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農業機械関連ニュース

平成26年5月10日発行

<業界短信-新製品5月>

1.本田技研がエンジン式汎用ポンプ、芝刈機を新発売

汎用ポンプは「WL20XH」と「WL30XH」、芝刈機はフランスの汎用製品の生産拠点であるホンダ・フランス・マニュファクチャリングS.A.Sから輸入した歩行型の「HRG416」と「HRG466」、及び「HRX476」。
 このうち「WL20XH」(2インチ)と「WL30XH」(3インチ)は、田畑の灌漑や各種工事現場での吸・排水作業などといった幅広い用途に適したエンジン式の水ポンプ。エンジンは、ライトユース向けに開発した新型汎用エンジン「GP160H」を搭載、4枚翼の高効率インペラを採用して水の揚程・吐出性能の向上を図っている。
 一方、フランスから輸入する芝刈機のうち、HRG416およびHRG466は、取り回しがしやすいコンパクトな機体や始動性に優れたオートチョーク機構、6段階の刈り高さ調節機構といった一般家庭で好評の仕様はそのままに、従来シリーズより1クラス上のエンジン(GCV160A0)を搭載することで出力の向上を図り、よりスピーディーな作業を実現した。
 HRX476は、芝生の条件に応じた素早い速度調節が可能な「VST」や、4つの芝管理機能を1台に集約した「4イン1システム」(VMS)などを採用したことにより、扱いやすさと優れた操作性を実現している。

2.ヤンマーが高機能農業用ウエアを発売

最先端の素材技術とデザインを採り入れた農業用ウエア「ヤンマープレミアムアグリカルチュラルウエア」で、数量限定で発売した。デザインは世界的ファッションデザイナーの滝沢直己氏が担当。これからの新しい農業のあり方を追求している。注文はヤンマーの公式ウェブサイトと電話でのみ受け付ける。ジャンプスーツ、アグリジャケット、アグリパンツ、日よけパーツ付帽子、長靴、ベルトなどがある。
 目指したのは、最先端の素材技術とデザインを融合した、新しい農業のあり方にふさわしいウエア。作業に費やすエネルギーを軽減する軽量素材や、農作業特有の動きを研究し、動作のストレスをなくすカッティングなど、農家からヒアリングを重ね、生の要望を一つ一つ具体的な機能、例えば、

  1. 脇の下の止水ジップ ベンチレーション
  2. 画面にさわれるスマートフォンポケット
  3. ヒップファスナー
  4. 伸縮性のある背部プリーツ
  5. ニーパッド&収納ポケット
  6. 裾ファスナー&かかとのエラスティックバンド

―などに結実している。
 ウエアのカラーは、大地と日々向き合う姿からイメージしたチタニウムブラウンを採用。レディースには鮮やかなピンクを、メンズには黒をアクセントカラーとした。

3.金子農機が「ファベックス2014」にポータブル白度計「色白美人」を出品

白度計は、これまで農家や精米業者が「見た目」「勘」で計っていた精米の白度を計測して表示するもの。販売する米の白度の目標値(理想とされるのは38〜40度)を決めて、精米機のダイヤル調整を行えば、常にバラツキのない安定した白度の精米が可能になるわけで、産地や品種が変わっても、またオペレータが交代しても、一定した精米白度が担保できる。
 「色白美人」はトレーに試料を入れるだけで、簡単に白度を計測できる。また、USB出力ができるので、データ集計も手軽。
 大型精米プラントには高額な白度計が設置されているが、産地精米方式が増えるに伴い、小型・安価な白度計の要望が強まり、同社はこれに応えシンプルで取り扱いやすい白度計を開発した。昨年7月に発売してから、すでに100台の実績があるという。

4.サタケがマジックライスに2品追加

非常食やアウトドアなどで美味しく手軽に食べられる乾燥米飯「マジックライスシリーズ」に新アイテムとして「青菜ご飯」、「梅じゃこご飯」(個食タイプと炊き出しタイプ50食分)を追加、新発売した。いずれもアレルギー特定原材料等27品目(えび、かに、卵など)を使用しておらず幅広いユーザー層に対応している。保存期間は5年。お湯を入れるだけで簡単に調理できる乾燥米飯で、長期保存が可能なことから非常食として、またアウトドアや海外旅行等の携行食として利用できる。
 商品形態は、1人分ずつをパッケージした個食タイプと50人分を一度に調理できる炊き出しタイプがある。個食タイプでは、ご飯とおかゆ(雑炊)の2通りの食べ方が選べる。
 「青菜ご飯」は、大根菜のシンプルな味と鮮やかな色味が食欲をそそり、幅広い年齢層にお勧めの一品。
 「梅じゃこご飯」は、かつおだしをベースにした和風の味付けで、さっぱりとした梅がアクセントになっている。

5.IHIスターが90周年モデルの土関連作業機3シリーズを発売

スーパーソイル“エコプラ” FDSS50/51/70/71シリーズ」と、「溝掘り機 FAMH15シリーズ(FAMH15、FAMH15―0S)」、「サブソイラ FASB2シリーズ(FASB2、FASB2―0S)の3シリーズ。
 「スーパーソイル“エコプラ” FDSS50/51/70/71シリーズ」は、「簡易耕起・有機質混和+全面耕起」を行う「スーパーソイル“エコプラ”」をモデルチェンジ。新たな特徴として、

  1. カゴローラを8本バーから6本バーへ、ローラ側板も一枚板からスポーク構造へ改善し、土抜け性が更にアップ。
  2. 7本ナイフの70/71シリーズのウエート(オプション部品)は、左右各4個搭載が可能で、装着も楽。
  3. 51/71シリーズ型式末尾1は、ツールバー方式。トラクターへのマッチングが簡単。
  4. オプション品として、新たに「カバーディスク ACD―SS7」を用意。土の飛散防止用に役立つ。

―などがある。
 「溝掘り機 FAMH15シリーズ(FAMH15、FAMH15―0S)」は、水田表面の余分な水分を排水するボトムタイプの溝掘り機をモデルチェンジ。ボトムのオフセット量を、50cmから70cmへと大きくしている。
 「サブソイラ FASB2シリーズ(FASB2、FASB2―0S」 は、硬い耕盤を破砕することによって、保水性・透排水性に優れた土壌をつくるサブソイラを、モデルチェンジ。フレーム幅を延長し、それに伴ってロアーリンク取り付け部なども改善した。

6.本田技研が防災向けガス発電機を発表

停電などの非常時にプロパンガスを用いて1.5kVAの発電が可能なポータブル発電機「EU15iGP」を新たに開発し、6月よりLPガス機器事業者に向けて供給を開始する。
 同機は、燃料にガソリンを用いる既存のインバーター搭載発電機「EU16i」(定格出力1.6kVA)をベースに開発した。広く一般家庭のガス機器で使用され、放置劣化が少ないプロパンガスを燃料にすることで、非常時に使用者がワンタッチで接続して使用することができ、長時間の使用も安心かつ簡単に行える低圧LPガス発電機。
 主な特徴は、

  1. 正弦波インバーターの搭載により、商用電源と同等の安定した出力を提供。
  2. 本機を2台並列に接続する並列運転機能により、最大3kVAまでの出力が可能。
  3. 冬場や夜間といった低温環境での使用も可能(外気温マイナス15度Cからプラス40度まで使用可能)

―など。

<業界短信5月>

1.JA全中が営農・経済改革プランを発表、農機リースへの支援強化

農業の成長産業化と地域活性化に向けた「JAグループ営農・経済改革プラン」を策定、経済界との連携強化や輸出の拡大を打ち出したほか、規模拡大に必要な機械導入等をバックアップするため、農機リースへの支援を強化する。同プランは今後5年間を集中改革期間として取り組むもので、主な実施事項として、

  1. 経済界と提携したバリューチェーン〜付加価値拡大・取引安定化
  2. JAの独自性を活かす高付加価値型販売の強化
  3. JAグループ主導の輸出拡大
  4. さらなる規模拡大による低コスト化
  5. 資材・流通分野の低コスト化・省力化

―の5項目を掲げた。
 さらなる規模拡大への対応としては、水田20〜30ha等の法人・集落営農の再編により、土地利用型の「広域営農」(数集落分の大型法人等)を組成。連合会による担い手への直接的な金融支援とファンド・融資の拡充を図る。低コスト化のために、JA出資法人、担い手、新規就農等を支援する「全国基金」を27年度を目途に創設することとし、大型法人等が導入する農機のリース料の軽減に向けた助成などを行う。

2.経済界との連携モデル事業で16件採択

平成26年度より農業界と経済界が連携して行う「農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業」の連携プロジェクト実施主体16件を農林水産省が選定した。
 16のプロジェクトのうち、機械関係の主なものをみると、「稲作農機レンタル協議会」は、いずみ農産、オリックス等と連携し、農機に係るコスト低減に資する遠隔地間での「農機レンタルスキーム」の構築に取り組む。
 「簡易な農地改良技術開発コンソーシアム」は、上畠農業機械利用組合、小松製作所等と連携し、建設機械の「小型ICTブルドーザー」を活用した簡易な農地改良技術(圃場の均平化等)の普及を実証する。
 「熱線吸収フィルムを活用したイチゴ栽培技術確立プロジェクトチーム」は、貞松光秋氏、ヤンマー等が連携し、熱線吸収フィルム被覆によるイチゴ生産の安定と生産者の収益向上をもたらす技術の確立に取り組む。
 「福井アグリアシスト」は、フィールドワークス、アクティブリンクと連携し、重量野菜等の収穫作業における多様な動きに対応した、実用的な「農業用アシストスーツ」(クボタ製等)の開発・実証を行う。

3.中央農業研究センターと日農工が「通信制御共通化技術と農作業ロボット研究の現状と将来」をテーマに研究会

トラクターと作業機による通信制御の実演と説明、農作業ロボットについての実演と説明を行い、今後の通信制御共通化の方向性について議論を深めた。
 実演機種は、

  1. AG―PORTによる車速制御(クラス3相当)=ヤンマートラクターEG97+やまびこBSMスプレーヤ
  2. 同による車速連動制御=三菱トラクターGA30+IHIスターブロードキャスターMBC200
  3. 1ピンコネクタによる車速連動制御=クボタトラクターSMZ875+松山スリップローラシーダSRA21
  4. ヒッチ水平制御による代かき作業=井関トラクタNTA55+小橋工業サイバーハローTX382。

また、無人運転を可能にするトラクター、田植機、コンバイン各機種のロボットの実演を同センター関係者が進め、さらに生研センターは遠隔操縦によるトラクター運転を行った。

4.静岡製機が創業100周年祝い、記念式典

浜松グランドホテルに国内外からの関係者300名余りを招き開催した。席上、鈴木社長は100年間の長きわたる感謝を伝えるとともに「これからの100年を見据え、その礎となる技術獲得を目指し、創意の発揚に磨きをかける」と挨拶した。同社は、大正3年(1914年)に初代・鈴木貞三郎氏が製莚機の製造販売でスタート。三代目・鈴木重夫氏が昭和28年、社長に就任。平成6年に現・鈴木直二郎氏が社長に就任して、今ではグローバルな展開をしている。
 記念式典は、DVDによる同社100年を振り返ったビデオ鑑賞の後、天野管理部長の開会の辞により開始。鈴木社長が創業100周年式辞の挨拶を行った後、来賓祝辞に移り、袋井市・原田英之市長、全農生産資材部・鷹野尚志次長、福井近畿クボタ・松田一郎社長、サカエ・神谷竹彦会長らがそれぞれの立場から祝意のメッセージを寄せた。
 また、100周年記念イベントとして、農機営業キャンペーン(全国の販売者向けセールスコンクール)、製品発表内覧会(各地区での製品発表内覧会)、100周年記念新製品の発表、地元地域貢献(小中学校へヒーター・冷風機など寄贈)などを行うと発表した。

5.鋤柄農機でJICAの研修が行われる

同社本社工場及び近くにある小針工場内において、独立行政法人国際協力機構(JICA)筑波国際センターの委託を受けたNPO法人国際農民参加型技術ネットワーク(IFPaT)の平成25年度集団研修「ニッポンのモノづくりのノウハウを活用した官民連携による小農家向け農機具の試作品の開発・普及」コースの研修の一環として行われたもの。ブルキナファソ、ミャンマー、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、マリの行政関係者や大学関係者など研修員8人が参加した。
 最初に鋤柄社長が歓迎の挨拶を行い、会社の概要などを説明。続いて、鋤柄勘治専務、鋤柄茂氏の案内により工場内を見学し、組立てや部品の研磨、塗装など幅広く研修を行った後に、DVDを見ながら、商品の解説を受けた。続いて、小針工場内に場所を移して、「小型管理機及びトラクターの操作及び作業実演(実演及び運転作業実習)」として、ハンドカルチベーターによる中耕・除草・培土作業(ハンドカルチ・培土板・除草刃・双用プラウ)、管理機とロータリプラウによる畦立・培土作業などを見学。自らハンドルを握っての体験もした。

6.ISEKIドリームギャラリーをオープン

明年の創立90周年を象徴する記念事業として愛媛県松山市馬木町の旧松山展示館をリニューアル、「ISEKI Dream Gallery」(ヰセキドリームギャラリー)としてオープンした。
 「シンプル&ストロング」をコンセプトに建物の耐震強化を図る一方、「井関農機のこれまでの歩みと将来の夢の実現」をメーンテーマに展示品、展示方法を一新し、展示にストーリー性を持たせ、さらにデジタルライブラリー、デジタルサイネージ(電子カタログ)を多用し、「世界のISEKI」を過不足なく紹介するものとした。また、今回新たに「夢ある農業応援展示」と、4月から発売した「ISEKIアグリサポートシステム」が体験できるコーナーを設置した。
 ギャラリーと併せて、同じ敷地内にある松山製造所、昨年完成したヰセキ・テクニカル・トレーニングセンター(ITTC)を見学することができ、同社ではこれを「ISEKI 3STEP TOUR」(ヰセキ3ステップツアー)として、創業の理念から現在のものづくりや技術、そして未来の農業に向けた取り組みまでを3つのステップで理解が深められるようにした。

7.田中産業が熱中症予防対策キャンペーンでベストを提供

4月2日〜6月末までの期間、高機能防除ウエア「ゴアテックス ワークスーツ サンステラ」による「熱中症予防対策キャンペーン」を行い、購入者先着5000名に、オリジナルの「熱中症予防対策ベスト」をプレゼントする。
 同ベストは様々な工夫を凝らしたオリジナル品。全体がポリエステル素材のメッシュ生地のため、超軽量で柔らかく、ヒンヤリとして着心地は抜群。カラーは清潔感のあるホワイトで首回りや袖口、胸のファスナー部に黒をアクセントとして用い、スタイリッシュなデザインに仕上げている。フリーサイズだがウエストの紐で調整できる。両脇、背中の3カ所にポケットを設け、そこに特殊製法の保冷剤を入れて使用することで、3〜4時間冷たさが長持ちする。

8.タイショーが創業100周年で記念誌を制作

創業100周年を迎えたことからこれを記念し、感謝の意を込めて、このほど「創業100周年記念誌」を作成、また、地域貢献として水戸市に寄附金を贈呈した。
 同社は大正3年に創業者・山口末吉氏が「山口式大正鍬」の製造・販売を開始したことに端を発する。この大正鍬は、鍬の代名詞となるほど普及し、昭和22年に有栖川記念賞を授与した。
 平成3年に現社長・矢口重行氏が三代目社長に就任し、今年、創業100周年を迎えた。現在、農機部門ではスチーム発芽器、苗箱並べ機、肥料散布機、籾搬送機などに加え、GPS車速連動グランドソワーなど農機・IT化へ向け、積極的な開発を推進。さらに、太陽光発電事業を興し、環境対応にも力を込めている。