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農業機械関連ニュース

平成27年6月10日発行

<業界短信-新製品6月>

1.エム・エス・ケー農業機械がトラクター「フェント900バリオS4」シリーズを発売

「フェント900バリオS4」シリーズは、「フェントT4」シリーズの基本的な技術革新部分が全て搭載され、さらに最新式のエンジンと無段変速式バリオトランスミッションとの組み合わせなど、効率性を高めるための装備も搭載されている。新しいユニークな技術として注目される、車体と一体化した「タイヤ空気圧調整機能」である「バリオグリップ」により、あらゆる作業下で適切なタイヤ空気圧を選択することが可能(オプション/専用サイズのタイヤ装着が必要)。
 主な特徴は、

  1. 同シリーズは5機種あり、最大モデルの「939バリオ」は定格・最大390馬力。
  2. 搬送能力が16%高い60km/時の最高速度。
  3. 自動出力コントロールによるエンジンとトランスミッションの完璧な制御。
  4. Tier4ファイナル排ガス基準適合により驚くほど低いランニングコストを実現。

―など。

2.ビコンジャパンが「ディスクモアEXシリーズ」に注力

同社は、今年12月に創業40周年を迎えることから、これまで以上に日本の農業に貢献していくとしている。40周年を記念して、3月1日より各種キャンペーンを開始。
 また、同社では、牧草シーズンに向けて、「ディスクモアEXシリーズ」に力を入れていく。三角ディスク/三枚刃システムで知られるビコンブランドのディスクモアは、独自の「偶数連三角ディスク」によりシャープかつスムーズに刈り取りを行う。
 ラインアップは、3シリーズ9型式(作業幅1.7~9.0m)と充実の品揃え。最高峰モデルの「バタフライ」は、フロントモアとの組み合わせで、作業幅は最大9mに達する。

<業界短信6月>

1.ヤンマーがスペインのヒモインサSL社の株式を取得

これにより、両社のパートナーシップをより強固にし、同社のエネルギーシステム事業を、産業用機械事業・ディーゼルエンジン事業に次ぐ「第3の柱」となる事業に大きく成長させていく計画。エネルギーシステム事業のグローバル展開を飛躍的に拡大させ、グループ経営目標である海外市場での全社売上高比率60%(連結ベース)を目指す。
 ヒモインサ社は、建設現場や携帯電話の基地局で使うオンサイト型発電システムや投光器等を製造、欧州を中心にグローバルに販売を行い、中南米や東南アジアにも販路を広げている。2014年度の売上高は約236億円。

2.本田技研工業の2014年度汎用事業での販売台数は600万台

2014年度の決算発表によると、売上高は12兆6467億円(前年度比6.8%増)、営業利益6516億円(同13.1%減)、税引前利益6896億円(同5.4%減)、関連会社持分利益1265億円(同4.5%減)、当期純利益5227億円(同8.5%減)、1株当たり当期純利益290.06円(同28.48円減)となった。
 このうち汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業の2014年度販売台数は600万1000台(前年度は603万6000台)、売上高は3276億円(同3181億円)、2015年度見通しは販売台数636万台としている。

3.アシストスーツなど新技術導入を果樹農業振興基本方針で打ち出す

農林水産省では「果樹農業振興基本方針」を策定した。生産面での対策のうち、新技術の開発、普及に関しては、ロボット技術、ICT等の先端技術を活用したスマート農業について、開発メーカーがスマート農業の実証・普及を行う際に、実証に取り組もうとする果樹産地の募集、開発メーカーと果樹産地のマッチング等の新技術の円滑な導入に向けた取組を推進する。
 また、農業者の急速な高齢化を踏まえ、軽労化等の観点から期待される農業用アシストスーツ等について、その研究開発・実証普及を加速させる。今後も、担い手不足に対応するため、雇用労力を必要としないロボット化・自動化の研究を一層推進するとともに、作業動線の単純化等のロボットが作業しやすい環境の整備についての研究を推進するとした。

4.筑水キャニコムがアフリカのマーケティング強化

同社は1985年にスイスへの海外進出を皮切りに、順調に開拓し、現在43カ国との取引に至っており、100カ国取引を目指している。そのために今後マーケティングを図っていく国は、治安・情勢を含め情報が少ない。
 同社には、今年15名の新人が入社。中でもムハメド・サンブさんはセネガル出身で、バスケット留学生として、八王子高校・日本経済大学を卒業。同郷で2011年に入社し、既に海外で活躍中の先輩、ン・ジャイさんを慕って入社した。
 グローカル・ニッチ市場を創造する同社にとっては現地に精通し、「義理・人情・演歌」が伝えられる人材が、今後必要不可欠となる。海外出身の新入社員への期待は大きく、今後はアフリカにおいても本格的な市場開拓を進めていく。

5.やまびこが小型エンジン搭載製品の保証期間を延長

チェンソーや刈払機など、やまびこ製小型エンジン(ブランド=共立・新ダイワ)を自社生産設備で搭載した完成品の保証期間を4月1日以降の購入分より「ホームユーザー5年・プロユーザー2年」にそれぞれ延長した。
 保証延長制度は、すでに数年前から北米で先行導入されており、今回、日本および欧州での実施となった。同制度は世界80カ国以上で使用されている製品の品質に対する「やまびこ世界基準」に則したもの。
 農林業・造園業・土木建設業・ゴルフ場など業務用として製品を使用する「プロユーザー」、それ以外を「ホームユーザー」と位置づけて該当する保証期間を設定。同社が定める保証基準に該当した場合に限り、当該部品の取り替え、または修理を無償で実施する(消耗部品・油脂類・付属アタッチメントは除く)。

6.サタケがNEW環境展に出展

2015NEW環境展に、廃家電のプラスチック片などさまざまな原料を選別できる「多用途ベルト式光選別機」、「多用途シュート式光選別機」や「プラスチックリサイクルシステム」などの展示を行った。「多用途ベルト式光選別機“BELTUZA”(ベルトゥーザ)」、「多用途シュート式光選別機“ピカ選α”」は、原料の良品・不良品登録をユーザーが自由に行える「自動感度設定システム」により、幅広い原料にも迅速に対応できる光選別機。フルカラーCCDカメラを搭載し微妙な色合いの違いを識別できる高性能モデル。
 また、高純度のリサイクルペレットが得られる「プラスチックリサイクルシステム」や環境負荷の軽減に貢献する「乾式集塵機」(参考出展)などのパネル展示も行った。

7.クボタが宮城県農業高校で鉄コーティング直播の特別実習

宮城県農業高校の圃場で、東日本大震災の翌年から始めて今回が4度目となる鉄コーティング直播の特別実習授業を行った。授業には同校作物班の2年生、3年生各13人が参加し、同社関係者の指導の下、新たに「つや姫」栽培にもチャレンジ、「まなむすめ」、「蔵の華」(酒米)とともに、同社の直播専用機、同校所有の多目的田植機を使って播種作業を行った。
 実習では、クボタアグリサービス・仙台ソリューションサービス技術部が応援。種籾は、3月末に同校でコーティングしたものを用い、播種には直播専用機のWP600TC、同校所有の多目的田植機EP67を使用。1株当たり6~8粒を点播した。圃場は30a区画の6枚の田で、つや姫に3枚、蔵の華に2枚、そしてまなむすめに1枚の配分でそれぞれを播種した。
 今後は7月の中間管理作業、9月下旬あるいは10月に予定しているコンバイン収穫作業の実習、明年1月の土づくりに関する特別講座を行うスケジュールとしている。

8.井関農機の売上高は1574億円

平成27年3月期の連結業績によると、売上高は1574億1700万円(前期比6.9%減)、営業損益は5億3500万円の損失(前期は73億7100万円の営業利益)、経常利益は4億9900万円(前期比94.0%減)、当期純損失3億1900万円(前期は64億4700万円の純利益)となった。配当は1株当たり3円の期末配当を予定。27年12月期(27年度から決算期を3月から12月に変更する予定で、9カ月の本決算となる)の連結業績予想は売上高は1520億円、営業利益39億円、経常利益37億円、当期純利益21億円とし、3円の期末配当を予定している。
 売上高のうち、国内は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動による影響や米価の低迷などにより低調に推移し、農機製品全体で71億円の減収、作業機も農機製品に連動して29億円の減収、施設工事は9億円の減収となった結果、国内売上高は1319億5600万円(同7.7%減)となった。

9.サタケ本社を会場に全国醸造機器用品展示会

5月26、27日の2日間、東広島市のサタケ本社を会場に「全国醸造機器用品展示会」(主催=全国醸造機器工業組合など)が開かれ、同社は小ロット醸造精米機やDNA検査装置などの最新鋭機器を出展した。
 5月日に東広島市にある独立行政法人酒類総合研究所で「平成26酒造年度全国新酒鑑評会」が開催されるのに合わせ開かれ、サタケ広島本社のショールームおよび選別加工総合センターが展示会場となった。
 同社では期間中、小ロット醸造精米機や光選別機“ピカ選GRAND”、DNA検査装置等の展示や実演を行った。

10.田中産業が安全防除、熱中症対策で提案

田中産業が発売している高機能作業ウエア「サンステラⅡゴアテックスワークスーツ」と、特殊製法の保冷剤を使用した「サンステラクールベスト」が暑さ対策や予防に効果が大きいと、使用を呼びかけている。また、「日本紅斑熱」など山野に生息するマダニが媒介する感染症や風土病が広がりを見せる中、防水透湿性やマダニの侵入を許さない各部緊密性を有するゴアテックスが、マダニ対策の条件を満たすとして、対策用に推進を図っている。
 同社では、「農家の健康と安全を守ること」を第一に、防除作業をはじめとした、様々な農作業時にゴアの着用を呼びかけてきたが、本年度はこの下に、熱中症予防対策としての「サンステラクールベスト」の着用を提案、キャンペーン展開を開始している。ベストの背中、側面に設けたポケット3カ所に特殊製法の保冷剤を入れゴアの下に着用すれば、理想的な衣服内気候を実現。熱中症を予防して、安全・快適に農作業が行える。

11.タカキタの27年3月期決算は売上高59億円

平成27年3月期決算(非連結)によると、売上高は前期比10.4%減の59億1000万円、営業利益は同32.4%減の4億8200万円、経常利益は29.7%減の5億2200万円、当期純利益は19.4%減の3億4300万円となった。
 部門別では、農業機械事業の売上高は前期比6億7300万円(11.2%減)減少し、53億1300万円となった。要因としては、農家戸数の減少など日本農業の構造的な問題に加え、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要や昨年の畜産経営力向上緊急支援リース事業による機械導入の反動、また米価の大幅な下落の影響などを挙げている。

12.クボタの27年3月期決算は売上高1兆5869億円

平成27年3月期決算によると、売上高は前期比5.2%(783億円)増の1兆5869億円、営業利益は同0.8%(17億円)増の2041億円、純利益は同6.3%(84億円)増の1400億円、税引前利益は前年とほぼ同額の2113億円となった。税引前利益以外はいずれも過去最高を更新した。
 主力の機械部門で、消費増税や米価格下落で国内販売が減少したものの、トラクターを主とした農業機械が北米、欧州、東南アジア、中・東欧地域などで伸びた。決算期変更により9カ月決算となる平成27年12月期業績は、増収増益を見込んでいる。
 部門別売上高では、機械部門の売上高は前期比5.4%増加して1兆2150億円となり、売上高全体の76.6%を占めた。
 うち国内売上高は22.6%減の2576億円。農業機械は、前期の消費増税特需の反動や米価下落の影響などにより減少。一方、建設機械、エンジンは復興需要や公共工事拡大に伴う需要増に支えられ増加した。

13.本田技研工業が国際バラとガーデニングショウに出展

今回は国際バラとガーデニングショウのメーンテーマ「デリシャスガーデン」にあわせて、会場に熟年夫婦が多く来場することから、テーマに「パール(真珠)婚」(結婚30年記念)を掲げ、白を基調とした南フランス風のポタジュガーデンと、昨年同様設営したガレージ風の戸建の中にリビング・キッチン・書斎・趣味の各コーナー、それに4輪の技術者が設計した重量感ある移動可能な薪ストーブを置き、「デリシャス(心地よい)をアピールした」としている。
 出品した汎用製品はガスパワー耕うん機「ピアンタ」(花柄ボディのスペシャル仕様)をはじめ、ガスパワー耕うん機「サ・ラ・ダCG FFV300」、ガスパワー発電機「エネポ」、イタリア生産の電動芝刈機「グラスパ」(HRE330)など。家庭園芸向けホンダの汎用パワープロダクツ商品をアピールした。

14.マメトラ農機の新社長に細田康氏

マメトラ農機は、4月21日付で役員の人事異動を行い、細田曻氏が代表取締役会長に、細田康氏が代表取締役社長に、それぞれ就任した。

15.やまびこの平成27年3月期決算は売上高1052億円

平成27年3月期決算によると、連結売上高は、1052億5100万円(対前期比1.4%増)。内訳は、国内売上高が392億1100万円(同6.1%減)、米州の売上高が538億9800万円(同7.7%増)、米州以外の海外売上高が121億4100万円(同0.7%増)。営業利益は56億8800万円(同13.3%増)、経常利益は64億4700万円(同12.8%増)となった。
 国内農業機械市場は、消費増税前の駆け込み需要の反動が長期化したことに加え、米価下落の影響から農家の購買意欲低下などが見られた。
 同社グループは、当年度から平成29年3月期までを攻めの3カ年と位置づけ、「中期経営計画2017」をスタートさせた。
 その初年度となった同連結会計年度においては、主力市場の北米において、小型屋外作業機械の販路拡大や一般産業用機械の再参入を図り、欧州では新たなマーケティング戦略を展開するとともに、今後発展が見込まれる東南アジアへの拠点整備を図った。国内市場においてはOEM供給の拡大やサービス網のさらなる強化に取り組んだ。
 なお、11月にベルギーの業務用ロボット芝刈機を開発・製造・販売する「ベルロボティクス社」を子会社化して中長期視点での事業拡大に向けた取り組みも推進した。

16.静岡製機が憩のゾーンを新設しレストラン・食菜館がオープン

同社が運営する農産物直売所「とれたて食楽部(くらぶ)」の隣に、ピザ店・ハンバーガー店・コーヒー店などのフードコート「レストラン・食菜館」(仮称)が入る憩のゾーンを新設した。レストランでは、直売で販売されている地元野菜・食材を中心に、飲食の場を提供する。ガラス張りの明るい店内に72席、外のウッドチェアにテラス席48席を設けている。
 憩ゾーンの敷地面積は284坪。建物延床面積は82坪。駐車スペースは、直売所の共有を含め130台。定休日は毎週火曜日。
 レストランのフードコートには、いずれも地元のお店である手作りピザ・パスタとジェラートの店「ベラ・マッサ」、ベジタブルフード・鉄板焼と揚げたての天ぷらを販売する「HONEY・ハニー」、また、自家焙煎コーヒーを販売する「2961(フクロイ)COFFEE」の3店の飲食店が入っている。

17.クボタが福島県磐城農高で鉄コーティング直播の特別実習授業

同社は東日本大震災の後、平成25年より同校の生徒に対して直播栽培の特別実習を支援している。授業には園芸課の3年生7名(女子5名・男子2名)が出席、同社関係者の指導の下、福島県の奨励品種「天のつぶ」の種籾を、クボタ多目的田植機「ZP67」に直播機“鉄まきちゃん”「NDS―60」を付け、直播作業を行った。同校では、栽培データなどを地域農業の支援活動にも活かしていく方針。
 同社では今年も、3月に土づくり特別講座、4月に直播栽培の特別授業と種籾の鉄コーティングの実習を行った。また、これから7月に中間管理作業に関する実習、10月に収穫作業のサポートを実施する予定。

18.サタケが国際食品工業展に大型出展

6月9~12日の4日間、都内・有明の東京ビッグサイトで開催される「FOOMA JAPAN 2015」(国際食品工業展)に出展、テーマに「お米の底力~もっと元気な人を創る~」を掲げ、光選別機、穀物調製加工機器、付加価値食品と家庭用機器―など、5つのコーナーを設け最新技術・製品の展示や実演、パネル展示などを行うほか、無洗GABAライス等の販売も予定している。
 5つのコーナーは、

  1. 品質保証のベストパートナー「試験・検査機器/分析サービス/選別加工試験サービス」
  2. 食の安全・安心を見守る「光選別機」
  3. 美味しさをさらに高める「穀物調製加工機器」
  4. 食味の優れたご飯ができる「炊飯・食品加工設備」
  5. もっと元気な人を創る「付加価値食品と家庭用機器」

このうち、「試験・検査機器コーナー」では、米の品種を迅速に検査できる「DNA検査装置」を実演・展示。「家庭用機器コーナー」では、ギャバ生成機能を備えた家庭用精米機「マジックミル“ギャバミル”」を展示・実演する。

19.ヤンマー遊悠ファームとよので田植えイベント

ヤンマーが大阪府豊能町高山地区に開設している、都市近郊住民が里山で農業体験を満喫できる直営の会員制農業体験施設「ヤンマー遊悠(ゆうゆう)ファームとよの」で、田植え体験イベントを行い、2日間で33組約130名が苗の手植えに汗を流した。7月に「除草・竹パウダーまき」、8月に「かかし作り」、9月に「稲刈り」、10月に「もみすり・精米」体験などが予定されている。  同ファームは稲作圃場が約30a、畑作圃場が約20a、その他休憩所が10aの約60a農地面積を所有する。午前10時半すぎから始まったオリエンテーションでは、ファームの橋本康治校長(ヤンマー・農機事業本部企画部ソリューション推進部長)がお米についての話をし、挨拶。作業要領の説明を受けたあと、参加者は田んぼに入り1m間隔で横に整列。張られたひもの目印を参考に苗を3本ずつ2~3cm程の深さに、後進しながら植え付けた。