平成30年11月12日発行
<業界短信-新製品11月>
<業界短信11月>
- 農林水産大臣に吉川貴盛氏
- 井関農機がさなえ全国子ども図画コンクールの入選作発表
- ヤンマーがライスジュレをパリ食品見本市に出展
- 井関農機がICTコンバインの作業実証
- 北海道胆振東部地震災害に各社が義援金
- 小橋工業が岡山テックプランターに特別共催
- 地方発明表彰で農機業界各社受賞
- 農業ワールドでクボタ・ヤンマーが講演
- TVドラマ「下町ロケット」にクボタが農機を提供
- 本田技研工業のエンジンがグッドデザイン賞
- ヤンマーデザイン日本酒がグッドデザイン賞
- JA全中会長が談話と定例会見
- オーレックが70周年キャンペーン
- ヤンマーの密苗が民間農業研究功績者表彰で大臣賞
- クボタが企業内LGBT取組みで金賞
- 井関農機が明年1月に連結子会社合併
- 松山が第27回文化講演会を開催
- オーレックが九州農高川柳コンテスト表彰式
<業界短信-新製品11月>
1.やまびこが50Vのバッテリーツール発売
グローバルブランド「ECHO(エコー)」を冠した50Vバッテリーツール4モデル(チェンソー、刈払機、ブロワ、ヘッジトリマー)を発売した。50Vの高電圧・ハイパワーと高電圧リチウムイオンバッテリー本体の安全性に開発の重点をおいたもので、エンジン製品と変わらない作業性を提供、農業や造園業で必要な管理作業の大部分をカバーできる。
同バッテリーツールの主な特徴は、
- 高電圧の50Vシステムを採用し、エンジンタイプレベルの粘り強さをあらゆる作業で発揮
- 低振動・低騒音・排ガスゼロで、エンジン製品では敬遠される場所、時間帯での作業を可能に
- 国内最高峰の研究機関の協力を得てバッテリー本体の安全性に配慮
- 燃料代がかからず消耗部品も少ないことから導入後のコストを大きく低減
- スイッチ1つでスピーディーに作業に取りかかることができる操作性のよさ
- エンジンタイプに近い作業フィーリング
- 充電はインフォメーションパネル付き急速充電器で容易にできる
-など。
搭載バッテリーには、軽量コンパクトな1Pタイプと大容量の2Pタイプがあり、モデルの特性に合わせて最適なバッテリータイプを組み合わせている。
http://www.yamabiko-corp.co.jp/echo/products/category/contents_type=1198
2.タイショーが高速局所施肥機を参考出品
農研機構・革新工学センターと上田農機、タイショーとの共同研究で開発された野菜用の「高速局所施肥機」が、農業の総合展「第8回農業ワールド」に参考出品された。同機は上下2段の畝内局所施肥で、作物の生育ステージに狙いを合わせた肥料成分を効率良く供給するこれまでにない局所施肥機。ロータリーを用いず、リッジャによる作溝・土寄せを行う簡易耕起方式を採用し、最高毎時5kmの高速で、畝立て施肥ができる。また、GPS車速連動で施肥ムラのない高精度な作業が進められる。市販化は本年度内に行う予定。
主な特徴は、
- 肥料繰出量は作業速度に連動して自動制御されるため、運転中の肥料繰出量の調整不要
- オペレーターはトラクターの運転操作に集中でき、傾斜地も高速作業できる
- 畝内の上層及び下層に高精度の施肥が行えるため、初期生育と収穫の斉一性の向上が期待できる
- 肥料を効率的に作物に供給できるとともに、肥料の表面流亡を低減し、省肥料効果が期待できる
- 二段施肥の効果によって、初期生育が促進される
- 高速化による労働費の削減、省肥料効果により肥料代の削減が期待できる
-など。
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/iam/080264.html
3.ササキコーポレーションが超耕速あぜぬり機を発表
中型トラクターに適応する「超耕速リバースあぜぬり機 カドヌールエースKA430/435DX」の販売を開始した。出荷開始は来年1月末から。来春需に向け、同社は体感会を通じてその拡大にのぞむ。同機は30~50PSトラクターに適応するハイスピード畦塗機で超耕速シリーズの中でも“作業の速さ”が特に目を引く機種。畦塗作業の作業速度は、圃場条件に左右されるが最高時速2km。
主な特徴は、
- トラクターの車格に合わせて最適なオフセット幅を確保する3段階調整システム(要組み換え)を採用
- ギアレスミッションによるシンプル設計とし、操作性のよさを追求
- 優れた砕土性のCK爪、土上げ性能アップの大型爪で、どちらも高耐久の溶着爪に
- 独自の正逆転ロータリーカットで高速作業に適し、石などの障害物に強い
- 高速作業時の牽引抵抗を軽減するため土の流れを最適化するステンレスカバー採用
- 高速作業でも畦をしっかり締めるアクティブディスクで、耐久性は25%アップ
-など。
http://www.sasaki-corp.co.jp/noukitop/azenuriki/kadonuru/ka/index.html
4.金子農機が乾燥機遠隔確認システムを発売
乾燥機遠隔確認システム「ミルもん」(型式はMRU-X)を発売した。ユーザーが手持ちのスマホ、タブレット、パソコンなどの通信機器で乾燥機の稼働状況をリアルタイムで確認でき、効率的な作業計画を支援する。秋田市で開催された第141回秋田種苗交換会協賛農業機械化ショーの同社出展ブースでも紹介された。
主な特徴は、
- 乾燥機の稼働状況をリアルタイムで確認できる
- 自動乾燥終了や異常停止をアラームメールで即時知らせる
- 一定の時間ごとのデータを蓄積していき、作業予測に役立つ
- 履歴データの集計や編集ができるので今後の作業計画などいろいろな活用ができる(パソコン版)
- 操作画面は見やすさが選べる「シンプルバージョン」と「ミルもんキャラクターバージョン」を用意
- 乾燥機1台から複数台まで、システム導入はWi-Fiコネクタを制御盤につなぐだけなので、工事の手間なく簡単に導入できる
-など。
<業界短信11月>
1.農林水産大臣に吉川貴盛氏
第4次安倍改造内閣が発足し、農林水産大臣には吉川貴盛氏(67歳、北海道2区)が就任した。吉川氏は平成20年、経済産業副大臣、25年、農林水産副大臣を歴任している。
吉川大臣は就任会見で、「引き続き、これまで行ってきた改革を確実に推進するとともに、新たな改革にも果敢に挑戦をしていかなければならない。特に、農業の生産性を飛躍的に高めるために、ロボットやAIなどの先端技術の開発、実装を強力に推進をしていきたい。そのことがまた世界トップレベルのスマート農業の実現ということにも繋がっていく」と述べ、さらにスマート農業について「ロボットやAI等の先端技術を生産から出荷まで現場において、一気通貫で実証をすることが大切。これからの担い手が、誰もがデータを駆使して、生産性向上や経営の改善に挑戦できるようなスマート農業の確立ができる環境を整えていくことがとても大切になる」と、その推進に意欲を示した。
2.井関農機がさなえ全国子ども図画コンクールの入選作発表
本社で23回目を迎えた小学生以下の児童・園児を対象とした恒例のヰセキ「さなえ全国子ども図画コンクール」の審査結果を発表した。晴れの全国最優秀賞は、長野県の古屋麻奈実さん(小4)が受賞した(作品名は「みんなでワイワイだいこんほり」)。さなえ全国子ども図画コンクールは、将来を担う子ども(小学生以下)を対象として、農業、食文化にもっと関心を持ってもらうために「農業で働く家族」をテーマに平成8年から実施している。今回は約1500作品が寄せられ、応募作品は累計で約2万8000点に達した。
冒頭あいさつした縄田幸夫取締役常務執行役員営業本部長は、コンクールの概要、審査経過を紹介しながら、「今回の作品は、常日頃から家族とふれあい、心温まるものばかりであり、コンクールのテーマである〝農業で働く家族″が表現されている」とし、入賞作品は同社のホームページ、また各地で開催される展示会等で閲覧できると紹介した。
3.ヤンマーがライスジュレをパリ食品見本市に出展
ヤンマーグループ会社であるヤンマーアグリイノベーションは、フランス・パリで開催される世界最大級の食品見本市「SIAL Paris 2018」」に、お米由来の新食品素材「ライスジュレ」を出品した。
「SIAL Paris」は、隔年で開催される世界最大級の食品見本市で、2016年に開催された同見本市には約7000社が出展し、約15万人が来場。今回のヤンマーブースでは、ライスジュレの特性を伝える調理実演に加えて、ライスジュレを使ったグルテンフリーフィナンシェの試食などを行った。
同社は今回の出展を通じて、グリテンフリーや健康に対して高い関心を持つ欧州の食文化に適した「ライスジュレ」の機能・使い方を提案する。またこれを機に欧州への輸出を開始し、販路開拓とさらなるお米の可能性を追求していく、としている。
4.井関農機がICTコンバインの作業実証
井関農機とヰセキ信越は新潟市南区の米八の圃場で、6条刈りのICTコンバインHJ6123GZCSPLWを稼働、新潟米の新品種「新之助」の収穫作業を進め、水分値や収量データを収集して施肥設計などに活かす実証試験を公開した。新潟市が行う「スマート農業企業間連携実証プロジェクト」の一環で、同社技術のほかドローンや人工衛星によるリモートセンシング、営農管理システムによる一元管理を組み合わせている。当日はメディア関係者や自治体関係者が集まり、一筆35aの圃場で、まずICTコンバインによる刈り取り実演、次いでスカイマティクスのドローンを使った高度5mの近接撮影、同110mの俯瞰撮影を行った。
同コンバインは収穫作業と同時に籾収量と水分を計測し、ユニットにその情報を送信。ユニットからはブルートゥースによりタブレット端末に情報を伝達、分かりやすく表示する。キャビン内にはタブレット端末を備え、収穫作業後は同端末を機内から外して参加者に表示内容を示した。
5.北海道胆振東部地震災害に各社が義援金
この度の「平成30年北海道胆振東部地震」に対し、農機メーカー各社からも義援金が寄付された。クボタやヤンマー、井関農機、三菱マヒンドラ農機は日本赤十字社を通じて被災者の救援および被災地域の復興のために義援金を寄付した。
https://www.kubota.co.jp/new/2018/18-23j.html
https://www.yanmar.com/jp/news/2018/10/04/46732.html
6.小橋工業が岡山テックプランターに特別共催
岡山県内をはじめとする地域で、科学・技術シーズの社会実装を目指すテクノロジーベンチャーや起業家の発掘・育成を行う「岡山テックプランター」の特別共催企業として参画することとなった。
岡山テックプランターは、地域発の技術をベースとした新規事業の創出とベンチャーの育成・支援によって、大学・研究機関等から生まれた研究成果が、自立的かつ継続的に社会で実装され地域の産業を育む、新たなエコシステムの構築を進めるプログラム。小橋工業はこのプログラムの趣旨に賛同し、地域の新産業創出を牽引する特別共催企業として参画する。同社は、中国銀行・リバネスと共に、岡山テックプランターを通して連携を強化し、地域から世界を変えるベンチャー・起業家の創出を目指す。
7.地方発明表彰で農機業界各社受賞
発明協会が発表した平成30年度の地方発明表彰受賞者によると、東北発明表彰では山形県発明協会会長賞に「汎用型穀物乾燥機の水分測定装置」で山本製作所農機事業部技術部農機グループ技術研究員・村田健洋及び同社海外事業部技術研究員・菅野純一の両氏が栄誉に輝いた。
四国地方発明表彰では四国経済産業局長賞に「トラクターのノークラッチブレーキ制御」で井関農機先端技術部長・小野弘喜及び同社先端技術部・石田智之の両氏、実施功績賞に同社社長・木下榮一郎氏が選ばれた。高知県発明協会会長賞には「高性能が維持出来る耕耘爪」で太陽営業本部開発部部長・山崎泰幸、同社同部部品開発課課長・吉良川哲朗、同社同課主任・三宮豊章、同社経営企画室室長・森信二の各氏が選出された。
中国地方発明表彰では、中国経済産業局長賞に「農業用運搬車の前後進切り換え装置」で河島農具製作所代表取締役社長・河島隆則氏が選出された。また、島根県知事賞に「トラクタの走行・作業操作具配置構造」で三菱マヒンドラ農機、岡山県知事賞に「静電噴霧装置の漏電防止制御」でみのる産業、広島県知事賞に「籾すり機のサポート情報管理システム」でサタケが選ばれた。
http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/H30/chihatsu_jusho.html
8.農業ワールドでクボタ・ヤンマーが講演
農業の総合展「第8回農業ワールド」においてクボタ特別技術顧問の飯田聡氏、ヤンマーアグリ開発統括部先行開発部部長・日高茂實氏による講演が行われた。
飯田氏は「クボタのスマート農業戦略について」をテーマに講演。クボタの企業概要を説明したうえで、食料、水、環境などをキーワードとし、世界的な課題を解決していくのがミッションであると紹介。今後は「最も多くのお客様に信頼されるブランド=グローバルメジャーブランドとして、顧客の課題を解決し、新しい価値の創造を目指す。ICT、IoTによるイノベーションはその一つの方法である」とした。
日高氏は「ヤンマーが考える未来の農業」と題して講演。ヤンマーのブランドステートメント“A SUSTAINABLE FUTURE”に掲げた、100年先も持続可能な農業の実現に向けた同社の取り組みを紹介。同社は食料生産とエネルギー変換の分野で課題解決を進めることをミッションステートメントとしており、農業をはじめ、食とエネルギー変換に関わる7事業を、1.生産性(収量向上)、2.資源循環(資源の有効活用)、3.経済性(儲かる農業)の3点をポイントに展開している。
9.TVドラマ「下町ロケット」にクボタが農機を提供
10月からTBS系テレビで放送が始まった新日曜劇場「下町ロケット」に農業機械を提供し全面協力。前作から3年を経て放送される今作は、同シリーズの第3弾「下町ロケット ゴースト」と第4弾「下町ロケット ヤタガラス」を原作とし、舞台を宇宙(そら)から大地へ移す。その中で、クボタは農業機械メーカーとして、「佃製作所」の新たな戦いの舞台となる農業機械を提供。また、シナリオ制作や機械操作などのドラマ演出への技術監修に参画する。提供する農機はトラクター、コンバイン、田植機などで、モニター販売中のアグリロボトラクター「SL60A」も登場するという。
http://www.tbs.co.jp/shitamachi_rocket/explain/explain02.html
10.本田技研工業のエンジンがグッドデザイン賞
パワープロダクツ商品「GXエンジン」が2018年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞した。ロングライフデザイン賞は、長年にわたり作り手と使い手、社会との対話の中で醸成され、暮らしや社会の礎となり、未来においてもその役割を担い続けてほしいデザイン、時代と共に変化する価値観を超えて、スタンダードであり続ける力を持ったデザインを顕彰する賞。
1983年に誕生した4ストローク汎用エンジンGXシリーズは、小型軽量でエンジン振動の小さい低重心傾斜シリンダーを世界で初めて汎用エンジンに採用することで、農業機械や小型建設機械など各種作業機械用パワーユニットの世界基準として幅広い業界から支持を獲得。現在、GXシリーズは、総排気量118~389ccまで全7モデルをラインアップしている。全ラインアップの累計生産台数は5000万台を超えている。
11.ヤンマーデザイン日本酒がグッドデザイン賞
ヤンマーがデザインした日本酒「沢の鶴X01(エックスゼロワン)」が、2018年度グッドデザイン賞を受賞した。「沢の鶴X01」は、「日本の米作り、日本の農業を変えたい」という熱い思いを持つ沢の鶴とヤンマーがタッグを組み、「新しい酒米を作る」というプロジェクトから生まれた純米大吟醸酒。沢の鶴が求める品質の酒米をヤンマーが生産者とマッチングして提供し、沢の鶴が醸造した。そのパッケージデザインをヤンマーのデザイン戦略室が担当。灘の酒の特徴を黒色、プロジェクトにかける思いを赤の挿し色で表現し、ヤンマーの機械銘板をイメージしたチャームで両社の取り組みを表現している。
今回の受賞では、斬新なボトルデザインだけでなく、沢の鶴とヤンマーが協業し、酒米の安定供給のためにヤンマーがその営農、栽培技術を生産者に共有している点、その仕組みづくりを含めてこのプロジェクトをつくりあげているという点が高く評価された。
12.JA全中会長が談話と定例会見
吉川貴盛農林水産大臣の就任及び、先の日米首脳会談の後に出された日米共同声明について、中家会長の談話を発表した。吉川農相の就任には祝意をのべ、「新たな日米の交渉や、災害に関する復旧・復興対策、食料・農業・農村基本計画の見直し、JAグループ自己改革など、目前に迫る農政課題に対し、生産現場の声を十分ふまえ、持続可能な農・食・地域づくりに向け、農政を進めていくもの」と期待を寄せている。日米共同声明については、「日米間の強力かつ安定的で互恵的な貿易・経済関係の重要性が確認され、わが国農業分野に関しては、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容以上の譲歩がないことについて明確に確認された」と評価した。
一方、定例記者会見では平成30年7月豪雨および北海道胆振東部地震に対するJAグループの対応状況を発表、募金総額が2億円となり、岡山、広島、愛媛の3県に支援募金として贈呈したことを明らかにした。また、農業の労働力不足問題について、政府が外国人労働者の受け入れ拡大の方針を決定したことについて「農業分野においても前向きに取り組みを進めていくことが必要」とした上で「受け入れには様々な問題も想定されることから、AI、ICT技術などを駆使して環境整備を図ることが重要」だとした。
https://www.zenchu-ja.or.jp/wp-content/uploads/2018/09/up813.pdf
https://www.zenchu-ja.or.jp/wp-content/uploads/2018/10/up818.pdf
13.オーレックが70周年キャンペーン
今年10月に創業70周年を迎えたことを記念して、期間中にオーレック製品を購入した人に抽選で豪華賞品が当たるプレゼントキャンペーンを開催。
企画名称は「70周年ありがとうキャンペーン」で、来年3月31日(4月1日消印有効)まで開催している。キャンペーン期間中にオーレック製品を購入した人が製品に付属する保証書に記入し、専用封筒にて郵送すると、抽選で旅行券や商品券、オリジナルグッズなど豪華賞品が当たる。当落の結果発表は賞品の発送をもって結果発表とする。
14.ヤンマーの密苗が民間農業研究功績者表彰で大臣賞
農林水産省及び農林水産・食品産業技術振興協会はこのほど、平成30年度(第19回)「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」の受賞者を決定した。今年度の農林水産大臣賞は「『密苗』栽培技術による田植作業の革新的省力・低コスト化の実現」でヤンマーアグリ・伊勢村浩司、同・土井邦夫、ヤンマー・澤本和徳、ぶった農産・佛田利弘、農事組合法人アグリスターオナガ・濱田栄治の各氏が受賞した。密苗栽培の、高密度播種・育苗のソフト技術と、精密掻き取り・高精度移植するハード技術により、慣行法と大差ない管理方法で、革新的な省力化、低コスト化を実現したことが評価された。同技術は、北海道から九州まで地域を問わず導入されており、平成27年から本格普及が開始し、平成30年度見込みで栽培面積約2万4000haとなった。作付品種も50種類以上の実績がある。また、更なる取り組みとして、密苗仕様田植機だけでなく、既販田植機向けの「密苗キット」を開発し、日本国内のみならずまた海外でも韓国で密苗キット販売を開始、更に中国、ベトナムでも実証試験を開始している。
表彰式は11月21日、都内の東京ビッグサイト「アグリビジネス創出フェア2018」の会場内にて行われる。
15.クボタが企業内LGBT取組みで金賞
任意団体work with Prideが策定した、企業・団体等におけるLGBTなどの性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標2018」において、最高評価の「ゴールド」を受賞したことを明らかにした。
クボタでは、ウェブサイトに性的指向・性自認など一人ひとりの違いを受け容れる旨を掲載、またLGBTを正しく理解するために従業員に対し研修を実施している。これらの取り組みが評価され、今回の受賞に至った。同社では、今後も引き続き、多様な人材が活躍できる職場づくりに努めるとともに、幅広い価値観を受容するダイバーシティ社会の実現に貢献していくとしている。
16.井関農機が明年1月に連結子会社合併
連結子会社であるヰセキ関東とヰセキ信越ならびにヰセキ東海とヰセキ関西の合併および存続会社の商号変更を行うことを決議した。合併の日付は来年1月1日付。新商号は「株式会社ヰセキ関東甲信越」(取締役社長は石本徳明氏、本社所在地茨城県阿見町、資本金9000万円)、「株式会社ヰセキ関西中部」(同じく佐竹浩氏、愛知県安城市、8100万円)。経営の効率化を図るとともに、顧客ニーズへの対応力をより高めた販売サービス体制を構築するのが狙い。
今後の見通しについて、連結子会社同士の合併のため、同社連結業績に与える影響は軽微としている。
17.松山が第27回文化講演会を開催
創業者松山原造翁と2代目松山篤翁の業績を記念・顕彰する公益財団法人松山記念館が主催する第27回の文化講演会が本社で開催された。今回は上田市農林部農産物マーケティング専門員の長谷川正之氏(中小企業診断士)が「風土産業が未来を創る~シルクからワインへ」と題して講演した。冒頭挨拶した松山理事長は、松山に近い陣場地区にワイナリーが建設される運びとなった報告が寄せられたこと、また5年前の文化講演会では県果樹試験場長より2011年から「信州ワインヴァレー構想」がスタートしたという話題があったことなどを紹介し、今回はその連続性のある講演テーマであると述べた。
講演で長谷川氏は、風土に根差した産業・暮らし・地域づくりに生涯をささげた長野市信更町生まれの地理教育者・三澤勝衛の人物とその風土論を紹介。次いで上田・小県郡地域の風土産業としての蚕糸業の歴史を振り返るとともに、県産ワインに触れながら、ワイン産業の大きな発展はシルクから受け継がれた資産であるとして、「シルクからワインへ」の流れを概観、その共通するキーワードは「世界が相手」であると強調した。
18.オーレックが九州農高川柳コンテスト表彰式
「オーレック九州農高川柳コンテスト」の表彰式を福岡市のソラリアプラザで開催された「九州農業・水産高校収穫祭2018」内で執り行った。このイベントでは、九州各地の農業・水産高校で学ぶ生徒たちが土や海に親しみ、学びながら育て、作り上げた農林水産物や加工品を自分たちの手で販売。
応募総数5022句から最優秀賞に輝いた福岡県立福岡農業高校3年摂津優香さんに賞状と盾と副賞、最終選考に残った句が最も多かった学校に贈られる「学校賞」を受賞した熊本県立熊本農業高校からは代表として同校3年で優秀賞も受賞した松田蘭夢さんに賞状と盾と副賞「乗用草刈機ラビットモアー」が、今村社長より贈呈された。「農業の未来を担う若い世代の皆さんと共に歩んでいく企業を目指し、弊社はこれからも明るい未来創りへと貢献して参ります」とオーレックはコメントを発表した。