令和元年12月10日発行
<業界短信-新製品12月>
- ヤンマーアグリがトラクター、コンバイン発売
- サタケが非常食パン発売、アレルギー対応乾燥米飯を拡充
- サタケが秋田展で新型光選別機を参考出品
- ヤンマーアグリが直進アシスト田植機を発表
- 三菱マヒンドラ農機が本格4条・5条刈コンバインを発売
- タカキタが大型マニアスプレッダ2型式を発売
- タイショーがグランドソワーを新発売
<業界短信12月>
- クボタがグッドデザイン・グッドフォーカス賞
- サタケが中国地方発明賞表彰で特許庁長官賞に
- 井関農機の子会社が合併しヰセキ中四国が発足
- クボタが大阪に「イノベーションセンター」サテライトオフィス開設
- オーレックがグリーンラボ福岡をオープン
- クボタが明年1月1日付でトップ人事
- クボタが2019年第3四半期決算を発表
- クボタが新潟県燕市に「下町トラクター」を寄贈
- サタケが中国・江蘇省と四川省農業科学院と包括技術提携契約
- タカキタが2020年3月期第2四半期決算を発表
- 小橋工業が日本品質奨励賞TQM奨励賞
- JA全農が共同購入トラクター表彰式
- JA全中が次期基本計画で要請
- 地方発明表彰で井関農機に文部科学大臣賞のほか農機業界から受賞多数
- 井関農機が2019年12月期第3四半期業績発表
- 三菱マヒンドラ農機が2019年度上期決算を発表
- やまびこが2019年12月期第3四半期連結業績を発表
- 山本製作所の社員が大崎市でボランティア活動
- ヤンマーが籾殻ガス化プラントを滋賀県で実証
- 井関農機が第4回技能コンクール
- ヤンマーアグリとオサダ農機が農業技術開発功労賞
<業界短信-新製品12月>
1.ヤンマーアグリがトラクター、コンバイン発売
ヤンマーのグループ会社である同社はこのほど、新製品として中山間地などに適したコンパクトでパワフルなトラクター「YTシリーズ」3型式、水田単作農家や複合経営農家に最適な大型トラクター「YT4Aシリーズ」3型式、担い手農家向けコンバイン「YH4A/5Aシリーズ」3型式を発表した。発売はYH4A/5Aのうち収穫量センサー付き仕様のみ来年2月。「YT1シリーズ」は、求められる機能を充実させると同時に、操作レバーやスイッチ類を使いやすい位置に配置することで、快適な操作性と乗り心地を実現している。「YT4Aシリーズ」は、幅広い馬力帯で装備の充実と機能向上を実現した。コンバイン「YH4A/5Aシリーズ」は、ロスの少ない独自の脱穀・選別機能や籾排出時間を短縮する「豪速オーガ」などの基本性能、使いやすさを兼ね備え、収益に直結する選別精度や能率の向上に貢献する。
トラクターYT1シリーズの主な特徴は、
- オートマ感覚の簡単操作
- 軽いハンドル操作で、小区画ほ場や四隅の仕上げも思い通り
- トラクターと最適にマッチングした標準ロータリ
-など。
YT4Aシリーズの主な特徴は、
- どんな作業にも対応できるパワフルで低燃費な高出力コモンレールエンジン
- あらゆる作業の最適速度に調整できる無段変速トランスミッション「I-HMT」
- 水田・畑作での作業機設定が簡単にできる「かんたん作業設定」
-など。
コンバイン「YH4A/5Aシリーズ」の主な特徴は、
- 刈取り・脱穀・籾搬出の一連作業をより速くより高精度に実現
- オペレータに便利な機能を充実
- 収穫しながら収量を測定しWEBサイトで簡単に分析できる「収穫量センサー」
-など。
https://www.yanmar.com/jp/agri/news/2019/10/31/63690.html
2.サタケが非常食パン発売、アレルギー対応乾燥米飯を拡充
非常食シリーズに、調理不要で簡単に美味しく食べられる非常食パン「PAN de BAR」を新たに追加発売した。保存期間は5年。希望小売価格は20個入り9600円、50個入り2万4000円(税抜き)でサタケオンラインショップにて販売する。近年、台風や地震などの自然災害が多発しており、発災直後に水道・電気・ガスなどのインフラが途絶えた場合、調理環境の確保が困難となる。そこで同社では、製造・包装方法を工夫し微生物や水分活性の管理を徹底することで長期保存を実現し、調理が不要でエネルギー摂取が容易にできる「PAN de BAR」を開発した。1個あたり約500kcalのエネルギーが摂取可能で、甘みの効いたしっとりとした食感のパンに仕上げている。
また、非常食やアウトドアなどで美味しく手軽に食べられる乾燥米飯「マジックライス保存食シリーズ」の既存ラインアップ商品である「五目ご飯」「ドライカレー」の2種をアレルギー物質不使用(アレルギー物質特定原料等27品目不使用-など)の商品としてリニューアルし、販売開始した。これにより、「白米」「青菜ご飯」「梅じゃこご飯」「わかめご飯」「根菜ご飯」に加えて「五目ご飯」「ドライカレー」の投入でマジックライス保存食シリーズ全9種のうち7種が食物アレルギー対応となる。
3.サタケが秋田展で新型光選別機を参考出品
大館市で開催された第71回秋田県農業機械化ショーに、既に発売されている遠赤外線乾燥機、籾摺機に続く大規模生産者向け高耐久シリーズSAXESの新たなラインアップとして、光選別機「SAXES Knight(サクセス ナイト)」SGS-2300Kを参考出品し注目を集めた。発売は来春予定。
同機には世界初となるピエゾバルブを搭載。バルブの開閉速度が2000回/秒と従来のソレノイドバルブより約1.7倍速くなり、選別時に良品を除去してしまう「巻き添え」低減に効果がある。同社の比較試験では、巻き添えを最大10%低減。さらに従来品の3倍以上の長寿命化、50%の消費電力低減、20%のエア消費量低減を達成し、歩留まり向上と光選別機運転コストの削減ができる。
その他の主な特徴は、
- 処理能力は従来機の最大2t/時から2.3t/時に向上。選別に使用される光源をLED化することで、従来機で約30分を要した暖機運転を5分以内に短縮
- 籾摺り機との連動により、光選別機にトラブルが発生し、作業が停止した場合に、川上にあたる籾摺り機も自動停止させる機能も実装
- 機体外装にもLEDライトを取り付け、通電時、運転時、トラブル発生時にそれぞれ機体の状態を識別できるように点灯、点滅させ、視覚的にもひと目でわかるようになっている
-など。
4.ヤンマーアグリが直進アシスト田植機を発表
乗用田植機「YR-Dシリーズ」に自動直進機能を搭載した直進アシスト田植機「YR6D/8D」を2020年1月1日に発売する。D-GNSS方式の直進専用の自動操舵システムを採用し、3つのボタンを押すだけで自動直進を可能にした。今回の直進アシスト田植機は、ロボットトラクター、オートトラクター、オート田植機に続く自動運転技術「SMART PILOT」シリーズの第3弾として開発し、ラインアップに追加したとしている。
主な特徴は、
- 簡単な操作で誰でもまっすぐ正確な植付けを実現。長時間の田植え作業でも自動操縦で大幅に疲労を低減する
- 旋回時はハンドル操作のみ、誰でも簡単スムーズに作業可能
- 直進アシストと密苗技術で高いコストパフォーマンスを実現
-など。
5.三菱マヒンドラ農機が本格4条・5条刈コンバインを発売
4条刈・5条刈コンバイン「V465・V565/V475A・V575A」を発売した。経営規模の拡大を図る担い手農家にニーズの高い4条刈・5条刈コンバインのラインアップを充実した。三菱農業機械のデザインアイコンであるイーグルデザインを採用したほか、刈取部のカラーは従来の白基調からコーポレートカラーの「赤」とし、キャビンは従来のフレーム型からモノコックタイプに変更して、防塵性能・静粛性を高めた。さらにオプションで収量・水分センサーを設定、共乾施設への対応を強化している。
主な特徴は、
- 搭載エンジンは、V465とV565が「V2607-CR-TE4B(67.8PS)」で、高出力クリーンディーゼルを新たに採用
- 既にトラクターで搭載している「MIT」仕様をオプションで設定。基本的な使い方としてはトラクター同様メンテナンスの補修通知や転倒通知、盗難通知となるが、今回新たに収量センサーと水分センサーをオプションで用意
- 作業日誌の「アグリノート」と連携して、刈取り作業した圃場のデータ(収量・水分)が残せるようにしている
-など。
6.タカキタが大型マニアスプレッダ2型式を発売
マニアスプレッダ「DL9010T(最大積載容量9立方m)」と「DL11010T(同11立方m)」を新発売した。トラクター牽引による移動がしやすいスマートなボディ設計とし、DL9010Tは機体幅2270mm、DL11010Tは2390mmで、従来機に比べて500mm幅狭な仕様で、移動時のストレスを解消した。トラクターの適応馬力はDL9010Tが44.1~81kW(60~110PS)、DL11010Tが58.8~99.3kW(80~135PS)。
主な特徴は、
- トラクター牽引による移動がしやすいスマートなボディ設計
- PTO連動モード対応リモコンを標準装備。トラクターPTO回転の「入・切」に連動して堆肥を送り出す油圧駆動コンベアを自動制御
- コンベア送り速度は10段階に簡単設定(メモリー機能付き)
- 堆肥に混入した異物等でシェアボルトが切れると同時に、コンベア送りが自動的に停止し、ビータの破損を防ぐ「オートストップシステム」を搭載
- ボディは耐久性・耐食性にも優れ、ビータ側板、床の桟も亜鉛メッキで耐食性が一層向上
-など。
7.タイショーがグランドソワーを新発売
耕うんと施肥が同時に行えるトラクター作業機“グランドソワー”の新型「UXシリーズ」(ホッパー容量55~140L)と「RS・RDシリーズ」(同110~165L)、また、薬剤散布機「KX」(同15L)、さらに、粉剤散布機「PN」(同40L)を完成、来春1月より本格的な発売を開始することを明らかにした。「UXシリーズ」は、ロール部が開放できる繰り出し部オープン機構、畦越え跳ね上げ機構(フロントタイプ)などを新たに装備、また、「RS・RDシリーズ」は残量センサーを搭載するなど新機構を採用。薬剤散布機「KX」は、シールド機構を採用、粉剤散布機「PNは、ホッパー内の振動板により、詰まりやすい粉剤をスムーズに散布できる。
UXシリーズの主な特徴は、
- ロール回転制御方式により、設定した散布量を正確にしっかり散布。肥料の撒き過ぎによるムダをなくし、コスト削減ができる
- 施肥と同時に耕うんを行うことができるため、トラクターの燃費節約、作業時間の短縮に貢献
- 低い散布位置、耕うんとの同時作業により、風による肥料の飛散が減少
- GPS車速連動タイプで、GPS情報を基に設定に応じた散布制御を自動的に行う。車速を変化させても均一な肥料散布が可能
-など。
RS・RDシリーズの特徴は、
- 高精度電動シャッターを搭載。トラクターに乗ったまま散布量調整が可能。手元スイッチで設定した散布量を正確に散布
- 粉・粒・微粒剤・鶏糞・有機ペレットなど幅広い肥料が散布可能(湿ったもの。形状の大きな肥料は不可)
- 全型式スタンド標準装備
-など。
<業界短信12月>
1.クボタがグッドデザイン・グッドフォーカス賞
クボタの乗用形田植機「ナビウェルNW8S」が、「グッドデザイン・グッドフォーカス賞[地域社会デザイン](日本商工会議所会頭賞)」(主催公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞した。グッドフォーカス賞は、2019年度に選ばれたすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、地域社会の持続的発展や経済の活性化に特に寄与するデザインと認められたものに送られる賞。
このたびの選考では、「動くハイテク米生産機と呼ぶべき新次元の農業機械であると高く評価した。高度デジタル技術を応用した株間や施肥量、直進走行の保持機能は、特別な技術不要の操作を可能にすること以上に、日本特有の限られた土地と人材のポテンシャルを最大限に引き出す力を秘めている。無駄のない理にかなったパーツ類の設計や構成を含め、今後の農業機械のデザインのあり方に大きな影響を与えるに違いない」と評価された。
2.サタケが中国地方発明賞表彰で特許庁長官賞に
広島市の広島ガーデンパレスにおいて中国発明表彰の表彰式が行われ、「光学式粒状物選別機の検量線自動設定システム」を発明したサタケの社員4名に特許庁長官賞が授与された。併せて、同発明の実施化に顕著な功績があったと認められる法人の代表者として同社の佐竹利子代表に実施功績賞が贈られた。今回、表彰の対象になった特許は、米・麦などの穀粒や樹脂ペレットなどの粒状物を良品と不良品とに判別、あるいは粒状物に混入する異物を判別する光学式粒状物選別機の、不良品や異物の選別基準を自動設定する機能に関するもの。この技術はサタケの多用途光選別機「BELTUZA」シリーズや「ピカ選αPLUS」シリーズに採用され、食の安全・安心やプラスチックリサイクルの推進に大きく貢献している。
3.井関農機の子会社が合併しヰセキ中四国が発足
連結子会社であるヰセキ中国とヰセキ四国が2020年1月1日付で合併する。合併後の称号は「ヰセキ中四国」で、本社はヰセキ中国の本社(広島県東広島市西条町)に置く。資本金は9000万円(井関農機が全額出資)。代表取締役社長には中谷清氏が就任する。合併の目的は、「合併により経営の効率化を図るとともに、両社が保有する経営資源を有効活用することで、市場環境の変化や多様化する顧客ニーズへの対応力をより高めた販売サービス体制を構築するため」としている。
両社は、11月12日に合併承認株主総会を開催。合併効力発効日は2020年1月1日の予定。
4.クボタが大阪に「イノベーションセンター」サテライトオフィス開設
一般社団法人ナレッジキャピタルが運営するグランフロント大阪の中核拠点「ナレッジキャピタル」に、同社のオープンイノベーション推進部門「イノベーションセンター」のサテライトオフィスを開設した。社外パートナーとの連携によるオープンイノベーションを活用し、新たな事業、製品、サービスの創出を推進する部門として、本年6月に「イノベーションセンター」を立ち上げたが、今回はオープンイノベーションによる新たな事業創出活動を強化すべく、「知的創造・交流の場」であるナレッジキャピタルに、サテライトオフィスを開設した。
ナレッジキャピタルに集まる多様な人々や企業、大学等との連携を通じ、新たな事業、製品、サービスの創出を加速するのが狙い。なお、同社は、イノベーションセンターの欧州拠点のサテライトオフィスも、2020年にオランダ・ワーヘニンゲン大学構内に設立する予定。
5.オーレックがグリーンラボ福岡をオープン
都市型ブランド拠点「オーレック グリーンラボ 福岡」をオープンした。オーレックの製品も展示しつつも、まるでおしゃれなカフェという雰囲気の空間で、同社ではここから「農・食・ものづくり」をアピールしていく。
「オーレック グリーンラボ 福岡」は、市営地下鉄赤坂駅から近い4階建てのビルで、1階はカフェ、2階は約250冊の蔵書のあるライブラリースペース、そして3階はイベントスペースになっている。カフェの主力商品はライスミルクを使用した「お米ラテ」や、それに無農薬煎茶を加えた「お米ラテ 煎茶」とオーガニックコーヒー。ライブラリーには「農・食・ものづくり」をテーマにした本が並ぶ。イベントスペースでは、自然に親しむことをテーマにしたワークショップを開催予定だ。内装は木材を使用して、温かみがあり明るく落ち着いた空間を演出、まるでおしゃれなカフェという雰囲気だ。3拠点目となる今回は初の都市型。オープンに先駆けて行われた内覧会で今村社長は「幅広い層へアピールすることで農業への貢献になれば」と語った。
6.クボタが明年1月1日付でトップ人事
取締役会において、木股社長の代表取締役会長、北尾裕一副社長の代表取締役社長の昇任を決議した。発令日は2020年1月1日。異動理由は「2020年に130周年を迎えるのを機に、新しい経営体制のもとさらなる経営基盤の強化・企業価値の向上を図るため」。また、吉川正人取締役専務執行役員が同副社長執行役員に昇任するほか、渡邉大取締役専務執行役員が機械事業本部長、イノベーションセンター長に、富山裕二トラクター総合事業部長が専務執行役員、石井信之常務執行役員が機械統括本部長、アセアン統括本部長、イノベーションセンター副所長、太田旬治氏が執行役員機械統括部長に就任する。
さらに、機構改革として、機械事業本部における農機技術本部を廃止、機械技術統括本部を新設、カスタマーソリューション統括事業部を新設、水環境事業本部は水環境ソリューション開発部を新設するとした。
7.クボタが2019年第3四半期決算を発表
2019年12月期第3四半期(IFRS基準)の連結業績を発表した。それによると、当第3四半期(2019年1月日~9月30日)の売上高は前年同期比964億円(7.1%)増加して1兆4608億円となった。国内売上高は機械、水・環境ともに大幅増収となり、前年同期比580億円(13.7%)増の4807億円となった。海外売上高は水・環境部門が減少したが、トラクターや建設機械の好調により機械部門が伸長したため、前年同期比384億円(4.1%)増の9800億円となった。営業利益は前年同期比177億円(12.0%)増の1662億円となった。税引前利益は前年同期比177億円(11.5%)増の1713億円となった。
機械部門の売上高は前年同期比6.5%増加して1兆2136億円となり、売上高全体の83.1%を占めた。国内売上高は前年同期比12.2%増の2633億円。農業機械が大幅に増加したほか、建機やエンジンも増加した。うち農機・エンジンは2350億円で前年同期比11.6%増加した。海外売上高は前年同期比5.0%増の9504億円。うち農機・エンジンは7355億円で前年同期比3.8%増加。
https://www.kubota.co.jp/ir/financial/briefnote/pdf/130q3.pdf
8.クボタが新潟県燕市に「下町トラクター」を寄贈
昨年10月より放映されたテレビドラマ「下町ロケット」で使用されたトラクターを新潟県燕市に寄贈した。同市の「農業まつり2019」の開会に先立ち、贈呈式が行われ、同社から飯塚智浩執行役員農機国内営業本部長が出席、燕市の鈴木力市長に記念のレプリカキーを手渡した。寄贈したトラクターはドラマ内で米農家を営む佃製作所・殿村経理部長の実家のトラクターとして使用された「ヤマタニトラクター」。今後「道の駅国上(くがみ)」で常設展示される予定。
飯塚本部長は式の冒頭挨拶し、「ドラマづくりに燕市の皆さま方とともに、参画できたことは、本当に幸せなこと。このドラマをきっかけに、農業に対する世間の注目もより高まったと思う。今後も燕市農業、新潟県農業、そして日本農業を一緒に盛り上げていきたい」と述べた。鈴木市長は、「道の駅国上にトラクターを展示することができ、また一つ燕市の見所が増えた。感謝するとともに、市のスマート農業への取組みにもクボタから協力頂いており、重ねて御礼申し上げたい」と挨拶した。
http://www.city.tsubame.niigata.jp/industrial/018000015_00007.html
9.サタケが中国・江蘇省と四川省農業科学院と包括技術提携契約
中華人民共和国の江蘇省および四川省農業科学院との包括技術提携契約をそれぞれ締結した。
同社は2007年9月に国家糧食局(現・国家糧食和物資儲備局)と包括技術提携契約を締結して以来、継続して共同研究を行っており、中国の農業・食糧行政機関との包括技術提携契約は今回で5例目となる。今回の包括技術提携契約の目的は、江蘇省、四川省両省内で生産される米の国内市場におけるブランド競争力の強化。今後、長期的かつ安定的な提携関係を築き、共同研究プロジェクトの展開や新技術に関する人員交流・情報交換などで協力を図っていく。契約締結式には同社の福森武副代表が出席した。
10.タカキタが2020年3月期第2四半期決算を発表
2020年3月期第2四半期の決算を発表した。それによると、売上高は37憶8200万円(前年同期比6.9%減)、営業利益は3億8000万円(同18.6%減)、経常利益は3億9700万円(同18.8%減)、四半期純利益は2億5400万円(同30.3%減)となった。売上高のうち、農業機械事業においては、集草作業機ツインレーキや、循環型農業に適したマニアスプレッダ等、新製品の投入効果に加え、消費税増税に係る除雪作業機スノーブロア等の駆け込み需要で、一部の製品の売上げが堅調に推移したものの、国の畜産クラスター事業による導入が当初想定よりも遅れたことや、天候不順の影響もあり、減収となった。
また、欧州向けの輸出が増加した一方で、中国・韓国向け輸出の減少により、海外売上高も減収となり、農業機械事業全体の売上高は前年同期比3億400万円減少し35億100万円となった(前年同期比9.8%減)となった。損益面においては、売上高の減少に加え資材高騰等の影響もあり、営業利益は前年同期比8600万円減少し、3億8000万円(同18.6%減)、経常利益は9200万円減少し、3億9700万円(同18.8%減)、四半期純利益は1億1000万円減少し2億5400万円(同30.4%減)となった。
http://www.takakita-net.co.jp/ir/kessan/documents/2019103001.pdf
11.小橋工業が日本品質奨励賞TQM奨励賞
日科技連が主催する2019年度の「日本品質奨励賞TQM奨励賞」を受けた小橋工業の小橋正次郎社長と品質保証部の阿部徹部長は、都内の経団連会館で行われた授賞式に出席、同技連の佐々木眞一理事長から賞状と楯を受け取った。長年土を耕してきた爪と作業機製造の歴史とノウハウを土台に、新たに「地球を耕す」との企業理念を掲げて多様な歩みを進めている同社。今回の受賞は、トップのリーダーシップ、顧客・利害関係者に徹底的に寄り添う新製品開発の仕組みとその運用、整備された品質保証体制-が評価されたもの。
小橋社長は色々な領域に広がっている地球における問題を解決していくとの姿勢を明らかにしながら、受賞に結びついた活動を生かして組織・製品の品質を高め、さらには地球の品質を高めていくことがわれわれに求められていると述べた。世界最高水準の品質を誇る企業を目指し挑戦を続けるコバシ。受賞日は、新たなスタートの意志を固めた一日でもあった。
12.JA全農が共同購入トラクター表彰式
東京・大手町のJAビルで、生産者の声を反映した共同購入トラクター(大型)について積極的な提案活動を行い共同購入の取り組みで成果をあげた3JAとJA担当者10名を表彰した「共同購入トラクター(大型)提案活動表彰式」を開催した。ヤンマーアグリが製造する共同購入トラクターは2018年10月から供給を開始し、現在まで1,550台が販売されている。全農のこの低価格トラクターの推進は、JAグループの自己改革の取り組みにおける成果のひとつとして政府等からも高く評価されており、その最前線で活動した受賞者らの奮闘が称えられた。
表彰式では主催者を代表して全農の久保省三常務理事のあいさつに続き、来賓としてヤンマーアグリの増田長盛代表取締役副社長があいさつした。表彰式の後、全農耕種資材部の冨田健司部長が審査講評を行った。その後、事例発表に移り、JAなすのサービスの小玉恒夫社長が講演。「ヤンマーは丈夫で長持ちするという農家のイメージが強い一方、価格水準が他社より高く手が届きにくい状況が続いていた」とし、今回の共同購入トラクターについて「実際にヤンマーを待ち望んでいた生産者が多かったため、期待に合致した」と評価した。
13.JA全中が次期基本計画で要請
次期食料・農業・農村基本計画に対するJAグループの提案をまとめ、江藤拓農林水産大臣に要請した。食料安全保障を確立するための将来像の具体化を中心に、スマート農業・労働力確保対策の促進などを盛り込んだ。スマート農業の促進については、スマート農業の導入と連動した産地づくりを進めること、その際、ドローン、無人トラクター、無人草刈機等スマート農業の低コストでの現場実装を進めるため農業者をサポートする組織の体制整備等を行うとともに、さらなる生産性向上等に向けて農業施設の再編・機能強化につながる要件緩和等を行うこと-などを求めた。
14.地方発明表彰で井関農機に文部科学大臣賞のほか農機業界から受賞多数
公益社団法人発明協会はこのほど、令和元年度の関東、近畿、四国及び九州における地方発明表彰受賞者を発表した。業界関連をみると、四国地方では文部科学大臣賞に井関農機の「穀粒乾燥機のヒートリサイクル制御」が選ばれ、実施功績賞に同社社長・冨安司郎氏が選ばれた。九州地方では文部科学大臣賞に「ピンポイント農薬散布」でオプティム代表取締役社長・菅谷俊二氏が選出された。近畿地方では発明協会会長賞に「製袋包装機および製袋包装システム」でイシダが受賞、実施功績賞に同社社長・石田隆英氏が選ばれた。大阪発明協会会長賞には「作業機のアンロードレバー」でクボタが選ばれた。
令和元年度四国発明表彰の表彰式が徳島市内のホテルで行われた。井関農機から勝野志郎執行役員開発製造本部副本部長と西野栄治開発製造本部アグリクリエイト部グループ長が出席、表彰を受けた。表彰対象となった「穀粒乾燥機のヒートリサイクル制御」の技術的ポイントは、高速乾燥と穀物品質を両立している、省エネ性が向上した、操作性や安全性、環境性が向上したの3点。
http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R1/chihatsu_jusho.html
15.井関農機が2019年12月期第3四半期業績発表
2019年12月期第3四半期連結決算(日本基準)を発表した。それによると、売上高は1209億7500万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は45億2500万円(同26.0%増)、経常利益は32億5900万円(同17.8%増)、親会社に帰属する四半期純利益は21億3200万円(同3.9%減)となった。また、12月期通期連結業績予想は、売上高を1555億円とし、前回予想(2月13日公表)から85億円下方修正したが、損益面では原材料価格が想定を下回ったことなどにより、前回予想の利益を確保できる見込みであることから変更せず、営業利益40億円、経常利益26億円、親会社株主に帰属する当期純利益16億円としている。
国内においては消費増税に向けた駆け込み需要が見られたことなどにより農機製品・作業機などが増加し、国内売上高は前年同期比20億7800万円増加の959億7900万円(同2.2%増)となった。
海外においては、北米は新商品の小型トラクターが好調に推移したことなどにより増加した一方で、欧州は為替円高影響や天候不順による芝刈機の減少、中国では現地在庫調整による田植機半製品の出荷減少、アセアンではタイ向けトラクターの出荷やインドネシア政府入札の減少などにより、海外売上高は前年同期比2億9000万円減少の249億9600万円(同1.1%減)となった。
16.三菱マヒンドラ農機が2019年度上期決算を発表
埼玉県久喜市の東京事務所で記者会見し、2019年度上期(2019年4月~9月)の連結決算概況、下期の取り組みを明らかにするとともに、新製品として4条刈・5条刈コンバイン「V465・V565・V475A・V575A」の4型式を発表した。それによると、上期の業績は、売上高が前年同期を25億6200万円上回り、252億1100万円(前年同期比11.3%増)、うち国内事業は28億5700万円上回り225億500万円(同14.5%増)となり、2ケタ増を達成した。損益面では営業利益は国内売上げの増収、コスト低減の成果などで8100万円(前年同期は800万円)を計上した。
会見にて田中社長は、国内農機市場は上半期後半、とくに9月は消費増税前の駆け込み需要が、想定以上に出て前年を上回る需要の増加が見られたとし、一方輸出は前年並みに推移したものの、米中貿易摩擦の動向など先行きを引き続き注視する必要があると概括したうえで、同社としては先進農業への取組みとして「SE-Navi」の発売や、「イーグルデザイン」を踏襲した新製品を継続的に投入し、加えてトルコ・ヒサルラー社製作業機「ディープ・チゼル」等を投入し、畑作に対応する商品販売を積極的に進めてきたとし、海外では主軸となる北米市場においては出荷が伸長したが、アジア市場では韓国向けコンバイン、インドネシア向けトラクターが前年を下回る結果に終わったと述べた。
17.やまびこが2019年12月期第3四半期連結業績を発表
2019年12月期第3四半期の連結業績(2019年1月1日~9月30日)を発表した。それによると、同期の売上高は、981億9400万円(対前期増減率5.2%増)、営業利益71億8400万円(同8.0%増)、経常利益66億6300万円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益50億5000万円(同0.5%減)となった。1株当たり四半期純利益は121円90銭。2019年12月期の連結業績予想は、売上高1,220億円(対前期増減率3.3%増)、営業利益65億円(同3.3%増)、経常利益60億円(同0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益41億円(同2.1%減)。1株当たり当期純利益98円95銭としている。
売上高は、国内は一般産業用機械が大幅に伸長したことに加え、小型屋外作業機械や農業用管理機械も好調となったことにより大幅な増収。海外については、米州は、農業用管理機械や一般産業用機械が振るわなかったが、小型屋外作業機械が堅調に推移して増収。米州以外の海外は、西欧の販売数量が増加したものの、ユーロ安の影響やロシア・中国の低迷などにより減収となった。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6250/ir_material_for_fiscal_ym1/73482/00.pdf
18.山本製作所の社員が大崎市でボランティア活動
各部門の有志が集まり、同社の隣県の宮城県大崎市において、社員による災害ボランティア活動を行った。さきの台風19号により、河川が氾濫した大崎市は大きな被害を受けた。河川の氾濫で、当たり前の日常が一変されている姿の報道に触れ、その窮地から1日も早い立ち直りを支援しようとの動きが社員の中で湧きあがった。ボランティア活動に当たった社員は「大変な境遇に見舞われた中、感謝の言葉と、私たちへの温かい心遣いをいただいた被災者の皆様に触れ、改めて人と人の結びつきの大切さを学んだ1日となった」と話していた。
また、業務によりボランティア活動に参加できなかった社員より、支援の気持ちをカタチにすべく、社員で構成する親睦会による義援金の募集活動が行われ、社員、役員、そして会社から合わせて総額は200万円の義援金が寄せられた。その義援金は同社の近岡修取締役経営企画部部長より、山新放送愛の事業団を通じて、日本赤十字社に届けられた。
19.ヤンマーが籾殻ガス化プラントを滋賀県で実証
グループ会社のヤンマーエネルギーシステムが籾殻ガス化発電システムの実証を開始した。籾殻に特化した小型ガス化発電システムは国内で初めての取り組みとし、資源循環型農業の確立に意欲をみせている。籾殻を燃料としてガス化し、発電供給もできる小型分散型の籾殻ガス化システムを開発し、滋賀県のフクハラファームで本格的な発電を開始した。フクハラファームでは、毎年およそ200t発生する籾殻を処理している。このシステムを導入することで、農場規模拡大に伴う籾殻処理問題を解決し、発電した電力の自家消費による省エネ効果も期待されている。また、籾殻の燃焼後に残る「くん炭」も農地に還元することができるため、エネルギーの地産地消に加え、有害物質を発生しないトリジェネレーションシステムとして資源循環型農業にも貢献する。
同システムの特徴は、
- 無害なガス化技術による籾殻の有効利用
- 資源循環型農業の実現
-など。
20.井関農機が第4回技能コンクール
愛媛県松山市馬木町の同社ITTC(ISEKI・テクニカル・トレーニング・センター)および井関松山製造所、並びにポリテクセンター愛媛の3会場で第4回井関グループ全社技能コンクールを実施した。今回は井関農機を含む国内外8事業所の職歴5年未満の若手社員を中心に31名が参加し、6種目において重要なものづくりの技術を競い合った。
開会式で挨拶した冨安社長は、「いつの時代でも〝ええもん〟の基本は品質であり、製造段階における品質の確保を実現するのは製造現場で実際に〝ものづくり″を行っている〝人″であり、人の育成こそが〝ええもんを作る″に繋がる」としたうえで、「選手の皆さんは、この日のために練習と仕事を両立しながら、日々研鑽努力をされてきた。その成果をコンクールで大いに発揮していただくと同時に、大会を通じて他職場の選手と競い合うことで、さらに高い技術・技能を目指すための機会として挑戦していただきたい。皆さん一人ひとりの技能向上への取組みは、所属されている職場全体に、さらには、製造所全体、井関グループ全体の技能レベルアップにつながっていくと確信している」と激励した。
競技は機械組立仕上げ、金属塗装(場所はITTC)、NC旋盤(井関松山製造所)、普通旋盤、フライス盤、溶接(ポリテクセンター愛媛)で行い、上位3名が表彰された。審査項目は選手の作業時の様子、製品の加工精度計測、見た目の美しさ、使用した治具のかたづけまでの時間を評価・判定した。
21.ヤンマーアグリとオサダ農機が農業技術開発功労賞
両社が共同で行っているキャベツ収穫機開発グループは、公益社団法人大日本農会の農業技術開発功労者 名誉賞状(グループ)を受賞した。東京都港区の石垣記念ホールにて、「令和元年度農事功績者表彰式」が行われ、表彰された。表彰式にはヤンマーアグリ海外事業部開発部長の丸山高史氏、オサダ農機代表取締役会長長田秀治氏が出席し、表彰を受けた。また、同会功労者として、紫紅綬名誉章を芦澤利彰氏、紅白綬有功章を梶浦一郎氏、大森昭彦氏、西藤久三氏、和田宗利氏がそれぞれ受賞した。
同グループの表彰事由は、収穫時に多くの労働時間を要するキャベツについて、刈取り・選別調製・大型コンテナへの就農を機上で一貫してできる高能率収穫機を新たに開発し、収穫に要する労働時間の大幅な削減、軽労化、段ボール等の資材費の低減を達成し、農家経営の向上に大きく貢献したこととなっている。