Tubeにおいても一般的な表現であるため、若者からの親近感を得ることにも成功している」と高い評価を獲得した。受賞作品は、人力による精米・籾すり・選別作業を撮影し、悪戦苦闘しながら作業する過程の面白さを表現したもの。最終的に機械の性能の高さを伝える内容になっている。
14.クボタが米国に小型建機の工場を新設
堺製造所で生産する北米市場向けの小型建設機械「コンパクトトラックローダー(CTL)」の生産の一部を米国に移管する。同社の米国子会社グレート・プレインズ・マニュファクチュアリング(GPM)がカンザス州サライナ市にCTLの生産拠点を新設し、2022年から量産を開始する。生産拠点の新設により、顧客の要望にスピーディーに対応できる体制を構築することで、小型建機事業の更なる拡大を目指す。
北米は世界最大の小型建機市場であり、近年同社は販売網の強化や製品ラインナップの拡充などにより、事業拡大を図っている。その一環として、2016年にはトラクターや建設機械に装着して使用する作業機器の開発・生産に強みを持つGPMをグループに迎え、顧客ニーズに基づいた開発・生産・販売などシナジーを発揮している。現在、北米向けの小型建機の大半を日本国内で生産しているが、米国で生産することで、リードタイムの短縮や為替リスクの低減などが可能となり、作業機器との連携をさらに高度化することも狙う。新工場はアメリカ合衆国カンザス州サライナ市に拠点を置き、土地の規模は64.7万平方メートル、建屋7.4万平方メートル。約56億円を投資。生産品目はコンパクトトラックローダー1機種「SVL65」で、生産台数は3000台(2023年)予定。2022年9月に量産開始予定。
15.やまびこが2020年12月期第2四半期連結決算発表
2020年12月期第2四半期決算短信(連結)と業績予想および期末配当予想の修正に関するお知らせを発表した。2020年12月第2四半期の連結業績(2020年1月1日~2020年6月30日)の売上高は、679億8900万円(対前年同期比4.4%増)、営業利益60億4100万円(同16%増)、経常利益59億9200万円(同23.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益41億2800万円(同9.4%増)、1株当たり四半期純利益は99円49銭となった。2020年12月期の連結業績予想の売上高は、1240億円(対前期比2.5%増)、営業利益63億円(同1.6%増)、経常利益61億円(同3.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益44億円(同5.7%増)、1株当たり当期純利益106円03銭。同社は、2020年5月に公表した2020年12月期連結業績予想および期末配当予想において、合理的な業績予想の算定を行うことが困難な状況であるとして一旦取り下げて未定としていたが、今回、修正し発表した。
市場環境をみると、国内外の天候は比較的順調に推移したものの、世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限や経済活動の規制により、生産活動や販売活動などが深刻な影響を受けた。国内農業機械市場は前年の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動などによりトラクターやコンバインが大きく落ち込んだものの、順調な天候を背景に刈払機は好調だった。
16.田中産業がゴアテックス100万着突破、記念の特別ブルームも発売
4月から新たに発売開始した新ブランド「Bloom(ブルーム)」のジャケット、パンツ、サロペットを含むゴアテックスウエアの累計出荷着数が予定通り100万着を突破するとともに、これを記念し「特別なブルームウエア」を謝恩価格で発売することを明らかにした。併せて今回の限定ブルームウエア販売に際しては懸賞付きとし、抽選で60人に同ウエアと同額の3万5000円をキャッシュバックする。特別なブルームウエアは、セージグリーンカラーのジャケットとパンツで、M、L、LL、3Lの4サイズ。「伸びるゴアテックス」を使用し、洗濯機、乾燥機を使って洗える。
今回のゴアテックスウエア販売累計100万着達成という区切りに当たり、田中社長は、顧客ユーザーをはじめ関係者に謝意を表しつつ、新ブランドの「ブルーム」を農林業、土木建設、通勤・通学、レジャーといった多様な場面に普及を進めていきたいと改めて拡販の意欲を強調。また、100万着突破記念に新規限定販売する「特別なブルーム=セージグリーンカラーのウエア」については、要望の多かったシックな色合いの商品と紹介。年齢や性別を問わず馴染む製品と位置づけ、引き合いに期待を向けた。さらに「より良い製品を届けることを信念に」供給に当たってきた結果が100万着につながったとし、今後も安心して利用いただける商品提供に邁進すると述べた。
17.日本農業機械工業会が2020年上期農機生産動態統計発表
経済産業省生産動態統計に基づく農業機械生産出荷実績の2020年1~6月分を取りまとめた。それによると、今年上半期の生産金額は2027億6700万円で前年同期比82.9%、出荷金額は1872億3700万円で同81.0%となり、消費税増税後の反落からの新型コロナ禍の流れなどを背景に、大きく減少した。
機種別で上半期の出荷実績をみると、トラクターは5万6309台(前年同期比76.0%)、1065億2900万円(同74.6%)となった。クラス別にみると、20PS未満が数量が前年同期比109.6%、金額が同119.1%と好調。田植機は1万3928台(同84.8%)で239億1600万円(同91.1%)、コンバインは4939台(同80.3%)で252億3500万円(同87.1%)だった。防除機は7万6228台(同159.8%)で27億1600万円(同134.5%)と大きく伸びた。籾すり機についても、4090台(同100.3%)で26億9800万円(同107.7%)に回復。精米麦機も台数は4935台(同81.5%)だったものの、金額は37億8300万円(同103.1%)に増加した。
18.農業食料工学会が開発特別賞、開発賞発表
一般社団法人農業食料工学会は理事会および定時総会を経て、2020年度開発賞と学会賞を決定した。開発賞では「開発特別賞」はクボタが受賞(受賞業績は「株間キープ・施肥量キープ機能で資材費低減に貢献する田植機NW6S/8S」)、開発賞は井関農機(半自動野菜移植機乗用2条の開発)、ササキコーポレーション(電動リモコン作業機スマモ)、三菱マヒンドラ農機(GNSS操舵アシストシステムSE-Navi)、ヤンマーアグリ(ねぎ栽培の規模拡大の切り札「ねぎ収穫機HL10」)の4社がそれぞれ受賞した。
開発賞受賞講演は第25回テクノフェスタ(2020年12月4日、オンライン開催予定)で行う予定。表彰式は例年年次大会で行っていたが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により年次大会は中止となり、今回の学会賞の受賞者および受賞業績は学会誌等で公表し、表彰の日付は定時総会当日とした。
19.JA全中が通常総会、会長に中家氏を再任
都内のホテルニューオータニで、令和2年度の通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、中家徹会長を再任した。
中家会長は、自己改革の推進や農業、JAへの国民理解の醸成などが重要であると挨拶した。中家会長は、JAグループの重点取り組みとして、1.自己改革と準組合員対応、2.JAの経営基盤確立と組合員との対話の強化、3.食料・農業・農村基本計画の実戦と国民理解の醸成、4.新型コロナウイルスへの対応-の4点をあげた。とくに、新型コロナウイルスへの対応としては、「マスク不足が大きな問題になったが、国民が必要なものは国内で生産することの重要性が明らかになった」とし、「国消国産」の考え方を指摘。また、東京一極集中の問題をあげ、地方の活力を活かした分散化社会や、SDGsの達成にもつながる相互扶助の重要性などを述べた。
20.クボタがタイに、最新機械の研究・実証を行う「クボタファーム」開設
タイの子会社であるサイアム・クボタ・コーポレーション(SIAMKUBOTA Corporation Co.,Ltd.)は、農業機械化と先端農法の実証活動を行う農場「クボタファーム」をタイ国内に設立した。タイにおける研究開発子会社のクボタ・リサーチ&デベロプメント・アジア(KUBOTA Research & Development Asia Co.,Ltd.)と協力して、成長を続けるアセアン地域に密着した事業活動を強化し、現地の農業の発展に貢献していく。広大な実証型農場を自社で保有することで、最新の機械や技術を活用した農作物の生育方法や管理手法の研究・実証を自社施設内で行う。 同社は1978年にタイに製造販売拠点を設け、ASEAN地域における農業の機械化を推進し、地域経済の発展に貢献。とくに近年は、現地の作物・圃場条件・作業体系に適した農業機械の研究開発を進めており、2016年にはタイに研究開発拠点を設立し、製品ラインナップの拡充を加速させている。クボタファームの設立もその一環であり、広大な実証型農場を自社で保有することで、最新の機械や技術を活用した農作物の生育方法や管理手法の研究・実証を自社施設内で行うことが可能になる。さらに販売ディーラーや農家を招き、最先端の農業技術を体感できる場として活用することで、販売促進や地域の農業の担い手育成に貢献することもねらいとしている。