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農業機械関連ニュース

平成28年3月10日発行

<業界短信-新製品3月>

1.クボタがガソリンエンジンの田植機や一般・兼業向けトラクター発売

トラクターは、グランフォースシリーズのホイル仕様のFT220(22馬力)、FT240(24馬力)、パワクロ仕様のFT220-PC(22馬力)、FT240-PC(24馬力)。シンプル&リーズナブルというコンセプトを継承、さらに使いやすい新機能を搭載、国内特自3次排ガス規制の対象とならない22、24馬力帯を先行して発売するもの。
 主な特徴は、

  1. 国内特自3次排ガス規制の対象とならない19kW(25.84馬力)未満のエンジンを搭載。低燃費でクリーン排気の大排気量エンジンで、余裕のある作業が可能。
  2. ワンピースフルオープンボンネットにダンパーを追加し、メンテナンス性が向上。エンジン周りの日常点検を容易に行うことができる。
  3. ユニバーサルデザインのメーターパネルに液晶ディスプレイを追加。アワーメーター、エラー情報などをデジタル表示でき、さらに使いやすくなった。燃料が少なくなると点灯する「給油お知らせランプ」を追加。
  4. 第二世代SGパワクロに泥が落ちやすい新形状のスプロケットを採用。メンテナンス性の向上を図った。

-など。

田植機は、より簡単に楽に田植え作業ができ、低コストであることも好評の現行ラクエルαシリーズをモデルチェンジした5条植えのZP55-N、6条植えのZP65-N。
 主な特徴は、

  1. 3次排ガス自主規制対応のガソリンエンジンGZ520(18.6馬力)を搭載し、現行機より1.6馬力出力アップし、更に軽快なフットワークと高能率作業が可能。
  2. 1台5役の田植同時作業。クボタ田植機が強みとしている1台5役の田植同時作業『移植(疎植株間対応ロータリ)・施肥(簡単ドライ施肥機)・枕地ならし(ゆう優ロータ)・除草剤散布(こまきちゃん・オプション)・殺虫/殺菌剤散布(箱まきちゃん・オプション)』も可能で、省力作業に貢献。
  3. 田植機版のアイドリングストップ「e-ストップ」を装備。

-など。

2.ホンダが小型耕うん機をモデルチェンジ

モデルチェンジしたのは、小型耕うん機「こまめF220」「プチなFG201」「サ・ラ・ダFF500」の3機種。  このうち、こまめは15年ぶりのモデルチェンジ。汎用エンジン「GXV57T」の樹脂カバーを一新するなど、より親しみやすいデザインとするとともに操作性を向上した。
 主な特徴は、

  1. デザインを刷新=機体色は、ホンダ汎用製品のイメージカラーであるパワーレッドを基調に、エッジを効かせたシャープで勢いのあるデザインとグラフィックを採用し、きびきびとしっかり働くパワフルなエンジン耕うん機を表現。
  2. 扱いやすさを追求=ホンダ4ストローク汎用エンジンGXV57Tの搭載による粘り強い出力と低重心で機体バランスの良いバーチカルエンジンレイアウトならではの扱いやすさにより、優れた耕うん性能に貢献。
  3. 直進性を高めるサイドディスクには、移動用タイヤ(別売)の取付穴を装備している。
  4. 4連式ローターの外爪を固定するボルト留め用ロックピンを取付方向を選ばないR型形状とすることで、耕うん作業中に土壌からの反力で発生するピンの脱落を防止するとともに外爪の脱着作業を容易にした。

-など。

「プチなFG201」はホンダならではの低重心でシンプルなレイアウトを実現する車軸ローター式構造はそのままに、汎用エンジン「GXV50T」の樹脂カバーをより親しみのあるデザインに変更。さらに、ローター形状を一新し、土中の異物巻き込み防止を図るなど、扱いやすさを向上している。また、車載時などに持ち上げやすいようフロントガードの内側は、握りやすい形状に変更している。
 「サ・ラ・ダFF500」は、作業に合わせて握り位置を自由に選べる補助バー付きのループハンドルや、軽い力で耕す深さ調節が可能なレバーをフロントホイールアームに採用し、扱いやすさを追求した。
 エンジンを低重心に配置するとともに、ホンダ独自のフロント同軸・同時正逆転ロータリー「ARS(アクティブ・ロータリ・システム」を機体前方に配置することで、簡単に深く耕すことができる。

3.田中産業が腰痛防止ベストを新発売

同社が展開する「農家の健康・安全・快適を守るウエア製品」シリーズの第3弾。脇と腰に入った6本の薄型強力バネが腰をしっかりサポート、長時間のしゃがみ作業や無理な姿勢での反復作業など、農作業につきものの腰への負担を軽減する。
 生地には伸縮性と通気性に優れた素材を使用。コルセットのような緊縮性を持たせることで、腰回りをしっかり支える。また、脇と腰に入った6本の超軽量薄型強力バネが、前屈みになったりしゃがんだりした時、バネの反発する力で腰部を支え、テーピング効果とともに腰への負担を軽減する。
 着用も簡単で、

  1. 一番下のホックを留め、順に上へすべてのホックを留める。
  2. ファスナーの下部をセット、上まで引き上げる。

-だけ。

手持ちの作業ズボンに付属のボタンを付け、ベストの裾にあるループをボタンに掛けるとズリ上り防止になる。ベストの内側にはポケットを配置、夏は冷感ジェル、冬にはカイロを入れることができる。また左胸にも、作業の邪魔にならない位置に大型スマートフォンが入るポケットを設け、スナップボタンで簡単に取り出せる。

4.サタケが本格石焼き電気焼いも機を発売

庫内に敷き詰めた石による遠赤外線効果でサツマイモを美味しく焼き上げる本格派。2kg、3kg、10kgと一度に焼けるいもの量により3タイプをラインアップした。
 主な特徴は、

  1. 遠赤外線効果で美味しく焼き上げ=庫内に敷き詰めた石による遠赤外線効果で、サツマイモを美味しく焼き上げる、本格派の電気焼いも機。
  2. 誰でも使える簡単操作=焼き温度・時間を、通常は200度C・約50分に設定するだけ。簡単な操作で、誰でもホクホクの焼いもが作れる。
  3. 常にアツアツの焼いもを販売可能=本体上部には焼き杉木枠で囲われた保温部を装備。焼き上がったいもを陳列すれば、常にアツアツの焼いもを販売できる。

<業界短信3月>

1.農林水産省のスマート農業研究会で安全確保ガイドラインを検討

スマート農業の実現に向けた研究会でロボット技術・ICTの今後重点的に取り組む課題や、ロボット農機に関する安全性確保ガイドライン(案)について議論した。
 ガイドライン(案)では、適用範囲について、ロボット農機に使用者が搭乗せずに無人で自律走行する方法(有人-無人協調システム、圃場内からの監視等)を対象とし、その設計、製造、使用などの各段階に適用。製造者は使用者に対して訓練を実施することなどを盛り込んだ。使用者の条件として、製造者等が実施する訓練を受けた者とし、製造者等が学科および実技の訓練を行うものとした。  今年3月末までに最終案を公表し、平成28年度末までにガイドライン案を策定する。

2.ヤンマーの本社ビルが
 「おおさか環境にやさしい建築賞」の市長賞を受賞

愛称:YANMAR FLYING-Y BUILDINGが、大阪府住宅まちづくり部、大阪市都市計画局主催の「平成27年度おおさか環境にやさしい建築賞」の最優秀賞である「大阪市長賞」を受賞した。
 これからの100年に向けて資源循環型社会への貢献として、太陽光発電やガスコージェネレーションシステムによる高効率熱源や、ガスヒートポンプや省エネ性能に優れた空調システムなど同社製の商品をはじめとした「ゼロエミッション」化の技術を多数導入しており、同規模のオフィスビルと比較して、CO2の排出量を約55%以上も低減可能。
 また、建築デザインにおいては意匠性と日射遮蔽を考慮し、自然採光や自然換気、雨水の利用など、自然の恵みを最大活用するとともに、ゼロエミッションビル(ZEB)化を視野に入れた高効率な空調システムや給電システムなど導入。
 このような環境へ配慮した設備が数多く備えられていることや、周辺地域との景観と調和したシンボリックな外観デザイン、中間免震構造を採用した高い耐震性などについて高い評価を得、受賞となった。

3.やまびこ東部が新春の造園緑化機械展示会開く

やまびこ本社構内の特設会場において開催。会期中、管内の関東甲信越地区の農機販売店、造園業者、ゴルフ場などの関係者などで賑わった。
 会場には「共立」「新ダイワ」ブランドのチェンソーをはじめとして、刈払機・ヘッジトリマー・パワーブロワーの各種手持ち機械から、セット動噴、ラジコン動噴、ウッドチッパー、モア、発電機、洗浄機、高所作業機まで造園緑地管理に欠かせない管理用機器を多数出品。
 また、昨年発表した革新的な軽量トップハンドルソー“天下無SAW!”「共立・CS251T」、「新ダイワ・E2025TS」の新型チェンソー、さらに、昨年12月より本格的な発売を開始したスマートブレーキ機構を搭載し、刈刃を確実に止める刈払機、エンジンを降ろさず手元で楽に始動が行えるスナップスタートを採用した背負式刈払機などの新製品を展示し、新しい機能をアピールした。

4.JA全農がコメの輸出を1万tに拡大

全農グループ輸出事業の取り組みを自民党に説明した中で、米輸出については、国内において低コスト・多収生産可能な輸出専用産地づくりと安定供給体制の構築に取り組み、現在の1500tから3年以内に1万tに拡大していくこととした。
 米輸出の取り組みは、クボタと連携して現地精米の取り組みを進めるなど事業を推進している。海外では、スーパー等の小売市場を中心に、日本産米の販売競争が激化しているという。これらを踏まえ全農では、今後、シンガポール向け等の業務用市場を開拓していくこととした。
 今後の取り組みとしては、

  1. 玄米で輸出し、現地で精米販売する「生産から販売まで一貫した事業スキーム」の構築による流通コストの低減および鮮度訴求。
  2. 低コスト・多収生産可能な輸出専用産地づくりと安定供給。
  3. 用途別ニーズに対応した商品提案。

-などを進め、1万t、30~35億円程度へコメ輸出拡大を図る。

5.農研機構がアイガモロボットや高精度水田除草機を紹介

さいたま市北区の生研センター散布実験棟で、農食事業「機械除草技術を中核とした水稲有機栽培システムの確立と実用化」及び緊プロ事業「高能率水田用除草装置の開発」成果発表会を開催したもので、高精度水田用除草機やチェーン除草機、アイガモロボットなど水田用除草装置を活用した最新の水稲有機栽培体系の研究成果が報告され、実機及びパネルも展示された。
 講演でみのる産業の本荘絵未氏は、「水田用除草ロボット(アイガモロボット)の開発と実証」について語り、アイガモロボットについて、圃場を走って条間はクローラ、株間はチェーンで除草する50cm四方の小型ロボットで、

  1. 出芽したばかりの雑草を踏み潰し掻きだす。
  2. 土壌撹拌することで水を濁らせて雑草の発芽を抑制するため、雑草が育ちにくい環境を作る。

-とし、カメラで苗を認識しながら自動走行できるタイプと、ラジコンタイプの2パターンで製品仕様を検討していると述べた。

6.ヤンマーが第26回ヤンマー学生懸賞論文・作文募集
 入選発表会を開催

今回は論文72編、作文790編の応募があり、とくに作文の部はこれまでの最多数596編(前回)から大幅に増加した。最終審査の結果、論文の部大賞には遠藤響子さん(青森県営農大学校2年生)、作文の部金賞には石井成美さん(群馬県立農林大学校1年生)が選ばれた。遠藤さんは昨年の作文・銅賞に続き見事にトップの座を射止めた。
 審査委員長を務める生源寺眞一氏(東大名誉教授、食料・農業・農村政策審議会会長)は、論文・大賞に輝いた遠藤さんの作品について、内外の酪農事情をしっかり分析しながら、自らの経営、地域の酪農のあり方、女性が行う酪農の観点、将来の道筋などに絡んだ論文で、非常に深い分析を行っており、女性酪農振興会の提案など、具体的で説得力のある作品となっており、この若さでこれだけの見識を持っていることに敬意を表し大賞としたと説明。
 また、作文の部・金賞の石井さんの作品については、具体的な提案、強い思い、飾るところのない素直な作文で、伝統食材が作者に1つの転機を与えており、歴史への関心が作品に深みを与えていると評した。

7.サタケがベトナムで最新精米機器紹介セミナー実施を決定

タイの現地法人・サタケタイランドの一行7名が、ベトナム・カントー市の人民委員会を表敬訪問し、同委員会幹部との会談で今年4月にカントー市の精米業者向けの最新精米機器紹介セミナーを実施することが決定したもの。
 広島県は、JETRO(日本貿易振興機構)のRIT事業(地域間交流支援)の一環として広島県内企業とベトナム・カントー市の企業のビジネスマッチング企画を2014年から実施しており、同企画に基づきカントー市人民委員会のダオ・アン・ユン副委員長らが広島県を訪問、ベトナムに進出している企業としてサタケ広島本社を視察した。
 ユン副委員長ら一行はサタケの技術力を高く評価し、帰国後にカントー市の精米業者にサタケ製品の導入を推奨した。
 こうした状況を受け、サタケタイランドの田中章一社長ほか6名がカントー市人民委員会を表敬するとともに導入に向けた具体的な取組みを協議し、同市の精米業者向けの最新精米機器紹介セミナーを実施することが決定した。

8.ヤンマーミュージアムが
 第6回 サステナブル建築賞「審査委員会奨励賞」を受賞

サステナブル建築賞は、建築物として優れた作品であるとともに、建築主、設計者及び施工者の三者の協力により、環境負荷低減、省CO2、省エネルギーに顕著な成果を上げ、その普及効果が期待される先導的なサステナブル建築物を顕彰することによって、サステナブル社会の構築に寄与することを目的としている。
 長浜市のヤンマーミュージアムが地球環境保護や資源循環という普遍的なテーマと、ヤンマーが掲げる企業理念を組み合わせた建築物であること。さらに、優れた環境設計と、子供たちが「見て・感じて・学べる」体験型ミュージアムとして地域との連携・活性化などに積極的に取り組んでいる点などが高く評価され、このたびの受賞となった。

9.日農工が農機安全設計で勉強会

より安全な農業機械の開発とロボット利用の促進に資するもので、農作業事故の実態や、これからの農機の安全設計の方向性などに関する講演が行われた。
 内容は、「リスクアセスメントとリスク低減の考え方-JIS B9700(ISO12100)に基づく機械の安全設計」=明治大学名誉教授・向殿政男氏、「農作業事故調査結果からの提案」=農村医学会・大浦栄次氏、「これからの農業機械安全の方向性」=生研センター評価試験部安全試験室長・志藤博克氏-の3講演。

10.井関農機の新社長に木下榮一郎取締役専務執行役員

3月25日開催予定の同社定時株主総会の承認を得て正式に就任する。
 木下氏は昭和27年7月生まれ。52年3月熊本大学工学部卒、同4月井関農機入社、平成20年10月執行役員開発製造本部副本部長、21年12月常務執行役員開発製造本部長(現在)、24年代表取締役専務兼専務執行役員、27年5月取締役専務執行役員(現在)。

11.スズテックの鈴木貞夫社長が逝去

82歳だった。通夜、葬儀は、それぞれ遺族、親族のみで執り行った。喪主は妻の鈴木キヨ氏。改めてスズテックと鈴木家の合同告別式を行うが、日時は未定。
 故人は、昭和55年7月に同社前身の鈴木鍛工の代表取締役に就任以降、同社の発展に貢献。また、数多くの公職を務め、平成21年秋の叙勲で旭日双光章を受章した。

12.全農機商連が創立60周年を迎え記念式典

記念式典では、柏木俊一副会長の開会のことば、高橋会長の主催者あいさつに続き、来賓として森山裕農林水産大臣(代読=佐藤英道農林水産大臣政務官)、日農工・山岡靖幸会長、農機公取協・木股昌俊会長、全国中小企業団体中央会・大村功作会長(代読=丸山振興部長)がそれぞれ祝辞を述べた。
 その後、感謝状並びに表彰状贈呈が行われ、農林水産大臣感謝状が、松田一郎・前全農機商連会長、前福井商組理事長、岩間英雄・元全農機商連理事、山梨商組理事長の両氏に授与された。
 木村英男副会長の閉会のことばで、式典は終了し、農業法人夢前夢工房代表・衣笠愛之氏による記念講演が行われた。
 祝賀会では、佐藤政務官、本会・雨宮宏司会長の祝辞に続き、平林克敏理事の乾杯の音頭で祝宴に入り、西山忠彦副会長の万歳三唱で閉会した。

13.ヤンマーが東北の綿花栽培を支援

宮城県仙台市の「舞台ファームグループ株式会社みちさき」で同社が支援している「Tattonプロジェクト」の初めての綿花収穫に対し、最新鋭のプレミアムトラクター「YT463」を用いて収穫後の圃場の整地を行った。
 Tatton(「田んぼ」と「綿=コットンを掛け合わせた造語)プロジェクトは、フジテレビの「めざましテレビ」が東日本大震災直後から継続して行っている被災地支援企画で、震災の津波で塩害を被った農地に除塩効果のある綿花を栽培することで通常の農作物が育てられる土壌へと復活させる取り組み。現在では塩害からの復旧だけでなく、綿花栽培を東北の産業として根付かせ、地域の活性化に活用することも目的のひとつとして活動が進んでいる。
 ヤンマーグループでは2012年から同活動を支援、昨年からは、綿花栽培を新たに始めたみちさきにトラクターや作業機、移植機を貸与し、プロジェクトを支えている。

14.クボタ27年12月期決算は増収増益

決算日を12月31日に変更し、9カ月間の数値となり、前年比も平成26年4月1日から同年12月31日までの業績との比較。それによると当期売上高は前期比9.2%増(1044億円増)の1兆2448億円、営業利益は同13.4%増(198億円増)の1669億円、純利益は同9.8%増(98億円増)の1101億円となった。国内外とも機械部門が売上げを伸ばし、特に海外は816億円の大幅な増収となった。
 機械部門の売上高は、前期比10.6%増加して1兆203億円となり、売上高全体の82%を占めた。うち国内売上高は7.7%増の2253億円。農業機械は、消費増税による前年同期からの反動や排ガス規制強化に対応した拡販などにより大幅に増加。建設機械も排ガス規制強化や投資優遇税制の実施を受けて増加したが、エンジンは客先の海外移転などにより減少した。