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農業機械関連ニュース

令和元年7月10日発行

<業界短信-新製品7月>

1.ヤンマーがベストマッチモデルにコンバイン追加

グループ会社であるヤンマーアグリは、省力化や作業の効率アップ・低コスト化など、担い手農家のニーズに応える「ベストマッチモデル」として、4条刈りコンバイン「YH462A」を発売した。就農者減少・高齢化による人手不足など課題を抱える中小規模担い手農家のニーズに応える、高機能で使いやすくコストパフォーマンスに優れた「ベストマッチモデル」ラインアップにコンバインを加え、さらなる農家のコスト削減や収益維持・向上に貢献していくとしている。
 主な特徴は、

  1. 大排気量・高出力エンジン搭載による余裕の作業
     総排気量3318cc、出力45.8kW(62.3PS)のコモンレールエンジンの搭載により、負荷が大きくなる湿田での稲刈り作業などでも、エンジン回転が落ちることなく安定した作業が行える。また、定格回転が低いため、振動・騒音が小さく快適な作業を実現する。
  2. コンパクトな機体設計による簡単な取り回し
     標準な納屋の出入り口高さ2570mmに対し、キャビンなし仕様の全高は2350mmと低く抑えた設計なので、本機の移動・格納なども余裕をもって行える。オプションのサンバイザーを装着しても、折りたたんだ収納時の全高は2400mmになり、納屋への格納も楽に行える。
  3. オーガシューターによる、コンテナへの均一な籾排出
     オーガシューターの向きを調節することで籾の排出方向が思いどおりに調整でき、機体の位置直しが最小限で抑えられる。また、オーガシューターを水平にすると排出口が閉じ、籾がこぼれない。

-など。

2.オーレックが新型のウイングモアー発売

自走式2面あぜ草刈機シリーズの新製品「ウイングモアーWM603」を発売した。あぜの上面と側面を同時に刈ることのできるウイングモアーシリーズの中でも、最軽量モデルとしてWM603を投入した。女性にも扱いやすい取り回しの良さと簡単操作が追求されており、誰でも使いやすい草刈機として広く発信し、購買意欲の喚起を図るとともに需要を掘り起こしていく。
 主な特徴は、

  1. 従来の最軽量モデルと比較して8kgの軽量化(本機重量53kg)を行ったため、楽に方向転換ができる
  2. 変速や左ウイング部の角度調整など操作系のレバーを手元に集中することで、操作も分かりやすいなど、使いやすい仕様
  3. これまでのウイングモアーシリーズと同様、走行にはデッドマン式クラッチを採用し、安全性に配慮
  4. 軽量設計と専用ダブルナイフにより、3馬力エンジンながらパワフルな草刈り作業が行える

-など。

3.本田技研工業が新電子制御システムを搭載した船外機を発売

クラストップレベルの高い動力性能や優れた経済性で好評の大型4ストローク船外機「BF250」(250馬力)「BF225」(225馬力)「BF200」(200馬力)に、新開発の電子制御リモートコントロールシステム(DBW)を搭載したタイプを追加するとともに、DBWを搭載した新型「BF175」(175馬力)を、全国のホンダ船外機取扱店で販売。販売計画台数(年間・国内海外シリーズ合計)は3100台(国内100台、海外3000台)。
 主な特徴は、

  1. 電子制御リモートコントロールによるスムーズで確実なシフト操作と、素早く正確なスロットル操作を実現
  2. 最大4基掛けまでの多基搭載時における快適な操作性や、2系統の通信ラインを設けたシステムによる高い信頼性も兼ね備える
  3. 新型BF175には、BF250/BF225/BF200で好評の3.6LV型6気筒エンジンとV字型フォルムデザインを採用
  4. 耐久性に優れたギアケースや大径プロペラの採用により低回転から高回転までの広い回転域における優れたトルク特性と加速性能を実現

-など。

4.井関農機が2019年度下期新商品を発表

田植機「さなえ」NP70D-Z(直進アシスト仕様)、ヰセキミニ耕うん機「Myペット」KCR507(4.1馬力)/KCR657(5.4馬力)、ヰセキ乗用2条半自動野菜移植機「ナウエルナナ」PVHR200-120L3(かん水装置なし)/PVHR200-120L3D(かん水装置あり)/PVHR200-120L3WD(かん水装置あり、幅広タイヤ)の3機種6型式を発表した。発売はいずれも6月。
 田植機NP70D-Zは好評の直進アシストシステム「オペレスタ」搭載田植機に7条植を追加。
 主な特徴は、

  1. GNSSとステアリングモータで構成される「直進アシスト機構」により、直進作業をアシスト。直進操作に気を遣うことがないためストレスを感じることなく作業を行える
  2. 直進アシストレバー、直進アシストモニタで直進作業をより簡単に
  3. 直進アシスト緊急解除機構(手動操作優先)、GNSSロスト時自動停車機構、畦が近づくと(約8m手前)警告音で知らせ、4秒で機体が自動で減速し停車する

-など。


 ヰセキミニ耕うん機KCRシリーズの主な特徴は、

  1. コンパクトかつ、力強いシャープなデザインで先進的なイメージ
  2. 取扱説明動画
  3. デュエットロータリ仕様、軽快うねっこロータリ仕様、うねっこロータリ仕様の3タイプロータリ

-など。

ヰセキ乗用2条半自動野菜移植機PVHR200シリーズは、葉茎菜類に加え多様な野菜や作付体系への適応性を向上し、より安全面を強化した新型乗用2条半自動野菜移植機を投入。
 主な特徴は、

  1. 従来機より株間・条間・タイヤトレッドの調節幅を延長し、様々に適応できる
  2. 直径620mmの大径タイヤを装備し、圃場での走破性向上
  3. 外側ホッパスクレーパ装備。泥付着による植付精度の低下や泥落とし作業による作業中断を低減

-など。

5.クボタがアグリロボトラクターなど新製品発表

大阪府堺市の同社堺サービスセンターで新製品発表会を開催し、ファームパイロットシリーズ第6弾となるアグリロボトラクター「MR1000A」(100馬力、有人仕様)をはじめ、トラクター新型M7(エムセブン)シリーズ3型式、新型スラッガーシリーズ9型式、直進キープ機能を省いた田植機ナビウェルシリーズ(標準クラス)3型式、コンバインダイナライトネオER448Nスペシャル機1型式、通信無線化、色彩選別機まで対応したKSAS乾燥調製システム、だいこん収穫機などを発表した。席上、飯塚智浩執行役員農機国内営業本部長は「KSASをベースに“スマート農業はクボタ”をより強く発信していく」と強調した。  アグリロボトラクター「MR1000A」はファームパイロットシリーズの第6弾として発売。本年9月に「有人仕様」を発売し、「無人仕様」は年内の販売開始を予定。
 主な特徴は、

  1. トラクターの操作が自動で行えるので、圃場の仕上がり状態の確認がしやすく、作業精度が向上するとともに、オペレータの疲労を軽減させる。自動運転の対象作業は耕うん・代かき・肥料散布・粗耕起・播種の5作業
  2. 作業に必要な情報を入力するだけで圃場形状に合わせた最も効率的な作業ルートを自動生成できるので、未熟練者でも効率の良い作業が行える。枕地幅を考慮した作業開始位置までスイッチ一つで自動で移動できる機能により、ロス(過度の重複、残耕)の少ない作業が行える
  3. 直進時のステアリング操作はトラクターに任せることができるので、未熟練者でも各種作業が精度良く行えると共に、作業能率も向上
  4. 自動運転作業時にマッピングした圃場からはみ出る・経路から外れるといった状況になった場合や、手動操作を行った場合、自動運転を停止させる安心サポート機能を装備

-など。

6.三菱マヒンドラ農機が紙マルチ田植機、乗用田植機など発表

イーグルデザインを採用した再生紙紙マルチ田植機「LKE60AD」および乗用田植機「LE50AD/60AD/70AD/80AD」(LEADシリーズ)を今年10月から発売する。また、ハイパワー大型トラクター「GV/GVKシリーズ」6機種を7月から販売を開始する。  紙マルチ田植機は1997年の発売から20年以上進化を続けているロングセラー。
 「LKE60AD」の主な特徴は、

  1. 田植えと同時に田面に専用の再生紙を敷き詰めることで雑草を抑制
  2. パワフルかつ低振動で20.5馬力を発揮する排気量671㏄ハイパワークリーンディーゼルエンジンを搭載
  3. イーグルデザインを採用してイメージを一新

-など。

乗用田植機「LEAD」シリーズは5~8条をラインアップ。
 主な特徴は、

  1. 湿田での走行性能に優れ、パワフルかつ低振動・低騒音で20.5馬力を発揮する排気量761ccハイパワークリーンエンジンを搭載
  2. LEDヘッドランプを採用するなどデザインや仕様の優しくきれいに細部をブラッシュアップ
  3. 独自の植付機構により手植え感覚で優しくきれいな田植えを実現

-など。

GV/GVKトラクターは、大規模経営や規模拡大を図る担い手に向けて、作業の効率化や多彩な作業ニーズに応えるハイパワー大型トラクター。
 主な特徴は、

  1. 環境性能とハイパワーを高次元で融合して国内特自4次排ガス規制に対応した排気量3769㏄のハイパワークリーンエンジンを搭載(各モデルとも現行機種比3馬力アップ)
  2. 長時間作業に対応するため、120Lの大容量燃料タンク、12.9Lの尿素水タンクを採用
  3. 広々としたキャビンには視認性に優れた直感的な操作を可能とするシンプルな操作系レイアウトやエアサスペンションシート、チルト・テレスコ機能付ハンドルなど、快適な作業をサポート

-など。

7.ササキコーポレーションがニンニク関連商品を拡充

地元青森の特産作物であるニンニク生産用の機械を各種供給しており、このほど、その製品系列を拡充、新たに「ガーリックコンベア」を開発し、収穫作業の省力化・合理化提案を進めている。先にみちのくクボタが青森県七戸市で開催した大感謝祭に参考出品、農家の大きな関心を集めた。新規開発の「ガーリックコンベア」は、同社のニンニク収穫用作業機「ニンニクハーベスタ」あるいは「パワーハーベスタ」に取り付け、それらで収穫したニンニクを傷つけずに搬送、収納コンテナや収納フレコンに送り込んで容器ごと調製作業所へと搬出する方法に役立つ。
 主な特徴は、

  1. 従来は収穫後にふたケタの人手をかけて容器に移していた作業をコンベア送で片づけ、収納コンテナ(フレコン)ごとトラックや運搬車で作業所に移送することで省力化、省人化
  2. コンベア長さは2m、ニンニクを傷つけない素材、構造をもち、コンベア速度調整、ストップ機能がついている
  3. コンベアはニンニクハーベスタなどに後付け可能

-など。

8.キャニコムが多目的造林機械を発売

平成30年度林野庁補助事業・森林作業システム高度化対策開発機である多目的造林機械「山もっとジョージ」を新発売した。林地での造林作業(下刈り・伐根粉砕・作業道整備・運搬・集材)能力を兼ね備えた同機は、ハンドガイド式雑草刈機「荒野の用心棒ジョージ」をプラットフォームとし、高評の運転席自動水平保持機能などの独自機能を継承。また、新たな機能としてはオペレーターフロントガード、伐根粉砕用や下刈り用アタッチメントなどを搭載し、造林作業に特化した製品。
 主な特徴は、

  1. キャニコム独自開発スパイククローラ(イバラ進む)は金属スパイス付きクローラ。車体が残材や伐根に乗り上げてもスリップを防ぎ、安定した走行が可能
  2. 傾斜地作業に対応した脱輪防止装置を装着
  3. オーロラ・トランプ・シェーバー(伐根粉砕用アタッチメント)は造林に特化した機能。造林作業を機械化するうえで、最も支障となっている伐根を正方形状の刈刃で粉砕する。この形状により国内の人口樹林種の材質に対応でき、笹など柔らかい草も一緒に刈ることができる
  4. 摩耗しても刃を90度ずつ回して取り付けることが可能で計4面使用できるのでコスト抑制につながる

-など。

<業界短信7月>

1.ヤンマーが第30回ヤンマー学生懸賞論文・作文を募集

グループ会社であるヤンマーアグリにおいて、9月30日まで大学生などの学生を対象に今年も「ヤンマー学生懸賞論文・作文」の作品を募集している。今回も食料生産の先にある加工・流通などを含めた“食のバリューチェーン”に入り込み、農業の儲かるかたちを追求することで農業をさらに魅力ある産業へ発展させるアイデアを考えていきたいという想いから「“農業”を“食農産業”に発展させる」-をテーマとした論文・作文を募る。入選者決定は12月11日、入選発表会は2020年1月31日を予定。
 ヤンマーグループは、次世代を担う若者に農業の未来について広く自由な観点から議論してもらうことを趣旨として1990年から同活動を実施し今年で30年目を迎える。次世代育成活動により積極的に取り組んでいくことで、グループの掲げる持続可能な資源循環型社会〝A SUSTAINABLE FUTURE〟の実現を目指していく、としている。

2.丸山製作所がスポルテックでユニバーサルミストをアピール

東京ビッグサイトで開催された「スポルテック」(スポーツレジャー&イベント向け施設づくり展示会)に出展、これから本格化する暑さ対策に向けた有効手段の1つとして、「ユニバーサルミスト」の性能をアピールした。とくに現在、JTBと連携して進めている“香りによる地域興し”を紹介。嗅覚と記憶の密接性を活かし、再びその場に足を運んでリピーターとなるような試みを示した。同機は、優れたポンプ技術を持つ同社が、熱中症対策、加湿、景観維持、ホコリ除去などの用途を狙って開発したもの。
 同機は、優れたポンプ技術を持つ同社が、熱中症対策、加湿、景観維持、ホコリ除去などの用途を狙って開発したもので、農業分野では施設園芸ハウス内、畜舎内などの環境改善に効果があるほか、工場や店舗内、商業施設、学校・保育園、イベント会場などでの熱暑対策に有効。同展示会会場で製品説明に当たったマルヤマエクセルの担当者は、花火大会で活用して頂く話や小学校から運動会で使いたいなどの問い合わせを頂いているとし、他社製品と比較して音が静か、電気料金の負担が少ないといった長所をアピールした。同社は販売のほかレンタルニーズにも対応している。

3.JAグループがアグベンチャーラボを開設

新たな事業を創造するオープンイノベーションを実現する拠点として、都内の千代田区大手町にイノベーションラボ「AgVenture Lab」を開設した。グループをあげてオープンイノベーションを促進させ、各種商品やサービスの創発等を目的に全国8連(農中、全農、全共連、全中、全厚連、農協観光、家の光、農業新聞)合同で運営するもの。コンセプトは「次世代に残る農業を育て、地域のくらしに寄り添い、場所や人をつなぐ」で、▽社会性の高いテーマを取り扱う▽JAグループのもつ総合事業の強みを活かしたデジタル総合サービスを提供▽JAグループ役職員のマインドチェンジを促す-とし、スタートアップ企業やパートナー企業、大学、行政等と協創し、様々な知見やテクノロジーを活用しながら、新たな事業創出やサービス開発、社会課題の解消を目指す。
 ラボの対象領域は、

  1. AgTech(農業の高度化と効率化)
  2. FoodTech(食の安全性確保とバリューチェーン革新)
  3. FinTech(バンキングサービスの高度化と効率化
  4. LifeTech(暮らしサポートの充実)
  5. 地方創生(都市と地方をつなぐ)

-で、例えば1.では農作業を支援するロボット・ドローンの活用や、匠の技のデータ化などが事業案としてあげられている。

4.井関農機がさなえ全国子ども図画コンクールの募集開始

毎年恒例行事として開催している「さなえ全国子ども図画コンクール」の募集が始まった(応募期間は8月31日まで)。同コンクールは、小学生以下の児童・園児を対象に「農業で働く家族」をテーマに図画を募集、全国賞、地区賞、参加賞の表彰を行う。今年で24回目。これまでの累計応募作品は約2万8000件に達している。同社は、「このコンクールを通して家族との“ふれ愛”、自然との共生を大切にしながら環境保全、食糧の増産に尽力いただいている農家のみなさまを応援してまいります」としている。
 表彰は受賞作品の中から「全国最優秀賞」1名(賞状と商品券5万円)、「全国優秀賞」5名(賞状と商品券3万円)、「全国特別賞」10名(賞状と商品券1万円)を決定し贈呈する。社内審査および外部審査により選定を行い、受賞者の発表は2019年10月頃、同社ホームページで行う。

5.小橋工業が下町ロケットキャンペーン第3弾を実施

5~9月の5カ月間、KOBASHIブランド爪と下町ロケットとのコラボレーション企画として、下町ロケットモデルを限定販売し、期間中の対象商品注文者の中から抽選でオリジナルグッズをプレゼントする「下町ロケットキャンペーン」を展開している。これまで、あぜ塗機・ガイア、アース・ローターを対象に実施してきており、今回が第3弾目の下町ロケットキャンペーンとなる。
 同社は、ドラマの原作となる池井土潤氏の小説「下町ロケットヤタガラス」の取材に協力し、原作内にモデル企業としても登場。日本農業を救うというドラマ、小説の理念は同社の事業理念に通じるとの観点から、下町ロケットとKOBASHIがコラボレーションし、「下町ロケットモデル ガイア」を皮切りにキャンペーンを進めてきた。今回はKOBASHIブランド爪の「プラスワンシリーズ」と「シルバー爪」(トラクター用セット爪に限る)の9月末までの出荷分を対象に実施するもので、下町ロケットモデルを期間限定販売し、商品はオリジナルボックスに入れて届ける。また、期間中に対象商品を注文した者の中から抽選で合計300人にオリジナルグッズをプレゼントする。その中身は、下町ロケットのDVDボックス、同サウンドトラックCD、佃製作所ネックストラップ、キーホルダー。商品同梱の返信ハガキに氏名などを明記して発送、10月末まで受け付ける(消印有効)。

6.日本農業機械工業会が定時総会

都内の八芳園で第56回定時総会を開き、平成30年度貸借対照表及び正味財産増減計算書等のすべての議案を事務局原案通り承認したほか、令和元年度事業計画の報告などが行われた。理事の交代については、新任の副会長に冨安司郎(井関農機社長)、田中章雄(三菱マヒンドラ農機社長)の両氏が、常務理事には川口尚氏(日農工審議役)が選任された。あいさつに立った木股会長は「ロボット農機、公道走行の各分科会など積極的に対応し、令和時代の新しい農業に貢献したい」と、取り組みを活発化させる意向を示した。
 令和元年度事業計画では、技術・安全・環境に関する事業として、農作業安全、安全鑑定、排出ガス規制、リコール制度、型式認定制度、標準化、油脂技術、ロボット農機、作業機を装着したトラクターの公道走行-への対応と消費者相談室の運営に取り組む。貿易振興に関する事業としては海外状況調査、海外展開施策等への協力、海外業界団体との連携を推進する。ロボット農機への対応としては、ワーキンググループおよび分科会を開催し、共通的な安全要求事項等について検討する。作業機を装着したトラクターの公道走行への対応については、関係省庁と密に連携し、分科会等の活動を中心として適切に対応。直装式、牽引式作業機付きトラクターの安全性などについて、引き続き検討する。標準化への対応については、農業機械の安全性・利便性の向上等に資する標準化を推進するため、可能な範囲でISOに積極的に参画する。併せて、会員企業の要望を踏まえ、JISや日農工規格の充実などの標準化活動を行う。

7.三菱マヒンドラ農機2018年度決算発表

埼玉県久喜市の東鷲宮事務所で会見し、2018年度決算概況(連結、日本基準)および2019年度の取り組みを明らかにするとともに、直進を自動操舵でアシストするアドオン型GNSS直進自動操舵装置「SE-Navi」など、新商品を発表した。2018年度の売上高は436億7400万円(前年度比98.1%)、営業利益は14億6200万円の欠損、経常利益は12億600万円の欠損、当期純利益は10億5400万円欠損となった。
 会見には田中社長はじめ、マニッシュ・クマール・グプタCFO取締役副社長(最高財務責任者・代表取締役)、鶴岡裕上級執行役員営業戦略統括部長兼国内営業部長、酒井誠改革推進室長兼人事総務部主査らが出席した。2019年度の取組みは、国内農業の変化への対応を加速。大規模化に対しては、大型整備施設の建設(近畿と関東で立ち上げ)によりサービス面を充実させ顧客満足度の向上に資する。また新たなGPS商品を投入。消費税増税にはスーパーダイヤモンドフェアを上期に開催、国内向け商品の生産を増税前の上期に集中する。また、マヒンドラ社との連携により、インドからの材料調達を加速しコスト面でのメリットを追求する。またマヒンドラ社グループ企業からの商材輸入、北米市場に加え新規海外事業の展開に向けアジアを中心とした新たな市場の積極的開拓など、これらで今年度は挽回、および利益体質強化に全力を尽くすなどとした。

8.日本農業法人協会が総会、山田会長らを再任

都内港区のAP新橋にて第39回総会・夏季セミナーを開催した。総会では平成30年度事業報告並びに決算、理事及び監事の選任などを審議し、事務局の原案通り承認した。また、山田会長から吉川貴盛農林水産大臣へ政策提言が手渡された。総会終了後の第38回理事会にて役職者が選定され、山田会長、近藤一海副会長、齋藤一志副会長が再任された。新任の副会長に嶋崎秀樹、香山勇一、井村辰二郎の3氏、顧問に笠原節夫(前副会長)、奥原正明(前農林水産事務次官、7月1日就任)の各氏が選任された。
 総会冒頭及び会長再任に伴い挨拶した山田会長は、「3000会員を目標に掲げて活動を続け、今年3月時点で会員数は2030社まで拡大した」としつつ、一方で脱退した会員からは「コストが高い」「入会しているメリットがない」との指摘があったことから、「情勢の変化をチャンスとして活かすには情報が重要になる。会員同士が交流を深め、経営に活かせる情報を発信・交換するなど、役に立つサービスを展開していきたい」と語った。
 「日本農業の将来に向けたプロ農業経営者からの提言」と題した政策提言では、「農業が若者の将来就きたい職業の第1位になる」未来像を掲げ、1.新時代を見据えた農業経営・生産技術の確立2.現場で実感できるコスト低減を提示。1.では、収益力の高い農業法人等の育成、農業に人を惹きつける施策の集中実施、スマート農業技術が効果を発揮するための環境整備、農村環境・農業インフラを維持する仕組みづくりなど、2.では物流の効率化、生産資材等の価格引き下げを訴えた。

9.オーレックがブランド発信拠点「OREC green lab 福岡」開設へ

今秋、福岡市に九州初のブランド発信拠点「OREC green lab 福岡」を開設する。長野、弘前に続いて3拠点目となる同施設は、農業地域に近いエリアに開設し機械をPRしてきたこれまでの2拠点とは異なり、都市部で農の魅力を発信することを主な目的とする。同社製品の展示に加え、農に関連するヒト・モノ・コトとの出会いの場を創造し、施設内の様々な取り組みを通じてオーレックのブランドを体感することもできる。
 鉄筋コンクリート造で地下1階~地上4階建。1階のオリジナルカフェでは、こだわりの素材を使ったドリンクが提供される。2階のライブラリースペースでは、食や農・ものづくりに関連する書籍を読むことができる。3階では、様々なイベントを開催する予定だ。また、同じく3階に設けられたスペースでは、スタートアップの発表の場としての貸し出しの構想も練られており、創業から70年もの長い間ものづくりで農業を支えてきた企業として、福岡のものづくりの更なる発展にも寄与する。オーレックは「人と農とをつなぐ架け橋を目指すオーレックの新たな挑戦に、どうぞご注目ください」とコメントを発表している。