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農業機械関連ニュース

令和2年1月10日発行

<業界短信-新製品1月>

1.静岡製機が高速測定の単粒水分計を発売

これまでカントリーエレベーターやライスセンターで荷受け時の籾(麦・ソバ)水分測定用として多数導入されている単粒水分計の新型「CTR-500F」を開発、発売した。同機は従来機「CTR-500E」をフルモデルチェンジ、籾高速モードを搭載し通常測定の2倍の高速化を実現。また、水分分布のバラツキ具合により緑・黄・赤の3色で表示、一目でバラツキの多さが確認できる。
 主な特徴は、

  1. 大型の液晶タッチパネルを採用、直感的に操作できるよう、解りやすさ・見やすさを追求
  2. 1粒ごとの水分の平均を表示するため、高水分籾(麦・ソバ)の影響を受ける手動水分計より正確な測定ができる
  3. 専用アプリで独自の検量線を作成できる。アプリは同社HPよりダウンロード可能
  4. 測定データの保存が可能なSDカードを標準装備。SDカードに260万サンプル/1GBのデータを保存可能
  5. ヒストグラムや単粒データ印刷など様々な様式で印刷が可能
  6. 中国産・インドネシア産の長粒種に対応。籾・玄米・白米の測定が可能
  7. 40%(籾・小麦)までの測定が可能

-など。

2.やまびこがロボット芝刈機など2020年新製品発表

全国6カ所で開催したやまびこジャパン地区別代理店会議において、2020年新製品を発表した。「ECHO」「KIORITZ」「Sindaiwa」ブランドを持つ同社だが、エコーブランドの50Vバッテリートップハンドルソー「BCS510T」や共立ブランドのオートチョークチェンソーKIORITZ・CSA341シリーズ、Sindaiwa・E3034S-ACシリーズ、エコーブランドのロボット芝刈機“エコーロボティクス”「TM-2000」、共立ブランドの刈払機「SRE2430シリーズ」、「SRE2730シリーズ」、「SRE2730Pシリーズ」、新ダイワ刈払機「RA3023・3026」など発表された。
 そのうちエコーロボティクスの主な特徴は、

  1. 電磁波を発生するワイヤーで区切られた域内をロボットがランダムに走行し作業を行う
  2. バッテリーが少なくなると自動で充電ステーションに戻り、充電後再び作業を開始する
  3. 最大作業面積2万平方米と広大で、公園・ゴルフ練習場・グランドなどの多くの場所で活用できる
  4. 天候や昼夜を問わず24時間作業が可能
  5. 連続的な刈り込みで美しい芝を実現
  6. 先進のガイダンスと各種の安全装置を完備

-など。

共立ブランドの刈払機SRE2430シリーズは、ワイヤーなどの突起物を本体内側に配置するデザインを採用。
 主な特徴は、

  1. 新型エンジンは、性能をそのまままにSRE2430UTで従来モデル比(SRE2420との比較)およそ100gの軽量化を実現
  2. ワイヤーなどの突起物を本体内側に配置するデザインを採用。作業中の引っかかりを低減
  3. ジュラルミンモデルで、長身の人や法面での作業に適したロングモデルを追加

-など。

3.ヤンマーアグリがハイクリアランス仕様トラクター発表

畑作市場に向けた管理作業用として「YT2シリーズ」に、十分な地上高を確保し、3段階のトレッド調節が可能なトラクター「YT225/232ハイクリアランス仕様」の2機種を来年3月1日に発売する。これまで標準機では350mmであった最低地上高を505mmとし、作物が生長した畝や超湿田の圃場でもスムーズに管理作業がこなせる。畑作における中耕、除草作業からイモや玉ねぎの掘取り作業まで幅広いインプルメントに対応し、多種多様な作業が可能。
 主な特徴は、

  1. 作物が生長した畝や超湿田の圃場でもスムーズに管理作業をこなせる最低地上高500mm
  2. 様々な作物に対応できる3つの仕様と3段階のトレッド調節
  3. 幅広いインプルメントに対応し、多種多様な作業が可能

-など。

4.井関農機が2020年上期新商品20品目34型式を発表

茨城県つくばみらい市の「夢ある農業総合研究所」で2020年度上期新商品発表会を開催、国内、海外向け合わせて20品目34型式を発表した。今回のコンセプトは「アジア及び国内への新商品投入による農業の生産性向上」と「環境規制の厳しい欧州の景観整備市場に対応した新商品の投入」で、なかでも景観整備市場へは新たに欧州排ガス規制ステージⅤに適合した内製エンジンを開発、中型トラクターTHシリーズとフロントモアに搭載するなど、商品力を強化した。
 発表した新商品は国内向けで、コンバインがフロンティア ラピッドの2型式、籾すり機がスーパーメイトの8型式、ミニ耕うん機がMyペットの1型式。ニンジン収穫機2型式、ダイコン収穫機1型式。海外向けはトラクター7型式、フロントモア2型式、アタッチメント1型式、田植機3型式、コンバイン5型式、ディーゼルエンジン2型式。
 このうち、国内向けコンバイン「フロンティア ラピッド」は、2・3条刈クラスで好評の「フロンティア」HVFシリーズをモデルチェンジし、早くてカンタン、使いやすい快速コンバインとして新発売。
 主な特徴は、

  1. 速くてカンタン、高い作業能率の実現。全型式全面刈感覚で作業可能
  2. 大容量脱こく機に直径420×585mmの新設計こぎ胴搭載。大径のこぎ胴は作物への負担が少なく、ワラくずの発生を軽減
  3. ズームオーガが伸縮するため、排出作業時の位置合わせが簡単。オーガ収納時籾こぼれが少ない

-など。

<業界短信1月>

1.政府が農業生産基盤強化プログラムを策定

政府は総理官邸で農林水産業・地域の活力創造本部(第26回)を開き、新たに生産基盤の強化を目的とする政策パッケージとして「農業生産基盤強化プログラム」を策定し、これを農林水産業・地域の活力創造プランに盛り込む改訂を了承した。
 この中では「スマート農林水産業の現場実装とデジタル政策の推進」が位置づけられ、スマート農業実証について、優先採択枠の設定により、被災地や中山間地域での実証を推進することや、シェアリングなどスマート農業技術を安価に提供する新サービスの創出促進などが盛り込まれた。スマート農業を後押しする更なる政策展開に期待がかかる。なお、同プログラムは、幅広く生産基盤の強化を図り、強い農業・農村を構築し、農業者の所得向上を実現していくことを目指して策定したもの。

2.ヤンマーがスマート農業現地検討会でナガイモ収穫・運搬を実証

ロボットトラクタ-と自動操舵システム搭載のトラクターの2台でナガイモの収穫・運搬作業を行う「スマート農業開発・実証プロジェクト」の現地検討会が青森県東北町のおとべ農産合同会社圃場で行われた。会場には、ナガイモ掘り上げ機を装着したヤンマートラクターYT5113Aデルタ仕様機と、鉄コンを3個積載したトレーラを牽引するヤンマーロボトラが用意され、トラクターのオペレータがタブレットを介してロボットトラクターを操作、収穫と圃場内運搬作業の協調・並走作業を披露した。
 検討会では、上北地域大規模露地野菜経営スマート農業実証コンソーシアム実証代表機関である青森県産業技術センター野菜研究所の菊池昌彦所長が挨拶し、実証の目的を述べるとともに、今後の技術普及に期待を寄せた。また、今年のナガイモ作付面積は6haというおとべ農産合同会社の乙部英夫社長は、オペレータ1人で2台のトラクターを稼働させる協調作業により、従来6~7人を要した作業が4人でこなせるようになるとシステムの省人化効果を指摘。実証後は全作付け圃場でこの方式を導入していきたいとも語った。

3.やまびこが代理店会議、新スローガン打ち出す

やまびこジャパンの各地販ごとに全国6カ所で延べ500名余りの特約店関係者を招き「2020年度代理店会議」を開催した。席上、永尾社長は「第3四半期の国内外を合わせた売上高は982億円」と対前期比5%増で推移していると発表。通期では、連結売上げ1220億円、営業利益65億円を見込んでいると挨拶。会議では、50Vリチウムイオンバッテリーを搭載したチェンソー、ロング操作桿モデルの刈払機、ロボット芝刈機など新製品を多数発表、国内営業部門の新スローガン「CONNECT(コネクト)22MIRAI(ミライ)」を打ち出した。
 群馬県伊香保のホテル小暮で開催された東日本地区(関東甲信越)会議には138名が出席。永尾慶昭社長による主な事業と通期売上げ目標に向けた今後の取り組み発表、林智彦やまびこ取締役営業本部長・やまびこジャパン社長によるやまびこグループの営業方針についての発表などが行われた。国内営業部門における2020~2022年の3カ年のスローガン「CONNECT(コネクト)22MIRAI(ミライ)」については、IoT・スマート農業が注目される中、次の3カ年は5G通信をはじめ、ますます実用が進み、草刈・防除の分野において飛躍的に向上していくことが予想される一方、高齢化と人手不足も加速的に進んでいくこの分野で、やまびこは最も信頼されるパートナーとなるべく、2020年はその第一歩として〝拓く〟をテーマに展開していくとした。

4.日本農業機械工業会が農業機械油脂技術交流会を実施

東京・芝公園の機械振興会館で、第7回農業機械油脂技術交流会を開き、オイルに対する課題や問題点を検討した。技術安全対策委員会油脂技術分科会の活動報告では、農機独自の試験規格や共通潤滑油の認証と登録システム構築に向けた検討状況などが報告され、母機メーカー4社による農業機械用トランスミッション油の認証システムについて、2020年度を目標に運用マニュアルを完成させたい意向が示された。
 油脂技術分科会では、オイルについて検討を行っており、オイルの規格化などを進めている。農業機械用トランスミッション油の規格については、オリジナル試験規格(摩耗特性試験、低速摩耗試験)の規格作成および2種トランスミッション油の規格作成を2019年度内の完成目標で進めている。
 2020年度は、

  1. 運用マニュアル(農業機械用トランスミッション油の認証システム)の完成(母機メーカー4社で作成を検討)
  2. 認証方法の確立(母機メーカー4社で検討中)
  3. 認定登録制度の構築(日農工でのオンファイル化)
  4. 同規格の国内外へのリリース方法の具体的検討

-を目標に取り組むとした。

5.オーレックの大城部長が草刈り・除草ワールドで講演

都内有明の東京ビッグサイトで開催された第1回の「草刈り・除草ワールドにて、「『草と共に生きる』社会の実現に向けたオーレックの新たな取り組み」と題し、オーレック開発部の大城孝弘部長が講演した。大城氏は、2016年にブランドリニューアルした際に同社が「草と共に生きる」姿勢を示すため作成したイメージムービーを放映しながら、同社が考える農業、緑化、環境づくりの未来へ向けた取り組みについて語った。
 同社は労働人口が減少している中、日本の農産物を供給し続ける農家や、緑地管理を実施している人々の負担軽減にお手伝いをしていきたいという基本的な考えのもと、高齢者や女性に扱いやすい機械ニーズに応えるため、2面畦草刈機の主力製品よりも重量で30%軽く、ハンドルの操作荷重も33%軽量の草刈機WM603を昨年発表したと述べた。また、乗用タイプとして左側にオフセットの草刈り部を設けたRMK151、雑草取り込み用のオプション「楽々デバイダー」、ラジコン式草刈機、水田除草機「ウィードマン」なども紹介し、長年研究してきた草の除去技術を、雪国の除雪や牛舎の自動消臭などあらゆる分野に広げる取り組みを進めていきたいと語った。

6.ヤンマーホールディングスが2020年3月期中間決算

2020年3月期中間連結決算と通期見通しを発表した。それによると、売上高は4043億円(前年同期比6.6%増)、経常利益は113億円(同82%増)となった。国内市場においては、アグリ事業での消費税増税前の駆け込み需要、エネルギー事業での発電機の需要増などにより、業績が堅調に推移した。海外市場においては、アグリ事業で、中国・タイ・インドネシアの市況の悪化により減収となったが、小型エンジン事業の北米・欧州・中国向けが好調に推移し、建機事業においても好調に推移したため、グループ全体として増収・増益となった。
 通期の連結業績見通しについては、当中間連結会計期間の上期は国内市場における消費増税前の駆け込み需要がグループ全体の売上を牽引したものの、下期においてはアグリ事業の重点地域である中国・タイ・インドネシアでの需要が年初の予想を下回る見込みであることから、2019年6月に公表した当連結会計年度の業績見通しを見直し、売上高を8163億円、経常利益を120億円に修正した。

7.本田技研工業がロボット芝刈機の実証実験開始

ロボット芝刈機「Miimo(ミーモ)HM520」を使い、公益財団法人東京都公園協会と協力し、大型公園での利用・適用性検証と電源設備の無い河川敷における使用可能性の検証を目的として実証実験を実施すると発表した。
 日比谷公園では、家庭用として開発したミーモの日中の大型公園における利用の可能性と公園管理事業との適性の検証を目的として11月末から実証実験を行っている。これにより、公園管理事業でのロボット芝刈機の可能性を広げ、芝生環境の整備・拡大に貢献したい、としている。また、河川敷の新中川暫定係留所では、電気の常設されていない環境下におけるミーモの使用可能性の検証を目的として、ハンディータイプ蓄電機の「LiB-AID(リベイド)E500」とミーモを併用した実証実験を10月より開始した。両実証実験は、都公園協会が日比谷公園と新中川暫定係留所においてミーモやE500を使用し、ホンダがデータの収集を実施する形態で推進する。

8.クボタが米国のアクセラレータープログラムに参加

米国のSVG Venturesが運営するスタートアップアクセラレータープログラム「THRIVEアクセラレータープログラム」に参加した、と発表した。同社は、THRIVEアクセラレータープログラムへの参加を通じ、AgTechスタートアップを中心とした社外パートナーとのオープンイノベーションを加速し、米国等における農作業の省力化・効率化に貢献していく、としている。
 背景とねらいについて同社は、「社外パートナーとの連携によるオープンイノベーションの推進部門として、本年6月にイノベーションセンターを立ち上げた。現在、本年8月に出資したアドバンスト・ファーム・テクノロジー(Advanced Farm Technology)をはじめとした、スタートアップとの協業交渉を進めている。今後更に活動を強化していくためには、AgTech分野におけるスタートアップ等との連携が重要であり、当該分野におけるプレーヤーと広く、深いつながりをもつTHRIVEアクセラレータープログラムに参加することにした。このたびのTHRIVEアクセラレータープログラムへの参加により、スタートアップ、農業生産者、研究機関、大学等を含む、多数のプレーヤーとの連携を更に強化し、米国等における農作業の省力化・効率化に貢献していく」としている。

9.ヤンマーの現地法人がミャンマーの農業大学で農機講習

ミャンマーの現地法人であるヤンマーミャンマー(YMC)は、首都ネーピードにあるイエジン農業大学で農業機械の講習を行った。同大学は、1924年に創立されたミャンマー唯一の農業大学で、YMCは、新設された農業機械学科向けに不定期で講習を実施している。
 今回は、約600名の学生に向けて農業機械の特徴説明と圃場での実作業の講習を行った。ヤンマーのコンバインを持ち込み、丸ハンドルでの操作ができるFDS(フルドライブシステム)機構や、GPSを利用した遠隔監視システムである「スマートアシスト」等の先進機能の説明を行い、実際に圃場で操作の実習も行った。同社では、「今後も、YMCではイエジン農業大学へと講習を通じて連携と情報交換を続けていく予定」としている。

10.サタケグループ会社の「クリーン精米屋」を
   志和グリーンセンターに設置

サタケ・ビジネス・サポートはこのほど、同社直営の「クリーン精米屋」(コイン精米機)をJA広島中央・志和グリーンセンターの駐車場内に設置し営業を開始したことを明らかにした。今回の設置で直営のクリーン精米屋は12店舗となった。
 今回新たに設置された志和地域は東広島市郊外の農業の盛んな田園地帯で、米を生産する農家を中心に精米のニーズが見込まれている。新設置の「クリーン精米屋」はこれまでの設置機と同様に他の利用者の米が混じらない「残留ゼロ機構」を装備しているほか、精米モードは「クリーン白米」のほか「上白」、「標準」、健康に良いぶづき米に仕上げる「ぶづき米(1ぶ~9ぶ=任意)」から選べる特徴を備えている。同社では今後もニーズに応じて設置を検討していく考え。