平成24年6月10日発行
<新製品情報>
- 静岡製機が汎用、熱風、遠赤乾燥機24型式を発売
- 大竹製作所が軽量タイプの除草機
- 山本製作所がコイン精米機の新シリーズ「こめ太郎」2タイプ
- 三菱農機が、米袋の放射能検査装置の販売を発表
- ホンダがプロパンガス発電機を発売
- タカキタが100周年記念モデルの細断型ロールベーラ発表
- 金子農機が100周年モデル乾燥機など発表
- サタケが電気多目的乾燥機を発売
<業界ニュース>
<新製品情報>
1.静岡製機が汎用、熱風、遠赤乾燥機24型式を発売
型ドライゴン・リミテッド「SAC―Lシリーズ」遠赤タイプ8型式(30〜65石)、熱風タイプ8型式(同)、汎用タイプ8型式(同)。いずれの型式も「使いやすく、安心、お米にもやさしく、しかもお求めやすい価格の実現」を商品コンセプトに開発しており、有効乾燥部容積の大型化と大風量送風機の採用により、乾燥性能をアップ。また、省エネ設計により電力消費量、灯油消費量が大幅に節約できる。
遠赤タイプは、遠赤外線放射体(放射体がマフラーの役目をはたす)による静音効果に加え、斜流式ファンの搭載により、極めて作業音が静かなため、夜間でも隣近所に気を使うことなく作業が行える。
汎用タイプは、汎用乾燥機として業界初となる湿度センサーを搭載。外気の湿度を検知し、湿度の条件に左右されない安定した乾燥を実現しており、大豆の乾燥時には特に有効。また、インバータ制御により搬送スピードを変更するため、大豆をはじめ、各種穀類の品質保持・損傷防止が図られている。
遠赤型:http://www.shizuoka-seiki.co.jp/agriculture/agriculture_01/sacel111021.html
熱風型:http://www.shizuoka-seiki.co.jp/agriculture/agriculture_01/熱風型乾燥機sac(ドライコン)・・・
汎用型:http://www.shizuoka-seiki.co.jp/agriculture/jyunkanhanyou/20120424.html
2.大竹製作所が軽量タイプの除草機
軽量安価タイプ除草機「KC25」を発売、超軽量の11kg台、ダイレクトドライブ方式で、田植え直後の早期除草もでき、操作も楽。
主な特徴は、
- 超軽量で楽に除草ができる。
- 軽量コンパクトな除草機で、従来機に対し持ち運びや操作性に不満のある人に適している。
- ローター回転を適度に抑えているため、田植え直後の早期除草から使用できる。
- コンパクトな設計のため、操作も楽で、女性や年配者にも安心して利用できる。
- トラブルの少ないミッションからのダイレクトドライブ方式を採用。
3.山本製作所がコイン精米機の新シリーズ「こめ太郎」2タイプ
「こめ太郎」の新型「RCS―400」4シリーズを完成、発売を開始した。4シリーズは、操作方式がタッチパネル式(RCS―400T、同―400HT)の2シリーズとボタン式(同―400B、同―400HB)の2シリーズ。Hタイプは、籾すり機を装備しており、籾からの精米も可能。いずれの型式も1分搗きから無洗米まで好みに合わせて精米できる高性能コイン精米機。また、省エネ設計でランニングコストが大幅に削減できる。
主な特徴は、
- 精米中は強力な糠ファンできれいに糠を取り除く。
- 操作室の両側に小窓を設け、明るさと清潔感をアップ。高さ奥行きも広いため、快適に精米できる。
- 操作パネルは、機能満載の「タッチパネル式」と、格安の「ボタン式」の2タイプから選べる。大きい文字で見やすい操作パネルと、ゆっくり丁寧な音声ガイドで操作が簡単。
http://www.yamamoto-ss.co.jp/product/seimai/02070/index.html
4.三菱農機が、米袋の放射能検査装置の販売を発表
親会社を同じくする三菱重工メカトロシステムズが開発したもので、30kg米袋を受入コンベアに乗せてスタートボタンを押すだけで、1分当たり約4袋分の測定が可能な米専用の検査装置。食品衛生法の新基準および「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正」に対応した測定を行う。検査部全体を開閉式6面遮蔽で覆い、環境からの放射線の影響を排することにより高性能な測定を可能にしている。測定下限値は5秒測定時15ベクレル/kg以下、15秒測定時10ベクレル/kg以下を実現した。装置の分析対象は放射性セシウム134と137。
5.ホンダがプロパンガス発電機を発売
停電などの非常時にプロパンガスを用いて発電が可能なポータブル発電機を開発、今夏よりLPガス機器事業者に向けて供給を開始する。
燃料にガソリンを用いる既存のインバータ搭載発電機「EU9i」(定格出力900VA)をベースに開発し、広く一般家庭のガス機器で使用されているプロパンガスを燃料にすることで、非常時に使用者がワンタッチで接続して使用することができ、長時間の運転も安心かつ簡単に行える。
主な特徴は、
- 正弦波インバータの搭載により、商用電源同等の安定した出力を提供。
- 本機を2台並列に接続できる並列運転機能により、最大1800VAまで出力が可能。
- 冬場や夜間といった低温環境での使用も可能。
6.タカキタが100周年記念モデルの細断型ロールベーラ発表
細断型ロールベーラ「MR―820」で、創業100周年記念モデル第3弾となる。受注生産により7月から発売する。新型機は、発酵TMRづくりなどの定置作業で、ローダーによる飼料投入が効率よくできるよう投入ホッパー部をコンベア方式にモデルチェンジした。リモコンを標準装備し、ローダーからの遠隔操作が可能となり定置でのワンマン作業ができる。 ホッパー容量をベール約2個分増やし、2.5立方mとし、ローダバケットによる投入効率をアップ。ロールベールの直径も85cmから90cmに可変でき、給餌量に応じて調整できる。
(http://www.takakita-net.co.jp/seihin/shiryou/mr/index.html)
7.金子農機が100周年モデル乾燥機など発表
遠赤外線乾燥機「レボリューション21」(型式はRKC400/450/500の3型式)、色彩選別機「LEDスーパエコ選」4型式、籾殻を燃焼しハウス暖房用補助熱源として利用できる「ボルテックス燃焼装置Air―K(渦流燃焼システム)」(型式はTSD―030)の3機種を発表した。また、5月9日に本社で創業100周年記念式典を行った。
遠赤外線乾燥機「レボリューション21」は40、45、50石の担い手・プロ農家向けで、同社独自の全粒照射方式・横がけ8層交差流下方式を採用、高品質仕上げと業界トップクラスの乾燥速度を実現。
主な特徴は、
- 強い=貯留層の底は荷重に強く頑丈な横がけ8層交差流下構造で、穀物を分散させ薄い層にし、それぞれの薄い層へ側面から温風が行き渡り高品質に仕上げる
- 速い=連続循環なので投入量が少ないほど遠赤照射回数が増えて、速く乾燥できる。
- 静か=斜流ファンは音が静か。設置場所に合わせて側面取り付けも可能。
- 省エネ=灯油消費量約15%減、消費電力約40%減(同社熱風型従来機比)。
色彩選別機「LEDスーパエコ選」の主な特徴は、
- 照明にLED搭載=LED光源は蛍光灯に比べおコメの選別に必要な光のみに絞れるため歩留まりが良い。蛍光灯に比べ消費電力は10分の1。
- 新型エジェクター(空気銃)搭載。
- 汚れに強いイーグルアイ搭載=ほこりやヌカなどの汚れに強く誤作動しにくい、おコメ専用の観察眼を採用。
8.サタケが電気多目的乾燥機を発売
野菜や果物などのドライ食品を手軽に作ることができる「電気多目的乾燥機ソラーナCUBE(キューブ)」で、庫内のトレイが3段タイプで乾燥量9kgのLH―103D型と、5段タイプで乾燥量15kgのLH―105D型の2型式。
いずれも灯油を使わない電気式でCO2の排出はゼロで臭気もない。また、機内のトレイに食材を並べ、操作パネルの、
- 乾燥時間
- 乾燥温度
- 排湿調節
―の3つを設定するだけの簡単操作で好みの乾燥具合に仕上げることができる。電気代も1時間当たり約12円(50度C設定時、LH―103D)と低コスト。
さらに小型製粉機(SRG05A=別売り)と組み合わせて乾燥食品を粉末にすることで利用用途が広がる―などの特徴がある。
<業界ニュース>
1.クボタが宮城県農業高校に直播で授業
宮城県名取市のクボタアグリサービス株式会社仙台事務所で、宮城県農業高等学校の生徒などを対象に鉄コーティング直播栽培の特別授業を行った。大震災からの復興を支援する事業の一環で、津波被害で機器・設備を失い、仮校舎で授業を進める同校の運営の一助とするもの。授業では、地元の株式会社五十嵐商会の協力を得て、鉄コーティング直播栽培技術の座学と実習を行った。また、別の日には被災した農家の圃場で直播作業を実施した。
大規模農業はもちろん小規模農業でもメリットの大きい直播について、技術の内容と特徴、優位性などを学習し、実際に技術を習得してもらうのに加えて、実地に製造した鉄コーティング種子を圃場に播き、収穫まで行い管理データを積み上げていく。
2.田中産業がゴアスーツ着用を農薬安全使用推進運動で呼びかけ
農林水産省が実施する春の農作業安全確認運動に呼応して実施しているもので、専用防除衣「ゴアテックス・ワークスーツ」を農薬散布に着用することにより、
- 農薬の皮膚侵入による危害から身を守る。
- 夏場に多発する、衣服内温度の上昇から起こる熱中症を防ぐ。
―など、安全作業の実施を狙いとしている。
推進運動の名称は「ゴアテックス・ワークスーツ“サンステラキャンペーン1000”」。ゴア・サンステラ購入者の中から抽選で1000名に賞品が当たる。賞品は、ワークスーツ、農園フード、キャップ、腕抜き、バック、ベッドシート、手袋、エコバックなど高い機能性を誇るゴア商品。
3.三菱農機がASUMAキャンペーンで第1回抽選会
4月1日から展開している「ASUMAスプリングキャンペーン」の第1回の抽選会。同キャンペーンは、この6月から出荷するトラクター・コンバイン・乗用田植機を、新しい統一ブランドである「ASUMA」としてスタートすることを記念して行っているもので、期間中にトラクター、コンバイン、乗用田植機のいずれかの新品を購入し、6月までに納入する人が対象。
賞品は、A賞(32V型地上・BS・110度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ)、B賞(ライスブレッドクッカーGOPAN)、C賞(CPRM対応・HDM端子搭載DVDプレーヤー)、D賞(体組成・体脂肪計付き体重計カラダスキャン)で、当選者はA賞とB賞がそれぞれ2名、C賞が20名、D賞が40名で、抽選はあと2回行われる。当選者にはセールス担当が賞品を届ける。
4.ヤンマーが100周年記念施設の地鎮祭行う
創業者生誕地の滋賀県長浜市の建設予定地で、「ヤンマーミュージアム(仮称)」と「グローバル研修センター(同)」の地鎮祭をとり行った。ヤンマーミュージアムは、エネルギーの有効活用と地球環境との調和を追求し、産業の発展に貢献してきた「ヤンマーの歴史と未来への取り組み」を、すべての来館者に体感してもらうことをコンセプトにしている。建物の建築デザインについてはほぼ決定し、現在館内の展示装飾の設計を鋭意進めている段階。完成時期は2013年3月下旬の予定。
隣接地に建設するグローバル研修センターでは、全世界のヤンマーグループ社員が、グループの経営理念やミッションなどを一貫的な教育プログラムで学ぶ。ミュージアム同様、建物の建築デザインについてはほぼ決定し、現在教育プログラムの策定を順次進めている。完成時期は2013年2月下旬を予定している。
地鎮祭には施主を代表してヤンマー株式会社・三澤広人専務が出席し挨拶を行った。また来賓を代表して藤井勇治長浜市長が両施設建設への祝意を述べるとともに期待を寄せた。
5.筑水キャニコムの包行会長が久留米大学で実践経営論を講義
地元の久留米大学で文学部、商学部、経済学部の2、3年生を対象に、「実践経営論」の講義を行ったもの。包行会長は「企業のグローバル化に伴い語学は英語、中国語は当たり前。しかし、マーケッティングをするには、現地語が欠かせない。ゆえに、留学生が競争相手。海外勤務、転勤ができない人は就職先が狭まる」と指摘。「会社の選び方」「会社選択時のキーワード」「面接必勝法」など単刀直入に学生に指導。「学生時代は友達を大切にしよう。社会人は信頼が重要視される。信頼は報・連・相から生まれる。会社のチームワークレベルは、上位のレベルに合わせる」と、持論を語った。
6.日農工の新会長に益本氏(クボタ会長兼社長)
第49回定時総会を開き、任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に、クボタ代表取締役会長兼社長の益本康男氏を選任した。益本新会長は、「日本の農業をどういうふうにしていけばよいのかを議論していく必要があると考える。できる限りの努力をしていく」と表明した。また、新任の副会長に山岡靖幸(ヤンマー)、蒲生誠一郎(井関農機)、島﨑誠(三菱農機)、寺前公平(三陽機器)の4氏が就任した。平成24年度事業では、農業機械の安全対策、国際化・貿易振興対策、東日本大震災復興支援を重点的に行っていく。農作業安全啓発事業を岩手展、高知展で実施する予定。
7.ヤンマーが会員制体験型農園を開設
直営の会員制体験型農園「ヤンマー遊悠ファームとよの」を大阪府豊能町にオープンした。初年度は、自然あふれる豊能町の魅力や豊かな里山の環境を知ってもらうため、体験イベントとして、米や野菜の植付け・収穫体験や、地元の伝統野菜作りなど地域の特色を活かした様々なイベントを随時計画・実施していく。
会員制体験型農園「ヤンマー遊悠ファームとよの」は、農地面積約60a。主な取り組み内容としては、都市住民の農業体験フィールドの提供・農業機械操作講習会の開催・地域と連携した都市と農村の交流活動の場提供―などで、豊野町、大阪府、大阪府みどり公社と連携し、農業の多様な担い手の育成や農空間の保全・活用、地域活性化の推進に一体となって取り組んでいく。
今年3月に創業100周年を迎えたヤンマーは、「食づくりのイノベーション」を長期的テーマに掲げている。同ファームではこのテーマに沿って、
- 会員制体験型農園の運営ビジネスモデルの確立
- 直営モデル農場のコンテンツ開発と事業採算性の検証
- ヤンマーの販売ネットワークを活用した全国展開の可能性検証
- 準農家(新規就農者・異業種からの就農者)育成のための研修コース導入の検討
8.農業機械実用化促進株式会社が、小型汎用コンバイン、果樹用農薬飛散制御型防除機の実用化促進事業参画企業決定を発表
「小型汎用コンバイン」及び「果樹用農薬飛散制御型防除機」については、生研センターにおける研究開発が完了し、実用化に向けて高性能農業機械実用化促進事業を推進することになり、新農業機械実用化促進株式会社において事業参画希望企業を公募(募集期間:3 月8 日〜3 月23 日)した結果、下記のとおり参画企業が決定。
- 小型汎用コンバイン
井関農機株式会社
株式会社クボタ
三菱農機株式会社 - 果樹用農薬飛散抑制型防除機
株式会社丸山製作所
ヤマホ工業株式会社