平成23年12月10日発行
- 静岡製機が多目的電気乾燥庫にキャラクターマーク設定し、キャンペーン
- ヤンマーの元副社長・現相談役の畑山哲三氏が藍綬褒章を受章
- スズテックが過熱水蒸気式ファンヒーター発売
- サタケと山本製作所が遠赤乾燥機を共同開発
- 本田技研工業の中国・嘉陵ホンダの新工場が完成
- スガノ農機が協力し「1粒点播」実現
- 松山記念館で「フードファディズム」テーマに文化講演会
- サタケが「ピカ選」の3.2tタイプを新発売
- 生研センターと新農機㈱が「可変径式TMR成形密封装置」で現地検討会
- 日農工の地方大会で24年の見通しを発表
- やまびこが2012年度代理店会議を開き、新製品を発表
- ヤンマーの農機事業本部長に小林氏
- 井関農機が食と農の祭典ファーマーズ&キッズフェスタに出展
1.静岡製機が多目的電気乾燥庫にキャラクターマーク設定し、キャンペーン
ユーザーが親しみを持ち、身近な電化製品として馴染みを深めてもらうようにと、多目的電気乾燥庫DSJシリーズの愛称名をドライ(乾燥)とハッピー(幸福)を組み合わせ「ドラッピー」とした。キャラクターマークは、人に似せたトマトのイラストを中央に、上下に矢印マークを配した可愛い図柄となっている。これに伴い、24年3月31日まで、DSJシリーズを購入し、アンケートハガキを返送したユーザーに対して、乾燥野菜・果物のレシピをまとめたオリジナル小冊子をもれなくプレゼントする「ドラッピーレシピ集・プレゼント」キャンペーンを展開する。
2.ヤンマーの元副社長・現相談役の畑山哲三氏が藍綬褒章を受章
今年の秋の褒章で栄誉に輝いた。畑山氏は「この度、受章の栄に浴し身に余る光栄です。これは私が永年携わって参りました舶用業界並びにヤンマーグループに与えられたものであり、社内外の諸先輩を初め、業界並びに関係各位のご指導、ご支援に心より感謝申し上げます。これを機に、より一層の研鑚に励み、海事産業の発展に微力を尽くしてまいりたいと思います」と受章の喜びを語った。
3.スズテックが過熱水蒸気式ファンヒーター発売
過熱水蒸気は、水を沸騰させた水蒸気をさらに加熱したもので、ドライの状態になって非常に多くの熱を蓄えることができる。それを室内暖房機に利用したもので、名称は「スチームキューブ」。同機は200度C近い熱を発生、クリーンで極めて効率的な暖房が行える。ボイラーとの併用稼働で、重油・灯油の消費を大幅に削減でき、水と電力がエネルギーのため、温室効果ガスの削減につながる。蒸気の対流で均一に暖房し、適度な湿度で乾燥を抑え、植物の生長促進・病気の予防にもなる。当面ハウス暖房の補助暖房機として販売を進める。
4.サタケと山本製作所が遠赤乾燥機を共同開発
サタケは「ソラーナ・ネックスSDRシリーズ」、山本製作所は「ウインディ・ネックスHDシリーズ」で、30石から55石まで5石刻みで全6型式。いずれの型式も、
- 省エネと安定乾燥
- より求めやすく
- より使いやすく
を追求し、コストパフォーマンスを高めた次世代の遠赤外線乾燥機。共同研究開発による両社の保有技術の融合により、製品開発力の向上と効率化が図られ、コストダウンにも寄与している。
具体的な特徴は、
- 従来一定であった送風機の回転数をインバータで自動制御することで、張込量や水分値にあった最適な風量で乾燥することにより、電力消費量や燃料消費量を大幅に削減。
- 従来の価格でワンランク上のモデルを購入できる。
- 大型蛍光表示管の搭載、業界初のSDメモリカードを搭載、多様な乾燥パターンが標準装備で搭載。
―など。
5.本田技研工業の中国・嘉陵ホンダの新工場が完成
中国における汎用製品生産販売合弁会社である嘉陵―本田発動機有限公司の新工場で、鋳造、プレス、塗装、完成品の組み立て、点検、製品梱包などの生産工程を備え、旧工場で培った生産技術と新たな環境技術を取り入れた先進的な工場として稼働を開始した。嘉陵ホンダでは、汎用エンジン、ポンプ、芝刈機などに加えて、今年4月から小型耕うん機の生産も開始した。また、汎用エンジンのGX390は、今年8月に、中国環境保護部が発表した厳しい排出ガス規制を、業界で初めてクリアするなど、新しい価値を持った商品の提案や環境対応に積極的に取り組んでいる。現在中国国内向けの生産、販売に加え輸出も行っているが、国内の需要拡大の見込みに加え、今後輸出も拡大する予定。
6.スガノ農機が協力し「1粒点播」実現
岡山県の嘉数(かすう)末弘さんの夢であった「1粒点播」による乾田直播が、近畿中国四国農業研究センターとスガノ農機が協力し、実現した。近畿中国四国農業研究センターでは水稲種子の形状に合わせた穴を持つ播種ロールを考案、これをスガノ農機が試作した。播種は6月4日に行われ、試作した播種ロールを装着したスガノ農機製のバーチカルハローシーダーを用い、条間は30cm、株間は23cmの設定により、「1粒点播」した。播種量は10a当たり超薄まきの380gであった。その稲刈りが10月に行われ、単収は地域の慣行並みの1反当たり8.7俵となった。
7.松山記念館で「フードファディズム」テーマに文化講演会
講演したのは群馬大学教育学部教授(農学博士)の高橋久仁子氏。松山記念館は、創業者の偉業の数々と、後に松山犂として全国に普及した双用犂の開発にいたるまでの資料、現物、模型などを展示しているほか、当時の農業環境や風俗を知る貴重な民族資料館の機能も果たしている。高橋氏は、フードファディズムを「食べ物や栄養が、健康や病気に与える影響を過大に評価したり信じること。科学的根拠のない神話」と規定し、情報に惑わされないようにと警告。健康の維持・増進は、栄養(食う)・運動(動く)・休養(寝る)が3要素であり、このバランスが大事だと語った。
8.サタケが「ピカ選」の3.2tタイプを新発売
6〜8インチの大型籾すり機に対応する「ピカ選」の3.2tタイプで、FGS―3000(玄米専用機)。主な特徴は、
- 最大玄米処理量3.2t/時の大流量処理を実現。6インチや8インチの籾すり機に直結し玄米選別が可能(玄米専用)。
- ピカ選FGSシリーズで、その選別性能の高さを実証したフルカラーCCDカメラを搭載。モノクロカメラではできない微妙な色合いの差を判断する。
- 昇降機、タンク、ホッパーの一体型構造で面倒な付帯品は不要。
- 昇降機、排塵装置の大型化や搬送系の強化を行うことで大流量と高耐久を実現した。
9.生研センターと新農機㈱が「可変径式TMR成形密封装置」で現地検討会
「可変径式TMR成形密封装置」はIHIスターが協力し、緊プロ事業で2008年度から開発を進めているもの。開発機はトラクター仕様とモーター駆動仕様の2種類があり、粗飼料や濃厚飼料などの混合飼料(TMR)を調製できる。細断型ロールベーラを用いた場合の高密度梱包による品質確保や梱包作業自動化が可能になる利点と、ニーズに応じ大きさを変更できるフレコンバッグ利用時の利点を併せ持ち、長期保存可能な発酵TMRを調製・梱包する。
10.日農工の地方大会で24年の見通しを発表
各部会長が報告した。それによると、平成23年予測値では、前年比でトラクター100%、防除機101%以外の機種はマイナスとなった。23年は、東日本大震災の影響により減少した機種が多くがみられた。24年の予測値ではトラクター101%、管理機101%、防除機103%、刈払機100%、コイン精米機109%と、4機種が増加見通しとなっている。田植機は99%、コンバインも99%を見込んでいる。
11.やまびこが2012年度代理店会議を開き、新製品を発表
新製品はチェンソー、刈払機、SS、ラジコン動噴、発電機・溶接機など。このうちチェンソーのCS540は、ECOエンジンを搭載。環境性能と低燃費を実現したハイパワープロソーとして発売。同社製チェンソー初となる独自の層状掃気エンジンを採用している。また、共立スピードスプレヤー「SSV1009FSC」は、新開発のグレードルサスペンションにより、作業時の揺れや振動を吸収し、圃場走行中の作業者の疲労を軽減。ドリフト低減に効果的なやまびこノズルと、やまびこ等速ファンにより、均一で的確な散布を実現している。
同社では3月にエンジン生産累計5500万台を達成したことから、来年度は「ありがとう5500万台、そしてこれからも」を合言葉として5500万台キャンペーンを展開する。併せて、来年は、スピードスプレヤーを発売して55周年となることから、共立SS発売55周年記念キャンペーンを実施する。
12.ヤンマーの農機事業本部長に小林氏
1月1日付で人事異動を行い、農機事業本部長に小林直樹氏が、開発統括部長に大久保稔氏が、生産統括部長に新村誠氏が、企画管理部長に森山弘寿氏が、商品企画部長に雪野弘泰氏が、国内営業部長に増田長盛氏がそれぞれ就任する。またヤンマー農機販売では、会長に田中博氏、社長に原田正孝氏が就任する。
13.井関農機が食と農の祭典ファーマーズ&キッズフェスタに出展
都内の日比谷公園で開かれた同フェスタに、キッズミニ農園や農機体験コーナーを設営し、トラクターやコンバイン、電動ミニ耕うん機などを出品した。初日は、朝から強い雨に見舞われたものの、朝のテレビニュースで催しが紹介されたこともあり、家族連れを中心に客足は順調に伸び、雨が小降りになるとシートを外して行った特設ほ場での電動ミニ耕うん機「エレ菜」「あすな」(アグリップブランド)の耕うん体験は、行列ができる人気ぶりだった。