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農業機械関連ニュース

平成28年5月10日発行

<業界短信-新製品5月>

  1. JA全農がパワーアシストスーツをPR
  2. サタケがバラスト水生物検査装置を開発
  3. オーレックが幹周草刈機の新型発売
  4. 大竹製作所が飼料用米の破砕機の新型

<業界短信5月>

  1. 農業技術革新工学センターがスタート
  2. 平成27年の作業機の国内出荷は466億円
  3. JA全農が臨時総代会を開催し、3カ年計画を承認
  4. トラクターの所有台数は139万台、コンバインは63万台、田植機は79万台
  5. 井関農機の植物生育診断装置が、農業食料工学会開発特別賞に選定
  6. 井関農機が農業女子応援プロジェクト
  7. やまびこが「TRY!お試しキャンペーン」を実施
  8. サタケが「高機能素材ワールド2016」に出展
  9. ヤンマーミュージアムが3周年記念イベント
  10. 本田技研工業が刈払機の安心補償制度を改定
  11. 井関松山製造所でキッズセミナー
  12. ヤンマーが第26回学生懸賞論文・作文の作品集
  13. JA全中などが農業労働力支援協議会を設立
  14. 本田技研工業がガスパワー発電機などでアウトドアライフの魅力提案
  15. 平成28年熊本地震に義援金や支援
  16. ヤンマーアグリジャパン東日本カンパニーのアグリソリューションセンター仙台が本格オープン
  17. サタケの「おむすびのGABA西条店」定食に新メニュー
  18. 丸山製作所が農薬散布用ドローンを披露

<業界短信-新製品5月>

1.JA全農がパワーアシストスーツをPR

28年度から本格スタートするレンタル事業に向け、重量物運搬の軽労化を図る「パワーアシストスーツ」のPRを各地で展開している。
 パワーアシストスーツは、上体をかがめたまま保持するホールドを手伝うもので製造元はパナソニックと三井物産の出資会社、ActiveLink。型式はAWN-03。同スーツは、15kgfのアシスト力を持ち、位置センサーにより体幹の動きに応じてモーターを回転。使用者による操作が不要で、作業に追従し自動的にモードが切り替わる。動作モードは、持ち上げ、中腰姿勢保持、歩行時用のアシストオフの3種類。

2.サタケがバラスト水生物検査装置を開発

船舶のバラスト水中の生物個体数を簡単・迅速・高精度に推定する装置で、都内の東京ビッグサイトで開かれた「SEA JAPAN 2016」に出展、注目をみた。  船舶のバラスト水により、有害水生生物や病原体が本来の生息域外へ運ばれ、排出されて生態系に影響を与える懸念があることから、国際海事機関ではバラスト水管理条約を採択し、排出基準を定めている。
 新開発された検査装置は、最小サイズが50μm以上のLサイズの生物個体数と、最小サイズが10μm以上50μm未満のSサイズの生物個体数の両方を、1台で推定できる。コンパクトで、陸上と船上との間も容易に持ち運ぶことができる。

3.オーレックが幹周草刈機の新型発売

際までスムーズに幹周りの草刈りが行え、年配の方や女性でも軽やかに操作できる乗用自走式のRMK150で、果樹農家からの「幹周りの刈り残しを少なくしたい」との要望や、効率的に作業を進めたいというニーズに応えた。新製品の刈り幅は1500mmで、RMK951をベースとしてシンプル・軽量・コンパクトのコンセプトを採り入れて開発した。特に、幹周りの刈り残しを少なくするためにオフセット部を改良。オフセットは幹の太さに応じて、3段階でオフセットの閉じ強度を調整できる。刈り高さは10~60mmで、無段階アシスト付き。
 また、重量はRMK1600に比べ25kg軽減。軽やかなステアリング、見切りの良さでお年寄りや女性も疲れにくい。幼木などの幹周りは、左の手動ペダルの操作によりオフセットの開閉が可能。幹周追従ホイルを採用しているため、ソフトタッチで幹を傷つけることなく、際まで草を刈ることができる。

4.大竹製作所が飼料用米の破砕機の新型

既販中のSH-2よりも価格は手頃でもう少し多くの量を作業したいとの声に応えた。型式はSH-2Wで、主な特徴は、

  1. 牛や豚へ米を給与する場合は、破砕処理を施すことにより、消化の向上が期待でき、飼料の均一性を確保できる。
  2. インバータで回転数を変えれば、破砕程度を調節することが可能。
  3. 能率がアップし、従来機SH-2の倍の毎時2000kgの作業ができる。

-など。

<業界短信5月>

1.農業技術革新工学センターがスタート

農業・食料産業技術総合研究機構(農研機構)が再編され、農研センターは、農業技術革新工学研究センターと名称を変更し、新たなスタートを切った。同センターは、重点化研究センターの位置づけで、ロボット、ICTなどスマート農業をはじめとする機械化研究を実施する中核拠点となる。所長には藤村博志氏が就任した。

2.平成27年の作業機の国内出荷は466億円

日農工作業機部会のまとめによると、乗用トラクター用、歩行トラクター用、自走式を合わせた平成27年の輸出を含む作業機の出荷実績は、403億1936万円で、前年比88.4%となった。輸入を含めた国内向け出荷実績は465億8317万円で、同88.6%だった。
 国内向け出荷台数実績では、ロータリーが2万7434台で同110.6%と増加。水田用ハローは駆動式が4757台、同73.7%、折りたたみタイプが9261台、同81.6%。畦塗機は5354台、同80.2%。ブロードキャスタは6985台、同88.5%。播種機(ロータリー・ハロー用)は9723台、同92.0%だった。

3.JA全農が臨時総代会を開催し、3カ年計画を承認

新たな3カ年計画は、平成28~30年度を計画期間とするもので、「より近く、より深く、より前へ」をスローガンとしている。このうち、生産資材事業については、

  1. 省力・低コスト資材、物流合理化等によるトータル生産コストの低減
  2. 肥料原料の安定確保と現場課題への対応
  3. 担い手や生産現場のニーズに対応した資材・技術等の提案力強化
  4. JA事業基盤の拡充支援

-を打ち出し、農業機械関連として、農機部品の広域供給など、県域を越えた供給・購買体制の整備による競争力強化、JAグループ独自・推奨型式の供給拡大や水田利用高度化に対応した大型高性能機械の取り扱い強化および農機レンタルの利用促進やリースによる導入促進、JAグループ農業機械検定の実践や中古農業機械査定士の育成、認証制度によるプラント施工管理担当者の養成など人材育成の強化-などをあげている。

4.トラクターの所有台数は139万台、コンバインは63万台、田植機は79万台

農林水産省が発表した2015年農林業センサス(確定値、平成27年2月1日現在)によると、トラクターの所有台数は139万4047台で、22年調査時に比べ28万3594台(16.9%)減少した。トラクターを所有している経営体は104万405経営体で、同28万2821経営体(21.4%)減少した。
 コンバインの所有台数は63万1247台で、同16万8042台(21.0%)の減少。所有経営体は59万6117経営体で、同16万9175経営体(22.1%)減少した。
 動力田植機の所有台数は78万8163台で、同23万7684台(23.2%)の減少。所有経営体は76万649経営体で、同23万7263経営体(23.8%)減少した。

5.井関農機の植物生育診断装置が、農業食料工学会開発特別賞に選定

植物生育診断装置PD6-Cが平成28年度の農業食料工学会開発特別賞に選定された。同装置は、計測部と走行部、データを保存解析するノートパソコンで構成され、計測部は青色LEDとCCDカメラを有し、植物の草丈に合わせて計測部が上下、カメラによる画像解析で植物の光合成機能を夜間のうちに自動計測。生育状態の数値評価・見える化を行うことで最適な環境制御に寄与する。愛媛大学植物工場研究センターの「植物の生態情報から栽培環境を最適に制御するSPA技術」に基づいて共同開発した。
 導入先からは、植物工場内の生育状況が現場に行かなくてもわかり、軽労働化が図れることや、夜間計測するため、昼間の作業(収穫、選果、誘引など)と重ならないのが良いと、高評価を得ている。

6.井関農機が農業女子応援プロジェクト

夢ある農業応援九州研修所・九州アグリサポートセンターで開催し、地元熊本県からの17名をはじめ、計20名の女性農業者が参加した。
 開会オリエンテーションで農業女子プロジェクトの国と熊本県の取り組みについてのレクチャーを受けた後、土壌分析セミナー、トラクター・刈払機・防除機についての農機セミナーを受講し、その後、圃場でトラクターでの耕うん実習、野菜移植機の実習を行った。
 (同センターは、平成28年熊本地震で被害を受けました。お見舞い申し上げますとともに復旧をお祈りいたします)

7.やまびこが「TRY!お試しキャンペーン」を実施

8月31日まで、気になるやまびこ製品をWebの専用ページから選んで気軽に試せるキャンペーンで、昨年の「スマート製品モニターキャンペーン」に続く第2弾。お試しできる製品メニューを大幅に拡充、多くの申し込みがあった36Vバッテリー製品各種や刈払機・防除機に加え、購入前に“事前に使ってみたい”という要望の多かったハンマーナイフモアやチッパーシュレッダーを追加した。共立・新ダイワ両ブランドで11機種・15型式を対象とし、加えて北海道地区では、「大型スプレヤー」、東北地区では「キャビンスピードスプレヤー」、関東甲信地区では「電動スピードスプレヤー」を地域限定製品として追加している。
 応募方法は、キャンペーンの専用ページからエントリーする。

8.サタケが「高機能素材ワールド2016」に出展

同展の「第5回高機能プラスチック展」にプラスチックペレット用選別機や加工機器、リサイクル関連機器を出展した。
 このうち、プラスチックペレット用光選別機「ペレットソーターDS」、「ピカ選αPLUS」は実演を行い、関心を呼んだ。ペレットソーターDSは、プラスチックペレット原料を表裏両側からチェックを行う選別機で、高精度な選別を可能としている。ピカ選αPLUSは、形状選別機能を搭載し、良品と同色の形状不良品も除去できるため、幅広い原料に対応する多用途光選別機。

9.ヤンマーミュージアムが3周年記念イベント

ヤンマーが、創業100周年記念事業の一環として創業者誕生の地である滋賀県長浜に建設した「ヤンマーミュージアム」が開館3周年を迎え、記念イベントが行われた。
 3周年の感謝を込めて、先着30名にバウムクーヘンをプレゼント。エントランスには、地元長浜市の生産者やお店15店舗から成るマルシェを展開。こだわりの栽培法で作られたお米や野菜、スイーツなどが提供された。
 ミュージアム内の研修室では、地元の長浜小学校合唱団によるミニコンサートがあり、「ものづくりの楽しさを触れて学ぼう」のコーナーでは、ヤンマーの若手社員が技術研修の一環で製作した製品が展示された。

10.本田技研工業が刈払機の安心補償制度を改定

同制度は、国内で販売した汎用製品の使用中に起きた事故を補償するホンダ汎用製品「安心補償制度Ho!(ホッ!)」。改定では、対象製品のうち、刈払機の保険期間を従来の1年間から3年間に延長した。
 ホンダ汎用製品購入後、1カ月以内に「お客様登録カード」にて登録された製品に対し、無償で賠償責任保険を付帯する。日本国内において対象製品の使用時、第三者に損害を与え、法律上の賠償責任が生じた場合、この制度によってその賠償金が支払われる。

11.井関松山製造所でキッズセミナー

伊予銀行とともに「いよぎん金融教育教室×ISEKIもの育『春のキッズセミナー』」を、井関松山製造所で開催し、工場の見学やグループワークを行った。
 セミナーでは、参加者が自己紹介した後、トラクターの製造を例に「ものづくりとお金の流れ」を学習。工場では1本の組立てラインで様々な種類の機械を組み立てる「混合生産」が行われていることや、トラクター製品にかかる費用などの説明を受けた後、トラクターの試乗体験と工場見学。
 試乗の前には、乗用管理機「愛さいかJKB23」の実演を見学。トラクターは70馬力の「TJV703」と120馬力の「TJW120」の両機種に順番に乗って楽しんだ。午後には、「新しい農業機械を考える」グループワークを行い、新製品の企画を練った。

12.ヤンマーが第26回学生懸賞論文・作文の作品集

主テーマ「新しい農をクリエイトする」、副テーマとして、「新しい農への3つの提案」で募集した今回は、論文・作文合わせて962編の応募があり、論文の部では33校から72編、作文の部では24校から790編の応募と、過去最高を記録した。
 この中から、厳格な審査の結果、論文の部では大賞1編、特別優秀賞2編、優秀賞10編、作文の部では金賞1編、銀賞2編、銅賞10編が選ばれ、表彰を受けた。
 作品集では、上位に入賞した論文3編、作文3編を全文掲載。論文の優秀賞10編、作文の銅賞10編は要旨を掲載している。

13.JA全中などが農業労働力支援協議会を設立

日本農業法人協会など5団体と設立した。農業人材の確保・育成に向け、

  1. 農業人材確保部会
  2. 農業人材育成部会
  3. 農作業受委託部会
  4. 外国人技能実習制度部会

-を設け、取り組みを進めていく。

農業労働力(担い手)の不足が今後ますます大きな問題となり、農業経営の規模拡大・多角化を積極的かつ効率的に進められないことが喫緊の課題となりつつあることから、多様な農業人材の安定的な確保・育成と、農業経営の安定・継続した発展が可能となるよう、農業団体自らが取り組めるもの、国に提言していくものなどを検討、農業人材の確保・育成・定着のための活動を進めていく。

14.本田技研工業がガスパワー発電機などでアウトドアライフの魅力提案

都内の代々木公園で開かれた「アウトドアデイジャパン2016」で、二輪車、四輪車などとともに、ガスパワー発電機「エネポEU9iGB」、ガスパワー耕うん機「ピアンタFV200」などのPRを行った。
 展示会場では、ホンダキャンプ料理教室、ホンダキャンプカメラ講座を開催。ツインリンクもてぎから、グランピング施設「森と星のキャンプビレッジ」の展示など、ホンダ製品を通じてアウトドアライフの魅力を理解できるプログラムが実施された。
 ガスパワー耕うん機「ピアンタFV200」の体験コーナーでは、体験装置を使って子供たちを中心に多くの人が参加し、興味深そうに土を耕していた。

15.平成28年熊本地震に義援金や支援

4月に起きた熊本県を震源とする「平成28年熊本地震」では、亡くなった方のほか、負傷者も多く、避難生活を強いられるなど多数の被災者が発生した。また、企業をはじめ農業でも被害が出た。
 こうした事態に、クボタ、ヤンマー、井関農機、本田技研工業、三菱マヒンドラ農機などが義援金を提供。また、井関農機では熊本製造所が被災し、操業を見合わせた。熊本製造所のグラウンドを益城町災害ボランティアセンターとして提供した。

16.ヤンマーアグリジャパン東日本カンパニーの
   アグリソリューションセンター仙台が本格オープン

第2期工事が完了し、研修施設などを備えたナレッジセンターなどができ、グランドオープンセレモニーが行われた。
 アグリソリューションセンター仙台は、全国で3番目、東北では初の施設で、新技術の情報発信、管内農家の土壌診断依頼への対応、担い手農家に向けた技術研修や安全研修、さらには地域のコミュニティーとして、一般家庭にやホビー農家に対する家庭菜園教室、子供たちへの食農教育など、多様な活用を行う情報拠点となる。
 ナレッジエンターの1階にはサッカーの香川真司選手のライブラリーコーナー、ヤンマーグッズ販売コーナー、エンジンモデル展示コーナーなどが置かれ、左右に配置されている整備工場、実習室はガラス越しに状況を見ることができる。
 オープンセレモニーで挨拶した増田長盛社長は、このセンターを通じて同社が進めているロボットトラクターなどの農業提案を東北農業に届け、その復興・振興の一助となるよう日々邁進していくと熱意を込めた。

17.サタケの「おむすびのGABA西条店」定食に新メニュー

今年2月から地元の東広島市西条の「おむすびのGABA」西条店において無洗米GABAライスを使用した定食メニュー5種類を販売していたが、好評につき新たに「豚肉と野菜のさっぱり煮定食~とろとろ煮玉子添え~」を追加した。
 同社では、「より多くの方に無洗米GABAライスを食べて、元気になってほしい」との思いから、西条店でこれまでおむすびを中心としたメニューに加え、「若鶏のコメカラとだし巻き定食」など、無洗米GABAライスを使用した5種類の定食メニューを開発し販売を行ってきた。

18.丸山製作所が農薬散布用ドローンを披露

千葉市の幕張メッセで開かれた国際ドローン展に、農薬散布用マルチローター「スカイマスター MMC940AC」を出展した。同社初となるこのマルチローターは、無人ヘリで実績のある高圧ピストンポンプを採用し、きめ細かい噴霧ができる。ポンプの吐出量の調整は送信機で遠隔操作でき、飛ばすスピードや区画に合わせて調節できる。薬液タンク容量は5Lで、1回の飛行で約50aの散布ができる。
 マルチローター本体は、高性能ジャイロで姿勢を制御し、各種センサーで位置や高さを保持することができ、離陸から散布飛行、着陸まで、誰でも簡単に操作できる。
 1回の飛行時間は約10分。バッテリーは4回分付属しており、約40分の飛行ができる。現在認定申請をしており、登録完了次第、販売を開始する予定。