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農業機械関連ニュース

令和2年4月10日発行

<業界短信-新製品4月>

1.クボタが300馬力帯の大型ディーゼル開発に着手

欧州排ガス規制(欧州ステージV、2019年より)に適合した、新しいディーゼルエンジン「S7509(排気量7.5L)」の開発に着手したことを明らかにするとともに、米国ラスベガスで開催されたコンエクスポ2020(CONEXPOCON/AGG)に参考出展した。
 同社は、建設機械・産業機械メーカーからの多様なニーズに応え、100馬力以下の産業用ディーゼルエンジンで世界のトップシェアとなる。2017年に発表した200馬力帯のV5009に加え、300馬力帯までラインアップを拡充し、300馬力以下で世界No.1の産業用エンジンメーカーを目指す。新製品S7509は、2019年よりPM粒子数が規制された欧州ステージVに適合するエンジンとして市場投入する。量産開始時期は2023年予定。
 主な特徴は、

  1. 高出力かつ低燃費=同じ出力クラスで単位排気量あたり最大の出力を引き出すだけでなく、最高レベルの低燃費性能の実現も目指す
  2. コンパクトデザイン=排気量7.5L、6気筒、出力228.4kW、後処理装置はSCR+DPF(最も厳しいとされる欧州ステージV規制に適合するために要求される技術)
  3. 搭載する建設機械・産業機械側の設計柔軟性とメンテナンス性の向上=動力の取り出し口を2カ所から選択できるため、搭載する機械側のレイアウトの自由度が高まる。ユーザーのメンテナンスの向上を目指す

-など。

2.本田技研工業が歩行型芝刈機の改良機を発売

歩行型芝刈機「HRG466」と「HRG416」を一部改良し、HRG466を2月末より、HRG416を3月下旬より全国のHondaパワープロダクツ取扱店および取り扱うホームセンターで販売した。新しい歩行型芝刈機は、より快適に軽快に芝地管理を進めたいというユーザーの要望に応えて搭載エンジンを小型軽量タイプに変更し、より作業性能のアップを図った。両機は、2018年9月に販売を開始した小型軽量エンジン「GCV145」を採用。燃焼室の変更などにより燃焼効率を高めたことで、従来搭載していたGCV160エンジンと比べ、同一出力時における燃料消費量を低減した。
 主な特徴は、

  1. エンジンを燃焼室の形状を従来のバスタブ型からペントルーフ型へ変更することで燃焼室内の気流を強めるとともに、ストロークを長くすることで燃焼効率を高めた
  2. 燃焼安定性を高めたOHVエンジンレイアウトに加え、ワックスの配置を刷新したオートチョークシステムにより始動性をさらに向上
  3. 燃料給油口の口径面積を従来モデルの2倍以上に拡大することで、タンク内への燃料注入量の確認を容易にし、簡便な注入作業を実現
  4. オイルフィラー(注入口)の長さや位置を最適化することで、スムーズなオイルの入れ替え作業に貢献するとともに、カッターデッキへのオイル垂れや付着を防止するなど、使い勝手を向上
  5. キャブレターの取り付け方法をスタッドボルトにしたことにより、キャブレターの交換がスムーズに行え、メンテナンス作業の効率性を向上

-など。

3.クボタが「MY農機」にパソコン専用機能を追加

複数の農業機械を保有・運用する担い手農家の管理者が離れたところでも農業機械の稼働状況を確認できる「MY農機」に、パソコン向け専用機能を追加した。
 同社は、担い手農家の規模拡大が進み、複数の農業機械を同時に稼働させることも多いため、オペレーターが操作する各機械の状態や作業の進捗状況を効率的に把握・管理する必要性が高まっていることや、排ガス規制の強化に伴い、DPF(排気微粒子除去フィルタ)や尿素水タンクが農業機械に搭載されたことで、ユーザーが機械をリアルタイムに見守り、状況に応じて必要な処置を行うことが重要になってきていことから、2019年4月より、ユーザーが自身で機械の現在位置や稼働状況、燃料消費量や尿素水残量の確認、更に直近2カ月間の作業内容を振り返ることが可能な「MY農機」スマートフォン向けサービスの提供を開始。このたび、新たにパソコン向けの専用機能を追加した。
 追加した機能は以下の通り。

  1. MY農機アラート=設定した時間と場所以外でキーオンするとメールで通知する
  2. メンテナンスノート=日常点検から部品交換まで自由にメンテナンス履歴を記録できる
  3. 帳簿データ出力=稼働実績やメンテナンス履歴をエクセルに出力、印刷して残せる

4.クボタが安全フレームを復刻販売

農林水産省が推進する農作業安全確認運動と連携し、主要農業機械を使用して農作業を行う際の安全について呼びかけ活動を推進するとともに、トラクター用安全フレーム・シートベルトのキットを復刻販売し、装備の浸透を図ると発表した。「日本の食を守る農業者の皆様が安心・安全に農作業していただけるよう、これらの取り組みを展開してまいります」としている。トラクター用安全フレーム・シートベルトのキットは1万円とし、装着を促進。全国で稼働しているクボタ製トラクターの中で、安全フレーム・シートベルトが装着されておらず、後付けできる型式は、約3万3000台と推定(台数はクボタ推定)している。
 発表した農作業安全の取組み概要は次の通り。

  1. 農作業安全には、事故を未然に防ぐための基本事項を遵守し作業することが重要である。この基本事項遵守を目的に、農業機械を使用する上での安全ポイントをまとめ、農業者に確認いただくための呼びかけ活動を実施
  2. 農作業で重大事故につながりやすいのが、トラクターの転落・転倒である。転落・転倒時にオペレーターの安全を確保するには、安全フレームの付いたトラクターを使用すると同時に、常時シートベルトを着用することが重要
  3. 現在、全国の農業現場で稼働しているクボタ製トラクターには、機械の構造上、安全フレーム・シートベルトを後付けできる型式がある。それらを対象に、安全フレーム・シートベルトの装着推進活動を展開

5.ササキコーポレーションが代かきハローの新型発表、栃木で体感会

栃木県佐野市船津川町において今年7月より発売を開始する、超耕速ハローの新型「MAX414DXA」の発表と、アクティブロータリー、あぜぬり機・カドヌールの“2020年マックスハローエース発表体感会”を催した。新型マックスハローエースは作業幅が4.1mの電動仕様。既販の超耕速ハローの実演や拡販の中で、農家サイドから数多く寄せられた「4mクラスの作業幅の機械が欲しい」というニーズに応えて開発した製品。当日は、栃木県稲作経営者会議のメンバーなど20名が参観した。
 新型マックスハローエースの特徴は、

  1. 高速作業によりサイドへ逃げる泥の流れをより内側へと変えるNewフロントウェーブガードを装備したことにより、ワラや泥をより逃がす作業ができ、これらにより高性能な代掻き作業が行える
  2. 部材自体および接合部の強度などを見直し、従来機以上の耐久性を確保、高速作業を継続できるタフな機体に仕上げた
  3. 高速作業でもトラクターのタイヤ跡やチェーンケース部の残耕を気にせず作業できる2段階可変式のトリプルワイパーブレード、公道走行に対応した前後のラベルを標準装備など各所に新機構を備えた上級マシン

-など。

6.田中産業が農作業着の新ブランド「Bloom」を発表

ゴアテックス採用の新ブランド「Bloom(ブルーム)」を立ち上げ、4月からジャケット、パンツ、サロペットを新発売した。ゴアテックスワークスーツは、この夏にも累計販売数100万着を達成する見通しで、ブルーム製品の供給により、200万着実績確保へ歩みを進める。
 新ブランド「Bloom」の主な特徴は、

  1. 防水・透湿・防風性の高さで定評の従来ゴア製品に伸縮性素材を加えることで作業時の一層の快適さを実現
  2. 高いデザイン性や視認性によって幅広い世代を引きつけるカッコよさをアピール

-など。

同社はさらなる市場展開を前提として、新開発したテクノロジーを同ブランドに採用しており、今後この技術を使用して各市場のニーズを見極め、それぞれにマッチしたブランド製品のバリエーションを拡大させる予定。

7.タイショーがグランドソワーの新型UXシリーズなど発売

耕うんと施肥が同時に行えるトラクター作業機“グランドソワー”の新型「UXシリーズ」(ホッパー容量55~140L)と「RS・RDシリーズ」(同110~165L)、また、薬剤散布機「KX」(同15L)、さらに、粉剤散布機「PN」(同40L)を完成、本格的な発売を開始した。「UXシリーズ」は、ロール部が開放できる繰り出し部オープン機構、畦越え跳ね上げ機構(フロントタイプ)などを新たに装備、また、「RS・RDシリーズ」は残量センサーを搭載するなど新機構を採用。薬剤散布機「KX」は、シールド機構を採用、粉剤散布機「PN」は、ホッパー内の振動板により、詰まりやすい粉剤をスムーズに散布できる。
 “グランドソワー”「UXシリーズ」の主な特徴は、

  1. ロール回転制御方式により、設定した散布量を正確にしっかり散布。肥料の撒き過ぎによるムダをなくし、コスト削減
  2. 施肥と同時に耕うんを行うことができるため、トラクターの燃費節約、作業時間の短縮に貢献
  3. 低い散布位置、耕うんとの同時作業により、風による肥料の飛散が減少
  4. GPS車速連動タイプは、GPS情報を基に設定に応じた散布制御を自動的に行う。車速を変化させても均一な肥料散布が可能

-など。

8.サタケが「農検モード」搭載の穀粒判別器発売

仕様を一部変更し農産物検査機として農林水産省の仕様確認を受けた「穀粒判別器 RGQI100A」を開発、4月より発売した。主に全国のJAや精米工場など農産物登録検査機関へ年間1000台の販売を見込んでいる。同器は、農林水産省の規定に則った鑑定である「農検モード」を搭載。また、従来機と同様に、米の表・裏・側面の3方向からチェックするサタケ独自の撮像方式(特許取得)により、カメムシ被害等による着色部が裏面にのみある場合でももれなく測定できる。
 主な特徴は、

  1. 農産物検査の一部項目(着色粒、死米、胴割粒、砕粒の4項目)を鑑定可能な「農検モード」を新たに搭載。農林水産省の規定に則った鑑定が可能
  2. サタケ独自の撮像方式(特許取得)により、1粒1粒の米を表・裏・側面の3方向からチェック。カメムシ被害等による着色部が裏面にのみある場合でも表面用カメラに加え裏面用カメラにて撮像することでもれなく測定できる
  3. 本体は業界最小・最軽量のコンパクト設計。付属のキャリングバッグに収納して容易に持ち運べる
  4. サンプル米を投入し測定ボタンを押すだけで自動搬送・測定が行われ、終了後は自動で排出されるため操作は簡単
  5. パソコン・モバイル機器と連動可能(オプション)
  6. 醸造用玄米にも対応可能(オプション)

-など。

9.IHIアグリテックが直装作業機の公道走行に対応する新型発売

道路運送車両法の運用見直し、保安基準に緩和措置が盛り込まれたことに伴う、直装作業機装着トラクターの公道走行に対応するため、小型ブロードキャスタ類の灯火器類や反射シール、制限標識などを標準装備した新製品を発表した。機種は、小型ブロードキャスタMBC、小型ナビキャスタMGC、化成混合散布機MKB、有機肥料散布機MYBの各シリーズ。また、トラクター3点リンクへ直装する作業機用の汎用灯火器キット2種を部品として発売、新たな法令に即した作業機利用を進める農家のバックアップ体制を固めた。また、GPSナビライナーは、GPSレシーバーとアンテナが一体となり、施肥マップによってポイントごとに最適な肥料散布ができるEGL3110にモデルチェンジ、可変施肥による省資材化、コスト低減に一層寄与する作業機として新発売した。
 汎用灯火器キットとして発売するのは、移動幅2.5m以下の直装作業機に対応する「ハンヨウトウカキキットAS:チョクソウ2.5」と同2.5m超の直送作業機に対応する「ハンヨウトウカキキットAS:チョクソウ2.5ゴエ」で、ユーザーは作業機と灯火器キットをつなぐ必要部材を持っていれば取り付けが可能になる。

10.静岡製機が新型穀粒判別器を発売

これまで米の検査現場、精米工場などで整粒・胴割粒・未熟粒・着色粒などを簡単に素早く確認できる判定器として多数導入されている穀粒判別器“ヴァーゴ”の新型「ES-5」を開発、4月中旬より本格的な発売を開始することを明らかにした。同器は、従来機の供給部と画像判定アルゴリズムを変更することにより、さらに検査器に求められる性能を追求。1回1000粒の測定時間が5秒という圧倒的な高速測定を実現しながら、農林水産省仕様確認を得られる高精度を確保。検査現場での迅速な測定と信頼性をより向上した。
 主な特徴は、

  1. サンプル供給にシュート方式を採用。高速カメラと画像処理エンジンを搭載。流れる粒を正確に撮像。1000粒の測定時間を5秒で行える
  2. 農産物検査の単独の規格項目である死米・着色粒・胴割粒・砕粒の鑑定に活用可能。穀粒判別器使用時の規定である、3回測定での平均値が簡単な操作で行える
  3. LED光源で光源寿命は4万時間。稼働部は防塵構造を採用するなど高耐久性設計
  4. 本体前後と上部のカバーが工具なしで簡単に脱着できる。シュートがワンタッチで抜き取れるなど簡単にメンテナンスができる
  5. 高速プリンターを内蔵
  6. 操作がしやすい液晶タッチパネルを採用
  7. 白米・もち米・酒米の測定ソフトも追加可能(オプション)
  8. 最大1万件のデータを保存可能

-など。

<業界短信4月>

1.ヤンマーが尼崎に新CSセンター建設

サービスにおける新たな価値提供により顧客満足度の更なる向上を目的としたCSセンター(仮称)を尼崎サイトで今年9月1日より稼働する。新センターは現在同社尼崎工場の隣接地に建設中で、ICTを活用した次世代型サービスを進化させる役割を担う。同センターは、4月にヤンマーから分社化予定のヤンマーグローバルCSの新本社ビルとなり、同社が運営を担当する。同社はヤンマーのグローバルサービスを統括する機能会社として、顧客へのサービス発信力の強化やグローバル部品事業の統括、将来を見据えたサービスシステムのインフラ管理、新たなサービスメニュー開発等を担う。
 また、現在本社サイトにて運営しているリモートサポートセンターは機能を強化し新センター内に移転する、同社では「今回の移転に関わらず、リモートサポートセンターの24時間365日の遠隔監視サービスについては、休止することなく運営を継続する」としている。

2.キャニコムがネーミング大賞ビジネス部門1位

多目的造林機械「山もっとジョージ」が、第30回読者が選ぶネーミング大賞のビジネス部門第1位に選ばれた。本賞は昨年発表された新製品の中から、読者の投票によって選定。内容を的確かつ感性豊かに名付けられた製品が毎年選出されている。同社では第17回に「伝導よしみ」が初受賞して以来、今回で14年連続の大賞受賞を成し遂げた。同時に通算7回目の第1位という前人未踏の記録を打ち立てた。
 今回受賞した山もっとジョージは、林業でも機械化の進んでいない、造林に特化した作業機。運転席自動水平保持機能や、オペレーターフロントガードの他、伐根粉砕用や下刈り用などのアタッチメントを搭載。運転席自動水平保持機能や、オペレーターフロントガードの他、伐根粉砕用や下刈り用などのアタッチメントを搭載。加えて凹凸の激しい造林地に対応するため、傾斜地用ステップ、スパイク付きクローラを装備している。名前には「もっと山を美しく、もっと山を大切に、もっと山が山に。」という想いが込められている。同社広報部は「ネーミング大賞をきっかけに多くの方にキャニコム製品を知っていただけたと感じております。応援して下さった方々に、心より御礼申し上げます」とコメントを発表した。

3.小橋工業が「地球を耕す」理念を具現化した新オフィス開設

企業理念である「地球を耕す」の趣旨に即した新しい会議室=ビジョンオフィス=を開設したことを明らかにした。企業理念を全社員が共有し、個々が創造力を発揮して新しい価値を生み出すためとしている。食料・エネルギー・環境問題など、地球規模の課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献していくという同社。その地球との関わり合い、地球への責任意識を具現化するために、オフィス空間には触れることのできる地球のオブジェを配した。新オフィス開設を機に、社員一同一丸となって地球に眠る可能性を掘り起こし、新たな価値を提供すべく挑戦していくと、同所の活用に意欲をみせている。
 込められた思いは、

  1. かけがえのない地球が危機に瀕している事実に正面から立ち向かい、豊かな地球を守るために行動したい
  2. 企業理念を共有できる場がオフィスであり、企業活動の存在意義を再認識する場であるととともに中長期的な時間軸での経営を意識する場でありたい
  3. 創造力発揮できるよう活発なコミュニケーションと共創を生み出す動線・空間をつくり、リラックスできる心理的な安全性担保に貢献できるよう配慮した

-としている。今後は、社内外のコミュニケーションの場、ビジネスパートナーとの価値観の共有、ものづくりプラットフォームのオープンスペースなどに活用していく。

4.クボタがいぐさの移植機と苗処理機を限定生産

熊本県八代市のJAやつしろ本所会議室で、いぐさ移植機・苗処理機覚書調印式に臨み、今年から2カ年にわたり、カセット式いぐさ移植機88台、いぐさ苗処理機86台を生産・供給することで合意した。調印式には、同社の南龍一常務執行役員、熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会の田島幹雄会長、熊本経済連の加耒誠一会長が出席。また、熊本県の蒲島郁夫知事(代理・山下浩次農林水産部生産経営局長)、八代市の中村博生市長、氷川町の藤本一臣町長が立会人として調印を見守った。
 屋外でカセット式いぐさ移植機と苗処理機の概要を同社移植機技術部の谷和典部長が説明。移植機は田植機のワールドシリーズの車体部を採用し、高出力・低燃費ディーゼルエンジンを搭載。四輪独立サスペンション、植付部の水平制御などの組み合わせで高精度な植付けを実現。ハンドル操作のみで旋回、隣接条合わせができる「ゆう優ターン」を装備-などの特徴をあげた。いぐさ苗処理機は、根切り・葉切り・株分け・カセット詰めを一工程で行う省力機。両機種の利用によりいぐさ生産の省力化・効率化が図れる。
 生産台数は、前者が2020~2021年に88台、後者が同86台の限定生産。メーカー希望小売価格は前者が770万円、後者が220万円(いずれも税込み)。導入に当たっての助成措置について県の関係者は、国の産地パワーアップ事業による補助と、市町村における助成事業を検討していると説明した。

5.全国農業機械商業協同組合連合会が通常総会

書面による第64回通常総会を開き、2019年度事業報告書、2020年度事業計画並びに収支予算などすべての議題を事務局原案通り承認した。今年度は、全国一律だけではなく、組合あるいは地域ごとの課題に対して臨機応変に対応していくほか、若手経営者を主対象とした研修事業の充実を図る。今回、新型コロナウイルスの影響から、書面による会議開催となった。
 2020年の重点的な取り組みとしては、

  1. 若手経営者を主対象とした研修事業の充実
  2. 各道府県組合における教育情報事業に対する支援強化
  3. 共同購買事業の促進
  4. 中古農業機械査定制度の推進など整備事業の強化
  5. 農作業安全推進運動の実施

-など。

組合あるいは地域ごとの課題に対して臨機応変に対応していく。事業の実施に当たっては、理事会、事務局責任者会議、ブロック会議などでの議題の双方向化や、十分な意見交換が可能となる場作り、慣行に縛られない抜本的な見直しなど会議間の連携及び充実を図っていく。

6.クボタが米マイクロソフトと提携

デジタルトランスフォーメーションの推進に向けて、「複数年にわたる戦略的提携」を日米で同時に発表した。両社は将来に向けて、持続可能な未来の実現を目指すために、お互いの取り組みに基づいたテクノロジーを活用した革新的なプロジェクトを積極的に模索していく。
 戦略的提携の概要は次の通り。

  1. ITインフラストラクチャの最新化=この提携を通して、クボタはITインフラやSAPなどの基幹システムをマイクロソフトアジュールをベースとした信頼性の高いクラウドプラットフォームに移行する。マイクロソフトのクラウドによる業務の最新化は、AIをはじめとする先端技術の利用を容易にし、データ活用の規模拡大や柔軟性をもたらす。またクラウド上に重要な基幹システムを統合することで、クボタは業務を合理化し、グローバルでの統合されたデータ活用を加速できるようになる。
  2. 新たなイノベーションの創出=クボタはイノベーションの創出を目的に、マイクロソフトと協力して新たに「AI Machine Learning Labプロジェクト」を立ち上げる。このプロジェクトでクボタは、AIソリューションを開発する新たな技術者の育成や社内の業務革新、食料・水・環境分野における新サービスの構築をめざす。マイクロソフトは、アジュールマシーンラーンニングで提供する広範な知識と先端技術を活用して、クボタのAIへの取り組みを支援する。

-など。

7.日本農業機械工業会が令和元年作業機統計を発表

令和元年1~12月の作業機の生産・出荷・輸出入実績をまとめて発表した。それによると、出荷金額(国内向け+輸出向け)は416億7411万円、前年比101.6%と増加に転じた。このうち国内向けは390億6909万円、100.5%、輸出向けは26億502万円、122.5%と輸出向けが大きく伸びた。また、輸入を合わせた国内向け出荷金額は475億990万円、101.0%と、こちらも増加となった。機種別の国内向け出荷実績を台数ベースでみると、ロータリ(水田用、畑作用)、水田用ハロー(折りたたみタイプ)など主要な機種は前年を上回る実績となり好調だった。
 輸入を合わせた国内向け出荷台数を機種別にみると、耕起用作業機では、ロータリ(水田用、畑作用)は1万9212台、104.7%、サブソイラ(バンブレーカ、プラソイラ含む)は972台69.8%、トレンチャーは109台73.2%、プラウ・ディスクプラウは293台、69.3%とロータリが増加した。砕土・整地用作業機では、水田用ハロー(折りたたみタイプ)は1万831台、107.0%、畑用ハロー(駆動型、ディスクハローを含む)は283台、73.3%、水田用ハロー(駆動型)は3598台、94.8%、水田・畑用均平機は308台、67.0%、鎮圧機は345台、81.1%、畦塗機は5464台、102.6%など折りたたみハロー、畦塗機が好調だった。

8.クボタがインド・エスコーツ社へ出資

インドのトラクターメーカー・エスコーツ(EL)社に出資(約160億円)することを明らかにするとともに、同社のインド現地法人であるクボタ農業機械インド株式会社(KAI)株式の40%をEL社へ売却すると発表した。今回の出資により、世界最大のトラクター市場であるインドでの存在感を高めるとともに、将来大きく成長が見込まれている世界の安価機種トラクター市場への足掛かりとすることで、更なる事業拡大を図るとしている。
 同社は2008年にKAIを設立してインド市場に参入。現在インド市場はローカルメーカーが主体となっており、ローカル各社は外資メーカーとの提携関係を強化している。同社は、2019年2月にEL社とトラクター製造の合弁会社を設立し、今年7月から量産を開始する予定で、今回の出資により、両社の協力関係をさらに深め、お互いが持つ強みを生かして、開発、生産、販売、物流、部品調達など事業の幅広い面でシナジーを発揮し、インド市場における存在感を高める。また、インドで求められる安価で高品質なトラクターの市場は、世界的にも広がりつつある。EL社の部品調達網やコストダウン力を活用することで、グローバルな市場ニーズにも応えていく。

9.諸岡が全旋回ダンプなどを米国建機展に出展

米国ラスベガスで開催された建機展“CONEXPO 2020”に、世界最大の積載量20tの360度全旋回キャリアダンプの新型「MST-4000VDR」、バッテリー駆動の全旋回式キャリアダンプ「MST-200NDR-e」、また、プロパンガス駆動の「MST-660VD」などの新製品をはじめ、ロングボディーのユーティリティ対応タイプ(電線・電柱などの工事用)の「VDLシリーズ」など多数を出展、参観者から注目を集め、受注が寄せられた。
 同社では、全旋回式で世界最大級の積載量18tを出品。多くの参観者から注目を集めた。同機は、360度全旋回仕様により、方向転換、切り返し作業を省略、作業効率の大幅な向上を実現。サイドダンプも可能で、場所を選ばず排土が容易に行える。また、全旋回式キャリアダンプシリーズとして、ボリュームゾーンが大きい4tクラスの新製品「MST-700VDR」も紹介、大きな反響を呼んだ。同社では、全旋回ダンプ4型式に加え「MST-4000VDR」と「MST-700VDR」の2型式の販売を年内に開始する予定。

10.キャニコムで役員人事

第65回定時株主総会を開催し、4名の取締役と1名の監査役を選任、その後の取締役会で役員新体制が決定した。監査役については、吉住要祐氏の任期満了による退任に伴い、柴山勝氏が監査役として新任。また、副社長経営役員に西村峰利氏、専務経営役員に中村公徳氏、常務経営役員に前田努氏がそれぞれ昇格。ABC品質企画担当の川崎真一郎氏が経営役員に就任した。

11.JA全農が令和2年度事業計画

第52回臨時総代会を開き、令和2年度事業計画などを承認した。営農・生産資材事業では、共同購入トラクター(中型含む)の取り組みを拡大し、2年度は新規に1600台の取り扱いを目標とした。また、生産基盤強化と物流合理化に向けて米穀農産、園芸関連施設などの取得計画を前年度実績から2倍以上の204億円とした。
 2年度の事業計画書によると、「営農・生産資材事業」では、「共同購入の加速化と農家手取り最大化の取り組み拡大」として、

  1. 肥料の銘柄集約、大型に加え中型共同購入トラクターの取組拡大、農薬担い手直送規格の取扱品目拡充と普及拡大のさらなる実践
  2. モデルJA・経営体での実証による一発型肥料のBB化促進と供給体制整備
  3. トータル生産コスト低減による所得増大実証の水平展開
  4. JA域・県域を越えた広域物流の拡大とJAグループ受発注業務の効率化
  5. 全国標準規格段ボール・レンタルコンテナ・フレコンによる農産物流通の拡大
  6. 海外山元との関係強化等による肥料原料の安定確保
  7. ジェネリック農薬の普及拡大と開発強化

-を推進するとしている。