平成30年1月10日発行
<業界短信-新製品1月>
1.クボタがトラクターを新発売
一般・兼業農家向けに展開している〝つづける農業〟応援機のグッドパートナーシリーズに、トラクター「スラッガーL32」を追加発売した。トラクターとしては「NB21」スペシャル機、「SL24」に続くシリーズ第3弾。型式は、ホイール仕様の「L32(H)」(H=ハイスピード)とパワクロの「L32(PC)」の2型式。
主な特徴は、
- 国内特自排ガス4次規制に適合する新型ディーゼルエンジンを搭載、クリーンな排気を実現
- 変速ショックのないスムーズな乗り心地を実現したデュアルドライブトランスミッション
- エンジン始動セキュリティー機能増強
- クボタスマートアグリシステム(KSAS)対応の「無線LANユニット」オプション採用
- エンジン回転メモリとeアシスト旋回採用
-など。
2.松山がドライブハローとパラソイラー発売
大型トラクター用ドライブハロー「HL30シリーズ」とパラソイラー「NPS10シリーズ」を発売した。HL30シリーズは適応馬力50~105馬力、作業幅は3.2m/3.4m/3.6m/4.0mの4機種。NPS10シリーズは100~170馬力、作業幅は240cm/360cm。
「HL30シリーズ」は一部の担い手農家からの安価な一本物ドライブハローを求める声に応えた。
主な特徴は、
- ソイルスライダーによりトラクターの車輪跡を解消。圃場の均平が高まり、苗の均一な生育が期待できる
- 新開発VGレーキが水流をコントロール。横への吐き出しを押さえシームレスな代掻きを実現
- 均平板加圧装置標準装備。圃場条件に合わせた柔軟な作業が行える
-など。
パラソイラー「NPS10シリーズ」の主な特徴は、
- オリジナルナイフの形状を変えて更に土中での破砕効果を高め、「無反転全層破砕」の効果を発現しやすくした
- NPS410Hにロータリ等の作業機を装着して複合作業が可能
- 新耕法無反転全層破砕耕により硬盤を破砕。透水性が向上し、湿害を抑制できる
-など。
http://www.niplo.co.jp/products/cat-1/product-01.php?c=b010&id=224
http://www.niplo.co.jp/products/cat-1/product-01.php?c=search&id=222
3.井関農機が2018年上期新製品を発表
茨城県つくばみらい市の同社・夢ある農業総合研究所で2018年度上期新商品発表会を開催した。低価格ニーズに応えた世界共通設計、価格2割低減とする大型トラクター「TJXシリーズ」3型式、歩行型草刈機「プチもあ」など、9品目18型式を発表した。
トラクターTJXシリーズは、低価格機のコンセプトを継承しつつ、基本装備を充実させた「低コスト農業を応援する」トラクター。型式は「T.Japan」TJX743、TJX873、TJX973の3型式。
主な特徴は、
- 排ガス4次規制適合エンジン搭載
- 2種類のエンジン回転数をスイッチ再現できるアクセルメモリ装備
- 2種類から選べる多段変速トランスミッション
- ステアリングから手を離さずノークラッチで前後進切替可能なパワーリニアシフト
-など。
歩行型草刈機「プチもあ」は、農業女子プロジェクトとのコラボ商品第3弾。型式はVRS500-W(刈幅500mm、ホイル仕様)とVRX550-W(刈幅550mm、クローラ仕様)。「使いやすく、安く、楽しい草刈機」を目指し、農業女子の要望を取り入れ開発。
主な特徴は、
- 草刈り作業が楽しくなる専用カラーリング
- エンジン始動手順ラベルやQRコード読み取りによる動画による取扱説明ガイドを採用
- クラッチの「入」「切」が一目でわかるインジケーター採用
- レバーのグリップを細くして握りやすいサイドクラッチなどを改良
-など。
<業界短信1月>
1.農林水産省が米の基本指針、30年産生産目標示す
食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開き、米の基本指針について答申。平成30/31年産の主食用米等の需給見通しを策定した。それによると、平成30年産主食用米等生産量は、前年産の生産数量目標と同じ735万tとされた。また、30年6月末民間在庫は187万t、30年産米生産量は735万tで30/31年の主食用米供給量は922万t。30/31年の需要量は、前年より2万t減の742万t、31年6月末民間在庫量は180万tとされた。
また、これを踏まえて「平成30年産米の需要に応じた生産・販売の推進に係る全国会議」を開き、全国の都道府県担当者らに周知徹底を図るとともに意見交換を行った。同省からは、需要に応じた生産・販売の方向として、中食・外食用米のシェアが高まっていることに着目し、業務用米の取り組み強化や、普及してきている飼料用米の本作化などの対応が示された。
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokuryo/171130/index.html
http://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/beikoku_sisin/shishin291130/attach/pdf/sisin_291130-1.pdf
2.ヤンマーが2018年3月期中間連結決算
同社が発表した2018年3月期の中間連結決算概要及び通期見通しによると、売上高は前期(3898億円)に比べ7.5%減の3605億円。経常利益は、前期(67億円)に比べ77.9%増の119億円となり、売上高経常利益率は3.3%となった。親会社株主に帰属する中間純利益は前期(32億円)に比べ151.2%増の82億円となった。また、連結売上高に占める海外売上高は、前期(2121億円)に比べ14.5%減少し1813億円となり、海外売上高構成比は50.3%となった。
2018年3月期の連結業績見通しは、売上高7350億円、営業利益213億円、経常利益230億円を見込んでいる。また、同社グループでは中期経営方針に基づき平成29年度も引き続き、最終商品事業を拡大するための先行投資や先進国市場でのシェア拡大と成長市場の開拓、グローバル競争に必要な組織基盤の構築の項目について重点的に取り組んでいる。
3.井関農機が人事と機構改革発表
先の取締役会で代表取締役の異動など役員人事を決定、発表した。平成30年3月29日付で菊池昭夫取締役専務執行役員が代表取締役会長執行役員に昇任する。南健治代表取締役会長執行役員は退任し相談役に就任する。3月29日開催予定の同社定時株主総会並びにその後の取締役会で正式に決定する。代表取締役の異動は世代交代による若返りを図り、経営体制の強化を図るため。併せて、1月1日付の役員人事も発表した。
一方、機構改革では開発製造本部内に「グローバル戦略商品プロジェクト推進部」を新設した。グローバル戦略の本格展開を進める上で、成長エンジンであるアセアンでの戦略機や欧米でのエコノミートラクターなど低価格商品の大幅な台数増加を見込んでおり、開発製造本部長直轄の専任部門を新設し、海外商品のさらなる収益向上を図るための取り組みを総括管理し推進する。
4.静岡製機が「とれたて食楽部」10周年祝う
同社子会社で農産物直売所“とれたて食楽部”を運営するプランエコは、掛川グランドホテルにおいて、物品を納入している農家、地元関係者など225名を招き「とれたて食楽部創業10周年祝賀会」を開催した。
同直売所は、静岡製機本社前の跡地(袋井市に、修理用補修部品の倉庫を利用して平成19年10月にオープンした。敷地面積は1695坪、建物延床面積211坪を誇る。地元の米、野菜、果樹、花卉などを主体に、魚介類、工芸品などのほか、プチベール・アイスプラントなど珍しい野菜や、低カリウムレタスなど機能性野菜なども取り扱っている。平成27年には同直売所に隣接したフードコートをオープンするなど地産地消・地元食材の活性化を図り、憩いの場を提供している。
席上、鈴木社長は「地域産品の販売をコンセプトに、機能性野菜、減・無農薬野菜などの扱い量を拡大し、より特徴のある店舗としていきたい」と挨拶した。
5.金子農機が世界キャラクターさみっとに出店
同社の地元である羽生市で開催された「第8回世界キャラクターさみっとin羽生」に初めて出店。自社実験農場で栽培した無農薬コシヒカリを先着240名にプレゼントするなど入場者と交流を深め、地元の農機メーカーとして存在感を示した。
同社では、金子社長の発意で今年1月に30代の若手社員を中心に「良食味米推進プロジェクトチーム」を結成し、日本の米の美味しさをもっと消費者に知ってもらおうと活躍している。今回は地元だけに入場者に大盤振る舞い。初日の第1回目のコシヒカリのプレゼントには100人以上の行列ができた。無料のジャイアントガラポンで特賞(コシヒカリ3kg)が出ると、大きな歓声が上がり、金子社長も汗だくで応対していた。そのほか、今話題の世界最高米や寿司用の「龍のひとみ」、カレー用の「華麗米」、リゾット米「和み」等を販売した。
https://www.kanekokk.co.jp/cgi-bin/release.cgi?date=2017.11.8
6.ヤンマー本社ビルが国際的な環境建築の顕彰入賞
同社の本社ビル(愛称:YANMAR FLYING-Y BUILDING)が国際的な環境建築の顕彰「Biophilic Design Award(バイオフィリック・デザイン・アワード)」において、大賞に次ぐ入賞にあたる「Honorable Mention」を受賞した。
同顕彰は生命や自然との融合を重視するバイオフィリックデザインの思想を取り入れた建築を表彰するもので、2017年に創設。世界各地から21件の応募があり、「Honorable Mention」にはヤンマー本社ビルを含め4件が選ばれ、日本ではヤンマー本社ビルが唯一の受賞となった。ヤンマー本社ビルは、「自然との共生」をコンセプトとして設計されており、最上階に設置されたガラス張りの都市養蜂や、建物中央の螺旋階段を活用した自然換気システム、水が流れるエントランススペースなど、自然を模した景観や自然の要素が織り込まれていることが評価された。
7.井関農機が知財報告書を発刊
タイトルに「変革」を掲げた2017年版知的財産報告書を発刊した。研究開発戦略、知的財産戦略、研究開発・教育・知的財産体制、知的財産による事業貢献(具体例)、知的財産状況・表彰関係、トピックス、知的財産関連の訴訟情報の7章で構成。
木下社長は冒頭にあいさつ文を寄せ、井関グループは創立以来「農業機械を通じて社会に貢献する」という使命を抱き、創造的な研究を行ってきたとしたうえで、それは「常に一歩を先んじる」「商品理念に徹する」「技術総力を発揮する」「アイディアを売る」という「技術精神」として連綿と引き継がれていると強調し、こうした技術力に裏打ちされた知的財産を「強み」と位置づけているとし、2016年度の特許出願においては分野別登録数で第1位、特許査定率でも全産業中第1位を獲得していることを紹介している。
8.日本農業法人協会が滋賀で農作業安全研修
11月22~24日、ヤンマーの協力を得て、滋賀県にて農作業安全基礎研修会を実施した。これには10代から60代まで10人が参加。初日は丸山製作所の協力を得て、米原市新庄公民館で刈払機取扱安全衛生教育を実施。2日目は長浜市のヤンマーグローバル研修センターで農作業安全の基礎などを、3日目もヤンマーの協力のもと新庄公民館近くの圃場で、トラクターや管理機の取扱基礎について学んだ。
同協会は、農業機械の基礎的な操作技術や農薬・肥料の基礎知識を習得する農作業安全基礎研修会を農業法人の従業員を対象に開いており、今年は4月に茨城、8月に宮城で開催。同研修修了者には、法令で定める「刈払機取扱作業者に対する安全衛生教育」の修了証が発行され、農業技術検定2級の実技試験も免除される。
9.小橋工業がグッドカンパニー大賞・優秀企業賞
平成29年度のグッドカンパニー大賞・優秀企業賞に輝いた。同賞は、中小企業研究センターが主催するもので、全国の中小企業の中から、経済的、社会的に優れた成果をあげている企業を選定し、これを顕彰して国内中小企業の発展に資することを目的にしている。
同社は、ロータリ、ハロー、畦塗機などの作業機、ネギ収穫機および耕うん爪の開発・製造・販売を進めており、耕うん爪と作業機を両方扱っている国内唯一の技術を持った企業であることや、.「農家の手作業を機械に置き換える」を事業理念として、農家のニーズに合った商品を開発し、提供し続けていること、業績が良好であることが評価され、今回の受賞となった。
10.河島農具製作所が優良申告法人に認定
所轄税務署である米子税務署より優良申告法人として表敬された。 優良申告法人とは、「申告納税制度の趣旨に即した適正な申告と納税を継続し他の納税者の模範としてふさわしいと認められる法人」のこと。この優良申告法人に認定されるのは、法人全体の1%未満とも言われており、その中でも同社は、昭和50年11月に初めて表敬されてから42年間継続となった。表敬状の伝達式は同社の応接室にて行われ、草場哲也米子税務署長自ら訪問し、直接河島社長に表敬状が手渡された。
11.オーレックがグリーンラボ弘前を開設
青森県弘前市にショールーム機能を備えたブランド発信拠点「オーレック・グリーンラボ弘前」を開設した。青森県で初となるオーレックの直営ショールームとして、20種類以上の主要機種が常時展示されるほか、様々なイベントを通じて、地域の方々が気軽に立ち寄ることができる地域コミュニティの場となることが期待されている。
昨年5月には「オーレック・グリーンラボ長野」を長野県長野市に開設しており、弘前は全国で2カ所目。オープン初日のイベントでは冒頭に今村社長が「ここに無事にオーレック・グリーンラボ弘前を開設することができたのは、皆様のおかげであると思って感謝しています。皆様方にお役に立てるように、これからも一生懸命に頑張りますので、御支援をよろしくお願いします」と挨拶した。
12.農林水産業・地域の活力創造プランが改訂
農林水産業・地域の活力創造本部が改訂を本部決定した。今回の改訂では、農林水産物・食品の輸出促進や農地制度の見直し、食品流通構造の改革について追加された。新たなニーズに対応した農地制度の見直しについては、相続未登記農地等の農業上の利用の促進や、底地を全面コンクリート張りした農業用ハウス等の農地法の取り扱いを追加。所有者不明農地について、固定資産税等の管理費用を負担している相続人が、簡易な手続で農地バンクにリースできる仕組みを創設する。
また、食品流通構造の改革について追加事項として、卸売市場を含めた食品流通構造改革について改訂。卸売市場について、公正・透明を旨とする共通ルール以外、国による一律の規制等は行わないこととした。
13.ヤンマーがプレミアムマルシェプロジェクト始動
知る・触れる・味わう体験を通して食の恵みをより身近に感じてもらうサービスを提供する「ヤンマープレミアムマルシェ」プロジェクトを始動した。情報発信型ウェブサイトでの通販やレストラン運営、青空市など一般消費者と直接つながる活動を展開し、「食の恵みを安心して享受できる社会」「ワクワクできる心豊かな体験に満ちた社会」に貢献。豊かな食文化の醸成とともに、新しい食ソリューションビジネスの創出を目指す。また、食と自然と人とをつなぎ、食の恵みで新しい豊かさを実現していきたいとしている。
核となるサービスとして
- ウェブサイト「premiummarche.com」(プレマル.com)
- 青空市場(プレマル市場)
- プレマルオーサカ
- フレッグシップレストラン
- プレマル教室
- プレマルファーム
-を展開する。
14.キャニコム商品がネーミング大賞にノミネート
同社のハンドガイド式雑草刈機「荒野の用心棒ジョージ」が「第28回読者が選ぶネーミング大賞(主催=日刊工業新聞社)」のビジネス部門にノミネートされた。今回ノミネートされたことで、第17回の「伝導よしみ」で第4位を受賞してから、12年連続受賞という記録に挑戦することとなった。
同製品は凹凸が多い路面、笹や雑木が多く混じった密林のような悪条件環境下でも、効率よく作業を行うことができる。安全性を最優先として、ハイパワーで強靭な足回りを備えている。
http://www.canycom.jp/products/category/naming/kouyanoyoujinbou-george/
15.ヤンマーが米ゲルを本格販売
グルテンフリーの新食品素材として注目を集めている「米ゲル」の量産化技術を確立し、消費者にも親しみやすく感じてもらおうと「Rice gelee(ライスジュレ)」と命名した。ヤンマーのグループ会社であるヤンマーアグリイノベーションを通じて販売を開始した。製造はヤンマーアグリイノベーションなどが出資する「ライステクノロジーかわち」が手がける。
「ライスジュレ」を使った各種商品を開発し、ウェブサイト「premiummarche.com」でグルテンフリー商品などを販売する。「ライスジュレ」の販売と普及を推進することで、安全な食品の提供と米の新たな需要創出に貢献していく。