平成24年3月10日発行
- 山本製作所の新型乾燥機「ウィンディ ネックス」を初出荷
- オーレックが家庭菜園向けに電動耕うん機発売
- 三菱農機が24年度上期新商品としてトラクターや4条刈りコンバインを発表
- ニッカリの新社長に杉本宏氏
- ヤンマーが6、7条刈コンバインを新発売
- クボタがコンバイン・ワールドシリーズ2機種を発表
- クボタが機構改革、農業機械総合事業部を新設
- スガノ農機が事務局を務める関東甲信越土を考える会が総会と研修会を開催
- タカキタがイタリア製ブロードキャスタを北海道向けに発売
- タイショーが新型穀物搬送機「レザーコンテナ」を発売
- 産直向けの業務用精米機をサタケが発売
- 諸岡の会長・諸岡一雄氏が逝去
- ホンダが機構改革を行い、汎用パワープロダクツ事業本部を設置
1.山本製作所の新型乾燥機「ウィンディ ネックス」を初出荷
新型乾燥機「ウインディ ネックス」HD―ARシリーズの初出荷に当たり、山本製作所ではセレモニーを行い、初日生産3台が新潟県へ向け初出荷された。その席上、山本惣一会長は「この乾燥機が大ヒット商品となり、新たな礎を創ることを祈る」と期待を寄せた。同機は、風量と温度の制御を関連させた画期的な乾燥方式「スマート乾燥」により、最低処理量から満量まで、全ての張込量に対して最適に乾燥することで大幅な省エネ化を実現。これまでの乾燥機以上の使いやすさ、機能・性能を追求しながら、低価格化を図っている。
2.オーレックが家庭菜園向けに電動耕うん機発売
家庭菜園・ガーデニング向けの小型電動耕うん機「e―pico(イーピコ)」SCM400で、国内発売のミニ耕うん機では初めて(同社調べ)の電子制御装置により「急発進を防ぐゆっくり始動」「レバーひとつで前進/後進ワンタッチ切替」「石などの衝突や異物噛込みの時に警報音で知らせる保護機能」を装備した。また、少ないギヤ数でモーターの力を最大限に引き出すハイポイドギヤ駆動をミニ耕うん機で初めて(同)採用。これにより高い伝達効率で作業時間短縮を図りながら耐久性も飛躍的に向上、静かな耕うん作業が可能になった。菜園初心者をはじめ女性や年配の方も楽に安全に操作ができ、音が静かなので住宅地などでの作業にも適する。
3.三菱農機が24年度上期新商品としてトラクターや4条刈りコンバインを発表
トラクターは「GX511ET」で、生産コスト低減要望に応えた。低価格でありながら高耐久かつ、従来機種と同等の機能を持つ。主な特徴は、
- 排気量2505ccのターボ(Zチャージ)エンジンは、全回転域で優れたトルクを発揮。深耕作業をはじめあらゆる重負荷作業に対応する。エンジン回転を抑えながらの低燃費作業も可能。
- 作業拡大の決め手となる油圧揚力はこのクラスでは群を抜く1900kgf。散布作業をはじめロータリシーダやうね立て同時マルチなどの複合作業にも余裕で対応。
- 最高移動速度は毎時31.9km。2WD路上走行時にブレーキを踏めば自動で4輪ブレーキがかかる安全機能も装備しているのでトレーラ運搬も安心。
―など。
コンバインは、4条刈の「VY446」と2条刈の「VMB213」「同215」「同217」。このうち「VY446」は、スタンダード4条刈コンバインに好評のスーパーeスレッシャー(撥水加工遥動板+送塵量自動調節機能)を装備し、低燃費・低コストな刈取作業が行える。スーパーeスレッシャーで高水分材でも籾やワラクズが遥動板に張り付くことなくロスが少ない。これまで穀物の水分割合が高いため避けていた朝夕の収穫作業が可能となり、一日のコンバインの稼働時間が拡大。刈取適期に収穫可能な面積の拡大が図れ、穀物生産の低コストと高品質化を期待できる。
4.ニッカリの新社長に杉本宏氏
1月30日開催の第53回定時株主総会並びに取締役会で、新社長に代表取締役副社長の杉本宏氏が昇格、就任した。なお退任した代表取締役・中山孝史氏は相談役に就任した。新社長は昭和46年生まれの40歳。創業者杉本稔氏の孫に当たる。趣味はテニスと読書。
略歴は、平成3年4月大阪大学工学部入学▽7年4月大阪大学大学院工学研究科入学▽9年3月大阪大学大学院工学研究科修了▽同年4月三菱重工業・広島製作所入社▽14年1月三菱重工業・広島製作所退職▽同年3月ニッカリ入社▽20年1月取締役就任▽22年1月代表取締役副社長就任▽24年1月代表取締役社長就任。
5.ヤンマーが6、7条刈コンバインを新発売
耐久性や点検整備性を徹底追求した「アスリートプロAG6114(6条刈)・同AG7114(7条刈)」で、作業能率、作業精度、耐久性を備え、さらにハンドル操作を電気信号化した電子制御式FDS「e-control FDS」を採用するなど、操作性を向上している。
主な特徴は、
- 排ガス国内特殊自動車2次規制に対応すべく、排気量を少なくしながら高出力を実現した、最新の114PSコモンレールエンジンを搭載。
- 6条刈AG6114はクラス最速2.0m/秒で高能率作業を実現。7条刈AG7114は、ゆとりのある作業速度(最速1.76m/秒)をキープしながら、プラス1条で6条比約12%の効率向上を実現。
- 常に車体を水平に保つよう自動コントロール。安定した刈取作業を行える「ピッチングUFO」を採用(P仕様)。クラス最高の最低地上高468mmを確保。湿田でも軽快な作業が可能。高速作業時、「OKリフト」は凸凹な圃場での分草板の突っ込みを防止(P仕様)。
- ハンドル操作を電気信号化した電子制御式FDS「e-control FDS」により、操作力を軽減でき、操舵フィーリングを更に向上。「最高速度設定ダイヤル」は最高速度を「最大速度の50%〜最大速度」の間で設定可能。「旋回モード切替スイッチ」は標準(小回り)・ソフト(中回り)・湿田(大回り)の3つのモードを選択可能。さらにセンターディスプレイで5段階、圃場条件に合わせた計15段階の旋回力調整が可能。
6.クボタがコンバイン・ワールドシリーズ2機種を発表
機能を絞り込んだシンプルな仕様で低価格を実現、農家の生産コストダウンに貢献するアジア共通設計のコンバイン・エアロスターワールドシリーズで、6条刈の自脱コンバイン「WR698」と普通型コンバイン「WRH1000」。
6条刈の「WR698」は4条、5条に続く第三弾で、アジア各国で通用するコンバインの必要条件である、高い基本性能、耐久性、シンプル機能・低価格を開発コンセプトとしている。
主な特長は、
- 最高出力98馬力の高出力を実現。コモンレールにより、低燃費、クリーンな排ガスで環境にやさしい『V3800大排気量エンジン』を搭載=高いトルクにより多様な使用条件でも能率よく作業が行える。また、吸・排気効率の高い3バルブ機構と燃焼効率に優れたE―TVCS(新3噴流燃焼方式)により、高出力で低燃費を実現。
- 『大径ロングこぎ胴』&『ワイド揺動板』を採用、高い脱こく能力とロスなくきれいな選別を可能にする。
- 機能を絞り込んだシンプルな仕様で低価格を実現、業界最安価6条刈コンバイン。
―など。
7.クボタが機構改革、農業機械総合事業部を新設
4月1日付の役員異動・機構改革・人事異動ならびに6月下旬予定の役員異動を発表し、機構改革は
- 機械事業など現行の3事業本部を廃止。
- 事業部の統廃合
- 間接部門への本部制導入
―など。
トラクタ事業、作業機事業、関連商品事業の3事業部を統合した「農業機械総合事業部」を新たに設け、同総合事業部長には、飯田聡・常務執行役員機械海外本部長が就任、農機海外営業本部長を兼任する。同事業部農機国内営業本部長は大和經宜・機械営業本部長が就任する。
現行の14事業部は、農業機械、エンジン、建設機械、パイプシステム、水処理、素形材、電装機器の7事業部に再編、社長直轄組織となる。
トラクタ事業など3事業部を統合して新設する「農業機械総合事業部」の下には「農機国内営業本部」「農機海外営業本部」「農機技術本部」を置く。また「機械サービス本部」を新設、管轄下に「機械サービスユニット」「機械品質保証ユニット(現行の機械品質保証本部を移管)」「部品ユニット(現行の部品事業部を移管)」を設置。機械研究本部は「機械開発本部」に改称する。機械営業本部、機械海外本部、機械製造本部は廃止する。
間接部門への本部制導入では現行の15部門を研究開発、品質・モノづくり、CSR、人事・総務、企画、事業開発の6本部に再編。CSR推進本部は「CSR本部」に改称する。
8.スガノ農機が事務局を務める関東甲信越土を考える会が総会と研修会を開催
茨城県において開催された、関東甲信越土を考える会(三輪民雄会長)の「2012年度総会・研修会」では、研修会のテーマを「地域での連携・協調・共有」とし、茨城県つくば市の農業生産法人関農産の圃場において、ハーフソイラ、リバーシブルプラウ、スタブルカルチ、バーチカルハローなどの作業機を実演した。
その後、研修会場へ場所を移し、ソメノグリーンファーム(茨城県板東市)の染谷実氏が「地域の仲間づくりが可能性を拡げる」と題して、また、小笠原幸治氏(長野県伊那市)が「誰でもが理解しやすい“良品質”とは」と題して、それぞれ実践報告を行った。続いて、「これからの作業機について考える」とした意見交換が参加者全員により行われ、活発な質疑応答が交わされた。
9.タカキタがイタリア製ブロードキャスタを北海道向けに発売
イタリア製「AGREXブロードキャスタ」4機種17型式を北海道地区限定で輸入販売するもの。ブロードキャスタPシリーズ、トラクタ直装式のツインブロードキャスタXPLシリーズ、大容量タイプのXPIシリーズ、トラクタ牽引式のツインブロードキャスタMAXIシリーズ。ブロードキャスタPシリーズは、トラクタ直装式、散布装置がスパウト式で散布幅が6〜12m。ツインブロードキャスタXPLシリーズは、トラクタ直装式、散布装置がツインスピンナ式で散布幅12〜24m。大容量タイプのXPIシリーズは散布幅18〜32m。ツインブロードキャスタでトラクタ牽引式のMAXIシリーズは、散布幅12〜24m。肥料の繰り出し量がトラクタの走行速度と連動して一定量を均一に散布できる。
10.タイショーが新型穀物搬送機「レザーコンテナ」を発売
穀類搬送機の新型レザーコンテナ「新ウイング」WBシリーズ(3型式)を3月より本格的に発売開始する。同シリーズは、従来型(WAシリーズ)の機能を維持しながら、重量を約22%減量化。軽くすることで、安全性・快適性を追求した。また、ホッパーを付けたまま、支柱などを外すことなく、工具なしで折りたたみができ、収納・組み立てが極めて簡単に行える。さらに、ネジジャッキ式の回転スタンドスタンド(オプション)を装着することにより、軽トラックへの積み降ろしも安全に行うことができ、収納もコンパクト化できる。脱着式のフレキシブルホースは、180度回転し、作業状況に応じた排出作業ができる。全面メッシュのホッパーにより、どこからも籾の量が一目でわかり、残量を確認しながら安心して排出作業が行える。価格は、高性能ながら従来型からの据置きとなっている。
11.産直向けの業務用精米機をサタケが発売
産地直売用の業務用精米機をリニューアルし「美白米エース」(型式=BWA500A)の愛称で全国販売に踏み切った。米を直販する一部のユーザーから、メンテナンスにおいて搗精部の清掃が占める割合が高く、作業負担の軽減が求められていたことから、こうした声に応えて従来機を一新し、より使いやすい機能を盛り込んで新発売したもの。リニューアルした「美白米エース」は、残米排出機構を備えており、ボタンを押すだけで簡単・迅速に残米を排出できるため、メンテナンス作業の負担が軽減された。また、移動に便利なキャスターを標準装備したほか、従来機に比べ機体幅を55mm、奥行を20mmコンパクトにしたことで設置性がより一層向上した―などの特徴を備えている。
12.諸岡の会長・諸岡一雄氏が逝去
諸岡の創業者で、代表取締役会長の諸岡一雄氏は2月18日午前0時41分に亡くなった。80歳だった。通夜は22日、告別式は23日、それぞれ龍ヶ崎市営斎場でしめやかに執り行われた。喪主は長男で、同社代表取締役社長の諸岡正美氏。後日、故人を偲び「お別れの会」を社葬として執り行う。
故人は生前、日本で初めて超大型のトレンチャーを開発。また、ゴムクローラ走行におけるHST操作、さらに、業界初となるフルゴムクローラトラクターの開発など、革新的な機械を世に送り出し、農林業界、建設業界を始め幅広い分野に大きく貢献した。
13.ホンダが機構改革を行い、汎用パワープロダクツ事業本部を設置
4月1日付で実施する。組織変更の内容は、 1.汎用事業本部を汎用パワープロダクツ事業本部と名称変更する。 2.カスタマーサービス本部汎用サービス部、汎用品質改革部、生産本部汎用生産企画室を汎用パワープロダクツ事業本部に組織移管し、汎用パワープロダクツ事業本部サービス部、汎用パワープロダクツ事業本部汎用品質保証部、汎用パワープロダクツ事業本部生産企画室とする。 3.汎用事業本部コンシューマープロダクト事業室を、汎用パワープロダクツ事業本部コンシューマープロダクツ事業室に名称変更する。 4.日本営業本部汎用営業部を日本営業本部汎用パワープロダクツ営業部に名称変更する。 汎用パワープロダクツ事業本部長には、執行役員志賀雄次氏(欧州地域本部CIS・中近東・アフリカ担当)が就任する。
http://www.honda.co.jp/news/2012/c120221d.html
http://www.honda.co.jp/news/2012/c120221b.html