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農業機械関連ニュース

令和2年8月11日発行

<業界短信-新製品8月>

  1. ヤンマーアグリがプロ用管理機を追加発売
  2. 三菱マヒンドラ農機が新型コンバイン6型式を投入
  3. 松山が大型ロータリ20シリーズをモデルチェンジ
  4. キャニコムがラジコン式ハンマーナイフモア発売
  5. 松山がウィングハロー「WBZ00シリーズ」新発売
  6. タイガーカワシマが新型パックメイト、スリムパックを本格発売
  7. アテックスが小型クローラ運搬車3型式を発売
  8. 小橋工業がユーグレナの培養土を通販などでテスト販売

<業界短信8月>

  1. ヤンマーアグリジャパンがホームページでオンラインEXPO
  2. 井関農機が愛媛大との研究協定を更新
  3. サタケが今年も米品質診断でキャンペーン
  4. オーレックが「九州農高川柳コンテスト」開催
  5. JAグループのAgVenture Labが1周年記念イベント
  6. エム・エス・ケー農業機械の新社長に齊藤氏
  7. キャニコムが福岡県うきは市と立地協定、新工場設立へ
  8. JA全農がBASFデジタルファーミングと協業
  9. JA全中の新会長推薦者に中家氏
  10. 井関農機の2019年特許査定率が全産業中1位に
  11. クボタがゴルフ場で土改材の実証試験
  12. 井関農機がISEKIレポート2020発刊
  13. オーレックのグリーンラボ福岡がいちごスムージーを期間限定発売
  14. スズテックが枝豆播種機で栃木県フロンティア企業に認証
  15. 日本農業機械工業会が上期部会統計を発表

<業界短信-新製品8月>

1.ヤンマーアグリがプロ用管理機を追加発売

キースイッチを回すだけで簡単にエンジンの始動ができるセル仕様のプロ用管理機を8月1日から発売した。発売するのは、汎用管理機「YK650MK-D,LE/YK750MK-D,LE」、一輪管理機「YK650SK-D,SE」、ロータリー専用管理機「YK650RK-K,GNCE/YK750RK-K,GE」の3機種5型式。プロ向け管理機で多い畝間作業で、エンジン再始動の負担を軽減すべく、セルスタータを採用することにより、作業者の軽労化を実現する。コンパクトな耐震動リチウムイオンバッテリーを採用し、標準仕様(リコイルスタータ仕様)と変わらないバランス設計なので、取り回しも楽に行える。
 汎用管理機の主な特徴は、

  1. 走行速度は前進8段、後進4段の多段変速が行える
  2. レバー1本で走行速度(作業速度)とロータリ速度を同時に変速できるスーパーチェンジを採用
  3. ハンドル手元に作業に必要なレバーを集中配置することで安定した操作を可能にしている

-など。


 一輪管理機の主な特徴は、

  1. 本機とロータリを直結・一体設計することで安定感があり、扱いやすいコンパクト設計
  2. バランスを崩しやすい畝間でも楽に作業ができる

-など。


 ロータリ管理機の主な特徴は、

  1. 作業用途に合わせて、小回りがきく1輪と安定した2輪の切り替えが可能なワンツー車輪により、1台2役の作業が行える
  2. ハンドルを握ったままクラッチ操作が行えるので、安定した作業が行える

-など。

2.三菱マヒンドラ農機が新型コンバイン6型式を投入

イーグルデザインを採用したコンバインの新製品「V221・322・324/V325A/V335A/435A」を発表した。それらは「簡単操作ラベル」(ラベルの数字の順に操作すれば作業スタートできる)の採用、グレンタンク容量を610L(従来は600L)に大容量化、V325A以上のクラスにはエンジンカバー自動ロック(エンジンルームオープン後はカバーを閉じるだけで自動ロックがかかる)を搭載するなど、使いやすさ、安全性を一段と充実させた。
 V221・322・324の主な特徴は、

  1. 小型ながら高出力の三菱清気筒ディーゼルエンジン搭載
  2. 610Lの大容量グレンタンク
  3. 作業開始までの操作手順がわかりやすい操作ラベル

-など。


 V325Aの主な特徴は、エンジンルームカバーフルオープン後はカバーを閉じるだけで自動ロック、操作手順がわかりやすい操作ラベルなど。V335A/435Aは、環境性能に優れた国内特自4次規制に対応する次世代エンジンを搭載した。

3.松山が大型ロータリ20シリーズをモデルチェンジ

基本性能と耐久性で好評のニプロロータリの大型トラクター用モデルSXL20シリーズ/MXR20シリーズ/LXR20シリーズ/DXR20シリーズ/EXR20シリーズを順次モデルチェンジして発売した。爪交換、洗車時に、簡単に楽に均平板を持ち上げることができる「均平板らくらくアシスト」を標準装備。洗車時、爪交換時に重い均平板を持ち上げる際、力を50~70%削減して簡単に持ち上げることができる。同社では「基本性能、耐久性に使いやすさをプラスして担い手農家の要望に応えたロータリ」としている。
 SXLシリーズの主な特徴は、

  1. トラクター適応馬力45~75馬力、作業幅は2.0/2.2/2.4mで、爪の取り付けはそれぞれフランジ使用とホルダー仕様を用意
  2. トラクターへの装着方法はJIS(日農工)標準オートヒッチLカプラ方式に加えてJIS(日農工)標準オートヒッチSカプラ仕様も用意
  3. 50馬力前後のすでに所有している作業機に合わせて選択できる

-など。


 MXR20シリーズの主な特徴は、

  1. 適応馬力45~75馬力でロータリに耕うん軸の変速機能を持たせている
  2. トラクターにPTO変速が少ない機種や超砕土を求められる地区向け
  3. 装着はJIS標準3PオートヒッチLカプラ仕様のほかにフランジ2.2/2.4mについては標準3点リンク、ロアリンクのみワンタッチ装着できる2L仕様を用意

-など。

4.キャニコムがラジコン式ハンマーナイフモア発売

ラジコン式ハンマーナイフモア「アラフォー傾子」を発売した。同機のデザインは低重心・低車高で、急傾斜の草刈り作業に特化している。中山間地域のみならず、河川敷や高速道路などの法面、太陽光パネル下などの作業にも向いている。また、デジタルリモートコントロール採用で、正確かつ繊細な操作性を実現。キャニコムお馴染みのユニークな名前「アラフォー傾子」は、40度前後の傾斜で草刈り作業が可能となることから命名した。
 主な特徴は、

  1. 登坂能力45度で急斜面も作業が可能。車高が低いので手の届きにくい場所も効率良い作業が行える
  2. ラジコン送信機は最大100m離れての操縦が可能で、操縦者の安全確保にも重宝
  3. 足回りが左右独立して駆動するので不整地でも安定した走行が可能
  4. 双方向作業が可能なY字型ナイフ(ハンマーナイフモア)を標準装備。不整地に生えている背の高い草の刈り取りが可能。オプションでL字型ナイフも取り付け可能
  5. 開閉式点検カバーでメンテナンスが楽に行える

-など。

5.松山がウィングハロー「WBZ00シリーズ」新発売

中小型トラクター(25~35馬力)向けのウィングハロー「WBZ00シリーズ」を新発売。手持ちのスマートフォン・タブレットで作業機の深さや傾き、開閉状況等の作業状態が確認できる「Niplo Vision」を採用したほか、高い機能性はそのままに軽量化を実現、25~35馬力のトラクターとのマッチングバランスに優れている。WBZ2500/Nは作業機を装着したトラクターで公道を走行する際の基準となっている全幅170cmを下回るコンパクトモデル。
 主な特徴は、

  1. 均平性能の向上として、トラクターのタイヤ跡を消す「ソイルスライダー」の高さ調節の幅を従来商品より増やし、作業状態に合わせた調節が可能となった
  2. 代掻き時に左右両脇からの土の吐き出しを抑える役割の“土寄せ爪”を2本に増やし、隣接部の仕上がりを向上させた
  3. トラクターへの装着はJIS標準オートヒッチ、JIS特殊オートヒッチに対応

-など。

6.タイガーカワシマが新型パックメイト、スリムパックを本格発売

先に発表していた自動選別計量機“パックメイト”の新シリーズ「XRシリーズ」7型式と屑米計量機“スリムパック”「SP-15」の本格発売を開始した。「XRシリーズ」は、業界初となる計量履歴出力ポート(USBメモリ・オプション)をパックメイトに挿し込むことで、1袋ずつの計量値や良米の合計重量をデータ化。その良米量、屑米量の値から、毎年の圃場管理・米づくりが行える。「SP-15」は、薄型昇降機採用でコンパクト設計。新型パックメイトとの連動で屑米率を測定できる。
 XRシリーズの主な特徴は、

  1. 米投入部と未熟米排出口にヌカ取り機構を採用、良米と屑米のヌカを除去
  2. ライスタンク清掃窓から埃や塵を清掃でき、また、無選別で計量する場合は、清掃窓から米(籾など)を投入できる
  3. 袋キーパーを標準装備。袋交換がスムーズに行える
  4. 前工程に合わせて投入ホッパーの縁の高さを調整できる

-などの新機構が採用されている。


 スリムパックの主な特徴は、

  1. 最大処理能力が毎時900kg(15俵)ながら薄型昇降機採用でコンパクト設計
  2. XRシリーズとの連動で屑米率を計測。〝パックメイト〟と〝スリムパック〟ともヌカ取り機構を搭載しているため、段階的にヌカを除去しながら計量する

-など。

7.アテックスが小型クローラ運搬車3型式を発売

小型クローラ運搬車にセルスターターを標準装備した「XG300LDME」「XG350DME」の2型式を追加発売するとともに、小型クローラ運搬車「キャピーmini XG303H」の販売を開始した。
 「XG300LDME」と「XG350DME」の主な特徴は、

  1. 三菱MiLAiエンジンを搭載。空冷4ストローク傾斜形横軸OHVガソリンエンジンで最大出力4.2馬力
  2. ワンタッチ三方向開閉式荷台を採用。横枠水平30度で固定可能。
  3. 小道具の持ち運び可能なメッシュカゴを付属
  4. 舟形クローラと可動転輪の採用により、低振動で滑らかな走りを実現。クローラ外幅は640mmとコンパクトな車体設計のため、畝間でも作業が可能

-など。


 キャピーminiの主な特徴は、

  1. コンテナが最大4個搭載可能。エンジンを最大出力4.9PSに変更し、さらに余裕のある作業性を実現した
  2. ハンドダンプを標準装備
  3. 可動転輪も標準装備で、走行時の振動が大幅に軽減
  4. 指クラッチを標準装備し、坂道など両手を離し辛い場所でのクラッチ操作が容易にできる

-など。

8.小橋工業がユーグレナの培養土を通販などでテスト販売

微細藻類ユーグレナを用いた培養土(肥料)のテスト販売を開始した。ユーグレナ(東京都港区)と共同開発を進めてきたもので、植物生育に有用との研究結果を確認したことから、「ユーグレナの培養土」として販売に至った。ユーグレナは、ユーグレナ粉末を麹菌に添加し食べさせることで麹菌を活性化、麹菌の生成する酵素量が向上することを報告しており、その実証研究をもとにユーグレナを堆肥や培養土に加えることで、植物の生育に有用な効果がみられる可能性を検証してきた(コマツナ、ミニニンジン栽培で確認)。
 培養土の主な特徴は、

  1. バーク堆肥を原料にユーグレナを加えた培養土
  2. ユーグレナの粉末の効果で野菜から花まで広い範囲で良好・丈夫な生育が期待できる
  3. 嫌なにおいがなくふわふわした形状で、室内の家庭菜園でも気軽に使える
  4. 培養土、使用堆肥について幼植試験、毒性試験を行い安全性を確認
  5. 使用堆肥は普通肥料登録済み

-など。

<業界短信8月>

1.ヤンマーアグリジャパンがホームページでオンラインEXPO

ヤンマーホームページ内に期間限定のオンライン農業機械展示会「YANMAR ONLINE EXPO2020」を7月1日より公開した(期間は2020年9月13日まで)。
 同社は、「このたびの新型コロナの影響により、例年通りの展示会開催が制限されることから、お客様がいつでもご覧いただけるオンラインEXPOを開催します。オンラインEXPOでは新商品やトラクター、コンバイン、野菜関連機器の商品紹介コーナー、また密苗コーナーや農作業安全コーナーなど様々なコンテンツを順次公開していきます」としており、7月15日には密苗・田植機コーナー、野菜関連機器コーナー、スマート農業コーナーを追加公開、20日にはネギ機械化体系ブースを追加公開した。スマート農業コーナーでは、自動運転技術「SMART PILOT」シリーズとしてICTを活用した作業効率化を図る最先端スマート農業機械を紹介。ロボットトラクター、オート田植機、防除用ドローン、自動操舵システムなどを見ることができる。

2.井関農機が愛媛大との研究協定を更新

愛媛大学との間で締結している研究連携協定「知能的食料生産システム」ならびに、寄附講座「植物工場設計工学(井関農機)」を4月1日付で更新したと発表した。同社と愛媛大学は、2005年に食料の安定供給に関する学術研究の振興と研究成果の地域社会活用の推進を図ることを目的として、研究連携協定「知能的食料生産システム」を締結した。この度、第3回協定の満了に伴い、第4回協定(2020年4月1日~2023年3月31日)として、同研究連携協定ならびに寄附講座を継続することとした。研究連携協定の趣旨は、農産物生産における情報化・ロボット化技術の研究開発拠点である愛媛大学と連携し、知能的食料生産システムの社会実装の早期化を図るとしている。
 同社は、「産学連携による地域産業の発展および人材育成、安全・安心な食料の安定供給と自給率向上に取り組んでまいります」としている。

3.サタケが今年も米品質診断でキャンペーン

米の品種や食味などを分析し品質を評価する米品質診断サービスパッケージ(コメドック、コメドックごはん)について特別価格で提供するキャンペーンを7月1日~12月25日まで実施する。
 主に玄米を対象とした米品質診断サービスパッケージ「コメドック」、主に白米を対象とした米品質診断サービスパッケージ「コメドックごはん」について昨年、特別価格で利用できるキャンペーンを実施したところ利用者から大きな好評を獲得したことから、さらにより多くの顧客に利用してもらい栽培や加工工程の改善につなげてもらうことを狙いに今年も実施する。継続利用により改善効果の確認やデータ蓄積に役立てるよう昨年利用したリピーターにはさらにお得な特別価格も設定されている。

4.オーレックが「九州農高川柳コンテスト」開催

九州の農業高校生を対象に、「わたしと農業」をテーマにした毎年恒例の川柳コンテストを開催。応募資格は、全国農業高等学校校長会九州支部に加盟する高校の生徒で、作品の応募は所属する学校を通じて受け付けている。グランプリ1句、準グランプリ2句、優秀賞8句(各県1句)、学校賞1校が表彰され、結果は今年9月3日(草の日)に、同社ウェブで発表する。
 2018年から始まった同コンテストも、今回で3回目を迎える。昨年は、九州各県の農業系高校44校、6611句の応募があった。農業高校生の日常や、農業への想いをつづった作品など秀作揃いで、入賞作品は同社ウェブで公開している。また、グランプリと学校賞については、10月10日に開催される「九州農業・水産高校収穫祭2020」の会場で表彰式を予定している。

5.JAグループのAgVenture Labが1周年記念イベント

一般社団法人AgVenture Labは1周年記念イベントを開催し、YouTubeで配信した。同ラボは全中、全農、農林中金などJAグループ全国連8団体がオープン・イノベーションを促進させ、農業と食と地域の暮らしに関わりのある社会課題の解決を目的として都内大手町に設立し、5月で1周年を迎えた。イベントではラボの年間活動報告やパネルディスカッション、祝賀メッセージなどが披露された。
 冒頭挨拶した農林中央公庫・大竹和彦代表理事専務は、withコロナの課題を解決するアイデアが集まるプラットフォームを目指すと語った。また、JA全農・山﨑周二代表理事は、人口減少とコロナ禍によりテレワークや地産地消、副業としての農業などが進み、これは昔からJAが担ってきたもので、JA及び農業はSDGsそのものだと述べた。しかしアライアンスが不可欠であることから、ラボで大いに挑戦し活躍することを願うと語った。

6.エム・エス・ケー農業機械の新社長に齊藤氏

7月1日付で社長が交代、新社長には齊藤良幸氏が就任した。齊藤氏は1968年9月1日生まれ、東京都の出身。1992年に三菱商事に入社。今回、タイのIST Farm Machineryの社長を経て同社社長に就いた。
 齊藤氏は、三菱商事に入社後、初めに担当したのがエム・エス・ケー農業機械のビジネスだったとふり返り、5年後には建設機械関連部署に異動となったが、中量販品ビジネスの基礎はすべて同社から学んだと述べ、「25年を経て自分のビジネスの原点であるエム・エス・ケーに戻ることができ、深い縁を感じるとともに、大変うれしく思っている」とコメントした。また、様々な環境変化や現下のコロナ禍の影響により、変化はさらに加速化していくと展望しつつ、「一貫して取り組んできた良質なサービスをお客様に提供することに磨きをかけ、当社の機能を棚卸して、環境の変化を先取りした新たな機能を身に着けることにより、お客様と同じ夢を共有し日本の農業の未来を共に切り拓いていく頼れるパートナーであり続けたい」と陣頭指揮に立つ意欲を示した。

7.キャニコムが福岡県うきは市と立地協定、新工場設立へ

福岡県うきは市に建設予定の新工場「演歌の森うきは」の設立に向け、福岡県及びうきは市と立地協定を締結した。締結にあたり福岡県小川知事は「福岡発の高品質で安心安全のものが広く愛され、親しまれること、そして地域に雇用が生まれ、経済がより活性化することを期待しています」、また、うきは市高木市長は「(キャニコムの)経営戦略ビジョンの海外展開100カ国に向けて、この新しい工場『演歌の森うきは』で更に世界に飛躍する企業へ成長していただきたいと願っています」とそれぞれコメントを発表した。同工場は来年秋からの稼働を予定し、ラジコン大型草刈機や自動走行技術によるロボット草刈機、大型産業用運搬車などを生産する。また、効率的な空間と最新設備で顧客の要望にタイムリーに対応する体制作りも目指す。個性的な工場名は、同社の精神である「ものづくりは演歌だ」と「すべてはお客様のために」という2大テーマと、うきは市への感謝を込めて命名した。
 また、15日には福岡県うきは市に建設予定の新工場「演歌の森うきは」の起工式を実施した。式には、福岡県の小川知事、うきは市の高木市長、久留米市の大久保市長の他に関係者約60名が出席。起工式の後は、自社製品のデモンストレーションや、新工場の設備などを紹介した。

8.JA全農がBASFデジタルファーミングと協業

JA全農とドイツのBASFデジタルファーミング社が、AIを活用した栽培管理支援システム「xarvio FIELD MANAGER(ザルビオ フィールドマネージャー)」を、2021年4月に日本で上市することを目指して協業を開始したと発表した。「ザルビオ フィールドマネージャー」は海外では2017年にサービスが開始されており、2020年で世界15カ国・300万ha以上で使用されている。各圃場の土壌や作物の品種特性、気象情報、人工衛星からの画像などをAIが解析して、作物の生育や病害・雑草の発生を予測、最適な防除時期や収穫時期等を提案する。いつ、どのような作業が必要かを圃場ごとに把握できるため、効率的な栽培管理計画を作ることが可能になる。
 今年度は、全国135カ所での実証試験を行い、大規模生産者や公的試験場、JA、県連、全農がシステム機能を確認するとともに、同システムの最大の特長であるAIを日本の栽培方法により適した仕様とするための改良を進めていく。来年4月には「水稲」、「大豆」を対象にサービスを開始し、その後も対象作物を増やす予定。

9.JA全中の新会長推薦者に中家氏

役員推薦会議を開き、8月20日に任期満了を迎える役員の改選に向け、新会長推薦者を中家徹氏に決定した。JA全中会長の選出にあたっては、会長候補者が2名となったことから、6月18日から7月3日までJA全中代議員(定数253名)による投票を行い、開票の結果、役員推薦会議が中家徹氏を推薦したもの。投票では中家氏は157票という過半数の票を得た。今後、8月20日にJA全中通常総会が開催され、役員が選任される。
 中家氏は所信にて、農協人として半世紀、全中会長として3年の間に培ってきたもの全てを投入し、JAグループの「協同の力」を結集させ、この難局を乗り越えられるよう、

  1. 准組合員の事業利用制限阻止
  2. 食料安全保障の確立、国民理解の醸成
  3. JA経営基盤の確立・強化

-に取り組み、会員からの声を真摯に受け止め、全中の不断の改革を進めるとしている。

10.井関農機の2019年特許査定率が全産業中1位に

特許の日本における分野別登録数で、2019年「その他の特殊機械分野」の登録数で同社が第1位になったことを明らかにするとともに、特許査定率(特許査定件数/(特許査定件数+拒絶査定件数+取下・放棄件数)では97.7%で全産業中第1位になったと発表した。
 同社は、これまで「その他の特殊機械分野」では2000年~2017年まで第1位、2018年は第2位、特許査定率では「全産業中」2004年~2010年が第1位、2011年第2位、2012年~2017年第1位、2018年第2位の実績を示しており、「当社の日本における特許出願の分野別登録件数の多さや高い特許査定率は、新しい技術の開発、投入、実用化に積極的に取り組んできた技術開発の証し」とし、今後も、知的財産を重視した事業活動に取り組んでいく、としている。

11.クボタがゴルフ場で土改材の実証試験

東急不動産ホールディングスグループの石勝エクステリアと連携し、石勝エクステリアが管理しているゴルフ場において、鋳物製造工程の副産物由来の土壌改良材の有効性について実証実験を行っていると発表した。水道インフラの整備に欠かすことができないダクタイル鉄管の製造で生じる副産物を緑化用・農業用の土壌改良材の原料として利用促進することで、循環型社会の形成と緑化に貢献することを目指す試み。ゴルフ場のグリーンに土壌改良材を散布し、芝の葉面状況や葉色、耐久性、根の張りかた、葉の数などを分析する。
 同社は循環型社会の形成に向け、資源の有効利用や省資源化の取り組みに加え、廃棄物のリデュース(発生量の削減)、リユース(社内再生・再利用)、リサイクル(再資源化率の向上)の取り組みを進めている。このたび、その一環として、水道インフラの整備に欠かすことができないダクタイル鉄管の製造で生じる副産物を緑化用・農業用の土壌改良材の原料として利用促進することで、循環型社会の形成と緑化に貢献することを目指すとしている。

12.井関農機がISEKIレポート2020発刊

ISEKIレポート2020を発刊した。同レポートは、株主・投資家をはじめ幅広いステークホールダーを対象に、井関グループの企業価値向上に向けた取り組みをわかりやすく伝えることを目的に毎年発刊している。
 表紙のイラストには、今回はロボットトラクターと人工衛星が登場し、スマート農業の展開に対応する同社の意気込みを示している。巻頭には「井関グループの7つの誓い」「企業理念」「社是」を置き、「豊かで、持続可能な社会の実現へ貢献する」ことを表明している。この中で冨安社長は、2025年に創立100周年を迎えるとしたうえで、「新型コロナ感染症の拡大により、世界中の人々の暮らしや働き方が一変。収束後もすべてが元に戻るのではなく、これまでとは異なるニューノーマルへの対応が求められる」とし、井関グループは今まで以上に「変革」を進め、100周年その先にも「なくてはならない企業」を目指すと決意を披歴している。

13.オーレックのグリーンラボ福岡がいちごスムージーを期間限定発売

オーレック グリーンラボ福岡では「完熟いちごのスムージー」を期間限定発売している。素材のイチゴは、自社栽培したものを使用し、無農薬米から作った甘糀とライスミルクをブレンド。甘酸っぱくさわやかなドリンクに仕上がっている。イチゴの栽培は、同社の創業地でもある久留米市の旧工場に「完全人工光型植物工場」を建設し、農薬不使用で行っている。完全人工光型では栽培事例が少ない一季成り(冬から春にかけて実が成る)のイチゴで、グリーンラボ以外にも、近隣の洋菓子店などに販売している。
 グリーンラボ福岡は、昨年10月31日に同社のブランド発信拠点としてオープン。1階のカフェでは、ライスミルクを使用した「お米ラテ」や、それに無農薬煎茶を加えた「お米ラテ 煎茶」そしてオーガニックコーヒーなど、自然派のオリジナルドリンクが並ぶ。

14.スズテックが枝豆播種機で栃木県フロンティア企業に認証

栃木県が募集する「栃木県フロンティア企業」の認証を授与された。6月1日付で認証され、昨年に引き続き5度目の授与となる。今回の認証技術製品名は「枝豆オートセルトレイ播種機『STH5ME-128/200』」。認証期間は令和5年5月までの3年間。
 同製品は、販売を目的として枝豆を栽培している販売農家のニーズに対応。従来機の播種機能に穴を開ける鎮圧の機能を追加したことにより、人手作業を軽減させ省力化を向上させた。鎮圧→播種の工程にリバース機能を採用し、作業者がセルトレイにのせた位置に播種が終わったセルトレイが戻ってくるため、作業者の労力の軽減や機械の小型化が図られている。供給量の約半分を輸入でまかなう枝豆の国産化率向上に貢献することを目指している。

15.日本農業機械工業会が上期部会統計を発表

令和2年1~6月の日農工統計(部会統計)をまとめた。それによると、今年上半期の農業機械出荷実績は1959億6500万円、前年同期比82%と減少した。国内向けには動力噴霧機、刈払機が増加、輸出向けにはコンバインが伸びた。今年1~6月の出荷金額は、国内向けが1164億7800万円、前年同期比80.3%、輸出向けが794億8700万円、84.6%と2割近い減少となっている。
 国内向け出荷実績を機種別台数ベースでみると、トラクターは全体で1万5746台、同70.1%。クラス別では20PS未満が2954台、77.6%、20~30PSが5854台、81.8%、30~50PSが3800台、68.7%、50PS以上が3138台、52.5%と大型が大きく落ち込んでいる。乗用田植機は1万2153台、85.3%となった。