平成22年5月10日発行
1.サタケが英国にサタケ・ヨーロッパを設立
従来のイギリス支店を格上げし、新たに全額出資の現地法人であるサタケ・ヨーロッパ(SATAKE EUROPE LTD.=略称SEU)を設立した。イギリス支店はこれまでヨーロッパ、中近東、アフリカ地域の営業・サービス拠点として重要な役割を果たしてきたが、同地域での存在感を高めるためや、独立採算制を向上させ、国際市場における様々な環境変化や顧客のニーズに迅速かつ効率的に対応するなどの目的から現地法人化した。
2.ヤンマーが農機事業を新体制に
中根康有常務を事業本部長とする「農機事業本部」を置き、傘下に、企画管理部、技術管理部、品質保証部、トラクタ統括部、作業機統括部、国内営業部、海外営業部、施設事業部の8部を設けた。このうち、企画管理部には企画部、管理部、ソリューション推進部があり、ソリューション推進部ではソリューション提案の立案と方向付けを行う。トラクタ統括部では、市場に近い営業部隊とは別建てとして開発と生産に特化する。作業機統括部も同様に、開発と生産に特化する。国内営業部では、全商品の営業を担当する。
3.井関農機が疎植の取り組みを強化
社内認定制度として「疎植営農指導員制度」を設け、同社が推進している「37株疎植」への取り組みを一段と強化し、さらなる普及を図る。指導員は、疎植栽培技術の習得レベルに応じてクラス構成され、「疎植パートナー」と「疎植アドバイザー」から成り、同社並びにグループ販売会社(ヰセキ北海道を除く)におけるセールス担当者が対象。パートナーは疎植栽培の基本技術を習得し、疎植栽培の提案並びに農家と一緒に生育状況の管理・記録を録る。アドバイザーは栽培に関するより深い知識を持ち、記録から科学的な根拠に基づき生育状況の良否を判断し栽培のアドバイスを行う、としている。
4.山本製作所が造粒減容機「FG−500BW」を完成
同機は、かさばるエアキャップやプチプチなどの気泡緩衝材を30分の1〜50分の1に減容することができる。従来の圧縮より大幅な減容化を実現し、保管や運搬が効率的に行え、さらに有価物となるリサイクル原料を創出し、低コストリサイクルを可能にした。
主な特徴は、
- 気泡緩衝材(エアキャップなど)を30分の1〜50分の1に減容し、比重0.3〜0.4g/立方cm程度の流動性の高い処理品(グラッシュ)に加工する。
- 減容には、ヒーター方式を採用しない摩擦熱方式のため、熱劣化の少ないリサイクル原料が再生される。
- 操作部・注水配管などをコンパクトにビルトインしているため、機体が小さく排出元に配置可能。
5.松山が搭載型シーダーUFシリーズなど発売
新発売したのは、麦・大豆・米(乾田直播)・ソバ等の高精度、高能率な施肥・播種作業のための新機能を搭載した大規模経営対応の高機能シーダー「搭載型UFシリーズ」11型式、砕土専用のロータリにUFシリーズを搭載したスリップローダーシーダー「SRA241シリーズ」4型式、ロータリーカルチ「RK20シリーズ」2型式。
このうち、搭載型シーダーUFシリーズは、「ニュー制御システム」を採用し、繰出軸はモーター駆動による強制落下方式で、湿田等の条件の厳しい圃場でも強制的に施肥・播種が可能。「ニュー制御システム」の採用により、繰出軸への負荷の影響を認識し、常に適切な回転数を維持する。施肥量・播種量及び作業速度の変更の場合も、操作ボックスに数値を入力するだけで、繰出軸の回転数が適切な回転数に自動で変更され、施肥・播種量の目安表を参照しての繰出しロールの開度調節が基本的に必要なくスムーズな作業が行える(ただし、大幅に施肥量・播種量を変える場合には、繰出しロール開度調節が必要)。また、旋回時にシーダーを持ち上げると自動的に繰出しが停止する「ムダまき防止スイッチ」を装備している。
6.齋藤農機製作所が法面草刈機と畦畔草刈機を本格発売
法面草刈機は、超軽量でスイング式のSGC−S300、コンパクトで小回りのきく同−S400、長尺の草や硬い草にも対応できる本格派の同−S500の3タイプ。いずれの型式も、4枚のフリー刃で草を細かくカットするため、刈り跡がキレイに仕上がる。また、刈り取った草は、そのまま放置できるため、大幅な省力化が図れる。フリー刃と草の巻き付きが少ない刈刃構造により、馬力ロスが少なく、草の繁茂が激しい場所でも、能率的に作業が行える。
畦畔草刈機は、機体全幅が780mmと小型で、狭いあぜでも取り回しがいいSGC−602、700mmと広い刈幅を実現した同−702、さらに高出力の同−702Dの3タイプ。いずれの型式も上下2枚の回転ブレード式刈刃により、草を細かくカットし、中央に集草する。平面と法面の2面を同時に刈れるため、極めて効率的な作業が行える。また、畦畔形状(法面角度・マイナス3度〜53度まで対応)に合わせ、刈刃部分が自動的に追随するため、様々な畦畔に対応した草刈りが行える。
7.サタケと山本製作所が「にこニコキャンペーン」の第1回抽選会を実施
「にこニコキャンペーン」は、両社の提携を記念して1月1日から6月30日まで実施している。その第1回目のWチャンス抽選会が4月14日、サタケ東京本社で開催された。サタケ・山本両トップによる抽選により、今回の当選者、A賞・大型液晶テレビが10名、B賞・新型プレステーション3が10名、C賞・デジタルフォトフレームが15名の決定をみた。キャンペーンでは、山本製作所がサタケから光選別機「ピカ選」など各種選別機を、サタケが山本製作所から汎用乾燥機や農産物保冷庫などの供給をそれぞれ受け、製品相互の販売を実施、製品相互販売の成果が向上したとしている。
8.三菱農機が「エコ・ラテ」キャンペーン
4月1日から、同社設立30周年を記念し、第2弾となる「三菱ガスミニ耕うん機スプリングキャンペーン」を開始した。ホビー農家、家庭菜園ユーザーを対象に、昨年発売し好評の家庭用カセットガスを燃料とするガスミニ耕うん機「エコ・ラテ」を購入すると、もれなく「三菱オリジナルボンベケースと野菜の種」をプレゼントする。
また、キャンペーン第1弾として昨年11月から3月まで実施したトラクタ・コンバイン・田植機の契約者に対する特産品プレゼントの抽選会を行い、当選者が決まった。
9.山本製作所が、水稲種子連続温湯消毒設備を納入
栃木県那須南農協・烏山種子センターへ納入、竣工式が行われた。今回導入された水稲種子温湯設備は、毎時処理2tタイプのタテ型連続温湯消毒装置「HB—HH2000A」、同1tタイプの連続遠心分離脱水装置「DEH—220」2基、同2tタイプの連続送り乾燥装置「HB—D2000A」で、
- 種子消毒液の削減
- 廃液処理費用の削減
- 使用農薬の低減
タテ型連続温湯消毒設備は、同社独自のタテ型の温湯槽により設置スペースが少なくてすみ、毎時2tの種籾を処理できる。連続遠心分離脱水装置は、低馬力、省スペース、運転調整が不要で省力化が図れる。毎時処理能力1tで、2基導入されている。連続送り乾燥装置は、コンベア式で毎時2tの種籾を乾燥する。これにより、同センターでは既設の設備を含め、水稲種子で1日当たり52t(最大65t)、麦種子で同30t(同38t)の処理が行える。
10.クボタが北海道大学に寄付、研究を支援
同社が北海道大学に3年間で総額4500万円を寄付、これをもとに同大観光学高等研究センターに新研究部門として「農地再生・ふるさと起業研究部門」を立ち上げ、新産業の創出による地域の活性化を目的とした農業と観光の異分野連携の研究を支援する。
これについてクボタでは、社会貢献活動「クボタeプロジェクト」と、北海道大学観光学高等研究センターがNPO法人と連携し、観光創造を核に地域再生に向けて実施している、田舎で生業を起こす若者たちを支援する「ふるさと起業塾」とは、理念が合致するものであり、北海道大学とのコラボレーションによる研究活動は、日本の農業と地域の活性化に大きく貢献できる可能性があること、農業を中心とする多様な連携軸を構築することで、人材育成を通じた環境保全・豊かな社会づくりにも貢献することができると考え、北海道大学観光学高等研究センターの研究を支援することとした、としている。
11.ホンダが汎用製品の体験・取材会
体験・取材会はコンシューマー(一般消費者)に二輪・四輪に比べてなじみの薄い汎用製品を「もっと身近なものに」(広報部)感じてもらうために企画したもの。とくに5月13日発売予定のガスパワー発電機「エネポ」(EU9iGB、定格出力900VA)を中心に、汎用の目指す「生活に役立つチカラ」をアピールした。
取材会では、ガーデニングカウンセラー・岡井路子さんが、「エネポ」で電気ポットやホットプレートなどを使い、オープンサンド、ハーブティーをふるまったのをはじめ、快適生活研究家でアウトドアクッキングの達人・田中ケンさんが、「エネポ」2台を電源にIHポータブルヒーターで「ラムチョップ」のクイックレシピを披露した。