平成31年4月10日発行
<業界短信-新製品4月>
<業界短信4月>
- 三菱マヒンドラ農機の新社長に田中氏
- 全国農業機械商業協同組合連合会が通常総会、新会長に西山氏
- 全国農業機械整備技能士会が通常総会、新会長に田中氏
- ドローンの産業活用に向けたシンポでクボタの飯田氏が講演
- ヤンマーが支援、河内町でライスジュレレシピコンテスト
- サタケが残留農薬分析料金の一部を値下げ
- 大島農機がミャンマーに乾燥機工場を建設、本格稼働
- スガノ農機が石村鉄工の5アイテム12機種を販売、両社が業務提携
- JA全中が食料安全保障の政策展開を提言
- JA全中が第28回JA全国大会
- サタケ、キャニコム、田中工機がネーミング大賞受賞
- クボタが北米大型トラクター事業を加速、現地企業とカスタムOEM
- クボタが新TV-CMをオンエア開始
- JA全農、JAバンクがJAグループ農畜産物商談会
- クボタ、JAグループ滋賀・京都・奈良・兵庫が野菜EXPO
- 井関農機が人事異動
- クボタが人事異動、機構改革
<業界短信-新製品4月>
1.サタケが大容量の穀物用遠赤外線乾燥機を発売
大規模生産者向けの高耐久・大容量の穀物用遠赤外線乾燥機「SAXES V」(サクセス ヴィー)4機種を開発、新発売した。最大処理量(籾)7~10tの4機種のラインアップ。目標販売台数は年間300台を設定している。SAXESの機能である高耐久性やICT対応を搭載しているほか、数々の新機能を追加。
主な特徴は、
- 全高オーダーの実現。mm単位で乾燥機を指定の高さに調整し、最短2週間で出荷可能
- さらなる安全・安心設計。安全ガード付きハシゴを標準装備、乾燥部スクリーン取り外し可能、点検扉の設置など
- 水分計が穀物の水分を計測すると、フロントパネルに組み込まれたLEDライトが水分域を表示
- バケット幅10インチの昇降機搭載、張込、排出能力が従来機種比で最大70%向上
- 乾燥部の大容量化による乾燥効率の向上
- 全高を抑えた設計
- 搬送部・駆動部に強化部品を使用し主要部を高耐久化
-など。
2.三菱マヒンドラ農機がディープチゼルをトルコから輸入発売
大規模野菜作農家向けにトルコのHISARLAR(ヒサルラー)社製の「ディープチゼル」6型式を輸入・販売。営農形態の二極化が加速し、さらに作業の高効率化が強く求められる昨今の市場環境において、心土破砕と粗起こしを1工程で同時に行い、特に大規模農家の作業高効率化に大きく貢献する製品を日本市場に初導入する。適応トラクター馬力は71~243PS。ヒサルラー社はインドのマヒンドラ&マヒンドラ社の傘下企業。
主な特徴は、
- 屈強な躯体構造を持ち、厳しい土壌条件に強い耐性を発揮
- 油圧ピストンを採用することで作業中の耕深調整を容易に
- 作業機後部に2つ設置されたスパイクローラーがチゼルで持ち上げられた土塊を細かく砕き、残渣物などをしっかり鋤き込み鎮圧するため、作業跡はきれいに均平に仕上がる
-など。
同社では、1月に開催したディーラーミーティングの席上、野菜作向け販売戦略商品として同機を発表し、作業効率の良さと低価格を強調するとともに、「日本市場に初導入」をアピールしていた。なお、ヒサルラー社は1973年にトルコで家族経営の企業として設立、2016年にインドのマヒンドラ&マヒンドラ社グループに加わる。トルコで初めてトラクタキャビン製造会社として、主に重金属産業の分野において著名な重建設機械のシャーシーやパーツなどを世界中に供給するサプライヤーとして成長を遂げた。現在においては、農業耕耘機械メーカーとしてトルコを代表する企業。
3.本田技研工業が歩行型芝刈機をモデルチェンジし発売
歩行型芝刈機「HRX537」をモデルチェンジし、全国のホンダパワープロダクツ取扱店で販売。同機は、従来モデルの190ccクラスから200ccクラスに排気量を拡大したことで出力とトルクを約10%向上させた新型汎用エンジン「GCV200」を搭載。出力・トルクの向上により、高密度で硬めの芝でも美しく迅速に刈り取ることを可能とした。さらに、排気量を拡大しながらも搭載エンジンの重量を従来モデル比で約1.3kg(約9%)軽量化したことで、機体の軽快な取り回しを実現している。
主な特徴は、
- エンジン性能=GCV190搭載の従来モデルに対してパワーとトルクを約10%向上した新型汎用エンジンGCV200を採用することで、高密度で硬めの芝の刈り取りも迅速かつ均一に仕上がる
- デザイン=GCV200の搭載により、トップカバーを安定感と直進性をイメージした流線型の新デザインに変更
- 使い勝手&メンテナンス=オイルフィラー(注入口)の長さや位置を最適化することで、スムーズなオイルの入れ替え作業を実現するとともに、カッターデッキへのオイル垂れや付着を防止するなど、従来モデルに対して使い勝手を向上
- 好評の作業性能を継承=グラスバッグの集草量をレバー操作ひとつで10段階に調節可能な可変マルチング機構「VMS」を搭載。また、芝の生育状況などに合わせて4つの芝管理機能を選択できる
-など。
4.諸岡が横投入式の木材破砕機を環境展で実演
都内有明の東京ビッグサイトで開催された環境展において、大径・長尺材をそのまま破砕できる横投入式木材破砕機「MRC-3000」を出展、屋外会場において実演会を催し注目を集めた。同社では実演用として長尺のスギ材を数十本用意。参観者の目前で同社製フォワーダから投入された大径で長尺な木材を「MRC-3000」で破砕し、その威力を披露した。同機は、全油圧の破砕方式を採用。186kWの高出力エンジンと油圧システムのマッチングにより、一挙に木材を処理する。同機で木材を均一にチップ化することで、その後の木質バイオマス利用が極めて有効に進められる。
主な特徴は、
- 足回りはゴムクローラで、操作がHSTシステムをもちいた自走式のため、スムーズでかつ安全な走行が行える。山間地などの不整地でも移動が簡単で、場所を選ばずに作業が行える。
- 投入コンベア、排出コンベアを格納することができるため、大型トラックに積載し、運搬も可能
- 操作パネルを各系統ごとにシンプルにまとめ、誰でも容易に破砕作業ができる。リモコンを標準装備、より安全に作業が行える
- 横投入式のため長尺の破砕が可能
- 広い投入口は、材料送りローラを自動昇降することで、大径材も高能率に破砕する
-など。
<業界短信4月>
1.三菱マヒンドラ農機の新社長に田中氏
2月25日開催の取締役会で2019年4月1日付新執行体制を内定した。主な変更点をみると、CEO取締役社長に田中章雄氏が就任し、末松社長は非常勤取締役に就任、新執行体制を支える。CFO取締役副社長にはマニッシュ・クマール・グプタ氏が就任。鶴岡裕営業戦略統括部長兼国内営業部長は上級執行役員に昇任した。併せて三菱農機販売などグループ会社の新執行体制を発表した。三菱農機販売では取締役(非常勤)に鶴岡裕氏、監査役(非常勤)に行岡正恭氏が就任した。
三菱マヒンドラ農機の新社長に就任する田中氏は1961年11月生まれ。1984年4月に三菱自動車工業に入社し、2015年5月には商品戦略本部協業企画推進室長、2017年4月に副社長直属海外計画部長(現在グローバルマーケティングセールス本部海外パフォーマンス管理部長に改称)。2019年3月1日付で三菱マヒンドラ農機に入社、社長付・常務執行役員に就いていた。
2.全国農業機械商業協同組合連合会が通常総会、新会長に西山氏
都内のメルパルク東京で第63回通常総会を開き、平成31年度事業計画ならびに収支予算案などすべての議題を事務局原案どおり承認した。任期満了に伴う役員改選では、新会長に西山忠彦氏(九州クボタ社長、熊本大分商組理事長)が選任された。就任のあいさつをした西山新会長は、「平成から新しい時代に向かうなか、先輩方の伝統を守り、農機業界、農業、農村のためにがんばりたい」と抱負を述べた。副会長には柏木俊一(石川県商組)、木村英男(群馬県商組)の2氏が再選された。
平成30年度事業報告では、教育情報活動推進事業の取り組み事例は13件あり、商組が連携、共同して行う取り組みが多くあった。共同購買事業の実績は5億6500万円、前年比106.9%となり、売上げ、利益とも過去最高となった。30年末の中古農業機械査定事業者数は26府県313名となった。また、対処すべき重要事項・組合の現況に関する重要事項として、農機販売整備業界における経営者の高齢化と後継者不足が指摘され、対策として第三者事業継承など親子間継承以外の方法について検討していくことが必要だとされた。
平成31年度事業は、若手経営者を主対象とした研修事業の充実や道府県組合における教育情報事業に対する助成事業の活用促進、共同購買事業の充実、中古農業機械査定士制度の推進など整備事業の強化、時代に応じた意識改革・組織改革について重点的に取り組んでいく。
3.全国農業機械整備技能士会が通常総会、新会長に田中氏
都内のメルパルク東京で、第37回通常総会を開き、平成31年度活動計画ならびに損益予算案などすべての議案を事務局原案通り承認した。任期満了に伴う役員改正では、新たな会長に田中俊實氏(ミズホ商会会長、鹿児島県会長)が選任された。田中会長は「整備技能士は、これからの農業を支えるキーパーソンであり、誇りを持って取り組めるよう会の運営に努めたい」と力強く語った。31年度の活動では、関係機関・団体との協調・連携を重視して商組との共同活動を強く押し出す。
今総会では、役員の定数に関する会則の改定を決議。会長以下副会長3名以内、幹事21名以内、監事3名以内としていたものを、役員および監事の定数は、会員数の概ね4分の1に相当する人数とし、会長、副会長、監事は1名ずつとした。新体制への移行を機に、従来、全農機商連会長が兼ねていた会長を独自に選出。副会長は吉田忍(熊本大分)、役員は橘栄治(北海道)、木村英男(群馬)、中村輝和(愛知)、西村透(山口)、監事は梁井勝(佐賀)の各氏が選任された。優良技能士表彰では、出席した寺内和章(千葉・柳堀商会、松井猛紀(静岡・松井農機製作所)、後田正和(富山・北陸近畿クボタ)、山本邦弘(愛知・山本機械販売)の4氏が表彰された。
4.ドローンの産業活用に向けたシンポでクボタの飯田氏が講演
大阪科学技術センタービル・大ホールで開催された「空の産業革命ドローンの産業活用に向けて」と題したシンポジウムにおいて、農業分野におけるドローンの活用についてで、クボタ特別技術顧問の飯田聡氏が登壇し、講演し現状と課題、今後の展望などを話した。飯田氏は年々増える担い手の大規模化や集落営農に対する課題に触れ、特に今後は担い手のニーズに応えなくてはならないと強調。具体的には「データ活用による精密農業」を提案することで、「市場で求められる作物を求められる時期に求められる量だけ提供しなければならない」と語った。また農機の「自動化・無人化による超省力化・軽量化」を実現することでコスト削減につなげることが重要とした。
「スマート農業」におけるドローンについては、無人ヘリと比較。薬剤の散布において、人による動力噴霧器は1haあたり2時間を要し、乗用の管理機では1時間、無人ヘリでは10分でできる。ただし無人ヘリは高価で操縦が難しく、操縦にあたり4人ほどの人員が必要となる。一方、ドローンは比較的安価で操縦が易しく、重量が25kg以下と軽い、騒音が少ないなどの利点を挙げた。同社ではDJI社の「MG-1」を改良を加え販売している。
5.ヤンマーが支援、河内町でライスジュレレシピコンテスト
茨城県河内町とライステクノロジーかわちの共催で、第2回「ライスジュレジャパングルテンフリーレシピコンテストinかわち」が開かれ、全国の予選を勝ち抜いた3部門各3人の選手がその腕前を披露した。コンテストの目的は、グルテンフリーの普及・促進にあり、グランプリを獲得したレシピは河内町の学校給食メニューへの導入を予定。このため、大量調理に適し、かつコスト的に見合うものという条件も加わる。今回のレシピ募集には合計37件の応募があり、決勝大会では、パン・お菓子・料理の3部門で書類審査を勝ち上がった優秀9作品の最終審査が行われた。
初めに雜賀正光町長があいさつし、元々米農家の生産物の維持・増加をコンセプトに取り組みがスタートしたと紹介。ライスジュレの需要開発により、農家、使用者の両得になればいいとし、コンテストの継続で理解が深まり、世界に羽ばたけるように考えていると今後に期待をかけた。次いで河内町町議会・野澤良治議長、葉梨康弘衆院議員が来賓あいさつ、それぞれの立場からライスジュレの発展を願った。表彰式では、グランプリ、町長賞、ライステクノロジー大賞が決まり、雜賀町長、伊勢村社長が賞状、楯などを贈呈。グランプリに輝いた3氏には賞金5万円が贈られた。グランプリ受賞者には、前回選から漏れてリベンジを果たした、あるいは前回から順位を上げてグランプリを獲得した人々であり、また、今回はトップに届かなかったが次回は再挑戦して1位の座を狙いたいなど、引き続きコンテストに参加意欲をみせる者がほとんど。最後に前回のグランプリ作品がかわち学園の学校給食メニューに採用され、子供たちに大いに喜ばれていることが紹介され、ライスジュレのさらなる普及拡大に対する期待感とともに幕を閉じた。
6.サタケが残留農薬分析料金の一部を値下げ
残留農薬一斉分析サービスのうち234成分一斉分析コースについて料金を引き下げ、新たに「237成分一斉分析コース」としてサービスを開始したことを明らかにした。同社は2006年、米や野菜などを対象とした残留農薬一斉分析サービスを開始。残留農薬分析ニーズも高まる傾向にあるが、分析コストのより一層低価格化を望む声が多く寄せられていた。このため分析手法の見直しを図り、より高性能な分析装置(ガスクロマトグラフタンデム質量分析計)を導入。従来法に比べ分析工数を削減できるため、分析料金をこれまでの5万円から20%引き下げて、1検体当たり4万円(税抜き)としたもの。溶媒(有機溶剤)使用量については従来の50%以下に削減でき、環境負荷の軽減にも寄与する。
なお、「147成分一斉分析コース(ISO/IEC17025認定)」については、分析装置の変更に伴う認定切り替えのため、一時的にサービスを停止。本年秋のサービス再開を目指し鋭意準備を進め、詳細が決まり次第、改めて公表する予定としている。
7.大島農機がミャンマーに乾燥機工場を建設、本格稼働
2017年8月15日付でミャンマーに現地法人「OSHIMANOKI MYANMAR CO.,LTD.」(大島農機が100%出資)を設立したことを明らかにするとともに、その本社兼工場が昨年末完成したことを受け、去る2月に開所式を行い、本格稼働に向けスタートしたと発表した。新たに設立した現地法人「OSHIMANOKI MYANMAR CO.,LTD.」の社長には大島農機の代表取締役会長である大島伸彦氏が就任した。所在地はミャンマーにおける唯一の日系工場団地であるティラワSEZ。ここで現地仕様の乾燥機を生産、従業員は23名(他に日本人駐在員が1名)でスタートする。開所式にて、大島社長は「創業以来100年間の歴史の中で培ってきた技術力をOSHIMANOKI MYANMARにも伝承し、必ずや高品質の製品を提供できるものと確信している。また、海外メーカーとしては唯一の現地生産工場の強みを発揮し、販売店と協力しアフターサービスに万全を期し、お客様に満足して頂くと同時にミャンマー農業の近代化に少しでも貢献したいと強く念じている。これからミャンマー人社員、日本人社員一丸となって生産・販売に邁進していく」と力強く挨拶した。
同工場は、ミャンマーでは製造業が未発達で、協力工場となる技術力の高いサプライヤーが存在しないため、板金加工(切削・プレス)から溶接、塗装、組み立てまで一貫生産。また、塗装以外の機械設備は日本から輸入した日本製(塗装設備はタイ製)。なお、2017年3月に3名の幹部社員を現地採用。全員日本語が堪能で大島農機で数カ月間研修を実施済み。また、今年1月に工場労働者20名を採用、大島農機から技術指導員を派遣し教育・研修を実施中としている。
8.スガノ農機が石村鉄工の5アイテム12機種を販売、両社が業務提携
スガノ農機本社で記者会見を行い、両社による業務提携を進め、石村鉄工が製造する「チゼル・プラウ」「ヘビーカルチ」「ブレイク・ハロー」「スプリング・ハロー」「ケンブリッジ・ローラー」の5アイテム・12機種をスガノ農機が府県での販売を行うことを明らかにした。今回、販売を行う機種はチゼル・プラウの3機種、ヘビーカルチの2機種、ブレイク・ハローの2機種、スプリング・ハローの4機種、ケンブリッジ・ローラーの1機種。これにより、石村鉄工の非駆動型作業機の府県における普及拡大が図れ、スガノ農機の作業機シリーズが大型から小型まで隙間なく揃う、ウイン・ウインの関係を構築する。
会見では渡邊社長が「作業機は大型にシフトしてきているが、そうした中でも中・小型機の需要は旺盛であり、かねてより、隙間のない製品構成を模索していた。昨年の帯広展において、同じ〝土づくり〟を基軸に置く石村さんと意気投合し、今回の業務提携となった。当社における販売チャンネルを活かし、普及拡大を図っていく。当社は、北海道出身であり、また、菅野家と石村家は遠い親戚にあたる。北海道へ出荷した後、トラックを(石村製品を積むことで)空荷にすることなく、輸送コストも削減できる。お互いがウイン・ウインの関係として今後の業務を進めていく」と挨拶。続いて、石村社長が「府県への(作業機の)販売はこれまで、非効率であり、今回、スガノさんに取り扱って頂くことを非常に光栄に思っている。スガノさんの力を借りて非駆動型作業機を広めて頂き、その作業性能の認知度を高めていきたい」と挨拶した。
https://www.sugano-net.co.jp/information/pdf/info_20190308_01.pdf
9.JA全中が食料安全保障の政策展開を提言
「「持続可能な食と地域づくり」に向けたJAグループの取り組みと提案~「食料安全保障」に資する基本政策と取り組みの展開方向~」と題する提言をまとめた。政府の次期食料・農業・農村基本計画策定に対し、この提案をベースに、様々な意見を発信していく。提案は、農地、人(農業者)、技術、持続性を基本軸としており、食料・農業・農村に関する政策を検証し、拡充、強化する。
これらに基づく「5つの方向」(実現すべき姿)としてあげているのは、
- 家族農業・中小規模農業者など多様な農業者により、中山間地域、離島を含め、各地域で農業経営が持続的に展開されている
- 精算および経営にかかる品種(種子など遺伝資)や技術が、適切に守られたうえで改良、向上、革新されている
- 各品目の生産基盤たる農地および農業関連施設が、災害対応を含めて維持・強化されている
- 水・エネルギーや肥料・資料などの生産資源が多角的に維持・確保されるとともに、その自給・循環の取り組みが広く展開されている
- 国民、消費者全体で、食の安全・安心にかかる情報、食料・農業・農村の現状・認識にかかる情報が共有されている
-こと。
このうち、技術に関しては、農地が減少を続けるなかで、量と質の両面で安定した食料供給を確保するためには、増収、生産性向上につながる生産技術の向上・革新が必要で、とりわけ農業就業者数の急速な減少の中で省力化につながる生産技術の向上・革新が急務だとしており、すべての農業者が各種農業技術を利用することができる簡易・簡便なICT、IoT機器の開発・普及をなどをあげている。
10.JA全中が第28回JA全国大会
都内のザ・プリンスパークタワー東京で、第28回JA全国大会を開催し、今後3年間の運動方針を決議した。「創造的自己改革の実践~組合員とともに農業・地域の未来を拓く」を重点テーマに、「農業者の所得増大」と「農業生産の拡大への更なる挑戦に取り組む。省力化、機械化など生産トータルコストの低減に取り組む。
担い手経営体や中核的担い手、多様な担い手が相互に連携・補完し合い、准組合員が応援団となり、人・農地・地域資源をフル活用して、地域農業が維持・発展していく姿の実現を目指す。とりわけ将来の農業・農村を担う若年層にとって、納得感ある所得水準の確保を含め、より魅力ある農業・農村の姿を目指す。JAグループは、事業モデルの転換等を果たし、担い手の多様なニーズに対応する複数の事業モデル・支援策を展開する。生産トータルコストの低減に取り組み、農作業の省力化、機械化、ICT、IoT等の活用を進めることとした。農畜産物等の販売品取扱高の拡大を引き続きJAグループの共通目標とする。
JA全中は、JAをめぐる経営環境は地域やJAごとに様々であり、「創造的自己改革」はJAごとの経営課題をふまえた具体策の実践が極めて重要になるため、第28回JA全国大会は、JA・県域ごとの創意工夫を活かした実践具体策に重点を置き、JAグループ全体として情勢認識や取り組み方向を共有化しつつ、JAグループに共通する実践方針を決議したとしている。そのうえで、協同組合として組合員の「声」を起点に、多様化する組合員や変化するニーズに応え、地域の多様な組織と連携しつつ、自ら不断の改革に挑み続けることで、農業と地域の未来を拓き、「JAグループのめざす姿」を実現していくとした。
11.サタケ、キャニコム、田中工機がネーミング大賞受賞
日刊工業新聞が主催する第29回読者が選ぶネーミング大賞で、農機業界からサタケ、キャニコム、田中工機の3社が受賞した。表彰式は、東京・飯田橋のホテルグランドパレスで行われた。サタケは、主力の乾燥機、籾すり機の新ブランド「SAXES」で「スタイリッシュネーミング賞」を受賞した。キャニコムは、乗用草刈機「SUN SUNまさおSUN」でビジネス部門第2位を獲得した。キャニコムの受賞は13年連続。田中工機は玉ねぎの根葉切機「シアガール」でビジネス部門第3位を獲得した。
ネーミング大賞は「ネーミングによって商品・サービスの優れた点をいっそう輝かせ、商品への愛着、企業のイメージアップにつなげ、新たな価値を生む」ことを趣旨に創設され、新製品・新サービスの中から、きらりと光るネーミングをノミネート。ビジネス部門と生活部門を設定し、読者の投票によって「かっこいい」「ユーモアあふれる」「忘れられない」「とにかくぴったり」など、これから長く広く愛されていくだろうネーミングを選定し、表彰している。
https://corp.nikkan.co.jp/p/honoring/namingtaishou
https://satake-japan.co.jp/news/new-release/saxes190311.html
12.クボタが北米大型トラクター事業を加速、現地企業とカスタムOEM
同社最大トラクターの170馬力(M7シリーズ)に続き、更に高馬力帯のトラクターをラインアップに追加し、北米の大型トラクター市場での事業展開を加速すると発表した。同社によると、このたび開発期間の短縮と現地仕様への最適化のため、北米で大型トラクターの設計・製造・販売に実績のあるカナダのビューラー社(Buhler Industries Inc)に新型トラクターの開発および生産を委託するカスタムOEMで合意した。これまで同社が培ってきた操作性等のノウハウやデザインなどの特徴も反映させ、クボタ専用にカスタマイズした大型トラクターを2019年後半からアメリカとカナダに順次投入し、北米の大型トラクター市場を開拓していく。
ビューラー社の概要は、本社所在地はカナダマニトバ州ウィニペグ、設立年1932年。事業内容は農業機械の設計・製造・販売、2018年売上高は約242億円、従業員1000名以上などとなっている。
13.クボタが新TV-CMをオンエア開始
女優の長澤まさみさんを起用した新シリーズのTV-CM「クボタが頑張っている!/食料」篇(15秒)、企業ブランドTV-CM「壁がある。だから、行く。For Smiles/ミャンマー」篇(60秒)を、全国でオンエア開始した。「クボタが頑張っている!食料」篇では、エンターテインメントとしてのインパクトとクオリティを重視したTV-CMを制作。特殊メイク&特注衣装、壮大な美術セット、最新のCG合成を駆使したSF映画のような設定。舞台は、地球の食料危機が叫ばれる近未来。(クボッタ!)の掛け声とともに、異星人たちと一緒にビシッとポーズを決めるシーンを通じて、クボタが食料・水・環境に関わる課題解決に取り組んでいる企業であることを、シンプルかつコミカルに発信する。
企業ブランドTV-CM「壁がある。だから行く。For Smiles/ミャンマー」篇は、若手俳優の緒形敦さんが主人公を演じる。今回の主人公は、クボタの若手社員・翔太。そして日本から遠く離れたミャンマーで奮闘する息子を想い、「翔太ならどんなことでも乗り越えられる」とエールを送る母親。その気持ちと、地球、そして人々の笑顔のために、自らが今できることに精一杯取り組む、クボタの想いが込められている。緒形敦さん名優・緒形拳さんの孫。緒形拳さんは昭和30年代、クボタの農業機械など多数のCMに出演したことがあり、「世代を超えた不思議な縁を感じる作品」(同社)となっている。
14.JA全農、JAバンクがJAグループ農畜産物商談会
都内千代田区の東京国際フォーラムにおいて、第13回JAグループ国産農畜産物商談会を開催した。これは、北海道から沖縄まで全国のJAグループや生産者、関連団体、農業関連企業等が出展し、米や野菜、果物、加工食品など地域色あふれた自慢の逸品をバイヤーらに広くアピールして実際の取引につなげ、販売チャンネルを拡大する目的で毎年開かれているもの。今回は125団体が160小間の規模で出展。実需者である小売りや中食・外食、卸などのバイヤーを対象に、各地の特産品の紹介や料理メニューの提案、試食等を交えて積極的にPRし、会場内の到るところで活発な情報交換及び商談が行われた。JAグループの商品を試飲・試食しながら商談ができる「おもてなしコーナー」も新設され盛況だったほか、各種セミナーも人気を集めた。
商談会に先立ち行われた開会セレモニーでは、主催者であるJA全農経営管理委員会会長・長澤豊氏や農林中央金庫代表理事理事長・奥和登氏をはじめ、来賓として農林水産省食料産業局産業連携課長・髙橋広道氏や日本生活協同組合連合会代表理事会長・本田英一氏らが出席。皆で鏡開きを行って商談会の開会を祝い、盛会を祈念した。今回の商談会では主催であるJA全農及びその関係団体のコーナーが大きく取られ、JA全農による幅広い取り組みやブランド商品などが紹介されていた。営業開発部では、独立製法でもちもちに炊き上げた「寝かせ玄米ごはんパック」や、ご飯代わりに食べられて糖質制限に効果的とされる「ライスカリフラワー」など、全国農協食品では砂糖・保存料不使用のドライフルーツなどをPR。また、朝・昼・夕の3度の食事やおつまみなどで、必要な栄養が美味しくとれるメニューを提案するコーナーも注目を集めた。
15.クボタ、JAグループ滋賀・京都・奈良・兵庫が野菜EXPO
京都府亀岡市にある亀岡市農業公園の近隣圃場で「野菜EXPO2019」を開催した。「野菜関連機器」の展示&実演会をメーンに「野菜づくり」に特化したイベントになった。冷たい強風と小雨に見舞われた悪天候ながら約660人が会場を訪れ、熱心に機械の実演に見入った。会場には国内メーカー約40社が出展。約180点の野菜作関連機械が並んだ。来場者はパンフレットを片手に機械を吟味しながら、各メーカー担当者との質疑応答を楽しんだ。会場ではJA側とクボタ側の代表者が来場者に向かい挨拶。その後、クボタ製品の実演が始まった。実演では、国内初の直進アシスト(GS)機能を搭載した小型トラクター「NB21GS」が登場。成形ロータリ「RT3501」を後部に取り付け、オペレータはハンドルの自動制御を利用し、手放しで真っすぐ進んでみせた。女性の司会者による製品説明がスピーカーを通じて会場中に響き渡り、実演は注目を集めた。直進アシスト機能を搭載したトラクタに作業機を着けたり、ドローンが登場し観客の関心を呼んだ。最後には、無人のアグリロボトラクター「SL60A」が登場して自動運転を行った。滋賀県の甲賀市から参加した男性は「水稲だけをやっているが、これだけの機械を目にすると野菜作に可能性を感じる」と感慨を込めて語った。
一方、会場の一角では「排水対策に関する講習会」と題し、クボタアグリソリューション推進部・技術顧問の寺井利久氏が講演。圃場条件に応じた「地下排水」の重要性を説き、まずは溝掘機、超砕土成形ロータリ、レーザーレベラーによる「地表排水」の技術を紹介。続いて土壌条件に応じた「地下排水」の技術を紹介。サブソイラ、ハーフソイラ、プラソイラなどの機械を紹介した。
16.井関農機が人事異動
役員の委嘱業務の変更および人事異動を決定。定時株主総会及び取締役会を経て、代表取締役社長執行役員・総合企画部・IR・広報室・財務部担当に冨安司郎氏が就任した。
また、取締役常務執行役員・人事部担当・総合企画部・IR・広報室・コンプライアンス副担当に深見雅之氏が就任。財務部副担当・IT企画推進統括部担当・取締役執行役員に神野修一氏、開発製造本部長補佐・総合企画部副担当・執行役員に高橋一真氏、開発製造本部開発製造業務部長・執行役員に堀尾類治氏、ヰセキフランス会長・海外営業本部海外営業総括部長兼欧州営業部長に谷一哉氏が就任など。関係会社人事は、ヰセキ九州社長に村瀬武志氏、ヰセキフランス代表取締役社長・ヨーロッパヰセキ社取締役にフィリップ・ディエール氏など。
17.クボタが人事異動、機構改革
4月1日付で人事異動並びに機構改革を発表した。機械事業本部関係をみると、機構改革では「機械事業推進部」を新設し、「機械統括部」の一部機能を移管。また、「機械IT部」を廃止し、その機能を「機械事業推進部」(新設)及び「グローバルICT本部」(新設)に移管。人事については、役員異動で取締役専務執行役員・企画本部長・兼グローバルICT本部長に吉川正人氏が就任。機械統括本部では機械事業推進部長に滝川英雄氏、機械海外総括部長に益田有恒氏が就任。農業ソリューション事業部では農業ソリューション事業部長兼農業ソリューション事業推進部長に冠康夫氏が就任。北陸近畿クボタ社長に道信和彦氏が就任した。