平成25年12月10日発行
<新製品ニュース>
- 静岡製機が循環型乾燥機の新型“ドライゴン”「SSEシリーズ」など4機種を発表
- 三菱農機が小型コンバインの発表と出荷式
- IHIスターが大型マニュアスプレッダをワンランク容量アップして発売
- ササキコーポレーションが高速代かき機「NEWマックスハロー」を発売
<業界ニュース>
<新製品ニュース>
1.静岡製機が循環型乾燥機の新型“ドライゴン”「SSEシリーズ」など4機種を発表
発表したのは、循環型乾燥機の新型“ドライゴン”「SSEシリーズ」、玄米低温貯蔵庫“さいこ”「GE5・同10」、フルオート色彩選別機“イージー”「SCS―32EH」、業務用赤外線灯油ヒーター「VAL6PKⅡ」の4機種。来年の創業100周年に向け、順次発売を開始する。
乾燥機は、11月の業界短信で紹介したように、毎時乾減率1%の高速を実現。穀温センサーを搭載した新単粒水分計を搭載。また、もち米・酒米・ビール麦の各モードを増設した大型液晶パネルを新たに装備した。
玄米低温貯蔵庫は、5袋タイプと10袋タイプの2型式。いずれも、少量保管に最適で、全高が156cmと、天井の低いスペースにもジャストフィットする。新機能の節電モードを搭載し、電気代を抑えて環境にも優しい仕様となっている。
色彩選別機は、LED光源を標準装備した32チャンネルの高性能機。毎時最大1000kgの処理能力を実現。カラーLEDの採用で玄米または白米の選別時に光源色を自動で切り替える(光源の交換が不要)。また、光源寿命が4万時間と長寿命となり、安定した光量が維持するとともに、光源光量のアップにより高選別を可能とした。
2.三菱農機が小型コンバインの発表と出荷式
新製品の小型コンバインが量産体制に入ったことから、本社工場(リョーノーファクトリー㈱)で出荷式を行った。発売するのは2条刈のV211、V214、V217と3条刈のV319。「コンパクトかつ使いやすい」をコンセプトに開発、作業速度はいずれも「クラス最高」(同社)を実現している。 特徴は、「ジャスト」(ちょうどいい)をキーワードに、
- ジャストスタート=従来の刈取準備の手間を大幅に省いた便利な「簡単刈取スタート」。
- ジャスト刈幅=ワイドな刈幅でどこからでも刈取作業ができる。
- ジャストフロート=デバイダの下部の「ソリ」と刈取部を支える「スプリング」の働きで刈取部を地面に追従させ、突込み防止、きれいに刈取り。
- ジャストサイズ=全高1800mm以下のコンパクトボディ。
- ジャストパフォーマンス=大径こぎ胴装備、3.3m2段折れオーガ、刈取自動停止リフトシャット等。
―などの5点。
3.IHIスターが大型マニュアスプレッダをワンランク容量アップして発売
新発売したのは、最大積載容量13立方m(日農工基準)の「TMS13010M・TMS13010W」。
主な特徴は、
- 2輪ブレーキを標準装備し、移動時の安全性を確保。
- 船底型の荷箱形状を採用。機体の全幅が狭くなったので、移動時における安全性が格段に高くなり、圃場への出入りも容易。また、タイヤトレッドを狭めることによって、堆肥の積み込み時に一段と荷箱に近づくことができるため、楽に積み込み作業ができる。
- 油圧モーターと平歯車減速機によるコンベア連続送り機構を採用。平歯車減速機は耐久性に優れており、伝達効率の面からもウォーム減速機と比べると非常に効率が良い。連続送りによって、より均一に散布することが可能。
―など。
4.ササキコーポレーションが高速代かき機「NEWマックスハロー」を発売
代かき作業の高精度化、高能率化を実現し、フローティングシールを用い、耐久性の面でも向上を図った新製品のMAX―3/8/1Hシリーズ。
MAX―3シリーズは高速スタンダードモデル、同8シリーズは高速プロモデル、同1Hシリーズは高速大型モデル。一体可変式ロングレーキをさらに5.7cmロング化したウルトラロングレーキとすることで、すき込み深さを最大1.5cm深くし、すき込み性能を向上させた。また、ロングレーキの可変方式の改良によって、レベラー内部のフトコロ(スペース)を拡大、代かきロータで撹拌した土流を安定させてからウルトラロングレーキ、ステンレスショートレーキの2段で確実に稲株・ワラをすき込み、土流の安定した土をレベラーで整地することで整地性能が飛躍的に向上した。
また、タイヤ跡を残さないタイヤ跡ワイパーブレードを標準装備、タイヤ跡やクローラ跡を気にせずきれいに仕上げる(特許出願中)。土質に合わせて最適な整地圧に調整できるレベラー調圧機構―など、様々な新しい機能できれいな高速作業を実現している。
<業界ニュース>
1.ヤンマーが中国でディーゼルエンジンを生産開始
ヤンマーグループの中国現地法人である「洋馬発動機(山東)有限公司」において、産業用立形水冷ディーゼルエンジンの生産ラインが完成し、生産を開始した。
近年中国内においては、小型建設機械などの需要拡大に伴い、それら作業用機械に搭載されるエンジンとして、より出力の大きい立形水冷ディーゼルエンジンの需要が高まっていたことなどから、現地法人工場内に高出力な立形水冷ディーゼルエンジンの生産ラインを新たに導入したもの。
立形水冷ディーゼルエンジンの生産ラインの概要は機械加工設備約50台、組立設備一式、運転・塗装設備各一式。生産開始は2013年11月より。生産能力は6万台(2015年計画値)
2.大阪でヤンマーがプレミアムマルシェ開く
JR大阪駅前のグランフロント大阪ナレッジプラザで10月26、27日に開催した。都会の中心で農業・漁業の魅力を発信。奥山清行氏デザインのコンセプトトラクタも出展された。
プレミアムマルシェはこだわりの食材を通じて、都会の人々にとって馴染みの少ない農業や漁業を身近に感じてもらい、国産への関心高めることで、もっと農業を元気にしよう、活性化しようと取り組んでいるもの。今年8月に第1回目を東京恵比寿で開催、予想をはるかに上回る来場者で賑わうなど関心を集め、今回の大阪が第2回目となった。
3.本田技研工業の26年3月期中間決算で、汎用は288万4000台
本田技研工業が発表した平成26年3月期第2四半期(25年4月1日〜9月30日)の連結業績によると、売上高は5兆7243億1600万円(前年同期比121.6%)、営業利益3564億1400万円(同128.7%)、税引前利益3376億2200万円(同112.2%)、純利益2428億6700万円(同113.5%)となった。
汎用パワープロダクツ事業の第2四半期の売上げ台数は288万4000台(同99.0%)、うち日本は15万6000台(同92.8%)。また、汎用パワープロダクツ事業及びその他事業の外部顧客への売上高は、為替換算による売上高の増加影響などにより、1483億円と前年同期に比べ12.0%の増収となった。
4.クボタの平成26年3月期中間決算は売上高、利益とも大幅増加
クボタの124期第2四半期(累計)の連結業績は、売上高は前期比1656億円増加の7291億円、営業利益は同446億円増加の1003億円、純利益は361億円増加し674億円となった。国内農機は経営所得安定対策などで農業収入が安定的に推移したことなどにより増収となり、建設機械、エンジンも売上げを伸ばした。
農機・エンジンの売上高は、前期比1301億円(33.7%)増の5159億円。国内が14.1%増の1467億円、海外が43.5%増の3692億円となった。
5.クボタの営業本部長に石橋氏
12月1日付で機構改革と人事異動を行い、石橋善光アグリソリューション推進部長が農機国内営業本部長兼クボタアグリサービス㈱社長に、冠康夫農機国内総括部営業推進グループ長がアグリソリューション推進部長に就任した。
大和經宜農機国内営業本部長は、㈱関東甲信クボタ出向。
新たに農機国内営業本部長兼クボタアグリ㈱社長に就任した石橋善光氏は昭和35年9月7日生まれの53歳。昭和61年3月慶応大学商学部卒。同年4月久保田鉄工㈱に入社(平成2年4月㈱クボタに社名変更)。平成18年10月関連商品営業部長、20年4月トラクタ事業推進部長、22年4月機械営業総括部長、24年4月アグリソリューション推進部長、25年12月農機国内営業本部長。
6.井関農機が第4回ファーマーズ&キッズフェスタに出展
11月9、10の両日、都内の日比谷公園で開かれた第4回「ファーマーズ&キッズフェスタ2013〜農業と子どもの元気が日本を元気にする〜」に出展、トラクタ、乗用田植機、コンバインの展示をはじめ、電動耕うん機「エレ菜」による体験コーナーやトラクタJAPANとの記念撮影コーナーなど様々な企画を用意し、農業機械の現状を都市住民に発信するとともに、農業における機械の役割を改めてアピールした。
それぞれのコーナーには「トラクタってなに?」「田植機ってなに?」「コンバインってなに?」のパネルがあり、農機の役割を写真で解説したり、特許査定率2012年第1位の技術力をアピールした。