平成22年10月8日発行
- 日農工が除雪機の安全利用へチラシ作成配布
- 静岡製機が旋回気流式製粉機「サイクロンミル」に新型
- 諸岡が農業用トラクターのレンタル事業を開始
- 三菱農機が30周年記念誌を作成
- ホンダが除雪機ダブル早得キャンペーン
- 有光工業のキルパー液剤専用土壌消毒機にクローラタイプ
- 農林水産省が2010年世界農林業センサスの結果発表
- サタケがエコノミータイプの「自主検定装置」発売
- 丸山製作所の新社長に尾頭氏
- 丸山製作所とショーシンの共同出資会社が新型スピードスプレヤー発表
- 筑水キャニコムから四輪電動スクーター「おでかけですカーEJ50」
- ニッカリが手軽な手押し式草刈機を発売
- 菅改造内閣の農林水産大臣に鹿野道彦氏
- 農研機構が研究成果発表会「農作業ロボットは労働力不足を救えるか?」を開催
1.日農工が除雪機の安全利用へチラシ作成配布
日農工の除雪機安全協議会が作成した。歩行型除雪機による事故を防ぐために守るべき4つのポイント、
- 人がいる時は使わない
- 雪かき棒を使って
- エンジンを掛けたまま離れない
- 後方注意
ポイントとして、「作業中に絶対にまわりに人を近づかせない」、「雪詰まりを取り除く時は、エンジンを停止し、必ず雪かき棒を使う」、「作業の時以外は、必ずエンジンを停止する」、「後進する時は、足もとや後方の障害物に気をつける」ことを訴えている。
2.静岡製機が旋回気流式製粉機「サイクロンミル」に新型
小型・汎用タイプの「SM―150」(処理能力・毎時約1〜10kg)。2つのインペラを高速で回転させ、大量の気流で冷却しながら製粉を行う旋回気流式のため、高品質な微粉に仕上げることができる。また、インペラやブロワーの回転速度を変えることにより、粒度の調整が容易に行える。米を始め、麦、大豆、ソバ、お茶、カニ殻など多くの農水産物の微粉砕が可能な汎用タイプ。操作画面は大型液晶のタッチパネル式で分かりやすく、簡単に運転操作できる。安全のため、装置の潤滑油には食品機械対応油を使用。また、旋回気流式で粉砕しているため、装置の磨耗がほとんどなく、機械の損磨耗粉が混入する心配がない。
3.諸岡が農業用トラクターのレンタル事業を開始
貸し出す農機は、韓国・大同工業製の40馬力キャビン付きトラクター。茨城県から進め、次第に関東へと拡大していく。トラクターは、パワステ・4輪駆動・倍速ターン・自動水平制御・自動耕深など高性能で、しかもシンプル機能のため、乗り慣れない農家(作業者)でも簡単に操作できるなどの特徴がある。同社より各農機店にトラクターを貸し出し、そのトラクターを農家に数日単位(1日でもOK)でレンタルする。前もって予約を入れれば、希望の日時に迅速に納品できる体制も整えるとしている。
4.三菱農機が30周年記念誌を作成
1980年2月1日、佐藤造機と三菱機器販売が合併し発足して以来、今年2月に設立30周年を迎えたことから作成した。会社をあげて30周年キャンペーンを展開しており、その一環となるもので、昨年12月に編集委員会を発足し、編纂に当たってきた。記念誌はA4判、本文72ページの体裁で、1ページ目に社是を墨字で大きく掲げ、次いで清水社長の挨拶、三菱重工業の菱川明取締役執行役員汎用機・特車事業本部長と労組の堀内幹夫執行委員長の祝辞と続き、そのあと鴨下明治、坂田壤、寛司万人、愛川展功の歴代社長4氏が祝辞を寄せている。
5.ホンダが除雪機ダブル早得キャンペーン
11月30日まで実施する。特典は2つで、
- 全モデルに盗難補償2年。
- ハイブリッド除雪機購入者には、ハイブリッド除雪機誕生10周年を記念して、抽選で100台に1台、JCBギフトカード10万円分をプレゼントする。
11月30日までに日本国内の販売店で新品のホンダ除雪機(2010年カタログ掲載モデル)を購入のうえ、「お客様登録」を行った人が対象。応募方法は製品保証書に同梱されている「お客様登録カード」に記入のうえ、投函することで自動で行われる。10月31日までの購入者(かつ11月15日までの応募分)をもって1回目の抽選を行う。1回目の抽選に外れた場合も、11月の購入者を対象とした2回目の抽選に参加でき、早期購入のメリットが大きい。
6.有光工業のキルパー液剤専用土壌消毒機にクローラタイプ
臭化メチル代替のキルパー液剤専用土壌消毒機には、連続注入式と散布混和式の2種類があり、連続注入式は、土中に注入刀から薬液を吐出する。新型のクローラ機も連続注入式。散布混和式は、ロータリー刃の直前に薬液を噴射し、ロータリーで土壌と混和する。畝立て機とマルチャーを装着すると、土壌消毒・畝立て・マルチの作業が1工程で済み作業時間が削減できる。連続注入式でクローラ機のDSK―5CⅰWは、安定した走行ができるため、注入処理が効率的にできる。また、注入刀がクローラ外幅より10cm外側に出ているため、圃場の端まで確実に処理が可能。
7.農林水産省が2010年世界農林業センサスの結果発表
それによると、平成22年2月1日現在の農林業経営体数は172万3000となり、5年前に比べ36万2000、17.3%減少した。うち農業経営体数は167万6000で5年前比16.6%減。農業経営体のうち、販売農家数は163万1000戸で、5年前に比べて33万2000戸(16.9%)減少した。
専兼別でみると、専業農家は45万2000戸で、5年前に比べて9000戸(1.9%)の増加、第1種兼業農家は22万6000戸で8万3000戸(26.8%)の減、第2種兼業農家は95万4000戸で25万8000戸(21.3%)の減少となった。
主副業別では、主業農家が36万戸、5年前に比べて6万9000戸(16.1%)の減、準主業農家が38万9000戸で5万4000戸(12.2%)の減、副業的農家は88万2000戸で20万9000戸(19.2%)の減となった。
農業就業人口は260万人で、5年前比で75万人、22.4%減少した。この主な背景には農業者の高齢化があり、農業就業人口の平均年齢は65.8歳(同2.6歳増)になっている。
8.サタケがエコノミータイプの「自主検定装置」発売
カントリーエレベータやライスセンターなどの共同乾燥調製施設用。乾燥籾や乾燥麦の整粒歩留が検定できる。型式はPI30C。検定データの出力方法を従来の光ファイバーによるパソコンとの通信に、新たにUSBメモリによる保存機能を追加するとともに、籾すり、粒選別作業によって発生する籾殻などの処理についても配管を経由して室外に排出する従来の方法に、新たに専用の籾殻袋に溜めた後に回収する方法を追加し、それぞれの組み合わせを自由に選択できるようにしている。
さらにオプションのバーコードリーダーで荷受時に発行されたバーコードを読み取ることにより、検定に必要な荷受月日や荷受ナンバーなどの入力作業を省くことができる。
9.丸山製作所の新社長に尾頭氏
10月1日付で尾頭正伸氏が代表取締役社長に就任した。内山治男社長は代表取締役会長となった。尾頭氏は昭和27年5月生まれ。千葉県出身。51年に東京農工大学農学部を卒業後、同年4月に入社。平成13年に取締役、15年に常務取締役、20年10月に専務取締役管理本部長、21年10月に同国内営業本部長兼海外事業部長となり、今回社長に就任した。
10.丸山製作所とショーシンの共同出資会社が新型スピードスプレヤー発表
両社が昨年4月に共同出資し設立したM&Sテクノロジーが開発したタンク容量600Lの新型スピードスプレヤー2タイプ。基本的な構造は従来機と同じだが、倍速旋回、2WDで走行中にブレーキを踏むと自動的に4WDに切り替わるブレーキシステム、パドル式散布コックなど先進機能を搭載している。来年4月から発売する。
倍速旋回をスピードスプレヤーに初めて採用。1本レバー操作のHSTで、デジタル式スピードメータを装備し常に車速を確認できる―などの特徴がある。
11.筑水キャニコムから四輪電動スクーター「おでかけですカーEJ50」
新カテゴリーの電気原動機付き自転車で、手軽で安全、静かで簡単操作、隣近所(ちょっとそこまで)の移動に、エコなスクーター。車の代わりに十分な最高時速22kmで走行できる。「近場の通勤や買い物」「田畑の水やりや水田の見回り」「都心部、中心街など渋滞が多い道路、路地など狭い道路を主に走行する方」「自然環境を大切にしている施設、動物園・植物園・テーマパーク等の施設内」などに普及を図る。充電は家庭用コンセントで行え、約8時間の充電で40kmの走行が可能。
12.ニッカリが手軽な手押し式草刈機を発売
特殊形状の鉄刃と飛散防護カバーを装備した、平坦地用途のモップ式草刈機「ニッカリMP-261」。特殊な刈刃と飛散防護カバーはイタリア製で、刈り取る草を細かく粉砕するとともに、飛散物を低減、ホバークラフトのような浮力を発生するため、軽い力で機体操作が行える。その他、主な特徴は、
- 防振構造のエンジンマウント。
- 刈高さを調節できる補助輪。
- エンジンを保護するシュノーケル付きエアクリーナ及び防葉カバー。
- 運搬や収納に便利な折りたたみハンドルを採用。
13.菅改造内閣の農林水産大臣に鹿野道彦氏
菅改造内閣の農林水産大臣に鹿野道彦氏(山形1区選出、68歳)が就任し、農林水産副大臣には、筒井信隆氏(衆議院新潟6区選出、65歳)、篠原孝氏(再任、衆議院長野1区選出、62歳)、農林水産大臣政務官には松木けんこう氏(衆議院北海道12区選出、51歳)、田名部匡代氏(衆議院東北ブロック選出、41歳)が就任した。
鹿野大臣は就任に当たり、記者会見で「攻撃型の農林水産省に、農林水産行政に転換をしたい」とし、「全国の農村地域の現場の声、生の声を聞いてみたい。農林水産省として、食の安全を確保する、未来に向かって、将来に向かっての食料安全保障政策をきちっと確立する、環境を守っていくことに、国民からの理解をしてもらうよう視野を大きくして取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
14.農研機構が研究成果発表会「農作業ロボットは労働力不足を救えるか?」を開催
農研機構交付金プロジェクト「農作業ロボットによる分散錯圃に対応した超省力作業技術の開発」により、農研機構が開発した農作業ロボット技術についての成果発表会が10月7日、茨城県つくば市の中央農業総合研究センターで行われた。ここでは講演会として、プロジェクトの全体構想並びに個別ロボットの紹介、通信制御の標準化、安全性について、農作業ロボットについての経営的評価などが発表されたほか、午後からは実演会が行われ、堆肥散布ロボット、トラクターロボット、田植えロボット、コンバインロボット、トラクターロボット+施肥播種機、遠隔通信システム―などの成果が披露された。