平成25年10月10日発行
<新製品ニュース>
- サタケがビジュアルチェッカー「ピカ検」を開発
- 松山がウィングハロー「WMD―N」シリーズに新型
- IHIスターがフォレージハーベスタのリバース装着専用タイプ発売
- 有光工業が肥料・除草・消毒の1台三役に使える新型の動力散布機3機種を発売
- IHIスターが可変径フィードラッパーを新発売
- 本田技研工業がクロスオーガ搭載の除雪機を発売
- タカキタが自走式肥料散布機「グランドエースSS5020」を開発、新発売
- やまびこがプロ向けの大型チェンソー発売
<業界ニュース>
<新製品ニュース>
1.サタケがビジュアルチェッカー「ピカ検」を開発
穀物の胴割れや着色粒などの外観チェックが簡単に行える。胴割れは、精米時の砕粒や炊飯時の食味に影響するが、調製加工現場における通常の目視検査では判定が難しいのが実情であることから開発した。
「ピカ検」は、米粒透視器(LED照明付き:AC100〜240Vまたは単3乾電池使用)、スカルトン(透明カルトン)、カラーシート(黒、白、青、ベージュの4色)がセットになっている。
チェック可能な項目は、
- 「穀物や大豆を入れたスカルトンをカラーシート上に置き着色粒・異物や形質をチェック」
- 「米を入れたスカルトンを米粒透視器に載せ透視光で胴割れをチェック」
―の2通り。
2.松山がウィングハロー「WMD―N」シリーズに新型
作業幅5mの「WMD5000N」を追加した。適トラクター馬力は55〜105馬力、作業能率は3〜7.5分/10a。担い手農家からの「さらに作業能率を上げたい」という要望に応え、シリーズのコンセプトである「大規模経営を支える機能と耐久性」に基づき、代かき作業に求められる砕土性能、均平性能、埋め込み性を追求するとともに、大型トラクターの使用に耐えられる高い耐久性を有している。
ミッションフレームの前方に角フレームを配置して、センター作業部分はWフレーム構造となっており、作業幅が広くなってもウィングハロー機体にかかるねじれなどのストレスに耐えられる設計とした。また、トラクターの車輪跡を確実に消してゆくソイルスライダーは可動式にして、トラクターの後輪幅に合わせた設定ができるために、その効果が確実に発揮できる。近年普及が著しいクローラ式トラクターの幅広の車輪跡も十分対応できる。
さらに緊プロで開発された大型スプリングレーキを装備して「高速代掻き機」となる。
https://www.youtube.com/watch?v=ui_BR5jj2m0&・・・・・(Youtube動画)
3.IHIスターがフォレージハーベスタのリバース装着専用タイプ発売
「MFH3200RCR(PTO回転数540rpmにて作業を行い、標準ナイフ数6枚)」と、「MFH5040RCR(PTO回転数1000rpmにて作業を行い、標準ナイフ数9枚)」の2型式。主な特徴は、
- リバース装着専用タイプとなっているため、トラクターに装着する部分などがサイドマウント&リバースタイプと比べると、構造が簡単なことから軽量であるので、適応トラクターが低馬力のものより対応が可能。
- 『グリース封入式の耐久性のあるギャザリングチェーン』、『刈取り部には雑草に強いロータリーナイフ』、『ナイフの擦り合わせはスプリング式自動調整』をシリーズ共通で採用。
- オプションで『コーン引起しアタッチメント』を装着可能。風雨などで倒伏したデントコーンを強制的に引き起こして刈り取ることができる(「MFH3200RCR」用コーン引起しアタッチメント=「ALC4021」、「MFH5040RCR」用コーン引起しアタッチメント=「ALC5040」)。
4.有光工業が肥料・除草・消毒の1台三役に使える新型の動力散布機3機種を発売
SGE―7020、SGE―7035、SGE―7035Sの3機種。7020と7035の2機種の始動は蓄力式リコイルスタータ。7035Sはセルスタータとリコイルスタータを装備している。
3機種とも「背負いやすさ」と「使いやすさ」をコンセプトに開発されており、高さ740mmの低重心設計。本体が従来より使用者の背中側に寄せた設計で、さらに背負いやすくなった。V字背あてで本体の左右の揺れを防止する。
SGE―7035とSGE―7035Sは、横広がりの新型32Lタンクを搭載し、肥料を入れたときに低重心で左右のバランスが良くなった。直径213mmの大きな投入口も、肥料の楽な投入に役立つ。
5.IHIスターが可変径フィードラッパーを新発売
可変径フィードラッパーは、「可変径式TMR成形密封装置」として、第4次緊プロにより、生研センターと共同開発した。
発酵TMRを細断型ベーララッパにより製造する場合のネックであった1梱包当たりの重量の調整ができないという問題をクリアした。ベールの大きさを加圧ローラの位置制御によって直径85〜110cmにすることができる。
主な特徴は、
- ベール直径はφ85〜110cmの任意で成形。また、ベール直径に応じて、ベール中心にラップフイルムが巻き付けられるようにラッピング部のローラが自動で上下する自動調節機能がついている。飼養頭数に合わせたベールサイズや、給餌側の顧客のトラクター、ハンドリング可能なサイズでベールを成形できる。
- 希望の設定重量のベール成形が可能(型式末尾LCのみ)=コントローラから予め作りたいベールの重量を設定できる。
- 成形から密封まで連続自動運転。
- 戻しコンベアで飼料の無駄防止。成形中及びベール放出時にこぼれ落ちた飼料は、「戻しコンベア」によって成形室(ベーラ部)に再供給。飼料を無駄にしない。
―など。
6.本田技研工業がクロスオーガ搭載の除雪機を発売
「クロスオーガ」により、硬く締まった雪の除雪作業が簡単に行える。型式はHSS760nJX、HSS970nJX、HSS1170nJX。世界で初めてクロスオーガを除雪機に搭載し、コンパクトながら除雪性能を大幅に進化させた。小型耕うん機「サ・ラ・ダ」シリーズで好評の同軸・同時正逆転機構をオーガ(除雪部)に採用しており、除雪反力による機体の浮き上がりを抑え、硬く締まった雪へのオーガの食い込み性能を格段に向上させ、コンパクトな機体でありながら初心者でも扱いやすく抜群の除雪力を実現した。
移動時も除雪時もレバー1本で操作でき、前進・後進ともに無段階で細かい速度調整が可能な油圧式無段変速機「HST」(ハイドロスタティックトランスミッション)を搭載。
オーガでかき砕いた雪をシューターへ送り込む投雪口ブロアを角型とすることで、シューター内を通る雪のまとまりがよく、放出時の抵抗を軽減。湿った重い雪でも詰まりにくく、トップクラスの投雪距離を実現している。
7.タカキタが自走式肥料散布機「グランドエースSS5020」を開発、新発売
幅400mmのワイドクローラを装着しており、散布方式はシングルスピンナ方式で、散布幅は砂状肥料6〜7m、粒状肥料10〜12m。
主な特徴は、
- 走行部に幅400mmのワイドクローラを装備しているため、肥料積載時の最大接地圧が11.7kPaと低く、湿田などの軟弱地でも安定した走行で肥料の散布作業ができる。
- 走行部はHSTミッションを装備し、時速0km/時から最高速度7km/時まで無段変速でスムーズな走行が可能。
- ホッパーは最大積載容量500L、最大積載量600kgまで肥料を積載できる。
- 散布調整レバーを装備、より均一散布を行うために、散布物の粒径や比重による散布の偏りを、レバー操作で簡単に補正できる。
―など。
8.やまびこがプロ向けの大型チェンソー発売
エンジン排気量60mLクラスの「共立・CS610/50RSD73」(排気量59.8mL)と「新ダイワ・E1060D/TDP」(同)の“KIORITZ”“shindaiwa”両ブランドの製品。いずれも、ハイパワーとハイトルクの新開発ロングストロークエンジンを採用。両ブランドの従来機に比べ出力を大幅にアップ。新開発の3点スプリング防振でさらなる低振動化を図った。また、今回のチェンソー発売に併せて、山林作業に適した「チェンソー作業ウエア」を同時発売した。同社ではチェンソーキャンペーンを10月から来年1月末まで全国で実施する。
両ブランドとも主な特徴は
- クラストップレベルのエンジン出力と実作業回転域で豊かなトルク。
- さらなる低振動化と重量バランスを開発コンセプトに、高次元で両立するプロソー。
- エアクリーナ内の鋸屑を強制排出する、強制吸塵システム(ターボクリーン)や雨天や降雪時の作業環境にも対応するナイロンメッシュフィルタを採用。
- 足場の悪い場所であってもチェンソーの取りまわしがし易いように、ハンドルをボディに対して環状配置したフルラップハンドル(オプション)が用意されている。
―など。
<業界ニュース>
1.サタケの新型精米機器が三重県米をサポート
近年、三重県米が全国のコメ市場において急速に存在感を高めている。新商品「結びの神(品種名=三重23号)」は、選ばれた農家だけが生産する新しい米としてさらに三重県産米の名を高らしめようと期待されている。こうした中でJA全農みえパールライスセンターと、株式会社ミエライスではサタケの新型精米機器を導入し、高品質米づくりに力を傾けている。
JA全農みえパールライスセンターでは、サタケの竪型精米機「バーチミル」を選択し、ハイコンパス精米機1台をバーチミルの5t/時タイプと入れ替えた。新しい精米機導入後は、ロット切替時の空運転時間が約2分と大幅に短縮され、全体で見ても生産効率が大きく向上した。
ミエライスは、県内最大手の精米卸で、昨年は新たに設備投資の5か年計画を策定し、その後の状況を勘案し今年度については2年分前倒しで精米ラインと包装ラインの更新を実施。新型精米機バーチミル5t/時、2.5t㌧/時各1台と入れ替えた。この2台のバーチミルは1つのラインの中に並列して設置されており、ロットの大きさによって切り替えるという、小ロットにも対応した兼用ラインとなっている。
2.サイアムクボタコーポレーションがカンボジア、ラオスに新会社
クボタとタイ王室系企業サイアムセメントグループの合弁子会社である「サイアムクボタコーポレーションCo.,Ltd.(以下、SKC)」は、2014年1月付で、カンボジアおよびラオス両国にSKC100%出資の新会社を設立する。新会社は「クボタカンボジアCo.,Ltd.」(プノンペン特別市)と「クボタラオスCo.,Ltd.」(ヴィエンチャン都)で、農業機械化需要の増大が予想される両国のディーラー網とサービス体制を強化し、アジアの農業機械事業を更に拡大する。
2015年にカンボジアで約150億円、ラオスで約60億円の売上げを目指す。
SKCは2010年8月、ザ・サイアムクボタインダストリーCo.,Ltd.とサイアムクボタトラクターCo.,Ltd.を統合して設立された。タイ王国パトゥムタニー県ナワナコン工業団地に本社を置き、資本金は約27.4億バーツ。出資比率はクボタが60%、サイアムセメントグループが40%。
3.ヤンマーが都内でプレミアムマルシェ
都内の恵比寿ガーデンプレイスセンター広場で8月24、25日に開催した。今年3月に発表した新戦略「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」の一環として、こだわりを持った生産者と消費者をより深くより直接的に結ぶ出会いの場として都心の人気スポットで開かれたこのマルシェには、奥山清行氏デザインのコンセプトトラクターを展示。訪れた人たちが驚嘆の声をあげ、スマホなどで写真撮影。美味しい食材を買い求めていた。
マルシェには、バジルソース・はにポン(茨城県・アグリクリエイト有機栽培あゆみの会)、大葉・パセリ(熊本県・中原温室)、れんこん(茨城県・れんこん三兄弟)などが並んだ。
また、中央通路には、オークビレッジ柏の葉のプロデュースした農園ができており、田園の雰囲気を演出。この農園では、農業インストラクター鈴木富樹子(フッキー)さんによる野菜の収穫体験も行われた。
4.筑水キャニコムのブッシュカッタージョージが国交省から認定受ける
大型雑草刈車「ブッシュカッタージョージ」CG431が国土交通省の新技術情報提供システムNETISに登録された。登録番号はQS-130010-A。
NETISは、同機の新規性について「操縦部に水平維持制御装置を搭載した」「刈取部にスライド機能を設けた」ことを挙げ、期待される効果、新技術活用のメリットとして「斜面の施工時でも運転席が水平であるため、転落の危険性低下が期待できる」「刈取部にスライド機能(右側スライド500mm)を設けたことにより、河川・道路の法肩まで機械での除草が可能となる」点を指摘。
現場条件は「2tトラックが搬入可能な場所」、特に効果の高い適用範囲は「法面などの斜面で草刈作業を行う必要がある現場」「水辺・段差等の際部分で草刈作業を行う必要がある現場」と登録している。
5.本田技研が地球温暖化対策等の開示で日本企業トップに
英国のNPO法人「CDP」が世界の大手企業500社を対象に調査した、地球温暖化対策の取り組みや温室効果ガス排出量の開示度の「2013年レポート」で、日本企業でトップのスコアを獲得、さらに、開示内容と取り組み実績の両面で非常に高い評価を得たことで、世界の先進企業12社のうちの1社に選ばれた。
製品の原材料調達から生産・販売、お客様の製品使用時、さらには廃棄に至るまでに発生する温室効果ガス排出量をGHGプロトコルに基づいてグローバルで開示。また、スコープ3では全カテゴリーの温室効果ガス排出量を他社に先駆けて開示するなど、充実した取り組みが評価された。
6.クボタが東日本大震災被災地の「双葉富田 畑の会」に耕うん機を寄贈
福島県郡山市富田町で「双葉富田 畑の会」が開設した双葉富田農園にミニ耕うん機2台を寄贈した。この仮設住宅地では、昨年8月、富岡町の入居者が運営する「おだがいさまファーム」に同様の支援策を実施しており、仮設住宅地の両端に位置する農園でクボタ耕うん機が活躍することになる。
双葉富田の仮設住宅入居者は58世帯109人。今回オープンした双葉富田農園は、その中の希望者が利用する形になる。クボタは、圃場の排水作業、草刈り、耕うん、施肥(堆肥投入)などの支援作業で開園をバックアップしてきた。
新設なった農園では、クボタミニ耕うん機TMS30、TRS60の操作指導などが行われた。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.424205107684163.10737・・・・・(Facebookページ)
7.JA静岡のパールライス工場にサタケの新鋭設備を導入
設備更新工事で、新たに竪型精米機「バーチミル」や光選別「ピカ選GRAND」などの最新鋭機器に加え、全国に先駆けて精米選別ユニット「ソフィア」を導入した。
JA静岡では、サタケに工場診断を依頼、診断結果(問題点)とその対応策を踏まえ、一昨年9月に「精米工場のあり方を考えるプロジェクト」を立ち上げ、設備更新の条件として精米品質の向上のほか、2ラインであること、限られたスペースを有効利用すること、従来機より残留排出時間が短いこと、作業の効率化が図れること、次へのステップに悪影響を及ぼさないことなどを挙げ、昨年12月、設備更新の施工業者としてサタケを決定した。
今回の設備更新の内容は大きく分けて3つで、1つは精米機本機の更新。更新後は2ラインとし、その1ラインにサタケが開発したばかりの竪型精米機「バーチミルVTC050A」(5t/時)を設置。光選別機「ピカ選GRAND ES―02AMS」(6.2t/時)も併設した。
2つ目は精米ラインの増設。これにも新開発の精米選別ユニット「ソフィアRMU025A」を導入。これは全国初となる第1号機。
「ソフィア」は竪型精米機「バーチミルVTC025A」(2.5t/時)に新開発の粒選別機「クアッドセパレーターHRD025A」1台と光選別機「ピカ選GRAND ES―02CMS」2台がセットされたユニット。
3つ目は包装出荷設備の更新。
8.井関農機がタイに農機販売の合弁会社
三菱商事と、農機販売を行う合弁会社を設立する。三菱商事は1955年にタイ国内に支店を設置。現在、自動車販売、鋼材輸入、食品卸等約100社の投資先を通じて、幅広く事業展開を行っており、この三菱商事のタイにおける知見と、同社が農機製造・販売を通じて培ったノウハウを最大限に活用し、タイでの農機の販売拡大を図る、としている。
資本金は2億1千万バーツ。三菱商事が80%、井関農機が20%の出資比率。設立は今年10月。
9.サタケの絵画コンクール入賞者決まる
広島県とタイアップし、JA全農ひろしまや広島県内の食品メーカー5社の協力を得て今年7月1日より広島県内の小学生を対象に行っていた「パンvsごはん お(い)しい!朝食で元気!絵画コンクール2013」で、応募総数476点の中から主催者賞であるサタケ賞に呉市立昭和北小学校6年生の中川菜々未(なかがわ・ななみ)さんの「ごはん派の力」、おむすびのGABA賞に東広島市立寺西小学校1年生の延河杏奈(のぶかわ・あずな)さんの「元気いっぱい?」を選んだ。
全応募作品は、10月12、13日に東広島市内で開かれる2013酒まつりサタケ会場において展示されるほか、13日午後1時より受賞者を招き、表彰式が行われる。
10.「ヤンマー遊悠ファームとよの」で稲刈りイベント
月21日に、大阪府豊能町の会員制体験型農園「ヤンマー遊悠(ゆうゆうファームとよの」で稲刈りイベントが行われた。
お米作りの流れを体験してもらう同ファームの「田んぼでお米づくり体験」は、今年は5月19日に田植え体験、6月29日に草取り体験と竹パウダーまき、8月19日にかかし作り体験を行った。
稲刈り体験では、鎌を使う稲刈り方法の説明の後、田に入った。今年は、イベント参加人数が昨年より少ないにもかかわらず、すべて手作業で収穫を終え、コンバインは脱穀を行うだけになった。去年の米づくり体験が好評で、半数ほどがリピーターとなって今年も参加しているため、作業がはかどった。
ヤンマー遊悠ファームとよのは、昨年からお米作り体験コース、今年から年間30種類以上の野菜作りを体験するサポート付き農園「体験型農園コース」も運営している。また、家庭菜園より一歩上のレベルで農業を学びたい人、準農家希望者向けに「準農家コース」の募集も近々、開始する予定だ。