平成26年1月10日発行
<新製品ニュース>
- やまびこが2014年度の代理店会議を開き、36Vリチウムバッテリーシリーズなど発表
- ビコンジャパンがワイドスプレッダーを発売
- 井関農機が平成26年度上期新商品発表会で大型コンバインや「ISEKIスマートファーマーズサポート」を発表
- クボタが営農・サービス支援システム「クボタスマートアグリシステム」と対応製品を発表
- クボタが低コスト農業に貢献する「ワールドシリーズ」コンバインを新発売
- みのる産業が除草剤専用散布機をリニューアル
- 筑水キャニコムが小型クローラ運搬車ピンクレディ「ポピー」を発表
<業界ニュース>
<新製品ニュース>
1.やまびこが2014年度の代理店会議を開き、36Vリチウムバッテリーシリーズなど発表
各地販ごとに全国6カ所で「2014年度代理店会議」を開催し、席上、永尾社長は、「着実に三本柱(小型屋外作業機・農業用管理機械・一般産業機械)のさらなる成長を目指す」と述べ、売上高1000億円達成に向け、多数の新製品を発表するとともに、併せて、ECOと安全を基本にスマート作業を提案するスマート体感キャンペーンを展開することを明らかにした。
新製品のうち、36Vリチウムバッテリーシリーズは、36Vリチウムイオンバッテリーを搭載した「ヘッジトリマー」「背負動噴」「刈払機」で、共立、新ダイワの両ブランドから発売する。開発に当たり対象ユーザーをカジュアルユーザーからプロユーザーまで幅広く設定、エンジン式で培ったノウハウを様々取り込んでいる。
バッテリーヘッジトリマーは、共立がBHT5500、新ダイワがBHT160-550。昨年発売したバッテリー刈払機に搭載された36Vリチウムイオンバッテリーを搭載。「低騒音」で「排ガスゼロ」のため、場所や時間帯などでエンジン式が敬遠される場面でも使用できる。また、モーター、バッテリーをハンドル中心部に低重心で搭載、エンジン式を上回る取り回しの良さを実現。操作面では前後ハンドルにセーフティースイッチを設け、両手で握らないとブレードが動かない安全設計としている。
バッテリー背負動噴は共立がBSH171、新ダイワがBSKP171。エンジン式に匹敵する最高圧力2メガパスカルを実現した。薬液タンク容量17Lで、低圧の除草作業から高圧の蔬菜防除まで、滑らかな作業が可能。「低騒音」で「排ガスゼロ」のため、ハウス内の防除にも適している。
2.ビコンジャパンがワイドスプレッダーを発売
車速に応じた散布が可能な「ビコン・ワイドスプレッダー RO―EWシリーズ」で、「iM FARMING」として、精密農業の提案に力を入れているもの。3タイプがあり、そのうちの「RO―EDW GEOspread(ジオスプレッド)」は、片側2本のアクチュエーターが散布量と散布幅を自動コントロール。これまでの車速連動式による散布量の自動増減に加え、左右それぞれのディスクからの肥料の飛散方向を圃場形状や散布幅に合わせて自動制御。GPSで2度撒きや、ムラ撒きを防止する。
世界規格のISOBUS対応機のため、規格トラクターに装備する場合、ボックスは不要。NON―ISOBUSトラクターには、スタンダードのFOCUSコントロールボックスまたは、iMテラスコントロールボックスで操作を行う。
http://www.viconjapan.com/home/www/product/widespreader.html
3.井関農機が平成26年度上期新商品発表会で大型コンバインや「ISEKIスマートファーマーズサポート」を発表
新製品は大型コンバイン「ジャパン」HJシリーズの「HJ7123」(7条刈、123馬力)、軽量・コンパクトモデル「HJ6098」(6条刈、98馬力)、トラクターのBIG―T7600シリーズ、1人乗用4条たまねぎ移植機など6品目17型式と、富士通と協業で行う農家向けクラウドサービス「ISEKIスマートファーマーズサポート」。
このうち、フラッグシップコンバイン「ジャパン」シリーズには、刈り易さを向上させたHJ6123・7123を投入するとともに、軽量・コンパクトなHJ5098・6098をラインアップに追加し、「高精度」「高能率」「高耐久」でさらなる低コスト農業に対応する。
主な特徴は、
- 高速作業でも突っ込みを防止できる新刈高さ自動制御搭載。
- コモンレール式水冷4気筒ディーゼルインタークーラーターボ搭載。コモンレール式超高圧燃料噴射システムとクールドEGR(排気)ガス再循環システムに加えDPF搭載。
- 防塵カバーを大型化するとともに、ネット上に付着したワラくずなどを吹き飛ばす逆転冷却ファン搭載。悪条件でも安定した作業が可能。
- 作業速度設定機能付き電子制御HST搭載、長時間作業も楽(HJ6123・7123)。
―など。
また、ISEKIスマートファーマーズサポートは、農作業の情報をパソコンやモバイル端末からネットワーク経由で入力を行うことで、農業者の手書きによる農作業記録や生育記録作業を低減させるとともに、それらの記録から農業の経営・生産・品質が見えることで、生産性の向上や経営力向上につながるもの。
4.クボタが営農・サービス支援システム「クボタスマートアグリシステム」と対応製品を発表
「クボタスマートアグリシステム(略称:KSAS)は、ICT(情報通信技術)を活用した営農・サービス支援システムで、2014年6月からサービスを開始する。また、同システムに対応した籾の食味・収量測定機能付きコンバイン(3型式)、肥料散布量の自動調整機能付き田植機(3型式)を同時に市場投入する。
クボタスマートアグリシステムは、農業経営の「見える化」で儲かる農業を実現することを狙いとしており、営農支援とサービスメンテナンス支援を行う。
営農支援は、作物・作業情報の蓄積・分析で、収穫と同時に「収量」、「タンパク含有率」と「水分率」を測定できる食味収量センサ搭載のコンバインと連動して、圃場1枚ごとに収穫情報を記録する。水分率ごとに籾を仕分けて乾燥し、調製行程のコストダウンを図り、タンパク含有率ごとに米を仕分けて出荷してブランド向上に貢献できる。
また、日々の作業を日誌型式で記録でき、ノウハウの継承が容易になる。
サービスメンテナンス支援は、稼動情報を活用し迅速・最適なサービスによる農家の経営効率向上につなげる。機械のエラー情報を早期に検知し、作業ロスを最小化する。
対応コンバインは、クボタコンバイン「ダイナマックス レボ(DYNAMAX REVO)」シリーズ・食味収量センサ仕様で、
- 収穫と同時に籾の食味(タンパク・水分)を計測する「食味センサ」を新採用。
- 収穫と同時にモミの収穫量を測定する「収量センサ」を新採用 。
- クボタスマートアグリシステム対応の「無線LAN」を標準搭載。
―などの特徴がある。
田植機はラクエルα ZP67・ZP87 施肥量電動調量ユニット仕様と、ラクエル EP8D 施肥量電動調量ユニット仕様。主な特徴は、
- 設定した散布量を自動で調整する「施肥量電動調量ユニット」を新採用。
- クボタスマートアグリシステム対応の「無線LAN」を標準搭載。
―など。
5.クボタが低コスト農業に貢献する「ワールドシリーズ」コンバインを新発売
第3次排出ガス規制に適合する最新のディーゼルエンジンを搭載した6条刈コンバイン「エアロスター ワールドシリーズ WR6100」(6条刈、100馬力)で、主な特徴は、
- 排出ガス規制対応と高出力・低騒音を両立した最新ディーゼルエンジンを搭載。燃料噴射をコンピュータで細かく制御する「コモンレールシステム」や、「EGR(排出ガス再循環)システム」、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集する「ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)」等を採用して、規制のクリアと出力向上や、低騒音化を実現。
- ワールドシリーズのコンバインで初めてキャビンを採用。
- 機能を絞り込んだシンプルな仕様で低価格を実現。
- 力強い脱こくを行う「大径ロングこぎ胴」と「ワイド揺動板」を搭載。
―など。
6.みのる産業が除草剤専用散布機をリニューアル
「草退治桃太郎FT―185」と「草退治桃太郎ジュニアFT―125」で、人と環境にやさしい、除草剤のエコ散布が行える。
主な特は、
- 低圧・高圧の2段階切替装置で、低圧0.05MPa、高圧0.2MPaの圧力切替えができるため、飛散しにくく、無駄な散布がない。
- ハンドル操作が軽いラックギヤーを採用。これにより軽くスムーズなハンドル操作でも十分な吐出量を発揮する。定圧力方式なので均一な散布が行える。
- 様々な用途で使える3つの噴口を標準装備。「調節噴口」は畝間・畦畔などへの帯状散布、全面散布に最適。4種類の吐出穴と散布幅の調節により帯状散布、全面散布に威力を発揮する。「霧噴口」は一般的な霧状散布。密生した雑草や丈の高い雑草などへの散布に最適。「泡噴口」はラウンドアップ等、少量泡状散布に最適。均一な散布で高効率・経済的。
http://www.agri-style.com/product/index.php?c=product_detail&pk=1387521211
7.筑水キャニコムが小型クローラ運搬車ピンクレディ「ポピー」を発表
2014年1月1日から発売する。5.5馬力エンジンで積載能力は350kg。
ハウス内や山間部、畝間が狭い畑など、狭いところでの運搬が従来より楽に簡単に行える機種として開発した。クローラ外幅を590mmと、従来のピンクレディと比べて85mmスリム化した。凹凸路面の走破性を向上、重い荷物の積み降ろしが楽に行える。アシスト機能付き手動ダンプにより100kgの荷物を25kgの力量で持ち上げ、ダンプさせた荷台は無段階ロックが可能。
時速0.25kmの超低速走行が可能で、狭い所でも安全に作業できる。荷台は4点をゴムマウントで防振し、収穫物をやさしく運ぶ。セル付き、セルなしのほか4馬力セルなしのBP42も同時発売する。
<業界ニュース>
1.日農工がインドの農機展に出展
12月5〜7の3日間、インド農業機械市場の販路拡大を図るため、インド・ニューデリーで開催されたeima AgriMach INDIA 2013に出展し、日本ブースにおいて日本製稲作用農業機械の展示、カタログ配布、ビデオ等によるPR活動を行うと共に、商談会(ビジネスマッチング)を実施した。
日本ブースの参加企業及び出展機は次の通り。
クボタ=トラクタ、田植機、コンバイン
啓文社製作所=稲用自動播種機
太陽=耕うん爪、草刈刃、爪軸、耕うん爪ホルダー
筑水キャニコム=乗用草刈機、小型クローラ運搬車
丸山製作所=農業機械、防除機、チェンソー、洗浄機、ポンプ
2.オーレックが名古屋営業所を新築落成し、記念展示会開く
新しい名古屋営業所は、10月28日から、名岐バイパス沿いの愛知県一宮市平島1の1の16に移転して営業している。旧営業所と比べて倉庫面積は約4倍に拡充した。
展示会は、新装なった営業所で取引先を対象に開催した。乗用草刈機コーナー、管理機、耕うん機コーナー、草刈機コーナー、除雪機コーナー、斜面草刈機コーナー、新製品コーナーを設けた。
ハンマーナイフローターのロータリーカバーが腐植に強いステンレス製仕様や、セル始動など地域向け商品も出展。お楽しみ抽選会も行った。
3.鋤柄農機にJICAの研修生が訪問
鋤柄農機・小針工場に11月18日、JICA筑波国際センターの委託を受けたNPO法人国際農民参加型技術ネットワーク(IFPaT)の平成25年度地域別「中央アジア・コーカサス 農業機械化システム」コースの一行11人が訪れた。 まず最初に、鋤柄社長が歓迎の挨拶を行い、会社の概要などを説明。続いて、鋤柄勘治専務、鋤柄茂氏の案内により工場内を見学し、組立てや部品の研磨、塗装など幅広く研修を行った後に、DVDを見ながら、商品の解説を受けた。 続いて、「小型管理機及びトラクタの操作及び作業実演(実演及び運転作業実習)」。ハンドカルチベーターによる中耕・除草・培土作業(ハンドカルチ・培土板・除草刃・双用プラウ)などを見学した。
4.大島農機が移転
かねてより上越市寺町に建設中だった本社新事務所が完成、12月9日に移転、業務を開始した。併せて新潟事務所、物流事務所も新事務所へ統合した。新住所は、〒943―0892 新潟県上越市寺町3の10の17。
なお、電話番号、ファクス番号は従来通り。
5.クボタがフランスに大型トラクターの工場を新設
グローバル戦略の一環として、フランス共和国ノール県に大型畑作用トラクターの製造事業会社を新設する。2015年4月から量産開始を予定している。100%出資の子会社「クボタファームマシナリーヨーロッパS.A.S(仮称)」を1月(予定) 、フランス北部のノール県ビエルヌ市(ダンケルク行政区)に設立。新会社は敷地が約11.5万平方m(うち建屋は約3.7万平方m)で資本金は5700万ユーロ(約71億円、換算レート=125円/ユーロ)、投資総額は4030万ユーロ(約50億円)。欧州および北米・豪州・日本向け畑作用大型トラクターを製造し、年間3000台を生産する能力を持つ。従業員数は約140人(2017年計画)。生産は2014年12月に開始し、2015年4月から量産を始める予定。
この狙いについて、世界的な食料問題に貢献すると同時に、今後、同社がアジアのみならず世界で中長期的に事業拡大を続けるためには、畑作穀物市場の攻略が必須であり、水田稲作と畑作穀物市場双方で世界を相手にできる総合農機メーカーを目指すとし、畑作穀物市場に本格参入していくステップとして、大型畑作用トラクター(130〜170馬力)を開発、現地での生産を開始するとしている。
6.ヤンマーが国内農業機械事業を統括する新会社「ヤンマーアグリジャパン株式会社」を設立
環境変化に迅速に対応し、グループとしての総合力を発揮できる体制を構築すべく国内農業機械事業の体制を再編。北海道地区を管轄するホクトヤンマーと東北地区から九州地区を管轄するヤンマー農機販売の有する地域統括機能を統合し、ヤンマー・農機事業本部国内推進部より農機商品、関連商品の企画・プロモーション機能を前進させた、地域軸と商品軸を併せ持つ日本市場を統括する会社となる。代表取締役社長には原田正孝氏(ヤンマー農機販売社長)が就任する。
新会社「ヤンマーアグリジャパン」は北海道から九州まで管轄。ヤンマー沖縄は現状通り組織再編後も沖縄を管轄する。
新会社は資本金9000万円で年商は1581億円(2012年実績ベース)。小売拠点数は398拠点(同年期末ベース)で人員規模は4110名(同)。
7.エム・エス・ケー農業機械が展示会でトラクター「MF7600シリーズ」など紹介
同社十勝支社では、11月27、28の2日間、北海道河東郡音更町にある音更町アグリアリーナにおいて、「総決算2013年末大展示会」を開催し、マッセイファーガソン日本上陸60周年、クラース100年の佳節に当たり、新しい「MF7600シリーズ」トラクター、要求を満たすために進化した、大豆収穫の決定版「レキシオン」などを展示した。
トラクター「MF7600シリーズ」は、数々の賞を受賞した新しいフラッグシップモデル。ボンネットはフロントガラスに近い部分が細く設計され、前輪タイヤの視認性を改善し、オペレータに優れた操縦性と視認性を提供。ディーゼル用酸化触媒(DOC)も視界の妨げにならない場所に設置されている。革新的なデザインによりボンネットの上下部分もコンパクトになっている。
新ディーゼル用酸化触媒(DOC)は、SCRシステムの効率的な稼働、AdBlueの削減が可能で、メンテナンスは一切不要のメンテナンスフリーとなっている。
一方、クラースコンバイン「レキシオン」は、オペレータが長時間快適に作業を行うためのコントロールスペースが装備されており、昼夜問わず収穫作業を行うオペレータであっても、広々とした快適な空間により、最大能力を引き出すことができる。
8.井関農機がフード・アクション・ニッポンアワード2013の優秀賞を受賞
今回のフード・アクション・ニッポンアワード2013の研究開発・新技術部門で井関農機のトラクター「ジアスNTAシリーズ」が優秀賞に輝いた。同機は、自動車のオートマ感覚の新型トランスミッションを開発・搭載しており、「乗用車感覚で操縦できる農機で、農作業の効率アップ」「作業時間の短縮、生産コスト低減効果ができ、ひいては国産農産物の低価格化、消費拡大に寄与すると期待される」との評価を得た。
9.スガノ農機が第23回「ボトムプラウ有機物循環農法体験記」授賞式
岡山市内のホテルで開催した第23回「ボトムプラウ有機物循環農法体験記」授賞式では、秀逸賞が8氏、優秀賞が4氏に贈られた。総評した村井信仁審査委員長は「いつも皆さんの論文で私どもは刺激を受けている。ここに集まる人はその刺激がほしくて集まっていると思う。仲間が集まって新しい農業技術を展開させる共有の場であれば面白い。この場を“接触”の場として一層活性化させてほしい」と期待を込めた。
式では受賞者一人ひとりに、経営実践の特徴や意義をまとめた文章と取り組みを象徴する一文字が添えられた表彰状を菅野社長が心を込めて読み上げ手渡し、受賞者は感謝の言葉とともに「夢を持ち続け挑戦していきたい」などと農業経営の意気込みを語った。