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農業機械関連ニュース

平成28年10月11日発行

<業界短信-新製品10月>

1.静岡製機が穀粒判別器と食味分析計発売

次世代の穀粒判別器“ヴァーゴ”(豊穣の女神)「ES-V」と食味分析計「SREシリーズ」(米専用タイプ)、「SGEシリーズ」(汎用タイプ)を発売。
 「ES-V」は、1000粒を5秒で測定するという目視検査を凌ぐ速さを実現。従来機の28秒から大幅に高速化を実現した。カラーCCDラインセンサーと高速画像処理エンジンを採用し、流れる粒を正確に撮像。画素数は従来比50%アップと、より鮮明な画像で判定する。米の検査、精米工場での搗精管理や品質管理、研究機関での使用等あらゆる場面で活用できる。
 一方、食味分析計は、玄米・生玄米(W型)・白米が測定できる「SREシリーズ」と、玄米・生玄米(同)・白米・小麦・生小麦(同)が測定できる「SGEシリーズ」。新開発の高精度モノクロメーター方式を採用し、受光素子を従来の3倍に大型化することで、受光感度を上げ、測定系の安定化を図った。測定ポイントを従来比2.5倍にして、成分を推定するためデータ量を増やし、従来よりさらに高い測定制度を実現した。

2.タイショーが新型穀類搬送機を発表

新型モーターを搭載した穀類搬送機“NEWグレンコンテナ”「UMKシリーズ」5型式(容量1250~4700L)と“NEWレザーコンテナ”「MAK・MBKシリーズ」(単相・三相)を10月より発売。
 「UMKシリーズ」は、穀類積載容量1250リットルタイプの「UMK08」、同1700リットルタイプの「UMK11」、同2850リットルタイプの「UMK19」、同3400リットルタイプの「UMK23」、同4700リットルタイプの「UMK31」の5型式がある。いずれの型式も、強力な排出力を生み出すハイパワーモーターを採用し、2モーター方式で毎分280kgの排出が可能。
 「MAK・MBKシリーズ」は、単相タイプ3型式と、三相タイプ2型式の5タイプ。全面メッシュホッパーで3段階の高さ調節により、穀類を1200~1400リットル積載できる。メッシュホッパーのため通気性がよく耐久性にも優れている。ひと目で籾の量は判断できるため、投入・排出時、安心して作業が行える。

3.サタケが多用途ベルト式光選別機を発売

多用途ベルト式光選別機「BELTUZA ベルトゥーザ」に、近赤外線を利用した異物選別機能を持つ「XeNO ゼノ」が加わった。
 フルカラー色彩選別、割れた原料や原料同士が固着したものなどを形状で認識して選別できる形状選別機能のほか、新しく搭載された近赤外線カメラで原料と同色の異物も同時に認識して選別できる。
 また、多用途に対応するため検量線(原料の種類ごとに設定される、判別基準の初期設定データ)を簡単な操作で作成できる自動検量線作成システム「サタケ・スマート・センシティビティ」を搭載。初年度販売目標10台を設定している。
 主な特徴は、

  1. 近赤外線(NIR)カメラとフルカラーカメラを搭載
  2. 「形状選別機能」を搭載
  3. 検量線を簡単に作成できる
  4. 衛生面に配慮した構造
  5. 比重の軽い原料にも対応
  6. 高輝度・高演色性LEDを採用

-となっている。

4.ササキコーポレーションが超耕速あぜぬり機「カドヌールエース」を発表

50~70PSトラクタに適応するリバース畦塗機。独自技術で、畦塗りの作業時間を35~57%短縮。迅速作業によるコスト削減を目的とした超耕速シリーズの核となるCK爪を畦塗機に組み込むことで最高時速2kmの畦塗り作業を実現した。ハロー・ロータリー・畦塗機と、超耕速シリーズが揃ったことから、今後体感会を通して各機種をアピールしていく。
 主な特徴は、

  1. 砕土性に優れるCK爪の効果により土量を確保して確実に盛る
  2. アクティブディスク(新8枚ディスク)で高速作業でも畦をしっかりと締めこむ
  3. 高速作業を実現するために石などの衝撃を吸収するショックアブソーバを装備し、シャーボルトの切れを軽減

-などとなっている。

5.キャニコムが電動搬送車「ふりむかないで」を物流展で発表

東京ビックサイトで開催された国際物流総合展示会に参考出品した。「あなたと造りたい」を基本的概念として、安心・安全機能とフル電動が大きな特徴。排ガスを一切出さないフル電動車両のため、構内、倉庫内、屋内などでクリーンな環境を確保することができる。
 主な特徴は、

  1. 大容量バッテリーを搭載、約4時間の連続作業に対応
  2. 前照灯、尾灯、方向指示器、反射番を標準装備しているため、暗闇や夜間でも安全に走行できる
  3. 回りからの視認性も良好で、事故を未然に防ぐ
  4. 回生ブレーキ機能により、ブレーキを補助するとともに、回生した電力をバッテリーに蓄電することで、稼働時間もアップ
  5. シート反転機構「ふりむかないで」により、常に前方を見ながらの運転操作で、振り返ることなく安全に作業できる
  6. 360度見渡すことができる良好な視界で、視認性が高い作業環境を実現

-などとなっている。

6.丸山製作所が大型ハイクリブームを発表

経営規模の大きな畑作農家に向けた大型の「丸山ハイクリブーム BSA-3000C」を来春発売。発売を前に、北海道でモニターを進めている。ハイクリブームは、農作業の集約化に伴い、同社の売れ筋商品に位置づけられる自走式ブームスプレヤーで、今回の新製品は31mのスライドブームと容量3000Lの薬剤タンクを備えた大型機。
 主な特徴は次の通り。

  1. フロントブームで常に散布状況を確認しながら作業可能
  2. 新開発のカラー液晶スプレーナビシステムで散布時の各種データを素早く表示し効率よく作業できる
  3. ミッドタンクレイアウトでバランスがよく、満水から空の状態まで安定した走行性能を発揮
  4. 幅広タイヤで踏圧が低く走破性が高い
  5. 圃場の凹凸を吸収するサスペンションを装備し、水平制御やアキュムレータとの組み合わせでブームの揺れを抑えて散布精度を向上
  6. 運転席には快適な新型キャビンを採用
  7. 新型ジョイスティックで走行・ブーム・散布の操作が右手1本に集約
  8. 車輪幅は1800~2250mmと90mm幅で可変し、最低地上高は1170mmで、幅広い作物に対応

-など。

<業界短信10月>

1.クボタが農業用ドローンへ新規参入

クボタが商品全体の企画・試作評価・外観デザインを担当し、プロドローンがドローン本体の設計・試作を担当、丸山製作所が散布機の設計・試作を担当して、クボタブランドのドローン開発および実用化を目指す。
 現時点では農薬(液剤)散布機として開発し、10a当たり800mlを基本とする空中散布において、1haを10分で散布する機体サイズを実現。粒剤及び鉄コーティング種子散布対応機も順次開発していく予定で、高精度の散布性能、高い操作性とデザイン性、ユーザーの防除作業の軽労化、低コスト化、高効率化、安全へのニーズに対応する。
 今後の予定は、農林水産省の定める技術指導指針に基づいて、農林水産航空協会による機体認定を取得後、2017年5月頃を目途にモニター販売を実施し、ユーザーニーズを取り込んで、本格的に販売する予定にしている。3年後には年間で1000台の販売と20億円規模の事業を目指す。

2.ヤンマーがグルメ&ダイニングスタイルショーにYTトラクタ展示

東京ビッグサイトで行われた「第20回グルメ&ダイニングスタイルショー秋2016」において特別仕様トラクタ「YT5113」を特別展示した。
 特別展示したエリア「AGRI×DESIGN×FOOD EXHIBITION」は、「農業(第一次産業)をデザインする、現れる未来。」がテーマ。農業をはじめとした第一次産業には誇りと自信が求められ、前に進んで行く発信力が重要とし、未来に向かって進み続ける新しいあり方を提案したエリアで、ヤンマーは農業を「食農産業」へと発展させる象徴ともいえるYTトラクタを展示することにより、これからの新しい「農」をより多くの人に感じてもらうことを狙いとした。
 展示されたYT5113は50台限定生産の商品で、ボディーカラーには特別塗装のプレミアムレッドのメタリック仕様及び本革のシートを採用。高級感あふれる同機は注目を浴び、運転席に試乗する人が列を作った。

3.オーレックが第6回オーレック祭り開催

本社敷地内において「第6回オーレック祭り」を開催。地域の方々にオーレックという会社を理解してもらうことや社員全員のおもてなしの心を養い、「超」顧客志向の形成と“人財育成”につなげることを目的としたこのイベントは、年々認知度が高まっており、今年度は地元住民および顧客3021名(昨年は2161名)の来場があった。
 当日は小雨が降る生憎の天気だったが、来場者は過去最高となった。乗用草刈機試乗会をはじめ合鴨レース、ヨーヨー釣り、輪投げ、スーパーボールすくい、射的、フラダンス・民族ダンスステージなど多種多様なアトラクションが用意され、親子連れでも楽しめるイベントとなっており、普段は顧客に接する機会がない同社工場関係者もスタッフとして活躍し、笑顔が多く見られた。同社のヒット製品のゴーカートタイプの乗用草刈機の走行試乗は、オンロードコースとオフロードコースの双方を用意。実際に乗った子供からは、「ゴーカートに乗りながら草を刈れるなんて面白い」と楽しんでいる様子が見られた。

4.JA全中がJAグループの取組と提案を発表

「魅力増す農業・農村」の実現に向けたJAグループの取り組みと提案~「1円でも多く生産者手取りを確保し、1円でも安く良い生産資材を供給」するために~および「30年産を目途とする生産調整の見直しに向けたJAグループの取組と提案」を決定のうえ、発表した。
 生産資材については、

  1. 農機事業を共同利用主体事業へ転換
  2. 機能を絞った低価格モデル農機開発を推進していく

-などを決定。

安い資材提供については、

  1. 国産化成肥料の銘柄集約や水稲除草剤の品目集約により製造・流通コストを下げる
  2. 低価格商品を増やすため、農業法人等の意見を聞きながら、機能を絞った低価格モデル農機開発をメーカーに提案(2月から要望把握等を開始、29年に展開)
  3. 農機事業を所有から共同利用に転換(28年はモデル地区で検証し、29年から本格展開)

-などとした。

手取り確保の具体策として、実需者への精米販売の拡大と事前契約取引を拡大していく。これまで玄米で卸していた米を、消費者までの距離を縮めることを目的に、大手スーパーなど実需者に精米で販売する取り組みを拡大。併せて事前契約栽培も拡大していく。国の生産目標数量の配分が廃止される30年産米からの対応については、生産者別の生産量の目安を情報提供を行う。

5.ヤンマーミュージアムが「稲刈り体験イベントを開催

5月に行った田植えイベントの圃場20aで行われ、滋賀県を中心に近畿圏から25組80名の子供たちと家族が参加。コシヒカリ約1000kg分の収穫を行った。
 当日のセレモニーでは小竹一男館長が開会の挨拶を行ったあと、田んぼの管理を委託している高橋町営農組合・藤居政寛組合長が田植えから収穫までのお米作りの作業を説明。鎌の使い方を実演後、一斉に田んぼに入って手刈りを開始した。
 農機の実演ではひと昔前の手押し稲刈り機やバインダに続いて、コンバインが登場。圧倒的なスピードで刈り取りが行われ、機械のパワーを実感した。収穫後の昔の機械として「足踏み脱穀機」や「唐箕」も体験し、鎌で刈取り、足踏み脱穀機で脱穀、唐箕で選別するという一連の作業が、コンバイン1台で行えることに感嘆していた。昼食はヤンマーミュージアム特製カレーで、農園の新米を土鍋で炊いたご飯の美味しさには、おかわりの列ができた。

6.オーレックがタイのマングローブ植林ボランティアに参加

タイ王国ラノーン県にて、今村社長と若手社員の男女2名の計3名がマングローブの植林ボランティアに参加。現地の地域社会に貢献することを目的に、企業のCSR活動の一環で、植林には21年前から活動に参加している。
 植林を行った所は、かつてマングローブ林が生い茂っていた場所で、日本に向けて出荷されていたエビの養殖池として転用するために伐採されたが、水質が悪化したためにエビの生産量の確保が難しくなり、放棄されていた。日本からの参加者は現地の子供たちとペアを組んで作業を行った。植林の作業中に現地の人々との交歓会も催され、国際親睦を深めるイベントとなった。参加した男性社員は「自分たちのこういった活動が、少しでも現地を活性化させる起点となってくれれば嬉しい」とコメント。同社では「ひとに地球に貢献できる企業」、「国境なくユーザーに貢献できるグローバル企業」を目指しており、地球環境や地域に対して貢献する活動を進めている。

7.サタケが酒まつりに今年も企業参加

10月8、9の2日間、東広島市西条町で開催される「2016酒まつり」に企業参加し、各種イベントを開催する。
 サタケは1998年から地域貢献・広報活動の一環として企業参加しており、2009年からは広島本社をサタケ会場としてイベントを開催。昨年は2日間で約1万3000人の来場があり、盛況だった。今年は、昨年も好評を博した「心のふるさとマーケット」にて東広島市豊栄地区・福富地区・河内地区の農産物や加工品などの地元産品を一堂に集め販売するほか、初の試みとして、子どもを対象とした体操教室や親子で楽しめる「親子運動教室」も開催する。
 酒まつりは、日本三大銘醸地と称えられた酒どころ「安芸西条」(現在の東広島市西条町)で1990年から毎年行われているイベントで今年27回目を迎えるもの。さまざまなイベントが祭りを盛り上げ、例年20万人以上の来場者で賑わう。

8.井関農機が第21回さなえ全国子ども図画コンクールの審査発表

小学生以下の児童・園児を対象とした「さなえ全国子ども図画コンクール」の審査結果を発表。全国最優秀賞には佐賀県の小学6年生・栗山遼祐さんによる「じいちゃんがんばって!」が選ばれた。
 さなえ全国子ども図画コンクールは、同社が 日頃の愛顧に応えるために将来を担う子どもを対象として、「農業で働く家族」をテーマに平成8年から実施しており、今年で21回目。今回は約1700作品が寄せられ、応募作品は累計約2万5000点に及ぶ。
 講評に立った審査委員からは、「最優秀賞の作品は麦の収穫で麦の色が大変きれい。絵としてまとまっている」「そのほかの作品もユニークで完成度が高い。やはり21年間積み上げてくると凄い」「家族と一緒にできる仕事は世の中にそれほどない。子どもにとっては魅力あるシーンではないか」「父母、祖父母の姿をじかに見て育った清らかな目がそのまま紙の上に表されている。農業の苦労、辛さを感じさせない健康的な明るさが嬉しい。これだけ絵が並ぶと、日本農業はこれからますます希望を持って、また明るい将来があるなと、今年は特に感じた」などの声が寄せられた。

9.中九州クボタが「クックパッド」に玄米パスタ麺を使ったレシピを掲載

グループ会社の熊本玄米研究所が製造販売する玄米パスタ麺を使ったレシピを、国内最大のレシピの投稿・検索サービスである「クックパッド」に掲載。玄米パスタ麺の美味しさを理解してもらう機会を増やすとともに、日本の米の消費拡大を支援する。同社は、2013年に玄米ペーストのパンを製造販売する株式会社熊本玄米研究所を設立し、翌年には 玄米パン専門店「玄氣堂」をオープン。2016年3月には玄米ペースト・玄米ペースト麺の製造工場を落成し、現在はパスタ麺の製造も開始している。
 「クックパッド」には玄米パスタ麺を使ったレシピとしてツナのトマトクリーム玄米パスタ、きのことベーコンの和風玄米パスタ等4種類を掲載。さらに、タイアップ企画として「つくれぽ」(該当レシピを作った感想など)をクックパッドユーザーから募集する。玄米パスタ麺などの商品は玄米パン専門店「玄氣堂」実店舗・ホームページ、通信販売(Amazon、ヤマダモール)で購入可能。