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農業機械関連ニュース

令和2年6月11日発行

<業界短信-新製品5月、6月>

  1. 三菱マヒンドラ農機がラバータイプディスクハローを発売
  2. 井関農機がスマート追肥システムを発売
  3. やまびこが自走式ロボット芝刈機を発売
  4. オーレックが新ラビットモアーを発売
  5. タカキタがライムソーワタイプの「Mixソーワ」発売
  6. 井関農機が片ブレーキ警告装置を発売
  7. 大竹製作所が中耕除草機専用アタッチメントを発売
  8. みのる産業が白ネギ用除草剤散布機を新発売
  9. 松山が汎用高速播種機を新発売
  10. 松山がスライドモア「TDXシリーズ」を新発売
  11. IHIアグリテックがコロナ対策に簡易陰圧テントを開発
  12. 山本製作所がAI機能搭載汎用遠赤乾燥機など3機種発表
  13. KOBASHI ROBOTICSがハイブリッドドローンを試作し発表

<業界短信5月、6月>

  1. ヤンマーホールディングスが事業会社の役員体制発表
  2. 井関農機がつくばみらい市とスマート農業推進で連携協定
  3. 三菱マヒンドラ農機が組織変更し営業戦略を強化
  4. やまびこが新経営陣容を決定
  5. 小橋工業がものづくり企業を支援する新会社を設立
  6. 田中産業のブルームが豊中市の納税返礼に
  7. クボタが農機シェアリングサービスで試験運用
  8. ヤンマーホールディングス、ヤンマーアグリが人事と組織変更
  9. サタケが自社製の簡易検温装置を技術本部に設置
  10. 日本農業機械工業会がトレーラ付きトラクターの公道走行でガイドブック作成
  11. 農機業界団体が総会を書面開催
  12. JA全農が令和2年度事業計画
  13. クボタが米スタートアップ企業・ファームエックス社に出資
  14. サタケが現場若手社員の奮闘VTR制作
  15. ササキコーポレーションが超耕速シリーズ体感会
  16. JA全農の農機サービス士認定、元年度は1級9人、2級20人が合格
  17. JA全中がJAグループの自己改革の方向示す
  18. 本田技研工業が感染者の搬送車両を提供
  19. やまびこが青梅市に防護マスクを寄贈
  20. JA全農のZ-GISが作物診断サービスと連携
  21. ヤンマーアグリが安全フレーム未装着トラクターを無料で簡易点検
  22. 日本農業法人協会が農業法人への就職斡旋
  23. 日本農業法人協会の山田会長が黄綬褒章を受章
  24. タカキタが2020年3月期決算発表
  25. クボタが2020年12月期第1四半期連結業績
  26. 本田技研工業が2019年度決算を発表
  27. やまびこが2020年12月期第1四半期決算
  28. クボタがオランダのスタートアップ企業と提携
  29. ササキコーポレーション、ニンニクハーベスタなど優遇税制の対象機が拡大
  30. キャニコムが福岡空港で自律走行草刈機の実証実験
  31. JA全農が農機セルフメンテナンス動画をホームページに掲載
  32. クボタが新型コロナ感染防止へ、医療機関や自治体を支援
  33. 井関農機が2020年12月期第1四半期業績
  34. 三菱マヒンドラ農機が新体制を発表
  35. 井関農機が田植機「さなえ」誕生50年を記念し特設ページ開設
  36. JA全中が新型コロナウイルス対策の事例まとめる
  37. JA全中がSDGs取組方針を決定

<業界短信-新製品5月、6月>

1.三菱マヒンドラ農機がラバータイプディスクハローを発売

インド・マヒンドラ傘下のヒサルラー社(トルコ)が製造する「ラバータイプディスクハロー」3機種(作業幅2400/2800/3200mm)を輸入・販売。畑はもちろん水田の耕起作業にも適応でき、複合作業による時間短縮と作業効率化を実現した。適応トラクタ馬力は81.1~101.5馬力(60~74.5kW)。「ディープチゼル」に続くヒサルラー社製作業機の第2弾。同機は、播種・移植床の粗整地や鎮圧作業はもちろん、一度に「切る・刻む・混ぜる・砕く・均す」の作業を素早く行え、収穫後の残渣などを切断混和することで有機物のスムーズな分解を促す。
 主な特徴は、

  1. 浅耕、播種床の準備、除草、肥料・堆肥の混和、表層の固い土を破砕、作物残渣・緑肥のすき込みを一度に高速で行え、作業効率の向上に大きく貢献
  2. 従来に比べ、短時間で広い面積を耕起できるので、規模拡大のサポートや人手不足の問題解決にも一役買う
  3. PTOを使用しないので、大幅に燃料を節約でき、コスト低減につながる
  4. 作業速度を変えることで、仕上がりを変えることができ、下層と表土の効果的な混合を実現。根張りを弱める耕盤層を作りづらい

-など。

2.井関農機がスマート追肥システムを発売

乗用管理機「JKB23」(キャビン仕様)用の作業機「スマート追肥システムIHB200LX-SET」の販売を開始した。稲の生育量をセンシングして、追肥量を制御する業界初の乗用管理機で、受注生産している。同機は、レーザー式生育センサ「CropSpec」(トプコン製)で稲の生育量を測定し、その生育データに基づきリアルタイムに最適量の施肥(追肥)を計算することで、自動で可変施肥する。
 主な特徴は、

  1. 左右独立制御により、きめ細かな可変追肥が可能。これにより、目視による従来の経験や勘に基づく作業よりも、高精度な追肥作業を可能にし、収量の向上と品質の安定に効果を発揮
  2. 生育測定はブームタブラーの機体前方のレーザー式生育センサで取得。散布作業前に設定する生育状況と散布量のパラメータ(処方箋)により、作物の生育に合わせた最適量の追肥ができる
  3. 施肥量を制御することで1枚の圃場の生育を平準化し、稲の倒伏軽減につながる。生育の平準化と倒伏の軽減は、品質の安定化につながり、収量の向上が期待でき、収穫作業の効率化やコンバインの故障原因防止につながる

-など。

3.やまびこが自走式ロボット芝刈機を発売

かねてより各地でモニターを進めていた、ワイヤーを埋設することで設定した作業領域内を完全自動で作業するロボット芝刈機“エコーロボティクス”「TM-2000」の発売を開始した。同機は、芝地(グランド・公園・ゴルフ練習場・工場緑地など)に埋設したワイヤーに電気を流すことで生じた磁場を作業領域と認識し、その領域内をランダムに走行して芝刈り作業を行う。また、動力源となるバッテリー残量が少なくなると、自ら充電場所に戻り、充電後に作業を再開する。完全自動化により、現場作業者は不要となる。管理最大面積は2万4000平方m(一般的なサッカーフィールド2面分以上)。
 主な特徴は、

  1. 昼夜を問わず24時間作業
  2. 連続的な刈り込みで美しい芝を実現
  3. 先進のガイダンスと各種の安全装置を完備
  4. 自動でステーションに移動して自己充電
  5. 作業管理に合わせて運用可能
  6. 各種の安全装置を装備
  7. 自動運用のスケジューリングが可能

-など。

4.オーレックが新ラビットモアーを発売

乗用草刈機シリーズの新製品「ラビットモアーRM984」を発売した。同製品は、2016年のブランドリニューアル時のコンセプトモデルをベースに、「草と共に生きる」という同社のテーマを反映した「ONEシリーズ」。機能美を追求するスタイル、親和性(現場に道具としてなじむこと)をコンセプトにした新シリーズで、機体はコーポレートカラーのハーモニックグリーンと白を基調に、自然に馴染むよう設計されている。
 主な特徴は、

  1. 使用者の声を反映し、快適性や安全性などの機能を向上させ、座席のクッション性を高めるためシートサスやフロントサスを改良
  2. 切替式のオートクルーズ機構を備え、乗り心地の良さを追求
  3. クラス初のデジタルインジケーター搭載により、バッテリー残量など機械の状態が一目で確認でき、安全性やメンテナンス性を高めた
  4. 全長をコンパクトに設計し、最小半径は1.95mと小回りに優れている

-など。

5.タカキタがライムソーワタイプの「Mixソーワ」発売

化成肥料はもちろんコンポスト・鶏ふん・米ぬかなどの有機肥料の混合散布が可能なライムソーワタイプの「Mixソーワ」(型式はMX1600)を新発売した。有機肥料は含水率20%以下に対応する。作業幅は160cm、最大積載容量は270L、作業能率は11~21分/10a。
 主な特徴は、

  1. 化成肥料はもちろんコンポスト・鶏ふん・米ぬかなどの有機肥料の混合散布が可能なライムソーワタイプ
  2. 混合時間は1分以内、混合アーム4本を搭載しムラなく混合できる
  3. 散布用の繰り出しアジテータと混合アームの作用により精度の高い均一散布ができる
  4. 電動開閉シャッターを標準装備しており、コントローラにより手元で開度調整が手軽に行える
  5. 散布口のシャッターはトラクターのPTO回転の「入・切」に連動して自動開閉する
  6. センター駆動方式を採用することで両サイドの構造がシンプルになり、機体幅が1690mmのため1800mm間口のハウスの出入りも可能
  7. 移動に便利なキャスタ付きのスタンドが標準装備

-など。

6.井関農機が片ブレーキ警告装置を発売

農作業死亡事故の占める割合が高い乗用トラクターの転倒・転落事故のリスク低減を目的に、従来の「左右ペダル非連結表示」に加えて、走行時に左右のブレーキペダルが連結されていないことをブザー音で警告する「片ブレーキ警告装置」を発売し、装着の促進を図るためのキャンペーンを実施する。「片ブレーキ警告装置」を後付けし、視覚と聴覚の両方からブレーキの連結忘れを警告する。キャンペーン実施期間は、2020年6月~12月末(取付けは2021年春作業前までに順次実施予定)。
 同社では、トラクターの死亡事故の最大の要因が転倒・転落事故であり、左右のブレーキペダルの連結忘れが事故原因のひとつになっていることから、「片ブレーキ警告装置」を装着することで、小型トラクターの転倒・転落事故のリスクを低減させるとしている。キャンペーン内容は、走行時、左右のブレーキペダルが非連結の状態でアクセルペダルを操作した場合に、ブレーキペダルが連結されていないことをブザー音で警告する片ブレーキ警報装置を発売し、小型トラクターへの装着の促進を図るためのキャンペーンとなっている。

7.大竹製作所が中耕除草機専用アタッチメントを発売

水田中耕除草機MJ-3(3条)専用アタッチメントは、田植機の植え付け条数に合わせた作業が可能で、稲作初期に必須となる初期生育を旺盛にする中耕・除草作業の省力化・効率化に貢献している。水田を撹拌することで、分けつを促進、有効茎数を早期確保、地温を高め、開張型の稲を育てる、悪性のガスを抜き、新鮮な酸素を地中に供給、施肥効果を高める、除草剤に抵抗力のある雑草の除草-など、初期生育を旺盛にする中耕・除草効果が得られることから、同社では中耕除草作業シーズンを前に、積極的な拡販に注力。同機の利点をアピールしている。
 MJ-3専用のアタッチメントとしては、5条アタッチメント=AT5と、7条アタッチメント=AT7を取り揃えた。また、ロータ間に追加ロータを加えることにより、除草剤が認可されていないイネ科のマコモダケ(真菰筍)の中耕除草作業にも活用できる。ロータを隙間に挟み、端の分草板を残すだけでマコモダケに対応可能だ。

8.みのる産業が白ネギ用除草剤散布機を新発売

新製品の白ネギ用除草剤散布機「FZ-20」を発売した。背負式動力噴霧機や背負式バッテリー噴霧機に装着して使用するもので、4枚のカバーで白ネギへの除草剤の飛散を防ぎ、非選択性除草剤を撒くときの手間を解消。2畝同時散布により高い作業能率を実現した。白ネギは雑草が発生すると除草剤を撒く面積が広くなり、労力と時間がかかり、非選択性除草剤を撒く場合は噴霧機に飛散防止カバーを取付け、白ネギに除草剤がかからないよう手間がかかるが、新製品はこの問題を解決した。
 主な特徴は、

  1. ネギを移植してから土寄せを行うまでの初期除草で使える 2.
  2. 「みのる調節噴口」を装備。そのため通常の霧噴口より除草剤の飛散が抑えられ、移動が容易な前進散布を行える 3.
  3. 白ネギへの除草剤の飛散を4枚のカバーで防ぐ。カバーは溝深さや条間などに合わせて、幅と高さの調整ができる 4.
  4. 2畝同時散布のため作業能率が高い。加えて畝数が奇数の場合は、三方コックにより1畝散布もできる 5.
  5. 手持ちの噴霧機と接続して使える。噴霧圧力が1MPa以上あれば、背負式の動力噴霧機でも使える

-など。

9.松山が汎用高速播種機を新発売

6月から「ニプロ汎用高速播種機NSX800」(愛称は「ヒカリシーダー」)を受注生産で発売。米の乾田直播作業、麦・大豆等の溝切り・施肥播種・播種・覆土などが高速で行え、作業速度は毎時2.0~10kmとしているが、「条件により毎時10km以上の高速施肥・播種作業が可能」としている。適応トラクターは60~120馬力、作業能率は3.3~16.7分/10a。肥料300L、播種90Lの大容量ホッパーを装備しており、肥料、種の投入回数を減らすことで作業の効率化を図ることができる。
 水田作業は担い手による規模拡大が進み、さらなる効率化が求められている。このニーズに応える施肥・播種機として開発した。
 主な特徴は、

  1. 肥料をブロードキャスタで散布する場合は、仕切り板により播種の容量を370Lにすることが可能。肥料、種は投入ステップを設け、作業がやりやすい
  2. 繰出し部はモーター駆動で確実に繰り出す
  3. AG-PORT付きトラクターにセットすることで車速連動となるのでより高精度な施肥播種が可能
  4. 一体型のタンクは施肥部、播種部のメンテナンスがしやすいように持ち上げが可能
  5. タンクに残量計がつき一目で肥料、種子の補給のタイミングがわかる。また残量が少なくなるとブザー音で知らせる

-など。

10.松山がスライドモア「TDXシリーズ」を新発売

ニプロスライドモア「TDXシリーズ」を発売した。雑草の細断、緑肥の細断、稲2番穂の処理、高刈りした麦の麦稈の処理など多用途に利用できる管理用機械。同シリーズは作業幅が143cmのTDX1400と163cmのTDX1600があり、適応馬力は50~100馬力。
 トラクターの外部油圧を利用してオフセット作業、上方及び下方の法面作業が可能になる。らくらく高さ調節機能で圃場に段差があってもトラクターのポジションレバー操作で作業部を地面に追従させることが可能となっており、トラクターのトップリンクの調整が不要。爪は耐久性のあるフレール爪を標準装備している。またシャックルを介してカッティング軸に取り付けることで、石等の障害物に当たっても爪、カッティング軸にダメージを与えない構造となっている。
 主な特徴は、

  1. 日農工標準3点リンクに対応
  2. 外部油圧で右オフセット最大270cm(TDX1600)。上に70°、下に55°の範囲で無段階に調整可能
  3. キャスター付きスタンドを標準装備
  4. ワンウェイクラッチにより慣性による押し出しを防止する安全設計
  5. ワンタッチ装着が可能

-など。

11.IHIアグリテックがコロナ対策に簡易陰圧テントを開発

環境プロジェクト部が供給する「オゾンエアクリアeZ-100」は、新型コロナウイルス禍で販売実績が大幅に伸びるとともに、納入先も主力の医療機関から学校関係、老健施設、公共施設から一般店舗へと拡大している。同機を用いて室内に陰圧下での隔離エリアをつくることができる「簡易陰圧テント」を開発、販売を開始した。同テントは、陰圧隔離テントの条件となる、空気循環回数=12回以上/時や、差圧(陰圧度)=2.5Pa以上(米国FDA基準)を満たし、陰圧室を備えていない、あるいは不足状態にある病院でも簡単にその環境を整えることができる。重量は13kg、組み立て所要時間は女性2人で15分程度。設置し運転開始まで30分以内。
 主な特徴は、

  1. 飛沫感染対策=空気清浄機能で室内の空気を常にクリーンに保つ
  2. 接触感染対策=オゾンガスを放出するオゾン燻蒸機能で室内のドアノブ、手すり、電気スイッチなど、隅々まで除菌
  3. 隔離対策=有事には簡易隔離テントとの組み合わせで陰圧下による隔離環境をつくることが可能

-など。これらの役割を果たし、新型コロナウイルスその他の感染防止に寄与する。

12.山本製作所がAI機能搭載汎用遠赤乾燥機など3機種発表

AI機能を搭載した遠赤乾燥機“ウインディ ビルド”の汎用タイプ「HD-VAMシリーズ」6型式、色彩選別機“カラレックス”「YFG-2300K」、大豆自動計量機“ビーンパック”「ASD-3DV」を発表、遠赤乾燥機と色彩選別機は6月より、大豆自動計量機は9月より本格的な発売を開始することを明らかにした。
 「VAMシリーズ」は、業界初となるAIを搭載した“ウインディ ビルド”の汎用機としてラインアップを拡充。使いやすさと高品質化を追求。色彩選別機「YFG-2300K」は、新たに8つの特徴を追加。大豆自動選別機「ASD-3DV」は、樹脂タンクを採用し、軽量化を図った。
 VAMシリーズの主な特徴は次の通り。

  1. 穀物種類の変更時に、風胴内部の掃除が簡単にできるよう、風胴部に大きな点検・掃除窓を採用
  2. 作付け増加傾向にある子実コーン乾燥の標準搭載
  3. 残留掃除の開閉操作を工具を使用しないで残留掃除が行える、工具レス化を図った

-など。

色彩選別機〝カラレックス〟の主な特徴は次の通り。

  1. エアエジェクタバルブに応答性に優れたピエゾバルブを採用し選別時の精品ロスの低減を実現
  2. 光学部に新たに採用した4色LEDと独自の画像処理技術により、選別精度が向上
  3. 搬送部や駆動部に強化部品を使用

-など。

13.KOBASHI ROBOTICSがハイブリッドドローンを試作し発表

小橋工業グループのKOBASHI ROBOTICSは、エアロジーラボ、リバネス、成光精密の各社とハイブリッドドローンの試作から量産までの製造体制構築に関する業務提携を行った。開発・製造したドローンについては、岡山県和気町で実証実験を行うことにしており、エアロジーラボ社が開発した純国産の試作初号機「Aerorange pro」の記者発表会をリバネスの大阪本社で催した。新たに開発したハイブリッドドローンは、エンジン発電機とバッテリーを搭載することにより、最大飛行時間180分、最大飛行距離120km、最大ペイロード10kgとし、一般的な機体と比べて3~4倍の長時間飛行が可能。
 これからの量産化に向けては、製造プラットフォームの構築を支援するリバネス、試作を主導した成光精密、量産化を見据えたものづくりの各工程を包括的に支援するKOBASHI ROBOTICS、エアロジーラボの4社で製造体制を築き、従来、縦割りのプロセスごとに異なる事業者の個別最適化で、社会実装化までに多くの時間とコストがかかっていた〝スタートアップの量産化の壁〟という課題を解決していくとしている。

<業界短信5月、6月>

1.ヤンマーホールディングスが事業会社の役員体制発表

6月22日開催予定の同社定時株主総会終了後の新執行体制を内定するとともに、4月1日付でヤンマーを会社分割し組織変更した新会社の執行体制を明らかにした。ヤンマーホールディングスでは、取締役に長田志織氏、大川雅也氏、浜口憲路氏、平岡明彦氏が就任する。6月22日開催予定の定時株主総会終了をもって、取締役の鈴木岳人氏は退任し同社相談役に、吉川滋氏は退任しテクニカルアドバイザーに就任する予定。ヤンマーパワーテクノロジーの代表取締役社長には、田尾知久氏、ヤンマーグローバルCSの代表取締役社長には柴田研吾氏、ヤンマーグローバルエキスパートの代表取締役社長には新村誠氏が就任した。また、新設のヤンマーマルシェの代表取締役社長には山岡照幸氏が就いた。

2.井関農機がつくばみらい市とスマート農業推進で連携協定

茨城県つくばみらい市と「先端技術を活用した農業(スマート農業)の推進に関する連携協定」を締結することで合意し、つくばみらい市役所伊奈庁舎で、その連携協定締結式を行った。市によると、農機メーカーと市がこうした連携協定を結ぶのは、茨城県下ではつくばみらい市が初となる。
 井関農機は、先端技術を活用した可変施肥田植機、収量センサ搭載コンバインに加えて、水量管理の水田センサ、人工衛星によるセンシングを組み合わせて、作物の収量・品質を維持向上させるスマート稲作体系を確立し普及させることで儲かる農業を実現する。
 令和2~3年度は水稲作の取組みを行う。2年度は、田植え後、分けつ初期から出穂期まで稲作農家にとって作業の大きなウエイトを占める水管理の省力化のために、市内の10農業経営体のほ場で水田センサを活用した水管理システムによりデータを収集する。また人工衛星からのほ場センシングによる水稲生育状況の把握や収穫作業の合理化の検証については、10ha以上の水稲耕作面積のある15経営体程度を市が公募して情報を提供する。3年度は、2年度の成果に基づいたデータを活用し、水管理体系を導入する。

3.三菱マヒンドラ農機が組織変更し営業戦略を強化

組織変更並びに人事異動を行い発表した。それによると、組織変更では、今後さらなる営業戦略の浸透と実施強化を図るために、営業戦略統括部と三菱農機販売の販売企画機能を営業戦略部(国内営業部から改称)に統合。また効率管理を図り責任とレポートラインの明確化を目的として、各機能に対応した課を新設した。さらに、部品部を営業戦略統括部に編入し、営業ラインの集約を図り、国内外チャネルでの販売拡大に取り組む。三菱農機販売の役員体制変更では、西日本支社長に松尾秀二氏、東北支社長に岩舘光博氏が就いた。
 組織変更の概要をみると、営業戦略統括部では「国内営業部」を「営業戦略部」に改称。三菱農機販売㈱の販売企画機能を統合し、国内営業の戦略企画及び管理の体制強化を図る。営業戦略部では「営業企画課」を設置。販売戦略、企画機能と「営業管理課」の業務、広告宣伝を集約統合し、国内営業の事業計画・販売戦略・広告宣伝を統括的に行う。また、「販売推進課」を設置。販売戦略実行、地域・チャネル別へのきめ細かな対応を行う。部品部は営業戦略統括部に編入。

4.やまびこが新経営陣容を決定

第12回定時株主総会において役員の選任を行い、その後の取締役会において経営陣容を決定した。新任の取締役に久保浩氏が就任、また、新執行役員にやまびこヨーロッパ・エス・エイ副社長の西尾良平氏、管理本部人事部長の安田一範氏が就いた。取締役常務執行役員・高橋功氏、上席執行役員・原田均氏は3月27日をもって退任した。

5.小橋工業がものづくり企業を支援する新会社を設立

新会社KOBASHI ROBOTICSを設立したことを明らかにした。新会社は、ものづくり企業が全工程で抱えている課題を解決・支援することで、そのアイデア・コア技術がより早く社会実装へ移行し、ひいては日本のものづくり産業の変革に寄与していく役割を担うとしている。同社は、ものづくりを始めようとする企業に対して、試作開発から量産・メンテナンスまでのものづくり各プロセスを包括的に支援する“次世代型ものづくりプラットフォームサービス”を開始する。
 内容については、試作・調達・物流・メンテナンスなど、メーカーとしてコバシが100年以上培ってきたノウハウ・リソースを提供し、各企業の製品化のリードタイムを短縮してアイデア・コア技術のより早い社会実装をサポートするほか、最小ロット1個の試作から量産まで、製品開発のスペシャリストが伴い、また、製造管理体制も支援。さらに大学・研究機関、スタートアップ企業、町工場と積極的に連携するなど、ものづくりネットワークを活用して始業を進めていくことを特徴に掲げている。

6.田中産業のブルームが豊中市の納税返礼に

新ブランド「Bloom」(ブルーム)のゴアテックス製品を発売した。これは、従来の透湿・防水機能に伸縮素材を多用したことによるフィット性、快適性を加え、さらにデザイン性、視認性の高さから、農林業界はもとより、幅広い産業界あるいはアウトドアライフを楽しむ一般消費者までをターゲットとして、今後大きな需要を生み出していく期待の新規衣料製品。そして発売と同時に、4月から地元豊中市のふるさと納税返礼品に採択され、2つの納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」「ふるぽ」にも掲載されている。
 返礼品採択期間は2021年3月31日まで。豊中市のブランドロゴを入れた製品が供給される。同社は、「Bloom」の製品の付加価値づけや話題になるとして、すでに各メディアを通じて進めている「Bloom」の知名度アップ、訴求力に期待を寄せている。

7.クボタが農機シェアリングサービスで試験運用

岡山県東部及び千葉県・茨城県の一部地域において、「農業機械の所有者」と「一時利用を希望する方」とをマッチングするシェアリングサービスの試験運用を実施する。この試験運用を通してお客のニーズや運用上の課題等を抽出・検証し、今後のシェアリングサービスの事業化を検討していく。所有者が使用しない時期の農業機械や、離農者の遊休機械などを一時利用できる仕組みを提供することで、より多くの方の農業への参入や規模拡大の後押しとなるのではないかと考え、今回の試験運用では対象とする地域、および参加する農業機械の所有者を限定した上で、農業機械の所有者、一時利用者双方のニーズ、利用前後のメンテナンスや運送等に関する課題の抽出と検証を行い、本サービスの構築に向け準備を進めていく。
 試験運用の概要は、実施時期は2020年4~7月 (第一期)、同9~11月(第二期)。対象機械はクボタ製トラクター、コンバイン、田植機。農業機械所有者、利用希望者のマッチング、利用料の受渡し、損害保険の手配、機械整備等のサービス提供などを内容としている。

8.ヤンマーホールディングス、ヤンマーアグリが人事と組織変更

ヤンマーホールディングス主要人事の発表によると新執行役員に、YANMAR MARINE INTERNATIONAL社長の北村太郎氏、社長室食事業推進室長の山岡照幸氏、ヤンマーパワーテクノロジー代表取締役社長の田尾知久氏、ヤンマーグローバルCS代表取締役社長の柴田研吾氏が就いた。
 また、ヤンマーアグリは組織体制の変更並びに役員人事を行い発表した。組織体制変更では、「事業部体制」から「機能別体制」に変更し、開発・生産・品質保証の機能を「開発統括部」「生産統括部」「品質保証部」に移管し集約。国内事業部・海外事業部を営業・サービス機能に特化した「国内統括部」「海外統括部」に再編。また、国内・海外統括部門の機能強化として、国内統括部の管轄下に「農機推進部」「系統推進部」を設置。海外統括部の管轄下に「営業企画部」「農機推進部」「サービス推進部」を設置した。役員人事異動では、新取締役に鈴木哲也氏と平岡明彦氏が就任した。

9.サタケが自社製の簡易検温装置を技術本部に設置

社員の新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ施策のひとつとして社内に赤外線カメラを使った自社製作の「簡易検温装置」(サーモグラフィー)を設置した。サーモグラフィーは広島本社社内でも社員の密集度が比較的高く、また製品開発に携わるため在宅勤務が難しい技術本部のフロアの入口に設置し、入室時などに社員が自主的に検温する。赤外線カメラの前に顔(額)をかざして計測。1秒で正常体温の青色、約37度Cで注意喚起の黄色、それ以上は高熱と判断し、赤色でパネル画面上に診断結果を表示する。
 すでに技術本部では、社員の自宅での検温実施状況管理のほか、入室を1か所に制限、定期的に窓を開放し空気の入れ替え、入退出時に手のアルコール消毒を行うなどの予防策を実施している。今回新たにサーモグラフィーを設置することで社員は自分の体調の変化を早期に発見できるようにした。

10.日本農業機械工業会がトレーラ付きトラクターの公道走行でガイドブック作成

農耕作業用トレーラ付きトラクターの公道走行ガイドブック(農機販売店向け)を作成し、ホームページに掲載した。運転免許や灯火器類の装備、分離時の連結維持構造などを記載している。内容の一部をみると、運転免許関係は、農耕トラクターの寸法が全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下(安全キャブや安全フレームの高さ2.8m以下)、かつ最高速度15km/時以下の場合は、小型特殊免許(普通免許等、原付免許以外)。これらの寸法または運行速度15km/時をひとつでも上回る場合は大型特殊免許(農耕用に限る、も含む)が必要となる。
 分離時の連結維持構造は「その他」の、基準緩和項目にはないが特に留意すべきこととして記載されており、不意に連結装置(ドローバー等)が分離したときにあっても農耕トラクタと農耕作業用トレーラの連結を保つことができるセーフティーチェーン等を備えることとしている。

11.農機業界団体が総会を書面開催

新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、農機業界団体の総会は中止、書面審議への切り替えが相次いでいる。5月21日に開催予定だった日本農業機械工業会、農業機械公正取引協議会、日本農業機械化協会は、書面審議による総会に移行する。
 日本農業機械工業会は、今年の定時総会、理事会を中止することとし、書面審議により代替手続きを行う。総会終了後に予定していた従業員功労表彰式は、10月26日に名古屋市で開催する地方大会で実施することとした。5月1~20日に書面による総会、25~6月5日に書面による理事会を開催する。

12.JA全農が令和2年度事業計画

第52回臨時総代会を開き、令和2年度事業計画などを承認した。営農・生産資材事業では、共同購入トラクタ(中型含む)の取り組みを拡大し、2年度は新規に1600台の取り扱い、累計3250台を目標とした。また、生産基盤強化と物流合理化に向けて米穀農産、園芸関連施設などの取得計画を前年度実績から2倍以上の204億円とするなど、施設取得計画を大幅拡充させる。
 総会終了後、長澤会長、山﨑周二理事長らが記者会見し、2年度事業計画などの説明を行った。全体の取り扱い計画は前年実績比5%増の4兆8400万円。今次3か年(元~3年度)では、「生産基盤の確立」、「食のトップブランドとしての地位の確立」、「元気な地域社会づくりへの支援」、「海外戦略の構築」、「JAへの支援強化」の5つの最重点事業施策に取り組むこととし、これらを着実に進めていくとした。

13.クボタが米スタートアップ企業・ファームエックス社に出資

センサー及びAI技術に強みを持ち、灌漑自動化並びに作物の生育環境最適化・収量最大化のための一体型プラットフォームサービスを手掛ける米国のスタートアップ企業「FarmX(ファームエックス)社」に出資したと発表した。同社は、イノベーションセンターの注力領域である果樹・野菜・ブドウ・ナッツ農家においてニーズが高まっている「ほ場管理」に着目し、データ採取・解析・予測のための先進的なモデル構築及びAI技術、機械学習及びIoTセンサーを用いた作物管理サービスを手掛けるファームエックス社へ出資することとした。
 ファームエックス社は、収量増や労務費の低減、及び水・電気使用量削減による農家の収益改善に寄与するソリューションを提供している。今回の出資により、果樹・野菜・ブドウ・ナッツ等の領域における精密農業実現のためのプラットフォーム開発を強化するとともに、米国等における農業経営の高効率・収益化に貢献していくとしている。

14.サタケが現場若手社員の奮闘VTR制作

優秀な学生を確保すべく毎年「リクルート広報」に力を注いでいる。その一環として学生向けのPRビデオなども作成。穀物加工機械・プラントメーカーの仕事を分かりやすく説明、また、興味を持ってもらうために若手社員に密着したドキュメントPRビデオを先に制作した。これまで同社では、同種のビデオとして営業と技術開発に携わる社員を取り上げたビデオを作ってきたが、今回、第3弾として大型プラントの建設現場で活躍する若手社員に密着。同社では、このドキュメントを就活生のみならず数多くの人々に見て欲しいとしている。
 主人公は昨年入社した渡谷さん。入社後、エンジニアリング本部施設部施設課に配属され、主に先輩社員のサポート業務がメインながらプラント建設の施工管理や現場監督のほか、建屋建設や機械据付の協力業者との折衝・調整の仕事に日夜奮闘している。こうした渡谷さんの日々の仕事にどう取り組んでいるのかに迫ったドキュメントビデオは、工事現場での奮闘シーンから一人の若者の成長を追っていく内容だ。

15.ササキコーポレーションが超耕速シリーズ体感会

東北、北陸で、新製品の「超耕速マックスハローA(エース)MAX414DXA」「同カドヌールエースKA430・435DX」「同アクティブロータリーACE222R」の新製品発表を兼ねた体感会を開催。その迅速な作業と作業精度の高さに参加者から高い評価を得た。農機営業部の藤原昭博部長は、その声を受けつつ、今後の提案・拡販活動に改めて意欲を強めている。体感会の各会場では、超耕速シリーズの開発経緯に触れつつ、待望の4.1m幅のハローをお見せできると紹介。多くの農家が保有する中型トラクタを活用し、スピーディーに作業をこなす高効率性に着目してほしいとアピールした。
 ハローの実演では、高速作業にもかかわらず後方に水が流れてこないところ、段差のない仕上がりをしっかり確認してほしいと前置きし、最高時速の5.5kmで作業。迅速作業ながらしっかりと田面を仕上げる同機の性能を確かめた参加者は、これなら能率アップが図れると納得しつつ、家族労働を基本とする中、いかに効率的に春作業を終えるかが課題とし、ササキの超耕速シリーズが掲げる〝速い作業でコスト低減〟の製品特性に賛意を示した。

16.JA全農の農機サービス士認定、元年度は1級9人、2級20人が合格

令和元年度のJAグループ農業機械検定の1級合格者9人、2級合格者20人を新たなJAグループ農機サービス士として認定した。同検定は、経験年数に応じた農機担当者のスキルアップを目的に実施しているもので、実際の修理・整備に必要な知識・技能やメーカー固有の機構、新技術、納品、安全指導など、より業務に密着した内容の試験としている。
 元年度は、1級56人、2級297人が受験、学科試験と実技試験の両方で合格基準に達した者をJAグループ農機サービス士に認定した。1級の合格率は16%、2級は21%。同検定は平成23年度から実施しており、今回の合格者を含めると、累計で1級56人、2級270人、合計326人のJAグループ農機サービス士が全国のJA農機センターで活躍していることになる。

17.JA全中がJAグループの自己改革の方向示す

「JAグループの自己改革の実践と今後の基本的対応方向」をまとめた。今後の重点取り組みの基本方向としては、1.経済事業の収益構造の改善、2.市場運用の状況と調和のとれた安定調達の実現、3.信連・農林中金の市場運用へ過度に依存しない収益構造の確立および組合員・利用者ニーズをふまえた接点の構築-をあげた。また、この間の実践の成果として、生産資材価格の引き下げと低コスト生産技術の確立・普及に取り組むJAの割合が平成28年度の81.2%から31年度には92.1%に増加していることなどが報告されている。
 JAグループは農協改革の一環として「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」を目標とする「創造的自己改革」の実践に取り組んできており、農協改革集中推進期間は令和元年5月末をもって終了したが、「今後とも自己改革の実践を支える持続可能なJA経営基盤の確立・強化を実現し、不断の自己改革に取り組んでいく」としている。

18.本田技研工業が感染者の搬送車両を提供

新型コロナウイルス感染防止に向けた支援活動として、港区・渋谷区へ「感染者を搬送するための車両(仕立て車)」を提供したことを明らかにするとともに、「今後は都内等、まずは感染者の多いエリアから納車を予定している」と発表した。また、2020年5月末までに、医療現場でのニーズが高い「フェイスシールドの生産」を開始するほか、人工呼吸器についても、「生産支援を視野に引き続き検討している」と発表した。
 感染者を搬送するための車両(仕立て車)提供では、自治体への軽症者の移動を支援するための車両提供を実施。港区・渋谷区への納車完了、今後は都内など感染者の多いエリアから納車予定。オデッセイ、ステップワゴン等に、搬送時の感染リスクを削減するため、運転席と後部座席に仕切りを設置。前後席間の圧力差を利用して、飛沫感染を抑制する構造に仕立てている。埼玉製作所(狭山工場)を皮切りに国内事業所で生産予定。

19.やまびこが青梅市に防護マスクを寄贈

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療従事者等への感染防止に役立ててもらうため、同社海外子会社のエコー・インコーポレイテッドが販売している防塵用N95マスク「Disposable Dust Mask」4000枚を東京都青梅市に寄贈した。
 同社の新型コロナウイルスの感染拡大防止のための支援は、3月に行った同社・中国子会社である愛可機械有限公司が消毒作業に活用できる「SHP-2110」199台を中国河北省疾病予防控制中心をはじめ、感染対策に携わる機関や団体に対して寄贈したのに続き第2弾目。

20.JA全農のZ-GISが作物診断サービスと連携

Z-GISと、国際航業が提供する人工衛星リモートセンシングによる作物診断サービス「天晴れ(あっぱれ)」との連携サービスを開始したことを公表した。
 Z-GISは、土地所有者や作付品目、品種、生産履歴など、圃場に関する情報管理の効率化を図る地理情報システム。一方、天晴れは、人工衛星で撮影した画像を元に葉色や水分含量、タンパク質含量などの解析が可能。今回、両社の連携により、天晴れ単体での利用と比べて診断依頼が簡便化されるとともに、その結果をZ-GIS上で表示することができるようになり、よりきめ細かな営農管理が可能となった。両者の連携マニュアルをホームページ上で公開、今年度は農業現場でJAなどによる同サービス利活用を進める。また、今後も会員要望に基づいた機能の強化を図り、Z-GISの利便性向上を目指すとしている。同マニュアルの名称は「Z-GISを用いたリモートセンシング作物診断マニュアル」。

21.ヤンマーアグリが安全フレーム未装着トラクターを無料で簡易点検

農林水産省が推進する全国農作業安全確認運動と連携し、農作業死亡事故の占める割合が高い安全フレーム未装着トラクターを所有しているユーザーを対象に、安全に農作業を行ってもらうための農作業安全啓蒙活動と対象トラクターの簡易点検診断を無料で実施する。目的として、トラクターを使用する上でヘルメット、シートベルト着用など安全に農作業する上で守ってもらいたいことを啓蒙することで農作業事故を未然に防げるように推進していく、トラクターに不具合がないか簡易点検診断をすることで農作業事故のリスクを低減させる-の2点をあげている。
 取り組み内容は次の通り。

  1. ダイレクトメールにて安全な農作業の啓蒙を行う
  2. 訪問時にトラクターの安全な農作業をするために守っていただきたいポイントをまとめたチラシ、農作業安全啓蒙チラシ、農林水産省が制作した農作業安全ステッカーを渡して安全な農作業の啓蒙を行う
  3. 対象トラクターの簡易点検を勧め、要望の顧客に診断チェックシートを用いた簡易点検診断を2020年12月末まで無料で実施する

22.日本農業法人協会が農業法人への就職斡旋

農業法人への就職希望者を広く募集し、会員企業である農業法人に取次・紹介を行う就職斡旋を開始した。新型コロナウイルスの感染症拡大が続く中、農業生産を縮小しつつ最少人数で凌いでいる農業法人も多く、また、新型コロナ禍の影響により職を探している人もいることから、マッチングをスタートした。対象は農業法人への就職希望者であれば誰でも可能で、当面の数カ月のみや時間限定で求職している人も対象としている。
 職種は米・野菜・果物などの生産をはじめ、牛・豚・鶏などの飼養管理、加工・販売、会社としての営業・管理部門など多岐にわたり、雇用形態も正社員からパート・アルバイト、雇用時期も直近から来年4月以降など幅広く募集されている。求職者は同協会ホームページから求人情報を確認のうえ、Web上でプレエントリーシートを登録。その後、農業法人への紹介・面接日時の設定などが行われる。

23.日本農業法人協会の山田会長が黄綬褒章を受章

政府が発令した令和2年春の褒章において、業務精励(農業)により、こと京都社長で公益社団法人日本農業法人協会会長の山田敏之氏が黄綬褒章を受章した。

24.タカキタが2020年3月期決算発表

2020年3月期決算を発表した。それによると、売上高64億3200万円(前年同期比10.0%減)、営業利益3億7800万円(同40.1%減)、経常利益4億2000万円(同38.4%減)、当期純利益2億6200万円(同39.2%減)となった。2021年3月期の業績予想は売上高67億円、営業利益4億3000万円、経常利益4億6000万円、当期純利益2億9000万円としている。役員異動では、取締役執行役員に梨原弘勝執行役員、社外取締役に服部永次氏が内定、松田順一取締役専務執行役員は退任する。6月29日開催予定の同社定時株主総会で正式に決定する。
 決算概況をみると、農業機械事業は、牧草・ワラ梱包作業機の販売増や集草作業機における新製品の投入効果があったものの、畜産クラスター事業による導入の遅れが続く中で、大型飼料収穫機「細断型シリーズ」の販売減に加え、初夏の天候不順や大型台風の影響、そして消費税増税後の反動や降雪不足による除雪作業機の販売減により、国内売上高は減収となった。また、欧州向けの輸出は増加したものの、中国・韓国向け輸出の減少により、海外売上高も減収となった。

25.クボタが2020年12月期第1四半期連結業績

2020年12月期第1四半期連結業績(IFRS基準)を発表した。それによると、売上高は412億円(8.6%)減少して4395億円となった。国内売上高は水・環境部門が前年をわずかに上回ったが、機械部門が農業機械などを中心に減少したため、前年同期比59億円(3.8%)減の1500億円となった。海外売上高は水・環境部門が減少したほか、建設機械、トラクター、エンジンも減少したため、全体では前年同期比352億円(10.9%)減の2895億円となった。通期予想については、2月14日に発表した予想を一旦取り下げ「未定」とし、「今後合理的な予想が可能となった時点で改めて開示する」とした。
 機械部門の国内売上高は前年同期比8.0%減の663億円となった。消費増税の反動減などにより農業機械や農業関連商品が減少した。海外売上高は前年同期比10.8%減の2806億円となった。北米では、18年に発生した台風の影響を受けて一部製品の出荷時期が前々期から前期にずれ込んでいたことの反動により、建設機械が大幅に減少したほか、OEM先の生産調整やオイル・ガス市況の悪化などにより、エンジンも前年を下回った。欧州では、新型コロナウイルス感染拡大に伴うディーラーの営業停止の影響などにより、トラクターが大幅に減少した。また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたOEM先の生産停止や減産の影響により、エンジンも大幅に減少した。

26.本田技研工業が2019年度決算を発表

2019年度連結決算を発表した。それによると、連結売上収益は、金融サービス事業における増加などはあったものの、四輪事業における減少や為替換算による減少影響などにより、14兆9310億円と前年度に比べ6.0%の減収となった。営業利益は、コストダウン効果や販売費及び一般管理費の減少などはあったものの、売上変動及び構成差に伴う利益減や為替影響などにより、6336億円と前年度に比べ12.8%の減益となった。営業利益について、同社は、為替影響、一過性影響、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響などを除くと、実質では、前年度にくらべ1008億円の増益と試算している。
 ライフクリエーション事業(2019年4月1日パワープロダクツ事業が名称変更。従来からの「パワープロダクツ商品の提供」に、エネルギーなど「将来に向けた新事業」を加えている)の売上げ台数は570万台で前期に比べ60万台(9.5%)減少した。

27.やまびこが2020年12月期第1四半期決算

2020年12月期第1四半期決算短信(連結)と業績予想および期末配当予想の修正に関するお知らせを発表した。それによると、売上高は318億7100万円(対前年同期比6.4%増)となった。営業利益は23億9000万円(同32.1%増)、経常利益は22億9500万円(同29.2%増)。主力のOPEは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で欧州が落ち込むも、主力の北米や国内は影響が少なく、天候が順調に推移したことなどにより好調。国内産機は高需要が継続し、農機も補助事業などにより好調となり、第1四半期の売上高としては過去最高を更新した。
 また、2020年2月に公表した2020年12月期連結業績予想および期末配当予想は、新型コロナウイルスの感染拡大の先行きが見えず、合理的な業績予想の算定を行うことが困難な状況にあるとして未定として修正した。今後、連結業績予想の算定が可能になり次第、速やかに公表するとしている。

28.クボタがオランダのスタートアップ企業と提携

オランダのスタートアップ企業「Aurea Imaging(アウレアイメージング)」(本社・ユトレヒト市)との1年間の戦略的提携を結んだ。同社の持つ機械の技術と、アウレア社の技術を組み合わせた果樹栽培システムの自動化の実現性について、実証実験を進めていく。同社はこれまでに果樹栽培における先端技術を持つスタートアップ企業3社(いずれも米国企業)への出資を決定しており、今回で4社目の提携となる。
 同社とアウレア社は、アウレア社のサービスのさらなる発展に向け、共同で1年間の実証実験を行うことを決定した。アウレア社の持つ高度なセンシング技術と、クボタの果樹園向け農業機械は補完関係にあり、これらを融合させて欧州における果樹栽培システムの自動化の実現可能性を検証する。この提携を通じて将来的には、同社が注力する果樹栽培分野において、トータルソリューションを提供できることをめざす。

29.ササキコーポレーション、ニンニクハーベスタなど優遇税制の対象機が拡大

中小企業等経営強化法に関する税制優遇措置の対象機種に、同社の「ニンニクハーベスタ」「コンベア付きパワーハーベスタ」「コンベア付きニンニクハーベスタ」「マニュアスプレッダ」が追加されたとし、既存対象機種を含めて、同社の製品をより有利な条件で営農に役立ててほしいとアピールしている。このほか、超耕速マックスハローエース、マックスハロー、トップロータリ、ブームモア、ホイールトレンチャー、コンベアトレンチャー、そして木質バイオマスボイラーと、多様な同社製品が対象機種になっている。
 追加機種は2019年に販売を開始した新型機で、とくに新規開発の「ガーリックコンベア付き」は、収穫したニンニクを傷つけずに搬送、収納コンテナや収納フレコンに送り込んで容器ごと調製作業所へと搬出する〝省力化・高能率化体系〟を後押しする機械技術。

30.キャニコムが福岡空港で自律走行草刈機の実証実験

福岡空港敷地内において、自律走行草刈機の実証実験を行った。各種インフラの維持管理において、夏場の熱中症対策をはじめとして、より安全で作業負担が軽減できる草刈機が求められている。また、維持管理コストの抑制においても、無人化や自動化が期待されていることから、空港での実験となった。
 同社製品の「草刈機まさお」をベースに、準天頂衛星システム「みちびき」を活用し、指定した範囲内を自律走行することで、走行性、実走時間、刈り草の飛散状態などを確認した。同社では、「実験結果は良好。今後も開発に力を入れ、継続して実証実験を重ねる予定」とコメントを発表し「機種詳細や発売は未定」とした。

31.JA全農が農機セルフメンテナンス動画をホームページに掲載

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言により、JAの農機センターの業務体制が制限されていることから、農業機械のセルフメンテナンス動画を全農ホームページ上で公開した。
 春の農繁期を迎えるに当たり、新型コロナウイルスの影響で、農機センターのサービス体制が十分に機能できないことから、農作業時の機械トラブルを少しでも回避するため、ホームページにトラクター、田植機、コンバインのセルフメンテナンス動画を公開したもの。これを活用し、「農業機械の使用前、使用後の点検をぜひご自身で実施してみてほしい」と組合員に呼びかけている。作業を行う際は、動画の冒頭にある注意事項を必ず守り、手袋の着用など安全に十分注意することを促している。

32.クボタが新型コロナ感染防止へ、医療機関や自治体を支援

新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、医療機関や自治体をはじめ最前線で尽力している関係者に対して敬意を表するとともに、クボタグループとしても「日々奮闘されている皆様に対して、少しでも安心して働いていただける環境づくりに役立て頂きたい」とし、支援策を発表した。同社が製造販売している業務用加湿空気清浄機「ピュアウォッシャー」を寄贈するほか、コロナウイルス感染拡大の影響により、消毒用アルコールが不足している現状に鑑み、「ピュアウォッシャー」の機内で生成される「微酸性電解水」を同社の本社所在地である大阪市の自治体を中心に提供する、としている。
 同社は「クボタグループは、食料・水・環境の分野において、事業を通じて社会に貢献することをミッションとしております。今後も、クボタグループの総力を結集して、新型コロナウイルスの感染拡大防止にできることから貢献してまいります」とコメントしている。

33.井関農機が2020年12月期第1四半期業績

2020年12月期第1四半期連結業績を発表した。それによると、売上高は319億6000万円(前年同期比4.2%減)、営業利益は11憶500万円、経常利益は12億8100万円、親会社に帰属する四半期純利益は4億6500万円のそれぞれ損失となった。なお、通期の連結業績予想については「新型コロナウイルス拡大による事業活動の影響が見込まれ、現時点では連結業績予想の合理的な算定が困難なため2月14日に公表した連結業績予想を一旦取り下げ未定」とした。
 国内においては、補修用部品及び修理整備等のメンテナンス収入が堅調に推移したほか大型物件の完成のあった施設工事が増加となった一方、消費税増税後の不透明な需要環境に加え新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う展示会の中止など営業活動の自粛等により農機製品などが減少し、国内売上高は250億7200万円(前年同期比1.3%減)となった。海外は、中国向けの田植機半製品の出荷増や韓国向けにトラクターの出荷が伸びた一方、北米で一部商品に搭載の仕入れエンジンの入荷遅れが発生したことなどからトラクター出荷が減少。欧州では為替影響に加え新型コロナ対策として現地代理店店舗が一時閉鎖されたこともあり出荷調整を行い減少。アセアンはインドネシア向けトラクターの出荷減少などにより、海外売上高は68億8700万円(同13.4%減)となった。

34.三菱マヒンドラ農機が新体制を発表

同社及びグループ会社の新執行体制を内定、発表した。それによると、新取締役(非常勤)にマヒンドラ&マヒンドラ社のへマント・シッカ氏が就任したほか、監査役に木村健治、片山彰、横田祐一の3氏(就任日はいずれも6月30日)、執行役員人事では上級執行役員に新保徳明氏(営業戦略統括部長)が7月1日付で就任、執行役員に行岡正恭氏(人事総務部長兼内部統制室長)が4月1日付で就任した。グループ会社関係では三菱農機販売の社長に兼任で新保上級執行役員(7月1日付)、リョーノーファクトリーの社長に金塚巧氏が就任する(6月26日付)。

35.井関農機が田植機「さなえ」誕生50年を記念し特設ページ開設

1971年に田植機「さなえ」を発売してから今年で50年を迎えた。これを記念して、このほど農家に喜んでもらえる田植機づくりに取り組んできた同社の想いや、田植機「さなえ」誕生のストーリー、50年の歴史の中で築いてきた同社の技術等について紹介する特設ページを開設した。
 特設ページでは、

  1. さなえ誕生ストーリー
  2. 田植機さなえ50年の歩み
  3. ヰセキ田植機の技術

-の3つのコーナーを設け、田植機のスタンダードを創り上げたヰセキ田植機「さなえ」をアピールしている。サイトでは、時代をリードしてきた製品群を紹介し、最後に「田植機さなえの思想は全国に広がっています」「ISEKIは今後も日本の田植えをリードしていきます」と結んでいる。

36.JA全中が新型コロナウイルス対策の事例まとめる

「新型コロナウィルス感染拡大下におけるJAグループ各組織における事例」を公表した。農業労働力確保のための取り組みとして、来日できない外国人実習生に代わり、休業・営業縮小の地元企業から農業への雇用受け入れマッチングや、感染拡大を防ぐ取り組みとして、農業用ビニールを活用した飛沫防止、防護具製作への協力などの事例を紹介している。事例集は、食料の安定供給、生産者支援(1.農業労働力確保のための取り組み、2.生産者への経営サポート、3.消費拡大対策)、地域への貢献、感染拡大を防ぐ取り組み、その他の多様な取り組み-を取り上げている。
 生産者への経営サポートとしては、JAバンクでは、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けている方に向けた低利融資等の取り扱いを開始。JAバンク店舗にて相談を受け付け。JA共済では、新型コロナウイルス感染症の被患を「特定感染症」保障の対象に含めるとともに、医療機関以外での療養を入院保障の対象とした。また、共済掛金の払込期限の延長等、共済契約上の特別措置等を実施-など。

37.JA全中がSDGs取組方針を決定

理事会で「JAグループSDGs取組方針」を決定した。JAグループ全体で5つの視点および3つの分野、6つの取り組みを通じてSDGsの達成に向けて取り組むこととし、持続可能な食と地域づくりの視点などから、持続可能な食料の生産と農業の振興や、農業生産における環境負荷の軽減などを実践する。5つの視点に基づき、1.持続可能な食料の生産と農業の振興、2.持続可能なフードシステムの構築、3.農業生産における環境負荷の軽減、4.農業のもつ多面的機能を発揮、5.安心して暮らせる持続可能で豊かな地域社会づくりに貢献、6.国内外の多様な関係者・仲間との連携・参画に努める-といった取り組みを行っていく。
 この中で、持続可能な食料の生産と農業の振興の取り組みについては、SDGs に貢献する活動の一義的な目的としては、全ての国民に対する安定的な食料供給を行うことで食料安全保障の確立に寄与することであり、そのためにJA グループとして不断の自己改革の取り組みを通じて、生産基盤の重要な要素である担い手の確保・育成と農地の保全・活用に努めるとした。