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農業機械関連ニュース

平成25年8月10日発行

1)業界短信-新製品8月

1.松山がリターンあぜぬり機を新発売

コンパクトな設計でしかも強固なあぜが成形できることで好評のDZR02シリーズの機能を活かしたまま強度アップを図り、適応馬力の上限を45馬力まで上げた「DZR302Wシリーズ」。主な特徴は、

  1. コンパクト設計で使い勝手がよくしかも高性能=強度アップを図り25〜45馬力のトラクタに適応(トラクタの車重は2300kg以下に適合)。40馬力前後のトラクター所有者は圃場条件で上位機種のLZR02か、経済的なDZR302Wかを選択できるようになった。
  2. 手動リターン方式と電動油圧リターン方式から選択=畦塗り作業でどうしても残ってしまうトラクター全長分について作業部をリターンさせバック作業で残った部分を仕上げることができるリターン式あぜぬり機。リターンの方式は経済的な手動リターン方式とトラクタに乗ったまま操作ができる電動油圧リターン方式(型式N)の2機種を用意。
  3. 上面削りロータリー付きとなしの仕様を設定=元あぜの上面を削りより強固なあぜにしていく上面削りロータリー付き(型式J)を手動リターン方式、電動油圧リターン方式両方に設定した。
  4. ウィングディスクとスパイラルローラーで強固なあぜを成形する。

―など。

2.静岡製機が中山間地向け超小型乾燥機を発売

9石タイプの籾・麦用熱風循環型乾燥機“ドライゴン”の新型「SAC―G9Lシリーズ」4型式で、7月より本格的な発売を開始した。年に数回、少量乾燥するユーザーに対して、低コスト農業を支援する新製品。単粒水分計と排塵機が標準装備のSAC―G9LSH(軸流式)と同―G9LSHF(遠心式)の2タイプと、水分計と排塵機が不要なユーザーに向けたシンプルイズベストのSAC―G9L(軸流式)と同―G9LF(遠心式)の2タイプの計4型式。
 いずれの型式も、9石タイプの超小型熱風循環型で、全高が2085mmと設置しやすい高さを実現。操作パネルは、大きな文字の設定ボタンとモニター表示、さらに使いやすいダイヤル操作により、誰でも簡単に操作が行える。また、設定状況・運転状況・水分分布も一目で判断できる。
 単粒水分計(SAC―G9L・Fを除く)は、張込み時の自動測定、測定中の粒数を表示。水分バラツキ、未熟米混入率の割合をパネル上にランプ表示する。
 同社は来年創業100周年を迎えることから、そのプレイベントとして、同シリーズを期間限定・台数限定で発売する。

3.ササキコーポレーションが充電式コードレスの除雪機「オ・スーノER―800」を新発売

コードがないため場所を選ばず、早朝や深夜の作業場面も多い除雪作業を静かに進められるため、住宅密集地でも他家を気にせず作業できる。また、雪を押すラッセルタイプで、雪を飛ばせない場所、狭所に最適。一般家庭のコンセントから手軽に充電できるバッテリーを駆動源としており、操作は電源スイッチをオン、あとは操向レバーを前進にし、ハンドルを握るだけ。機械が苦手な女性でも、家電感覚で除雪作業を進められる。
 250Wツインモータードライブとパワフルなゴムクローラの足回りでハイパワーを実現している。安全装備としては、急発進を防ぐ「スロースタート機能」によって安心して作業を開始でき、走行スタートの時はマイコン制御で初めはゆっくり、徐々に最適な除雪速度になっていく方式。速度調整の手間はいらない。

4.タイショーがGPS連動のトラクター用肥料散布機「グランドソワー」の新型発表

「UH―110MT―GP」(ホッパー容量110L)と「同―140MT―GP」(同140L)の2型式。GPS情報をもとに、設定した車速、肥料散布量を自動制御することで、高精度散布・均一散布・減肥散布を実現。極めて効率的な省力散布作業が行える。GPS車速連動コントローラーは、液晶モニターで設定内容を一目で確認でき、メモリー機能も装備されている。
 GPS車速コントローラーは、±20%まで散布量が微調整できるダイヤル式微調整機能を装備。「調量機能」の採用により、撒きたい肥料に合わせた散布量設定が可能。調量作業では散布ロールが、

  1. 低速回転時の量
  2. 高速回転時の量

を測定。それをもとに測定されたデータ及び、散布量、撒き幅を入力。GPS速度情報により、トラクタ速度に関わらず均一な散布が行える。(表を使っての計算が不要)

5.ヤンマーが平成25年度下期新商品6機種8型式を発表

今回は特定地区を対象とした現地要望商品を主体にしたのが特徴。トラクターは、優れた牽引力と低接地圧のフルクローラトラクターCT261、301(26、30馬力)とレタス・白菜などの全面マルチ作業が高精度に行えるEG120全面マルチ仕様。普通型コンバインは大豆の平畦・狭畦栽培体系に適したGS400「2mワイドヘッダ仕様」。田植機はディーゼルエンジン搭載で湿田でも安定作業が行えるRG5X、6X。また需要が増加する加工・業務用キャベツの収穫機や使いやすいシンプル機能の除雪機など。
 このうち、フルクローラトラクターCT261、301は、静音キャビンで快適に作業でき、作業機の傾き自動、旋回上昇、バック上昇などの自動機能の設定はハンドル下の大型コンビネーションスイッチで行える。操作音付きでわかりやすく、操作ミスを防ぎ簡単に設定できる。また、凸凹な圃場を均平に仕上げるナイスティUFOは水田に適した「水平モード」と畑作や傾斜地に適した「傾斜地モード」を作業に合わせて選択できる。
 普通型コンバインGS400「2mワイドヘッダ仕様」は、平畦・狭畦栽培体系において、ワイドヘッダとすることで大幅な作業時間の短縮を可能とした。

6.金子農機が省エネ設計の色彩選別機「スーパエコ選α」など発表

スーパエコ選αの型式はAK―ECOα、AK―ECOα(W)、AK―ECOα(E)、AK―ECOα(EW)の4型式。主な特徴は、

  1. 光源をLEDにすることにより歩留まりが約2%アップ。消費電力は約45%削減。寿命は約4万時間。
  2. 玄米専用の緑色LEDを採用。
  3. 1秒間に約1000回の高速打ち。しかもエアー消費量は従来エジェクター比で約40%減。
  4. 3〜5インチ籾すり機と直結でき、独立型3.5インチ昇降機でゆとりある搬送。

―など。
 大型色彩選別機エレガンテは、AK―G2400U、AK―G3600U、AK―G4800Uの3型式。主な特徴は、

  1. 光源は用途に応じて切り替えられ緑(玄米)、青(白米)、赤(ソバ、麦)、白(もち米)の中から、2色選べる。Tタイプは同色異物除去に威力を発揮する近赤外線LEDを搭載。
  2. 供給量調整は全100段階。
  3. 溝型の極細シュート。
  4. イーグルアイ・プラス。

―など。
 白度計「色白美人」は、反射率測定方式により白米の白度を数値化することで、精米の際の搗精度を吟味、安定した精米に役立てられる。

7.みのる産業がカート式静電噴口を開発、発売へ

進化型静電噴口の第2弾となる、トマトやキュウリなど立体作物の防除に最適な「カート式静電噴口FSR―150」。片側5個計10個の噴口を装備しており、ヒーター内蔵の新型電極部により、漏電の原因となる漏れや結露に対し、最適な状態を維持する。
 繰り返し使えるニッケル水素充電池を採用、連続6時間の使用が行える。
 噴口角度の調節は、電極ごとに水平・上向きなど変えることができ、噴霧停止も可能。
 その他、

  1. 農薬の付着率向上で無駄な散布が少ないため、生産コスト削減に貢献する。
  2. 楽に旋回が行えるサブハンドル付き。
  3. 通路に合わせて車輪の組替えにより幅を狭くすることが可能。
    1. ―などの特徴がある。

2)業界短信8月

1.クボタが日本産米の輸入精米販売会社をシンガポールに設立

会社名は、Kubota Rice Industry(Singapore)PTE Ltd. 香港に次いで日本産米の輸出量が多いシンガポールで、玄米を輸入し、現地で精米し、日本産米の需要を拡大する。
 昨年4月に事業を開始した「久保田米業(香港)有限公司」に続くもので、クボタでは日本の農業を活性化し、日本農業に貢献したいという思いから、海外への米輸出を支援する目的で事業を展開。今後も日本の米生産者と連携し、海外への米輸出を支援するとしている。
 8月1日付でシンガポール国内の食品工業団地内に設立。資本金は200万シンガポールドル。出資比率はクボタが100%。

2.サタケが小学生を対象に「パンVSごはん お(い)しい! 朝食で元気! 絵画コンクール2013」を開催

広島県内の食品メーカー5社・1団体の協力を得て、小学生を対象に実施する。7月1日より募集を開始し10月13日に入賞作品の発表および表彰を予定している。
 パンか、ご飯かにかかわらず、朝食を摂ることは欠かせない習慣だと考え、食育の一環として取り組むもので、子供たちの自由な発想で描かれた絵画作品を通して「朝食の大切さ」を広く社会に伝えることで健康的な食生活の推進を図ることを目的としている。
 なお、同コンクールは、広島県が行う「おしい! 広島県」観光プロモーションタイアップ企画としても位置付けられており、県ではタイアップ賞として「おしい! 広島県賞」を贈る予定。  募集作品の受付は7月1日〜9月6日まで。
 10月に東広島市で開催のビッグイベント「酒まつり」サタケ会場で入賞者の表彰式と優秀作品の展示が行われる。

3.新農機と生研センターが「たまねぎ調製装置」の現地セミナー

 府県産の貯蔵乾燥したタマネギの根切り・葉切り作業を大幅に省力化する「たまねぎ調製装置」の現地セミナーを兵庫県南あわじ市の同県立農林水産技術総合センター淡路農業技術センターで開催し、同装置を公開した。
 これは生研センターとクボタ、松山が2008〜2011年度、農水省の第4次農業機械等緊急開発事業(緊プロ事業)で共同開発したもの。全長5m強、高さは上昇コンベアを入れ10.9mほどで、供給部や整列調製部、選別部、排出部で構成。選別部と排出部はオプション扱いでL字形やコの字形にレイアウトでき、オプション込み価格は312万9000円。
 タマネギを供給する作業者と、選別部で腐敗玉を除いたり調製不足の玉を切り直したりする作業者の2名1組で作業し、処理速度は1秒に1個。1時間に手作業の倍の約3500個を処理できる。

4.太陽がインドに耕うん爪製造の現地法人を設立

今年4月に現地法人「TAIYOU INDIA PRIVATE LIMITED」を設立、ニューデリーの南西約120kmに位置するラジャスタン州のニムラナ工業団地に工場用地を確保して耕うん爪の製造販売を行う準備に入っている。新工場の所在地はインド初の日系企業専用団地で、工場の敷地面積は2万平方m、建築面積は約6000平方m。平成26年12月より操業を開始する。
 販売目標は操業開始より2〜3年で5億円、5〜10年で20億円を見込む。販売先はインド国内の現地企業が中心。日本に製品を輸入することは考えていないとしている。現地採用予定は3年後に35名、日本からは3名程度。

5.サタケがインドネシアに現地法人

インドネシアでの売上げ拡大を目的に同国ゴーベル・グループ傘下でジャカルタ市に本社を置く株式会社ゴーベル・ルウィア・インベスタマ(R・ゴーベル代表)と合弁で販売およびアフターサービスを主事業とする現地法人「サタケ・ゴーベル・インドネシア(PT. Satake Gobel Indonssia)」を設立することを明らかにした。
 新会社はインドネシア第2の都市であるスラバヤ市に拠点を置き、資本金100万米ドル(サタケ60万米ドル、ゴーベル社40万米ドル)、従業員13名で発足。2014年1月より事業開始の予定。同国のほか、フィリピンやマレーシアなど周辺国への営業活動にも力を入れていく方針。
 去る7月8日、サタケ広島本社で佐竹代表ら両社の代表が出席して合弁契約の調印式が行われた。

6.ヤンマーがソリマチと業務提携し農業におけるICTサービス提供

提携により、ヤンマーが提供する農業機械の稼働情報管理システム「スマートアシスト」と、ソリマチが提供する農業クラウドサービス「フェースファーム生産履歴」を連携させ、農業経営の見える化、効率化に役立つサービスの提供を開始する。
 ヤンマーの「スマートアシスト」は、農業機械1台ごとの位置情報、稼働状況、マシンコンディションなどのデータをリアルタイムかつ正確に把握し、機械の状態を見える化することで、より効率的な機械作業を実現する遠隔管理サービス。対象機種(トラクター、コンバイン)に搭載されたGPSと通信端末から位置情報や稼働機情報を遠隔管理センターに送り、稼働状況やコンディションを常に把握し、万一のトラブル発生時の迅速対応に加え、無駄のないメンテナンスの提案や様々な稼働分析データを提供する。
 他方、ソリマチの「フェースファーム生産履歴」は、クラウドを活用した農業生産履歴システム。
 両社のサービスにより、農業生産性、農業経営の見える化を実現。農業経営者に新しい価値を提供するとしている。

7.全農の24年度農機取り扱いは1339億円

JA全農(中野吉實会長)は、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で、第37回通常総代会を開き、平成24年度業務報告および剰余金処分案など全ての議案を事務局原案どおり承認した。24年度の取扱高は前年対比100%の4兆8250億円、このうち農機は1339億円、前年比106%と伸びを示した。JAグループ独自型式の取り扱いは3006台で、前年比124%と大幅に拡大した。
 また、農機レンタル実施JAは、前年の21県、77JAから22県83JAに拡大した。JAの施設の改善改善提案に向けたCE(カントリーエレベータ)総合コンサルの実施が累計10JAとなり、初となるJAグループ農機検定制度は1級農機サービス士8名を認定した。

8.ヤンマーが新コンセプトモデル発表

次の100年へ向け、ヤンマーの新コンセプトモデルを、世界的工業デザイナー・奥山清行氏、ファッションデザイナー滝沢直己氏が「トラクターとエンジン、ボート」並びに「農業用ウエアとマリンウエア」を披露。佐藤可士和氏が刷新されたヤンマーの新ロゴマーク「FLYING Y」を発表した。
 奥山清行氏は新型ディーゼルエンジン(FY01)、コンセプトトラクター(YT01)を披露。エンジンは軽量コンパクトながら100馬力/Lの高出力を実現した6気筒。コンセプトトラクターは、「農業を若者が憧れる職業にしたい、そんな思いを込め日本農業の新しい姿を提案した」もの。無人追従システムにより2台のトラクターを1人でコントロール、耕うんと作付けを同時に行うなど作業を大幅に効率化する(現在ヤンマー中央研究所で実用化に向けて研究開発中)。「あくまでコンセプトであり、ここに盛り込まれた様々な要素が今後のヤンマーの量産モデルに展開していく」としている。

9.井関農機創業者・井関邦三郎氏の記念館開館10周年を祝う

愛媛県宇和島市が運営する、旧北宇和郡三間町(平成17年8月宇和島市と対等合併し現宇和島市三間町)出身で、その名誉町民である井関邦三郎氏(井関農機の創業者)の業績を称える「井関邦三郎記念館」がこのたび開館10周年を迎え、それを記念する記念特別展が7月20日から宇和島市三間町務田の道の駅「みま」内にある同記念館で始まった。特別展は10月28日まで行われる。
 特別展の開展式は、同郷出身の版画家・畦地(あぜち)梅太郎氏の「畦地梅太郎記念美術館」とあわせて行われ、宇和島市長、市議会議長、教育長はじめ、井関邦三郎氏の令孫・景太氏、畦地梅太郎氏の令孫・堅司氏らが出席。式典では、市長、市会議長、2人の令孫、それに木下専務らが挨拶し、2人の功績を称えた。
 このあとテープカットが行われ、記念特別展がオープンした。