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農業機械関連ニュース

令和元年11月11日発行

<業界短信-新製品11月>

  1. 松山が畑作向けに大型トラクター用サブソイラーを発売
  2. 小橋工業が超高耐久爪を発売
  3. やまびこが層状掃気エンジン搭載チェンソーなど発売
  4. ササキコーポレーションが「スマモ」装着の際刈りアタッチを発表
  5. 松山が大型トラクター向けバーチカルハロー6型式を発売
  6. 山本製作所が新型遠赤乾燥機や乾燥機遠隔確認システムなど発表
  7. スズテックが枝豆オートセルトレイ播種機・自動ハコツミ機発売
  8. 金子農機が遠赤外線乾燥機レボリューションゼロを発表
  9. 大島農機がプチ丸と大型プロシリーズの籾すり機を新発売

<業界短信11月>

  1. 作業機付きトラクターの公道走行運用で農林水産省・日農工など取り組み
  2. クボタがミャンマーに新拠点、2022年3月開所
  3. ヤンマーミュージアムがリニューアルオープン
  4. 井関農機が第24回さなえ全国子ども図画コンクールの入賞者発表
  5. クボタやオーレック、山本製作所などグッドデザイン賞を受賞
  6. 小橋工業が日科技連の品質奨励賞受ける
  7. 日農工がスペインのアグリエボリューション・サミットに参加
  8. 農業機械技術クラスター作業機ECU開発協力企業に4社
  9. 北海道、中国地方の発明表彰でサタケや河島農具、訓子府機械など受賞
  10. ヤンマーのTHE FARM TOKYOが好評のうちに終了

<業界短信-新製品11月>

1.松山が畑作向けに大型トラクター用サブソイラーを発売

ニプロサブソイラーSAMシリーズ5型式(40~60馬力トラクター向け)、SALシリーズ6型式(60~120馬力向け)を新発売した。畑作における経営面積の拡大に伴い、大型トラクターの導入が進んでいることから、中型・大型トラクターで効率よく排水作業が行える機械として開発した耐久性のある無振動のサブソイラー。SAMシリーズは適応馬力が40~60馬力で2連仕様。SALシリーズは適応馬力60~100馬力の2連仕様と適応馬力70~120馬力の3連仕様がある。
 主な特徴は、

  1. ナイフ後端に装着された弾丸により簡易的な暗渠を施工でき、心土に亀裂が入り透水性・排水性が改善されることで圃場が乾きやすくなる
  2. 水田では乾土効果が発現しやすくなり適度な減水深が確保され酸素が供給しやすくなる。畑では地下浸透が早まることから多雨による湿害を回避することが可能になる
  3. 大径の転圧輪を標準装備。作業深さが安定して効率の良い作業が可能。またナイフが通過したところを整地するので仕上がりがきれい
  4. キャスター付きのスタンドを標準装備
  5. トラクターへの装着はJIS標準オートヒッチ仕様と強化カプラ付仕様を用意してワンタッチ装着が可能

-など。

2.小橋工業が超高耐久爪を発売

独自技術により耕うん爪両面に硬質合金加工を施した超高耐久爪「極」(きわみ・畑作用)、「匠」(たくみ・水田用)を販売開始した。極・匠は耐摩耗性が硬質合金ありの従来爪に比べて約3倍、硬質合金なしの約6倍という同社史上最高の耐摩耗性を実現。これにより、爪交換の費用や作業時間の低減が期待できる。「極」・「匠」ともに、公式WEBストアにて限定販売予定。また、2019年12月25日まで、使用済の耕うん爪を返送すると「極」・「匠」が25%のポイントが還元される「Save the Earthキャンペーン」も実施している。
 主な特徴は、

  1. 独自技術で優れた耐久性=独自の技術により摩耗に強い硬質合金を両面に溶着し、優れた耐摩耗性を発揮。従来品(硬質合金なし)と比べ耐摩耗性は6倍に向上
  2. 形状が叶える圧倒的なすき込み性能=土の抜けがスムーズになるように断面形状をS字状にすることで反転性、残渣物のすき込み性がよい理想的な形状を実現
  3. 球面形状で土の抵抗を分散=先端形状を背面に反らし球面にすることにより、土の抵抗を分散させ爪にかかる負荷を軽減し、優れたすき込み性を実現

-など。

3.やまびこが層状掃気エンジン搭載チェンソーなど発売

プロソーとして求められる性能を追求して新開発した層状掃気エンジンを搭載した「共立・CS43RS(H)」、「新ダイワE3043(G)SP」(排気量42.9立方cm)と国内初となるオートチョークがさらに進化し、簡単にエンジン始動が行える「共立・CSA341」、「新ダイワ・E3034S-AC」(排気量34.4立方cm)の2機種4モデルのチェンソーを販売開始した。いずれの型式も始動時のリコイルの引き力を軽減するiスタート(共立)、ソフトスタート(新ダイワ)が装備されている。
 プロソーの主な特徴は、

  1. プロソーは、伐倒から枝払いまで高い鋸断性能を追求して開発した層状掃気エンジンを搭載。パワフルな出力性能と環境に優しいクリーンな排出ガスを両立。また、吸塵効率の高い蛇腹式エアークリーナーを大型化
  2. 高速時は遠心分離機構で浄化して粉塵の侵入を防ぎ、アイドル時はエアークリーナーに付着した粉塵を除去する、2段階清浄機構を採用。エアークリーナーのメンテナンスサイクルを大幅に延長しパワーロスを最小限に抑えている
  3. 伐倒方向の目印となる、ガンマークや工具レスキャップ、脱落防止ナットなど、現場で活躍する装備が充実している

-など。


 国内初のオートチョークチェンソーの主な特徴は、

  1. 面倒なチョーク操作が不要で簡単2ステップでエンジン始動が行える。始動手順をシンプルにすることで、操作が初めてでも簡単にエンジン始動が可能
  2. 同機はシリンダの温度を検知する温度センサーを搭載。エンジンの温度状況に合わせて、キャブレターに組み込んだソレノイドバルブが燃料供給を自動的コントロールし、エンジン再始動も安定して行える

-など。

4.ササキコーポレーションが「スマモ」装着の際刈りアタッチを発表

昨年より販売開始した電動リモコン作業機「スマモ」のアタッチメントとして「際刈アタッチ」(SSC-30)を新発売。走行ユニット(RS-400)の前方に取り付けることで、今まで刈り残していた障害物(木・ポール・フェンス等)の際に沿って草を刈り取ることができるようになり、利便性が一層高まる。「際刈アタッチ」は刈幅が340mm。ナイロンカッターを走行部左側より210mmオフセットさせた位置に装着。刈り取り部が障害物(木・ポール・フェンス等)に接触すると右方向に回避し、障害物に沿って草を刈り取ることができる。刈高さは、ゲージホイールで設定が可能。作業時間はバッテリー1個だと約150分、バッテリー2個で約300分。
 主な特徴は、

  1. 刈刃前方には、安全ガイドと誘導ラインガードを装備し、障害物(木・ポール・フェンス)からの回避ルートへ誘導し、安全ガードで障害物を安全かつ傷つけることなく、際の草刈りを行える
  2. 刈り取り部は地面の凹凸に追従し、ナイロンカッターの摩耗を軽減するフローティング機構を装備。さらに、安全カバーが飛散を防止する
  3. 「際刈アタッチ」は移動時・格納時に便利な折りたたみ式。折りたたみ支点部の安全スイッチにより、折りたたみ時のカッター部回転を防止する

-など。

5.松山が大型トラクター向けバーチカルハロー6型式を発売

大型トラクター向け「ニプロバーチカルハローFGRシリーズ」6型式を発売した。畑作市場におけるトラクターの大型化が進み、より高速で高能率な作業が求められているのに応え、砕土・整地作業機として発売する。転圧効果が高いケージローラ仕様(型式末尾C)と圃場条件への汎用性が高いパッカーローラ仕様(同P)がある。適応トラクターは70~170馬力。北海道で先行発売し、内地は来年1月から発売。
 主な特徴は、

  1. 耕うんと同時にトラクタータイヤによる踏圧部分を膨軟にしていくフロントサブソイラー(通称ザクリコ)を標準装備し、重量がある大型トラクターでの作業でも理想的な播種床、移植床を形成していく
  2. 独自開発による楕円形フランジとタインにより、石噛みを削減して高速で快適な砕土・整地作業が可能
  3. レべリングバーを採用することで、機体後方への土の流れを制御して安定した整地作業を実現した
  4. トラクターへの装着は標準3点リンクの2点のクイックヒッチを採用し、さらに機体ロアー部にスイングを採用することで、傾斜のある畑でも追従性があり、安定した高精度な作業が可能

-など。

6.山本製作所が新型遠赤乾燥機や乾燥機遠隔確認システムなど発表

東根事業所において記者会見を行い、2020年より市場に投入する新製品として、AI機能がさらに進化した新型遠赤乾燥機“ウインディ ビルド”「HD-VMRシリーズ」6型式、乾燥機遠隔確認システム“YCAS PLUS”(ワイキャス プラス)、自動選別計量機“山本パックメイト”「YRシリーズ」、低温貯蔵庫“アグリストッカ”「AGR-LS2シリーズ」4型式を発表、自動計量機は来年4月より、他の3機種は来年1月より本格的な発売を開始することを明らかにした。また、秋田県農業機械化ショーにてこれら新製品を出品した。
 遠赤乾燥機“ウインディ ビルド”「HD-VMRシリーズ」6型式の主な特徴は、

  1. 水分バラツキに対応した自動調質乾燥運転おまかせモードを搭載。張り込み時の水分ムラを分析して自動で撹拌、乾燥、休止、仕上げ乾燥を行う
  2. 簡単操作で高精度な乾燥作業と高品質米の生産をサポートするため、乾燥機自ら学習するAIを進化させ、学習して最適な休止時間を導き出す。これまでの「仕上げ予約モード」も使用できる
  3. 撹拌モードでは、独自のシャッタドラム機構(特許出願中)を活用して、異なる水分の層を崩すことで、仕上がり時の水分バラツキを抑制する。バージョンアップSDカードを購入することで、AIおまかせモードなど最新の制御プログラムが使用できる

-など。


 乾燥機遠隔確認システム“YCAS PLUS”の主な特徴は、

  1. スマートフォン、タブレット、パソコンなど手持ちの端末で、いつでもどこでも乾燥機の状況を確認できる
  2. これまでも乾燥機個別ごとの充填状態・稼働状況・穀物の水分推移バラツキ・乾燥終了予定時刻などの情報を一目で得ることができたが、スマートフォン専用画面を装備し、より見やすくした
  3. WEBカメラ機能を強化。ライスセンターの状況をリアルタイムに把握し、動くもとを感知すると、その時の動画・静止画を保存する。メール発信もする。防犯機能としても活用できる

-など。

7.スズテックが枝豆オートセルトレイ播種機・自動ハコツミ機発売

本社において記者会見を行い、1人作業が可能な枝豆オートセルトレイ播種機「STH5ME-128/200」(能力・毎時約100トレイ)と軽量コンパクト設計で補助レールなしで播種機に連結できる自動ハコツミ機「AH430」を発表、播種機は来春3月より、ハコツミ機は11月より本格的な発売を開始することを明らかにした。また、豆苗(エンドウ豆の若芽)事業を今期よりアグリ事業部として立ち上げ、新たに栽培室を建設、中期目標、年間生産120t、売上げ1億円を目指すと発表した。また、秋田県農業機械化ショーにこれら新製品を出品した。
 枝豆オートセルトレイ播種機の主な特徴は、

  1. モーター駆動により、セル鎮圧・播種同時作業で、作業効率を大幅に向上(毎時約100トレイ)。鎮圧ローラーをバネで上下可動させる構造により、高さの異なるアンダートレイが混在しても、自動で追随できる
  2. 種子の大小に合わせて、すり切り用の回転ブラシを2.5mm上下調整でき、特殊形状の播種ローラーと合わせて、播種精度が高い。1穴に2粒入った時に種子が割れないよう可動式ロールガイド機構を採用

-など。


 自動ハコツミ機「AH430」の主な特徴は、

  1. 軽量コンパクト設計で補助レールなしで播種機と連結が可能のため、本機の作業スペースがあれば使用できる
  2. 従来機に比べ、積上げローラーの回転を遅くし、苗箱への衝撃を緩和
  3. 早送りローラーにラチェット機構を採用し、ローラー摩耗を抑制、耐久性の向上を図った

-など。

8.金子農機が遠赤外線乾燥機レボリューションゼロを発表

「全粒照射方式」遠赤外線乾燥機の後継機種として、業界唯一の「全粒照射方式」に加え、昇降機トップに「スーパートルネード防塵システム」を搭載した「REVOLUTION ZERO(レボリューションゼロ)」(形式=KZC、KZH)を開発し、2020年に発売する。同製品は秋田県農業機械化ショーで初披露された。今回の新商品では、「全粒照射方式」に加え、「スーパートルネード除塵システム」が、パワーアップした風の吸引力で、穀物に混入しているゴミを取り除く。メンテナンスや乾燥効率が向上するだけでなく、後工程の籾すり等の作業が格段に行いやすい。
 主な特徴は、

  1. 除塵能力は従来の排塵機と今回のスーパートルネードを比較した場合、体積換算で約3~5倍(当社比)の結果が得られている。この除塵効果と今回搭載した比例式バーナの安定した燃焼により、乾燥効率も更に向上
  2. 本機貯留部サイドに人が出入りできる大きな点検口(愛称「隠しトビラNINJA」)を設け、メンテナンスや掃除が大幅にしやすくなるとともに、オプションの機内照明「LEDクリアライト」を使用することにより、暗い作業環境においても、機外から穀物量が簡単に確認でき、機内は明るく掃除等が更に容易に
  3. 操作ボックスは、稼働状態を液晶表示カラーの変化で伝え、オペレーターの視覚に訴えるわかりやすい設計に改良
  4. 高水分や水分ムラが予想される穀物でも自動制御し均一に乾燥する「ムラ取りモード」を採用。プロ営農ユーザーが求める充実した特長を取り揃える

-など。

9.大島農機がプチ丸と大型プロシリーズの籾すり機を新発売

新型籾すり機として小型の「PMJ20」(プチ丸)1型式、大型プロシリーズ「MRP510Z/610Z/6100」の3型式、計4型式を発表した。発売は「PMJ20」が12月、大型プロシリーズ3型式は来年3月からを予定している。秋田県農業機械化ショーに「MRP610Z」を参考出品した。
 「PMJ20」は、好評の小型ジェット式籾すり機「PMJ2」をリニューアル、オプション設定もあり、操作性・メンテナンス性を向上させた。
 主な特徴は、

  1. 現行PMJ2型の基本構造は継続し、超小型ながら「揺動選別方式」を採用
  2. ジェット式による仕上米品質維持
  3. かんたん操作
  4. 様々な電力事情にも対応
  5. 「追加機能」としてモーター保護装置や吸引風路部掃除口の装備、選別板上部へ「LED型照明装置」や「混合米再選別用ホッパ」を取付可能(オプション)にした

-など。

また、大型籾すり機「新プロシリーズ」は、従来の「プロシリーズ」をリニューアルし、従来の基本スペックを継承させ、より安心できる調製作業を実現。
 主な特徴は、

  1. 現行のプロシリーズ基本構造は継続。大型選別板の採用により安定した選別性能の提供
  2. 昇降機のみ(スロワー無し)の揚穀装置により高耐久維持
  3. 返り籾粗選機の採用により原料に混入している稲こうじ、木くず等の異物除去を行い、安定した作業を実現
  4. 籾無し自動制御とゴムロール間隔自動制御により安心作業
  5. メンテナンス性の充実

-など。

<業界短信11月>

1.作業機付きトラクターの公道走行運用で農林水産省・日農工など取り組み

直装型作業機を装着したトラクターの公道走行が、実際の現場での運用に向けて動き出した。農林水産省は「ロータリー等の直装型作業機を装着したトラクターの公道走行のために必要な対応」をホームページで公開、併せて、公道走行のための一定条件のチェックポイントをまとめたパンフレットや動画も掲載した。これと連動し、一般社団法人日本農業機械工業会(木股昌俊会長)は、農機販売店向けに「作業機付きトラクターの公道走行ガイドブック」を作成、ホームページ上にアップした。
 農林水産省ではチェックポイントとして、1.灯火器類、2.作業機の幅、3.最高速度、4.運転免許などの確認-の大きく4点を示しており、作業機によってトラクターの灯火器類が見えなくなる場合には、農機販売店で追加の灯火器類を購入し、増設することなどを促している。
 また、トレーラーなどけん引式作業機付きトラクターの公道走行の一定条件について、来年1月にも実際の運用を開始したいとの考えを明らかにした。ロータリー等の直装型作業機を装着したトラクターの公道走行についてはこのほど一定条件が具体的に示され、本格運用のメドがついたが、けん引式作業機を装着した場合の条件については、規制改革推進会議の取りまとめでは今年度中の結論を目途とし、引き続きの検討事項となっている。政府としては、現場ニーズに迅速に対応する意味でも、早期の決着を図りたい考えで、年内の取りまとめを急ぐ。

2.クボタがミャンマーに新拠点、2022年3月開所

ミャンマーにおける販売子会社「Kubota Myanmar Co.,Ltd.は、ヤンゴン近郊のティラワ経済特区内に新拠点を建設し、本社と物流の機能を集約する。今後、更なる拡大が見込まれるミャンマーの農業機械需要を取り込むため、サプライチェーンの効率改善やサービス体制強化を進め、ミャンマーにおける事業拡大を推進していく。
 ミャンマーの総人口及びコメ生産量はタイとほぼ同等ながら、農作業の大半を人力と役牛に依存しているため、今後は農作業の機械化が進展する見通しである。2011年よりタイのSIAM KUBOTA Corporation Co.,Ltd.が、ディストリビューターを通じて、ミャンマー国内で農業機械の販売を開始し、2016年に同社の販売子会社であるKMCLを設立し、直接ミャンマーで事業活動を行ってきた。ミャンマー国内の3カ所に分散していた本社及び物流機能を集約することで、サプライチェーンの効率化を図るとともに、ディーラー向けのサービストレーニングセンターの拡張やデモ実演場所の設置等サポート体制の強化を図る。開所予定は2022年3月。事業内容 ミャンマーにおけるトラクター、コンバイン、田植機、耕うん機、ディーゼルエンジン、建設機械、その関連商品・部品の販売、及びサービスメンテナンスとしている。

3.ヤンマーミュージアムがリニューアルオープン

創業者生誕の地、滋賀県長浜市で2013年に創業100周年記念事業の一環としてオープンした「ヤンマーミュージアム」が、より体験しながら学べる企業ミュージアムとしてリニューアルオープンした。オープンに先立ち、報道関係者を対象とした「『ヤンマーミュージアム』リニューアルオープン プレス発表会・内覧会」が開催された。コンセプトである「やってみよう!わくわく未来チャレンジ」を基に、未来の社会を担う子供たちが、見て・触れて・体験しながら学ぶことができる「チャレンジミュージアム」へと一層の充実をみた。
 発表会にてクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏は「ヤンマーミュージアムは、ヤンマーの『LAND』『SEA』『CITY』という事業フィールドと、①省エネルギーな暮らしを実現する社会②安心して仕事・生活ができる社会③食の恵みを安心して享受できる社会④ワクワクできる心豊かな体験に満ちた社会-という目指す『4つの社会』を掛け合わせたコンテンツである」とコンセプトを説明。また、「日本の企業ミュージアムでチャレンジミュージアムは初めてのコンセプトではないかと思う。最新のテクノロジーについて、子供たちがワクワク楽しみながら学んでいただく場になってほしい」と語った。
 ヤンマーミュージアムの館内入口では、プロローグシアターで100年以上受け継がれてきたヤンマーのチャレンジ精神を紹介。館内は、ヤンマーの事業領域である大地・海・都市をイメージした3つのエリアとその他のコンテンツで構成されている。

4.井関農機が第24回さなえ全国子ども図画コンクールの入賞者発表

本社で会見し24回目を迎えた小学生以下の児童・園児を対象とした恒例のヰセキ「さなえ全国子ども図画コンクール」の審査結果を発表した。晴れの全国最優秀賞は、熊本県の内田衣怜(うちだ・えれい)さん(小4)が受賞した(作品名は「家族みんなで田植え」)。
 会見には、縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長、髙野重幸販売企画推進部長らが出席。それに外部審査委員を務めた藤澤英昭氏(千葉大学教育学部名誉教授)、画家の古城和明氏(国画院会長)が同席した。冒頭あいさつした縄田営業本部長は、応募作品は今回を含めて約2万9400点に達したと報告し、今回の作品はいずれも農作業の臨場感のあふれる、また家族愛のあふれる作品ばかりであると謝意を表し、入賞作品は同社のホームページ、各地で開催される展示会等で閲覧できると紹介した。また、同社の田植機が「さなえ」という商品名になって来年で50周年になることに触れ、図画コンクール25周年と合せ盛り上げたいと述べた。
 最後に挨拶した髙野部長は、「講評にあった通り今年も心温まる、素直な良い作品が多く集まった。来年は25回目の節目を迎える。コンクールを継続して将来につなげたい」と述べた。

5.クボタやオーレック、山本製作所などグッドデザイン賞を受賞

公益財団法人日本デザイン振興会はグッドデザイン賞の2019年度受賞結果を発表、農機業界からも数多く選ばれた。今年度は4772件の応募を対象に審査を行い、過去最多の全1420件の受賞が決定。また、特に優れた対象でこれからのモデルとなるデザインとして位置づけられる「グッドデザイン・ベスト100」も併せて発表された。グッドデザイン・ベスト100には業界からは田植機「ナビウェルNW8S」(クボタ)が受賞した。
 グッドデザイン賞の業界関連の受賞は、▽水田除草機「WEED MAN」(オーレック)▽ラジコン草刈機「ARC-500」(クボタ)▽電動工具「HiKOKI ACブラシレスディスクグラインダシリーズ G18BYE/G13BYE他」(工機ホールディングス)▽木質ペレットストーブ「OU(オウ)」(山本製作所)▽日本酒「X02(エックスゼロツー)」(ヤンマー社長室デザイン戦略室)など。

6.小橋工業が日科技連の品質奨励賞受ける

一般財団法人日本科学技術連盟が主催する2019年度の「日本品質奨励賞TQM奨励賞」を受賞したことを明らかにした。同賞は、総合的品質管理(TQM)を構成する諸要素について、ほかの組織の模範となる創造的で革新性をもった取り組みと、それによる成果を顕彰するもの。同社については、1.トップのリーダーシップで「地球を耕す」理念の下、挑戦的な組織づくりに取り組み、2.利害関係者に寄り添った新製品開発の仕組みで、3.整備された品質保証体制を有しているとし、その結果、クレーム低減、業務負荷平準化、働き方改革、売上げ・利益目標を同時に達成している点が評価された。
 また、同賞はより高いステップとなるデミング賞への足がかりとして、一層の発展を促すことも目的にしており、同社は、受賞を機にさらに取り組みに磨きをかけ、「世界最高水準の品質を誇る企業を目指して日々挑戦を続ける」と意欲を示している。授賞式は11月6日、東京の経団連会館で開催された。

7.日農工がスペインのアグリエボリューション・サミットに参加

世界15カ国・地域の農業機械関係工業会の集合体である「アグリエボリューション」は10月1、2の両日、スペインのスペイン農業省講堂で、第7回アグリエボリューション・サミットを開催した。アグリエボリューション・サミットは、約1年半ごとに最新技術動向等を主テーマとして開催しているもので、今回、スペイン農業機械工業会(ANSEMAT)の主催で行われた。日本からは、日本農業機械工業会(木股昌俊会長)から田村専務が出席した。
 今回、「スペシャリティー・クロップ」をテーマに開催し、増加し続ける世界の人口に持続可能な食料を供給することを目指し、農業機械分野での技術革新などをテーマとしたセミナーと農場での実地視察を行った。世界各国から17名の講演者を招き、150名を超える聴衆者で会場は満席となった。日本からはクボタの飯田特別技術顧問が「スマート農業への挑戦」と題してプレゼンテーションし、KSASを中心としたクボタの先進的な取り組みを紹介した。2日目はバレンシア郊外の大規模果樹園で「DEMOAGRI2019」が開催され、ブドウの枝選定や防除を行う大型トラクターと作業機などの実演が行われ、参加者らは最新の機械化技術を体感した。

8.農業機械技術クラスター作業機ECU開発協力企業に4社

革新工学センター(藤村博志所長)が展開している農業機械技術クラスターでは、「ISOBUSに対応した作業機ECU開発」の協力企業を募集していたが、10月1日に開催した農業機械技術クラスター事業等審査委員会における審査の結果、協力企業を決定した。協力企業はササキコーポレーション・タカキタ・東洋農機・ヤハタの4社となった。

9.北海道、中国地方の発明表彰でサタケや河島農具、訓子府機械など受賞

公益社団法人発明協会はこのほど、北海道地方と中国地方の発明表彰受賞者を発表した。それによると、中国地方の発明表彰受賞者では、特許庁長官賞に光学式粒状物選別機の検量線自動設定システムで(株)サタケ技術本部選別・計測グループ選別チーム主事・宮本知幸氏、同社技術本部制御開発グループ制御開発チーム主事・石津任章氏、同社技術本部選別・計測グループ選別チーム主査・立石芳和氏、同社技術本部制御開発グループグループ長・原正純氏が受賞。サタケの佐竹利子代表が実施功績賞の栄誉に輝いた。また、中小企業庁長官賞に集草機付き梱包車で河島農具製作所の河島隆則代表取締役社長が選ばれた。
 また、北海道地方発明表彰では、中小企業庁長官賞に、多種多様な玉葱に対応した収穫玉葱処理装置で訓子府機械工業㈱代表取締役会長・松田和之氏、同社代表取締役社長・松田謙氏が栄誉に輝いた。帯広市長賞に組み立て式氷室・アイスシェルターで土谷特殊農機具製作所代表取締役・土谷紀明氏が選ばれるなど多くの入賞があった。

10.ヤンマーのTHE FARM TOKYOが好評のうちに終了

4月5日から10月31日までの期間限定で、東京駅八重洲口にある同社東京支社ビル跡地を活用して開設していたビアテラス&ベーカリーカフェ「THE FARM TOKYO」が好評のうちに終了した。今回のコンセプトは「生産者と消費者をつなぎ、新たな食体験(コト)を提供する場」で、ヤンマーのアグリ事業ビジョンである「食のバリューチェーンのトータルサポートを目指す」に添う取り組み。同社によると営業日数は210日。来場者数はバーベキュー以外は券売機式だったために概算となり公表できないが、国内と海外を分けると全体の30%を外国人が占めたという。
 生産者と消費者をつなぐという目的に対しては、「SNSでの情報発信や、トラクター展示による農業全体のPRなどを通して食材が持つ良さやストーリーの発信に取り組んできました。ヤンマーが取り組むプレミアムマルシェとしては、安全安心な素材を使用するなどしてきた結果、リピーターの方も一定数いることからヤンマーのこだわりを理解してくれたお客様からの予想を超える反響を感じています」としている。また、東京駅前というヤンマーならではの立地条件については、「普段開催できない立地での飲食施設開催はお客様には非日常のワクワクできる体験を提供できたのではないかと考えています。今後は東京ビルの建設を予定していますが、ヤンマーが食を通して農業の発展に貢献している会社ということを少しでも多くの方に知っていただければ嬉しく思います」としている。