平成24年11月10日発行
<新製品ニュース>
- 田中産業が「スタンドバッグスター」に「角スター」加える
- IHIスターがラッピングマシンを発売
- 本田技研工業が家庭用ガスコージェネレーションユニットと低圧LPガス発電機で技術説明
- やまびこが「共立」、「新ダイワ」ブランドのチェンソーラインアップを発表
- スズテックが2012年新製品発表会で苗箱重ねコンベアなど発表
- 金子農機が来年度の新型乾燥機を発表
- 斎藤農機製作所がビーンスレッシャの新型と小豆用のオプションキット発売
- サタケと山本製作所が共同開発の遠赤外線乾燥機第二弾を発表
<業界ニュース>
- 井関農機がテクニカル・トレーニング・センターの設立準備室を設置
- サタケがブルネイから籾摺精米プラントを受注
- 本田技研工業の伊東社長が汎用800万台超を打ち出す
- 第2回オーレック祭りで賑わう
- 畜産草地研究所が「傾斜牧草地における除染技術の開発」に関する現地適用試験
- 情報収集、農機売買などにITを活用
- グッドデザインにホンダ、クボタ
- 山本製作所が飼料用米専用カントリーエレベータ完成
- 井関農機が「さなえ全国子ども図画コンクール」の審査結果を発表
- オーレックの新工場が完成
- クボタが「グローバルアイデンティティ」を制定
- JA全中が第26回JA全国大会開く
- ヤンマー遊悠ファームとよので「稲刈りイベント」
- 静岡製機が茶成分分析計の販売・保守でカワサキ機工と業務提携
- ヤンマーが農機事業で生産再編
<新製品ニュース>
1.田中産業が「スタンドバッグスター」に「角スター」加える
バッグを支えるロッドなど部材があらかじめ本体にセットされているため、使用する際、製品を取り出せば、本体を捻るだけで使用できるため、組み立てる手間が省け、作業効率が向上する。収納時も同様で、ファスナーを閉め本体を横に倒して捻るだけで平たく畳め、もとの状態に戻せる。そのため、施設内での一連の作業の流れをさまたげない。
その他、
- 通気性が良く、籾ムレを防止する。
- 耐荷重比率が1対6に向上した新JIS規格適合品。
- 新排出方式でバッグの下に入らず、側面から横操作で排出できる。
ーなどの特徴がある。
2.IHIスターがラッピングマシンを発売
ラッピングマシン「MWM・MWR/1070W」で、1060シリーズが持っていた機能はそのままに、求めやすい価格とした。また、メンテナンス性も向上、フレーム構造を一新し耐久性もアップした。オート操作コントロールボックスで、フィルム巻数を設定し、積み込み時に『自動スタート』ボタンを、荷降し時に『ベールおろす』ボタンを押す「ツータッチ」でフィルム巻付け操作ができる。ラジコンオート仕様は、作業者が梱包積み込みの1名だけで操作ができる。
主な特徴は、
- メンテナンス性を向上し、フィルム装着をより安全にした。フィルムホルダ部にレバーを装備して、レバーを押すとフィルムホルダが開いて安全にフィルム固定を行うことができる。チェーンのテンション調整が簡単になり、テーブルローラのチェーン部、パワーパッケージ駆動チェーン部のテンション調整が簡単になった。パワーパッケージ周辺の油圧配管などをよりシンプルにし、パワーパッケージ部の油圧配管や圧力センサーの向きを改良した。
- メーンフレーム構造を改良し角パイプのサイズアップを行ったこと、リフトアームが付いているサブフレーム部を丸パイプ一本構造としたことなどによって、耐久性もアップした。
3.本田技研工業が家庭用ガスコージェネレーションユニットと低圧LPガス発電機で技術説明
自立運転機能付き家庭用ガスエンジンコージェネレーションユニット「MCHP1・0R」は、東日本大震災以降、停電時にも使えるコージェネレーションシステムに対する市場ニーズの高まりを背景に、昨年フルモデルチェンジした発電ユニットをベースに開発。ガス事業者が販売する新型ガス発電・給湯暖房システム「エコウィルプラス」の発電ユニットとして、始動グリップを引いてエンジンを起動させることにより系統電力から自立して発電を開始することができる。自立運転時の発電出力は最大約980Wで、停電時にも専用コンセントからの電力供給によりテレビやパソコンによる情報収集や夜間の照明などに利用できるほか、風呂などへの給湯や床暖房などの利用も可能。
一方、低圧LPガス発電機EU9iGPは、プロパンガス燃料を用いて発電でき、万が一の停電や災害時に、満タンの50kgボンベで約4日分、900VAの電力を確保することができる。
4.やまびこが「共立」、「新ダイワ」ブランドのチェンソーラインアップを発表
カジュアルユーザー向けチェンソー共立「CS3411G/35―PS」は、性能・機能はそのままに求め易さを追求した商品―をコンセプトとしたGoGoチェンソーにオレゴン“パワーシャープ”を標準装備し、誰でも簡単に目立てができる。これにより、カジュアルユーザーの購入後のネックとなっていた目立て作業を解消した。共立「CS37RS」は、すでに発売している「CS42RS]のプロユースに求められるパワーとフィーリングのコンセプトを継承。鋸断作業時に求められる7500〜9000回転域でのパワーとトルクを重視することで、中径木の伐倒・玉切りなど幅広い作業に優れた性能を発揮する。
新ダイワ「E2035S」は、果樹園での選定・農家の自家山林管理作業など頻繁に使用されるユーザーに、より使い易いことをコンセプトに「軽量・低騒音・高耐久」を追求して開発。やまびこ独自の「Y型掃気ポートシリンダ」(PAT申請中)を搭載、ハイパワー・低燃費を達成しながらも第2次国内排出規制値を余裕でクリアしている。新ダイワ「E2038S」は、プロユーザーに好評を博している「E1038S」をベースに国内林業向けに開発。エンジンにはY型掃気ポートシリンダを搭載。伐倒・玉切りに必要な中・低速域でのトルクと、枝払いに対応する高速域の伸びを両立したうえで、低燃費・低排出ガスを両立している。
5.スズテックが2012年新製品発表会で苗箱重ねコンベアなど発表
発表した新製品は、苗箱重ねコンベア「SKC2」、高能率な作業を実現したポット土入れ機「STK80P」、ポット用ミニコン「SCS28P」と、群馬県農業技術センターと共同開発したポット用施肥機「SHK380」の4機種。
苗箱重ねコンベア「SKC2」は、二重重ね仕上がりにより、運搬の省力化を実現。エレベータ機構の採用により、スムーズな苗箱の積み重ねを可能とした。
ポット土入れ機「STK80P」は、排出口にスイング機構を採用、粗い土と細かい土の分離を低減して、均一な土入れを実現。能力が毎時250〜450トレイと高能率。
ミニコン「SCS28P」は、従来機に比べ土回収部のコンベア幅を広く設計、回収率を大幅アップ。毎時1500Lが可能。中央部のカバーの着脱が行え、メンテナンスが容易。
ポット用施肥機「SHK380」は、花壇苗生産における施肥作業の省力化および肥料コスト削減を目的としており、これまでの手作業施肥に比べ、作業時間を約86%短縮。光電センサにより、ポット用トレイが通過時のみ散布を行うため、安心して作業が行える。
6.金子農機が来年度の新型乾燥機を発表
RKB200(20石)、同250(25石)、同300(30石)、RKC350(35石)、RKH500(50石)、同600(60石)、同700(70石)の3型式7機種。これにより同社の遠赤外線乾燥機は、従来の小型のRKA(11〜20石)、大型RVF(70〜100石)を含め、11石から100石までの17機種による新シリーズのラインアップ化が完成した。
今年5月に「100周年記念バージョン」として限定販売したRKシリーズが、新設計のワイドビュー、毎時張込能力約15t、大型液晶パネルなどで操作が簡単と、好評を博し「予想以上の実績」となったことから、シリーズ化に踏み切ったもの。
主な特徴は、
- 独自の遠赤外線と全粒照射方式プラス横がけ8層交差流下方式により、ムラのない高品質な乾燥と、低音・省エネを実現。
- 大容量8インチ昇降機にオリジナルバケットを採用し、張り込み能力は毎時15tのハイスピード。
- 本体最下部や下部コンベアの引き出し口に窓を設け、掃除・点検が楽。
ーなど。
7.斎藤農機製作所がビーンスレッシャの新型と小豆用のオプションキット発売
ビーンスレッシャは、昇降機ローラ部にスクレーパを採用し、また、フルイ線の線径を強固にし、より耐久性を向上させた、大豆・黒大豆・小豆用の「SJ―2501C」(自走式タイプ)と「SJ―2501T」(トラクタマウントタイプ)。小豆用のオプションキットは「SJ―AK」。
ビーンスレッシャは自走タイプ、トラクタマウントタイプともに脱穀形態がバータイプのため、脱粒性能が極めて高い。従来のこき胴タイプに比べ、1番回収率が大幅にアップ。また、ロス率も大幅に低減している。
さらに、自走式タイプは、搭載エンジンを空冷4サイクルの最大8馬力の新型エンジンを搭載。
加えて、
- 安全性の向上=マフラーカバーを二重構造にして断熱性を高めた。
- 操作性の向上=走行・脱穀クラッチレバーに新機構を採用。
- 生産性の向上=ベルトガイドの調整作業を容易化。
- 機体バランスの向上=エンジン搭載高さを低くし、機体を安定化。
ーなど各所に新機構を採用し、極めて効率の良い脱粒作業が行える。
オプションキット「SJ―AK」は、近年、小豆での脱粒作業が増加していることから、茎が十分に乾燥していない状態でも対応できる小豆専用キット。
8.サタケと山本製作所が共同開発の遠赤外線乾燥機第二弾を発表
新機種とマイナーチェンジ機種があり、いずれも2012年11月1日発売。サタケ、山本それぞれのブランドで販売される。
サタケは「ソラーナ・ネックス・グランド」シリーズに新機種(LPタイプ)を追加するとともに、従来のCPタイプに張込量自動検知機能を追加したマイナーチェンジ機種(CPⅡタイプ)と、共同開発で培ったノウハウを活かしたサタケオリジナルの新機種(MPタイプ)も併せて発表し、シリーズの拡充を図っている。
山本製作所は「ウィンディ・ネックス」のHDシリーズに新機種を8型式投入。6型式をマイナーチェンジした。
全機種共通の特徴として、
- 省エネ&安定乾燥=▽省エネ運転(送風機のインバータ制御による電力・燃料消費量の削減)▽安定乾燥(湿度センサによる温度制御、水分計による正確な水分測定、連続噴霧式静音バーナによる最適燃焼)。
- 新機能=張込量自動検知機能(張込石数を自動検知し最適乾燥を行うため面倒な張込量設定作業が不要)▽大型蛍光表示管搭載(大きく、明るく日本語で運転状況を表示する蛍光表示管を採用)▽メモリカード搭載(操作盤にメモリカードを標準装備。乾燥履歴をパソコンで管理保管可能)▽人感センサ付きLED照明(操作部に人感センサ付きLEDライトを装備し、人が近付くと自動でLEDライトが点灯し操作部付近を明るく照らし、人が離れると自動で消灯)▽8インチ昇降機を採用(8インチ昇降機により張込、排出時間を短縮し作業の効率化を図る)。
ーなどがある。
<業界ニュース>
1.井関農機がテクニカル・トレーニング・センターの設立準備室を設置
「ヰセキ・テクニカル・トレーニング・センター(ITTC)」は、ものづくりにおける基礎から専門に至る研修科目を準備し、製造現場における人材育成と技能伝承を行う。さらに今後拡大する海外拠点における現場第一線の熟練工、指導者、監督者、技術者育成を行う。開所は来年10月を予定している。
設立準備室の主担当役員には木下榮一郎専務取締役開発製造本部長、副担当役員には仙波誠次開発製造本部副本部長が就いた。
2.サタケがブルネイから籾摺精米プラントを受注
ブルネイ・ダルサラーム国より、初めて籾摺精米プラント(設備一式、籾処理能力=毎時3.5t)を受注した。来年2月から据え付けを開始し同年6月完了予定としている。8月に現地においてブルネイ政府関係者、駐在日本大使、サタケ関係者らが出席し契約調印式が行われた。
ブルネイでは輸入米の価格上昇や輸入規制の事態に備え、2009年に自国の米自給率向上計画を策定し、同計画で2015年までに年間米消費量の約60%に当たる1万8000t(白米ベース)の米生産を掲げている。現在、ブルネイの籾生産量は年間約1500tで、白米にするための籾摺精米プラント(韓国製)はあるものの老朽化しており、自給率向上計画の一環として、このプラントの再構築も課題になっていた。
2010年、計画の担当所管庁である産業一次資源省の大臣一行が、プラントメーカーの選定にあたり中国、タイおよび日本の精米工場を視察。同省は、3ヵ国の中で特に日本の精米工場が安全性や衛生面を含めた総合品質で優れていると判断し、最終的にその施工業者であるサタケに新プラントの発注を決定した。
3.本田技研工業の伊東社長が汎用800万台超を打ち出す
記者会見で、2016年度を最終年度とする同社の中長期の取り組みについて明らかにしたもの。
このうち汎用パワープロダクツ事業については「2016年度には、グローバルで800万台以上を販売したい」と数値目標を掲げた。
伊東社長は、汎用パワープロダクツ事業について、働く人たちを「技術で幸せにしたい」という想いを形にした農業機械用エンジンを1953年に発売して以来、人と環境に優しい技術に徹底的にこだわり、発電機、耕うん機、芝刈り機、除雪機、船外機など、ライフステージのあらゆるシーンに役立つチカラを提供してきた。今後は、様々な製品の電動化や知能化による新たな商品開発を展開するとともに、コージェネレーションユニットを将来の創エネルギー技術の中核と位置づけ、さらに力を入れていくと語った。
4.第2回オーレック祭りで賑わう
9月に本社で「第2回オーレック祭り」を開催し、1400名を超える地元住民そして顧客の来場で賑わった。社員手作りで約20のアトラクションを準備。乗用草刈機の試乗(オンロードコース、オフロードコース)は子どもたちに人気を博し、長い順番待ちの列ができた。最新型の乗用草刈機とともに記念撮影できるコーナーを設け、即プリントして持ち帰ってもらうなどのサービスもあり、笑顔であふれた。
同社の全製品を展示し、管理機はエンジン式からガス式、電動式まで出展。草刈機は小型機、乗用機を展示し、草刈機は芝地、雑草地、傾斜地で使ってもらった。このほか、アイガモレース、ヨーヨー釣り、輪投げ、バスケットゴール等のほか、子どもに開発用3次元キャドでアニメを作る体験も提供した。
5.畜産草地研究所が「傾斜牧草地における除染技術の開発」に関する現地適用試験
10月3日、福島県の家畜改良センターで、「傾斜牧草地における除染技術の開発」に関する現地適用試験を実施、県内外から集まった約50人の出席者に、放射性物質で汚染された傾斜牧草地の除染を目的に開発中の67馬力の無線傾斜地トラクターと油圧で動くロータリ、播種機(ブロードキャスタ)の作業のもようを公開した。作業機転倒の恐れがあることからラジコン芝刈機を改造してラジコントラクターとし、油圧駆動で作業するロータリの開発や既存のアタッチメントの改良を進めているもの。アタッチメントの改良により、除草、石灰施用・施肥、耕うん、播種、鎮圧の一連の作業体系ができるようにした。ロータリは松山が開発した。油圧駆動に対応し、1つのフランジに6枚のM爪(強度が大きく植物残渣の絡みつきが少ない)を装着、砕土・撹拌性能を向上させている。また、ゲージ輪をロータリ軸に近づけることで、地表の凹凸をより正確に耕うん深さ調節に反映させている。
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nilgs/043750.html
6.情報収集、農機売買などにITを活用
農林水産省はこのほど、農業分野におけるIT利活用に関する意識・意向調査結果を発表した。同調査は農業者モニター1269名を対象に7月に実施、1062名から回答を得た。
それによると、農業者が所有しているIT機器は携帯電話(85.9%)やパソコン(76.3%)は多いものの、その他の機器はほとんど所有していない。IT機器の経営への利用意向については、「これまでにも利用しており今後も利用したい」が50.4%、「利用していないが今後は利用したい」が21.7%で、利用意向がある農業者は72.1%となった。
現在経営にIT機器を利用している農業者の利用状況は、「ネットによる情報収集」が69.2%と最も高く、次いで「経理事務や経営に関するデータ分析」67.1%、「農作業履歴や出荷履歴の記録」48.8%など。情報収集の内容は、「気象情報」84.4%や「農業資材や畜産資材に関する情報」56.8%、「栽培技術や飼養管理技術」54.6%、「病害虫や家畜伝染病」50.5%、「農業機械の売買」32.7%などとなっている。
7.グッドデザインにホンダ、クボタ
公益財団法人日本デザイン振興会が発表した今年度のグッドデザイン賞では、特別賞の対象となる「グッドデザインベスト100」に本田技研工業の家庭内エネルギーマネジメントシステム「Hondaスマートホームシステム」が選ばれた。このシステムは「CIGS薄膜太陽光発電モジュール」、「ガスエンジンコージェネレーションユニット」と、それらを制御する「Smarte Mix Manager」、電気を蓄える「ホームバッテリーユニット」などによって構成され、家庭単位での自立が可能なバックアップ機能を両立できる総合的なエネルギーマネジメントシステム。
また、グッドデザイン賞には、クボタの電動耕うん機「菜レントTME10」が選ばれた。これは、近年の家庭菜園ブームで増加を続けているホビー層に対して、電動ならではの家電感覚の取扱性や圧倒的な静粛性を提供できる電動式ミニ耕うん機。初めて耕うん機を使う人の不安を解消し、庭先や小規模な畑で簡単・安心して使える。
8.山本製作所が飼料用米専用カントリーエレベータ完成
国内初となる飼料用米専用カントリーエレベータ(穀類乾燥調製貯蔵施設)で、宮城県加美郡色麻町のJA加美よつばが事業主体となり、同社が設計・施工した「南部CE」。同CEには、累積された籾を撹拌しながら、ゆるやかにムラなく乾燥し、そのまま高品質に貯蔵する(累積混合攪拌乾燥貯蔵方式)の山本製作所独自の“スタアデポ”「SSD―3000SD」を8基導入。同管内の飼料用米の乾燥・調製・貯蔵を行う。また、全自動化によるコンタミ防止装置付き搬送設備とエコロジー色彩選別機による異物混入防止により、高品質な安定生産が行え、省力化にもつながる。さらに、湿式集排塵処理による環境保全を実現している。これら以外にも、最先端技術が数多く採用され、国内屈指のCEとなっている。
9.井関農機が「さなえ全国子ども図画コンクール」の審査結果を発表
小学生以下の児童・園児を対象とした恒例の「さなえ全国子ども図画コンクール」は、今年度、全国最優秀賞に福島県の小学4年生・星野夏生(ほしの・なつみ)さん(作品名「おばあちゃんのトマト」)が選ばれ、賞状と賞品(商品券5万円とISEKIグッズ、副賞として画材道具)が贈られた。また、全国優秀賞は滋賀県の岡田渉希(おかだ・あゆき)君(小2)はじめ5名、全国特別賞は関西地区の岩﨑開登(いわさき・かいと)君(小3)はじめ10名がそれぞれ受賞した。
さなえ全国子ども図画コンクールは、同社が日頃の愛顧に応えるために、将来を担う子ども(小学生以下)を対象に「農業で働く家族」をテーマとして平成8年から実施。これまでの応募作品は累計で1万8000点を超えている。
10.オーレックの新工場が完成
10月に本社敷地内に新工場棟を完成させた。新工場棟は建築面積4600平米、工場面積3600平米、全長50m×幅72m×高さ10mと一般の体育館ほどの広さがあるが、中間柱は4本のみ。作業環境と地球環境を意識した設計で、既設工場との間に屋根付き出荷・荷捌き場を設置した。二重折板屋根の間に100mmの断熱材を入れた。ドーム型明り取りで直射日光を遮り、外光を柔らかく取り込む。高天井用LED照明(東芝製)を採用した。強制換気設備は、中央屋根排気ファンと壁の有圧給気ファンが連動する。
新工場は、無人化の設備増強、生産能力アップを図ることが目的で6月1日に着工した。
11.クボタが「グローバルアイデンティティ」を制定
国内外で働くクボタグループ約3万人の全ての社員が、創業者精神や共通の価値観を理解・認知することで、より一層のロイヤリティーの高揚とグループ一丸となった事業活動の推進を実現していくことを狙いとしている。
従来の「社是(昭和48年制定)」、「経営理念(平成18年制定)」、「スローガン(平成22年制定)」を「スピリッツ(私たちの精神・姿勢)」、「ブランドステートメント(私たちの約束)」、「ミッション(私たちの使命)」に再編し、これらをまとめて「クボタグローバルアイデンティティ」とした。また、「ブランドステートメント」の「For Earth、For Life」をより強く訴求するために、サイズを大きくするなどロゴのデザインを変更。人類の生存に欠かせない「食料・水・環境」の分野での課題解決に貢献し続けるという同社の意志をミッションに明示した。
社外へは企業CM、展示会、広告、製品カタログなどで使用を開始。社内では階層別教育、新入社員教育および企業理念を共有するワークショップ活動等の浸透・定着活動を実施する。
12.JA全中が第26回JA全国大会開く
全国大会ではJAグループが目指す10年後の姿などを盛り込んだ大会議案を決議した。またTPP交渉参加に反対する特別決議を採択した。大会テーマは「次代へつなぐ協同」。萬歳会長は冒頭あいさつで「震災復興より優先して取り組むべき課題はない」と、引き続き東日本大震災からの復旧・復興事業に全力を注ぐ決意を述べるとともに、議案について「豊かな農業、地域社会を次世代に受け継ぐための提起」と位置づけ、次代の担い手づくりや6次産業化に取り組んでいく方針を明らかにした。
大会議案では10年後の姿として、
- 持続可能な農業の実現=消費者の信頼にこたえ、安全で安心な国産農畜産物を持続的・安定的に供給できる地域農業を支え、農業所得の向上を支える姿。
- 豊かで暮らしやすい地域社会の実現=総合事業を通じて地域のライフラインの一翼を担い、協同の力で豊かで暮らしやすい地域社会の実現に貢献している姿。
- 協同組合としての役割発揮=次世代とともに、「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として、存立している姿。
ーの3本を柱として提案した。
13.ヤンマー遊悠ファームとよので「稲刈りイベント」
会員等約130名が参加し行われた。ヤンマーのソリューション推進部では、来年から始める米オーナー制度の推移をみながら、ファームで得たノウハウをパッケージ化、フランチャイズ方式で全国に広げていくとしている。
当日はオリエンテーションに続いて圃場に移動、注意事項を聞いたあと稲刈りイベントがスタートした。たわわに稔った稲に全員で鎌をふるって収穫。子供たちからさかんに歓声が上がった。昼食のあと午後からは体育館で籾すり・精米教室が開かれ、農作業についての知識を深めた。
今回、収穫した米は「ヤンマー資源循環農法」で育てた減農薬米。放置竹林で伐採した竹を粉砕、粉状にした竹粉を有機資材として活用している。
14.静岡製機が茶成分分析計の販売・保守でカワサキ機工と業務提携
静岡製機では、平成4年に茶成分分析計を開発。従来、人の五感を使って官能検査を行っていた茶の品質評価に加え、計器測定によって評価の安定性・公正性を高めるために、現在の手法を確立した。これまで、荒茶・仕上茶を測定するGTシリーズ(GT―3、同―8、同―8S)、生茶を測定するRTシリーズ(RT―3、同―3S)を開発・発売している。これら分析計により、水分・全窒素・遊離アミノ酸・テアニン・繊維・タンニン・カフェイン・ビタミンC・カテキンを測定。万人の品質評価が可能で、しかも迅速・安全・簡単に分析できる。
今回の業務提携により、両シリーズの国内販売・保守をカワサキ機工が行う体制となる。
15.ヤンマーが農機事業で生産再編
トラクターの生産拠点であるヤンマー農機製造株式会社とコンバイン・田植機の生産拠点であるセイレイ工業株式会社を合併する。急速に拡大する世界の農業市場への対応、並びに国内農業経営の大規模化への対応など、グローバルな事業展開の一層のスピードアップが求められる中で、世界で戦える生産性(コスト等)の実現と品質レベルの向上、更にグローバルな生産技能伝承を図るべく実施するもの。
2013年4月1日付で、ヤンマー農機製造を存続会社とする吸収合併方式を採る。
2社を合併することで生産体制も抜本的に見直す。その一つは、これまでヤンマー農機製造の伊吹工場で行ってきたトラクター生産を、2015年3月よりセイレイ工業の岡山工場に移管する。またトラクター生産移管後の伊吹工場は、変速機と車軸の生産拠点として存続させる。現セイレイ工業の山田工場は高知工場となる。このようにヤンマー農機製造とセイレイ工業2社が運営する滋賀、岡山、高知の3工場の役割を再編、明確化する。