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農業機械関連ニュース

平成29年1月10日発行

<業界短信-新製品1月>

1.やまびこが2017年新製品を発表

全国6カ所で開催された地区別代理店会議にて新製品を発表した。今年発売60周年を迎えたSSでは、キャビンモデルを筆頭に600Lクラスを3モデル発表。また、ディーゼルエンジンを搭載した乗用管理機、エンジン始動時の引き力を軽減したカジュアルチェンソー、作業性と耐久性がより向上した畦草刈機など、緑地管理機械・防除機を中心に数多く新製品を取り揃えた。
 600LキャビンSS「共立・SSVH6061FSC」は、25kWのディーゼルエンジンを搭載、最大吐出量毎分90Lの薬液ポンプと送風量630m3と450m3に切替え可能な送風ミッションを装備して立木防除から棚作防除を的確にカバーする。500L乗用管理機「共立・RVH500K」は、シンプルな操作系統で、防除作業での使いやすさにこだわったニューコンセプトモデル。

2.三菱マヒンドラ農機と農研機構が自動操舵システムを開発

トラクターのステアリングを自動制御し、高精度な直線走行を実現する自動操舵システムを共同開発。既存のキャビン付きトラクターに画像装置と自動操舵装置を後付け装着する構成で、播種、畝立て、マルチ敷設などの作業が非熟練者でも簡単に行える。平成29年度下期から販売開始される予定。
 主な特徴は、

  1. 独自の画像処理技術により直線作業に必要な情報を抽出。従来使用していた高精度GPSが不要となり、従来品の1/2以下となる低価格化を達成。
  2. 作業の1行程目では、目標地点の風景を画像装置に記憶させ、この画像を追跡することで、目標地点に向けた直進走行を自動制御。2行程目以降は、前行程の作業跡やマーカー跡の位置に対して、トラクターが一定の間隔を保って走行する追従走行を自動制御。
  3. 作業軌跡の精度は、行程の80%以上で±5cm以内となり、熟練オペレータと同レベル。
  4. 直進走行や追従走行などの機能は、操作スイッチのダイヤルで選択でき、手動で操作レバーを動かすことで自動と手動の操舵が切り替えられる。

-など。

3.諸岡が定置式の木材破砕機を発売

一切の足回りを取り払い定置式にすることで、破砕性能をそのままに低価格化を実現した定置式木材破砕機「MC-2500T」を発売。同機は、丸太・生木・枝葉などの木材から竹や建築廃材までパワフルに破砕。木質系廃棄物や林地残材を破砕することで減容化をはじめチップ生産、堆肥生産など資源やエネルギーとして再利用できる。シンプルな構造は、点検・修理や部品交換などのメンテナンスが容易で、ランニングコストも抑えられる。
 主な特徴は、

  1. カッター刃は、タングステンカーバイトに人工ダイヤを混ぜ込んだ超硬質刃。上下を入れ替え2回使用できるため経済的。
  2. 投入口のホッパーは90度ダンプするため、異物除去、スクリーン交換などのメンテナンスが容易。投入口は大きく破砕対象物をスピーディーに処理できる。
  3. ホッパー90度ダンプでカッター周り、ポンプ周りの清掃・メンテナンスが容易にできる。
  4. オプションとしてマグネットセパレータ(磁選機)、スクリーン(穴径が選択できる)、コンベア延長、自動反転装置を設定できる。

-など。

4.井関農機が29年度上期新商品10品目16型式を発表

今回のコンセプトは「夢を実現し『感動』を」とし、キーワードとして1.農業構造変化への対応、2.グローバル展開の加速、3.農業女子プロジェクト第2弾-を掲げた。発表した新商品は「ちょこプチ」3型式をはじめ、田植機「さなえNP80D-Z(直進アシスト仕様)」、コンバイン「フロンティアHFC331/435」2型式、バインダ「RZ220-3」、乾燥機「ドライボーイGSL90~250」5型式、だいこん引抜機「VHD102-S」、海外向けがトラクター中国向け「T804/954」2型式、コンバイン東南アジア向け「HC80P」の10品目16型式。
 直進アシスト仕様田植機はスマート田植機第2弾で、GPSとステアリングモータで直進操作をアシスト。
 主な特徴は、

  1. 運転技術の習熟度に左右されず不慣れなオペレータでも真っ直ぐに植付作業ができるため、オペレータの疲労や運転技術の習熟にかかる時間コストを低減できる。
  2. 直進アシスト緊急回避機構(障害物があった場合など、手動でハンドルを操作した際は手動操作優先)を搭載。
  3. GPS受信感度状況表示やあぜ接近警報機構、圃場逸脱防止機構(機体が前後左右10度傾くと自動的にエンジンが停止する)の安全・安心機能を備える。

-など。

<業界短信1月>

1.政府が農業競争力強化プログラムを決定

農林水産業・地域の活力創造本部は「農業競争力強化プログラム」と、これらを新たに盛り込んだ「農林水産業・地域の活力創造プラン」の改訂を決定した。同プログラムでは生産資材価格の引下げや農産物の流通・加工構造の改革など13項目について取り組み、更なる農業の競争力強化を実現するとしている。
 生産資材価格の引下げの主な取り組み(肥料、農薬、機械、飼料など)は

  1. 国際水準への価格引下げを目指す。
  2. 生産資材業界の業界再編の推進。
  3. 生産資材に関する法規制の見直し。
  4. 国の責務、業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を推進。

-としている。
 また、全農改革(生産資材の買い方の見直し)では、全農は、

  1. 農業者の立場に立って、共同購入のメリットを最大化。
  2. 外部の有為な人材も登用し、資材メーカーと的確に交渉できる少数精鋭の組織に転換。
  3. 入札等により資材を有利に調達。
  4. 農協改革集中推進期間に十分な成果が出るよう年次計画を立てて改革に取り組む。

-などとしている。

2.日農工がベトナム・フード・エキスポ2016に出展

ベトナム・ホーチミン市において開催された国際農業展示会「ベトナム・フードエキスポ2016」に会員5社によるジャパンブースを出展。農機の展示・実演と併せて、ビデオやポスター・カタログによるPRを行い、販売網の構築・拡大を目指したマーケティング活動や受注に向けた活動を行うとともに、日本の農機の販売を希望する販売店及び輸入代理店との商談会を実施した。
 出展企業および主な展示内容は次の通り。

  1. アテックス=乗用草刈機、歩行型草刈機、自走式チッパー
  2. カンリウ工業=籾すり精米機、石抜機、小型昇降機、製粉機
  3. タイガーカワシマ=食品洗浄機、種子選別機
  4. マルマス機械=籾すり精米機、精米機、石抜機
  5. 山本製作所=乾燥機、精米機(パネル)

3.新農機が臨時株主総会、新社長に小西氏

臨時株主総会では任期中の取締役の辞任に伴う役員の選任を行った。総会後の取締役会において、小林新一社長の辞任に伴い、後任の代表取締役社長に小西孝藏常勤監査役を選任した。このほか、新任の常勤監査役には黒木幾雄氏(元農林水産省北陸農政局長)、監査役には西山雅也氏(クボタ農機国内管理部長)が就任した。

4.井関農機が1月1日付人事を発表

平成29年1月1日付で、機構改革並びに役員の委嘱業務の変更および人事異動を行うことを発表した。
 組織変更は

  • 営業・サービスの人材育成を担う「中央研修所」を拡大発展させ、「ISEKIグローバルトレーニングセンター(IGTC)」とする。
  • 技術サービスセンターおよび企画管理室、技術サービス部を統合し、「技術サービス部」とする。
  • 役員の委嘱業務の変更は、取締役副社長執行役員に冨安司郎氏、執行役員に森重定樹氏。

-など。

5.ヤンマーホールディングスが中間連結決算

2017年3月期中間連結決算の概要及び通期見通しを発表。売上高は前期比10%増の3898億円となった。経常利益は前期比61.7%減の67億円となり、売上高経常利益率は1.7%となった。また親会社株主に帰属する中間純利益は前期(109億円)に比べ70%減の32億円となった。連結売上高に占める海外売上高は、前期比22.2%増加し2121億円となり、海外売上高構成比は54.4%となった。
 通期業績見通しは、売上高7470億円、営業利益130億円、経常利益160億円、親会社株主に帰属する当期純利益は81億円を見込んでいる。

6.三菱マヒンドラ農機が連結中間決算

平成28年度の連結中間決算(28年4~9月)の概要を発表した。それによると、売上高は前年同期比38億円(13.9%)減の235億6700万円、営業利益は同じく5億7400万円(42.4%)減の7億8100万円、経常利益は同じく9億600万円(67.8%)減の4億3100万円、中間純利益は同じく197億9100万円(86.7%)減の2億6800万円となった。
 通期予想については「数字は控える」として、

  • 売上高は新商品の投入による販売機会拡大、顧客のニーズに添った営業展開と大型展示会の開催等により、売上げ確保に努める。
  • 海外事業は北米に加え、マヒンドラ&マヒンドラ社と協力し新市場開拓に積極的に取り組み、拡販を図る。

-とした。損益面については、「生産資材費の低減、経費等の節減を進めることにより、黒字を確保する」と述べた。

7.サタケが北海道に常設展示場を開設

全国でも有数の豆類生産地である北海道で光選別機や加工機の販売を強化するため、北海道上川郡東川町北町に道内では初めてとなる常設展示場を開設した。石井鉄工の旧事務所1階部分(100m2)を借り、サタケが内部を改装して使用。
 展示場内の展示機は、

  1. 色と形状での選別に加え近赤外線で石・ガラスなどを選別できるベルト式選別機「ベルトゥーザXeNO」
  2. 種子やプラスチック選別に使われるシュート式光選別機「ピカ選α PLUS」
  3. メンテナンス性が高く精米工場でも使われる「ピカ選GRAND」

-の光選別機3機種。原料持ち込みの選別テストも可能で、実選別により機械の特徴や操作性、性能などを確認できる。

8.スガノ農機が有機物循環農法体験記の授賞式

茨城県土浦市内のホテルで第26回ボトムプラウ「有機物循環農法体験記」授賞式を開催し、今回は秀逸賞を7氏、優秀賞を1氏に贈呈した。授賞式では、元ローソン・ジャパン社長、全日本農商工連携推進協議会会長の都築富士夫氏が「成功事例に学ぶこれからの農業経営」をテーマに記念講演したほか、新作ドキュメンタリービデオの上映会、土づくり講習会、全国土を考える会総会、農業へ移動してのプラウ講習会などを行い、参加した農業者が情報交換を行った。表彰に際し、斎藤義崇審査委員が「皆さんが今行っている土づくり以外に、次の一手をどうするか常に考えていることが特徴的だった。文章からは皆さんの思いがきちっと伝わってきた」と総評。その後、受賞者一人一人に、これまでの想いや取り組みをまとめた文章を菅野社長が心を込めて読み上げ、それぞれの取り組みを象徴する漢字一文字が賞状と共に贈られた。

9.オランダ国王がヤンマー社長・山岡健人氏に勲章授与

オランダ王国ウィレム・アレキサンダー国王陛下が山岡氏にオレンジ・ナッソー勲章オフィサー章を授与。東京オランダ大使公邸にて受章式が執り行われ、駐日オランダ王国大使アルト・ヤコビ氏より、山岡氏へ同勲章が手渡された。これは、28年にわたりオランダ・アルメレ市において産業用ディーゼルエンジンの販売など各種の事業活動を行っていることや、地元サッカーチームへの協賛など地域貢献活動に寄与してきた実績が評価されたもの。山岡氏は「オランダと日本の架け橋として、スポーツ、文化、次世代育成といった社会活動を通じてオランダの良さを日本に広め、両国の友好な関係の構築に寄与して参りたい」などとコメントしている。

10.井関農機がファーマーズ&キッズフェスタに出展

東京・日比谷公園で開催された第7回ファーマーズ&キッズフェスタ2016に出品。会期初日には木下社長がスタンドを訪れ、スタッフを激励した。今回出品したのは、トラクターTJW120(ブルーメタリック仕様)、コンバインHJ6123(3D映像)のフラッグシップ機をはじめ、土壌センサー搭載型可変施肥田植機NP80、農業女子プロジェクトとのコラボで生まれたトラクターZ15「しろプチ」とミニ耕うん機「ちょこプチ」(KCR605、KM27、KM17)、野菜移植機「ナウエルナナPVH-1」。トラクターとの記念写真付きカレンダープレゼントに加え、「おうちで!やさいをつくってみよう!」と題して野菜の移植・水かけ体験を行ったところ、家族連れに好評だった。

11.キャニコムが11年連続でネーミング大賞にノミネート

不整地運搬車「安全湿地帯」が、日刊工業新聞社主催の「第27回読者が選ぶネーミング大賞」ビジネス部門にノミネートされた。同社は第17回で「伝導よしみ」が第4位を受賞してから、第26回の「家族(うち)のまさお」まで10年連続で受賞しており、これが11回目のノミネート。「楽しい・笑える・遊べる・儲かる」ネーミングと顧客が満足する商品を提供し続けていることが高い評価を受けている。投票はネット投票で、2017年1月9日まで受け付けている。同社ホームページからも投票することができる。

12.民間研究開発功績者でヤンマー、オサダ農機に大臣賞

東京ビッグサイトで開かれたアグリビジネス創出フェアの会場で、平成28年度(第17回)民間分門農林水産研究開発功績者表彰の授賞式を行い、農林水産大臣賞にヤンマーとオサダ農機が共同開発した「コンテナ収容式キャベツ収穫機」が輝いた。農林水産大臣賞の賞状・楯は、農林水産技術会議の小林芳雄会長から、ヤンマー商品企画部の丸山高史副部長、オサダ農機の長田社長と鎌田和晃常務に手渡された。祝辞を述べた農研機構の井邊時雄理事長は同キャベツ収穫機について、革新工学センターが協力して誕生した機械であると紹介。省力化・軽労化に資する新技術の今後の普及に期待を寄せた。

13.ヤンマー本社ビルのコージェネレーションシステムがコージェネ大賞優秀賞

本社ビルに導入したコージェネレーションシステムが「Zero CO2-Emissionを志向した都市型環境共生建築~ヤンマー本社ビルへのコージェネ導入事例 ~」として、平成28年度コージェネ大賞の民生用部門で優秀賞を受賞。同ビルは、最新の環境技術とヤンマー独自の技術を組み合わせて、オフィスフロアから排出されるCO2の大幅な削減を可能にした。エネルギーを無駄なく効率的に活用することにより、同規模のオフィスビルと比較してCO2排出量55%以上の削減を実現していることなどが総合的に評価され、このたびの受賞に至ったとしている。

14.農研機構と日本農業法人協会が連携・協力に関する協定を締結

農林水産省内で協定締結の調印式を開催した。協定の目的は、農業及び畜産分野における生産現場の強化及び経営力の強化を連携・協力して推進し、最先端の研究成果の普及を通じて、我が国の農業・農村の発展及び国民生活の向上に寄与することとしている。
 連携・協力事項は、以下のとおり。

  1. 課題解決のための共同研究等の推進。
  2. 新技術・新品種等の農業生産現場への早期導入のための相互連携。
  3. 農業生産現場における技術的な諸問題を解決するための研究成果の活用。
  4. 問題意識及び情報等共有のための体制の構築。