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農業機械関連ニュース

平成31年1月10日発行

<業界短信-新製品1月>

1.ヤンマーがトラクターと田植機新製品発売、自動運転密苗田植機発表

省力化や作業の効率アップ・低コスト化など、担い手農家のニーズに応える「ベストマッチモデル」として、トラクター「YT357AJ」と密苗田植機「YR5M/6M」を発売したとともに、ディーゼルエンジン搭載の密苗田植機「YR-Dシリーズ」の追加仕様として、自動直進と自動旋回機能を装備し、誰でも熟練者なみの高精度作業ができる「YR8Dオート仕様」を2月1日に発売すると発表した。
 ベストマッチモデル2製品の特徴は次の通り。

  1. 燃料1日無補給を可能にする大容量の燃料タンクを搭載
  2. トラクターは無段変速I-HMTを採用し、スムーズな作業と低燃費を実現
  3. 田植機「YRMシリーズ」は密苗・慣行苗の両方に対応し、資材費の大幅削減と田植え作業の省力化に貢献

-など。


 自動運転密苗田植機「YR8Dオート仕様」の特徴は次の通り。

  1. 自動直進と自動旋回機能を装備し、誰でも熟練者なみの高精度作業ができる
  2. 自動運転技術「SMARTPILOT」シリーズの第2弾として開発、自動運転ユニットを共通化し、田植機に適したプログラムを設定することで、高い精度の自動化を実現
  3. 圃場や作業者の条件・使い方に合わせて選べる2モード搭載
  4. タブレットにより簡単・安心な操作を実現

-など。

2.本田技研工業が大型船外機を改良し発売

クラストップレベルの動力性能や優れた経済性で好評の大型4ストローク船外機「BF250(250馬力)」「BF225(225馬力)」「BF200(200馬力)」を一部改良し、全国のホンダ船外機取扱店で販売。
 BF250/BF225/BF200の特徴は次の通り。

  1. 新たにV字型フォルムデザインを採用し、力強さとエレガントさを表現
  2. エンジンの吸気をセミ・ダイレクト吸気とすることで、水の浸入や外観の劣化を抑止
  3. Vバンクアノードメタルの数を倍増することで、エンジン内の耐腐食性を向上
  4. また、エンジン外部の耐腐食性も高めるなど、耐久性の向上を図っている

-など。

また、BF225/BF200には、3.6リットルV型6気筒エンジンや、耐久性に優れたギアケース、大径プロペラを新たに採用した。

3.井関農機が2019年上期新製品発表

茨城県の夢ある農業総合研究所で2019年度上期新商品発表会を開催。「ヰセキが提案するスマート農業」をコンセプトに、12月からモニター発売されたロボット技術の活用により超省力化を実現する自動・無人化農機「ロボットトラクタ」、収量コンバインなど農業ICTソリューションを紹介。それとともに、シンプル&低価格トラクタ、中小規模向けのコンパクトながら充実装備の2~3条刈コンバイン「HVZシリーズ」などを発表した。
 今回発表した新商品はトラクタがジアスNT3シリーズ「NT603E」(2018年12月発売)、「BIG-T5700Sシリーズ T5711S/5713S」(同)、ロボットトラクタ「TJV655R」(同)の4型式。コンバインが「フロンティアHVZ211/215/218/319」(同)、「モンスタージャパンHJ6130/7130」(同)の6型式。野菜移植機が「ナウエルナナPVH100-70PSMBL」(2019年3月)、全自動ネギ移植機「PVD10-N」(2019年2月)の7品目12型式。
 ロボットトラクタの特徴は次の通り。

  1. 有人監視下での無人作業
  2. RTK(リアルタイム・キネマティック)による高精度作業
  3. 簡単操作、簡単な経路設定
  4. 人や物接近時の自動停止など安心装置

-など。

4.やまびこが2019年新製品を発表

やまびこ地区別代理店会議において、2019年新製品を発表した。ECHOオリジナルの50Vリチウムイオンバッテリーを搭載したエンジン並みの高出力なチェンソー・ブロワ、スナップスタート付き背負式刈払機、1000リットルミドルクラスのスピードスプレヤー、畑作専用の乗用管理機、産業用マルチローター、スリムボディのディーゼル溶接機などの新製品の説明、実演・展示を行った。
 共立・スピードスプレヤー「SSVH1085FS」の特徴は次の通り。

  1. 4WSを採用し、旋回半径を2.7mとしたことにより、抜群の小回り性能と安定した駆動性を実現
  2. 視認性に優れた大型液晶ディスプレイを搭載し、太陽光の下でも見やすいモノクロデザインを採用
  3. 第4次排出ガス規制に適合した環境に優しいディーゼルエンジンを搭載

-など。

共立・乗用管理機「RVH1000K」の特徴は次の通り。

  1. 反当散布量・散布量や速度・圧力が一目でわかる速度連動散布ナビを標準装備
  2. ブームの昇降・開閉は油圧式を採用しているため、作業が楽
  3. 無段変速HSTにペダル式を採用、踏み込み量に応じて速度を固定するため煩雑なレバー操作が不要

-など。

<業界短信1月>

1.政府が農林水産業・地域の活力創造プランを改訂

第24回農林水産業・地域の活力創造本部が開催され、農林水産政策改革の検討結果等や農林水産業・地域の活力創造プラン改訂等について議論し、同プランの改訂を行った。展開の方向として、6次産業化等の推進に「2025年までに農業の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践」との目標を示し、展開する施策に「スマート農業推進」を掲げた。
 そして、具体的施策として、主に次の各項目を示した。

  1. ロボット、AI、IoT、ドローン、センシング技術などの先端技術の研究開発、技術実証、速やかな現場への普及までを総合的に推進
  2. 2025年までに農業の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践するため、必要な取り組みやその進め方等を定めた「農業新技術の現場実装推進プログラム」(仮称)を2019年夏までに策定
  3. 「農業データ連携基盤」を2019年4月から本格稼働させるとともに、幅広い主体の参画を進め、データの連携・共有・提供の範囲を、生産から加工、流通、消費に至るバリューチェーン全体に拡大

-など。

2.クボタが人事異動と機構改革

役員異動、機構改革、人事異動を行い発表した。それによると、1月1日付で北尾裕一取締役専務執行役員が代表取締役副社長執行役員に就任したほか、機械事業本部関係では3月下旬付で取締役に渡辺大氏(1月1日付で専務執行役員機械統括本部長に就任)が就任する。また、1月1日付で新設のトラクタ総合事業の部長に常務執行役員トラクタ事業部長の富山裕二氏が就任した。  機構改革では「機械ドメイン」を廃止し、その機能を「機械事業本部」(新設)に移管した。その他、トラクタ総合事業部を新設し、「汎用事業推進部」を「トラクタ第三事業推進部」(新設)に改称。「機械業務部」を「農業機械総合事業部」(廃止)管轄下から「機械統括本部」(改称)管轄下に移管した。

3.井関農機が首脳人事、3月に社長交代

先の取締役会で代表取締役の異動及び役員の人事異動並びに役員の委嘱業務の変更を決議した。それによると、代表取締役社長執行役員に冨安司郎取締役副社長執行役員が内定、3月26日開催予定の同社定時株主総会並びにその後の取締役会で正式に就任する。木下社長は取締役を退任し、執行役員顧問に就任する予定。また、取締役に執行役員の深見雅之氏が新たに就任する。  そのほか、12月1日付け、1月1日付け人事も発表された。

4.ヤンマーがライスジュレフィナンシェ発売

グループ会社であるヤンマーアグリイノベーションは、ライスジュレ事業の一環で、JAぎふとコラボレーションし、岐阜県産の米粉を使用した同社オリジナルのグルテンフリーフィナンシェ「お米でできたフィナンシェ」を発売した。  同社は、「ライスジュレ」と合わせて地元産の米粉を使用し、洋菓子業界で有名な「プルシック」のオーナーシェフである所浩史氏レシピ監修のもと、原材料に添加物を使用しないグルテンフリーのフィナンシェを開発した。この商品は、農業団体とのコラボ企画第一弾として、JAぎふで製造する岐阜県産の米粉で商品化した。

5.井関農機がインドTAFE社と技術・業務提携

インド国内第2位の大手農機メーカーであるTractors and Farm Equipment Ltd.(以下TAFE社)と、インド亜大陸におけるTAFE社による同社製品の販売や中型トラクタの製造等を目的とした、技術・業務提携契約を締結したと発表した。同社は、世界最大のトラクタ市場であるインド市場をグローバル戦略の中で重要な市場と位置づけ、今後、積極的な事業展開を図る。同社はこれまで、インド国内においてTAFE社を通じて田植機の試験的な販売を行ってきた。この度、インド市場への本格的な進出を図るため、TAFE社と技術・業務提携を行うことで合意した。
 技術・業務提携の主な内容は次の通り。

  1. 同社農機機械のインドにおけるTAFE社販売網を通じての販売
  2. 同社技術供与によるTAFE社によるインド亜大陸における中型トラクタの生産、販売
  3. その他、製品・部品相互供給

6.やまびこが全国6カ所で代理店会議

やまびこジャパンの各地販ごとに全国6カ所で延べ500名余りの特約店関係者を招き「2019年度代理店会議」を開催した。北海道地区を皮切りに、東北地区の会議で全日程が終了した。席上、永尾社長は「通期では国内の堅調な動きに加え、一般産業機械が好調に推移していることなどから、連結売上高1180億円、営業利益68億円を見込んでいる」と述べ、「やまびこは今年、設立10周年を迎える。今後とも皆様方と一緒に成長していきたい」と意気込みを示した。会議では新製品を多数発表した。
 東日本地区会議では、やまびこジャパン東日本支社の新家営業部長の進行により、まず2019年度新製品紹介をビデオ放映。その後、永尾慶昭社長が今年度進めてきた主な事業推進と、通期売上目標に向けた今後の事業展開を発表。続いて、林智彦やまびこ取締役営業本部長・やまびこジャパン社長が、やまびこグループの営業方針について発表した。

7.金子農機が世界キャラクターさみっとin羽生に出店

地元・羽生市の羽生水郷公園で開催された「第9回世界キャラクターさみっとin羽生」に出店し、自社実験農場で栽培した無農薬コシヒカリを2日間、先着400名にガラポン抽選でプレゼントしたり、また米粉で作ったワッフルを販売したり、入場者と交流を深め地元の農機メーカーとして存在感を示した。同社の出店は昨年に続き2回目。
 同イベントは、39都道府県と世界3カ国から323のキャラクターが参加し「日本一の規模」(河田晃明羽生市長)を誇り、今回の入場者は27万人に達した。初日には河田市長が同社のスタンドを訪れ、米粉ワッフルを賞味しながら、金子社長、金子重雄専務と歓談。市長は地元の名産・武州正藍染のはっぴ、帽子、シャツで身を固め、来年10回の節目を迎えることから、地元企業と一体になって羽生市を全国にさらに発信し知名度をあげたいと述べた。

8.キャニコムが2019年度新役員体制決定

キャニコムは、世界の新たなお客様へ超満足を提供するため、2019年度(第65期)の新役員体制を決定した。
 短期目標の経営方針である「ビジョン300」の100年企業・100カ国取引・100億円売上げを具現化するため人材の活性化を図る。特にインド・アフリカ・中東の人材を中心に採用し、人事・人材獲得の人事機構を東京(グローカルヘッドワークオフィス)に基軸を置き、人事担当執行役員を新たに配置することで世界中の優秀な経営者の採用を目指す。また、1月1日付の役員人事では執行役員に中山淳氏が昇任した。

9.三菱マヒンドラ農機がスーパーダイヤモンドフェア

熊本県上益城郡益城町のグランメッセ熊本で「2018スーパーダイヤモンドフェアin熊本」を開催した。中山間地農家から担い手農家まで全ての農家を対象にした大規模展示会で、九州全域が対象。動員は3100名、成約高は6億4000万円と計画を大きく上回る実績を上げた。フルラインアップの展示に加えて、最新鋭技術と最新鋭機械にも焦点が当てられたほか、ブランドのPRも行われた。
 会場には新商品を中心に、トラクタ32台、コンバイン15台、田植機11台、その他30台の合計88台を展示。また、管理機を中心に実演機械を30台用意した。協力メーカーは70社が参加し、250台以上の商品を展示した。今回の展示コンセプトは、[1]フルラインアップ展示、[2]オンリーワン商品の展示、[3]グループPR、[4]先端・ICT技術の展示、[5]土づくり・飼料関係作業機の展示、[6]野菜作関連展示、[7]ブランドPR-とされた。

10.ヤンマーがライスジュレ発売1周年、健康・スポーツ分野へ拡大

グループ会社であるヤンマーアグリイノベーションが推進する「ライスジュレ」は、量産・本格販売開始から1周年を迎え、洋菓子店、ベーカリー、外食産業など幅広い分野で採用。今後は、成長が見込まれる健康・ヘルスケア関連の食分野などの新たなマーケットでの提案も強化し、ライスジュレの普及を目指していく。
 同社は、お米の新しい付加価値を創出することでお米の消費拡大と日本農業の活性化を目指し、「ライスジュレ」の普及に取り組んでいる。お米由来の新食材「ライスジュレ」は、保水性、乳化性、増粘、ゲル化安定などの独自の機能があり、パン・お菓子の食感改善やハンバーグなどのつなぎ、スープのとろみ付けなど、あらゆるシーンにおける食の課題を解決することができる食材。2018年10月には、フランス・パリで開催された世界最大級の食品展示会「SIAL Paris」に出展し、注目を集めた。

11.日農工青年経営者会が富山で第65回研究会

富山県内で第65回研究会を開催し、YKK黒部事業所および不二越富山事業所を見学した。YKK黒部事業所では、「YKKセンターパーク展示館」において、会社概要の説明を受けた後、ファスナーや窓づくりなどについて見学を行った。不二越富山事業所では、「ショールーム」において、会社概要の説明を受けた後、ベアリング、油圧機器、ロボットなどについて見学を行った。

12.キャニコムがネーミング大賞に13年連続ノミネート

美残刈車(乗用型草刈り)四輪駆動「SUN SUN まさお SUN」(サンサンまさおサン)が「第29回読者が選ぶネーミング大賞ビジネス部門」にノミネートされた。これは昨秋から今秋にかけ発表された新商品の中で、話題となったネーミングの中から内容を的確に感性豊かに表現した商品が選ばれる賞で、キャニコムは13年連続のノミネートとなった。
 同商品は太陽光発電所向け美残刈車として開発されたもの。左右の刈刃をともに内回り回転させる独自機構で、太陽光発電の命でもあるパネルを損傷させる原因となる飛散物を極限まで低減する。また、刈刃スライド機能で車体が入らないパネル下の低い所も草刈りが可能になった。同社は昨年、ハンドガイド式美残刈車「荒野の用心棒ジョージ」がビジネス部門で第1位を受賞している。

13.クボタがインドで現地企業と合弁会社設立

インドのトラクタメーカー、エスコーツ・リミテッド社(以下EL社、ニキール・ナンダ会長兼社長、ハリヤナ州ファリダバード市)と、合弁でトラクタ製造会社を設立することに合意したと発表した。
 同社によると、インドのトラクタ市場は台数ベースで世界最大規模であり、今後も市場の拡大が見込まれる。現在インド市場はローカルメーカーが主体となっており、ローカル各社は外資メーカーとの提携関係を強化している。同社は、2008年にクボタインド農業機械(KAI)を設立してインド市場に参入し、2015年に牽引等の多用途に適合したマルチパーパストラクタを発売して以降、順調に推移しているという。 今回インドでの製造ノウハウを持ち、調達力の優れたEL社との協業により、マルチパーパストラクタの現地生産を通して、トラクタ事業の成長を加速させていく、としている。今後の予定としては、2020年1月に工場を稼働し、同年6月より量産を開始する予定。

14.サタケの中国工場・佐竹蘇州が創業20周年

サタケならびにサタケグループの海外工場である佐竹機械(蘇州)有限公司は、創業20周年の佳節を刻んだ。1980年頃の中国の精米工場は、自動化されていない精米機器が多く、サタケは、中国向けに全自動の精米機器の販売を企図し、首都・北京市に営業事務所を設立。その後、サタケ製品の需要が高まり1997年に精米・製粉機械設備および色彩選別機の製造・販売を目的とした「佐竹蘇州」を設立した。2004年には工場を増設し、中国国内だけでなくアジア・欧米・アフリカなど国外への輸出を拡大。現在同社はサタケグループの主要生産拠点として中核を担っている。また、中国全土への販路拡大のため、蘇州に加え、ハルピン、長春、佳木斯、瀋陽、武漢、西安、成都、広州の8都市に営業拠点を設立するなど、営業推進にも力が傾けられている。
 創業20周年に当たり、同社の陳克菲総経理は「創業当初から今日まで、弊社を取り巻く環境やお客様の求めるものは大きく変わってきましたが、節目の年を迎えることができたのは、お客様や行政機関などのご支援の賜です。今後も初心を忘れず、精進致します」とコメントしている。

15.タイガーカワシマが役員人事

同社株主総会において役員が選任され、それぞれ次の通り就任した。
   代表取締役社長=川島昭光氏
   専務取締役=川島誠蔵氏
   常務取締役(営業本部長)=川島廣大氏(昇任)
   常務取締役(タイガーカワシマタイランド社長)=川島慶太氏(昇任)
   監査役=川島祐子氏

16.JA全中が平成31年度畜産・酪農対策で要請

平成31年度畜産・酪農対策に関する重点要請をまとめた。この中で、畜産・酪農の省力化に資する機械装置の導入支援を求めた。中小規模経営を含めた生産基盤の維持・拡大対策等の充実の一環として、畜産・酪農における労働負担軽減や生産性向上を図るため、省力化に資する機械装置の導入を計画的かつ幅広く支援するとともに、機械装置の導入と一体的な施設の補改修・増設、ヘルパーの人材確保等に対する継続的な支援を講じることを要請した。
 畜産環境・家畜衛生対策等としては、糞尿処理施設の整備など、畜産環境対策にかかる万全な支援を講じることや、和牛遺伝資源の流出を防ぐため、精液等の流通管理を徹底することも盛り込んだ。また、競争力ある持続可能な畜産・酪農経営を実現する体質強化対策の実施として、TPP11等の発効が目前に迫る中、地域一体となった生産性・収益性向上の取り組みを推進し、生産基盤の維持・拡大やや畜産・酪農の体質強化を一層加速化するため、畜産クラスター事業による継続的かつ十分な支援を講じることを求めた。